JPH08188282A - 原稿搬送装置の重送防止機構 - Google Patents

原稿搬送装置の重送防止機構

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JPH08188282A
JPH08188282A JP213195A JP213195A JPH08188282A JP H08188282 A JPH08188282 A JP H08188282A JP 213195 A JP213195 A JP 213195A JP 213195 A JP213195 A JP 213195A JP H08188282 A JPH08188282 A JP H08188282A
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JP213195A
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Yoshiyuki Takeda
義之 武田
Yoshihiro Ueda
啓裕 上田
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
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Mita Industrial Co Ltd
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    • G03G2215/00172Apparatus for electrophotographic processes relative to the original handling
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原稿収納部に積層された原稿を画像読取り部
に搬送する際に、原稿表面の損傷を防止し、かつ長期に
わたって重送の発生を抑える。 【構成】 この装置は、給紙ローラ20と分離ローラ5
7とを備えている。給紙ローラ20は、原稿収納部から
原稿を積層順に搬送するために原稿搬送方向に回転駆動
される。分離ローラ57は、給紙ローラ20に比較して
剛性が低い発泡合成樹脂製の基材58と、基材表面に形
成された樹脂コーティング層59とを有し、原稿を介し
て給紙ローラ20に圧接可能に配置され、原稿に対する
摩擦係数が給紙ローラ20の原稿に対する摩擦係数より
小さくかつ原稿同士の摩擦係数より大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重送防止機構、特に、
原稿収納部に積層された原稿を画像読取り部に1枚ずつ
供給する原稿搬送装置の重送防止機構に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やファクシミリ装置等では、原稿
収納部に積層された原稿を画像読取り部に供給する原稿
搬送装置が設けられている。そして、この原稿搬送装置
には、原稿を1枚ずつに捌いて搬送するために重送防止
機構が設けられている。重送防止機構は、原稿搬送方向
に回転駆動される給紙ローラと、この給紙ローラに原稿
を挟んで圧接される分離部材とを備えている。
【0003】分離部材は、原稿搬送方向と逆方向に所定
の回転力が与えられる分離ベルトや分離ローラ、又は給
紙ローラ側に付勢された分離パッド等が用いられる。給
紙ローラの原稿に対する摩擦係数は分離部材の原稿に対
する摩擦係数より大きく、したがって、給紙ローラと分
離部材との間に原稿が1枚だけ搬送された場合には、給
紙ローラによる原稿搬送力が分離部材と原稿間の摩擦力
よりも勝り、画像読取り部へ原稿が供給される。一方、
給紙ローラと分離部材間に2枚以上の原稿が供給された
場合には、原稿間の摩擦力は、給紙ローラと原稿間の摩
擦力及び分離部材と原稿間の摩擦力よりも小さいため、
