JPH08183453A - 列車検知装置 - Google Patents

列車検知装置

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JPH08183453A
JPH08183453A JP32912794A JP32912794A JPH08183453A JP H08183453 A JPH08183453 A JP H08183453A JP 32912794 A JP32912794 A JP 32912794A JP 32912794 A JP32912794 A JP 32912794A JP H08183453 A JPH08183453 A JP H08183453A
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Atsushi Sugawara
淳 菅原
Shoji Irie
章二 入江
Kenji Nakada
健二 中田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】軌道回路を用いた列車検知にスペクトラム拡散
通信方式を利用して耐ノイズ性及び隣接閉塞区間との干
渉性を改善する。 【構成】搬送波f1 をPN符号で拡散処理してレールR
の始端側イから終端側ロへ供給する。受信信号は、受信
した拡散信号を復調処理して相関マッチドフィルタ22で
相関検出を行い、相関マッチドフィルタの出力に基づい
て軌道リレーTRの動作を制御する。この際に、互いに
隣接する閉塞区間の搬送波周波数と相関マッチドフィル
タの相関係数を所定の条件で設定することで、符号直交
によって他の閉塞区間からの拡散信号の影響を除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軌道回路を利用した列
車検知装置に関し、特に、スペクトラム拡散通信方式を
利用した列車検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軌道回路を利用した列車検知装置
は、レールを所定長さ毎に区分して形成された閉塞区間
のレールを、軌道回路の一部とし、各閉塞区間の始端側
(前方側隣接閉塞区間へ列車が進出する側)に、所定周
波数の信号を送出する送信器を接続すると共に、各閉塞
区間の終端側(後方側隣接閉塞区間から列車が進入する
側)に信号を受信する受信器を接続して構成されてい
る。
【0003】上記構成において、閉塞区間に列車が存在
し、レールが列車の車軸(車輪)で短絡されたときは、
閉塞区間始端側の送信器からレールを介して送信される
送信信号の入力レベルが低下するため受信器の出力レベ
ルは低下し、一方、閉塞区間内に列車が存在しないとき
は、受信器の出力は所定レベルに維持される。従って、
受信器の出力で軌道リレーをON,OFFさせれば、そ
のON,OFF状態で閉塞区間内の列車の有無を検知す
ることができる。
【0004】そして、相隣接する閉塞区間の列車検知用
の信号と干渉し合わないよう、各閉塞区間は、例えば相
隣接する閉塞区間とインピーダンスボンド等で交流信号
に対して電気的絶縁が図られている。また、相隣接する
閉塞区間が交流信号に対して電気的に無絶縁に形成され
ている場合には、相隣接する閉塞区間で使用する検知用
の信号の周波数を互いに異なるようにして干渉を防止し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の軌道回路を利用した列車検知装置において、各閉塞
区間の軌道回路の一部を形成するレールは、ノイズを受
けやすい環境にあるためS/N比が低くなり易い。ま
た、隣接閉塞区間との相互干渉を無くすための工夫とし
て、電気的な絶縁を施したり、また、閉塞区間毎に使用
する信号周波数を変え、更に、閉塞区間の境界に共振回
路を設ける等のため、回路構成が複雑になるという欠点
があった。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みなされたもの
で、耐ノイズ特性の良好なスペクトラム拡散通信方式を
応用してS/N比を向上させ、しかも、他の閉塞区間の
信号との相互干渉を防止できる列車検知装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の列車
検知装置では、PN符号で所定周波数の搬送波を拡散処
