JP3203457B2 - 列車検知装置 - Google Patents

列車検知装置

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JP3203457B2
JP3203457B2 JP25854393A JP25854393A JP3203457B2 JP 3203457 B2 JP3203457 B2 JP 3203457B2 JP 25854393 A JP25854393 A JP 25854393A JP 25854393 A JP25854393 A JP 25854393A JP 3203457 B2 JP3203457 B2 JP 3203457B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、列車検知装置に関し、
特に、軌道回路を利用した列車検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軌道回路を利用した列車検知装置
は、レールを所定長さ毎に区分して形成された閉塞区間
のレールを、軌道回路の一部とし、その閉塞区間の始端
側(前方側隣接閉塞区間へ列車が進出する側)に、所定
周波数の信号を送出する送信器を接続すると共に、その
閉塞区間の終端側(後方側隣接閉塞区間から列車が進入
する側)に信号を受信する受信器を接続して構成されて
いる。
【0003】上記構成において、閉塞区間に列車が存在
し、レールが列車の車軸(車輪)で短絡されたときは、
受信器の出力レベルは低下し、一方、閉塞区間内に列車
が存在しないときは、受信器の出力は所定レベルに維持
される。従って、受信器の出力で軌道リレーをON,O
FFさせれば、そのON,OFF状態で閉塞区間内の列
車の有無を検知することができる。
【0004】上記閉塞区間は、相隣接する閉塞区間とイ
ンピーダンスボンド等で交流信号に対して電気的絶縁が
図られていて、相隣接する閉塞区間の列車検知用の信号
と干渉し合わないように工夫されている。また、交流信
号に対して電気的に無絶縁に形成されている場合には、
相隣接する閉塞区間で使用されている検知用の信号の周
波数を互いに異なるようにして干渉を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の軌道回路を利用した列車検知装置において、軌道回
路の一部を形成するレールは、ノイズを受けやすい環境
にあるためS/N比が低くなり易い。また、隣接軌道と
の相互干渉を無くすため搬送周波数を変え、更に、軌道
境界に共振回路を設ける等のため、回路構成が複雑にな
るという欠点があった。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みなされたもの
で、耐ノイズ特性の良好なスペクトラム拡散通信方式を
応用し且つ搬送波の拡散処理に使用する符号に工夫する
ことにより、S/N比が向上し、隣接閉塞区間との相互
干渉防止機能が高い列車検知装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の列車
検知装置では、自己相関が鋭く且つ相互相関が低い複数
のPN符号が周期性を持って配列されて構成された所
定のPN符号列で所定の搬送波を拡散処理する信号拡散
手段と、前記信号拡散手段で拡散された拡散信号を軌道
回路を形成するレールの始端側に送出する送出手段と、
前記レールの終端側から信号を受信する受信手段と、前
記受信手段で受信された受信信号を前記所定の搬送波と
同じ周波数の信号で復調処理して前記所定のPN符号列
を含む信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出
された信号から前記所定のPN符号列を検出するPN符
号列検出手段と、前記PN符号列検出手段が前記所定の
PN符号列を検出したときに列車が前記レール上に存在
しないことを検知し、前記所定のPN符号列を検出しな
いときに列車が前記レール上に存在することを検知する
検知手段とを備え、前記PN符号列検出手段が、所定の
PN符号列に含まれる前記複数のPN符号をそれぞれ検
出する複数のPN符号検出部と、前記所定のPN符号列
における最終のPN符号を検出するPN符号検出部の検
出出力発生タイミングに他のPN符号検出部の出力を一
致させるよう当該他のPN符号検出部の検出出力をそれ