給紙ローラ側の原稿は原稿搬送方向に搬送され、分離部
材側の原稿は原稿収納部側に残る。このようにして、重
送の発生を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の原稿搬送装置の
重送防止機構では、分離性能を重視して分離部材の原稿
に対する摩擦係数を高くしている。また、長期の使用に
より摩擦係数が低下することを考慮した上で摩擦係数の
値を設定する必要があることから、初期においては高い
摩擦係数となっている。
【0005】ところが、給紙ローラと分離部材間を通過
する原稿は、画像形成面が分離部材側に面して搬送され
る場合が多く、この場合には、分離部材表面の摩擦係数
が高いと、原稿の画像形成面が損傷されやすい。特に鉛
筆書きによる原稿のような定着性の悪い原稿面の場合
は、鉛筆の黒鉛のオフセット、文字及び線の流れ(尾引
き)、かすれ等の現象が顕著となる。従来の原稿搬送装
置では、一般的にA3サイズまでであり、鉛筆書き原稿
の割合が少なく、前述したような問題は比較的少なかっ
た。しかし最近の大型の原稿搬送装置では、たとえばA
2サイズの原稿まで通紙可能であり、この場合は鉛筆書
き原稿の割合が極めて多い。この場合は、前述したよう
な問題が顕著となり、無視できない。したがって、分離
部材表面の摩擦係数は、分離性能を損なわない範囲でな
るべく低い方が望ましい。
【0006】そこで、たとえば従来の分離部材(たとえ
ば分離ローラ)を構成するクロロプレン系合成ゴム(以
下、単にCRと記す)において、摩擦係数が1.0〜
1.5程度になるように設定すれば、原稿への損傷が少
ない。しかし、従来のCRを用いた分離部材では、長期
間にわたって使用していると、摩擦係数の落ち込みが大
きく、摩擦係数が小さくなって分離性能が著しく劣化す
る。
【0007】本発明の目的は、原稿収納部から画像読取
り部に原稿を1枚ずつ供給する際に、重送の発生を防止
し、かつ原稿面の損傷を軽減することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る原稿搬送装
置の重送防止機構は給紙ローラと分離部材とを備えてい
る。給紙ローラは、原稿収納部から原稿を積層順に搬送
するために原稿搬送方向に回転駆動される。分離部材
は、駆動側の給紙ローラに比較して剛性が低い発泡合成
樹脂製の基材と、基材表面に形成された樹脂コーティン
グ層とを有し、原稿を介して給紙ローラに圧接可能に配
置され、原稿に対する摩擦係数が給紙ローラの原稿に対
する摩擦係数より小さくかつ原稿同士の摩擦係数より大
きい。
【0009】なお、基材としては、ウレタン系発泡ゴム
で構成することができる。また、樹脂コーティング層と
してはポリエステル系ウレタン樹脂であるのが好まし
い。また、分離部材としては複数のローラに調節された
分離ベルトで構成できる。また分離部材として給紙ロー
ラ側に付勢された分離パッドで構成することも可能であ
る。さらに、分離部材として、原稿搬送方向と逆方向に
所定の回転力で駆動される駆動力制限付き分離ローラで
構成することができる。
【0010】
【作用】本発明に係る原稿搬送装置では、原稿収納部に
積層された原稿は、給紙ローラによって積層順に搬送さ
れる。給紙ローラと分離部材との間に1枚の原稿が供給
されてきた場合は、分離部材と原稿との間の摩擦力が給
紙ローラと原稿との間の摩擦力より小さいので、原稿は
給紙ローラの回転する方向に搬送される。また、2枚の
原稿が重送されてきた場合は、分離部材と原稿との間の
摩擦力が原稿同士の摩擦力より大きいので、分離部材側
の原稿は搬送されず、給紙ローラ側の原稿のみが搬送さ
れる。
【0011】ここで、分離部材は駆動側の給紙ローラに
比較して剛性が低いので、駆動側のローラの変形が抑え
られ、搬送スピードの変化が小さい。また、分離部材の
基材は発泡合成樹脂で形成され、従来のCRに比較して
表面に凹凸が多い。このため、原稿の画像面が分離部材
