JPH08182896A - 衣類乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 モータで回転駆動される回転ドラム内へ温風
を循環して衣類を乾燥させる衣類乾燥機において、衣類
の未乾燥が発生した場合や、ＰＴＣヒータの故障、モー
タの故障により異常検知をした場合に、異常の原因を簡
単に見つけられるようにする。 【構成】 衣類を乾燥させる回転ドラム内へ熱交換型両
翼ファンにより温風を循環させ、回転ドラムへの送風経
路にＰＴＣヒータ３を設け、回転ドラムと熱交換型両翼
ファンをモータ５により回転駆動する。ＰＴＣヒータ３
とモータ５の動作を制御する制御手段７は、運転コース
等を設定する入力設定手段１１の入力状態に応じて、Ｐ
ＴＣヒータ３とモータ５の電流を検知する電流検知手段
１３ａ、１３ｂにより検知したＰＴＣヒータ３とモータ
５の少なくとも一方の電流を表示手段１２により表示す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はモータで回転駆動される
回転ドラム内へ温風を循環して衣類を乾燥させる衣類乾
燥機に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、衣類乾燥機は、乾燥できる衣類の
量や種類も多くなったが、乾燥むらなく、かつ短時間で
乾燥を終了させる衣類乾燥機が数多く提案されている。

【０００３】従来、この種の衣類乾燥機は、衣類を収納
し乾燥する回転ドラム内へ温風を循環させ、回転ドラム
内の温度と吸気温度とを２つの温度検知手段により検知
し、その検知温度の変化に基づいて衣類の乾燥を検知
し、乾燥運転を終了させるようにしていた。

【０００４】また、回転ドラム内にフィルターを設け、
回転ドラム内で乾燥する衣類からの糸屑などを収集する
ように構成し、このフィルターの目詰まりを使用者に知
らせることは乾燥時間の短縮という点から有効であるた
め、フィルターの目詰まり検知機能を設けているが、そ
の検知方法の１つとして、ＰＴＣヒータ（加熱手段）の
吸い込み空気温度とＰＴＣヒータの電流の関係からフィ
ルター目詰まりを検知するようにしていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の衣類
乾燥機では、フィルターの目詰まりによる衣類の未乾燥
やＰＴＣヒータの故障、モータの故障により異常検知を
した場合に、直接の原因を簡単に判定できないという問
題を有していた。また、フィルターの目詰まり検知をし
た場合でも、その原因として、フィルターの目詰まり、
商用電源電圧の低下、ＰＴＣヒータの抵抗のばらつき、
回路故障など故障原因を判定するのが困難であるという
問題を有していた。

【０００６】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、衣類の未乾燥が発生した場合や、ＰＴＣヒータの故
障、モータの故障により異常検知をした場合に、異常の
原因を簡単に見つけられるようにすることを第１の目的
としている。

【０００７】また、フィルター目詰まり検知をした場合
に、その原因を容易に判定できるようにすることを第２
の目的としている。

【０００８】また、上記第１および第２の目的を達成す
るとともに、電流、温度を簡単に精度よく確認ができる
ようにすることを第３の目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記第１の目的
を達成するために、衣類を収納し乾燥する回転ドラム
と、前記回転ドラム内へ温風を循環させる送風手段と、
前記回転ドラム内への送風経路に設けた加熱手段と、前
記送風手段あるいは前記回転ドラムを回転駆動するモー
タと、運転コース等を設定する入力設定手段と、運転コ
ース等を表示する表示手段と、前記加熱手段または前記
モータの電流を検知する電流検知手段と、前記加熱手段
とモータの動作を制御する制御手段とを備え、前記制御
手段は、前記入力設定手段の入力状態に応じて、前記電
流検知手段により検知した前記加熱手段と前記モータの
少なくとも一方の電流を前記表示手段により表示するよ
うにしたことを第１の課題解決手段としている。

【００１０】また、第２の目的を達成するために、上記
第１の課題解決手段に加えて、加熱手段の吸い込み空気
の温度を検知する温度検知手段を備え、制御手段は、前
記温度検知手段の出力と電流検知手段により検知した加
熱手段の電流とを表示手段により表示するようにしたこ
とを第２の課題解決手段としている。

【００１１】また、第３の目的を達成するために、上記
第１または第２の課題解決手段の表示手段は数字表示器
を備え、前記数字表示器により電流データや温度データ
を数字で表示するようにしたことを第３の課題解決手段
としている。

【００１２】

【作用】本発明は上記した第１の課題解決手段により、
入力設定手段の入力状態に応じて加熱手段またはモータ
の電流を電流検知手段により検知し、電流値を表示手段
により表示することができ、衣類の未乾燥や異常報知が
発生する原因が加熱手段やモータの故障か、回路の故障
かなど、容易に原因を判定することができる。

