JPH08190197A - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

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JPH08190197A
JPH08190197A JP185495A JP185495A JPH08190197A JP H08190197 A JPH08190197 A JP H08190197A JP 185495 A JP185495 A JP 185495A JP 185495 A JP185495 A JP 185495A JP H08190197 A JPH08190197 A JP H08190197A
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JP
Japan
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photosensitive
printing plate
photosensitive layer
water
acrylate
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Pending
Application number
JP185495A
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English (en)
Inventor
Ryoji Hattori
良司 服部
Yasuo Kojima
康生 児島
Nobumasa Sasa
信正 左々
Hideyuki Nakai
英之 中井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インキ着肉性に優れた平版印刷版が得ら
れ、かつ感光性平版印刷版を高湿で保存したときの品質
の劣化(感度低下、故障の発生等)がなく、感光層の製
造に用いられる感光液の分散性が優れた、水性アルカリ
液で現像できる感光性平版印刷版、感光層上にオーバ
ーオート層を設けたとき、該オーバーコート層による感
光層のコンタミが防止される感光性平版印刷版を提供す
る。 【構成】 親水性表面を有する支持体上に、炭素原子
数3以上の長鎖アルキル基を有する光重合性モノマー、
光重合開始剤及び有機溶剤に分散可能な水不溶性粒子状
分散物を含有する感光性組成物を塗布してなる感光層を
有する感光性平版印刷版。前記支持体上に、光重合性
モノマー、光重合開始剤、前記水不溶性粒子状分散物及
び炭素原子数3以上の長鎖アルキル基を有する化合物を
含有する感光性組成物を塗布してなる感光層を有する感
光性平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光重合性の感光層を支
持体上に有する感光性平版印刷版に関し、更に詳しくは
水性アルカリ液で現像可能な感光性平版印刷版に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、感光性平版印刷版の感光層に適用
される水性アルカリ液で現像可能な光重合性組成物とし
て種々のものが提案されている。
【0003】特公昭46-42450号及び同50-14162号公報に
は光重合開始剤やエチレン性不飽和化合物として水可溶
性のものを用い、これらを水溶性ポリマー中に均一に溶
解してなる光重合性組成物が開示されている。しかし、
光重合開始剤やエチレン性不飽和化合物として水可溶性
のものを用いた光重合性組成物は油溶性のものを用いた
光重合性組成物に比較すると高湿で保存したときの品質
の劣化(感度低下、故障の発生等)に対する耐性(以下
「耐水性」という)が不十分であり、水溶性ポリマーを
用いるためインキ受容画像として親油性が不充分でイン
キ着肉性が悪い問題がある。
【0004】特開昭54-9585号公報には水分散性ラテッ
クス、水分散性オリゴマー及び光重合開始剤からなる光
重合性組成物が提案されており、水分散性ラテックスを
用いることによって耐水性は向上しているが、親油性が
充分でなく、水可溶性の光重合開始剤及びエチレン性不
飽和化合物を用いて水中に分散して用いた場合、インキ
着肉性に問題がある。
【0005】本発明者等は油溶性のエチレン性不飽和化
合物、有機溶剤分散性の水不溶性粒子状分散物及び油溶
性光重合開始剤を含有する光重合性組成物から得られる
感光層が水により短時間で現像可能であることを見いだ
し提案した(特開昭58-174402号及び特開平5-249675号
公報)。しかし上記光重合性組成物で形成された感光層
を有する感光性平版印刷版はインキ着肉性及び耐水性に
改良の余地があった。一方、インキ着肉性及び耐水性を
改善する手段として感光性組成物に感脂化剤を含有させ
ることが知られている(特開昭50-125806号公報)。し
かし、この手段を適用した感光性組成物は該感脂化剤を
添加することにより有機溶剤溶解型高分子重合体と凝集
を起こしてしまい沈殿物を生じる問題が認められた。更
に該感光性組成物を塗設して形成した感光層上にオーバ
ーコート層を設けると、オーバーコート層が感光層を汚
染(コンタミ)し、インキ着肉性に大きな影響を及ぼし
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
の目的は、インキ着肉性に優れた平版印刷版が得られ、
かつ耐水性に優れ、更にその感光層の製造に用いられる
感光液の分散性が優れた、水性アルカリ液で現像できる
感光性平版印刷版を提供することである。本発明の第2
の目的は、感光層上にオーバーコート層を設けたとき、
