JPH08183891A - 半硬質塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

半硬質塩化ビニル樹脂組成物

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JPH08183891A
JPH08183891A JP32792194A JP32792194A JPH08183891A JP H08183891 A JPH08183891 A JP H08183891A JP 32792194 A JP32792194 A JP 32792194A JP 32792194 A JP32792194 A JP 32792194A JP H08183891 A JPH08183891 A JP H08183891A
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JP
Japan
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vinyl chloride
chloride resin
diketone
weight
resin composition
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JP32792194A
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English (en)
Inventor
Kazuo Tanaka
一雄 田中
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バリウム−亜鉛系安定剤を使用した半硬質塩
化ビニル樹脂組成物の熱安定性および加工性を改良す
る。 【構成】 100重量部の塩化ビニル樹脂に対して、バ
リウム−亜鉛系安定剤と、2〜25重量部の可塑剤と、
0.05〜0.5重量部のβ−ジケトンと、0.1〜
1.0重量部のフェノール系酸化防止剤を配合してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半硬質塩化ビニル樹脂
組成物からなるフィルム、シート製品等に関し、特に建
材(合板、鋼板)用途、ステッカー・マーキングフィル
ム用途、壁塗装用、車両・床材用途等に使用される半硬
質塩化ビニル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】可塑
剤量が25重量部以下の半硬質塩化ビニル樹脂組成物に
バリウム−亜鉛系安定剤を使用した場合、その熱安定性
は十分でなく、加工中に塩化ビニル樹脂が劣化したり、
着色したり、分解したりして、良好な加工を施すことが
できないことがある。そのため、熱安定性を改善すべ
く、ハイドロタルサイト類とか、ジペンタエリスリトー
ルアジペート等のポリオール類が添加されている。
【0003】しかし、ハイドロタルサイトでは、塩化ビ
ニル樹脂の分解は抑制するが、初期に着色があり、また
加工中に着色が促進される。その着色を抑制するために
亜鉛化合物を併用しても、着色を十分に抑えることはで
きない。さらに、ハイドロタルサイトは透明度を低下
し、折曲時に白化させることがある。
【0004】また、ジペンタエリスリトールアジペート
は熱安定性の改良効果が不十分で、多量に添加すると、
加工中にプレートアウトを生じ、外観を低下させる。
【0005】このように、可塑剤が25重量部以下の半
硬質塩化ビニル樹脂の安定剤としてバリウム−亜鉛系の
ものを用いた場合、良好な熱安定性が得られない。
【0006】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、バリ
ウム−亜鉛系安定剤を使用した半硬質塩化ビニル樹脂組
成物の熱安定性および加工性を改良することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の要旨は、バリウム−亜鉛系安定剤と2〜25
重量部の可塑剤を有する塩化ビニル樹脂100重量部に
対して、0.05〜0.5重量部のβ−ジケトンと、
0.1〜1.0重量部のフェノール系酸化防止剤を配合
したことを特徴とする半硬質塩化ビニル樹脂組成物にあ
る。
【0008】塩化ビニル樹脂とは、塩化ビニル単独重合
体または塩化ビニルを主成分としこれと共重合可能な他
の一種もしくは二種以上の単量体との共重合体で、重合
法として、常法に従った懸濁重合法、乳化重合法等によ
り得られるものをいい、塩化ビニル重合体と塩化ビニル
共重合体とが混合されたものも含む意である。
【0009】可塑剤としては、例えば、エポキシ化合
物、フタル酸エステル系、ポリエステル系、トリメリッ
ト酸エステル系、アジピン酸エステル系、燐酸エステル
系のものを使用することができる。
【0010】β−ジケトンとしては、アセチルアセト
ン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン、ステア
ロイルベンゾイルメタン等を挙げることができる。
【0011】フェノール系酸化防止剤としては、モノフ
ェノール系、ビス・トリス・ポリフェノール系、ヒンダ
ートフェノール系のものを挙げることができる。
【0012】その他に、一般的に用いられている紫外線
吸収剤、顔料、充填剤、キレータ、滑剤、加工助剤等を
添加することができる。
【0013】
【作用】β−ジケトンはフェノール系酸化防止剤と併用
することにより、非着色性を改善し、またフェノール系