理する信号拡散手段と、前記信号拡散手段で拡散された
拡散信号を各閉塞区間の軌道回路を形成するレールの始
端側に送出する送出手段と、前記レールの終端側から信
号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信された拡
散信号を前記搬送波と同一の信号で復調処理して前記P
N符号を含む信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段
で抽出された信号に所定の相関係数を乗算して相関値を
検出する相関値検出手段と、前記相関値検出手段からの
相関値出力レベルが所定レベル以上の時に列車が閉塞区
間内に存在しないことを検知し、前記相関値出力レベル
が前記所定レベルより低い時に列車が閉塞区間内に存在
することを検知する検知手段とを備えて構成した列車検
知装置であって、複数の連続する閉塞区間を1つのグル
ープとした時に、グループ内の各閉塞区間の搬送波周波
数fを、 f=f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×2)
×N f0 :グループ内の1つの閉塞区間の搬送波周波数 N=0及び1/N=a/b(aは基本PN符号1周期の
偶数倍の値、bはa/bが偶数になる値)の条件を満足
するように設定する構成とした。
【0008】また、互いに隣接する閉塞区間のPN符号
は、周期が同一の異なるPN符号を使用する構成とし
た。
【0009】
【作用】上記の構成において、各閉塞区間の軌道回路を
形成するレールの始端側からは、PN符号で所定の搬送
波を拡散処理した拡散信号が送出される。送出された拡
散信号はレールの終端側で受信手段で受信され、抽出手
段で復調処理によりPN符号を含む信号の抽出が行わ
れ、相関値検出手段によって、所定の相関係数を乗算し
て相関値を検出する。そして、相関値検出手段から所定
レベル以上の相関値出力が発生した時は、列車によるレ
ールの短絡がないと判断して閉塞区間内に列車が存在し
ないことを検知し、所定レベルより低い相関値出力が発
生した時は、列車によるレール短絡と判断して閉塞区間
内に列車が存在することを検知する。
【0010】更に、複数の連続する閉塞区間を1つのグ
ループとした時に、グループ内の各閉塞区間の搬送波周
波数fを、 f=f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×2)
×N f0 :グループ内の1つの閉塞区間の搬送波周波数 N=0及び1/N=a/b(aは基本PN符号1周期の
偶数倍の値、bはa/bが偶数になる値)の条件を満足
するように設定する。
【0011】そして、相関値検出手段の相関係数を、上
記の式で設定される搬送波周波数と符号直交が実現でき
るように、グループ内の閉塞区間の数に応じてPN符号
2周期分の整数倍に設定すると、他の閉塞区間からの拡
散信号が混信した場合、相関値検出手段における他の閉
塞区間の拡散信号との相互相関値が符号直交により低く
なり、他の閉塞区間からの拡散信号の混信によって自閉
塞区間に列車が存在するにも拘らず列車無しの検知出力
が発生することを防止できる。
【0012】また、請求項2記載の発明のように、互い
の隣接する閉塞区間で、使用するPN符号を周期が同一
の異なるPN符号を使用すれば、機器が故障した場合で
も、他の閉塞区間からの拡散信号と自閉塞区間の拡散信
号との相関検出による識別がPN符号のみで可能になる
場合もあり、他の閉塞区間からの信号の影響の低減効果
を高めることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本実施例の列車検知装置の概略構成図で
あって、レールRは、所定間隔毎に閉塞区間(図1で
は、図面を簡略化するために閉塞区間Ti を中心に3個
の閉塞区間を示してある)Ti ,Ti-1 ,Ti+1 に区分
されている。
【0014】各閉塞区間Ti ,Ti-1 ,Ti+1 は、周知
のインピーダンスボンドを用いた区分でもよく、また、
レール間にコンデンサを介在させる無絶縁の区分でもよ
く、コンデンサを介在させない無絶縁区分でもよい。本
実施例の列車検知装置は、各閉塞区間毎に設置されるの
で、以下、閉塞区間Ti に対応した列車検知装置につい
て説明する。
【0015】閉塞区間Ti のレールRの始端側(列車A
が閉塞区間Ti から閉塞区間Ti+1へ進出する側)イ
