JP2006016619A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付き金属箔、接着シート及び積層板 - Google Patents
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Abstract
ハロゲンを含有せずに優れた難燃性を示す硬化物が得られ、半硬化したものの保存安定性を向上させたエポキシ樹脂組成物、このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、樹脂付き金属箔及び接着シート、積層板を提供する。
【解決手段】
特定の有機リン化合物の少なくとも一方とエポキシ樹脂とを反応させて得られるリン含有エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機粉末充填材とを含有してなるエポキシ樹脂組成物であって、リン含有エポキシ樹脂中のリン含有比率が0.5〜4.0重量%であり、エポキシ樹脂組成物の全固形分中の無機粉末充填材の含有比率が20〜60重量%であるエポキシ樹脂組成物。このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、樹脂付き金属箔及び接着シート。このプリプレグ、樹脂付き金属箔又は接着シートを用いた積層板。
Description
攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた四つ口のガラスセパラブルフラスコに化合物A(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド)を41.9重量部、トルエンを400重量部仕込み、化合物Aを加熱して溶解させた。その後、反応熱に注意して1,4−ナフトキノン(以下1,4−NQと表す。)28.5重量部を少しずつ投入した。反応終了後、フェノールノボラックエポキシ樹脂として、東都化成社製「YDPN−638」を930.0重量部仕込み、窒素ガスを導入しながら攪拌し、120℃まで加熱して溶解させた。さらにトリフェニルホスフィンを0.25重量部添加して、150℃で4時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去してリン含有エポキシ樹脂を得た。得られたリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量は210、リン含有量は0.6重量%であった。
攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた四つ口のガラスセパラブルフラスコに化合物Aを160.5重量部、トルエンを400重量部仕込み、化合物Aを加熱して溶解させた。その後、反応熱に注意して1,4−NQ109.0重量部を少しずつ投入した。反応終了後、フェノールノボラックエポキシ樹脂として、東都化成社製「YDPN−638」を730.0重量部仕込み、窒素ガスを導入しながら攪拌し、120℃まで加熱して溶解させた。さらにトリフェニルホスフィンを0.25重量部添加して、150℃で4時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去してリン含有エポキシ樹脂を得た。得られたリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量は385、リン含有量は2.2重量%であった。
攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた四つ口のガラスセパラブルフラスコに化合物Aを209.4重量部、トルエンを400重量部仕込み、化合物Aを加熱して溶解させた。その後、反応熱に注意して1,4−NQ142.5重量部を少しずつ投入した。反応終了後、フェノールノボラックエポキシ樹脂として、東都化成社製「YDPN−638」を650.0重量部仕込み、窒素ガスを導入しながら攪拌し、120℃まで加熱して溶解させた。さらにトリフェニルホスフィンを0.25重量部添加して、150℃で4時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去してリン含有エポキシ樹脂を得た。得られたリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量は580、リン含有量は3.0重量%であった。
攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた四つ口のガラスセパラブルフラスコに化合物Aを125.5重量部、トルエンを400重量部仕込み、化合物Aを加熱して溶解させた。その後、反応熱に注意して1,4−NQ85.5重量部を少しずつ投入した。反応終了後、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、東都化成社製「YD−128」を790.0重量部仕込み、窒素ガスを導入しながら攪拌し、120℃まで加熱して溶解させた。さらにトリフェニルホスフィンを0.25重量部添加して、150℃で4時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去してリン含有エポキシ樹脂を得た。得られたリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量は330、リン含有量は1.7重量%であった。
攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた四つ口のガラスセパラブルフラスコに化合物Aを153.5重量部、トルエンを400重量部仕込み、化合物Aを加熱して溶解させた。その後、反応熱に注意して1,4−NQ104.5重量部を少しずつ投入した。反応終了後、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、東都化成社製「YDCN−701」を750.0重量部仕込み、窒素ガスを導入しながら攪拌し、120℃まで加熱して溶解させた。さらにトリフェニルホスフィンを0.25重量部添加して、150℃で4時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去してリン含有エポキシ樹脂を得た。得られたリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量は455、リン含有量は2.2重量%であった。
攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた四つ口のガラスセパラブルフラスコに化合物Aを140.0重量部、トルエンを400重量部仕込み、化合物Aを加熱して溶解させた。その後、反応熱に注意して1,4−NQ95.0重量部を少しずつ投入した。反応終了後、フェノールノボラックエポキシ樹脂[東都化成社製「YDPN−638」]を390.0重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂[東都化成社製「YD−128」]を370.0重量部仕込み、窒素ガスを導入しながら攪拌し、120℃まで加熱して溶解させた。さらにトリフェニルホスフィンを0.25重量部添加して、150℃で4時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去してリン含有エポキシ樹脂を得た。得られたリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量は340、リン含有量は1.9重量%であった。
攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた四つ口のガラスセパラブルフラスコにDPPO(ジフェニルホスフィンオキシド)を124.0重量部、トルエンを400重量部仕込み、DPPOを加熱して溶解させた。その後、反応熱に注意して1,4−NQ90.0重量部を少しずつ投入した。反応終了後、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、東都化成社製「YDCN−701」を790.0重量部仕込み、窒素ガスを導入しながら攪拌し、120℃まで加熱して溶解させた。さらにトリフェニルホスフィンを0.25重量部添加して、150℃で4時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去してリン含有エポキシ樹脂を得た。得られたリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量は390、リン含有量は1.8重量%であった。
攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた四つ口のガラスセパラブルフラスコに化合物Aを160.5重量部、トルエンを400重量部仕込み、化合物Aを加熱して溶解させた。その後、反応熱に注意して1,4−ベンゾキノン(以下1,4−BQと表す。)75.0重量部を少しずつ投入した。反応終了後、フェノールノボラックエポキシ樹脂として、東都化成社製「YDPN−638」を770.0重量部仕込み、窒素ガスを導入しながら攪拌し、120℃まで加熱して溶解させた。さらにトリフェニルホスフィンを0.25重量部添加して、150℃で4時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去してリン含有エポキシ樹脂を得た。得られたリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量は360、リン含有量は2.2重量%であった。
攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた四つ口のガラスセパラブルフラスコに化合物Aを21.0重量部、トルエンを400重量部仕込み、化合物Aを加熱して溶解させた。その後、反応熱に注意して1,4−NQ14.0重量部を少しずつ投入した。反応終了後、フェノールノボラックエポキシ樹脂として、東都化成社製「YDPN−638」を970.0重量部仕込み、窒素ガスを導入しながら攪拌し、120℃まで加熱して溶解させた。さらにトリフェニルホスフィンを0.25重量部添加して、150℃で4時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除去してリン含有エポキシ樹脂を得た。得られたリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量は195、リン含有量は0.3重量%であった。
各実施例及び各比較例の半硬化物をフローテスターを用い130℃における最低溶融粘度を、以下でいう溶融粘度として測定した。初期のプリプレグの溶融粘度と40℃±3℃の恒温槽に3日間保管後のプリプレグの溶融粘度を測定し、各測定結果について下記式で計算した。
溶融粘度の変化度(倍)=3日保管後の溶融粘度/初期の溶融粘度
(吸湿耐熱性)
各実施例及び各比較例の積層板を5cm角に切断し、121℃−2気圧の飽和水蒸気圧下で2時間吸湿を行い、次いで260℃±5℃の半田槽に吸湿処理を行った積層板を30秒間投入しフクレの発生について確認した。得られた結果を下記の表現で表2〜表6に示した。
レベル1:フクレの発生がなく、且つガラスクロス面のミーズリングが認められない状態(合格のレベル)。
レベル2:ガラスクロス面へのミーズリングが認められるが、フクレの発生はない状態(合格レベル)。
レベル3:フクレが発生している状態(不合格レベル)。
各実施例及各比較例の積層板に対し全面エッチングを行って銅箔を除去したものを試験片とし、UL94−1993 20mm垂直試験方法記載の方法に従い難燃性評価をおこなった。合格した難燃性レベルを表2〜表6に示した。
JIS−6481 No5.7に準拠して測定し、結果を表2〜表6に示した。
各実施例及各比較例の積層板に対し全面エッチングを行って銅箔を除去したものを試験片とし、DSCによりJIS‐7121-1987に準拠し測定した。
Claims (10)
- 式(1)、式(2)又は式(5)で表される有機リン化合物と反応させるエポキシ樹脂が、ノボラック型エポキシ樹脂を20重量%以上含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエポキシ樹脂組成物。
- 無機粉末充填材が、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、焼成カオリン、クレー、焼成クレー、タルク、焼成タルク、ハイドロタルサイト、ワラストナイト、金属水酸化物、金属酸化物、ガラス粉末、シリカバルーン又はシラスバルーンの少なくとも何れかである請求項1から請求項3までの何れかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 無機粉末充填材が、カオリン、焼成カオリン、クレー、焼成クレー、タルク、焼成タルク又は水酸化アルミの少なくとも何れかである請求項1から請求項3までの何れかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記ノボラック型エポキシ樹脂が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂である請求項1から請求項5までの何れかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項6の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物をシート状基材に含浸・乾燥してなるプリプレグ。
- 請求項1〜請求項6の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物を金属箔に塗布・乾燥してなる樹脂付き金属箔。
- 請求項1〜請求項6の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物をシート状に形成してなる接着シート。
- 請求項7に記載のプリプレグ、請求項8に記載の樹脂付き金属箔又は請求項9に記載の接着シートのうち少なくとも一種のものが積層成形されてなる積層板。
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