酸化防止剤はβ−ジケトンと併用することにより、熱安
定性を改善する。しかし、βジケトンの添加量が0.0
5重量部未満ではその効果がなく、一方0.5重量部超
添加しても、その改善効果が小さいばかりか、耐候性を
低下させ、コストを増加させる。また、フェノール系酸
化防止剤の添加量が0.1重量部未満ではその効果がな
く、一方1.0重量部超添加しても、その改善効果が小
さいばかりか、ブルームにより印刷性が低下し、コスト
を増加させる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を具体的な特性評価実
験に基づいて説明する。
【0015】『実験−1』 4重量部のバリウム−亜鉛
系液状安定剤を含む塩化ビニル系樹脂100重量部に対
して、ハイドロタルサイト、ジペンタエリスリトールア
ジペート、β−ジケトン、フェノール系酸化防止剤およ
び他の配合剤を以下の表1のように配合した各塩化ビニ
ル樹脂組成物(混合物)300gを、温度が185℃、
シート層厚みが0.2mmになるようにロール間隙を調整
した8インチロール2本にて混練し、混練時間が5分ま
たは25分経過した時点で、それぞれ5mm角の大きさの
試料を取り出した。次に、色差計(日本電色工業(株)
製の『シグマ80』)を用いて、5分経過時に取り出し
た試料については、黄変度(ΔYI値、JIS−K 7
105による)を測定し、25分経過時に取り出した試
料については、5分経過時に取り出した試料を基準とし
て色差(ΔE値、JIS−K 7105による)を測定
した。ΔYI値は初期の非着色性を評価し、ΔE値は熱
安定性(経時の非着色性)を評価するものであり、いず
れの値も小さい方が好ましい。
【0016】また、東洋精機(株)製のプラストミルを
用いて、上記の各塩化ビニル樹脂組成物(混合物)につ
いて、各試料重量60g、温度190℃、回転数60r
pmの条件にて混練し、試料が分解するまでの分解時間
を測定した。この分解時間は熱安定性(耐分解性)を評
価するものである。この時間は長い方が好ましい。
【0017】以上の測定結果を以下の表1に示す。表1
および以下の表2〜5における配合を示す数値は重量部
である。
【0018】
【表1】
【0019】表1より以下の点が明らかである。実施例
1のように、バリウム−亜鉛系安定剤を含む塩化ビニル
樹脂にβ−ジケトンとフェノール系酸化防止剤を適量併
用することにより、初期の非着色性と熱安定性を大幅に
改善することができる。しかし、比較例1はこれらが全
く添加されていないので、初期の非着色性および熱安定
性が悪い。これに対して比較例2のように、ハイドロタ
ルサイトを添加したものは、分解時間は長くなるが、特
に初期の非着色性が悪く、経時の非着色性も良くない。
ハイドロタルサイトとβ−ジケトンを併用した比較例3
も、初期の非着色性や経時の非着色性の改善効果は小さ
い。また、ジペンタエリスリトールアジペートを添加し
た比較例4やジペンタエリスリトールアジペートとβ−
ジケトンを併用した比較例5、ならびに単独のβ−ジケ
トンを添加した比較例6もしくは単独のフェノール系酸
化防止剤を添加した比較例7は、すべて初期の非着色性
および熱安定性が劣っている。
【0020】『実験−2』 以下の表2に示すように、
各種フェノール系酸化防止剤とβ−ジケトンを添加した
樹脂組成物(混合物)と、フェノール系酸化防止剤のみ
を添加した樹脂組成物(混合物)について『実験−1』
と同様の方法で試料を得、ΔYI値とΔE値と分解時間
を測定した。その結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2より以下の点が明らかである。実施例
2、3、4のように、β−ジケトンとフェノール系酸化
防止剤を適量併用したものは、初期の非着色性および熱
安定性が優れている。しかし、フェノール系酸化防止剤
のみを添加した比較例8、9または10は、初期の非着
色性および熱安定性が劣っている。
【0023】『実験−3』 以下の表3に示すように、
β−ジケトンとフェノール系酸化防止剤を併用し且つフ
ェノール系酸化防止剤の添加量を変更した塩化ビニル樹
脂組成物(混合物)について『実験−1』と同様の方法
で試料を得、ΔYI値とΔE値と分解時間を測定した。
その結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】表3より以下の点が明らかである。β−ジ
ケトンとフェノール系酸化防止剤を併用しても、フェノ
ール系酸化防止剤が0.1重量部未満である比較例11
は、初期の非着色性および熱安定性の改善効果が小さ
い。一方、比較例12のように、フェノール系酸化防止
剤を1重量部超添加しても、大きな改善効果は期待でき
ない。その上、試料にブルーム現象が見られた。しか
し、実施例5〜10のように、β−ジケトンと適量のフ
ェノール系酸化防止剤を併用したものは、初期の非着色
性および熱安定性が優れている。
【0026】『実験−4』 以下の表4に示すように、
β−ジケトンとフェノール系酸化防止剤を併用し且つβ
−ジケトンの添加量を変更した塩化ビニル樹脂組成物
(混合物)について『実験−1』と同様の方法で試料を
得、ΔYI値とΔE値と分解時間を測定した。その結果
を表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】表4より以下の点が明らかである。β−ジ
ケトンを添加していない比較例13は初期の非着色性お
よび熱安定性が悪い。また、β−ジケトンとフェノール
