JPH08187513A - アルミニウム板のv曲げ加工法及びその工具 - Google Patents

アルミニウム板のv曲げ加工法及びその工具

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JPH08187513A
JPH08187513A JP1654295A JP1654295A JPH08187513A JP H08187513 A JPH08187513 A JP H08187513A JP 1654295 A JP1654295 A JP 1654295A JP 1654295 A JP1654295 A JP 1654295A JP H08187513 A JPH08187513 A JP H08187513A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 V曲げ限界に優れ、スプリングバックと鞍反
りの発生の少ない形状性に優れたアルミニウム板のV曲
げ加工方法を提供すること。 【構成】 ポンチとダイスによりアルミニウム板をV曲
げ加工する方法において、アルミニウム板の温度を15
0〜350℃とし、かつポンチとしてその先端部に凸形
状の段差部を設け、その段差部の高さをアルミニウム板
の板厚0.5〜10%、長さを板厚の1〜3倍又はV曲
げ先端の板のR部周長の1〜3倍としたポンチを使用す
ることからなるアルミニウム板のV曲げ加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車部品、建材、
家電品、その他一般用途のアルミニウム板のV曲げ加工
方法及びそれに使用する工具に関し、特に合金系材料及
び厚板材の曲げ限界の向上と曲げ加工の際発生するスプ
リングバック及び鞍反り等の形状性の問題を解決するよ
うにした、V曲げ加工方法及びそれに使用する工具に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウム板のV曲げ成形は、
室温(0〜35℃)で、プレスにVポンチとVダイスを
取り付けた、曲げ用金型又はシャーベンダー等にVポン
チとVダイスを取り付けた曲げ用金型を用いて、このV
ポンチとVダイスの間にアルミニウム板を挟み、Vダイ
スへVポンチを押し込むことによりアルミニウム板を曲
げ加工していた。また文献には加熱下でV曲げ加工する
方法も記載されているが、実際には殆ど行なわれていな
い。このV曲げ加工方法を図4に示す。図において1は
V字形状のポンチ、2はV字形状のダイスである。曲げ
加工しようとするアルミニウム板3をポンチとダイスの
間に配置し(図4(1))、ポンチをダイスのV字形状
部に押し込んでアルミニウム板をV曲げ成形にする(図
4(2))。
【0003】得られた曲げ加工品はそれ単体か別の部品
と溶接、接着、嵌合又はボルト締め等によって組み合わ
されて使用されるが、曲げ後のスプリングバック、鞍反
り等の形状性が悪いとねじれたり目的の形状が得られな
かったり、さらには形状があまり悪いと組立てができな
いという問題が生じる。このため曲げ成形品の高い精度
が求められている。スプリングバックは図5に示すよう
に成形品31のV字形が広がるように起る場合(+)と
狭くなるように起る場合(−)がある。また鞍反りは図
6に示すように成形品の端部が盛り上がる現象で、図6
のhによりその度合が現される。そこで、一般には曲げ
加工時に発生するスプリングバック対策として、金型の
設計の際に前もってスプリングバック量を金型に見込ん
で目的の曲げ角度が得られるように設計する方法がとら
れている。また、スプリングバックの軽減方法として先
端部分に丸い突起を設けたポンチを用いて曲げ加工と同
時に先端部分の板厚を減少させる底突き法が用いられる
場合もある。(「アルミニウム加工技術便覧」(日刊工
業新聞社 昭和45年3月5日発行))この底突きポン
チを図7(1)に示す。図7(2)は先端部の拡大図で
14が突起である。これを用いて曲げ加工した成形品を
図8に示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】V曲げの際発生するス
プリングバックは板材の強度、特に耐力に左右され、ア
ルミニウム合金の種類や板厚等により変化するため、合
