JPH08183928A - 耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板 - Google Patents

耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板

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JPH08183928A
JPH08183928A JP33894894A JP33894894A JPH08183928A JP H08183928 A JPH08183928 A JP H08183928A JP 33894894 A JP33894894 A JP 33894894A JP 33894894 A JP33894894 A JP 33894894A JP H08183928 A JPH08183928 A JP H08183928A
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐摩耗性、耐傷つき性、加工性及び耐
食性を示し、且つ成形加工時や切断時における成形ロー
ルやシャーリング刃等の摩耗を抑えること 【構成】 ポリエステル樹脂を主成分とし、これに有機
骨材として、塗料組成物の全固形物中の割合でアクリル
ポリマービーズを1〜40重量%、4フッ化エチレン樹
脂粉末を1〜20重量%含有し、さらに無機骨材とし
て、塗料組成物の全固形物中の割合で炭化けい素を1〜
30重量%含有し、塗料組成物の全固形分中での有機骨
材と無機骨材の合計含有量が10〜50重量%、全骨材
中に占める無機骨材の割合が20〜80重量%である塗
料組成物であり、また、塗装金属板は金属板の少なくと
も一方の面に、上記塗料組成物を塗布及び焼付して得ら
れた塗膜を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性に優れた塗料
組成物及びこの塗料組成物を塗装した塗装金属板に関す
るもので、特に、加工、運送時における塗装金属板のハ
ンドリング傷、加工・組立時の傷、施工後の風砂等によ
る傷つき等を生じにくい塗料組成物及びこれを塗布した
塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、屋根や外壁材のような建物外装材
に使用される塗装金属板については、その耐久性に関す
る市場の要求が厳しさを増してきている。このような要
求に対応する塗装金属板として、厚目付の溶融亜鉛めっ
き鋼板に高耐候性のポリエステル樹脂塗料を塗装した塗
装鋼板が主流になっている。しかしながら、この塗装金
属板は、塗膜硬度が十分でないために施工時や施工後の
環境中で塗膜に傷がついたり或いは塗膜が摩耗し、この
傷や摩耗した部分から錆が発生しやすいという欠点があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、有機塗膜中
に硬質の添加材を添加して、塗膜の硬度を見掛け上増大
させることにより、塗膜に耐摩耗性と耐傷つき性を付与
できることが知られており、特開昭61−236869
号公報では、塗料中にガラス繊維を配合して塗膜の強度
と硬度を向上させ、耐傷つき性や耐摩耗性を向上させた
塗料が開示されている。しかし、この塗料は非常に硬質
の骨材を使用しているため、成形加工時に成形ロールを
摩耗させたり、切断時にシャーリング刃を摩耗させたり
するなどの問題があり、必ずしも十分に満足できる物性
を有しているとは言い難い。
【0004】このような問題に対して、特開平4−11
672号では塗膜中にアクリル系樹脂微粒子を添加する
ことにより、また、特開平4−12842号では塗膜中
にフッ素系樹脂微粒子を添加することにより、成形加工
時や切断時における成形ロールやシャーリング刃の摩耗
を抑制しつつ耐摩耗性の向上を図るようにした塗装金属
板が開示されている。しかしながら、これらの塗装金属
板の耐摩耗性のレベルは必ずしも満足できるものではな
い。したがって本発明の目的は、優れた耐摩耗性、耐傷
つき性、加工性及び耐食性を示し、しかも、成形加工時
や切断時における成形ロールやシャーリング刃等の摩耗
を適切に抑えることができる塗料組成物及びこの塗料組
成物を塗装した塗装金属板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した問
題を解決すべく鋭意研究を重ね、その結果、ポリエステ
ル樹脂を主成分とする塗料中に、有機骨材としてアクリ
ルポリマービーズ及び4フッ化エチレン樹脂粉末を、ま
た、無機骨材として炭化ケイ素をそれぞれ特定の割合で
複合添加することにより、優れた耐摩耗性、耐傷つき
性、加工性、耐食性を示す塗膜が得られること、さら
に、この塗膜を形成した塗装金属板は、成形加工時や切
