JPH08187730A - 積層成形品の成形用金型および成形方法 - Google Patents

積層成形品の成形用金型および成形方法

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JPH08187730A
JPH08187730A JP266695A JP266695A JPH08187730A JP H08187730 A JPH08187730 A JP H08187730A JP 266695 A JP266695 A JP 266695A JP 266695 A JP266695 A JP 266695A JP H08187730 A JPH08187730 A JP H08187730A
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/1418Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles the inserts being deformed or preformed, e.g. by the injection pressure
    • B29C45/14196Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles the inserts being deformed or preformed, e.g. by the injection pressure the inserts being positioned around an edge of the injected part

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Abstract

(57)【要約】 【目的】成形品の製造効率が向上される積層成形品の成
形用金型および成形方法の提供。 【構成】金型1を雄型10と雌型20とに分割し、雄型10の
外周面13との間に表皮面材2の端縁を挟み込むバンド30
を当該雄型10に設け、このバンド30が表皮面材2を挟み
込む位置イよりも溶融樹脂の流れの下流側の位置までキ
ャビティ22を延出させる。そして、スプルー12から表皮
面材2と雄型10との間に溶融樹脂を充填すれば、表皮面
材2の端縁近傍の部分は、金型1の内部に拡がろうとす
る溶融樹脂に押され、バンド30で固定された位置よりも
下流側に移動し、成形される成形品の端縁となる部分
は、表裏とも表皮面材2に覆われるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層成形品の成形用金
型および成形方法に係り、自動車の内装品や事務用の椅
子等、表面に表皮面材が被覆された積層成形品を製造す
る際に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、自動車の内装品等として、良好
な感触を付与する、あるいは、搭乗者の安全性を確保す
る等のために、表面の起毛性やクッション性等の有用な
特質を備えた表皮面材を表面に被覆した積層成形品が用
いられている。このような積層成形品は、射出圧縮成形
や射出プレス成形等の射出成形およびフロースタンピン
グ成形等の成形法で製造でき、具体的には、予め金型内
に表皮面材を配置しておき、この表皮面材が配置された
金型の内部に溶融状態の樹脂を充填することで製造でき
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、射出圧
縮成形、射出プレス成形、および、フロースタンピング
成形等の一般的な成形法では、表皮面材と樹脂とを一体
成形すると、成形品の周囲から表皮面材の余剰部分がは
みでるので、成形後に、この余剰部分を目立たないよう
に成形品の裏側へ折り返して接着する作業等の処理加工
が必要となり、この処理加工が積層成形品の製造効率を
阻害しているという問題がある。
【0004】これに対し、成形時に表皮面材の端縁部分
を成形品の裏側へ折り返す折り返し機構を有する金型が
知られており、以下にその例を示す。特開昭61−137714
号公報(以下「第1従来例」という)には、凹みを有す
る雌型と、この雌型の凹みの内部に挿入される雄型とに
分割され、かつ、雌型の凹みの外周縁に表皮面材を挟ん
で固定する一対の固定枠を有し、この一対の固定枠のう
ち前記雌型と隣接するものを雌型の内側へ向かって突没
可能とした金型が示されている。このような金型によれ
ば、固定枠に表皮面材を取付けた状態で金型を閉鎖する