該オーバーコート層による感光層のコンタミが防止され
る感光性平版印刷版を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記本発明の第1の目的
を達成する本発明の構成は下記又はである。更に下
記によれば上記第2の目的も達成される。
【0008】親水性表面を有する支持体上に、炭素原
子数3以上の長鎖アルキル基を有する光重合性モノマ
ー、光重合開始剤及び水不溶性粒子状分散物を含有する
感光性組成物を塗布してなる感光層を有することを特徴
とする感光性平版印刷版。
【0009】親水性表面を有する支持体上に、光重合
性モノマー、光重合開始剤、水不溶性粒子状分散物及び
炭素原子数3以上の長鎖アルキル基を有する化合物を含
有する感光性組成物を塗布してなる感光層を有すること
を特徴とする感光性平版印刷版。
【0010】以下、本発明について詳述する。
【0011】請求項1又は2に係る発明の感光性平版印
刷版に用いられる親水性表面を有する支持体としては、
感光性平版印刷版の支持体として公知のものを用いるこ
とができる。好ましい支持体としてアルミニウム支持体
が挙げられる。アルミニウム支持体には、純アルミニウ
ムおよびアルミニウム合金によりなる支持体が含まれ
る。アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、
例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、
亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル等の金属とアルミニウム
の合金が用いられる。
【0012】アルミニウム支持体は、粗面化に先立って
アルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂処理を
施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、
シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロンとトリエ
タノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処
理等が用いられる。また、脱脂処理には、苛性ソーダ等
のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に
苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いた場合、上記脱
脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去する
ことができる。
【0013】上記の如く処理されたアルミニウム支持体
は、次に、表面を粗面化する。粗面化は、機械的に表面
を粗面化するいわゆる機械的粗面化法、化学的に表面を
選択溶解させ粗面化するいわゆる化学粗面化法、電気化
学的に表面を粗面化するいわゆる電気化学的粗面化法等
公知の方法を用いて行うことができる。
【0014】機械的粗面化法には、例えば、ボール研
磨、ブラシ研磨、ブラスト研磨、バフ研磨等の方法があ
り、また、電気化学的粗面化法には、例えば、塩酸、硝
酸等を含む電解駅中で交流あるいは直流によって電解処
理する方法がある。粗面化は、この内のいずれか1つの
方法で、あるいは2つ以上の方法を併用して行うことが
できる。
【0015】上記のようにして粗面化処理をして得られ
た支持体の表面には、スマットが生成しているので、こ
のスマットを除去するために、適宜水洗あるいはアルカ
リエッチング等の処理を行うことが一般に好ましい。こ
のような処理としては、例えば、特公昭48-28123号公報
に記載されているアルカリエッチング法や特開昭53-127
39号公報に記載されている硫酸デスマット法等の処理方
法等が挙げられる。
【0016】上記のようにして得られた粗面化したアル
ミニウム支持体は陽極酸化処理して酸化皮膜を形成す
る。陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方
法を用いることができる。陽極酸化処理には、硫酸およ
び/または燐酸等を10〜50%の濃度で含む水溶液を電解
液として、電流密度1〜10A/dm2で電解する方法が好
ましく用いられるが、他に米国特許第1,412,768号明細
書に記載されている硫酸中で高電流密度で電解する方法
や、米国特許第3,511,661号明細書に記載されている燐
酸を用いて電解する方法等を用いることができる。
【0017】陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ
封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処
理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロ
ム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理等公知の方法を用いて
行うことができる。
【0018】アルミニウム支持体にはさらに、親水性層
を設けることが好ましい。親水性層の形成には、米国特
許第3,181,461号明細書に記載のアルカリ金属珪酸塩、
米国特許第1,860,426号明細書に記載の親水性セルロー
ス、特開昭60-149491号公報、特開昭63-165183号公報に
記載のアミノ酸およびその塩、特開昭60-232998号公報
に記載の水酸基を有するアミン類およびその塩、特開昭
