JPS6114944A - 発泡シ−トを有する樹脂成形品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は自動車用内装品、屋内装置品等の各種合成樹
脂成形品に係り、詳しくはその表面に柔軟な発泡シート
を有する樹脂成形品に関するものである。

（従来の技術） 自動車用内装品、屋内装置品等の各種合成樹脂成形品に
おいては、優れた外観を付与するとともに、樹脂表面の
傷、むら等の欠陥を隠すために、表面に削材による装飾
を施すことが有用である。

さらに、外観上の問題のみならず、手触り感をソフトに
するためには、樹脂成形品の表面に発泡層を設けること
が望ましい。

従来、この発泡層の形成方法の一つに、塗装によって発
泡塗膜を設ける塗装発泡法があったが、樹脂成形品の形
状が平面的でない限り均一に塗装することが困難なこと
から、発泡層の厚さが不均一になったり、表面に凸気泡
ができて外観が荒れたりする問題があった。

発泡層の別の形成方法として、接着剤を用いて発泡シー
トを直接樹脂成形品の表面に貼るものがあったが、成形
後に貼り合わせ工程が必要になり手間を要するという問
題があった。更に、樹脂成形品がポリプロピレン等の非
極性樹脂材料にて形成されたものであるとき、接着剤の
非極性材料に対する結合力はあまり高くないため、発泡
シートが剥離し易いという問題があった。

また、別の方法として発泡シートの裏面に合成樹脂を直
接射出成形することも考えられるが、射出時の熱により
発泡シートが損傷する問題があった。特に、融点の高く
ない合成樹脂材料よりなる発泡シートを用いる場合、射
出時の熱で発泡シートが融解してしまい、実用化するこ
とができなかった。

また、他の表面装飾法として、特公昭５５−２６９７２
号公報に記載されたように、表面を不織布に融着した熱
可塑性樹脂成形品もあった。この樹脂成形品においては
、熱可塑性樹脂材料が布に浸透するのを防いで、樹脂が
外部から見えるみにくいきすを形成しないようにする必
要があった。

従って、同成形品では１当該不織布を通して熱可塑性樹
脂材料が外から見えず、当該不織布は５０ｇ／ｍ以上の
重さを有しかつ２５容量％以上が隣接した繊維からなり
それらの繊維の少くとも一部は相互に接触しているいく
つかの点で融合していること」を必須の要件としていた
。

すなわち、同成形品に使用しうる布は一部の不織布に限
られてしまい、その他の布を使用すると樹脂が外から傷
やむら等として見えるという問題があった。

（発明が解決しようとする問題点） この発明は上述したような、発泡層の厚さが不均一にな
る、表面に凸気泡ができて外観が荒れる、発泡シート貼
り合わせの工程が必要で手間がかかる、発泡シートが剥
離し易い、射出時の熱により発泡シートが損傷又は融解
するため発泡シートの裏面に合成樹脂を直接射出成形す
ることができない、樹脂が外から傷やむら等として見え
る、成形品に使用しうる布が一部の不織布に限られる等
という従来の樹脂成形品における多くの問題点を解決し
ようとするものである。

発明の構成 く問題点を解決するための手段） この発明は上記問題点を解決するために、発泡シートの
裏面に布を取着し、布の裏面に合成樹脂を射出成形によ
って一体化するという手段を採った。

（作用） この発明の樹脂成形品は、発泡シートが成形品表面に設
けられるので、手触り感がソフトになるばかりでなく、
優れた外観を呈し、合成樹脂表面の傷、むら等の欠陥も
隠される。

また、発泡シートの裏面に合成樹脂を射出成形しても、
布が射出成形時の熱を遮断するため、発泡シートが融解
したり損傷したりすることはない。

また、発泡シートを取着した布の裏面に合成樹脂が射出
成形される際に、合成樹脂が布裏面部の１！１［又は糸
間に浸透し、条件によっては繊維又は糸の一部と融合す
る。従って、接着剤を用いなくても、布は合成樹脂に対
して機械的なアンカー効果や融合により強固に接合され
る。

さらに、合成樹脂が布に浸透して布の表面部に達したと
しても、その合成樹脂は発泡シートによって隠されて外
部から見えない。従って、どのような布目、厚さ、密度
、糸種等を有するｍ（ＩＩＩ！布、不織布を問わない）
でも適合する。

（実施例） 次に、この発明を樹脂成形品の一つである自動車のセン
ターピラー内装材に具体化した第一実施例について、第
１，２図に従って説明する。

図面中１はセンターピラー内装材の表面に設けられた発
泡シートであって、ウレタン樹脂を発泡させてなるシー
トが用いられている。この発泡シート１は発泡による空
気の内在により、裏面側が透視されがたい程度に不透明
になっている。２は発泡シート１の裏面に熱溶着された
布であって、ポリエステルＩＩＩ糸よりなる平織布が用
いられている。

