JPH08188638A - 樹脂封止型半導体装置並びにその製造方法 - Google Patents

樹脂封止型半導体装置並びにその製造方法

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JPH08188638A
JPH08188638A JP238795A JP238795A JPH08188638A JP H08188638 A JPH08188638 A JP H08188638A JP 238795 A JP238795 A JP 238795A JP 238795 A JP238795 A JP 238795A JP H08188638 A JPH08188638 A JP H08188638A
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resin
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semiconductor device
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JP238795A
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Kuniyuki Eguchi
州志 江口
Akira Nagai
永井  晃
Yasuhide Sugawara
泰英 菅原
Toshiaki Ishii
利昭 石井
Hiroyoshi Kokado
博義 小角
Akira Mogi
亮 茂木
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】リン原子を含むエポキシ樹脂を用いることによ
って取扱いや廃棄において安全性を高めるとともに、成
形性や各種信頼性においても優れた特性を有する難燃性
の樹脂封止型半導体装置を提供することにある。 【構成】半導体素子を樹脂組成物で封止する半導体装置
において、樹脂組成物がハロゲンとアンチモン化合物の
非含有であり、代わりに半導体装置の難燃性を付与する
ためにリン化合物を含有し、かつリン原子の含有量が樹
脂組成物の全量に対して0.4〜2.5重量%であること
を特徴とする樹脂封止型半導体装置。 【効果】樹脂組成物の流動性,硬化性並びに硬化物物性
がすぐれており、しかも成形性において問題ない。ま
た、半導体装置は温度サイクル性,耐はんだリフロー
性,耐湿性などの他の各種信頼性においても良好な特性
を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリン原子を含むエポキシ
樹脂を配合した樹脂組成物によって封止することによ
り、取扱いや廃棄において安全性を高めるとともに、成
形性と各種信頼性を同時に満足できる樹脂封止型半導体
装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ,IC,LSI等の半導体
素子は、量産性の点からプラスチックパッケージを用い
た樹脂封止が主流となっている。半導体封止材料として
は特にエポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤に硬化促進
剤を配合した組成物が、成形性,吸湿特性および耐熱性
の点で優れるため用いられている。さらに半導体封止材
料には半導体装置の火災時の燃焼防止と煙の発生を抑止
するため、難燃性を付与しなければならない。この目的
のために、封止材料には一般に臭素化エポキシ樹脂と難
燃助剤としてアンチモン化合物が配合されている。
【0003】しかしながら近年、封止材料に含まれる臭
素化エポキシ樹脂とアンチモン化合物が半導体装置の信
頼性や取扱上での安全性において大きな問題となってい
る。半導体の信頼性においては、高温放置信頼性に大き
な影響を与えることが明らかとなっている。金ワイヤと
半導体素子のアルミ配線パッドとの接合が高温になる
と、臭素化エポキシ樹脂中の臭素の脱離によって腐食が
促進され、断線に至る問題である。特に、自動車のエン
ジンルーム内や高温雰囲気下で用いる電気機器内の半導
体装置ではこの問題が顕著になっている。
【0004】さらに、ハロゲンとアンチモンの環境に与
える影響も無視することができなくなっている。封止材
料で封止された半導体装置が火災等によって燃焼した時
の発生ガスの毒性や廃棄時の燃焼における発生ガスによ
る焼却設備の破損が問題となる可能性が大きい。このよ
うな理由から、非ハロゲン,非アンチモンでしかも難燃
性を有する半導体封止材料が強く望まれていた。
【0005】ハロゲンとアンチモンの代わりの難燃剤と
しては従来からリン系化合物並びに水酸化アルミニウム
や水酸化マグネシウムなどの金属水和物が知られてい
る。リン系化合物としては特開平6−25506号公報に難燃
性樹脂組成物への赤リンの添加が述べられている。ま
た、特開昭61−143465号公報,特開平4−11662号公報,
特開平5−230340号公報,特開平5−214068号公報並びに
特開平6−80765号公報には有機リン化合物を配合した難
燃性エポキシ樹脂組成物が記載されており、リン含有エ
ポキシ樹脂またはエポキシ樹脂のリン含有樹脂硬化剤と