ぞれ遅延する遅延部と、該遅延部の遅延出力と前記最終
PN符号検出部の検出出力を加算する加算部と、該加算
部の加算出力が所定レベル以上の時に前記所定のPN符
号列の検出出力を前記検知手段に出力するレベル判定部
とを備える構成とした。 また、請求項2の発明では、自
己相関が鋭く且つ相互相関が低い複数種のPN符号が周
期性を持って配列されて構成された所定のPN符号列で
所定の搬送波を拡散処理する信号拡散手段と、前記信号
拡散手段で拡散された拡散信号を軌道回路を形成するレ
ールの始端側に送出する送出手段と、前記レールの終端
側から信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信
された受信信号を前記所定の搬送波と同じ周波数の信号
で復調処理して前記所定のPN符号列を含む信号を抽出
する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された信号から前
記所定のPN符号列を検出するPN符号列検出手段と、
前記PN符号列検出手段が前記所定のPN符号列を検出
したときに列車が前記レール上に存在しないことを検知
し、前記所定のPN 符号列を検出しないときに列車が前
記レール上に存在することを検知する検知手段とを備
え、前記PN符号列検出手段が、所定のPN符号列に含
まれる前記複数のPN符号をそれぞれ検出する複数のP
N符号検出部と、前記所定のPN符号列における最終の
PN符号を検出するPN符号検出部の検出出力発生タイ
ミングに他のPN符号検出部の出力を一致させるよう当
該他のPN符号検出部の検出出力を遅延する遅延部と、
該遅延部の遅延出力及び前記最終PN符号検出部の検出
出力がそれぞれ所定レベル以上の時に出力を発生する複
数のレベル判定部と、該複数のレベル判定部の出力を論
理積演算して演算出力を前記検知手段に出力する論理積
演算部とを備える構成とした。
【0008】
【作用】上記の構成において、軌道回路を構成するレー
ルの始端側からは、自己相関が鋭く且つ相互相関が低い
複数種のPN符号が周期性を持って配列されて構成され
た所定のPN符号列で所定の搬送波を拡散処理した拡散
信号が送出される。送出された拡散信号はレールの終端
側で受信手段で受信され、抽出手段で復調処理により所
定のPN符号列を含む信号の抽出が行われ、PN符号列
検出手段によって、所定のPN符号列の検出が行われ
る。そして、請求項1の場合は、PN符号列検出手段で
は、所定のPN符号列が検出されれば各PN符号検出部
からそれぞれ出力が発生し、遅延部の遅延作用により各
PN符号検出部からの検出出力が同じタイミングで加算
部に入力し加算され、レベル判定部の入力レベルが所定
レベル以上となり、レベル判定部は所定のPN符号列の
検出出力を検知手段に出力する。所定のPN符号列が検
出されなければ、レベル判定部の入力レベルが所定レベ
ル以上にならずレベル判定部は検出出力を発生しない。
また、請求項2の場合は、PN符号列検出手段では、所
定のPN符号列が検出されれば各PN符号検出部からそ
れぞれ出力が発生し、遅延部の遅延作用により各PN符
号検出部から所定レベル以上の検出出力が同じタイミン
グで各レベル判定部に入力し、各レベル判定部からの検
出出力により論理積演算部から所定のPN符号列の検出
出力を前記検知手段に出力する。所定のPN符号列が検
出されなければ、論理積演算部は検出出力を発生しな
い。そして、検知手段は、PN符号列検出手段において
所定のPN符号列が検出されたときはレールの短絡がな
いと判断して閉塞区間内に列車が存在しないことを検知
し、所定のPN符号列が検出されないときは列車による
レール短絡と判断して閉塞区間内に列車が存在すること
を検知する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の第1実施例に係る列車検知装置の
概略構成図であって、レールTは、所定間隔毎に閉塞区
間(図1では、図面を簡略化するために閉塞区間Ti
中心に3個の閉塞区間しか示されていない。)Ti ,T
i-1 ,Ti+1 に区分されている。
【0010】各閉塞区間Ti ,Ti-1 ,Ti+1 は、周知
のインピーダンスボンドを用いた区分でもよく、また、
レール間にコンデンサを介在させる無絶縁の区分でもよ
く、コンデンサを介在させない無絶縁区分でもよい。本
実施例の列車検知装置は、各閉塞区間毎に設置されるの