金の種類や板厚が変化した際にはスプリングバック量の
コントロールができにくい。また、高強度の材料程、曲
げR(アール)を大きくしないと割れが生じ易く、強度
の高い材料はシャープな曲げ形状が得られにくいという
欠点があった。さらに、鞍反りに対してもV曲げと同時
に抑制できにくいという問題があった。金型の設計の際
に前もってスプリングバック量を金型に見込んでおく従
来の方法ではアルミニウム板は鋼板等に較べスプリング
バック量が2〜3倍、あるいはそれ以上と大きく、合金
の種類を変更したり、強度(耐力)の異なる材料に適用
した場合には目的の曲げ角度が得られ難く、金型の設計
での見込みが難しいという問題があった。
【0005】また、底突き法は曲げ角度に対して戻り量
が大きい(スプリングバックがプラス)場合の軽減方法
として有効であるが、底突き量が少な過ぎる場合には効
果が不十分となり易く、多過ぎると逆に目的の曲げ角度
よりも内側に曲げすぎる(図5のスプリングバックがマ
イナス)という問題があり、底突き法だけではスプリン
グバック量をコントロールするのは難しいばかりでな
く、底突き法では曲げ先端部分で張出しが局部的に強く
なるために破断が起り易くなり、曲げ限界が低下するた
めに曲げ性の劣る合金系材料には適用できないという問
題があり、さらに曲げ成形品の先端部外側が膨れ(図8
の34)、形状が崩れると共に型あたりによる筋状の打
痕(同33)や光沢むら(同32)が付く等外観上好ま
しくない等の問題があった。この発明は以上の事情を背
景としてなされたもので、V曲げ限界に優れ、スプリン
グバックと鞍反りの発生が少ない形状性に優れた曲げ成
形品を得ることが可能なアルミニウム(合金を含む)板
のV曲げ加工方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前述の課題
を解決するべく、創意実験、検討を重ねた結果、V曲げ
加工方法において、V曲げ金型のポンチとして先端部が
特定形状のポンチを用い、アルミニウム板を加熱した状
態でV曲げ加工し、ポンチ先端部とダイスに挟まれた部
分の板厚減少率を所定値にコントロールすることによっ
て、V曲げ限界の向上と曲げ後のスプリングバック及び
鞍反り量を従来の加工方法よりも大幅に減少させ得るこ
とを見いだし、この発明を成すに至った。即ち、本発明
は相対するV字形状のポンチとV字形状のダイスとの間
にアルミニウム板を挟み、ポンチをダイス内に押し込む
ことによるアルミニウム板のV曲げ加工法において、ア
ルミニウム板を150〜350℃に加熱し、かつポンチ
の先端部に凸形状の段差部13を設け、該段差部の高さ
aをアルミニウム板の板厚の0.5〜10%、長さbを
板厚の1〜3倍又はV曲げ先端の板のR部の周長の1〜
3倍としたことを特徴とするアルミニウム板のV曲げ加
工法である。
【0007】この場合アルミニウム板の加熱はポンチと
ダイスの少なくとも一方に加熱装置が内蔵され、アルミ
ニウム板をポンチとダイスの間に挟んで保持し、上記温
度にすることが好ましい。V曲げ加工に用いられる本発
明の工具の一つはV字形状のポンチとV字形状のダイス
とからなり、該ポンチが中央部と両外側部に分割され、
該中央部が外側部に対し上下に可動し、ポンチの先端部
に凸形状の段差部形成を可能としたアルミニウム板のV
曲げ加工用工具である。そして凸形状の段差部は上記し
た高さa及び長さbと同じくすることができる。
【0008】以下本発明のアルミニウム板のV曲げ加工
条件、その限定理由等について詳しく説明する。曲げ限
界は一般に、被加工材の伸びが大きい材料程良く、純ア
ルミニウム以外の合金系材料は何れも曲げ限界が大きく
劣り、特に被加工材の板厚が増す程Rがゼロのようなシ
ャープな曲げ形状は得られ難い。この場合曲げ加工する
際に例えば加熱した金型によりアルミニウム板を所定の
温度に加熱保持した後にV曲げ加工することはシャープ
な曲げ形状にする上でも有効である。即ち、金型内で板
材を高温に加熱することにより、材料の強度が低くなる
と共に伸びが向上し、軟らかくなった状態でV曲げ加工
すれば曲げ限界が向上し、強度の高い合金板材でも割れ
等の欠陥が生ぜず曲げが可能となり、よりシャープな曲
げ形状を得ることができる。
【0009】本発明において加熱する温度範囲を限定す
るのは、アルミニウム材料は純アルミニウム系、合金系