３はセンターとラー内装材の基材であって、布２の裏面
にポリブＯピレン樹脂（以下、ＰＰ樹脂という）をイン
サート射出成形することにより形成されている。

このＰＰ樹脂の布２に対する境界部分は、成形時の射出
圧力によって、第２図に示すように布２の糸間に浸透し
た後に硬化している。また、射出成形時の熱によりＰＰ
樹脂が糸の一部を溶かしてこれと融合する。従って、布
２と基材３の間に接着剤が用いられていないにもかかわ
らず、布２は基材３に対し、機械的なアンカー効果や融
合にょつて強固に接合されている。

次に、本実施例のセンターピラー内装材について、その
製造方法を説明する。

まず、発泡シート１の裏面部をバーナーにて加熱して一
部溶融させ、ローうで挟みながら布２を熱溶着する。次
に、この発泡シート１を内装材の形状に対応するよう大
きめにトリミング加工した後、第８図に示す通り発泡シ
ート１が型面側となるように射出成形装置の可動型１５
にセットする。

続いて、第９図に示す通り可動型１５及び固定型１６を
型合わせし、溶融したＰＰ樹脂を射出成形すれば、発泡
シート１及び布２が射出圧力によって可動型１５の型面
に押し付けられると同時に、布２の裏面に基材３が一体
形成される。

以上のように構成された実施例においては、表面の発泡
シート１によって、ソフトな手触り感が得られるばかり
でなく、優れた外観を呈し、合成樹脂表面の傷、むら等
の欠陥も隠される。

また、射出成形時においてＰＰ樹脂の熱を布２が遮断す
るため、発泡シート１の融解及び損傷が防止される。す
なわち、従来は前述の通り発泡シート１の融解や損傷の
虐から、発泡シート１の裏面に直接射出成形を行うこと
ができなかった。これに対し、本実施例では融点の高く
ないウレタン樹脂よりなる発泡シート１を用いているに
もかかわらず、わずか一枚の布２によって断熱され、裏
面への射出成形が可能となったのである。

また、布２は基材３に対して機械的なアンカー効果や融
合で強固に接合されているため、発泡シート１及び布２
に多少の外力が加わっても剥離したり、破損したりする
ことがない。特に、ポリオレフィン系樹脂の一つである
ＰＰ樹脂は極性基を持たず、接着性が低いため、接着剤
を用いなくても高い接合力の得られる本実施例が有効で
ある。

また、布２付の発泡シート１は基材３に対してインサー
ト射出成形と同時に接合されるので、工程が少なく、コ
ストも低減される。

また、基材３のＰＰ樹脂が布２の糸間に浸透していき、
さらに布２表面部にまで達する場合がある。この場合で
も、本実施例ではその浸透したＰＰ樹脂は発泡シート１
によって確実に隠されるため、外部から傷やむらとして
見えることはない。

特に、センターピラー内装材のコーナ一部等のように、
外部に凸に折曲又は湾曲する箇所では、布２の布目が開
いてＰＰ樹脂が布２表面部に達し易くなる。このような
箇所においても、浸透したＰＰ樹脂は発泡シート１によ
って隠されるので、発泡シート１の存在は有効である。

上記のように、浸透したＰＰ樹脂は発泡シート１によっ
て隨されるので、布２はどのような布目、厚さ、密度、
糸種等を有する布（織布、不織布を問わない）であって
もよい。

次に、本発明の第二実施例を第３図に従って説明すると
、この実施例は発泡シート１の表面に加飾層としてパイ
ル植毛を施した点においてのみ第一実施例と相違してい
る。

すなわち、同図中、４は発泡シート１の表面及び基材３
の裏面に塗布形成された植毛用接着剤層であって、発泡
シート・１付の布２の裏面に基材３が一体形成された後
に塗布形成されている。５は植毛用接着剤層４の表面に
静電植毛された加飾バイルであって、ナイロンよりなる
ファイバが用いられているが、他にもアクリル、ポリプ
ロピレン、ポリエステル等の各種材料よりなるファイバ
を用いることができる。この加飾バイル５は発泡シート
１の表面部のみならず、基材３の裏面縁部にまで回り込
んで植毛されており、発泡シート１及び布２の切断端部
を外部から見えないように隠している。