【００１３】また、第２の課題解決手段により、ＰＴＣ
ヒータの送風経路に設けた温度検知手段により検知した
温度とＰＴＣヒータの電流との関係よりフィルターの目
詰まりを検知するもので、フィルターの目詰まりを検知
した場合に、温度とＰＴＣヒータの電流を表示手段に表
示できるので、フィルター目詰まり検知の原因がフィル
ターの埃か、制御回路の故障か、それ以外かを容易に判
断することができる。

【００１４】また、第３の課題解決手段により、数字表
示器により加熱手段の電流や温度を表示できるので、電
流や温度を精度よく表示でき、故障を容易に見つけるこ
とができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１から図３を参
照しながら説明する。

【００１６】図２に示すように、回転ドラム１は、被乾
燥物（衣類）を収容して乾燥させるもので、熱交換型両
翼ファン（送風手段）２により回転ドラム１内に温風を
循環させる。熱交換型両翼ファン２は、回転ドラム１内
に温風を循環させると同時に外部からの空気を取り入れ
てファンを冷却し、回転ドラム１の循環空気を除湿す
る。ＰＴＣヒータ（加熱手段）３は、回転ドラム１への
送風経路、すなわち循環空気取り入れ口に配設し循環空
気を加熱する。

【００１７】フィルター４は送風経路の熱交換型両翼フ
ァン２の入口側に設け、循環空気のごみや糸屑などを収
集する。モータ５は、回転ドラム１と熱交換型両翼ファ
ン２を回転駆動させる。温度検知手段６は、ＰＴＣヒー
タ３の吸い込み空気温度を検知する。

【００１８】制御手段７は、図１に示すように、双方向
性サイリスタ８を制御してモータ５を駆動し、ＰＴＣヒ
ータ３ａ、３ｂにそれぞれ接続したリレー接点９ａ、９
ｂを制御してＰＴＣヒータ３ａ、３ｂをオン、オフ制御
して循環空気の温度を制御する。電源スイッチ１０は、
ＰＴＣヒータ３、モータ５、制御手段７と商用電源の間
に接続し、それぞれへの通電を入り切りすることができ
る。

【００１９】入力設定手段１１は、図３に示すように、
複数個のスイッチからなり、ＰＴＣヒータ３を強弱に切
り換えるヒータ切換スイッチ１１ａ、運転コースを切り
換えるコース切換スイッチ１１ｂ、運転のスタートや一
時停止を行うスタート／一時停止スイッチ１１ｃなどか
らなっている。表示手段１２は、入力設定手段１１によ
り設定されたＰＴＣヒータ３の強弱を表示する強弱表示
ランプ１２ａ、乾燥コースを表示する表示ランプ１２ｂ
などからなっている。

【００２０】電流検知手段１３ａはカレントトランス１
４ａと電流ー電圧変換回路１５ａとで構成し、ＰＴＣヒ
ータ３の入力電流を検知し、その出力を制御手段７に入
力する。電流検知手段１３ｂはカレントトランス１４ｂ
と電流ー電圧変換回路１５ｂとで構成し、モータ５の入
力電流を検知し、その出力を制御手段７に入力する。

【００２１】制御手段７は、入力設定手段１１の入力状
態に応じて、電流検知手段１３ａ、１３ｂにより検知し
たＰＴＣヒータ３とモータ５の電流を表示手段１２によ
り表示するようにし、さらに、温度検知手段６により検
知したＰＴＣヒータ３の吸い込み空気の温度を表示手段
１２に表示するようにしている。

【００２２】上記構成において図４を参照しながら動作
を説明すると、ステップ２０で入力設定手段１１のヒー
タ切換スイッチ１１ａとコース切換スイッチ１１ｂと、
電源スイッチ１０を同時に数秒間押す。その結果、通常
の乾燥を行うモードからサービス対応のモードになる。
さらに、ステップ２１でヒータ切換スイッチ１１ａを数
回押してＰＴＣヒータ３の電流値を表示するモードにす
る。

【００２３】ステップ２２で表示手段１２の強弱表示ラ
ンプ１２ａによりヒータ強を点灯させる。強弱表示ラン
プ１２ａは、通常の乾燥モードではヒータが強であるこ
とを示すが、サービス対応モードではＰＴＣヒータ３の
電流表示モードであることが確認できるようにしてい
る。また、表示手段１２は乾燥コースの表示ランプを消
灯させる。これはＰＴＣヒータ３に電流が流れていない
ことを示している。