62-19494号公報に記載の燐酸塩、特開昭59-101651号公
報に記載のスルホ基を有するモノマー単位を含む高分子
化合物等を用いることができる。
【0019】請求項1に係る発明に用いられる炭素原子
数3以上の長鎖アルキル基を有する光重合性モノマーと
して、(メタ)アクリレートから誘導される化合物が好ま
しい。そのモノマーにおけるアルキル鎖の炭素数が増加
するにしたがって、そのモノマーを用いて合成された共
重合体を感光性組成物中に用いて感光性平版印刷版を作
成した場合に平版印刷版のインキ着肉性、耐水性が向上
する。この良好な性質を充分に発現させるモノマーのア
ルキル鎖の炭素数は3以上であり、好ましくは炭素数が
5〜18のモノマーである。又、本発明に用いられるモノ
マーのアルキル鎖は、直鎖のものに限るものでなく側鎖
を有する物であってもよい。これらのモノマーの具体例
としては、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリ
トールジアクリレート、オクタノール変性燐酸(メタ)ア
クリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル
(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-
ウンデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アク
リレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラ
デシル(メタ)アクリレート、n-ペンタデシル(メタ)アク
リレート、n-ヘキサデシル(メタ)アクリレート、n-ヘプ
タデシル(メタ)アクリレート、n-オクタデシル(メタ)ア
クリレート、7-メチルオクチル(メタ)アクリレート、8-
メチルノニルアクリレート、9-メチルデシルアクリレー
ト、10-メチルウンデシルアクレート、11-メチルドデシ
ルアクリレート、12-メチルトリデシルアクレート、13-
メチルテトラデシルアクリレート、14-メチルペンタデ
シルアクリレート、6-メチルオクチルアクレート、7-メ
チルノニルアクリレート、8-メチルデシルアクリレー
ト、9-メチルウンデシルアクリレート、10-メチルドデ
シルアクリレート、11-メチルトリデシルアクリレー
ト、12-メチルテトラデシルアクリレート、13-メチルペ
ンタデシルアクリレート、6-エチルオクチルアクリレー
ト、7-エチルノニルアクレート、8-エチルデシルアクリ
レート、9-エチルウンデシルアクリレート、10-エチル
ドデシルアクリレート、11-エチルトリデシルアクリレ
ート、12-エチルテトラデシルアクリレート、ヘプタデ
カフロロデシル(メタ)アクリレート、オクタフロロペン
チル(メタ)アクレート等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0020】請求項1に係る発明において、光重合性モ
ノマーとして炭素原子数3以上の長鎖アルキル基を有す
る光重合性モノマーを単独で使用することは可能である
が、好ましくは特開昭58-174402号公報、同58-174939号
公報等に記載の従来の光重合性モノマーと組み合わせて
含有させることが好ましい。併用する光重合性モノマー
としては請求項2に係る発明に使用される光重合性モノ
マー(後記)が挙げられる。このような従来の光重合性
モノマーと併用する場合、炭素原子数3以上の長鎖アル
キル基を有する光重合性モノマーの添加量は光重合性モ
ノマーの全量に対し0.05〜20%の範囲が好ましく、より
好ましくは0.1〜20%の範囲である。
【0021】請求項2に係る発明に用いられる光重合性
モノマーとしては、付加重合しうるエチレン性不飽和化
合物が挙げられる。上記エチレン性不飽和化合物はモノ
マー、プレポリマー即ち二量体、三量体、四量体及びオ
リゴマー(分子量10000以下の重合物又は重縮合物)、
そられの混合物並びにそれらの共重合体等を包含する。
【0022】上記エチレン性不飽和化合物としては、多
価アルコールのアクリル酸エステル及びメタクリル酸エ
スエテルが適当であり、エチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ネオペンチルグリコール等のアクリル酸、メ
タアクリル酸エステルを例として挙げ得る。
【0023】ビスフェノールAから変性誘導されたアク
リル酸、メタアクリル酸エステル、例えばビスフェノー
ルA-エピクロルヒドリン系エポキシ樹脂プレポリマーと
アクリル酸或いはメタアクリル酸との反応生成物、ビス
フェノールAのアルキレンオキシド付加体或いはその水
素添加物のアクリル酸、メタアクリル酸エステル等も使
用し得る。
【0024】これらのエステル系とは別にメチレンビス
アクリルアミド、メチレンビスメタアクリルアミド並び
にエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジ
アミン、ペンタメチレンジアミン等のジアミンのビスア
クリル又はビスメタアクリルアミドも有用である。
【0025】また、ジオールモノアクリレート若しくは
ジオールモノメタアクリレートとジイソシアネートとの
反応生成物、トリアクリルホルマール又はトリアリルシ
アヌレート等も適している。
【0026】これらのモノマー性化合物とは別に、側鎖
にアクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基を
含む線状高分子化合物、例えばグリシジルメタアクリレ
ートの開環共重合物、グリシジルメタアクリレートのビ
ニル共重合物のアクリル酸、メタクリル酸付加反応物等