従って、この実施例も第一実施例と同様の効果を奏する
外、次のような作用効果がある。発泡シート１の表面が
加飾バイル５で覆われるので、スウェード調の外観が得
られる。さらに、加飾バイル５の裏側が完全な平滑面で
ない発泡シート１であるため、加飾バイル５に適度な凹
凸が付与され、立体的な変化のある外観となる。また、
加飾バイル５が発泡シート１及び布２の切断端部を隠す
ため、この切断端部があまりきれいに仕上げられていな
くても、外観を損ねることがない。従って、発泡シート
１及び布２を前記射出成形後に間中に切断するだけでよ
く、基材３の裏側に曲げて接着したり、正確に切断した
りする手間を要しない。

次に、本発明の第三実施例を第４図に従って説明すると
、この実施例は発泡シート１の表面に加飾層として加飾
布を設けた点においてのみ第一実施例と相違している。

すなわち、同図中、６は発泡シート１の表面に接着剤層
７を介して接着された加飾布であって、ポリエステルＩ
ＩＮ糸よりなる平織布が用いられている。本実施例では
、まず発泡シート１、布２及び加飾布６が一体化された
後に、布２の裏面に基材３が射出成形される。

従って、この実施例も第一実施例と同様の効果を奏する
外、発泡シート１の表面が加飾層としての加飾布６で覆
われるので、加飾布６に施された色彩、模様、文字等に
より任意の外観が得られる。

なお、加飾布６は布２と同様に接着剤を用いず、発泡シ
ート１の表面に熱溶着してもよい。また、加飾布６の種
類は何等限定されず、表面を起毛させた布や植毛布を用
いてもよい。

次に、本発明の第四実施例を第５図に従って説明すると
、この実施例は加飾布６に代えて加飾シート８を設けた
点においてのみ第三実施例と相違している。加飾シート
８はポリ塩化ビニル、ウレタン、ポリエチレン等各種合
成樹脂よりなるシートを用いることができ、表面にシボ
模様等を設けてもよい。また、加飾シート８を発泡シー
ト１の表面に熱溶着してもよい。

従って、この実施例も第一実施例と同様の効果を奏する
外、発泡シート１の表面が加飾シート８で覆われるので
、加飾シート８に施された色彩、゛模様、文字等により
任意の外観が得られる。

次に、本発明の第五実施例を第６図に従って説明すると
、この実施例は発泡シート１の表面に加飾薄膜とその保
護塗膜を設けた点においてのみ、第一実施例と相違して
いる。

すなわち、同図中、９は発泡シート１の表面に印刷によ
り設けられた加Ｓ薄層であって、色彩、文字、模様等を
構成している。１０は加飾部９の表面に塗布形成された
保護塗膜であって、加飾薄層９を透視しうる透明なアク
リル系塗料が用いられている。

従って、この実施例も第一実施例と同様の効果を奏する
外、発泡シート１の表面に加飾薄層９が設けられるので
、加飾層ＩＥｔ９の色彩、模様、文字等により任意の外
観が得られる。また、加＃１ｉｉ１層９は保護塗膜１０
によりひっかき等から保護され、剥離や損傷が防止され
る。

なお、加飾薄層９は印刷のみならず、塗装、スパッタリ
ング、コーティング等、加飾用の薄層が形成されるもの
であれば、どのような方法を用いて形成してもよい。

次に、本発明の第六実施例を第７図に従って説明すると
、この実施例は発泡シート１の表面に加飾凹凸部を設け
た点においてのみ第一実施例と相違している。すなわち
、同図中１１は発泡シート１の表面に形成された加飾凹
凸部であって、模様又は文字を構成するように設けられ
ている。同加飾凹凸部１１は発泡シート１の裏面に基材
３を一体成形する前に予め凹凸加工したり、射出型に凹
凸を設けておいて射出成形時の圧力により形成したりす
る等積々の方法で設けることができる。

従って、この実施例も第一実施例と同様の効果を奏する
外、発泡シート１表面に設けられた加飾凹凸部１１の模
様、文字により変化のある任意の外観が得られるととも
に、凹凸感のある手触りが得られる。

なお、この発明は前記実施例の構成に限定されるもので
はなく、例えば次のように具体化することもできる。

（１）発泡シート１にはウレタン樹脂以外に、ポリ塩化
ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、Ａｓｓ、エチ
レンビニルアセテート、ゴム等の各種材料を発泡させて
なるシートを用いることができかる。

ポリオレフィン系樹脂に対する接着性の良くない材料よ
りなる発泡シートを用いる場合には、布の介在により高
い接合力の得られる本発明が特に有効である。

（２）発泡シート１に設ける加飾層は各実施例のものに
限定されず、前記６加ｍ＊を組合わせて設ける等、任意
に設けることができる。

（３）＃配合加飾層は、予め射出成形前に発泡シート１
に設けておいてもよいし、射出成形後に発泡シート１に
設けてもよい。

（４）前述したように、布２はポリエステル繊維糸より
なる平織布に限定されず、どのような布目、厚さ、密度
、糸種等を有する布（織布、不織布を問わない）を用い
てもよい。この布目、厚さ、密度等によって、合成樹脂
の浸透の程度が異なり、不織布を使用した場合には、ｌ
ＩＨ間に合成樹脂が浸透することになる。また、糸の種
類や射出温度等の条件によって、合成樹脂との融合の有
無又は程度が異なる。