断時における成形ロールがシャーリング刃の摩耗を生じ
させにくいことを知見した。本発明はこのような知見に
基づきなされたもので、その特徴とする構成は以下の通
りである。
【0006】(1) ポリエステル樹脂を主成分とし、これ
に有機骨材として、塗料組成物の全固形物中の割合でア
クリルポリマービーズを1〜40重量%、4フッ化エチ
レン樹脂粉末を1〜20重量%含有し、さらに無機骨材
として、塗料組成物の全固形物中の割合で炭化けい素を
1〜30重量%含有する塗料組成物であって、塗料組成
物の全固形分中での有機骨材と無機骨材の合計含有量が
10〜50重量%、全骨材中に占める無機骨材の割合が
20〜80重量%であることを特徴とする耐摩耗性に優
れた塗料組成物。
【0007】(2) 金属板の少なくとも一方の面に、上記
(1)に記載の塗料組成物を塗布及び焼付して得られた塗
膜を有することを特徴とする耐摩耗性に優れた塗装金属
板。 (3) 金属板の少なくとも一方の面に、化成処理皮膜を有
し、その上層に防錆顔料または防錆顔料と骨材とを含有
する下塗塗膜を有し、さらにその上層に上記(1)に記載
の塗料組成物を塗布及び焼付して得られた塗膜を有する
ことを特徴とする耐摩耗性に優れた塗装金属板。
【0008】
【作用】本発明の塗料組成物は、ポリエステル樹脂を主
成分とし、これに潤滑性及び弾力性と適度な硬さを持つ
有機骨材と、非常に硬質な無機骨材を特定の割合で複合
添加することを特徴としている。
【0009】本発明の塗料組成物において用いられるポ
リエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸とを22
0〜280℃で縮合重合させて得られる。多価アルコー
ルのOH基と多塩基酸のCOOH基との当量比は1:1
〜1.5:1とすることが好ましい。多塩基酸のCOO
H基に対する多価アルコールのOH基の当量比が1:1
未満では、樹脂の合成時にゲル化する可能性が高く、一
方、多塩基酸のCOOH基に対する多価アルコールのO
H基の当量比が1.5:1を超えると、所定の分子量が
得られない場合がある。
【0010】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,
5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビト
ール等を1種または2種以上混合して使用することがで
きる。多塩基酸としては、マレイン酸、フマル酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オルトフ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメット酸等
を1種または2種以上混合して使用することができる。
また、無水フタル酸のような酸無水物を使用することも
できる。酸無水物を使用する際は、そのCOOH当量
は、酸無水物が加水分解されて遊離のCOOH基となっ
たものとして計算する。
【0011】ポリエステル樹脂は、数平均分子量が10
00〜6000、望ましくは3000〜5000で、酸
価が5〜15、望ましくは8〜13のものを用いること
が好ましい。これは、この範囲が架橋剤として有効なメ
ラミン樹脂との反応性に優れるからである。ポリエステ
ル樹脂の溶液は、架橋成分として例えば一般に知られて
いるメラミン樹脂溶液等を加えて使用される。
【0012】以上の樹脂成分に対して、有機骨材として
アクリルポリマービーズ及び4フッ化エチレン樹脂粉末
が、また、無機骨材として炭化けい素が複合添加され
る。ここで、有機骨材としてアクリルポリマービーズと
4フッ化エチレン樹脂粉末を複合添加することにより、
以下のような作用効果が得られる。すなわち、アクリル
ポリマービーズと4フッ化エチレン樹脂粉末は適度な硬
度を有しているため塗膜全体の硬度を適度に増大させ、
これによって、成形加工時や切断時における成形ロール
やシャーリング刃の摩耗を抑制しつつ塗膜の耐摩耗性、
塗膜硬度を向上させる作用があり、同時に、これらの有
機骨材は適度な弾力性を有し、塗膜全体に弾力性を付与
することから、塗膜中に含まれる硬質の無機骨材がロー
ル成形時に成形ロールに食い込むことを防止し、これに
よって成形ロールの摩耗防止に寄与するものと考えられ
る。加えて、アクリルポリマービーズは、塗膜形成時の
焼付処理により表層がわずかに溶融して塗料中の樹脂成
分との一体性を強めることから、塗膜の耐摩耗性、塗膜
硬度、加工性の向上にも寄与し、一方、4フッ化エチレ
ン樹脂粉末は化学的に不活性であることから、摩耗物体
との相互作用を少なくし、これが塗膜の耐摩耗性、耐傷
つき性の向上に寄与し、このようなアクリルポリマービ
ーズと4フッ化エチレン樹脂粉末との相乗的な作用によ
