JPH08188934A - ノントルク性特殊捲縮加工糸の製造方法 - Google Patents

ノントルク性特殊捲縮加工糸の製造方法

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JPH08188934A
JPH08188934A JP4695A JP4695A JPH08188934A JP H08188934 A JPH08188934 A JP H08188934A JP 4695 A JP4695 A JP 4695A JP 4695 A JP4695 A JP 4695A JP H08188934 A JPH08188934 A JP H08188934A
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JP
Japan
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yarn
crimping
crimp
boiling water
fiber
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JP4695A
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English (en)
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Kunio Akasaki
久仁夫 赤崎
Toshiyuki Tokunaga
敏幸 徳永
Jirou Kuriya
二郎 栗屋
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエステル系潜在捲縮性複合繊維から,新
規な捲縮形態を有する嵩高でトルクのない捲縮加工糸を
製造する方法を提供する。 【構成】 熱水収縮率が10%以下で,沸水30分間処理後
の捲縮率が30%以上となるポリエステル系潜在捲縮性複
合繊維を弛緩状態で加熱流体押込ノズルに供給して捲縮
加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ポリエステル系潜在捲
縮性複合繊維から,新規な捲縮形態を有する嵩高でトル
クのない捲縮加工糸を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルマルチフィラメント糸に捲
縮を付与する方法の一つとして,加熱流体押込法は特公
昭44-13226号公報等でよく知られている。この加熱流体
押込法で得られる加工糸は,捲縮の位相が各フィラメン
トで揃っておらず,ランダムな捲縮形態となる。この加
熱流体押込法で得られる加工糸は,トルクがないため,
特に斜向のない編物を得る場合には有効であるが,この
ランダムな捲縮は,仮撚加工糸等に比較すると捲縮の波
形が粗いので十分な嵩高形態とはなり難く,このため,
布帛にした場合,ボリューム感に乏しいものとなる。
【0003】一方,ノントルク糸として, 潜在捲縮性複
合繊維に熱処理を施して捲縮を顕在化させた糸条も特公
昭41−6291号公報等でよく知られている。しかしなが
ら,この糸条の捲縮形態はコイル状であるため,編物に
すれば,編物組織のループよりコイル状捲縮のカールが
大きいのでループが不均一となり,このため編物表面が
汚いものであった。この問題を解決するため,潜在捲縮
性複合繊維を一旦編物とし, 熱セットして編グセをつけ
た後,解編し,その後編立てることによって編物表面を
きれいにすることも行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記の欠点
を解消し,製編すれば,嵩高で斜向がなく, しかも表面
形態が均一な編物が得られるノントルク性捲縮加工糸の
製造方法を提供することを技術的な課題とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果,ポリエステル系
潜在捲縮性複合繊維に,弛緩状態で推進力を有する加熱
流体による押込捲縮を付加,複合することによって新規
な捲縮形態が得られることを見出して本発明に到達し
た。
【0006】すなわち,本発明は,熱水収縮率が10%以
下で,沸水30分間処理後の捲縮率が30%以上となるポリ
エステル系潜在捲縮性複合繊維を弛緩状態で加熱流体押
込ノズルに供給して捲縮加工することを特徴とするノン
トルク性特殊捲縮加工糸の製造方法を要旨とするもので
ある。
【0007】なお,本発明における熱水収縮率は,次の
方法で測定されるものである。まず,糸条を0.1g/d
の張力下で綛枠に10回巻いて輪になった試料を得て,こ
の試料に1g/dの荷重をつけて輪の長さLを測定した
後,荷重を外して沸水中で30分間熱処理し,24時間以上
の風乾処理を施す。次いで,再度1g/dの荷重下に輪
の長さMを測定し,次式により算出する。 熱水収縮率(%)=〔(L−M)/L〕×100 また,沸水処理後の捲縮率は,次の方法で測定されるも