しての用途が示されている。金属水和物については特開
平5−320482 号公報にエポキシ樹脂組成物への水酸化ア
ルミニウムの配合が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は樹脂組
成物の難燃性付与には効果があるものの、これらの樹脂
組成物を半導体封止材料として用いるためには成形性と
信頼性の点で改良が必要である。すなわち、リン化合物
並びに金属水和物は親水性であるために、これらを配合
した樹脂組成物は硬化物の吸湿率が大きくなり、耐湿信
頼性や耐はんだリフロー性が低下する。吸湿率を小さく
するためにリン化合物並びに金属水和物の配合量を減ら
す場合は、難燃性のレベルを維持するためにハロゲンと
アンチモン化合物の添加が必要となる。また、ベース樹
脂と反応しない添加型のリン化合物では樹脂硬化物の耐
熱性が低下する。水酸化アルミニウムや水酸化マグネシ
ウムなどの金属水和物は線膨張係数が大きいため、半導
体封止材料で用いている溶融石英フィラの代わりとして
使用することができない。これらの配合は封止材料の粘
度上昇を招くため、配合できる量に限界がある。そのた
め、金属水和物単独では樹脂組成物に難燃性を付与する
ことができない。以上の理由から、樹脂組成物に難燃性
を付与できる方法は従来から示されているが、半導体封
止材料として具体的に適用できるものはなかった。
【0007】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、非ハロゲン,非
アンチモンの新難燃化手法を用いることによって取扱い
や廃棄において安全性を高めるとともに、成形性と各種
信頼性においても優れた特性を有する樹脂封止型半導体
装置とその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者等は、ハロゲン,アンチモン化合物以外の
難燃化方法において、樹脂組成物の低粘度化と樹脂硬化
物の低吸湿化を同時に図ることができる方法について検
討した。その結果、難燃化方法としてリン化合物の配合
に着目し、しかも樹脂組成物中のリン原子含有量と無機
フィラの配合量をある範囲に規定することによって半導
体封止材料としての難燃性付与と低粘度,低吸湿性を図
ることができることを見出し本発明に至った。
【0009】さらに、樹脂組成物として無機充填剤を有
するエポキシ樹脂組成物を用い、同時に反応性リン化合
物を併用すれば、リン化合物がエポキシ樹脂または硬化
剤の全部または一部として使えるため、樹脂組成物の粘
度上昇を抑える効果がある。また、反応性リン化合物を
用いれば、樹脂組成物の反応性が向上するため加熱成形
後の金型離形性が良くなると共に、リン元素が樹脂架橋
構造中にも取り込まれるため耐熱性の維持と低吸湿化に
対しても効果がある。
【0010】すなわち、本発明の樹脂封止型半導体は、
ハロゲン化合物とアンチモン化合物の非含有であり、代
わりに半導体装置の難燃性を付与するためにリン化合物
を含有し、かつリン原子の含有量と無機充填剤の配合量
がそれぞれ リン原子含有量:樹脂組成物の全量に対して0.4〜1.
5重量%、かつ樹脂組成物の無機充填剤を除いた全樹脂
量に対して2.5〜5.5重量% 無機充填剤の配合量:樹脂組成物に対して58〜85容
量% である樹脂組成物によって封止したことを特徴とする樹
脂封止型半導体である。さらに、本発明の樹脂封止型半
導体は、ハロゲン化合物とアンチモン化合物の非含有で
あり、代わりに半導体装置の難燃性を付与するために反
応性の官能基を有するリン化合物を含有し、かつリン原
子の含有量と無機フィラの配合量がそれぞれ リン原子含有量:樹脂組成物の全量に対して0.4〜1.
5重量%、かつ樹脂組成物の無機充填剤を除いた全樹脂
量に対して2.5〜5.5重量% 無機充填剤の配合量:樹脂組成物に対して58〜85容
量% であるエポキシ樹脂組成物によって封止したことを特徴
とする樹脂封止型半導体である。
【0011】本発明において用いるリン化合物としては
耐熱性の維持並びに樹脂硬化物の吸湿率上昇を抑えるた
めに、エポキシ樹脂組成物と反応する官能基を有するこ
とが好ましい。分子中に導入する官能基としてはエポキ
シ基,アミノ基,カルボキシル基,水酸基,不飽和二重
結合を有するビニル基やアリル基などがあるが、アミノ
基,カルボキシル基では樹脂硬化物の吸湿率の上昇が大
きくなり、また、アルコール性水酸基では反応性が低下
するため、本発明ではエポキシ基,フェノール性水酸
基,不飽和二重結合を有するリン化合物が用いられる。
【0012】本発明において用いるエポキシ基を有する
リン化合物としては、例えば、特開平5−214068 号公報
に記載のジフェニルホスフィニルハイドロキノンとエピ
クロルヒドリンとを反応して得られるリン含有エポキシ
樹脂,特開平4−11662号公報に記載のリン化合物とエピ
クロルヒドリンとを反応させて得られる一般式(I)で
表されるエポキシ樹脂、
【0013】
【化21】
【0014】(式中、R1およびR2は水素,アルキル基
を表し、nは0〜7の整数を表す。) またはジフェニルホスフィンオキシドと1,4−ナフト
キノンとを反応させて得られる化合物をエピクロルヒド
リンとの反応によって得られる一般式(II)で表される
エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0015】
【化22】
【0016】(式中、R1およびR2は水素,アルキル基
を表し、nは0〜7の整数を表す。) 本発明では、これらエポキシ基を含むリン化合物をそれ
ぞれ単独または2種以上併用して用いることができる。
【0017】本発明で用いるフェノール性水酸基を有す
るリン化合物としては、例えば、特開平5−214068 号公
報に記載のジフェニルホスフィニルハイドロキノン,特
開平4−11662号公報に記載のフェノール性水酸基を有す
るリン化合物,ジフェニルホスフィンオキシドと1,4
−ナフトキノンを反応させて得られる一般式(III)で表
されるリン化合物などが挙げられる。
【0018】
【化23】
【0019】(式中、R1およびR2は水素,アルキル基
を表す。) 本発明では、これらフェノール性水酸基を含むリン化合
物をそれぞれ単独または2種以上を併用して用いること
ができる。
【0020】本発明で用いる二重結合を有するリン化合
物としては、一般式(IV),(V)で表される化学構造を
有するものが挙げられる。
【0021】
【化24】
【0022】(式中、R3およびR4はアルキル基,フェ
ニル基,置換フェニル基を表し、Xは二重結合を有する
脂肪族または二重結合を有する脂肪族と芳香族とからな
る骨格からなる基を表す。)
【0023】
【化25】
【0024】(式中、R5はアルキル基,フェニル基,
置換フェニル基を表し、X1およびX2は二重結合を有す
る脂肪族または二重結合を有する脂肪族と芳香族とから
なる骨格からなる基を表す。) これらの化学構造を有する化合物としては、例えば、モ
ノまたはジアリルフェニルホスホネート,モノまたはジ
メタクリレートフェニルホスホネート,モノまたはジア
クリレートフェニルホスホネートなどが挙げられるが、
これらは単独または2種以上を併用して用いることがで
きる。また、これらのリン化合物をエポキシ樹脂組成物
と反応させる場合には、例えば、アリル核置換のクレゾ
ールノボラック型またはビスフェノールA,F型エポキ
シ樹脂またはアリル核置換のクレゾールノボラック型ま
たはビスフェノールA,F型の樹脂硬化剤を樹脂組成物
に配合させる必要がある。
【0025】本発明においては、エポキシ基を含むリン
化合物またはフェノール性水酸基を有するリン化合物を
以下のようにして得ることも可能である。すなわち、エ
ポキシ基を含むリン化合物の場合は、エポキシ樹脂とフ
ェノール性水酸基を有するリン化合物またはリン酸とを
エポキシ基1モル当たり、リン化合物のフェノール性水
酸基またはリン酸0.05〜0.5モルを予備反応させて
得られるリン化合物である。また、フェノール性水酸基
を有するリン化合物を得るためには、逆にエポキシ樹脂
とフェノール性水酸基を有するリン化合物とをリン化合
物のフェノール性水酸基1モル当たり、エポキシ基0.
2〜0.7モルを予備反応させることができる。これら
の反応は配合量の多い樹脂を100℃以上であらかじめ
溶融した後、その樹脂中にもう一方の樹脂を徐々に添加
することによって行うことができる。必要に応じて、溶
媒を用いて溶媒中で反応を行わせた後、溶媒を除去して
得ることも可能である。これらの反応は無触媒または必
要に応じて、反応を促進させるための硬化促進剤を用い
ることができる。
【0026】本発明における半導体装置用の樹脂組成物
では、成形性と信頼性の点からエポキシ樹脂組成物が用
いられる。かかるエポキシ樹脂組成物はエポキシ樹脂,
硬化剤,硬化促進剤,無機フィラ,可とう化剤,カップ
リング剤並びに離型剤,着色剤などの各種添加剤から構
成される。
【0027】本発明で用いるエポキシ樹脂としては半導
体封止材料で通常使用されているエポキシ樹脂、例え
ば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂,クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂やビスフェノールA,ビスフ
ェノールF、及びビスフェノールS型エポキシ樹脂など
のビスフェノール類エポキシ樹脂,フェノールまたはク
レゾールベースの3官能以上の多官能エポキシ樹脂,ビ
フェニル骨格,ナフタレン骨格、またはジシクロペンタ
ジエン骨格を有する2官能または3官能以上のエポキシ
樹脂などが挙げられるが、これらのエポキシ樹脂を単独
または2種以上併用して用いることができる。これらの
エポキシ樹脂は樹脂組成物のリン元素含有量に応じて、
前記のエポキシ基を有するリン化合物と併用して用いる
こともできる。
【0028】硬化剤においても半導体封止材料で通常用
いられるフェノール樹脂硬化剤、例えば、フェノールノ
ボラック樹脂,クレゾールノボラック樹脂,フェノール
又はクレゾールベースの3官能型硬化剤,フェノールと
アラルキルエーテル重縮合物による硬化剤,ナフタレン
骨格、またはジシクロペンタジエン骨格を有するフェノ
ール樹脂硬化剤を単独または2種以上併用して用いるこ
とができる。これらの樹脂硬化剤は樹脂組成物のリン元
素含有量に応じて、前記のフェノール性水酸基を有する
リン化合物と併用して用いることもできる。
【0029】また、硬化促進剤としては、トリフェニル