と、終端側(列車Aが閉塞区間Ti-1 から 閉塞区間T
i に進入する側)ロとが機器室Bに電気的に接続されて
いる。機器室Bには、送・受信設備が設置されていて、
閉塞区間Ti における列車Aの存在の有無が検知できる
ように構成されている。
【0016】まず、送信設備としては、信号発生器1、
乗算器2、PN符号発生器3及び送信器4が設けられて
いる。信号発生器1は、無変調の所定の周波数f1 の搬
送波を乗算器2に出力するように構成されている。乗算
器2は、PN符号発生器3から出力される1,−1の符
号の組み合わからなる所定のPN符号を用いて前記搬送
波を拡散変調した後、次の送信器4へ出力するように構
成されている。送信器4は、周知の増幅器から形成され
ていて、増幅した拡散信号をレールRの始端側イへ供給
するように構成されている。従って、前記乗算器2が信
号拡散手段に、送信器4が拡散信号の送出手段にそれぞ
れ相当している。
【0017】次に、受信設備としては、受信器5、乗算
器6、信号発生器7、ローパスフィルタ回路8、後述す
る相関値検出部20、フリップフロップ回路9、バンドパ
スフィルタ10,レベル判定回路11,検波回路12及び軌道
リレーTRを備えて構成されている。前記受信器5は周
知の増幅回路で形成されていて、その出力信号を乗算器
6へ出力するように構成されている。乗算器6では、受
信器5で受信された受信信号に送信設備側の搬送波と同
一周波数f1 の信号を発生する信号発生器7からの信号
を乗算することにより復調処理し、その出力がローパス
フィルタ回路8を通過することによりPN符号成分を含
む信号が抽出される。相関値検出部20では、ローパスフ
ィルタ回路8を通過した信号に基づいて受信されたPN
符号が、閉塞区間Ti の始端側イから送信されたPN符
号と同一か否かの検出を相関検出を用いて行い、その相
関値を出力する。同一のPN符号を検出した時にはPN
符号の周期に対応した周期で所定レベル以上の相関値出
力を発生する。フリップフロップ回路9は、相関値検出
部20のパルス出力によってトリガされてPN符号の周期
に対応した周波数の矩形波出力を発生する。このフリッ
プフロップ回路9からの出力が所定周波数の矩形波出力
である時のみ、バンドパスフィルタ10,レベル判定回路
11及び検波回路12を介して軌道リレーTRを動作させ
る。
【0018】従って、前記受信器5が受信手段に相当
し、相関値検出部20が相関値検出手段に相当し、バン
ドパスフィルタ10,レベル判定回路11,検波回路12及び
軌道リレーTRによって検知手段が構成される。また、
前記乗算器6及びローパスフィルタ回路7で抽出手段を
構成している。次に、前記相関値検出部20の構成につい
て説明する。
【0019】相関値検出部20は、送信側で使用されたP
N符号と同一のPN符号を発生するPN符号発生器21
と、このPN符号発生器21からPN符号を入力してロー
パスフィルタ回路8から入力する符号列信号との相関値
をそれぞれ演算する相関マッチドフィルタ22とで構成さ
れている。ここで、前記PN符号発生器21から発生する
PN符号が、相関マッチドフィルタ22の相関係数となる
ものであり、この相関係数の周期は、後述する使用搬送
波周波数と符号直交が実現できるように、送信側で発生
する基本PN符号の2周期の整数倍を1周期とするよう
に設定され、複数の連続する閉塞区間を1つのグループ
とした時の各グループの閉塞区間数で決まる使用搬送波
周波数の数によって異なる。
【0020】例えば、1グループ内の閉塞区間数が2の
場合は、相関係数はPN符号の2周期を1周期とし、1
グループ内の閉塞区間数が3の場合は、相関係数はPN
符号の4周期又は6周期等を1周期とし、1グループ内
の閉塞区間数が4の場合は、相関係数はPN符号の8周
期を1周期とし、1グループ内の閉塞区間数が5の場合
は、相関係数はPN符号の12周期を1周期とする。
【0021】また、各閉塞区間で使用する搬送波周波数
は次のように設定する。複数の連続する閉塞区間を1つ
のグループとした時に、グループ内の各閉塞区間の搬送
波周波数fを、 f=f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×2)×N ・・・(2) f0 :グループ内の1つの閉塞区間の搬送波周波数 N=0及び1/N=a/b(aは基本PN符号1周期の
偶数倍の値、bはa/bが偶数になる値) 例えば、2つの閉塞区間を1つのグループとした時、各