とともに、固定枠の一方を突出させることにより、表皮
面材を雄型の外周面に押し付け、この状態で表皮面材お
よび雄型の間に溶融樹脂を充填すると、表皮面材が成形
品の端面部分となる部分を覆うように折り返されて接着
されるので、成形後に表皮面材を折り返す作業等が一切
不要となる。また、特開平05− 64825号公報(以下「第
2従来例」という)には、表皮面材の端縁部分を折り返
すスライドコアと、折り返された表皮面材を加熱して樹
脂に融着するヒータとを有する金型が示されている。こ
のような金型によれば、溶融樹脂が冷却・固化した後、
スライドコアおよびヒータを作動させれば、表皮面材が
折り返されて樹脂に接着されるので、成形後に表皮面材
を折り返して接着する作業が不要となる。しかし、第1
および第2従来例では、金型の構造が複雑となり、金型
の製造に手間や時間がかかり、金型の製造効率を低下さ
せ、積層成形品のコストを高騰させる原因となるという
問題がある。また、第1従来例では、一面が開口となっ
た箱形状の成形品を成形する場合、表皮面材の端縁部分
は、折り返されても成形品の端面までしか接着されず、
表皮面材の端縁を成形品の裏側までで折り返す必要があ
る場合には、別途折り返し作業および接着作業が必要と
なるという問題がある。さらに、第2従来例では、溶融
樹脂が冷却・固化する前に、スライドコアを作動させる
と、成形品の形を崩すおそれがあるので、溶融樹脂が完
全に冷却・固化した後に、スライドコアおよびヒータを
作動させなければならず、成形におけるサイクルタイム
を長引かせ、成形品の製造効率が良くないという問題が
ある。なお、特公昭62− 51748号公報には、成形時に表
皮面材の端縁部分を圧縮して薄肉化し、成形後に成形品
の端縁部分からはみでる表皮面材の端縁部分を成形品の
裏側に折り返すことで、表皮面材が厚手のものであって
も、成形品の端縁部分がシャープとなる成形品の製造方
法が示されている。しかし、この製造方法では、成形後
に、表皮面材を折り返して接着する作業が必要となり、
この作業により製造効率が阻害されるので、前述の問題
を解決することはできない。
【0005】本発明の目的は、成形品の製造効率が向上
される積層成形品の成形用金型および成形方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の積層成形品の成
形用金型は、予め表皮面材を配置しておいた金型の内部
に溶融樹脂を充填することにより、前記表皮面材と前記
樹脂とが積層された積層成形品の成形用金型であって、
雄型と雌型とに分割されるとともに、前記雄型の外周面
との間に前記表皮面材の端縁を挟み込む挟持手段が当該
雄型に設けられていることを特徴とする。以上におい
て、前記雄型と前記表皮面材との間に前記溶融樹脂を充
填する充填孔が設けられ、前記溶融樹脂を成形するため
のキャビティは、前記挟持手段が表皮面材を挟み込んだ
位置よりも当該溶融樹脂の流れの下流側まで延出してい
ることが望ましい。また、前記挟持手段は、前記雄型の
外周面に沿って設けられたバンドであって、このバンド
の両端は、当該バンドに所定の張力を付与する締付機構
に係合されていることが好ましい。さらに、前記締付機
構は、流体の圧力で駆動する流体シリンダ装置を含んで
構成されていることが望ましい。
【0007】本発明の積層成形品の成形方法は、表皮面
材と樹脂とを積層させた積層成形品を一体成形する積層
成形品の成形方法であって、金型として、雄型と雌型と
に分割されるとともに、前記雄型の外周面との間に前記
表皮面材の端縁を挟み込む挟持手段を備えたものを採用
し、前記表皮面材を前記挟持手段で前記金型に固定し、
前記表皮面材と前記雄型との間に溶融樹脂を充填した
後、充填された前記溶融樹脂を前記挟持手段が表皮面材
を挟み込んだ位置よりも当該溶融樹脂の流れの下流側ま
で展延させることを特徴とする。以上において、前記挟
持手段には、端縁近傍を弛ませて袋状にした状態の前記
表皮面材が固定され、前記挟持手段と前記雌型との間に
は、前記溶融樹脂を成形するためのキャビティが延出
し、前記表皮面材と前記雄型との間に前記溶融樹脂を充
填することにより、前記溶融樹脂で前記表皮面材の袋状
となった部分を膨らませることが望ましい。
【0008】また、以上のような成形方法では、次のよ
うな材料、および、成形装置を採用することができる。 (1)材 料 表皮面材としては、熱可塑性樹脂シート、織布、不織
布、編布、熱可塑性樹脂の発泡体、および、装飾模様等
が印刷されたフィルムなどの単層表皮面材、ならびに、