も使用可能である。
【0027】上記エチレン性不飽和化合物としては水溶
性のものも使用可能であるが、光感度及び画像の耐水性
の点から水不溶性のものが好ましく、特に光感度の面に
おいてペンタエリスリトールテトラアクリレート及びト
リメチロールプロパントリアクリレートが好ましいモノ
マーである。
【0028】請求項1又は2に係る発明に用いられる光
重合開始剤としては、エチレン性不飽和化合物と併用す
るのに有効な一般に公知のもので、次の化合物が含まれ
るがこれに限定されるものではない。
【0029】具体例としては、アシロイン;ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンブチルエーテル等のアシロイン誘導体;臭化デシル、
塩化デシル、デシルアミン等;ベンゾフェノン、アセト
ンフェノン、ベンジル及びベンゾイルシクロブタノン等
のケトン;ミヒラーのケトン、ジエトキシアセトン及び
ハロゲン化アセトン及びベンゾフェノン等の置換ベンゾ
フェノン;チオキサントン、クロルチオキサントン、イ
ソプロピルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサン
トン、メチルチオキサントン等のチオキサントン誘導
体、キノン及びベンゾキノン、アントラキノンとフエナ
ントレンキノンのなうな多核環式キノン;クロルアント
ラキノン、メチルアントラキノン、オクタメチルアント
ラキノン、ナフトキノン、ジクロロナフトキノン等の置
換多核環式キノン;ハロゲン化脂肪族、脂環族及び芳香
族炭化水素及びそれらの混合物等で、但しハロゲンは塩
素、臭素、弗素、沃素であり、例えばモノ-及びポリク
ロロベンゼン、モノ-及びポリブロモベンゼン、モノ-及
びポリクロロキシレン、モノ-及びポリブロモキシレ
ン、ジクロロ無水マレイン酸、1-(クロロ-2-メチル)ナ
フタレン、2,4-ジメチルベンゼン塩化モルホニル、1-ブ
ロモ-3-(m-フェノキシフェノキシ)ベンゼン、2-ブロモ
エチルメチルエーテル、無水クロレンデイン酸及びその
対応エステル、塩化クロロメチルナフチル、クロロメチ
ルナフタレン、ブロモメチルフェナントレン、ジ・ヨー
ドメチルアントラセン、ヘキサクロロシクロペンタジエ
ン、ヘキサクロロベンゼン、オクタクロロシクロペンテ
ン及びそれらの化合物、ロフィン二量体及びN-メチル-2
-ベンゾイルメチレン-β-ナフトチアゾール、N-エチル-
2-(2-テノイル)メチレン-β-ナフトチアゾールに代表さ
れる複素環化合物がある。本発明において光重合開始剤
として特公昭59-42684号、特公平6-76444号、同5-85562
号各公報に記載されているクマリン誘導体、例えば3-ベ
ンゾイル-7-メトキシクマリン、3,3′-カルボニルビス
(7-ジメチルアミノクマリン)、3-(2′-オキサジアゾイ
ル-5′-フェニル)-7-ジエチルアミノクマリン等も用い
ることができる。光重合開始剤としては、例えば「フォ
トポリマーテクノロジー」(日刊工業新聞,昭和63
年)、第26頁〜第50頁及び第113頁〜第123頁にその代表
的な化合物が開示されており、ここに記載される光重合
開始剤の中には、例えば3,3′,4,4′-テトラキス(t-ブ
チルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、イミダゾール
2量体、9,10-ジブロムアントラセン、2-ナフタレンス
ルホニルクロリド、過酸化ベンゾイル、オニウム塩等が
記載されており、これらの何れか使用することができ
る。また、特願平4-177480号、特開昭58-174402号、同5
8-174939号、特開平5-249675号等記載の従来から報告さ
れているような開始剤を含有することが好ましい。本発
明に用いられる光重合開始剤としては水溶性のものも使
用可能であるが、光感度、耐水性の点から水不溶性のも
のが好ましい。
【0030】請求項1又は2に係る発明の感光性組成物
に含有させる水不溶性粒子状分散物は有機溶媒に分散可
能であり、所望の有機溶媒を分散媒として溶解、凝集又
は沈澱が生じることなく数時間以上安定な状態を保って
いることのできる分散系である。本発明に有用なラテッ
クスは所定の有機溶媒中において溶解、凝集又は沈澱が
生じなければ分散質の種類は特には限定されない。該ラ
テックスは1種を用いても、2種以上を併用することも
できる。
【0031】上記ラテックスの分散質の例としては、ポ
リアクリル酸エステル又はそのコポリマー、ポリアクリ
ロニトリル又はそのコポリマー、ポリスチレン又はその
コポリマー、ポリエチレン又はそのコポリマー、ポリ塩
化ビニル又はそのコポリマー、ポリ塩化ビニリデン又は
そのコポリマー、ポリ酢酸ビニル又はそのコポリマー、
レゾール樹脂又はそのコポリマー、アイオノマー樹脂、
ポリメチルメタクリレート又はそのコポリマー、ポリブ
タジエン又はそのコポリマー等を挙げることができる。
【0032】本発明に好ましく用いられる、有機溶媒に
分散可能なラテックスの分散質を形成する高分子化合物
は、好ましくは分子に4級窒素原子を有し、これにより
水への分散性が向上されると共に前記エチレン性不飽和
化合物の重合体との物理的結合が生じるものである。こ
の4級窒素原子は重合体分子の側鎖に含まれるものが好
ましい。
【0033】このような重合体を構成するモノマー単位
の代表例としては、下記一般式〔1〕〜〔5〕で示され
るものが挙げられる。
【0034】
【化1】
【0035】
【化2】
【0036】一般式〔1〕〜〔5〕において、X-はア
ニオンを表す。即ち、ハロゲンイオン、硫酸イオン、リ
ン酸イオン、スルホン酸イオン、酢酸イオン、その他フ
