JPS645104Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はブラシレス直流フアン、特にステータ
とロータとの相互作用により回転翼を回転させる
ブラシレス直流フアンに関するものである。

従来技術 ブラシレス直流フアンは直流モータの整流子を
トランジスタスイツチ回路に、またブラシを磁極
位置検出器に置き替えたモータであり、電子計算
機をはじめ、通信機、計測機など半導体を使用し
た機器装置の内部を冷却する目的で、広く使用さ
れている。

第１図には従来のブラシレス直流フアンの半部
断面図が示されている。図示のように、従来のブ
ラシレス直流フアンにおいては、フレーム１を備
え、その中心部に固定された軸受２には、シヤフ
ト３が回転自在に軸支されている。このシヤフト
３には次のようなロータ４が設けられている。即
ち、このロータ４はシヤフト３に固定されたハブ
５を有し、このハブ５の外周には有底筒状をした
翼支持体６が一体に設けられ、この翼支持体６の
外周面には複数の回転翼７が放射状に突設され、
これらのハブ５、翼支持体６及び回転翼７は一体
成形されている。また、翼支持体６の内周面には
有底筒状をしたヨーク８が固着され、更にヨーク
８の内周面には複数の磁極９が固着されている。

更に、フレーム１にはステータ１０が取り付け
られている。このステータ１０は、ステータスタ
ツク１１と、該ステータスタツク１１に巻回され
たコイル１２とを有し、ステータスタツク１１に
は磁極９と対向配置された磁極が形成されてい
る。フレーム１の外周縁部には通風孔１３が形成
されている。

このようなブラシレス直流フアンは、ステータ
１０とロータ４との相互作用により、回転翼７が
回転し、通風孔１３を通じて通風が行われる。通
風量は回転翼７の通風面積及び回転数に大きく依
存しており、通風面積を大きくし、回転数を高く
することにより、通風量を多くすることが可能と
なる。

しかしながら、従来のブラシレス直流フアンに
おいては、前述したように有底筒状をした翼支持
体６が使用され、この翼支持体６の内周面に有底
筒状をしたヨーク８が固着されていたので、翼支
持体６及びヨーク８の厚さにより、回転翼７の通
風面積を大きくすることができず、この結果、通
風量が少ないばかりでなく、モータの放熱効果を
充分に得ることができない欠点があつた。また、
通風量を多くするためにロータ４の回転数を高く
すれば、高速回転に伴う騒音が大きくなる欠点が
あつた。

考案の目的 本考案の目的は、ロータの回転数を高くするこ
となく、通風量を多くすることができるブラシレ
ス直流フアンを提供することにある。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案は、互いに対
向配置された磁極を有するステータとロータとを
備え、前記ロータはシヤフトに固定されたハブ
と、前記ハブと一体になつて回転する翼支持体
と、前記翼支持体に支持された複数の回転翼と、
磁極を備えて前記ハブに固定されたヨークとを有
し、前記ステータとロータとの相互作用により前
記回転翼を回転させるブラシレス直流フアンにお
いて、前記ヨークの外周には段付凹部が設けら
れ、前記ヨークの段付凹部に前記翼支持体が嵌め
込まれて、両者が一体固定されていることを特徴
とする。

実施例 以下図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第２図は本考案に係るブラシレス直流フアンの
第１実施例を示したものである。図において第１
図で示される従来のフアンと対応する部材には同
一符号を付して説明を省略する。

本実施例のブラシレス直流フアンにおいては、
ロータ４はハブ５に一体に成形された円板状の翼
支持体６を有し、この翼支持体６の外周部には突
起部６ａが形成されている。第３図で示されるよ
うに翼支持体６の突起部６ａの外周面には６枚の
回転翼７の各一端が固定されている。本実施例に
おいては、ハブ５と翼支持体６と回転翼７とはプ
ラスチツク材にて一体成形されている。また、ロ
ータ４は金属材から成るヨーク８を有し、第２図
で示されるようにヨーク８のコーナー部には段付
凹部８ａが設けられている。このヨーク８の段付
凹部８ａに翼支持体６の突起部６ａを嵌装するこ
とにより両者が一体固定されている。