ホスフィン,テトラフェニルホスホニウムテトラフェニ
ルボレートなどの含燐有機塩基性化合物又はこれらのテ
トラ置換ボロン塩,トリエチレンジアミン,ベンジルジ
メチルアミンなどの3級アミン、1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)−ウンデセン,イミダゾールなどの少
なくとも1種類が挙げられる。
【0030】本発明の半導体封止用として用いる樹脂組
成物において、フェノール樹脂硬化剤の配合はエポキシ
樹脂に対して0.5〜1.5当量が望ましい。硬化剤の配
合量がエポキシ樹脂に対して0.5 当量未満であると、
エポキシ樹脂の硬化が完全に行われないため、硬化物の
耐熱性,耐湿性並びに電気特性が劣り、1.5 当量を超
えると、逆に樹脂硬化後も硬化剤が有する水酸基が多量
に残るために電気特性並びに耐湿性が悪くなる。また、
反応後得られるグリシジルエーテル変性のフェノール性
水酸基を含むリン化合物の中に未反応のエポキシ樹脂が
残っている場合には、新たに配合するエポキシ樹脂の量
を前記の当量割合に合うように調整して加える必要があ
る。同様に、反応後得られるグリシジルエーテル変性の
フェノール性水酸基を含むリン化合物の中に未反応のフ
ェノール性水酸基が残っている場合にも、新たに配合す
る樹脂硬化剤の量を前記の当量割合に合うように調整し
て加える必要がある。
【0031】本発明において樹脂封止型半導体装置用と
して用いる樹脂組成物には、必要に応じ、無機充填剤を
配合する。無機充填剤は硬化物の熱膨張係数や熱伝導
率,弾性率などの改良を目的に添加するものである。無
機充填剤としては種々の化合物が挙げられるが、電子部
品には熱化学的に安定な充填剤を用いることが重要であ
り、具体的には熔融シリカ,結晶性シリカ,アルミナか
ら選ばれる少なくとも1種の無機粒子が望ましい。これ
らの充填剤の平均粒径は1〜30μmの範囲が望まし
く、平均粒径が1μm未満では樹脂組成物の粘度が上昇
するため流動性が著しく低下し、又、30μmを超える
と成形時に樹脂成分と充填剤の分離が起きやすく硬化物
が不均一になるため硬化物物性にばらつきが生じたり、
狭い隙間への充填性が悪くなる。無機充填剤の形状とし
ては球形または角形があるが、それらを単独でまたは併
用して用いることができる。
【0032】さらに、本発明ではこの他必要に応じて、
樹脂組成物として硬化物の強靱性や低弾性率化のための
可とう化剤を用いることができる。可とう化剤の配合量
は全樹脂組成物に対し2〜20重量%であることが好ま
しい。可とう化剤の配合量が2重量%未満では硬化物の
強靱性や低弾性率化に対してほとんど効果がなく、20
重量%を超えると樹脂組成物の流動性が極端に悪くなっ
たり、可とう化剤が樹脂硬化物表面に浮きでることによ
って、成形用金型の汚れが顕著になる。可とう化剤とし
てはエポキシ樹脂組成物と非相溶のものがガラス転移温
度を下げずに硬化物の低弾性率化ができることから、ブ
タジエン・アクリロニトリル系共重合体やそれらの末端
又は側鎖アミノ基,エポキシ基,カルボキシル基変性共
重合体やアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重
合体などのブタジエン系可とう化剤や末端又は側鎖アミ
ノ基,水酸基,エポキシ基,カルボキシル基変性シリコ
ーン樹脂系可とう化剤などが用いられるが、耐湿性や高
純度の点から、シリコーン系可とう化剤が特に有用であ
る。
【0033】本発明の樹脂封止型半導体装置に用いる樹
脂組成物にはこの他必要に応じ、樹脂成分と充填剤の接
着性を高めるためのエポキシシラン,アミノシランなど
のカップリング剤,着色のための染料や顔料,硬化物の
金型からの離型性を改良するための離型剤などの各種添
加剤を発明の目的を損なわない範囲において用いること
ができる。
【0034】本発明においては、半導体装置の難燃性付
与並びに耐湿性,耐はんだリフロー性などの樹脂硬化物
の吸湿率によって影響される信頼性が樹脂組成物中のリ
ン元素の含有量によって決定される。また、半導体装置
の難燃性付与と信頼性はエポキシ樹脂組成物中の非難燃
性の無機フィラの配合量によっても大きく影響される。
そのため、本発明では、リン元素の含有量をエポキシ樹
脂組成物並びに樹脂組成物から無機充填剤を除いた全樹
脂量の両方に対してそれぞれ規定する。さらに、樹脂組
成物については無機フィラの配合量も規定する必要があ
る。本発明では、リン元素の含有量が樹脂組成物の全量
に対して0.4〜1.5重量%、かつ樹脂組成物の無機充
填剤を除いた全樹脂量に対して2.5〜5.5重量%であ
り、無機フィラの配合量は樹脂組成物に対して58〜8
5容量%が望ましい。リン元素の含有量が0.4 重量%
未満では半導体装置の難燃性規格であるUL−94のV
−0を満足できなくなり、また、1.5 重量%を超える
と、樹脂硬化物の吸湿率が大きくなり、耐湿性や耐はん
だリフロー性が大きく低下する。また、リン元素の含有
量が樹脂組成物に対して0.4 重量%以上であっても、
無機充填剤を除いた全樹脂量に対して2.5 重量%未満
の場合は無機充填量の配合量と樹脂の種類によってUL
−94規格のV−0を満足できない場合がある。リン元
素の含有量が無機充填剤を除いた全樹脂量に対して5.