で、以下、閉塞区間Ti に対応した列車検知装置につい
て説明する。
【0011】閉塞区間Ti のレールTの始端側(列車A
が閉塞区間Ti から閉塞区間Ti+1へ進出する側)イ
と、終端側(列車Aが閉塞区間Ti-1 から 閉塞区間T
i に進入する側)ロとが機器室Bに電気的に接続されて
いる。機器室Bには、送・受信設備が設置されていて、
列車Aの閉塞区間Ti における存在の有無が検知できる
ように構成されている。
【0012】まず、送信設備としては、信号発生器1、
乗算器2、PN符号発生器3及び送信器4が設けられて
いる。信号発生器1は、無変調又は所定の送信信号変調
回路により通常のAM,FM等に変調処理された所定の
搬送波fcを乗算器2に出力するように構成されてい
る。乗算器2は、PN符号発生器3から出力される所定
のPN符号列を用いて搬送波fcを拡散変調した後、次
の送信器4へ出力するように構成されている。送信器4
は、周知の増幅器から形成されていて、出力をレールT
の始端側イへ供給するように構成されている。従って、
前記乗算器2が信号拡散手段に、送信器4が拡散信号の
送出手段にそれぞれ相当している。
【0013】ここで、前記PN符号発生器3は、自己相
関が鋭く且つ相互相関が低い複数種のPN符号(本実施
例では3種の異なるPN符号PN1,PN2,PN3)
を間欠的且つ周期的に発生することにより構成した後述
する図2に示すようなPN符号列TD1を出力する。即
ち、前記PN符号列TD1は、PN1,PN2,PN3
の異なる3種のPN符号を等時間間隔で配列した異なる
PN符号の組み合わせからなっている。
【0014】次に、受信設備としては、受信器5、乗算
器6、信号発生器7、ローパスフィルタ回路8、後述す
るPN符号列検出部20、フリップフロップ回路9と、
バンドパスフィルタ10,レベル判定回路11,検波回
路12及び軌道リレーTRを直列接続して形成される検
知器13とで構成されている。前記受信器5は周知の増
幅回路で形成されていて、その出力信号を乗算器6へ出
力するように構成されている。乗算器6では、受信器5
で受信された受信信号に送信設備側の搬送波fcと同一
周波数の信号を発生する信号発生器7からの信号を乗算
することにより復調処理し、その出力がローパスフィル
タ回路8を通過することによりPN符号成分のみが抽出
される。PN符号列検出部20では、ローパスフィルタ
回路8を通過した信号に基づいて受信された符号列が前
記所定のPN符号列TD1と同一か否かの検出を行い、
所定のPN符号列TD1を検出した時にはPN符号列T
D1の周期に対応した周期でパルス出力を発生する。フ
リップフロップ回路9は、PN符号列検出部20のパル
ス出力によってトリガされてPN符号列TD1の周期に
対応した周波数の矩形波出力を発生する。検知器13で
は、フリップフロップ回路9から前記所定周波数の矩形
波出力が発生した時のみ軌道リレーTRを動作させる。
【0015】従って、前記受信器5が受信手段に相当
し、PN符号列検出部20がPN符号列検出手段に相当
し、バンドパスフィルタ10,レベル判定回路11,検
波回路12及び軌道リレーTRで構成される検知器13
が検知手段に相当する。また、前記乗算器6、信号発生
器7及びローパスフィルタ回路で抽出手段を構成して
いる。次に、前記PN符号列検出部20の構成について
説明する。
【0016】PN符号列検出部20は、送信側で使用さ
れた所定のPN符号列TD1に含まれる各PN符号PN
1,PN2,PN3と同一の符号をそれぞれ発生するP
N1符号発生器21、PN2符号発生器22及びPN3
符号発生器23と、対応する各符号発生器21,22,
23からPN符号を入力してローパスフィルタ回路8か
ら入力する符号列信号との相関値をそれぞれ演算する第
1〜第3相関マッチドフィルタ24〜26と、第1相関
マッチドフィルタ24からの出力を所定時間(4×D)
(Dは所定のPN符号列に使用したPN符号1周期に相
当する時間)遅延させる第1遅延回路27と、第2相関
マッチドフィルタ25からの出力を所定時間(2×D)
遅延させる第2遅延回路28と、第1及び第2遅延回路
27,28の各出力と第3相関マッチドフィルタ26の
出力を加算する加算器29及び加算器29の出力のレベ
ル判定を行うレベル判定回路30とで構成されている。
【0017】次に図2を参照しながら本実施例装置の列
車検知動作について説明する。図2は、閉塞区間Ti