（５）布２の裏面を起毛させることによって、基材３の
布２に対するアンカー効果が高くなり、接合性を向上さ
せることができる。

（６）発泡シート１と布２とは熱溶着以外に、接着剤に
より一体化してもよい。

（７）基材３を構成する合成樹脂は前記ＰＰＩＩ脂に限
定されず、ポリエチレン（ＰＥ’）樹脂、ポリスチレン
（ＰＳ）樹脂、ＡＢＳ樹脂、メチルメタアクリレート（
ＰＭＭＡ）樹脂、ポリウレタン樹脂その他の各種合成樹
脂を任意に使用しうる。

特に、極性基を持たず、接着性が低いＰＰ樹脂、ＰＥ樹
脂等のポリオレフィン系樹脂を用いる場合には、接着剤
がなくても＾い接合力の得られる本発明が有効である。

（８）本発明において、射出成形の語は反応射出成形も
含む包括的な射出成形を意味している。

（９）この発明はセンターピラーの内装品以外にも、自
動車のドアの内張り、天井材、インストルメントパネル
等の自動車用内装品を始め、家具、建具、壁材等の各種
樹脂成形品として具体化することができる。

効果 この発明の樹脂成形品は、以下の通り優れた効果を奏す
る。

まず、発泡シートが表面部に設けられるので、手触り感
がソフトになるばかりでなく、優れた外観を付与するこ
とができ、高級感がある。

また、射出成形時における溶融合成樹脂の熱を布が遮断
するため、発泡シートの融解や損傷が防止される。

また、発泡シートの裏面の布は合成樹脂に対して機械的
なアンカー効果や融合により強固に接合されるため、発
泡シートに多少の外力が加わっても剥離したり、破損し
たりすることがない。さらに、布を基材に接合するのに
接着剤を必要とせず、射出成形と同時に接合されるので
、工程が少なくコストも低減される。

さらに、布に浸透して布の表面部に達した合成樹脂は、
発泡シートによって隨されて外部から見えないので、外
観を損ねることもない。従って、布目、厚さ、密度、糸
ｐＪ＠によらず、どのような布でも任意に用いることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を自動車のセンターピラー内装品に具体
化した第一実施例を示す断面図、第２図は同じく拡大断
面図、第３図は第二実施例を示す断面図、第４図は第三
実施例を示す断面図、第５図は第四実施例を示す断面図
、第６図は第五実施例を示す断面図、第７図は第六実施
例を示す断面図、第８図は第一実施例の製造方法におい
て型合わせ前の状態を示す断面図、第９図は同じく射出
成形時の状態を示す断面図である。 発泡シート１、布２、基材３、加飾バイル５、加飾布６
、加飾シート８、加飾薄層９、加飾凹凸部１１゜ 特許出願人　　　　　　豊田合成株式会社代　理　人　
　　　　　弁理士　　恩１）博宣第２図 ｊＩ５図 第６図 第−フ図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、発泡シートの裏面に布が取着され、布の裏面に合成
   樹脂が射出成形により一体化されてなることを特徴とす
   る発泡シートを有する樹脂成形品。 ２、発泡シートは表面に加飾層が設けられたものである
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の発泡シ
   ートを有する樹脂成形品。 ３、加飾層は発泡シートの表面に植毛したパイルである
   ことを特徴とする特許請求の範囲第２項に記載の発泡シ
   ートを有する樹脂成形品。 ４、加飾層は布であることを特徴とする特許請求の範囲
   第２項に記載の発泡シートを有する樹脂成形品。 ５、加飾層は合成樹脂よりなるシートであることを特徴
   とする特許請求の範囲第２項に記載の発泡シートを有す
   る樹脂成形品。 ６、加飾層は印刷、塗装、スパッタリング又はコーティ
   ングの手段により設けた薄層であることを特徴とする特
   許請求の範囲第２項に記載の発泡シートを有する樹脂成
   形品。 ７、加飾層は発泡シートの表面部に設けた凹凸部である
   ことを特徴とする特許請求の範囲第２項に記載の発泡シ
   ートを有する樹脂成形品。 ８、布の裏面にポリオレフィン系合成樹脂が射出成形さ
   れることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の発
   泡シートを有する樹脂成形品。