塩化ビニル(以下PVCと略す。)、熱可塑性エラスト
マ(以下TPOという。)織布、不織布、および、編布
等からなる表皮層と、ポリプロピレンおよびポリウレタ
ン等の発泡体からなるクッション層とを一体化した積層
構造の多層表皮面材等が採用できる。成形品の基部にな
る樹脂としては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ
エチレン、ABS、ポリカーボネート等の熱可塑性樹
脂、および、これらの熱可塑性樹脂にタルク、マイカ等
のフィラーや、ガラス繊維、炭素繊維等の補強充填材を
含有したもの等が採用できる。 (2)成形装置 成形装置としては、射出成形機、射出圧縮成形機、射出
プレス成形機、および、移動側金型が取付けられる移動
ダイプレートに当該移動金型部を固定金型部に向かって
押圧する油圧装置等の押圧機構を設けた成形機等が採用
できる。
【0009】
【作用】このような本発明では、挟持手段と雄型の外周
面との間に前記表皮面材の端縁を挟んで固定した状態
で、表皮面材と雄型との間に溶融樹脂を充填すれば、表
皮面材の端縁近傍の部分は、金型の内部に拡がろうとす
る溶融樹脂の押圧力を受けて、挟持手段で固定された位
置よりも下流側に移動しようする。このため、溶融樹脂
を成形するためのキャビティを、挟持手段が表皮面材を
挟み込む位置よりも当該溶融樹脂の流れの下流側まで延
出させれば、溶融樹脂は表皮面材を当該表皮面材の端縁
を越えた位置まで押していき、成形される成形品の端縁
となる部分は、表裏とも表皮面材に覆われるようにな
る。この結果、成形品の表面を覆う表皮面材は、成形時
に成形品の裏面にも折り返された状態で樹脂部分に接着
され、これにより前記目的が達成される。なお、挟持手
段としてバンドを採用すれば、金型の構造が全体的に簡
単なものとなる。また、バンドに張力を与えるための締
付機構として、流体の圧力で駆動する流体シリンダ装置
を備えたものを採用すれば、バンドを張る・緩めるが自
在に行え、表皮面材の装着が容易・迅速に行え、製造効
率の向上が図れる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1および図2には、本実施例の金型1が示さ
れている。この金型1は、図中下方の雄型としての固定
金型部10と、上方の雌型としての可動金型部20とに分割
されたものとなっている。固定金型部10は、溶融樹脂を
成形する成形面11を突出させたものであるとともに、図
示しない射出圧縮成形機に移動不可能に固定される金型
である。固定金型部10には、射出圧縮成形機から射出さ
れる溶融樹脂を金型1のキャビティ22内に導入する充填
孔としてのスプルー12が当該固定金型部10の中央部分を
貫通して設けられている。固定金型部10の成形面11の端
縁は、図中左側の半周が角の立ったエッジ11A とされ、
図中右側の半周が角の丸まったエッジ11B とされてい
る。このうち、エッジ11A は、表皮面材2(図2にのみ
示す)を剪断するための刃となっている。固定金型部10
の外周面13には、成形面11のエッジ11B 側の半周に巻付
けられた挟持手段としてのバンド30が設けられている。
また、外周面13には、バンド30の下方に当該外周面13か
ら突き出た段付部13A が設けられ、バンド30の内側に
は、当該バンド30を収納するための溝状の凹部14が設け
られている。
【0011】可動金型部20は、底部が成形面21となった
凹みを有する雌型であり、前述の射出圧縮成形機に移動
可能に設けられている。成形面21は、金型1を閉鎖する
と固定金型部10の成形面11とともにキャビティ22(図1
中では二点鎖線で示す)を形成するものである。可動金
型部20の内周面23には、成形面11のエッジ11A に対応し
て段差24が設けられている。この段差24のエッジ25は、
表皮面材2を剪断するための刃であり、固定金型部10側
のエッジ11A とともに表皮面材2を剪断するものであ
る。段差24の下方には、可動金型部20の内周面23と、固
定金型部10の外周面13との間に隙間26が形成される(図
2にのみ示す)。この隙間26は、表皮面材2の厚さ寸法
に応じた所定間隔寸法t1を有するものである。可動金型
部20の図中上方には、図示しない型締装置が配置され、
この型締装置により、可動金型部20を移動して金型1が
閉鎖されるようになっている。この型締装置は、可動金
型部20を固定金型部10に向かって圧縮するものであり、
その圧縮力は、最大圧縮力の0〜100%の範囲で連続