列車Aが存在しない場合における図1中のa〜gで示す
部分の出力状態を示すタイムチャートである。信号発生
器1から送出された搬送波fcは、乗算器2でPN符号
発生器3から出力されるPN符号列TD1を用いて拡散
処理されて拡散信号となって送信器4を介してレールT
の始端側イに供給される。
【0018】レールTの終端側ロでは、レールTの長さ
に起因した減衰を伴う搬送波を含む拡散信号が存在す
る。そして、この拡散信号は、受信器5で増幅処理され
た後、信号発生器7から出力された送信側と同一の周波
数を有する搬送波fcを用いて乗算器6により復調処理
され、ローパスフィルタ回路8を介してPN符号列TD
1を含む信号が抽出される。この抽出信号は、それぞれ
第1〜第3相関マッチドフィルタ24〜26に入力し、
対応する各符号発生器21〜23からのPN符号PN
1,PN2,PN3を用いて相関値が演算されて出力さ
れる。ここで、各PN符号PN1,PN2,PN3は、
自己相関値が鋭く相互相関値が低い性質を有しており、
PN1符号が各相関マッチドフィルタ24〜26に入力
した時は第1相関マッチドフィルタ24からのみ高レベ
ルの自己相関値出力が発生する。同様に、PN2符号が
入力したときは、第2相関マッチドフィルタ25からの
み高レベルの自己相関値出力が発生し、PN3符号が入
力したときは、第3相関マッチドフィルタ26からのみ
高レベルの自己相関値出力が発生する。これにより、図
2のa〜cで示すように、第1相関マッチドフィルタ2
4からはPN1符号が入力する毎にパルス信号が出力さ
れ、第2相関マッチドフィルタ25からはPN2符号が
入力する毎にパルス信号が出力され、第3相関マッチド
フィルタ26からはPN3符号が入力する毎にパルス信
号が出力される。そして、第1相関マッチドフィルタ2
4の後段には所定の遅延時間(4×D)を有する第1遅
延回路27が、第2相関マッチドフィルタ25の後段に
は所定の遅延時間(2×D)を有する第2遅延回路28
がそれぞれ設けられているため、第1相関マッチドフィ
ルタ24からの出力及び第2相関マッチドフィルタ25
からの出力は、それぞれ図2のd,eのように遅延さ
れ、第3相関マッチドフィルタ26からのパルス信号出
力時期に同期して加算器29に入力する。加算器29で
は、入力レベルが加算演算され、図2のfで示すような
パルス信号がレベル判定回路30に入力する。この入力
レベルは、レベル判定回路30の閾値より高く、レベル
判定回路30からの出力によってフリップフロップ回路
9は駆動されて、図2のgで示すように、PN符号列T
D1の周期に対応した周波数の矩形波信号を検知部13
に出力する。
【0019】検知部13のバンドパスフィルタ10は、
前記周波数の信号を通過させるフィルタであり、従っ
て、第1〜第3相関マッチドフィルタ24〜26の相関
値出力がPN符号列TD1と同じ周期性を持ち、フリッ
プフロップ回路9の矩形波出力が所定の周波数であると
きに、検知部13に入力した前記矩形波信号は、バンド
パスフィルタ10、レベル判定回路11及び検波回路1
2を介して軌道リレーTR扛上し、列車Aが閉塞区間
i に存在しないことを検知してその検知出力を発生す
る。
【0020】そして、軌道リレーTRは、所定周波数の
矩形波信号によって交流駆動されているので、回路故障
によって軌道リレーTRの入力が直流となったり入力が
停止した時には、軌道リレーTRが落下側に動作するた
め、フェールセーフ性が確保されている。一方、閉塞区
間Ti に列車Aが存在する場合は、レールTが列車Aの
車軸(車輪)により短絡されるので、終端側ロの拡散信
号のレベルが低下し、従って、受信器5からの出力レベ
ルも小さくなり、各相関マッチドフィルタ24〜26の
出力も小さくなり、レベル判定回路30への入力レベル
がその閾値より低くなって、レベル判定回路30からの
出力が停止する。このため、フリップフロップ回路9か
らは矩形波信号が発生せず、軌道リレーTRが落下し
て、検知部13から列車検知の出力が発生する。そし
て、列車を検知している状態においても、各相関マッチ
ドフィルタ24〜26で各PN符号の一致状態を、加算
器29、レベル判定回路30及びフリップフロップ回路
9でPN符号列TD1の一致状態を、常時チェックして
いるので、ノイズは効果的に除去され、S/N特性が極
めて良好である。
【0021】次に、隣接閉塞区間Ti-1 又はTi+1 から