5 重量%を超える場合は、樹脂組成物中の樹脂成分だ
けに吸湿水分が偏在して、半導体装置の局所的な劣化を
促進する。無機フィラの配合量が58容量%未満では樹
脂硬化物の吸湿率が大きくなり、耐湿性と耐はんだリフ
ロー性が悪くなるとともに、熱膨張係数も大きくなるた
め、大型の半導体装置では熱応力が大きくなり温度サイ
クル信頼性が低下する。また、難燃性においてもUL−
94規格のV−0を達成することが困難になる。一方、
無機フィラの配合量が85容量%を超えると、樹脂組成
物の粘度が急激に上昇するため、流動性が低下し成形が
不可能となる。
【0035】以上のような原材料を用いて半導体封止用
成形材料を作成する一般的な方法としては、所定配合量
の原材料混合物を十分混合した後、熱ロールや押出し機
などによって混練し、冷却,粉砕することによって成形
材料を得ることができる。このようにして得られた成形
材料を用いて半導体を封止する方法としては、低圧トラ
ンスファ成形法が通常用いられるが、場合によっては、
インジェクション成形,圧縮成形,注型などの方法によ
っても可能である。
【0036】本発明のリン化合物を含有する樹脂組成物
で封止された半導体装置は、難燃性並びに温度サイクル
性(−55℃〜150℃,1サイクル条件で1000サ
イクル以上),耐湿性(65℃/95%RHで1000
時間以上),耐はんだリフロー性(85℃/85%RH/
48時間以上放置でクラック無し),高温放置(175
℃1000時間以上で導通不良無し)などの各種信頼性
の目標を満足させるため、樹脂組成物の加熱硬化物の特
性として線膨張係数が2.0×10-5/℃以下、ガラス
転移温度が110℃以上,飽和吸湿率が85℃85%R
Hの条件で0.8重量%以下,難燃性がUL−94規格
においてV−0を有することを特徴とする。前記のリン
元素の含有量と無機充填剤の配合量はこれらの特性を満
足するために必要な値である。
【0037】次に本発明の前記リン化合物を含有する樹
脂組成物によって封止して得られる各種の樹脂封止型半
導体装置の製造方法を説明する。本発明の第1の製造方
法に基づく工程は図1に示すように、(a)半導体素子
をリードフレームのダイパッド上にAg入りエポキシ接
着剤などの有機接着剤または鉛/錫はんだを用いて加熱
硬化または溶融させて半導体素子を搭載する工程、
(b)金線ワイヤで半導体素子とインナリードを接合す
る工程、(c)金型に挿入して前記のリン化合物を有す
る樹脂組成物を用いてトランスファ成形機で175℃9
0秒間加圧成形によってモールドを行う工程、から成
る。封止後の半導体装置は175℃5時間の後硬化を行
い、バリ取り工程,外装処理工程を経た後、リードフレ
ームのトリミング工程とフォーミング工程を通過して樹
脂封止型半導体装置を得る。本発明の第2の製造方法に
基づく工程は図2に示すようにリードオンチップ方式の
樹脂封止型半導体装置を得るためのものである。(a)
有機フィルム接着剤をあらかじめ張り合わせたリードフ
レームを用いて、半導体素子と加熱溶融硬化して接着す
る工程、(b)金線ワイヤで半導体素子上の電極とイン
ナリードを接合する工程、(c)金型に挿入して前記の
リン化合物を有する樹脂組成物を用いてトランスファ成
形機で175℃90秒間加圧成形によってモールドを行
う工程、から成る。封止後の半導体装置は図1の製造方
法で説明した同じ工程を経て樹脂封止型半導体装置を得
ることができる。本発明の第3の製造方法に基づく工程
は図3に示すようにボールグリッドアレイの樹脂封止型
半導体装置を得るためのものである。(a)単層または
多層プリント配線基板の片側に半導体素子の搭載面を形
成し、その裏面にはんだボールブリッドアレイなどの外
部端子用実装面を形成する工程、(b)回路パターンを
有する樹脂基板の上面に半導体素子の非能動面をエポキ
シ樹脂接着剤を用いて接着して半導体素子を搭載する工
程、(c)半導体素子の能動面上の電極を樹脂基板の配
線パターンとワイヤボンデイングして電気的な接続をと
る工程、(d)前記半導体素子を前記リン化合物を有す
る樹脂組成物を用いてトランスファ成形機で175℃9
0秒間加圧成形によって基板上面のモールドと175℃
5時間の後硬化を行う工程、(e)樹脂基板の底面に外
部端子を設ける工程、から成る。
【0038】
【作用】本発明の樹脂封止型半導体装置において非ハロ
ゲン,非アンチモンにおいても難燃性の付与と半導体装
置の信頼性が確保できるのは、封止用の樹脂組成物中に
リン化合物を含有し、しかも無機充填剤の樹脂組成物へ
の高充填化によるためである。さらに、本発明では樹脂
組成物に対するリン原子含有量,樹脂組成物から無機充
填剤を除いた全樹脂量に対するリン原子含有量並びに無
機充填剤の配合量をそれぞれ0.4重量%以上,2.5重
量%以上並びに58容量%以上とすることによって難燃
性のUL−94規格を満足させることができ、さらに樹
脂組成物に対するリン原子含有量,樹脂組成物から無機
充填剤を除いた全樹脂量に対するリン原子含有量並びに
無機充填剤の配合量をそれぞれ2.5重量%以下,5.5
重量%以下並びに58容量%以上と規定することによっ
て樹脂硬化物の吸湿率の上昇を防ぐことができる。本発
明において樹脂組成物の無機充填剤の配合量を85容量
%以下に規定したのは粘度上昇による流動性の低下を抑
えるためである。
【0039】本発明においては、エポキシ基,フェノー