に摺接しても画像を形成する粒子(たとえば鉛筆書き原
稿では黒鉛の粒子)が表面の凹凸に入り込み、長期にわ
たって使用しても摩擦係数の落ち込みが少ない。したが
って、原稿の損傷を避けるために初期の段階で摩擦係数
を比較的低く設定しても、分離性能の劣化を抑えること
ができる。
【0012】なお、基材がウレタン系発泡ゴムである場
合には、原稿面の損傷を抑えながら原稿の分離性能をよ
り良好に維持できる。樹脂コーティング層がポリエステ
ル系ウレタン樹脂である場合には、原稿に対する摩擦係
数を低く設定することが容易になり、原稿の分離性能を
落とすことなく原稿面の損傷を防止することが可能とな
る。
【0013】分離部材を、複数のローラに張設された分
離ベルトで構成した場合、給紙ローラ側に付勢された分
離パッドで構成した場合、原稿搬送方向と逆方向に所定
の回転力で駆動される駆動力制限付き分離ローラで構成
した場合にも、前記同様の作用が得られる。
【0014】
【実施例】
〔第1実施例〕本発明の第1実施例が採用された複写機
の原稿搬送装置を図1に示す。原稿搬送装置1は、複写
機2の上部に配置されている。この原稿搬送装置1は、
中央上部に配置された原稿収納部3と、原稿収納部3の
図左側に配置された原稿送り部4と、図右側に配置され
た原稿戻し部5と、これらを覆うカバー16とを有して
いる。また、複写機2の上端中央部に配置されたコンタ
クトガラス6に対向する位置には、搬送ベルト7が配置
されている。
【0015】原稿収納部3は積層状態の原稿が載置され
る原稿トレー10を有している。原稿トレー10の原稿
送り部4側の端部には、図示しないソレノイドにより姿
勢が切り換えられる原稿ストッパー11と原稿押圧部材
12とが設けられている。原稿トレー10のうち、原稿
押圧部材12が配置されている部分には、さらに、前送
りローラ13と、前送りローラ13の上方に対向する前
送り回転ゴム14と、原稿が原稿トレー10にセットさ
れたか否かを検出する原稿検出センサー15とが配置さ
れている。
【0016】原稿送り部4は、原稿トレー10側に配置
された給紙ローラ20と分離ベルト21とからなる重送
防止機構を有している。この重送防止機構によって、原
稿トレー10側から送られてきた原稿が1枚ずつに分離
される。給紙ローラ20と搬送ベルト7との間には、1
対の板部材から構成される搬送路22が設けられてい
る。搬送路22の途中にはレジストローラ対23が設け
られている。搬送路22の搬送ベルト7側端部には、回
動支点24を中心に実線の位置と一点鎖線の位置との間
で回動可能な切替え爪25が設けられている。さらに、
搬送路22の側方には反転装置26が設けられている。
反転装置26は、搬送路22の下流端及び中央部からそ
れぞれ分岐する搬送路28と、反転ローラ27とから主
として構成されている。また搬送路22の途中には、原
稿のサイズを検出するためのサイズ検出センサ29が配
置されている。サイズ検出センサ29は、原稿の先端か
ら後端までの通過時間を検出することにより原稿の搬送
方向の長さを検出するためのものである。
【0017】搬送ベルト7は、コンタクトガラス6の上
面に沿って、互いに間隔を隔てて配置された多数のロー
ラ30に架け渡されている。その結果、搬送ベルト7の
下端面は、コンタクトガラス6に対向している。原稿戻
し部5は、搬送ベルト7と原稿収納部3とを結ぶための
ものであり、原稿搬送装置1の図右端部に設けられてい
る。原稿戻し部5は、固定排出部31を備えている。固
定排出部31は、搬送ベルト7の下流端と原稿収納部3
とを結ぶ排紙搬送路40と、排紙搬送路40の上流側端
部、下流側端部及び中途部に配置された3対の排出ロー
ラ41とから構成されている。下流側端部の排出ローラ
41に対向する位置には、カバー16に原稿排出口17
が形成されている。
【0018】重送防止機構を図2に拡大して示す。給紙
ローラ20は、CRで形成されており、原稿収納部3に