の信号の回り込みがある場合について図3を参照しなが
ら説明する。 例えば、隣接閉塞区間Ti-1 で、図3に示
すようなPN1符号を間欠的に配列し3つのPN1符号
を1周期とするようなPN符号列TD2が使用され、こ
のPN符号列TD2が閉塞区間Ti に混入した場合を例
として説明する。
【0022】閉塞区間Ti の終端側ロを介して受信器5
で、図2に示すPN符号列TD1と図3に示すPN符号
列TD2が同時に受信される。この場合、第1相関マッ
チドフィルタ24からの出力状態は、図3のaで示すよ
うに閉塞区間Ti のPN符号列TD1と閉塞区間Ti-1
のPN符号列TD2のPN1符号が入力する毎にパルス
信号が発生する。第2及び第3相関マッチドフィルタ2
5,26の出力状態は、図2と同様である。そして、加
算器29からの出力状態は、図3のfで示すように、P
N符号列TD1に対応する周期でPN1〜PN3の3つ
のPN符号の加算レベルのパルス信号に加えてPN符号
列TD2のPN符号PN1に基づく低レベルのパルス信
号が存在する。しかし、レベル判定回路30の閾値レベ
ルをPN符号列TD2のPN符号PN1によるパルス信
号レベルより高く設定しておくことにより、PN符号列
TD2の混入により発生するPN符号PN1のパルス信
号はレベル判定回路30によりカットされ、PN符号列
TD1に基づくパルス信号のみに反応してフリップフロ
ップ回路9が動作して図3のgで示すように図2と同様
の周波数の矩形波を出力する。従って、隣接閉塞区間T
i-1 の信号の影響を受けることなく、確実に閉塞区間T
i での列車Aの有無を検知することができ、相互干渉の
極めて少ない軌道回路利用の列車検知装置とすることが
できる。
【0023】以上のように、本実施例装置は、耐ノイズ
性に優れたスペクトラム拡散通信方式を利用すること
で、S/N比を改善でき、しかも、隣接閉塞区間との相
互干渉の低い列車検知装置とすることができる。しか
も、軌道リレーTRが交流駆動であるため、フェールセ
ーフ性に優れている。尚、上記第1実施例では、第1遅
延回路27と、第2遅延回路28と、第3相関マッチド
フィルタ26の出力を加算器29で加算し、レベル判定
回路30でレベル判定してフリップフロップ回路9に入
力する構成としたが、図4に示す第2実施例のように構
成してもよい。
【0024】即ち、上記第2実施例では、加算器29と
レベル判定回路30に代えて、3つのレベル判定回路3
1〜33と、これら3つのレベル判定回路31〜33の
出力の論理積を演算するAND回路34を設けてPN符
号列検出部20′を構成するようにし、AND回路34
の出力をフリップフロップ回路9に入力させている。
尚、その他の構成は第1実施例と同様である。
【0025】次にこの第2実施例装置の動作を図5及び
図6を参照しながら説明する。図5は、閉塞区間Ti
列車Aが存在しない場合における図4中のa〜e、g及
びh〜jで示す部分の出力状態を示すタイムチャートで
ある。閉塞区間Ti に列車Aが存在しない場合、図5の
a〜eまでの出力状態は第1実施例と同様となる。そし
て、第2実施例装置では、第1遅延回路27と第2遅延
回路28と第3相関マッチドフィルタ26の各出力c〜
eは各レベル判定回路31〜33に入力してレベル判定
され、図5のh〜jで示すようなパルスが得られAND
回路34に入力してこれらパルスの論理積演算によって
AND回路34から図5のkで示すような出力が発生す
る。かかる出力kがフリップフロップ回路9に入力され
ると、フリップフロップ回路9からは図5のgで示すよ
うな出力が発生する。この出力gは、第1実施例のフリ
ップフロップ回路9における出力と同じものでPN符号
列TD1の周期に対応した周波数の矩形波となり、これ
が検知部13に入力される。
【0026】検知部13に入力された矩形波信号gは、
所定の周波数であるから、バンドパスフィルタ10、レ
ベル判定回路11、検波回路12を介して軌道リレーT
Rが扛上し、列車Aが閉塞区間Ti に存在しないことを
検知してその検知出力が発生する。列車Aが閉塞区間T
i に存在する場合は、第1実施例の場合と同様であり説
明を省略する。
【0027】次に、隣接閉塞区間Ti-1 又はTi+1 から
の信号の回り込みがある場合について図6を参照しなが
ら説明する。図6は、第1実施例の図3に示す例と同様
にPN1符号を間欠的に配列したPN符号列TD2が隣