ル性水酸基または二重結合を含む反応性のリン化合物を
用いることによって、リン化合物がエポキシ樹脂または
樹脂硬化剤の全部または一部として使えるため、樹脂硬
化物の粘度上昇を抑えることができ、成形性に優れる樹
脂組成物を得ることができる。また、前記のリン化合物
は樹脂硬化物の骨格中に導入されるため、耐熱性の向上
と吸湿率の低減に対しても効果がある。さらに、本発明
の樹脂封止型半導体では150℃以上の高温長時間にお
いてハロゲンの脱離が原因で発生する金ワイヤとアルミ
配線パッドとの接合の腐食の問題が起きないため、高温
放置信頼性にも優れる。
【0040】本発明による樹脂組成物で封止した半導体
装置はハロゲンやアンチモン化合物を含まないため、火
災時に発生するガスの毒性には問題なく、しかも焼却時
の設備の破損も大幅に低減できるなど半導体装置として
の信頼性の確保の他に、取扱性においても優れる。
【0041】
【実施例】以下、本発明について実施例に従い具体的に
説明する。
【0042】エポキシ基を含むリン化合物(A)の製造
例 製造例1 撹拌装置,温度形を備えた反応器中で、3,3′,5,
5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ルのグリシジルエーテル(エポキシ当量195g/e
q)195gを150℃で均一に溶解した後、ジフェニ
ルホスフィニルハイドロキノン(水酸基当量155g)
31gを徐々に加え、3時間反応を行わせた。その後、
この反応物を樹脂のまま直ちにポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に広げ、室温まで冷却して固形の樹脂を
得た。この固形樹脂のエポキシ基/フェノール性水酸基
の反応比は0.15 であり、未反応のフェノール性水酸
基を含んでいることが分かったため、エポキシ基当量,
フェノール性水酸基当量並びに軟化温度の測定を行った
結果、それぞれ264g/eq,4520g/eq,7
3℃であった。
【0043】実施例1〜8,比較例1〜7 製造例1で得たエポキシ機基を含むリン化合物(A)並
びに下記に示すエポキシ樹脂,フェノール樹脂硬化剤,
シリコーン可とう化剤、並びに無機充填剤として平均粒
径5μmの角形または球形の溶融シリカと平均粒径30
μmの球形の溶融シリカの30/70の混合品,カップ
リング剤としてエポキシシラン,離型剤としてモンタン
酸エステルロウ,着色剤としてカーボンブラックを用
い、表1に示す配合割合で成形材料を作成した。なお、
参考例1では難燃剤として臭素化エポキシ樹脂と難燃助
剤として3酸化アンチモンを用いた。角素材の混練には
直径20インチの二軸ロールを用い、ロール表面温度約
55〜80℃で約10分間の混練を行った。
【0044】エポキシ樹脂 エポキシ当量 軟化点 (A)製造例1で得られたエポキシ基を 264 73℃ 含むリン化合物 (B)ジフェニルホスフィニルハイドロ キノンとエピクロルヒドリンとの 214 135℃ 反応によるエポキシ樹脂
【0045】
【化26】
【0046】 (C)オルソクレゾールノボラック型 195 65℃ エポキシ樹脂
【0047】
【化27】
【0048】 (D)ビフェニル型エポキシ樹脂 195 107℃
【0049】
【化28】
【0050】 (E)核置換アリル変性ビスフェノール型 230 75℃ エポキシ樹脂
【0051】
【化29】
【0052】 (F)臭素化エポキシ樹脂 375 68℃
【0053】
【化30】
【0054】フェノール樹脂硬化剤 OH当量 (A)ジフェニルホスフィニルハイドロキノン 155
【0055】
【化31】
【0056】 (B)フェノールノボラック樹脂 106
【0057】
【化32】
【0058】 (C)フェノールアラルキル樹脂 172
【0059】
【化33】
【0060】 (D)ジシクロペンタジエン骨格含有フェノール樹脂 161
【0061】
【化34】
【0062】二重結合を含むリン化合物 モノアリルジフェニルホスホネート
【0063】
【化35】
【0064】反応性の官能基を持たないリン化合物 トリフェニルホスフィンオキシドシリコーン可とう化剤 側鎖変性シリコーン樹脂(分子量73600,エポキシ
当量3900)硬化促進剤 DBU;1,8−ビアザビシクロ(5,4,0)−ウン
デセン、 TPP;トリフェニルホスフィン 表中の各種特性は以下により測定した。
【0065】1.スパイラルフロー:EMMI規格に準
じた金型を用い、180℃,70kg/cmm2の条件で測
定した。
【0066】2.ガラス転移温度並びに線膨張係数:熱
機械測定装置を用い、昇温速度2℃/分で測定した。
【0067】3.吸湿率:90mmφ,2mmtの円盤を成
形し、85℃/85%RHの飽和吸湿率を重量変化から
求めた。
【0068】4.接着力:0.03mmt のアルミ箔と成
形材料とのアルミピール強度を引っ張り速度50mm/分
にて求めた。
【0069】5.難燃性:UL−94規格に従って測定
した。
【0070】
【表1】
【0071】表1から明らかなように、本発明における
半導体封止用樹脂組成物は臭素化エポキシ樹脂並びにア
ンチモン化合物を用いなくとも、難燃性のUL−94規
格のV−0を達成することができる。比較例4に示すよ
うに、樹脂組成物並びに樹脂組成物から無機充填剤を除
いた全樹脂量に対するリン元素含有量がそれぞれ、0.
