JPH0818393B2

JPH0818393B2 - スト−ンパネル

Info

Publication number: JPH0818393B2
Application number: JP61187663A
Authority: JP
Inventors: 武田　　力; 泰啓赤川
Original assignee: 旭化成工業株式会社
Priority date: 1986-08-09
Filing date: 1986-08-09
Publication date: 1996-02-28
Anticipated expiration: 2011-02-28
Also published as: JPS6342857A

Description

【発明の詳細な説明】＜産業上の利用分野＞本発明は、建築物の内装材、例えば商店の内壁や陳列
棚、または家具、あるいは船舶、航空機及び車両等の内
装パネルとして、特に不燃性化粧パネルとして利用され
得る新規なストーンパネルに関する。

＜従来の技術＞従来より、ハニカム構造等を有する数多くのサンドイ
ツチパネルが建築材（天井材、壁材）用、車両構造体用
及び船舶構造体用等として開発され、利用されている。
従来のサンドイッチパネルは、基本的に、金属、紙又は
樹脂製ハニカム芯あるいは軽量発泡体芯の上下両面又は
片面に金属又はFRP製スキンを貼り付けた積層構造を有
するものであった。

一方、特開昭56−8217号公報等に示されるように、大
理石等の両面にサンドイッチパネルを貼り合せ、大理石
等の中央を切断分離し、２枚の石貼りパネルがある。ま
た、切断加工により、厚さ３ないし5mmの薄膜大理石シ
ート等を製作する技術は既に開発されている。

而して、本発明者は、鋭意研究の結果、接着剤好まし
くはチキソトロピー性を有する熱硬化難接着剤で上記の
薄肉大理石シート等をサンドイッチパネルに貼着した全
く新規な積層パネル、いわばストーンパネルを開発し、
これを本願と同日付の特許出願した。

＜発明が解決しようとする問題点＞然乍ら、この新規なストーンパネルは、貼着時接着剤
の一部が石表皮の内部に浸透することがあり、その場
合、石表皮が厚さ5mm以下と大変薄く透明または半透明
であるため、ストーンパネルの表面外観は原石本来の色
調や模様が消失したものとなり、ストーンパネルの意匠
的価値が低下するという問題が新たに生じてきた。仮
に、通常の厚い（例えば厚さ18〜25mm）の石平板を適用
した場合には、それが不透明であるため、美観の悪化問
題は全く起きてこないであろうが。石表皮への浸透は低
粘度のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル及び
ポリウレタンの接着成分について顕著であり、従ってこ
れら成分を含む接着剤を使用したとき、ストーンパネル
の美観が著しく悪化する傾向にあった。

本発明は、上記の美観悪化の問題を解消し、原石近似
のまたは全く新鮮な色調が発現するストーンパネルを提
供せんとするものである。また、近年、内装材のうちあ
る分野においては、特有の光輝色調を発現するパネルの
開発が望まれていた。

本発明は、前記のストーンパネルの美観悪化の問題を
解消しかつ前記の要望に応えるべくなされたもので、天
然石本来の模様及び色調とサンドイッチパネルのスキン
を透過する光の色とが相俟った独特の光輝色調を発現す
ることができるストーンパネルを提供することを目的と
するものである。

＜問題点を解決するための手段＞本発明は、光が透過しうる厚さの薄層石表皮をサンド
イッチパネルの透明または半透明スキンの表面に、着色
剤が含有された熱硬化性樹脂構造用透明接着剤層を介し
て貼着してなることを特徴とする内装用スターンパネル
である。

また、本発明のストーンパネルは、薄層石表皮をサン
ドイッチパネルのスキン表面に、着色接着剤層を介して
または透明接着剤の含浸された着色基材を介して貼着し
てなることを特徴とするものである。すなわち、本発明
のパネルは接着性の着色層を薄層石表皮の下地として積
層したものである。