的に調節できるようになっている。この型締装置を駆動
することにより、キャビティ22の内部に充填した溶融樹
脂を展延させるとともに、展延完了後には溶融樹脂に内
圧が与えられるようになっている。溶融樹脂に与えられ
る内圧は、樹脂を成形面11, 21に押圧して所定の形状に
維持するものであり、良好な成形性を得るためには欠か
せない力となっている。
【0012】キャビティ22は、バンド30が表皮面材2を
挟み込む位置イよりも溶融樹脂の流れの下流側(図では
下方)まで延出している。ここで、スプルー12は、固定
金型部10と表皮面材2との間に溶融樹脂を充填するよう
になっている。バンド30は、スチール製の薄板またはス
テンレスメッシュ等からなる柔軟性を備えた帯状のもの
である。バンド30の両端は、このバンド30に所定の張力
を付与する締付機構40に係合されている。締付機構40
は、図3で示されるように、油圧で駆動する油圧式シリ
ンダ装置41と、固定金型部10の内部に固定された係止ピ
ン42と、バンド30の動きを円滑にさせるローラ43とを備
えたものであり、固定金型部10の内部に設けられてい
る。バンド30の一端は、係止ピン42に固定され、バンド
30の他端は、油圧式シリンダ装置41の可動ロッド44に固
定されている。可動ロッド44を後退させると、バンド30
に所定の張力が加わる一方、油圧式シリンダ装置41の可
動ロッド44を前進させると、バンド30は緩むようになっ
ている。これにより、金型1に装着される表皮面材2の
端縁は、バンド30と固定金型部10の外周面13との間に挟
まれて固定されるようになっている。なお、表皮面材2
としては、薄手の表皮層と、クッション性を具備した厚
手のクッション層とからなる積層構造の面材、または、
単層の表皮面材を用いる。
【0013】このような本実施例では、次のような手順
により射出圧縮成形を行う。まず、金型1を開け、バン
ド30を緩めた状態で、図4(A)に示されるように、バ
ンド30と固定金型部10の外周面13との間に表皮面材2の
図中右側の端縁を差し込んだ後、可動ロッド44を後退さ
せてバンド30を締め、固定金型部10に表皮面材2を装着
する。なお、表皮面材2の図中左側の端縁は固定しな
い。ここで、表皮面材2の図中右側の端縁近傍は、図4
(A)の如く、弛ませて袋状にした状態としておく。表
皮面材2の装着後、可動金型部20を固定金型部10に向か
って移動し、完全閉鎖位置よりも所定寸法(例えば、5
〜100mm程度)手前の位置に可動金型部20を停止さ
せ、この位置から可動金型部20が後方に移動して開かな
いように、可動金型部20をブロックし、この状態で溶融
樹脂3をキャビティ22に充填する。この際、図4(B)
に示されるように、可動金型部20の前進により、固定金
型部10の外周面13と可動金型部20の内周面23との間の隙
間26に、表皮面材2の図中左側の端縁が挟まれる。これ
により、型締め時に表皮面材2には、適度な張力が型締
めの始めから終わりまでの間加え続けられるようにな
る。
【0014】次いで、溶融樹脂3の充填工程の完了直前
もしくは完了直後に、図示しない型締装置を駆動して金
型1に圧縮力を加えて型締し、この型締めにより溶融樹
脂3をキャビティ22内に展延して充満させる。ここで、
金型1の型締めにより、充填された溶融樹脂3は、図4
(C)に示されるように、バンド30が表皮面材2を挟み
込んだ位置イよりも当該溶融樹脂3の流れの下流側まで
展延する。展延された溶融樹脂3は、表皮面材2の袋状
となった部分に入り込んで、当該表皮面材2の袋状部分
を膨らませる。なお、表皮面材2の袋状部分が膨らむ
際、表皮面材2の図中右側の端縁は、摩擦力に抗してバ
ンド30と固定金型部10の外周面13との間から僅かにキャ
ビティ22の内部へ引き込まれる。また、金型1の型締完
了直前には、固定金型部10側のエッジ11A と、可動金型
部20側のエッジ25とが噛み合い、表皮面材2を成形品の
端縁に沿って剪断する。これにより、成形品から表皮面
材2の余剰部分が自動的にトリミングされる。
【0015】なお、溶融樹脂3が金型1のキャビティ22
の隅々まで充満したら、必要に応じて表皮面材2のクッ
ション層が押し潰されないように、金型1に加わってい
る圧縮力を低下させる。これにより、圧縮力が低下して
いる間に、クッション層が著しく溶融しない程度に溶融
樹脂3の表面を冷却させることができ、その後、圧縮力
を再度昇圧させ、溶融樹脂3を所定の形状に維持させる
に充分な高圧縮力下で樹脂3の冷却・固化を行うことが
できる。そして、溶融樹脂3の冷却固化が完了したら、