4重量%未満,2.5重量%未満になると前記の難燃性
の基準を満足できない。また、このリン元素は両者に対
して所定の値を含有することが必須条件であり、比較例
1に示すように、どちらか一方でも条件を満たさなけれ
ば難燃性の基準を到達することができない。本発明の樹
脂組成物はリン元素含有量の上限を規定しているため、
飽和吸湿率の上昇が抑えられており、従来の半導体封止
用樹脂組成物(比較例7)と同等かもしくはそれより優
れた吸湿特性を備えている。比較例5では樹脂組成物中
のリン元素含有量が多いため、飽和吸湿率が大きくなっ
ていることが分かる。さらに、本発明で用いるリン化合
物は反応性のものであるため、非反応性のリン化合物を
用いた比較例6と比べて、熱時硬度やガラス転移温度の
点で優れており、従来のもの(比較例7)と同程度の成
形性と耐熱性を有している。本発明における樹脂組成物
は成形性と硬化物特性の点から無機充填剤の配合量を適
正化しているため、流動性の維持や飽和吸湿率の低下を
抑えている。比較例3では無機充填剤の量が多いため、
成形が困難になったり、逆に、比較例2のように無機充
填剤の量が少ないと、飽和吸湿率が大きくなることが分
かる。また、上記材料を用いて、図1に示すように表面
にアルミニウムのジグザグ配線を形成した半導体素子
(6×6mm)を42アロイ系のリードフレームに搭載し、
更に半導体素子表面のアルミニウム電極とリードフレー
ム間を金線(30μmφ)でワイヤボンデイングした半導
体装置(外形20×14mm,厚さ2mm)を封止し175
℃5時間硬化した。耐温度サイクル性の信頼性試験はこ
の樹脂封止型半導体を−55℃10分,150℃10分
に放置し、これを1サイクルとし、1000サイクルでパッ
ケージがクラックしたものをクラック発生数として調べ
た。耐湿信頼性試験は前記の樹脂封止型半導体を65℃
/95%RHの条件下、1000時間放置後、印加バイ
アス電圧20Vにおいて断線不良が発生したパッケージ
の数を不良数として調べた。耐はんだリフロー性の信頼
性試験は前記の樹脂封止型半導体を85℃85%RH下
にて48時間放置後、240℃の赤外線リフロー炉中で
90秒間加熱する試験を行い、パッケージがクラックし
たものをクラック発生数として調べた。高温放置信頼性
試験は前記の樹脂封止型半導体を175℃の高温層中に
1000時間放置し、金ワイヤとアルミニウム配線の接
合部の接続不良数を調べた。これらの結果をまとめて表
2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】表2から明らかなように、本発明における
半導体装置は優れた信頼性を有している。これは表1に
示したように、本発明による樹脂組成物が各種信頼性に
及ぼす物性値、すなわち線膨張係数,ガラス転移温度並
びに飽和吸湿率の所定の値を有しているためである。さ
らに、本発明による半導体装置はバロゲンを含まないた
め、従来の半導体装置(比較例7)と比べて格段に優れ
た高温放置信頼性を有することが分かる。
【0074】実施例9 表1に示す実施例1の樹脂組成物を用いて、図2に示す
ように表面にアルミニウムのジグザグ配線を形成した半
導体素子(6×6mm)を両面に接着剤を塗布したポリイ
ミドフィルムを張り合わせた42アロイ系のリードフレ
ームと加熱溶融接着を行って半導体素子上にリードフレ
ームを搭載した後、更に半導体素子表面のアルミニウム
電極とリードフレーム間を金線(30μmφ)でワイヤ
ボンデイングした半導体装置(外形16×12mm,厚さ
2.7mm )を封止し175℃5時間硬化した。この樹脂
封止型半導体装置の耐温度サイクル性,耐湿性,耐はん
だリフロー性、並びに高温放置信頼性などの各種信頼性
試験を表2と同様の条件で行った結果、いずれもパッケ
ージのクラックや接続不良は観測されず、優れた信頼性
を有することが分かった。
【0075】
【発明の効果】本発明によって得られた樹脂封止型半導
体装置は、従来のものと比べて、ハロゲン,アンチモン
化合物を含まなくとも難燃性を有するため、取扱いや廃
棄の面で安全性が高まるとともに、高温放置信頼性が格
段に飛躍する。さらに、樹脂組成物の流動性,硬化性並
びに硬化物物性を従来の半導体封止材料とほぼ同等にし
ているため、成形性において問題なく、しかも温度サイ
クル性,耐はんだリフロー性,耐湿性などの他の各種信
頼性においても良好な特性を示すことができ、その工業
的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による樹脂封止型半導体装置の製造方法
の一例を断面図で示したものであり、リードフレームの
ダイパッド上に搭載した半導体素子をリン化合物を含む
樹脂組成物で封止する方法である。
【図2】本発明によるリードオンチップ方式の樹脂封止
型半導体装置の製造方法を断面図で示している。
【図3】本発明によるボールグリッドアレイの樹脂封止
型半導体装置の製造方法を断面図で示している。
【符号の説明】
1…半導体素子、2…ダイパッド、3…インナーリー
ド、4…接着剤、5…金ワイヤ、6…アルミ電極、7…
リン化合物を含有する封止材料、8…フィルム接着剤、
9…プリント配線基板、10…ソルダレジスト、11…
はんだバンプ。
フロントページの続き (72)発明者 石井 利昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小角 博義 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 茂木 亮 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体素子を樹脂組成物で封止してなる半