本発明における着色接着剤層は、慣用の色素や顔料等
により、所望の原石色例えば大理石自体の色（淡桃色）
や花崗岩自体の色（黒斑のある淡黄色）またはこれに近
い色、あるいはこれらと対照的な色などに着色された接
着剤の層である。また、本発明に用いる着色基材は、原
石色もしくはその近似色あるいは対照色等の基材、例え
ば紙、不織布、織布であり、その内部に透明な接着剤が
含浸され接着性のあるものである。接着剤としては、常
温硬化型または熱硬化型接着剤、特に従来外装用として
利用されてきた熱硬化性樹脂構造用接着剤が適用され、
例えばエポキシ系、不飽和ポリエステル系、またはポリ
ウレタン系接着剤が挙げられる。好ましい接着剤は、チ
キソトロピーインデックス６（26℃での粘度80,000cps
のもので測定）のチキソトロピー性を有するものであ
る。

また、本発明に使用する石表皮は、近年開発の加工技
術により得られ、例えば大理石（マーブル）、花崗岩
（グラナイト）、セラミック、人造石等から成る薄板
材、厚さ0.5〜10mm好ましくは厚さ２〜6mmのものが適用
される。

さらに、本発明に使用するサンドイッチパネルは、ハ
ニカム芯の他、発泡ウレタンまたは軽量石材等の芯材と
その両側（または片側）のスキンより成るパネルであ
る。ハニカム芯等の芯の材料としては、金属例えばアル
ミニウム、鉄、ステンレス鋼、または熱可塑性樹脂、並
びに紙例えばアラミド紙、ノーメックス、あるいはプラ
スチック、セメント等の発泡軽量芯材並びにシラスバル
ーン等を結合した軽量芯材などの芯材が適用され、また
スキンの材料としては、金属例えばアルミニウム、鉄、
ステンレス鋼、またはFRP特に熱硬化性樹脂（例えばエ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル）と強化繊維（例えば
ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維）との複合材の薄
板が適用される。

また、本発明のパネルは、所望の色に着色された接着
剤の液を調製し、該接着剤をサンドイッチパネルのスキ
ン表面に塗布するか、または所望色の着色基材を透明な
接着剤液中に浸漬し、次いで該着色基材をサンドイッチ
パネルのスキン表面の上に重ね、その後石表皮を前記ス
キン表面に貼り合せ、圧着することにより製作される。
石表皮の貼着は、例えば公知のバキュームバッグ法やエ
アーバッグ法に基づいて実施するとよい。

＜作用＞本発明では、着色接着剤層及び着色基材を大理石等の
原石またはその近似の色調に着色調節することにより、
たとえ接着剤の浸透作用が生じたとしても、パネル表面
がほぼ原石色調を呈するストーンパネルが得られる。ま
た、その他の適当な色調を呈する着色材料を使用するこ
とにより、その着色色調と原色色調が相俟った特有の色
調を発現する、趣の変ったストーンパネルが得られる。

また、本発明では、薄層石表皮を光が透過しうる厚さ
にし、サンドイッチパネルのスキンを透明または半透明
なものにし、また熱硬化性樹脂構造用接着剤として着色
剤が含有された透明接着剤を使用し、この接着剤層を介
して薄層石表皮をサンドイッチパネルのスキン表面に貼
着することにより、光がサンドイッチパネル（コアとス
キン）、熱硬化性樹脂構造用接着剤層及び石表皮を透過
することができ、従って、原色の色、接着剤層の着色色
調および光源の色調が相俟って、原色色調とは全く異な
る独特の光輝色調を呈するストーンパネルが得られる。
なお、接着剤の浸透が生じたとしても適当な着色剤の選
択により上記と同様の色調調製をなすことができること
は言うまでもない。

＜実施例＞以下、本発明の実施例を図面により説明する。

参考例１この参考例のストーンパネルは、第１図及び第２図に
示すように、厚さ２〜5mmの大理石薄板または花崗岩薄
板の薄層石表皮４を通常のハニカムパネル１のスキン表
面に接着剤層５を介して貼着してなる。パネル１は、金
属、紙等の芯材よりなるハニカム芯２と、金属、FRP等
の薄板よりなる上下両側のスキン3,3から成る。接着剤
層５は、熱硬化性樹脂構造用接着剤を適当な色素で大理
石もしくは花崗岩の色調またはそれに近い色調に着色し
たものの硬化物である。