金型1を開いて金型1の内部から成形品を取り出す。
【0016】前述のような本実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、固定金型部10の外周面13との
間に表皮面材2の端縁を挟んで固定するバンド30を設
け、バンド30が表皮面材2を挟み込んだ位置よりも溶融
樹脂3の流れの下流側となる位置までキャビティ22を延
出させたので、成形面11と表皮面材2との間に充填され
た溶融樹脂3は、バンド30に固定された表皮面材2の端
縁を越えた位置まで表皮面材2の端縁近傍の部分を押し
ていく。この結果、成形品の表面を覆う表皮面材2は、
成形時に端縁部分が成形品の裏側へも折り返された状態
で成形品の樹脂層に接着されるので、別途表皮面材2の
折り返えし作業等が不要となり、積層成形品の製造効率
を向上できる。
【0017】また、固定金型部10の成形面11のエッジ11
A と、可動金型部20の内周面23に設けた段差24のエッジ
25とで、表皮面材2のバンド30で固定されない端縁部分
を剪断する一対の刃を形成したので、成形品からはみで
る表皮面材2の余剰部分を自動的にトリミングでき、こ
の点からも積層成形品の製造効率を向上できる。しか
も、可動金型部20の内周面23に設けた段差24により、固
定金型部10の外周面13と可動金型部20の内周面23との間
に隙間26が形成され、この隙間26に表皮面材2の固定さ
れていない端縁を挟んだ状態で型締めするようにしたの
で、型締め時に表皮面材2に適度な張力が加わり、成形
品の表面を覆う表皮面材2にシワが生じず、積層成形品
の外観を良好なものとできる。
【0018】さらに、表皮面材2の固定された端縁部分
を袋状に弛ませたので、溶融樹脂3の射出圧力や型締め
の圧縮力が低くとも、キャビティ22の隅々まで溶融樹脂
3が確実に展延され、射出圧力や型締め力を低圧にする
ことにより、成形時において表皮面材2のクッション層
を保護できる。しかも、金型が開いた状態で溶融樹脂を
射出するため、高速で溶融樹脂を射出でき、射出時間が
短くて済み、サイクルタイムを短縮できるうえ、成形装
置の規模を縮小でき、ひいては積層成形品のコストを低
減できる。
【0019】また、挟持手段として、柔軟性を有するバ
ンド30を採用したので、挟持手段の構造が簡単となり、
金型1の構造を複雑にせず、金型1の製造コストを低減
できるうえ、既存の金型の改造も容易なので、既存の金
型に利用することも容易に行うことができる。
【0020】さらに、バンド30に張力を与えるための締
付機構として、油圧で駆動する油圧式シリンダ装置41を
設けたので、バンド30を張る・緩めるが自在に行え、表
皮面材2の装着が容易・迅速に行え、この点からも積層
成形品の効率を向上することができる。
【0021】また、溶融樹脂3が充満した後、金型1に
加わっている圧縮力を低下させたので、圧縮力が低下し
ている間に、クッション層が著しく溶融しない程度に溶
融樹脂3の表面を冷却し、その後、圧縮力を再度昇圧さ
せ、溶融樹脂3を所定の形状に維持させるに充分な高圧
縮力下で樹脂3の冷却・固化を行うようになるため、表
皮面材2のクッション層のクッション性を維持でき、表
皮面材2の特質であるクッション性が損なわれず、積層
成形品の品質を優れたものとできる。
【0022】続いて、本発明の効果を具体的な実験例に
基づいて説明する。 〔実験例1〕本実験例1は、前記実施例の金型1で積層
成形品を成形する実験である。本実験例1の金型1は、
幅寸法Wが410mm、奥行き寸法Dが430mm(図1参
照)のキャビティ22を備えるとともに、このキャビティ
22の中心付近にゲートを一点有するものである。また、
金型1のバンド30は、スチール性の帯状のものとされて
いる。 〔比較例1〕本比較例1は、本発明の効果を確認するた
めに、従来からある単純なインロー構造の金型により、
前記実験例1と同一の成形品を得ようとする実験であ
る。本比較例1では、雌型の内周面および雄型の外周面
との間隔寸法(前記実施例の寸法t1に相当する寸法) が
0.02mmに設定されている。 〔比較例2〕本比較例2は、本発明の効果を確認するた
めに、前記比較例1と同様に、従来からある単純なイン
ロー構造の金型で、前記実験例1と同一の成形品を得よ
うとする実験である。本比較例2では、雌型の内周面お
よび雄型の外周面との間隔寸法(前記実施例の寸法t1に
相当する寸法) が0.4mmに設定されている。
【0023】〔共通射出条件〕実験例1、比較例1およ