り、優れた耐摩耗性、耐傷つき性及び加工性が得られも
のと考えられる。
【0013】また、無機骨材である炭化けい素は非常に
硬質であるため、塗膜全体の硬度を増大させ、耐摩耗性
を向上させる作用効果がある。そして、本発明では上記
のような有機骨材と無機骨材を複合添加することによ
り、塗膜の表面傷および成形ロール等の摩耗については
有機骨材によって、また、素地金属に達するような激し
い損傷や摩耗については無機骨材によってそれぞれ保護
することが可能となり、従来の塗装金属板では得ること
ができなかった極めて優れた耐傷つき摩耗性を得ること
ができる。
【0014】アクリルポリマービーズとしては、塗料組
成物や塗膜が有する優れた特性を損なわないものである
ことが必要であり、具体的には、塗料の溶剤に溶解しな
いこと、塗料の貯蔵中に変質や沈降固化がなく、安定性
が低下しないこと、塗料中のアクリル樹脂との親和性を
有することなどが要求される。このような観点から、ア
クリルポリマービーズとしては、メタクリル酸メチルの
モノマー成分が80〜90重量%、メタクリル酸メチル
と共重合可能なモノマー成分が18重量%以下、架橋性
モノマー成分(例えば、エチレングリコールジメタクリ
レート等)が2〜20重量%、好ましくは5〜10重量
%からなるものが好ましい。
【0015】アクリルポリマービーズの配合量は、塗料
組成物の全固形分中の割合で1〜40重量%とする。ア
クリルポリマービーズの配合量が1重量%未満では耐摩
耗性が十分でなく、また、硬質の無機骨材によるロール
成形時の成形ロール損傷を防止する効果が低下するので
好ましくない。一方、配合量が40重量%を超えると、
塗料としての長期安定性の低下を招くとともに、塗膜の
伸びが著しく低下し、塗装金属板の加工性が低下するの
で好ましくない。アクリルポリマービーズのより好まし
い配合量は2.5〜30重量%である。
【0016】4フッ化エチレン樹脂粉末の配合量は、塗
料組成物の全固形分中の割合で1〜20重量%とする。
4フッ化エチレン樹脂粉末の配合量が1重量%未満では
耐摩耗性が十分でなく、一方、20重量%を超えると塗
装作業性の低下を招くため好ましくない。なお、この4
フッ化エチレン樹脂粉末とともに、類似の他のフッ素系
樹脂、例えば、4フッ化エチレンと6フッ化プロピレン
の共重合体や4フッ化エチレンとエチレンの共重合体等
の微粉末を併用してもよい。
【0017】また、炭化ケイ素の配合量は、塗装組成物
の全固形分中の割合で1〜30重量%とする。炭化ケイ
素の配合量が1重量%未満では耐摩耗性が十分でなく、
一方、30重量%を超えると塗装作業性が低下し、塗装
金属板としての加工性が低下するので好ましくない。
【0018】塗料中組成物の全固形分中の有機骨材と無
機骨材の合計含有量は10〜50重量%とする。有機骨
材と無機骨材の合計含有量が10重量%未満では塗膜全
体の硬度が不足し、所望の耐摩耗性が得られない。一
方、合計含有量が50重量%を超えると塗膜が硬くなり
過ぎて伸びが著しく低下し、折り曲げ加工性、成形ロー
ル摩耗性が劣化する。また、全骨材中に占める無機骨材
の割合は20〜80重量%とする。全骨材中に占める無
機骨材の割合が20重量%未満では塗膜全体の硬度が不
足し、所望の耐摩耗性が得られない。一方、80重量%
を超えると塗膜が硬くなり過ぎて伸びが著しく低下し、
折り曲げ加工性、成形ロール摩耗性が劣化する。
【0019】各骨材の粒径については特別な制約はない
が、耐摩耗性を含めた塗装金属板の品質特性の面から、
それぞれ平均粒子径で、アクリルポリマービーズは10
〜50μm、4フッ化エチレン樹脂粉末は1〜5μm、
炭化ケイ素は5〜20μmの範囲であることが好まし
い。一般に各骨材の平均粒子径が上記の下限値未満では
耐摩耗性が低下を招き、一方、各骨材の平均粒子径が上
記の上限値を超えると、塗装時に塗膜欠陥が発生しやす
くなるとともに、加工性の低下を招くため好ましくな
い。
【0020】骨材であるアクリルポリマービーズ、4フ
ッ化エチレン樹脂粉末及び炭化ケイ素は、そのまま塗料
中へ混合してもよいが、塗料中での親和性、分散性を向
上させ、骨材の沈降を防止する目的で、混合前にアルミ
ニウム系カップリング剤とよく馴染ませてから、塗料中
に混合することが望ましい。アルミニウム系カップリン
グ剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウム
ジイソプロピレート(例えば、味の素(株)製 プレン
アクト ALM)を挙げることができる。骨材を塗料中
に添加する具体的な方法としては、骨材の合計重量の3
重量%相当量のアルミニウム系カップリング剤をイソホ
ロン等の溶剤中に溶解し、この溶剤中に骨材を加えてよ
く接触させ、これを緩やかに撹拌されている塗料中に加
え均一に混合すればよい。