ッ素を含むBF4 -,PF6-,SiF6 2-,SbF6 -、BeF4 2-のよう
なアニオンが含まれる。
【0037】N+に結合するRは同一でも異種であって
もよく、それぞれのRは水素原子又は1〜10個の炭素原
子を有するアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、デシ
ルの各基)、アルケニル基(例えばプロペニル、ブチニ
ルの各基)、又は6〜20個の炭素原子を有するアリール
基(例えばフェニル、ナフチルの各基)、アルアルキル
基(例えばベンジル、フェネチル、ナフチル、メチルの
各基)、若しくはアルカリール基(例えばトリル、キシ
リルの各基)を表す。また、重合性不飽和エチレン基を
有するものも好ましい。これは分子中に重合性基を有す
ると前述のエチレン性不飽和化合物の光重合の際、これ
らと重合し化学結合をするからである。Zは不飽和複素
環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、好ましく
はイミダゾール、ピリジン、ピペリジン、ピロール又は
モルホリン環である。nは整数を表す。
【0038】カチオン性基を有するラテックス重合体
で、上記一般式〔1〕〜〔5〕で示されるモノマー単位
を有するものは主鎖がC−C結合であるため極性基を有
さず疎水性であるので感光層を形成したときその疎水性
に寄与する。ラテックス重合体は、これが例えば水系ラ
テックス重合体の場合には、水中に分散できる程度の水
溶性基を有すればよいので重合体分子中に疎水性基を比
較的多く導入できるため親水性を低下させることができ
ることと、これを含む分散液は樹脂濃度の割に粘度が低
くなるため感光性層を形成するときの塗布性が良く、そ
の乾燥皮膜を厚膜にできる点で有利である。このテラッ
クス重合体に疎水性基を導入して水溶性を調節するため
には上記カチオン性モノマーに非カチオン性モノマーを
共重合すればよく、この非カチオン性モノマーの例とし
てアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレ
ン、アルキレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙
げられる。このラテックス重合体は、好ましくはジビニ
ルベンゼンやジメタクリレート等の2個以上の不飽和基
を有するモノマーにより架橋され、乳化重合により製造
されるのが望ましい。これはモノマーの親水性を減じ、
効果的に乳化重合でき、その結果皮膜強度の向上に寄与
するからである。
【0039】上記カチオン性モノマーと非カチオン性モ
ノマーの共重合体を製造するには、上記カチオン性基を
有するラテックス重合体中、カチオン性モノマーは5〜
95重量%含まれるのが好ましく、更に好ましくは25〜65
重量%である。また非カチオン性モノマーは5〜95%含
有させるのが好ましく、そのうち上記ジビニルベンゼン
のような架橋性モノマーは0.1〜8重量%含まれるのが
好ましい。
【0040】上記カチオン性基を有するラテックス重合
体の合成例としては、特開昭51-73440号公報の実施例に
記載されているようにビニルベンジルクロライドを他の
モノマーと乳化重合し、その後第3級アミンで4級化す
る方法が採用できる。別の好ましい合成法は特開昭55-2
2766号公報に記載されている方法である。また、別の好
ましい合成法は特開昭56-17352号公報に記載されている
方法である。
【0041】本発明に用いるカチオン性基を有するラテ
ックス重合体は組成物中で実質的にカチオン性基に4級
窒素原子を有するもので、その分子中にアミン、特に第
3級アミンを有するものが水系溶剤に分散された結果4
級窒素原子を有するカチオン性基になっている場合も含
まれる。
【0042】上記ラテックス重量体の粒径は、10〜200n
mが好ましく、10nmよりも小さいと製造困難であり実用
的でない。一方、200nmよりも大きいと、感光性層の露
光後の画像部を形成したとき画像の解像力を悪くする。
【0043】本発明のカチオン性基を有する重合体の具
体例としては、下記に示す化合物が挙げられる。尚括弧
内はモル比である。
【0044】
【化3】
【0045】
【化4】
【0046】
【化5】
【0047】
【化6】
【0048】
【化7】
【0049】
【化8】
【0050】
【化9】
【0051】
【化10】
【0052】本発明に用いられる水不溶性粒子状分散物
として、特公平2-15056号公報に記載の水不溶性粒子状
分散物、特開昭58-174402号公報に記載の有機溶剤分散
性の水不溶性粒子状分散物及び特開昭60-3623号公報に
記載のカチオン性基を有するラテックス重合体を好まし
く用いることができる。
【0053】本発明の感光性組成物における重合性化合
物、光重合開始剤及び水不溶性粒子状分散物の好ましい
組成比の範囲は、重合性化合物0.01〜50重量%、光重合
開始剤0.01〜20重量%、水不溶性粒子状分散物0.01〜50
重量%である。
【0054】請求項2に係る発明に用いられる炭素原子
数3以上の長鎖アルキル基を有する化合物は、芳香族の
置換基及び/又はアルコール性の−OH基を有する化合
物、及びノボラックに長鎖アルキル基を導入した化合物
を包含する。炭素原子数3以上の長鎖アルキル基を有す
る化合物は、好ましくは脂肪族モノカルボン酸であり、
より好ましくは炭素原子数3〜25の脂肪酸でり、さらに
好ましくは炭素原子数10〜25の脂肪酸である。このよう
な脂肪酸として、好ましくは脂肪酸モノカルボン酸が用
いられる。炭素原子数が10より少ないと残膜、色素残り
及びアンダー現像性に劣り、また25より多い場合には溶