積層された原稿を複写機2側に搬送するために、図2に
おいて反時計回りに回転駆動される。分離ベルト21
は、駆動ローラ51と従動ローラ52の間に張設されて
おり、一方の面は搬送路22内において給紙ローラ20
と圧接している。駆動ローラ51は分離ベルト21を原
稿搬送方向と逆方向に所定の回転力で回転駆動してい
る。分離ベルト21は、硬度25度の発泡ウレタンを基
材とし、この基材表面にポリエステル系ウレタン樹脂に
よる樹脂コーティング層を形成したものである。なお、
分離ベルト21は、特に表面に樹脂コーティング層を設
けていることにより、初期状態における原稿との摩擦係
数が、1.0〜1.5となっており、この摩擦係数は、
給紙ローラ20の原稿に対する摩擦係数より小さく、原
稿同士の摩擦係数より大きい。
【0019】このような構成になる重送防止機構では、
原稿トレー10に積層された原稿は、給紙ローラ20に
よって積層順に搬送される。給紙ローラ20と分離ベル
ト21との間に1枚の原稿が進入した場合は、給紙ロー
ラ20と原稿との間の摩擦力が分離部ベルト21と原稿
との間の摩擦力より大きいので、原稿は給紙ローラ20
によって搬送路22に送られる。このとき、分離ベルト
21はそれ自身の駆動力が給紙ローラ20のそれに負
け、駆動方向とは逆方向(時計回り)に回転させられ
る。
【0020】また、2枚の原稿が給紙ローラ20と分離
ベルト21との間に重送されてきた場合は、分離ベルト
21と原稿との間の摩擦力が原稿同士の摩擦力より大き
いので、分離ベルト21側の原稿は搬送されず、給紙ロ
ーラ20側の原稿のみが搬送される。ここで、分離ベル
ト21は基材が発泡ウレタンであり、CRで形成された
給紙ローラ20より剛性が低い。したがって、両者が圧
接された状態では、給紙ローラ20に比較して分離ベル
ト21がより多くたわみ、給紙ローラ20の変形は小さ
い。このため、原稿の搬送スピードの変化が少なく、画
像形成タイミングのずれを抑えることができる。
【0021】〔第2実施例〕図3は、分離部材として分
離パッドを用いた場合の要部説明図である。給紙ローラ
20は図2の場合と同様の構成である。給紙ローラ20
に対向配置される分離パッド53は、硬度25度の発泡
ウレタン製の基材54の表面にポリエステル系ウレタン
樹脂による樹脂コーティング層55を形成してなるもの
であり、ばね56によって給紙ローラ20側に所定の付
勢力で付勢されている。
【0022】重送防止動作については基本的に第1実施
例と同様である。 〔第3実施例〕図4は分離部材として分離ローラを設け
た場合の要部拡大図である。給紙ローラ20は図2の場
合と同様の構成である。分離ローラ57は、給紙ローラ
20に対向配置され、搬送路22内において給紙ローラ
20と圧接している。分離ローラ57は、硬度25度の
発泡ウレタンでなる基材58と、基材58の外周面に設
けられるポリエステル系ウレタン樹脂でなる樹脂コーテ
ィング層59とから構成されている。分離ローラ57
は、原稿の搬送方向と逆方向に所定の回転力で回転駆動
されている。
【0023】重送防止動作については、基本的に第1実
施例と同様である。以下に、図4に示した第3実施例に
おいて、分離ローラとして各種の材質のものを用いた場
合の実験例を示す。ここで、以下において、単に摩擦係
数μとして示すものは、初期状態における摩擦係数であ
る。 〔実験例1〕分離ローラ57として各種材質のものを用
いて、重送の発生と原稿面の損傷について行った実験結
果を図5に示す。ここで用いた原稿は、鉛筆書きによる
原稿面を有するものを用いている。 (1)エチレンプロピレンゴム(EPDM)の場合、搬
送される原稿との摩擦係数は2.7〜2.8であり、重
送の発生はないものの原稿の損傷があった。 (2)硬度40度のウレタンゴムの場合には、原稿との
摩擦係数が2.6〜2.8であり、この場合も重送の発
生はないものの原稿の損傷があった。 (3)硬度60度のウレタンゴムを用いた場合には、原