接閉塞区間Ti-1 より閉塞区間Ti に混入した場合を例
として示したものである。
【0028】図6において、a〜eは第1実施例と同様
の出力状態である。そして、レベル判定回路31からは
図6のhで示すように、PN1符号が入力する毎にパル
スが発生する。しかし、閉塞区間Ti-1 から回り込んだ
PN符号TD2のPN1符号の入力時には、AND回路
34に入力するその他の出力i,jが発生しないため、
AND回路34の出力kは、図6に示す如くPN符号列
TD1に基づくパルス信号の時のみ発生し、この出力に
フリップフロップ回路9が反応してフリップフロップ回
路9からは図6のgで示すような周波数の矩形波が発生
する。この矩形波は、図3と同じであり、第1実施例装
置の場合と同様にして軌道リレーTDが扛上し、列車A
が閉塞区間Ti に存在しないことを検知してその検知出
力を発生する。
【0029】以上のように構成した第2実施例装置で
も、第1実施例と同様の効果を得ることができる。とこ
ろで、各実施例装置では、隣接閉塞区間の列車検知用の
信号との識別をPN符号により行っているが、このよう
な場合、PN符号間で相互相関値をできるだけ小さくす
る必要がある。しかし、単に1つのPN符号を1つの閉
塞区間に対応させる方式では、使用するPN符号全ての
組み合わせで相互相関値を低くできる数はそれ程多くな
いため、設計の自由度が制限される。符号長を長くすれ
ば、符号の組み合わせを多くできるが、この場合には、
装置のハード構成が大型化してしまう。
【0030】そこで、本実施例のように3種のPN符号
PN1,PN2,PN3を組み合わせて周期性を持った
符号列を使用して隣接閉塞区間における信号の識別を行
うようにすれば、少ないPN符号で相互相関値の低い多
くの組み合わせを作ることができる。例えば、PN符号
を単独で使用する場合、PN1、PN2、PN3の3種
しかないのに対し、PN符号列とすれば、PN1,PN
2,PN3、PN1,PN1,PN2、PN1,PN
1,PN3、PN2,PN2,PN1、PN2,PN
2,PN3、PN3,PN3,PN1、PN3,PN
3,PN2の組み合わせがあり、3種のPN符号から
種の相互相関値の低い符号列を構成することができ、信
号の識別に使用できる符号列が多くなり、相互干渉を低
減するのに有利となる。
【0031】尚、本実施例では、符号列を3種の符号を
使用して構成するようにしたが、使用する符号の種類を
増やせば、更に使用可能な符号列を増大できることは言
うまでもない。また、符号列における隣接する符号の間
欠度合(間隔)は必ずしも、符号の発生期間と同じでな
くてよい。更に、同種の符号でも互いの位相を変えるこ
とにより、相関値をさらに下げることも可能であるた
め、位相をも変えることにより、隣接閉塞区間との相互
干渉を更に低減することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明の列車検知装
置によれば、耐ノイズ性に優れたスペクトラム拡散通信
方式を利用して、所定の搬送波をPN符号列で拡散処理
して閉塞区間のレールに送信し、これを受信してPN符
号列を抽出し、このPN符号列を構成するPN符号の一
致状態及び符号列自体の一致状態を検出し、その一致・
不一致から閉塞区間内の列車の存在を検知する構成とし
たので、ノイズの影響を受け難い耐ノイズ性に優れた列
車検知を行うことができる。また、複数種のPN符号を
組み合わせた符号列を使用するようにしたので、隣接閉
塞区間との相互干渉を低減するため使用できる符号列の
数を多くでき、相互干渉の低減効果を向上できる。従っ
て、鉄道交通の制御システムにおいて極めて重要である
列車検知機能の信頼性及び安全性を格段に高めることが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る列車位置検知装置の第1実施例の
概略構成図
【図2】同上第1実施例の列車が存在しない場合の要部
出力状態のタイムチャート
【図3】同上第1実施例の隣接軌道回路の信号が混入し
た場合の要部出力状態のタイムチャート
【図4】本発明に係る列車位置検知装置の第2実施例の
概略構成図
【図5】同上第2実施例の列車が存在しない場合の要部
出力状態のタイムチャート
【図6】同上第2実施例の隣接軌道回路の信号が混入し
た場合の要部出力状態のタイムチャート
【符号の説明】