閉塞区間の搬送波周波数fa ,fb は、 fa =f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×0 fb =f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×1/2 のように設定される。
【0022】3つの閉塞区間を1つのグループとした
時、各閉塞区間の搬送波周波数fa ,fb ,fc は、 fa =f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×0 fb =f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×1/2 fc =f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×1/4 又は、 fa =f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×0 fb =f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×1/2 fc =f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×1/6 のように設定される。
【0023】4つの閉塞区間を1つのグループとした
時、各閉塞区間の搬送波周波数fa ,fb ,fc ,fd
は、 fa =f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×0 fb =f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×1/2 fc =f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×1/4 fd =f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×1/8 のように設定される。
【0024】尚、上述のように、3つの閉塞区間を1つ
のグループとした場合のように、使用搬送波周波数の形
態が複数存在する場合には、基本PN符号の1周期の偶
数倍の値aが最も小さいものを使用した方が、処理速度
が速くなり好ましい。次に、2つの閉塞区間Ti ,T
i-1 を1つのグループをとした場合について本実施例装
置の列車検知動作について説明する。
【0025】図2は、閉塞区間Ti に列車Aが存在しな
い場合で且つ、隣接する閉塞区間T i-1 からの拡散信号
の干渉がない場合における相関マッチドフィルタ22とフ
リップフロップ回路9の出力状態を示すタイムチャート
である。信号発生器1から送出された搬送波f1 は、乗
算器2でPN符号発生器3から出力されるPN符号TD
1を用いて拡散処理されて拡散信号となって送信器4を
介してレールRの始端側イに供給される。
【0026】レールRの終端側ロでは、レールRの長さ
に起因した減衰を伴う搬送波を含む拡散信号が存在す
る。そして、この拡散信号は、受信器5で増幅処理され
た後、信号発生器7から出力された送信側と同一の周波
数を有する搬送波f1 を用いて乗算器6により復調処理
され、ローパスフィルタ回路8を介してPN符号TD1
を含む信号が抽出される。この抽出信号は、相関マッチ
ドフィルタ22に入力し、符号発生器21からのPN符号
(PN符号2周期を1周期とする相関係数となる)を用
いて相関値が演算されて出力される。この場合(列車が
存在しない場合)、相関マッチドフィルタ22から、図2
に示す如くPN符号の1周期毎に所定レベル以上の相関
値(この場合、最大相関値はPN符号の1周期分の値の
2倍の大きさとなる)を有するパルス信号が出力され
る。このパルス信号によって後段のフリップフロップ回
路9がトリガされ、フリップフロップ回路9からは、図
2に示すようなPN符号の周期毎に反転する矩形波信号
が発生する。この矩形波信号は、バンドパスフィルタ10
を通過し、レベル判定回路11及び検波回路12を介して軌
道リレーTRが扛上し、列車Aが閉塞区間Ti に存在し
ないことを示す検知出力が発生する。
【0027】そして、軌道リレーTRは、所定周波数の
矩形波信号によって交流駆動されているので、回路故障
によって軌道リレーTRの入力が直流となったり入力が