稿との摩擦係数は2.4〜2.6であり、重送の発生は
ないものの原稿の損傷があった。 (4)発泡ウレタンA(コーティング層なし)の場合に
は、原稿との摩擦係数が2.1〜2.3であり、重送の
発生がないものの原稿の損傷があった。 (5)発泡ウレタンB(コーティング層なし)の場合に
は、原稿の摩擦係数が1.8〜2.0であり、重送の発
生がないものの原稿の損傷があった。 (6)シリコンゴムの場合には、原稿との摩擦係数が
2.2〜2.4であり重送の発生はないものの原稿の損
傷があった。 (7)発泡ウレタンの基材にポリエステル系ウレタン樹
脂のコーティングを施したコーティング品Aの場合に
は、原稿との摩擦係数が1.1〜1.3であり、重送の
発生がなく、原稿の損傷もなかった。 (8)発泡ウレタンの基材にポリエステル系ウレタン樹
脂のコーティングを行ったコーティング品Bの場合、原
稿との摩擦係数が0.8〜0.9であり、原稿の損傷は
なかったが、重送の発生があった。
【0024】〔実験例2〕第3実施例の分離ローラ57
の基材58を発泡ウレタンとし、樹脂コーティング層5
9を摩擦係数の異なるポリエステル系ウレタン樹脂を用
いて、重送発生及び原稿の損傷について実験を行なっ
た。その実験結果を図6に示す。 (1)コーティング品Cの場合、原稿との摩擦係数は
1.1〜1.3であり、重送の発生はなく、原稿の損傷
もなかった。 (2)コーティング品Dの場合、原稿との摩擦係数が
0.4〜0.5であり、原稿の損傷はないものの、重送
の発生が起こった。なお、重送は即座に発生した。 (3)コーティング品Eの場合、原稿との摩擦係数が
0.6〜0.7であり、原稿の損傷はなかったが、重送
が発生した。重送は500枚通紙後に発生した。 (4)コーティング品Fの場合、原稿との摩擦係数が
0.8〜0.9であり、原稿の損傷はなかったが、重送
の発生が起こった。重送は1000〜2000枚通紙後
に発生した。 (5)コーティング品Gの場合、原稿との摩擦係数が
1.3〜1.5であり、重送の発生がなく、原稿の損傷
も軽微であった。
【0025】〔実験例3〕次に、基材の材質変化による
重送の発生及び原稿の損傷の発生について実験を行なっ
た。このとき、摩擦係数の通紙枚数による変化も併せて
調査した。その結果を図7及び図8に示す。図7におい
て、μ1が初期状態における摩擦係数を、μ2が20,
000枚通紙した後の摩擦係数を、μ3が50,OOO
枚通紙した後の摩擦係数を表している。なお、重送の発
生及び原稿の損傷についての評価は、初期状態から5
0,000枚通紙までの全体にわたっての評価である。
また、全てのローラについて、初期状態での摩擦係数を
1.1〜1.3に設定している。さらに、全てのローラ
表面には樹脂コーティングが形成されている。 (1)硬度25度でセル数が100μm(発泡セルの直
径を示す)の発泡ウレタンを基材に用いた場合には、重
送の発生がなく、原稿の損傷もなかった。また、摩擦係
数の落ち込みは最も少ない。 (2)硬度25度でセル数が200μmの発泡ウレタン
を基材に用いた場合には、重送の発生がなく、原稿の損
傷もなかった。摩擦係数の落ち込みは前記項目(1)の
場合とほぼ同様である。 (3)硬度25度のCRの場合には、原稿の損傷はなか
ったが重送が発生した。摩擦係数の落ち込みは、発泡ウ
レタンを基材に用いた場合に比較して大きく、これが重
送の発生の原因と思われる。 (4)硬度45度のCRの場合には、原稿の損傷はなか
ったが重送が発生した。この場合の摩擦係数の落ち込み
についてのデータはない。 (5)硬度60度のCRの場合には、原稿の損傷はなか
ったが重送が発生した。摩擦係数は、早い段階で0.5
以下に落ち込んでおり、落ち込みは早くかつ非常に大き
い。
【0026】〔実験結果の考察〕以上から次のことがわ
かる。 (1)実験例1及び2から、摩擦係数が1.5を越える
と原稿の損傷がみられる。したがって、原稿の損傷とい
う観点からは、摩擦係数は1.5以下、望ましくは1.