本参考例のパネルは、表面が大理石や花崗岩と極めて
類似の色調を呈するものであった。また、本パネルを切
断してみたところ、接着剤の一部が石表皮４の内部に浸
透していることが確認された。

参考例２この参考例のストーンパネルは、第３図に示すよう
に、例えば茶系統のソリッド色の着色基材６を介して薄
層石表皮４をハニカムパネル１のスキン表面に貼着して
なる。基材６は、紙または織布よりなり、透明なエポキ
シ系接着剤を含浸してなる。他の構成は参考例１と同じ
である。

本参考例のパネルは、石表皮４自体の色と基材６の茶
系ソリッド色等とが相俟った特有の色調を呈するもので
あった。また、本パネルを切断してみたところ、石表皮
４の一部において接着剤が浸透しているのが確認され
た。

実施例このストーンパネルは、第４図及び第５図に示すよう
に、透明または半透明スキン８がハニカム芯２の両側ま
たは片側に配されたハニカムパネル１の同スキン表面
に、厚さ２〜5mmの大理石等の薄層石表皮４を着色剤が
含有された熱硬化性樹脂構造用透明接着剤層７を介して
貼着してなるものである。パネル１は、金属、紙等の芯
材よりなるハニカム芯２と、金属、FRP等の薄板よりな
る上下両側のスキン８、８から成る。着色剤が含有され
た熱硬化性樹脂構造用透明接着剤層７は、熱硬化性樹脂
構造用透明接着剤を適当な色素で大理石もしくは花崗岩
の色調またはそれらに近い色調、あるいはそれらとはま
ったく異なる色調に着色したものの硬化物である。

これらパネルは、背面の光源９からの光がスキン８、
着色剤が含有された熱硬化性樹脂構造用透明接着剤層７
及び石表皮４を透過するため、原石の色、熱硬化性樹脂
構造用透明接着剤層の着色色調および光源の色調が相俟
って、原色色調またはそれとは全く異なる独特の光輝色
調を呈する。また、これらパネルは内装材として有用な
ものである。

＜発明の効果＞以上説明したように、本発明のストーンパネルは、厚
さ数mmの薄層石表皮とハニカムパネルから成る全く新規
な積層ハニカムパネルである上に、接着剤層またはそれ
が含浸された基材の着色を調整することにより、原色色
調またはこれに近い色調、あるいはそれらとは全く異な
る趣の特有色調を呈することができ、大変優れた表面外
観を有するものとなる。したがって、本パネルは、建築
物や車両、船舶等の内、外装材として、とりわけ金属製
ハニカムパネルを使用した場合消防法で定める不燃材と
して極めて有用である。

さらに、本発明のストーンパネルは、パネルの背面の
光源からの光がスキン、着色接着剤層及び石表皮を透過
し、自然石色調とは異なる独特の光輝色調を呈する効果
が得られるものである。したがって、本パネルは、例え
ば商店の内壁や陳列棚等の装飾性が要求される内装材に
適している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例のストーンパネルを示す斜視
図、第２図は第１図のストーンパネルの要部を示す断面図、第３図は他の実施例のストーンパネルの要部を示す断面
図、第４図及び第５図は変型例２種のストーンパネルの利用
方法を示す図である。図中、１……ハニカムパネル、２……ハニカム芯３……スキン、４……薄層石表皮５……着色接着剤層６……透明接着剤含浸の着色基材７……透明接着剤層８……透明又は半透明スキン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】光が透過しうる厚さの薄層石表皮をサンド
イッチパネルの透明または半透明スキンの表面に、着色
剤が含有された熱硬化性樹脂構造用透明接着剤層を介し
て貼着してなることを特徴とする内装用ストーンパネル