系酸化防止剤を併用しても、β−ジケトンが0.05重
量部未満である比較例14は、初期の非着色性および熱
安定性の改善効果が小さい。一方、比較例15のよう
に、βジケトンを0.5重量部超添加しても、大きな改
善効果は期待できず、コスト増加を招くという欠点があ
る。
【0029】しかし、実施例11〜14のように、フェ
ノール系酸化防止剤と適量のβ−ジケトンを併用したも
のは、初期の非着色性および熱安定性が優れている。
【0030】『実験−5』 バリウム−亜鉛系安定剤は
通常エポキシ化合物との併用が必須条件であり、本実験
では、エポキシ化合物としてエポキシ化大豆油を使用
し、エポキシ化大豆油を可塑剤として含めてその添加量
を以下の表5のように変更し且つβ−ジケトンとフェノ
ール系酸化防止剤を併用した塩化ビニル樹脂組成物(混
合物)またはβ−ジケトンのみを添加した塩化ビニル樹
脂組成物(混合物)について『実験−1』と同様の方法
で試料を得(ロール温度のみ、表5に記載のように変更
した)、ΔYI値とΔE値と分解時間を測定した。その
結果を表5に示す。
【0031】
【表5】
【0032】表5より以下の点が明らかである。可塑剤
が2重量部未満である比較例16では、β−ジケトンと
フェノール系酸化防止剤を併用しても、初期の非着色性
および熱安定性が悪い。また、可塑剤を25重量部添加
しても、β−ジケトンのみが添加され、フェノール系酸
化防止剤が添加されていない比較例17では、初期の非
着色性および熱安定性の改善効果は小さい。さらに、比
較例18のように、可塑剤が25重量部超添加されたも
のは(軟質塩化ビニル)、βジケトンのみが添加された
場合であっても、初期の非着色性および熱安定性が優れ
ている。一方、実施例15〜20のように、2〜25重
量部の可塑剤を有する塩化ビニル樹脂100重量部に対
して、適量のフェノール系酸化防止剤とβ−ジケトンを
併用したものは、初期の非着色性および熱安定性が優れ
ている。
【0033】従来は、半硬質塩化ビニル樹脂組成物の安
定剤としては、バリウム−亜鉛系のものは熱安定性が不
十分であるため、主としてカドミウム−バリウム系のも
のが使用されていた。しかし、カドミウム化合物を取り
扱う場合、安全衛生上の問題が懸念される。
【0034】これに対して、上記各実施例に明らかなよ
うに、バリウム−亜鉛系の安定剤を使用しても、β−ジ
ケトンとフェノール系酸化防止剤を適量併用することに
より、熱安定性に優れた半硬質塩化ビニル樹脂組成物を
提供することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明により、バリウム−亜鉛系安定剤
を使用した半硬質塩化ビニル樹脂組成物の熱安定性およ
び加工性を改良することができる。従って、より品質的
に優れた塩化ビニル樹脂製品を提供することが可能にな
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バリウム−亜鉛系安定剤と2〜25重量
    部の可塑剤を有する塩化ビニル樹脂100重量部に対し
    て、0.05〜0.5重量部のβ−ジケトンと、0.1
    〜1.0重量部のフェノール系酸化防止剤を配合したこ
    とを特徴とする半硬質塩化ビニル樹脂組成物。
JP32792194A 1994-12-28 1994-12-28 半硬質塩化ビニル樹脂組成物 Pending JPH08183891A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32792194A JPH08183891A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 半硬質塩化ビニル樹脂組成物

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008524366A (ja) * 2004-12-20 2008-07-10 ロディア・シミ β−ジカルボニル化合物を含むハロゲン化重合体用安定化成分
US8562856B2 (en) 2005-07-29 2013-10-22 Saes Getters S.P.A. Getter systems comprising a gas-sorbing phase in the pores of a porous material distributed in a permeable means

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008524366A (ja) * 2004-12-20 2008-07-10 ロディア・シミ β−ジカルボニル化合物を含むハロゲン化重合体用安定化成分
US8519039B2 (en) 2004-12-20 2013-08-27 Rhodia Chimie Halogenated polymer stabilizing ingredient containing a beta-dicarbonyl compound
US8562856B2 (en) 2005-07-29 2013-10-22 Saes Getters S.P.A. Getter systems comprising a gas-sorbing phase in the pores of a porous material distributed in a permeable means

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