のである。まず,0.1g/dの張力下で綛枠に10回巻い
て得た輪になった糸条を1/6000g/d の荷重下で30分間放
置した後,この状態を維持したまま沸水中に入れ,30分
間放置する。その後24時間以上の風乾処理を施し,1/50
0g/dの荷重をかけて長さaを測定,次に荷重を外し,1/2
0g/dの荷重をかけてその長さbを測定し,次式により算
出する。 捲縮率(%)=〔(b−a)/b〕×100 以下,本発明について詳細に説明する。
【0008】まず,本発明では,供給糸として熱水収縮
率が10%以下で,沸水30分間処理後の捲縮率が30%以上
となるポリエステル系潜在捲縮性複合繊維 (以下,複合
繊維という。) で構成されたマルチフイラメント糸条を
用いる必要がある。
【0009】複合繊維の熱水収縮率が10%を超えると,
後述の押込み処理による捲縮付与が不十分となり,嵩高
な加工糸が得られ難くなる。一方,捲縮率が30%未満と
なる複合繊維であれば,嵩高性が得られないのみなら
ず,潜在捲縮が発現した捲縮と押込み処理で得られる捲
縮とが複雑に入り混じった捲縮形態とならず,また,捲
縮固定が不十分で,捲縮堅牢度の悪いものとなる。
【0010】本発明では,この複合繊維を弛緩状態で加
熱流体押込ノズルに供給し,捲縮加工を施す。加熱流体
押込ノズルは,ジェットノズル部と堆積部,冷却部に分
かれている。
【0011】複合繊維は,弛緩状態でジェットノズル部
に導入され,繊維の進行方向と同方向に推進力を有する
高圧の加熱流体によりフィラメントが開繊され,ジェッ
トノズル部を高速で通過する。ジェットノズル部を通過
した繊維は,次の堆積部で急激に失速し,この失速によ
る急激なフィラメントの緩みとジェット噴射流の作る乱
気流等の複合的な作用が働いて堆積部に押し込まれ,複
雑で3次元的な波形クリンプが形成される。また,ここ
で堆積した繊維は,それ自身がコイル状の捲縮を発現す
るものであるため,このコイル状の捲縮が複雑で三次元
的な堆積効果とあいまって,さらに複雑で新規な捲縮形
態を呈する。
【0012】この加熱流体押込ノズルへ供給する複合繊
維の弛緩率は20%以上が好ましく,弛緩率が20%未満で
は,複合繊維のもつ自己捲縮性が十分に生かされないた
め,十分な捲縮が得難くなる傾向を示す。この弛緩率
は,糸条の自己捲縮性,熱収縮率や加熱流体による糸条
の推進力,糸速あるいは加熱温度等によっても異なる
が,200%よりも小さいことが好ましい。なお,20%以上
の高弛緩率は,複合繊維が自己捲縮性であることから実
施できるものであり,自己捲縮性のない通常の延伸糸で
は,高々15%程度の弛緩率でしか加工することができな
い。なお,ここでいう弛緩率とは,供給速度と引取速度
との差を引取速度で除して百分率で表したものである。
【0013】加熱流体の温度や流体圧力は,加工できる
条件範囲であれば特に限定されるものではないが,流体
として空気を用いる場合, 加熱温度は 130〜 240℃,圧
力は0.5〜3kg/cm2 の範囲とするのが好ましい。ま
た,複合繊維を加熱流体押込ノズルに供給するローラ
は,繊維を予熱するために加熱ローラを用いるのが好ま
しく,ローラ温度は80〜 220℃の範囲で選定するのが好
ましい。
【0014】本発明において供給糸となる沸水処理後の
捲縮率が30%以上となる複合繊維としては,サイドバイ
サイド型や偏心芯鞘型で,例えば,一方の成分が,95モ
ル%以上のエチレンテレフタレートを繰り返し単位とす
る実質的にポリエチレンテレフタレート単独のポリエス
テルであり,他方の成分が,80モル%以上,95モル%未
満のエチレンテレフタレートを繰り返し単位とし,残り
の5モル%以上,20モル%以下が他のポリエステル単位
である共重合ポリエステルである繊維が挙げられる。
【0015】次に,本発明を図面を用いて説明する。
【0016】図1は,本発明の一実施態様を示す概略工
程図である。図1において, 複合繊維1はガイド2を通
り,加熱された供給ローラ3で予熱された後,加熱流体
押込ノズル(ジェットノズル4,堆積部5,冷却部6)
を経て引取ローラ7に導かれる。このとき,前記複合繊
維1は,供給ローラ3と引取ローラ7との間で弛緩され
ると同時に,ジェットノズル4と堆積部5で捲縮が付与
され,冷却部6で捲縮を固定されて捲縮加工糸となり,
引取ローラ7を経て捲取ローラ8でパッケージ9に捲き
取られる。ここで,加熱流体は,導入口10からジェット
ノズル4に送り込まれ,堆積部の吸引口11から排出され
る。
【0017】図2は,本発明で得られるノントルク性特
殊捲縮加工糸を沸水処理した状態を示す模式図,図3
は,供給糸である複合繊維を沸水処理して得られる捲縮
糸の模式図,図4は,通常のポリエステル繊維を加熱流
体押込加工して得られる捲縮糸を沸水処理した状態を示
す模式図である。図2から明らかなように,本発明で得
られる加工糸は,複雑で三次元的な波形クリンプが形成
されている。
【0018】
【実施例】次に,本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお,実施例における極限粘度〔η〕は,フェノ