停止した時には、軌道リレーTRが落下側に動作するた
め、フェールセーフ性が確保されている。一方、閉塞区
間Ti に列車Aが存在する場合は、レールRが列車Aの
車軸(車輪)により短絡されるので、終端側ロの拡散信
号のレベルが低下し、従って、受信器5からの出力レベ
ルも小さくなり、相関マッチドフィルタ22の出力も小さ
くなり、フリップフロップ回路9はトリガされず図2の
ような矩形波信号が発生せず、軌道リレーTRが落下状
態となり、列車の存在を示す検知出力が発生する。そし
て、列車を検知している状態においても、相関マッチド
フィルタ22でPN符号の一致状態を、フリップフロップ
回路9で符号一致状態を、常時チェックしているので、
ノイズは効果的に除去され、S/N特性が極めて良好で
ある。
【0028】次に、隣接閉塞区間Ti-1 からの信号によ
る相互干渉がある場合について図3及び図4を参照しな
がら説明する。尚、閉塞区間Ti とTi-1 で使用するP
N符号は、同一でも、異なるものでもよいが、周期は同
一とする。ここで、閉塞区間Ti で使用する搬送波の周
波数をf1 とし、隣接する閉塞区間Ti-1 で使用する搬
送波の周波数をf2 とする。f1 とf2 の関係は、上述
した2つの閉塞区間を1つのグループとした場合に相当
し、周波数f2 は周波数1に対しては、 f2 =f1 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×
2)×1/2 の関係になっている。
【0029】図3は、閉塞区間Ti に列車Aが存在しな
い場合である。この場合、閉塞区間Ti の終端側ロを介
して受信器5には、閉塞区間Ti の周波数f1 の搬送波
で拡散された拡散信号と、隣接する閉塞区間Ti-1 の周
波数f2 の搬送波で拡散された拡散信号が入力する。こ
れら拡散信号に周波数f1 の信号を乗算処理し、ローパ
スフィルタ回路8を通過させると、図5に示すような同
一周波数f1 で復調された自閉塞区間Ti の拡散信号に
基づくPN符号成分TD1と、図6に示すような周波数
2 とf1 の周波数差の信号で振幅変調された波形のP
N符号成分TD2が相関マッチドフィルタ22に入力す
る。
【0030】相関マッチドフィルタ22では、これらPN
符号成分TD1,TD2に、PN符号2周期を1周期と
する相関係数を用いて相関値を演算すると、PN符号成
分TD1に関しては、上述したように、PN符号成分T
D1の1周期毎に大きな相関値が現れ、所定レベル以上
のパルス信号が発生する。PN符号成分TD2に関して
は、PN符号成分TD2の波形で見ると、図3に示すよ
うに、PN符号成分TD2の1周期毎に互いに相補な関
係の値を有する波形となっており、符号直交によってP
N符号2周期を1周期とする相関係数の周期では相関値
が略零となる。
【0031】従って、隣接する閉塞区間Ti-1 からの拡
散信号が混信した場合でも、閉塞区間Ti に列車が存在
しない場合には、図3に示すように、自閉塞区間Ti
拡散信号に基づいてPN符号の1周期毎に所定のパルス
信号が発生し、図2の場合と同様に軌道リレーTRが動
作して列車が存在しないことを示す検知出力が発生す
る。
【0032】一方、列車Aが閉塞区間Ti に存在する場
合は、自閉塞区間の拡散信号が受信器5には入力しない
ので、隣接する閉塞区間Ti-1 からの拡散信号によるP
N符号成分TD2のみが相関マッチドフィルタ22に入力
することになるので、相関マッチドフィルタ22で演算さ
れる相関値は十分に小さいものとなり、相関マッチドフ
ィルタ22の出力レベルも図4に示すように小さく、フリ
ップフロップ回路9はトリガされず、軌道リレーTRは
落下状態となり、列車Aの存在を示す検知出力が発生す
る。
【0033】従って、隣接閉塞区間Ti-1 の信号の影響
を受けることなく、確実に閉塞区間Ti での列車Aの有
無を検知することができ、相互干渉の極めて少ない信頼
性の高い軌道回路利用の列車検知装置とすることができ
る。以上のように、本実施例装置は、耐ノイズ性に優れ
たスペクトラム拡散通信方式を利用することで、S/N
比を改善できる。また、符号長の長いPN符号を使用す
れば、符号間の相互相関値を自己相関値に比べて十分に
低くすることは可能であるが、符号長の長いPN符号を
用いた場合、相関値の算出等の処理時間が長くなるとい
う問題が存在するが、上述したように、使用する搬送波
の周波数間隔を一定の条件で設定し、相関検出において