び比較例2では、互いに共通した材料、装置、および成
形条件が採用される。これらの材料等は以下のようなも
のとなっている。 (1)材 料 成形品の基部になる樹脂としては、ポリプロピレン(出
光石油化学(株)製商品名:出光ポリプロJ-5050H MI:5
5g/10分,230℃,2.16kgf)。また、表皮面材としては、
不織布からなる厚さ1.2mmの単層シート材を採用す
る。 (2)成形装置 成形装置としては、汎用の横型射出成形機に射出圧縮成
形機構を組み込んだ射出圧縮成形機(型締力850t
三菱重工製)を用いる。この射出圧縮成形機は、最大圧
縮力の0〜100%の間で連続的に圧縮力を調節でき
る。 (3)成形条件 成形温度 ; 180℃ 金型温度 ; 40℃ 樹脂の射出時間 ; 2.6秒 樹脂の射出圧力 ; 120kg/cm2 (ゲージ圧) 樹脂冷却時間 ; 40秒 金型の圧縮量 ; 40mm 型締め開始タイミング;射出開始から2.4秒経過後 金型の圧縮速度 ; 10mm/秒 型締め時の圧縮力 ; 150t
【0024】〔実験結果〕実験例1では、成形品の表皮
面材の表面には、シワの発生がないうえ、表皮面材の端
縁部分は、成形品の裏側に折り返されて、外観の良好な
積層成形品となった。これに対し、比較例1では、金型
を閉鎖する際に、雌型の開口の内側のエッジと、雄型の
成形面の外周縁のエッジとが噛み合い、溶融樹脂の充填
および型締めの前に、表皮面材が剪断された。この表皮
面材の剪断により、金型内部の表皮面材には、張力を与
えることはできない。このため、溶融樹脂を充填・展延
すると、溶融樹脂に押されて金型内部の表皮面材がず
れ、得られた成形品の表面にはシワが発生する上、端縁
に樹脂が露出し、外観が損なわれ、比較例1では、外観
の良好な積層成形品が得られないことがわかる。一方、
比較例2では、金型を完全に閉鎖しても、表皮面材が剪
断できないので、成形後にトリミング作業や、表皮面材
の端縁を折り返す作業等の処理加工が必要となった。し
かも、雌型の内周面と、雄型の外周面との間に溶融樹脂
が入り込むので、成形品の端縁にバリが生じ、このバリ
を取り除く作業が必要となる。従って、比較例2では、
積層成形品の製造効率を向上できない。
【0025】以上、本発明について好適な実施例を挙げ
て説明したが、本発明は、この実施例に限られるもので
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改
良並びに設計の変更が可能である。例えば、表皮面材と
しては、不織布に限らず、各種厚みの織布、編布、ある
いは、PVCやTPO等の単層表皮面材が採用できる。
さらに、表皮面材としては、単層表皮面材に限らず、前
述の単層表皮面材を二種類以上ラミネートした多層表皮
面材でもよい。また、ポリプロピレン発泡体、ポリウレ
タン発泡体等の発泡シート、あるいは、これらの発泡シ
ートと前記単層表皮面材との多層表皮面材も採用でき
る。
【0026】さらに、挟持手段としては、バンド等に限
らず、図5および図6に示されるように、雄型である固
定金型部10の外周面13から進退自在とされた挟持片31を
含んで構成されたものでもよい。そして、この挟持片31
を油圧式シリンダ装置32等の締付機構で駆動すれば、固
定金型部10の外周面13の全周に渡って表皮面材2の端縁
を固定することができる。以上において、締付機構とし
ては、油圧式シリンダ装置に限らず、空気式シリンダ装
置等の流体圧を利用するもの、および、電動機やソレノ
イド等の能動的に駆動力を発生させるもの、ならびに、
ばね等の受動的に駆動力を発生させるものも採用でき
る。
【0027】また、成形品の基部になる樹脂としては、
補強繊維等を含まないポリプロピレンに限らず、タルク
やマイカ等のフィラー、または、ガラス繊維や炭素繊維
等の補強充填材を含有したポリプロピレンでもよく、ま
た、ポリエチレン、ポリスチレン、ABS、ポリカーボ
ネート等の他の合成樹脂、および、これらの繊維補強樹
脂等も採用できる。
【0028】さらに、成形装置としては、射出圧縮成形
機に限らず、射出プレス成形機等でもよく、要するに、
型締めにより金型内に充填した溶融樹脂を展延できるも
のであればよい。さらに、成形品としては、椅子の座部
に限らず、ソファ等の家具の部分品、自動車の内装品、
および、電気製品のケーシングなどでもよい。さらに、
圧縮力の設定値および各工程の開始時刻等の成形条件
は、前記実験例1で示したものに限らず、成形品の大き
さや樹脂の種類等に応じて様々な値が選択でき、具体的
数値については実施にあたり適宜設定すればよい。