にかかわらず加熱温度によって特性値が変化して温度が
高くなる程引張強さと耐力が低下すると共に伸びは増加
し材料が軟化して曲げ加工がし易くなる特性があるが、
温度が150℃未満では室温とあまり伸びが変化せず、
V曲げ限界が向上せず、曲げ加工の際に割れが発生した
り、スプリングバック、鞍反り量の変化に対しても効果
がない。また、アルミニウム板の温度を350℃より高
くしても曲げ限界、スプリングバック、鞍反り等の曲げ
特性がそれ以上向上せず、逆に金型温度を高くするため
の大容量の加熱装置が必要になり金型費が高くなると共
に、高温のためにハンドリングがしにくくなったり、被
加工材及び金型にカジリが発生し易く、このカジリを防
止するために潤滑剤を使用した場合、曲げ加工後の脱脂
が困難になる等の問題が生じる。従ってアルミニウム板
の曲げ加工の温度は150〜350℃が適し、望ましく
は200〜300℃である。
【0010】金型の加熱方法としてはポンチ、ダイス等
の金型に棒状電気ヒーターを組み込むか、加熱された液
体を金型に通し加熱する方法、またはバーナー等で直に
金型を加熱しても良いが、金型の温度のコントロールの
できる装置を組み込んだものが好ましい。尚、本発明の
V曲げ加工方法はアルミニウム材料であれば何れの合金
にも適用できるが、特に5000系のAL−Mg系合金
の軟質材に対して効果が大きい。また、H18テンパー
材等に対しても適用できる。加熱されることにより被加
工材のアルミニウム板が軟らかくなるため、曲げ加工に
要する押し付け力が小さくて済み、室温に較べ現有設備
でより厚板の曲げ加工も可能となり、曲げ加工の適用板
厚範囲が拡大する等の効果もある。
【0011】被加工材であるアルミニウム板の加熱の保
持時間としては、曲げ加工時の被加工材の加熱温度を安
定させるためにアルミニウム板をポンチとダイスの間に
挟んで、加熱する際には保持時間が足らないと被加工材
の温度が金型の設定温度に到達しない恐れがるため、金
型内で30秒以上保持した後曲げ加工するのが望まし
い。H18テンパー材の曲げ加工は材料の回復が十分行
われる250℃以上の温度で、かつ成形速度として10
0mm/min以下で曲げ加工するのが望ましい。この
条件を外れて被加工材料の温度が低かったり、加工速度
が早すぎる場合は効果が減少し曲げ限界が向上しない恐
れがある。
【0012】本発明のV曲げ加工に使用されるポンチは
図1,2に示するように先端部が凸形状の段差部13と
なっている。この段差の高さaは曲げ加工するアルミニ
ウム板の板厚の0.5〜10%である。このポンチを用
いてV曲げ加工を行なうと段差に相当する部分のアルミ
ニウム板は板厚が0.5〜10%減少することになる。
従ってaは板厚減少率と同じである。この板厚減少率が
0.5%未満ではアルミニウム板の温度が150〜35
0℃の範囲に加熱されていれば曲げ限界が向上するもの
のスプリングバック及び鞍反りが室温と変わらず抑制に
対しての効果が不十分である。また、板厚減少率が10
%を超えると曲げ限界の向上、スプリングバック、鞍反
りの抑制に対して十分な効果が得られるものの、板厚減
少に伴って曲げ方向や幅方向に材料がはみ出す等の問題
が生じ、目的とする形状が得られない恐れがある。従っ
て板厚減少率、換言すればaの範囲は板厚の0.5〜1
0%が適当である。
【0013】ポンチの凸形状の段差部は図1,2に示す
ようにポンチの先端から両側に対称に設けられ、その片
側の長さbは被加工材であるアルミニウム板の板厚の1
〜3倍又は板の曲げ先端のR部分の周長の1〜3倍であ
る。このR部分の周長は板が厚くなる程長くなる。段差
部の長さbを板厚又は前記周長の1〜3倍とするのは、
スプリングバック、鞍反りの防止と共に曲げの圧縮変形
に伴う、内側への盛り上がりを防止し、別部品と溶接、
接着、嵌合等の組み合わせする際の精度を向上させる等
のためである。しかし1倍未満では底突き法と同じで曲
げ先端部分が局部的なはみ出しにより張出しが強くなる
ために破断が起り易くなったり、はみ出しにより形状が
崩れると共に、型あたりによる筋状の打痕が付く等外観
上好ましくない等の問題が生じる。さらに3倍を超える
と逆に別部品との組み合わせする際、すき間ができ易い
等の問題が生じる。従って、凸形状の段差部の長さは被