【0021】本発明の塗料組成物は、以上述べた必須成
分以外に着色顔料、体質顔料、溶剤及び添加剤等を必要
に応じて配合することができる。着色顔料としては、例
えば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、クロム
酸鉛、金属粉末、焼成顔料、パール顔料等が挙げられ
る。体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレ
イ、タルク、三酸化アンチモン、硫酸バリウム、カオリ
ン等が挙げられる。添加剤としては、例えば、消泡剤、
顔料分散剤、たれ防止剤、傷つき防止剤等が挙げられ
る。また、溶剤としては、例えば、トルエン、キシレ
ン、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブ系溶剤、メチ
ルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジイソブチ
ルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等が挙げられ
る。
【0022】次に、以上述べた塗料組成物を塗装した塗
装金属板について説明する。本発明の塗装金属板で用い
る被塗装金属板としては、溶融法または電解法等により
製造される亜鉛めっき鋼板、亜鉛−5%アルミニウム合
金めっき鋼板、亜鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼
板等の亜鉛系めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ス
テンレス鋼板、アルミニウム板、冷延鋼板等を用いるこ
とができる。上記の金属板は、通常は塗装を施す前に脱
脂処理が施され、場合によってはさらに酸洗を施された
後、クロメート処理やリン酸塩処理などの化成処理が施
される。
【0023】塗料組成物は上記の化成処理皮膜の上に直
接塗装することも可能であるが、耐食性や密着性などの
性能を向上させるためには、塗装金属板に通常用いられ
ている下塗り塗料、すなわち所謂プライマーを塗装して
焼き付けた上に、塗装することが望ましい。また、この
下塗塗膜には耐食性や耐摩耗性を向上させるため防錆顔
料または防錆顔料+骨材を含有させることが好ましい。
塗装方法については特に制限はなく、一般に行われてい
るロールコーター法、カーテンフローコーター法、スプ
レー塗装、はけ塗り等の塗装方法を適用できるが、塗装
金属板の塗装においてはロールコーター法が最も一般的
である。
【0024】乾燥塗膜厚は、通常5〜40μmである。
塗膜厚が5μm未満では、塗膜中の骨材の保持が困難に
なったり、塗膜の耐候性低下を招くので好ましくない。
一方、40μmを超えると、塗装作業時の低下や塗膜外
観の低下を招き、さらにコストの上昇を招くため好まし
くない。
【0025】塗料組成物を塗布した後の焼付処理は、3
0〜180秒間加熱して金属板温度を200℃以上に到
達させることによって行われる。焼付時間が30秒未満
では、樹脂成分の溶融硬化が不十分であり、一方、18
0秒を超えると下塗り塗料成分を含めた熱劣化が始ま
り、いずれの場合にも塗料本来の性能が発揮されなくな
るため好ましくない。焼付時の加熱方法については特別
な制限はなく、熱風加熱方式、高周波加熱方式等の方法
を適用できる。
【0026】
【実施例】
〔実施例1〕金属板に塗布型クロメート処理を付着量が
金属クロム換算で30mg/m2になるように施し、次
いで、下塗り塗料としてエポキシ樹脂系塗料を乾燥塗膜
厚が5μmになるように塗布した後、約200℃で60
秒間焼き付け、次いで、上塗り塗料として下記により作
成した塗料組成物を乾燥塗膜厚が25μmになるよう塗
布した後、約250℃で60秒間焼き付け、得られた塗
装金属板を下記の各種試験に供した。その結果を、上塗
り塗料中に添加した骨材の構成及び添加量とともに表1
ないし表4に示す。
【0027】(塗料組成物)ベース塗料としてポリエス
テル樹脂:メラミン樹脂=80:20(重量比)である
ポリエステル系塗料(日本油脂(株) 製プレカラーN
o.HD0030ブラウン)を用い、これに表1及び表
2に示す配合量の骨材を添加して塗料組成物を得た。ベ
ース塗料中への骨材の添加は、骨材の合計重量の3重量
%相当量のアルミニウム系カップリング剤をイソホロン
に溶解し、その中に骨材を加えてよく接触させた後、緩
やかに撹拌されている上記ベース塗料中に加え均一に混
合することにより行った。
【0028】(被塗装金属板)被塗装金属板としては、
溶融亜鉛めっき鋼板(表中ではGIと略)、亜鉛−5%
アルミニウム合金めっき鋼板(表中ではGFと略)、亜
鉛−55%アルミニウム−1.6%シリコン合金めっき
鋼板(表中ではGLと略)を用いた。板厚はすべて0.