このように本実施例において特徴的なことは、
翼支持体６には回転翼７の一端を固定する突起部
６ａが設けられ、またヨーク８には段付凹部８ａ
が設けられ、ヨーク８の段付凹部８ａに翼支持体
６の突起部６ａを嵌装することにより両者が一体
固定されていることである。このため、第１図と
第２図とを比較して明らかなように、本実施例の
回転翼７は従来の回転翼７に比べて、その径方向
の長さをほぼ従来の翼支持体６の外周部の厚さの
分だけ長くすることができ、回転翼７の通風面積
を大きくすることができる。

従つて、本実施例のフアンによれば、通風量の
増大効果を得ることができ、特にフアンが小型に
なるに従つてその効果が大きくなる。また、本実
施例のフアンによれば、ロータ４を高速回転する
ことなく、所望の通風量を得ることができるの
で、低騒音であるという利点を有している。更
に、本実施例のフアンによれば、モータの放熱効
果を大きくすることができるので、その長寿命化
を図ることができる。更に、本実施例のフアンに
よれば、ハブ５、翼支持体６及び回転翼７の一体
成形材料費を従来のフアンに比べて低減すること
ができる。

第４図は、本考案のブラシレス直流フアンの第
２実施例を示したものである。同図において第２
図で示される第１実施例と対応する部分には同一
符号を付して説明を省略する。

本実施例において特徴的なことは、ハブ５と翼
支持体６とを分離し、翼支持体６をリング状にし
たことであり、このリング状の翼支持体６はヨー
ク８の段付凹部８ａに、またヨーク８の端部８ｂ
はハブ５にそれぞれ接着あるいは機械的固着手段
などにより固定されている。

このように、ハブ５と翼支持体６とを分離した
ことにより、前述した第１実施例の効果のほかに
次のような効果を得ることができる。即ち、本実
施例のフアンによれば、翼支持体６におけるヨー
ク８を覆う部分が除去されているので、フアンの
シヤフト３方向の厚さを薄くすることができ、ま
たモータの放熱効果をより大きくすることがで
き、更に翼支持体６及び回転翼７の一体成形材料
費をより低減することができる。

考案の効果 以上説明したように本考案によれば、ヨークに
段付凹部を設け、この段付凹部に翼支持体を嵌め
込んで両者を一体固定したので、径方向の翼支持
体の突出長を短縮できて、ロータの回転数を高く
することなく、通風量を多くすることができ、低
騒音で通風量の増大効果を得ることができ、モー
タの放熱効果を大きくすることができ、更にハブ
及び回転翼の一体成形材料費を低減することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のブラシレス直流フアンの１例を
示す半部断面図、第２図は本考案のブラシレス直
流フアンの第１実施例を示す半部断面図、第３図
は第２図で示されるフアンにおける翼支持体及び
回転翼の外観図、第４図は本考案のブラシレス直
流フアンの第２実施例を示す半部断面図である。 ３……シヤフト、４……ロータ、５……ハブ、
６……翼支持体、６ａ……突起部、７……回転
翼、８……ヨーク、８ａ……段付部、９……磁
極、１０……ステータ、１２……コイル、１３…
…通風孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 互いに対向配置された磁極を有するステータ
   とロータとを備え、前記ロータはシヤフトに固
   定されたハブと、前記ハブと一体になつて回転
   する翼支持体と、前記翼支持体に支持された複
   数の回転翼と、磁極を備えて前記ハブに固定さ
   れたヨークとを有し、前記ステータとロータと
   の相互作用により前記回転翼を回転させるブラ
   シレス直流フアンにおいて、前記ヨークの外周
   には段付凹部が設けられ、前記ヨークの段付凹
   部に前記翼支持体が嵌め込まれて両者が一体固
   定されていることを特徴とするブラシレス直流
   フアン。 (2) 前記翼支持体と前記ハブとは一体成形されて
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項に記載のブラシレス直流フアン。 (3) 前記支持翼体と前記ハブとは分離されている
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載のブラシレス直流フアン。