加工材の板厚の1〜3倍又は曲げR部分の周長の1〜3
倍が適する。
【0014】本発明において使用されるポンチは図2に
示すように凸形状の段差部とポンチが一体に構成されて
も良いが、図1のように分割型とすることができる。図
1において11はポンチの外側部、12は中央部であ
る。そして中央部は外側部に対し上下に可動可能に構成
されている。この構成によれば段差部の高さaを被加工
材の材質や厚み等に応じて変動させることができる。
尚、図1においてダイス2、そのV字形状21は従来の
ものと変りがない。これらのポンチとダイスが組み合わ
されて本発明のアルミニウム板のV曲げ加工用工具とな
る。
【0015】この分割型ポンチの使用法方法は予め先端
部を所定の段差部に固定し、これを図2と同様に使用し
ても良く、また段差部を設けない状態でV曲げを開始
し、曲げ終了直前に所定の段差部になるよう中央部のポ
ンチを突出させることもできる。この曲げ終了直前に突
出させることにより外側先端部分へ板厚減少分の材料を
流動できるので曲げ外側形状がよりシャープなものが得
られる等の効果がある。
【0016】
【実施例】試験片としては表1に示す3種のアルミニウ
ム合金を用いた。この試験片の常温及び温間特性を表2
に示す。
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】[実施例1〜30、比較例1〜17]曲げ
試験に供した試験片は幅30mm、長さ150mm、板
厚5mmである。この試験片を用い、図1に示すダイス
及びポンチにより先端の凸形状の段差部のa及びbを表
3,4のように変化させてV曲げ試験を行なった。ポン
チ及びダイスのV字形状の角度は90°、先端のRはゼ
ロとした。V曲げ操作は先ず加熱されたV字形のダイス
上に試験片を載せた後、加熱されたポンチを接触させ、
わずかに曲げて挟んだ状態で試験片を加熱し、1分間保
持して試験片の温度を表3,4に示す温度とした。試験
片の各温度の制御は金型(ポンチ及びダイス)にヒータ
ーを組み込み、金型の温度を変えることにより行なっ
た。潤滑剤は石鹸水溶液にMoS2 を混入させたものを
試験片に塗布し乾燥後使用した。試験片が所定の温度に
達したところで、図4(2)と同じようにポンチを押し
込み、V曲げを行なった。この時の成形速度は100m
m/mimである。V曲げ終了後、金型より取り出した
試験片の形状を図3に、試験結果を表3,4に示す。
【0019】[比較例18〜29]図7に示す底突きポ
ンチを用い、他は実施例と同様にして試験片BのV曲げ
試験を行なった。試験の条件及び結果を表5に示す。表
における○,△,×による評価は以下に基づくものであ
る。曲げ性は割れの有無により評価した。 割れのなかったもの;○ 微細な割れがあるもの;△ 大きな割れがあるもの;× スプリングバックはポンチ、ダイスの角度90°に対す
る曲げ成形品の開き角度を評価した。 90°±0.5°以内のもの;○ ±0.6以上のもの;× 鞍反りは幅方向の中央部分と両端の肩部分との段差(凹
量)hの大きさで評価した。 板厚の0〜7%以下を○ それ以上のものを×とした 型離れ、変形性は曲げ加工後、金型から成形品を取り出
す際の難易度を評価した。 型への付着なく簡単に取れ、曲りもない;○ 型へ付着し、取り出しの際成形品が変形する;× 外観は曲げ部分の表面の様子を目視により観察評価し
た。 割れ、はみ出し、打痕等が目立たなく奇麗なもの;○ 割れ、はみ出し、打痕等があり外観上好ましくないも
の;×
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】表3より明らかなように、本発明方法によ
る、No.1〜30の曲げ条件では、何れも被加工材の
加熱温度が150〜350℃の範囲にあり、かつ凸形状
の段差部のa,bも本発明の範囲内となっており、曲げ
限界、スプリングバック、鞍反り、型離れ変形等に優れ
ているのがわかる。これに較べ、表4の比較例に示した
No.1,4,8の条件のものは室温のため、曲げ限界
が劣ると共にスプリングバック、鞍反り等も劣ってい
る。比較例のNo.2,6,9の条件のものは、いずれ
も被加工材の加熱温度は本発明範囲の150〜350℃
の範囲であるがポンチに凸形状段差がないため、スプリ
ングバック、鞍反り等が劣っている。比較例のNo.