【0029】
【発明の効果】前述のように本発明によれば、表皮面材
の端縁部分の折り返し・接着作業が不要となり、成形品
の製造効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の金型を示す分解斜視図であ
る。
【図2】前記実施例の金型を示す断面図である。
【図3】同実施例の挟持手段を示す断面図である。
【図4】同実施例の成形手順を説明するための断面図で
ある。
【図5】本発明の変形例を示す横断面図である。
【図6】同変形例の縦断面図である。
【符号の説明】
1 金型 2 表皮面材 3 溶融樹脂 10 雄型としての固定金型部 12 充填孔としてのスプルー 13 雄型の外周面 20 雌型としての可動金型部 22 キャビティ 30 挟持手段としてのバンド 31 挟持手段としての挟持片 32, 41 締付機構としての油圧式シリンダ装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め表皮面材を配置しておいた金型の内部
    に溶融樹脂を充填することにより、前記表皮面材と前記
    樹脂とが積層された積層成形品の成形用金型であって、 雄型と雌型とに分割されるとともに、前記雄型の外周面
    との間に前記表皮面材の端縁を挟み込む挟持手段が当該
    雄型に設けられていることを特徴とする積層成形品の成
    形用金型。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の積層成形品の成形用金型
    において、前記雄型と前記表皮面材との間に前記溶融樹
    脂を充填する充填孔が設けられ、前記溶融樹脂を成形す
    るためのキャビティは、前記挟持手段が表皮面材を挟み
    込む位置よりも当該溶融樹脂の流れの下流側まで延出し
    ていることを特徴とする積層成形品の成形用金型。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の積層成形
    品の成形用金型において、前記挟持手段は、前記雄型の
    外周面に沿って設けられたバンドであって、このバンド
    の両端は、当該バンドに所定の張力を付与する締付機構
    に係合されていることを特徴とする積層成形品の成形用
    金型。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の積層成形品の成形用金型
    において、前記締付機構は、流体の圧力で駆動する流体
    シリンダ装置を含んで構成されていることを特徴とする
    積層成形品の成形用金型。
  5. 【請求項5】表皮面材と樹脂とを積層させた積層成形品
    を一体成形する積層成形品の成形方法であって、 前記金型は、雄型と雌型とに分割されるとともに、前記
    雄型の外周面との間に前記表皮面材の端縁を挟み込む挟
    持手段を備えており、 前記表皮面材を前記挟持手段で前記金型に固定し、前記
    表皮面材と前記雄型との間に溶融樹脂を充填した後、充
    填された前記溶融樹脂を、前記挟持手段が表皮面材を挟
    み込んだ位置よりも当該溶融樹脂の流れの下流側まで展
    延させることを特徴とする積層成形品の成形方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の積層成形品の成形方法に
    おいて、 前記挟持手段には、端縁近傍を弛ませて袋状にした状態
    の前記表皮面材が固定され、前記挟持手段と前記雌型と
    の間には、前記溶融樹脂を成形するためのキャビティが
    延出し、前記表皮面材と前記雄型との間に前記溶融樹脂
    を充填することにより、前記溶融樹脂で前記表皮面材の
    袋状となった部分を膨らませることを特徴とする積層成
    形品の成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015112821A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 株式会社イノアックコーポレーション 成形品の製造方法
JP2015116779A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 株式会社イノアックコーポレーション 成形品の製造方法

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