1,7 信号発生器 2,6 乗算器 3 PN符号発生器 4 送信器 5 受信器 8 ローパスフィルタ回路 9 フリップフロップ回路 13 検知部 20,20′ PN符号列検出部 21 PN1符号発生器 22 PN2符号発生器 23 PN3符号発生器 24 第1相関マッチドフィルタ 25 第2相関マッチドフィルタ 26 第3相関マッチドフィルタ 27 第1遅延回路 28 第2遅延回路 29 加算器 30〜33 レベル判定回路 34 AND回路 TR 軌道リレー A 列車 T レール Ti-1 ,Ti ,Ti+1 閉塞区間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61L 1/00 - 3/24 B61L 23/00 - 25/08 H04J 4/00 - 15/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自己相関が鋭く且つ相互相関が低い複数種
    のPN符号が周期性を持って配列されて構成された所定
    のPN符号列で所定の搬送波を拡散処理する信号拡散手
    段と、 前記信号拡散手段で拡散された拡散信号を軌道回路を形
    成するレールの始端側に送出する送出手段と、 前記レールの終端側から信号を受信する受信手段と、 前記受信手段で受信された受信信号を前記所定の搬送波
    と同じ周波数の信号で復調処理して前記所定のPN符号
    列を含む信号を抽出する抽出手段と、 前記抽出手段で抽出された信号から前記所定のPN符号
    列を検出するPN符号列検出手段と、 前記PN符号列検出手段が前記所定のPN符号列を検出
    したときに列車が前記レール上に存在しないことを検知
    し、前記所定のPN符号列を検出しないときに列車が前
    記レール上に存在することを検知する検知手段と、 を備え、 前記PN符号列検出手段が、所定のPN符号列に含まれ
    る前記複数のPN符号をそれぞれ検出する複数のPN符
    号検出部と、前記所定のPN符号列における最終のPN
    符号を検出するPN符号検出部の検出出力発生タイミン
    グに他のPN符号検出部の出力を一致させるよう当該他
    のPN符号検出部の検出出力をそれぞれ遅延する遅延部
    と、該遅延部の遅延出力と前記最終PN符号検出部の検
    出出力を加算する加算部と、該加算部の加算出力が所定
    レベル以上の時に前記所定のPN符号列の検出出力を前
    記検知手段に出力するレベル判定部とを備える構成と
    たことを特徴とする列車検知装置。
  2. 【請求項2】 自己相関が鋭く且つ相互相関が低い複数種
    のPN符号が周期性を持って配列されて構成された所定
    のPN符号列で所定の搬送波を拡散処理する信号拡散手
    段と、 前記信号拡散手段で拡散された拡散信号を軌道回路を形
    成するレールの始端側 に送出する送出手段と、 前記レールの終端側から信号を受信する受信手段と、 前記受信手段で受信された受信信号を前記所定の搬送波
    と同じ周波数の信号で復調処理して前記所定のPN符号
    列を含む信号を抽出する抽出手段と、 前記抽出手段で抽出された信号から前記所定のPN符号
    列を検出するPN符号列検出手段と、 前記PN符号列検出手段が前記所定のPN符号列を検出
    したときに列車が前記レール上に存在しないことを検知
    し、前記所定のPN符号列を検出しないときに列車が前
    記レール上に存在することを検知する検知手段と、 を備え、 前記PN符号列検出手段が、所定のPN符号列に含まれ
    る前記複数のPN符号をそれぞれ検出する複数のPN符
    号検出部と、前記所定のPN符号列における最終のPN
    符号を検出するPN符号検出部の検出出力発生タイミン
    グに他のPN符号検出部の出力を一致させるよう当該他
    のPN符号検出部の検出出力を遅延する遅延部と、該遅
    延部の遅延出力及び前記最終PN符号検出部の検出出力
    がそれぞれ所定レベル以上の時に出力を発生する複数の
    レベル判定部と、該複数のレベル判定部の出力を論理積
    演算して演算出力を前記検知手段に出力する論理積演算
    部とを備える構成としたことを特徴とする列車検知装
    置。
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