6mmとし、めっき付着量は、溶融亜鉛めっき鋼板及び
亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板については片面
当り130g/m2、亜鉛−55%アルミニウム−1.
6%シリコン合金めっき鋼板については片面当り100
g/m2とした。
【0029】(試験・評価方法) (1)加工性 20℃の室内にて180°の折り曲げを行い、クラック
なしの最少板はさみ枚数で評価した。この評価では、0
〜6Tを合格、7T以上を不合格とした。 (2)成形ロール摩耗性 幅500mm、長さ1000mmの試験片についてロー
ル成形機で成形加工を行い、試験片50枚成形後の成形
ロールの表面を観察し、下記により評価した。 ◎:全く異常なし ○:わずかに傷が発生 ×:異常有り
【0030】(3)テーバー摩耗性試験 摩耗輪CS−10を用い、摩耗輪に荷重1kgを加えて
試験し、プライマー露出までの回転数で評価した。この
評価では、2000回未満を不合格、2000回以上を
合格とした。 (4)落砂摩耗性試験 ASTM−D968に基づき、4号ケイ砂を落下させて
試験し、プライマー露出までの落砂量で評価した。この
評価では、10L未満を不合格、10L以上を合格とし
た。 (5)耐食性 JIS Z 2371の塩水噴霧試験を行い、2000時
間後の錆の程度を目視で観察し、下記のように評価し
た。 ◎:全く発錆せず ○:わずかに発錆 ×:著しく発錆
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】〔実施例2〕リニア−ポリエステル系塗料
に防錆顔料として各種クロム酸塩を、また骨材としてホ
ウ酸アルミウイスカーを添加した塗料をプライマー(下
塗塗料)として使用したこと以外は、実施例1と同様に
して試験材を作製し、同様の方法により試験及び評価を
行った。その結果を、プライマーの構成、上塗り塗料に
添加した骨材の構成及び添加量とともに表5ないし表7
に示す。
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、優れた耐摩
耗性、耐傷つき性、加工性及び耐食性が得られ、しかも
成形加工時や切断時における成形ロールやシャーリング
刃の摩耗を効果的に抑えることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 303 B C08K 3/34 KJS C08L 67/02 LNZ //(C08L 67/02 33:06 27:18)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂を主成分とし、これに
    有機骨材として、塗料組成物の全固形物中の割合でアク
    リルポリマービーズを1〜40重量%、4フッ化エチレ
    ン樹脂粉末を1〜20重量%含有し、さらに無機骨材と
    して、塗料組成物の全固形物中の割合で炭化けい素を1
    〜30重量%含有する塗料組成物であって、塗料組成物
    の全固形分中での有機骨材と無機骨材の合計含有量が1
    0〜50重量%、全骨材中に占める無機骨材の割合が2
    0〜80重量%であることを特徴とする耐摩耗性に優れ
    た塗料組成物。
  2. 【請求項2】 金属板の少なくとも一方の面に、請求項
    1に記載の塗料組成物を塗布及び焼付して得られた塗膜
    を有することを特徴とする耐摩耗性に優れた塗装金属
    板。
  3. 【請求項3】 金属板の少なくとも一方の面に、化成処
    理皮膜を有し、その上層に防錆顔料または防錆顔料と骨
    材とを含有する下塗塗膜を有し、さらにその上層に請求
    項1に記載の塗料組成物を塗布及び焼付して得られた塗
    膜を有することを特徴とする耐摩耗性に優れた塗装金属
    板。
JP33894894A 1994-12-29 1994-12-29 耐摩耗性に優れた塗料組成物および塗装金属板 Expired - Lifetime JP3183079B2 (ja)

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