3,7,10の条件のものは、被加工材の加熱温度は3
50〜400℃と高く、曲げ限界には優れるが段差aの
値が10%を超えるため、曲げ終了後、成形品が金型へ
密着し、取り出す際に変形し易い等の問題がある。比較
例のNo.7,11の条件では、被加工材の加熱温度が
400℃と高いので曲げ限界に優れ、かつポンチに凸形
状の段差がないため、型離れ変形等には優れるがスプリ
ングバック、鞍反り性が劣っている。
【0024】比較例12,14,16のものは凸形状の
段差の長さbの値が小さ過ぎるためスプリングバック、
鞍反り性が改善されず効果が不十分であり、また比較例
13,15,17のものは段差の長さbが大き過ぎるた
め型離れ変形等が劣っている。表5には底突き法の比較
例を示した。比較例18,22,26は室温曲げのため
破断している。また比較例の24,27,28は加熱し
ているにもかかわらず底突き量の増加により張出し量が
増えたため破断している。
【0025】比較例の19〜21の条件では曲げ性は優
れているが底突き量が少ないためにスプリングバックが
改善されず劣っている。また比較例の24,25,29
は曲げ性は優れているが底突き量が多いため、スプリン
グバックがマイナス側に大きくなり目標の曲げ角度が得
られない。さらに底突き量の多い比較例の22〜29の
条件では曲げ外側先端部がはみ出し外観上好ましくな
い。
【0026】
【発明の効果】本発明のアルミニウム板のV曲げ加工方
法は、曲げ限界とスプリングバック、鞍反りに優れ、か
つ型離れ変形等の問題もなくアルミニウム板のV曲げ加
工方法として極めて優れた効果を有する。特にアルミニ
ウム板の板厚が厚いものをRがゼロのようなシャープな
曲げ形状とすることが可能となった。またV曲げ加工に
分割型のポンチを使用すれば先端の凸形状の段差をアル
ミニウム板の種類、曲げ温度等に応じて調整でき極めて
好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用されるポンチとダイスの一例を示
す断面図である。
【図2】本発明に使用されるポンチの他の例を示す断面
図である。
【図3】本発明によりV曲げ加工された被加工材の断面
図である。
【図4】一般的なV曲げ加工方法を示す断面図で(1)
は加工開始前の状態、(2)は加工終了の状態を示す断
面図である。
【図5】加工後のスプリングバックを示す断面図であ
る。
【図6】加工後の鞍そり状態を示す斜視図である。
【図7】(1)は従来のポンチの一例を示す断面図であ
り、(2)はその先端部の拡大図である。
【図8】図7のポンチを用いて加工された被加工材の斜
視図である。
【符号の説明】
1 ポンチ 11 ポンチ外側部 12 ポンチ中央部 13 段差部 14 突起 2 ダイス 3 被加工材(V曲げ前) 31 被加工材(V曲げ後) 32 光沢むら 33 筋状の打痕 34 はみ出し

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対するV字形状のポンチとV字形状の
    ダイスとの間にアルミニウム板を挟み、ポンチをダイス
    内に押し込むことによるアルミニウム板のV曲げ加工法
    において、アルミニウム板を150〜350℃に加熱
    し、かつポンチの先端部に凸形状の段差部13を設け、
    該段差部の高さaをアルミニウム板の板厚の0.5〜1
    0%、長さbを板厚の1〜3倍又はV曲げ先端の板のR
    部の周長の1〜3倍としたことを特徴とするアルミニウ
    ム板のV曲げ加工法。
  2. 【請求項2】 V字形状のポンチとV字形状のダイスの
    少なくとも一方に加熱装置が内蔵されている請求項1に
    記載のアルミニウム板のV曲げ加工法。
  3. 【請求項3】 V字形状のポンチとV字形状のダイスと
    からなり、該ポンチが中央部と両外側部に分割され、該
    中央部が外側部に対し上下に可動し、ポンチの先端部に
    凸形状の段差部形成を可能としたアルミニウム板のV曲
    げ加工用工具。
  4. 【請求項4】 凸形状の段差部の高さaをアルミニウム
    板の板厚の0.5〜10%、長さbを板厚の1〜3倍又
    はV曲げ先端の板のR部周長の1〜3倍とする請求項3
    に記載のアルミニウム板のV曲げ加工用工具。
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