3以下が好ましい。 (2)実験例2及び3から、摩擦係数が0.5未満にな
ると重送が発生する。したがって、重送の防止という観
点からは、摩擦係数は0.5以上が好ましい。 (3)原稿の損傷を避け、かつ長期にわたって使用して
も重送が発生しないようにするには、初期状態で摩擦係
数が1.5以下であり、長期使用後も0.5以上を維持
する必要がある。このような条件を満たすのは、図7及
び図8から明らかなように、基材に発泡ウレタンを用い
たものである。
【0027】ここで、基材として発泡ウレタンを用いた
場合に摩擦係数の落ち込みが少ないのは、以下の理由で
あると推測される。すなわち、発泡ウレタンを基材とし
て用いた場合には、その表面に凹凸が形成される。原稿
面の画像がたとえば鉛筆書きの場合は、黒鉛の粒子が分
離ローラ表面に付着するが、この粒子は凹凸内に入り込
み、摩擦係数にあまり影響を与えないものと思われる。
一方従来のCRで形成された分離ローラでは、表面の凹
凸が発泡ウレタンに比較して非常に小さく、かつ少な
い。このため、表面に付着した粒子は原稿との摺接面に
大きく影響し、摩擦係数を劣化させるものと思われる。 〔他の実施例〕図9は分離ローラの他の実施例を示す説
明図である。
【0028】給紙ローラ20は、軸部60と、軸部60
から径方向に突出する給紙部61,61を有している。
分離ローラ57は、軸部62と、軸部62から径方向に
突出する分離部63とを有している。給紙ローラ20の
給紙部61と分離ローラ57の分離部63は交互に配置
されている。分離部63は、発泡ウレタンで構成された
基材と、基材の表面にポリエステル系ウレタン樹脂によ
ってコーティングされた樹脂コーティング層とを有して
いる。
【0029】このような構成の重送防止機構において
も、摩擦係数を前記実施例と同様に設定することによ
り、同様の作用を奏する。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明に係る原稿搬送装置
の重送防止機構では、分離部材の基材を発泡合成樹脂製
の基材とし、その表面に樹脂コーティング層を形成して
いるので、原稿を損傷しないように初期状態で摩擦係数
を低くしても、長期使用後に摩擦係数の落ち込みが少な
く、長期にわたって重送の発生を抑えることができる。
【0031】また、分離部材は駆動側の給紙ローラに比
較して剛性が低いので、駆動側のローラの変形が抑えら
れ、搬送スピードの変化が小さい。なお、基材がウレタ
ン系発泡ゴムである場合には、摩擦係数の劣化がより少
ない。樹脂コーティング層がポリエステル系ウレタン樹
脂である場合には、原稿に対する摩擦係数を低く設定す
ることが容易になる。
【0032】分離部材を、複数のローラに張設された分
離ベルトで構成した場合、給紙ローラ側に付勢された分
離パッドで構成した場合、原稿搬送方向と逆方向に所定
の回転力で駆動される駆動力制限付き分離ローラで構成
した場合にも、前記同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が採用される原稿搬送装置の
縦断面説明図。
【図2】第1実施例の要部拡大図。
【図3】第2実施例の要部拡大図。
【図4】第3実施例の要部拡大図。
【図5】実験例1の実験結果を示す図。
【図6】実験例2の実験結果を示す図。
【図7】実験例3の実験結果を示す図。
【図8】実験例3における摩擦係数の変化を示す図。
【図9】他の実施例の要部拡大図。
【符号の説明】
1 原稿搬送装置 20 給紙ローラ 21 分離ベルト 22 搬送路 53 分離パッド 57 分離ローラ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原稿収納部に積層された原稿を画像読取り
    部に1枚ずつ供給する原稿搬送装置の重送防止機構であ
    って、 前記原稿収納部から原稿を積層順に搬送するために原稿
    搬送方向に回転駆動される給紙ローラと、 前記駆動側の給紙ローラに比較して剛性が低い発泡合成
    樹脂製の基材と、前記基材表面に形成された樹脂コーテ
    ィング層とを有し、原稿を介して前記給紙ローラに圧接
    可能に配置され、原稿に対する摩擦係数が前記給紙ロー
    ラの原稿に対する摩擦係数より小さくかつ原稿同士の摩
    擦係数より大きい分離部材と、を備えた原稿搬送装置の
    重送防止機構。
  2. 【請求項2】前記基材はウレタン系発泡ゴムである、請
    求項1に記載の原稿搬送装置の重送防止機構。
  3. 【請求項3】前記樹脂コーティング層はポリエステル系
    ウレタン樹脂である、請求項1又は2に記載の原稿搬送
    装置の重送防止機構。
  4. 【請求項4】前記分離部材は複数のローラ間に張設され
    た分離ベルトである、請求項1〜3のいずれかに記載の
    原稿搬送装置の重送防止機構。
  5. 【請求項5】前記分離部材は前記給紙ローラ側に付勢さ
    れた分離パッドである、請求項1〜3のいずれかに記載
    の原稿搬送装置の重送防止機構。
  6. 【請求項6】前記分離部材は、原稿搬送方向と逆方向に
    所定の回転力で駆動される駆動力制限付き分離ローラで
    ある、請求項1〜3のいずれかに記載の原稿搬送装置の
    重送防止機構。
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