    導体装置において、該樹脂組成物が一般式(I)〜
    (V)で表されるリン原子を含有する化合物の少なくと
    も1種類からなるエポキシ樹脂組成物であり、かつリン
    原子の含有量が前記樹脂組成物の総量に対して、0.4
    〜1.5重量%を含むことを特徴とする樹脂封止型半導
    体装置。 【化1】 (式中、R1およびR2は水素,アルキル基を表し、nは
    0〜7の整数を表す。) 【化2】 (式中、R1およびR2は水素,アルキル基を表し、nは
    0〜7の整数を表す。) 【化3】 (式中、R1およびR2は水素,アルキル基を表す。) 【化4】 (式中、R3およびR4はアルキル基,フェニル基,置換
    フェニル基を表し、Xは二重結合を有する脂肪族または
    二重結合を有する脂肪族と芳香族とからなる基を表
    す。) 【化5】 (式中、R5はアルキル基,フェニル基,置換フェニル
    基を表し、X1およびX2は二重結合を有する脂肪族また
    は二重結合を有する脂肪族と芳香族とからなる基を表
    す。)
  2. 【請求項2】リン原子を含有するエポキシ樹脂組成物の
    加熱硬化物の特性が線膨張係数2.0×10-5/℃以下,
    ガラス転移温度110℃以上,飽和吸湿率85℃85%
    RHの条件で0.8 重量%以下,難燃性UL−94規格
    においてV−0を有することを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の樹脂封止型半導体装置。
  3. 【請求項3】リードフレームのダイパッド上に搭載した
    半導体素子を金ワイヤで接合した後、樹脂組成物で封止
    する半導体装置の製造方法において、該樹脂組成物が一
    般式(I)〜(V)で表されるリン原子を含有する化合
    物の少なくとも1種類からなるエポキシ樹脂組成物であ
    り、かつリン原子の含有量が前記樹脂組成物の総量に対
    して0.4〜1.5重量%であることを特徴とする樹脂封
    止型半導体装置の製造方法。 【化6】 (式中、R1およびR2は水素,アルキル基を表し、nは
    0〜7の整数を表す。) 【化7】 (式中、R1およびR2は水素,アルキル基を表し、nは
    0〜7の整数を表す。) 【化8】 (式中、R1およびR2は水素,アルキル基を表す。) 【化9】 (式中、R3およびR4はアルキル基,フェニル基,置換
    フェニル基を表し、Xは二重結合を有する脂肪族または
    二重結合を有する脂肪族と芳香族とからなる基を表
    す。) 【化10】 (式中、R5はアルキル基,フェニル基,置換フェニル
    基を表し、X1およびX2は二重結合を有する脂肪族また
    は二重結合を有する脂肪族と芳香族とからなる基を表
    す。)
  4. 【請求項4】半導体素子に有機フィルム接着剤または無
    機の接合材を用いてリードフレームを搭載し、半導体素
    子上の電極をリードフレームと金ワイヤで接合した後、
    樹脂組成物て封止する半導体装置の製造方法において、
    該樹脂組成物が一般式(I)〜(V)で表されるリン原
    子を含有する化合物の少なくとも1種類からなるエポキ
    シ樹脂組成物であり、かつリン原子の含有量が前記樹脂
    組成物の総量に対して、0.4〜1.5重量%であること
    を特徴とする樹脂封止型半導体装置の製造方法。 【化11】 (式中、R1およびR2は水素,アルキル基を表し、nは
    0〜7の整数を表す。) 【化12】 (式中、R1およびR2は水素,アルキル基を表し、nは
    0〜7の整数を表す。) 【化13】 (式中、R1およびR2は水素,アルキル基を表す。) 【化14】 (式中、R3およびR4はアルキル基,フェニル基,置換
    フェニル基を表し、Xは二重結合を有する脂肪族または
    二重結合を有する脂肪族と芳香族とからなる基を表
    す。) 【化15】 (式中、R5はアルキル基,フェニル基,置換フェニル
    基を表し、X1およびX2は二重結合を有する脂肪族また
    は二重結合を有する脂肪族と芳香族とからなる基を表
    す。)
  5. 【請求項5】回路パターンを有する樹脂基板の上面に半
    導体素子を実装するとともに、樹脂基板の底面に外部端
    子を設けてなる半導体装置において、前記半導体装置を
    一般式(I)〜(V)で表様れるリン原子を含有する化
    合物の少なくとも1種類からなるエポキシ樹脂を樹脂組
    成物であり、かつリン原子の含有量が樹脂組成物の総量
    に対して、0.4〜1.5重量%である樹脂組成物で封止
    したことを特徴とするボールグリッドアレイまたはピン
    グリッドアレイ樹脂封止型半導装置。 【化16】 (式中、R1およびR2は水素,アルキル基を表し、nは
    0〜7の整数を表す。) 【化17】 (式中、R1およびR2は水素,アルキル基を表し、nは
    0〜7の整数を表す。) 【化18】 (式中、R1およびR2は水素,アルキル基を表す。) 【化19】 (式中、R3およびR4はアルキル基,フェニル基,置換
    フェニル基を表し、Xは二重結合を有する脂肪族または
    二重結合を有する脂肪族と芳香族とからなる基を表
    す。) 【化20】 (式中、R5はアルキル基,フェニル基,置換フェニル
    基を表し、X1およびX2は二重結合を有する脂肪族また
    は二重結合を有する脂肪族と芳香族とからなる基を表
    す。)
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