剤への溶解性が劣るために塗布性を悪化させる場合があ
る。
【0055】具体的には以下の化合物が用いられる。
【0056】
【化11】
【0057】請求項1又は2に係る発明の感光性平版印
刷版の感光層には上記以外に必要に応じて種々の添加剤
を含有させることができる。例えば、熱重合禁止剤、可
塑剤、現像促進剤、接着性改良剤等を添加することがで
きる。これらの添加剤については特開昭58-174402号、
同58-174939号、特開平5-249675号各公報等を参照する
ことができる。
【0058】本発明の感光性組成物の分散媒或いは溶剤
は、水のみでもよく、この場合には上記したように公害
等の問題がなくてよいが、感光性樹脂組成物の塗布時の
支持体に対する濡れや乾燥時の乾燥性を高めるために水
混和性有機溶剤を補助的に併用することができる。この
ようなものとしては、メタノール、エタノール、メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、ハロゲン化
炭化水素、酢酸エチル等を挙げることができる。
【0059】感光性平版印刷版を製造するには、上記各
配合成分を適宜手段で撹拌混合し、回転塗布、ブラシ塗
布法、ドクターブレード塗布法、ホッパー塗布法等の公
知の手段で支持体上に塗布し乾燥して感光層とすればよ
い。感光層の厚さは0.1〜20g/m2の範囲が適当であ
る。更に、感光層の表面を滑りにくくするために感光層
の上に公知のマット剤からなる層を設けてもよい。
【0060】請求項1に係る感光性平版印刷版には感光
層の上にオーバーコート層を設けることが好ましく、オ
ーバーコート層を設ける手段としては塗布による方法、
貼り合わせによる方法等が挙げられる。オーバーコート
層の素材としては特開昭58-174402号公報記載のものを
適用することができ、その他に天然多糖類、ポリオキシ
エチレン等も用いることができる。
【0061】上記のようにして作成された感光性平版印
刷版は、先ず活性光線により画像露光される。ここで活
性光線としては、感光層に含まれる光重合開始剤が感光
するものであればどのようなものでも用いられる。例え
ば水銀灯、キセノン灯、レーザー等が挙げられる。
【0062】画像露光された感光性平版印刷版の感光層
の露光部はアルカリ性の水性現像液により除去される。
本発明の感光性平版印刷版の現像液(補充液を包含す
る)に用いるアルカリ剤としては、ケイ酸ナトリウム、
ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、
第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リ
ン酸カリウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸アンモ
ニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸アンモニウムなどのような無機アルカリ剤、モ
ノー、ジ-またはトリエタノールアミンおよび水酸化テ
トラアルキルアンモニウムのような有機アルカリ剤およ
び有機ケイ酸アンモニウム等が有用である。これらの中
で、ケイ酸塩が好ましく、アルカリ金属ケイ酸塩が最も
好ましい。アルカリ剤の現像液中における含有量は0.05
〜20重量%の範囲で用いるのが好適であり、より好まし
くは0.1〜10重量%である。
【0063】アルカリ剤として特に好ましいのは、アル
カリ金属塩であって、ケイ酸塩[SiO2]/アルカリ金属
酸化物[M2O]比(但し、ケイ酸塩[SiO2]、アルカリ
金属酸化物[M2O]はモル濃度を示す。)が0.1〜2.0の
範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜1.5の範囲であ
る。
【0064】本発明の感光性平版印刷版の現像に用いる
現像液には有機溶剤、水溶性還元剤等の添加剤を添加す
ることができる。
【0065】有機溶剤としては20℃において水に対する
溶解度が10重量%以下であるものが好ましいが、このよ
うな有機溶剤としては例えば酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレン
グリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル、レブリ
ン酸ブチルのようなカルボン酸エステル;エチルブチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンの
ようなケトン類;エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレング
リコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、
メチルフェニルカルビノール、n-アミルアルコール、メ
チルアミルアルコールのようなアルコール類;キシレン
のようなアルキル置換芳香族炭化水素;メチレンジクロ
ライド、エチレンジクロライド、モノクロルベンのよう
なハロゲン化炭化水素などがある。これら有機溶媒は一
種以上用いてもよい。これらの有機溶媒の中では、エチ
レングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコ
ールベンジルエーテル及びベンジルアルコールが特に好
ましい。
【0066】水溶性還元剤としては有機および無機の還
元剤が含まれる。有機の還元剤としては、例えばハイド
ロキノン、メトール、メトキシキノン等のフェノール化
合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジン等のア