符号直交を用いることでPN符号の符号長を長くするこ
となく各閉塞区間の相互干渉を防止することができる利
点がある。そして、他の閉塞区間からの拡散信号の混信
が1波のみでなく、複数波あったとしても、受信器5の
ダイナミックレンジが確保できれば、他の拡散信号の影
響を除去することができる。
【0034】更に、本実施例では、送信側と受信側とを
同一の機器室に設置する構成としたが、送信側と受信側
とで同期をとる必要がないので、送信側と受信側とを別
々の場所に設置することも可能である。また、互いの隣
接する閉塞区間Ti とTi-1 で、使用するPN符号を周
期が同一の異なるPN符号を使用すれば、機器が故障し
た場合に、他の閉塞区間からの拡散信号と自閉塞区間の
拡散信号との相関検出による識別がPN符号のみで可能
になる場合もあり、他の閉塞区間からの信号の影響によ
る列車の誤検知の可能性を低減できる効果がある。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
の列車検知装置によれば、耐ノイズ性に優れたスペクト
ラム拡散通信方式を利用することで、ノイズの影響を受
け難い耐ノイズ性に優れた列車検知を行うことができ
る。また、各閉塞区間ので使用する搬送波の周波数を所
定の条件で設定すると共に、相関検出における相関係数
の周期を使用する搬送波数に応じて適切に設定すること
で、各閉塞区間の境界部分に相互干渉を防止するための
工夫をすることなく、他の閉塞区間との相互干渉を防止
することができる。
【0036】また、請求項2記載の発明によれば、機器
が故障した時でも相互干渉を防止できる可能性があり、
より一層、列車検知機能の信頼性及び安全性を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る列車検知装置の一実施例の概略構
成図
【図2】同上実施例の列車が存在しない場合の動作を説
明するためのタイムチャート
【図3】同上実施例の列車が存在しない時に隣接軌道回
路の信号が混入した場合の動作を説明するためのタイム
チャート
【図4】同上実施例の列車が存在する時に隣接軌道回路
の信号が混入した場合の動作を説明するためのタイムチ
ャート
【図5】同一周波数の搬送波で復調処理した時のPN符
号の図
【図6】異なる周波数の搬送波で復調処理した時のPN
符号の図
【符号の説明】
1,7 信号発生器 2,6 乗算器 3,21 PN符号発生器 4 送信器 5 受信器 8 ローパスフィルタ回路 9 フリップフロップ回路 20 相関値検出部 22 相関マッチドフィルタ TR 軌道リレー A 列車 R レール Ti-1 ,Ti ,Ti+1 閉塞区間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PN符号で所定周波数の搬送波を拡散処理
    する信号拡散手段と、 前記信号拡散手段で拡散された拡散信号を各閉塞区間の
    軌道回路を形成するレールの始端側に送出する送出手段
    と、 前記レールの終端側から信号を受信する受信手段と、 前記受信手段で受信された拡散信号を前記搬送波と同一
    の信号で復調処理して前記PN符号を含む信号を抽出す
    る抽出手段と、 前記抽出手段で抽出された信号に所定の相関係数を乗算
    して相関値を検出する相関値検出手段と、 前記相関値検出手段からの相関値出力レベルが所定レベ
    ル以上の時に列車が閉塞区間内に存在しないことを検知
    し、前記相関値出力レベルが前記所定レベルより低い時
    に列車が閉塞区間内に存在することを検知する検知手段
    と、 を備えて構成した列車検知装置であって、 複数の連続する閉塞区間を1つのグループとした時に、
    グループ内の各閉塞区間の搬送波周波数fを、 f=f0 +(拡散帯域幅)÷(PN符号チップ数×2)
    ×N f0 :グループ内の1つの閉塞区間の搬送波周波数 N=0及び1/N=a/b(aは基本PN符号1周期の
    偶数倍の値、bはa/bが偶数になる値)の条件を満足
    するように設定することを特徴とする列車検知装置。
  2. 【請求項2】互いに隣接する閉塞区間のPN符号が、周
    期が同一の異なるPN符号である請求項1記載の列車検
    知装置。
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