ールと四塩化エタンとの等重量混合溶媒を用い,20℃で
測定した。
【0019】実施例1,比較例1〜2 イソフタル酸8モル%と2,2−ビス〔4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル〕プロパン5モル%とを共重合
した極限粘度〔η〕0.50のポリエチレンテレフタレート
(PET)を第1成分,極限粘度〔η〕0.68のPETを
第2成分として複合比1:1で複合紡糸,延伸して得た
サイドバイサイド型の複合繊維100d/24fを供給糸とし,
図1の工程に従い,表1の条件で加熱流体押込捲縮加工
を行った。
【0020】比較のため,実施例1の供給糸である複合
繊維をそのまま沸水処理した(比較例1)。また,極限
粘度〔η〕0.64のPETを紡糸,延伸して得た100d/48f
の繊維を供給糸とし,実施例1と同様にして加工した
(比較例2)。
【0021】なお,実施例1の供給糸である上記の複合
繊維100d/24fの熱水収縮率は4.76%,沸水処理後の捲縮
率は58.0%であった。また,比較例2の供給糸であるP
ET100d/48fは, 熱水収縮率が6.67%であり,沸水処理
しても捲縮が発現しないものであった。
【0022】
【表1】
【0023】得られた加工糸の沸水処理後の糸条形態
は,実施例1の加工糸は,図2で示すようにカール状の
捲縮にさらに座屈が与えられ,複雑で,かつ細かな捲縮
形態を示すものであった。
【0024】一方,実施例1の供給糸である複合繊維を
そのまま沸水処理して得た比較例1のの糸条形態は,図
3で示したように均一なカール状の捲縮を示すものであ
った。また,比較例2で得られた加工糸の沸水処理後の
糸条形態は,図4で示したように穏やかなウェーブ状の
捲縮形態であった。
【0025】次に,これらの加工糸をそれぞれ福原精機
社製シングルジャージー編機(28G×30インチ)で天竺
に編み立て,次いで常法に従って染色加工を行い,編物
製品を得た。
【0026】実施例1の加工糸から得られた編物は,表
面外観が細かな梨地調の均一なもので,3つの編物の中
で最も嵩高の品質のものであった。一方,比較例1の編
物は,糸条のカール部と編ループが一致した所が所々
で,表面外観を汚くしてしまい,不均一な表面を有する
ものであった。また,比較例2の加工糸から得られた編
物は,表面外観は均一であるが,嵩高性に最も乏しいも
のであった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば,カール状の捲縮にさら
に座屈が与えられ,複雑で,かつ細かな捲縮形態を呈す
るノントルク性特殊捲縮加工糸を安定して製造すること
が可能となる。また,本発明で得られるノントルク性特
殊捲縮加工糸を製編すれば,表面形態が均一で,かつ嵩
高で斜向のない編物とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノントルク性特殊捲縮加工糸の製造方
法の一実施態様を示す概略工程図である。
【図2】本発明で得られるノントルク性特殊捲縮加工糸
を沸水で30分間処理した後の状態を示す模式図である。
【図3】実施例1の供給糸を沸水で30分間処理した比較
例1の糸条形態を示す模式図である。
【図4】比較例2で得られた加工糸を沸水で30分間処理
した後の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 複合繊維 2 ガイド 3 供給ローラ 4 ジェットノズル 5 堆積部 6 冷却部 7 引取ローラ 8 捲取ローラ 9 パッケージ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱水収縮率が10%以下で,沸水30分間処
    理後の捲縮率が30%以上となるポリエステル系潜在捲縮
    性複合繊維を弛緩状態で加熱流体押込ノズルに供給して
    捲縮加工することを特徴とするノントルク性特殊捲縮加
    工糸の製造方法。
JP4695A 1995-01-04 1995-01-04 ノントルク性特殊捲縮加工糸の製造方法 Pending JPH08188934A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100746387B1 (ko) * 2003-05-27 2007-08-03 헤버라인 피버테크놀로지, 아이엔시 루프사를 제조하기 위하여 사용된 장치를 위한 노즐코어 및노즐코어의 제조방법

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KR100746387B1 (ko) * 2003-05-27 2007-08-03 헤버라인 피버테크놀로지, 아이엔시 루프사를 제조하기 위하여 사용된 장치를 위한 노즐코어 및노즐코어의 제조방법

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