ミン化合物があり、無機の還元剤としては、例えば亜硫
酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸
塩、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸
水系ナトリウム、亜リン酸水素カリウム、亜リン酸二水
素ナトリウム、亜リン酸水素二カリウム等のリン酸塩、
ヒドラジン、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリ
ウム等を挙げることができるが、本発明において特に効
果が優れている還元剤は亜硫酸塩である。上記水溶性還
元剤の水溶性という意味はアルカリ可溶性をも含むもの
であり、これら水溶性還元剤は、好ましくは0.1〜10重
量%、より好ましくは0.5〜5重量%の範囲で含有され
る。
【0067】本発明の感光性平版印刷版の現像に用いる
現像液には更に現像性能を高めるために以下のような添
加剤を加えることができる。例えば、特開昭58-75152号
記載のNaCl、KCl、KBr等の中性塩、特開昭58-190952号
記載のEDTA,NTA等のキレート剤、特開昭59-121
336号記載の[Co(NH3)6]Cl3等の錯体、特開昭55-95946
号記載のp-ジメチルアミノメチルポリスチレンのメチル
クロライド4級化物等のカチオニックポリマー、特開昭
56-142528号記載のビニルベンジルトリメチルアンモニ
ウムクロライドとアクリル酸ナトリウムの共重合体等の
両性高分子電解質、特開昭57-192952号記載の還元性無
機塩、特開昭58-59444号記載の塩化リチウム等の無機リ
チウム化合物、特公昭50-34442号記載の安息香酸リチウ
ム等の有機リチウム化合物、特公昭59-75255号記載のS
i、Ti等を含む有機金属界面活性剤、特開昭59-84241号
記載の有機硼素化合物等が挙げられる。
【0068】
【実施例】次に本発明の実施例について説明するが、本
発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。な
お、以下の実施例及び比較例において、実施例1〜3及
び比較例1〜3は請求項1に係り、実施例4〜6及び比
較例4〜6は請求項2に係るものである。
【0069】支持体の作成 厚さ0.3mmのアルミニウム板を20%リン酸ナトリウム水
溶液に浸漬して脱脂し、電解研磨を行った後、硫酸水溶
液中で陽極酸化し、更にメタケイ酸ナトリウム水溶液で
処理し、水洗後乾燥を行い、以下の実施例及び比較例の
感光性平版印刷版の支持体として用いた。
【0070】実施例1 下記組成の感光層用の塗布液1及びオーバーコート層用
の塗布液を作成した。 感光層用の塗布液1 3,3′-カルボニルビス(ジエチルアミノクマリン) 0.6g 3,3′,4,4′-テトラキス(t-ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン 0.8g ステアリルジアクリレート (東亜合成化学工業(株)製、商品名アロニックスM233) 2.0g ペンタエリスリトールトリアクリレート 3.0g 水不溶性粒子状分散物1 5.0g
【0071】
【化12】
【0072】 2-メトキシエタノール 64.6g オーバーコート層用の塗布液 PVA GL05R(日本合成化学(株)製)の25%水溶液 上記塗布液1をワイヤーバーを用いて支持体上に乾燥後
の膜厚が1.5μmになるように塗布し乾燥し、さらにその
上にオーバーコート層用の塗布液を同様の方法で乾燥後
の膜厚が3.0μmになるように塗布し乾燥し感光性平版印
刷版を作成した。この感光性平版印刷版に対してAr+
ーザー光(488μm)を用いスキャンスピード9.8m/
s、スキャンタイム(41cm×59cm)で9.7minで露光し
た。走査には円筒露光機を使用した。露光した感光性平
版印刷版を下記組成の現像液を使用し自動現像機PSZ-91
0(コニカ(株)製)を用いて処理した。
【0073】 現像液 Aケイ酸カリウム(日本化学工業社製、SiO2=26%、K2O=13.5%) 400g 水酸化カリウム(50%水溶液) 195g 水 11.5l [SiO2]/[K2O]=1.2 インキ着肉性の評価 露光及び現像により得た平版印刷版にインキSPO-1(コ
ニカ(株)製)をのせ、形成された小点をルーペで観察し
た。
【0074】 ○:小点が通常の感光性平版印刷版と同様に再現した △:小点に若干がさつきがあった ×:小点ががさついていてインキが付着していない。
【0075】耐水性の評価 現像前の感光性平版印刷版を40℃相対湿度80%で3日保
存し、この保存による感度の変動を測定し、また感光層
のやられの程度を目視評価した。感度はグレースケール
法及びスポット露光法により求めた。前者は超高圧水銀
灯からフィルターを通して取り出した490nmの波長の光
を用い、感光性平版印刷版をグレースケールを密着して
照射した後、前記方法で現像し硬化画像が得られる最小
露光エネルギーから求めた。後者はAr+レーザーの488μ
m発振線を用い、感光性平版印刷版に照射時間を変えて
露光した後、同様に現像し、レーザービーム径(1.36n
m)と同等の硬化画像が得られる露光エネルギーから求
めた。
【0076】感度層のやられの評価基準を下記に示す。
【0077】 ○:感度層が保存前と変化がない △:感光層の可視画性(色目)が若干低下している ×:感光層上に白い斑点状の抜けが生じる。
【0078】分散性の評価 感光層用塗布液を調製の後、100mlをデカンテーション
し、遠心分離機で10000rpm/30分間遠心分離し、その後
沈殿物の発生状態を視認した。
【0079】 ○:沈殿物無し △:沈殿物が若干生じている ×:沈殿物が多い 実施例2 感光層用の塗布液として塗布液1のステアリルジアクリ
レートをラウリルアクリレートに変えた塗布液2を用い
た以外は実施例1と同様の実験を行った。
【0080】実施例3 感光層用の塗布液として塗布液1のステアリルジアクリ
レートをオクタフロロペンチルアクリレートに変えた塗
布液3を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。
【0081】比較例1 感光層用の塗布液として塗布液1の水不溶性粒子状分散
物をポリ(メタクリル酸メチル)/メタクリル酸(90/1
0)に変えた塗布液4を用いた以外は実施例1と同様の
実験を行った。
【0082】比較例2 感光層用の塗布液として塗布液1のステアリルジアクリ
レートを添加せず、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ートの添加量を5.0gにした塗布液5を用いた以外は実
施例1と同様の実験を行った。
【0083】比較例3 感光層用の塗布液として塗布液1のステアリルジアクリ
レートを2-ヒドロキシエチルアクリレートに変えた塗布
液6を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。
【0084】上記実施例1〜3並びに比較例1〜3の結
果を下記表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】実施例4 感光層用の塗布液として下記塗布液7を用い、コンタミ
性について下記による評価を加えた以外は実施例1と同
様の実験を行った。
【0087】 感光層用の塗布液7 3,3′-カルボニルビス(ジエチルアンノクマリン) 0.6g 3,3′,4,4′-テトラキス(t-ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン 0.8g ラウリル酸 0.05g ペンタエリスリトールトリアクリレート 5.0g 水不溶性粒子状分散物1(前記) 5.0g 2-メトキシエタノール 64.6g コンタミ性の評価 前記オーバーコート層用の塗布液の組成にコンタミ評価
用として食用色素105号(ダイワ化成(株)製)を5%加
え、実施例1と同様に塗設した。この感光性平版印刷版
を作成の後、30℃の水で1分間オーバーコートを剥離
し、感光層の色の変化について観察した。
【0088】 ○:感光層の色の変化無し △:若干感光層の色が変化している ×:感光層が赤色に変化している。
【0089】実施例5 感光層用の塗布液として塗布液7の組成中のラウリル酸
をエチルヘキサン酸に変えた塗布液8を用いた以外は実
施例4と同様の実験を行った。
【0090】実施例6 感光層用の塗布液として塗布液7の組成中のラウリル酸
を2-ヒドロキシオクタン酸に変えた塗布液9を用いた以
外は実施例4と同様の実験を行った。
【0091】比較例4 感光層用の塗布液として塗布液7の組成中のラウリル酸
を除いた塗布液10を用いた以外は実施例4と同様の実験
を行った。
【0092】比較例5 感光層用の塗布液として塗布液7の組成中のラウリル酸
をL-アラニンに変えた塗布液11を用いた以外は実施例4
と同様の実験を行った。
【0093】比較例6 感光層用の塗布液として塗布液7の組成中の有機溶媒に
分散可能なラテックスをポリ(メタクリル酸メチル)/メ
タクリル酸(90/10)に変えた塗布液12を用いた以外は
実施例4と同様の実験を行った。
【0094】上記実施例4〜6及び比較例4〜6の結果
を下記表2に示す。
【0095】
【表2】
【0096】
【発明の効果】請求項1又は2に係る発明によれば、イ
ンキ着肉性に優れた平版印刷版が得られ、かつ耐水性
(感光性平版印刷版を高湿で保存したときの品質の劣化
(感度低下、故障の発生等)に対する耐性)に優れ、更
に感光層の製造に用いられる感光液の分散性が優れた、
水性アルカリ液で現像できる感光性平版印刷版が提供さ
れる。請求項2に係る発明によれば更に、感光層上にオ
ーバーオート層を設けたとき、該オーバーコート層によ
る感光層のコンタミが防止される感光性平版印刷版が提
供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 英之 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性表面を有する支持体上に、炭素原
    子数3以上の長鎖アルキル基を有する光重合性モノマ
    ー、光重合開始剤及び水不溶性粒子状分散物を含有する
    感光性組成物を塗布してなる感光層を有することを特徴
    とする感光性平版印刷版。
  2. 【請求項2】 親水性表面を有する支持体上に、光重合
    性モノマー、光重合開始剤、水不溶性粒子状分散物及び
    炭素原子数3以上の長鎖アルキル基を有する化合物を含
    有する感光性組成物を塗布してなる感光層を有すること
    を特徴とする感光性平版印刷版。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10312055A (ja) * 1997-05-14 1998-11-24 Mitsubishi Chem Corp 感光性平版印刷版
JP2010511914A (ja) * 2006-12-07 2010-04-15 イーストマン コダック カンパニー ネガ型輻射線感受性組成物及び画像形成材料

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