【００２４】ステップ２３で、ヒータ切換スイッチ１１
ａを押し終わってから１、２秒後に、制御手段７は双方
向性サイリスタ８を制御してモータ５を駆動し、ＰＴＣ
ヒータ３ａ、３ｂにそれぞれ接続したリレー接点９ａ、
９ｂを制御し、ＰＴＣヒータ３ａ、３ｂをオンすること
により通常の運転と同じ乾燥運転を行う。このとき、Ｐ
ＴＣヒータ３の電流は、カレントトランス１４ａと電流
ー電圧変換回路１５ａからなる電流検知手段１３ａによ
り検知され、制御手段７に入力される。

【００２５】ステップ２４でコース表示ランプ１２ｂの
ランプＬＥＤ１〜ＬＥＤ４を検知された電流値に対応し
た数だけ点灯させる。たとえば、電流Ｉが６Ａ≦Ｉ＜８
Ａならば、ＬＥＤ１のみ点灯させる。電流Ｉが８Ａ≦Ｉ
＜１０Ａならば、ＬＥＤ１、２を点灯させる。このよう
に電流値と点灯するランプの数の関係を予め決めておく
ことによりＰＴＣヒータ３の電流を知ることができる。

【００２６】同様にして、モータ５の電流についても、
ステップ２５でヒータ切換スイッチ１１ａを再び押すこ
とにより、今度はコース表示ランプ１２ｂがモータ５の
電流値をランプの数により表示する。このとき、ＰＴＣ
ヒータ３の電流表示モードと区別するため、ヒータ強弱
表示ランプ１２ａの点灯するランプを弱に変える。モー
タ５はＰＴＣヒータ３に比べて電流値が小さいので、電
流Ｉと点灯するランプの関係を変える。たとえば、０Ａ
≦Ｉ＜１Ａならば、ＬＥＤ１のみ点灯させる。さらに、
１Ａ≦Ｉ＜２Ａならば、ＬＥＤ１、２を点灯させる。こ
のように、電流Ｉが大きくなれば、点灯するランプの数
が増える。

【００２７】このように、ＰＴＣヒータ３の電流やモー
タ５の電流を電流測定装置なしに表示手段１２に表示す
ることができ、ＰＴＣヒータ３の故障、モータ５の故障
の原因を判定することができる。

【００２８】つぎに、ステップ２６で、ヒータ切換スイ
ッチ１１ａをさらに押すことにより、今度はコース表示
ランプ１２ｂが、ＰＴＣヒータ３の吸い込み空気温度を
検知する温度検知手段６の温度データを表示する。この
とき、その他の表示モードと区別するため、ヒータ強弱
表示ランプ１２ａの強弱をともに点灯させる。たとえ
ば、温度データＴが１０℃≦Ｔ＜１５℃ならば、ＬＥＤ
１のみ点灯させる。温度データＴが１５℃≦Ｔ＜２０℃
ならばＬＥＤ１、２を点灯させる。このように、温度の
値と点灯するランプの数の関係を予め決めておくことに
より、ＰＴＣヒータ３の吸い込み空気温度を知ることが
できる。ステップ２７で電源スイッチ１０をオフするこ
とにより、サービス対応モードを終了する。

【００２９】このように、ＰＴＣヒータ３の吸い込み空
気の温度とＰＴＣヒータ３の電流値を同時に、しかも計
測装置なしで検知できるので、図５に示すような、ＰＴ
Ｃヒータ３の吸い込み空気温度とフィルター目詰まり時
のＰＴＣヒータ３の電流の関係の特性図より、実際にサ
ービス対応モードで運転したときのＰＴＣヒータ３の電
流値とＰＴＣヒータ吸い込み空気温度が点ａであるとす
ると、ＰＴＣヒータ３の電流が目詰まり検知レベルより
若干低いので、フィルター４の目詰まりを検知している
ことがわかる。よって、回路等の故障ではなく、フィル
ター４の掃除をすればよいことがわかる。

【００３０】また、図６に示すように、表示手段１２に
７セグメント表示ランプ１２ｃを設け、通常の乾燥を行
うモードては、この７セグメント表示ランプ１２ｃによ
り残り乾燥時間を表示するようにし、サービス対応モー
ドでは、電流または温度を表示するようにすると、電流
値の表示が０．１Ａから３０．０Ａ程度まで０．１Ａご
とに表示できるので、精度のよい表示が可能となる。た
とえば、７セグメント表示ランプ１２ｃに「１１２」と
表示されると、１１．２Ａの電流が流れていることにな
る。また、ＰＴＣヒータ３の吸い込み空気温度を表示す
る場合、７セグメント表示ランプ１２ｃに「２３５」と
表示されると、温度が２３．５℃であることがわかる。

【００３１】

【発明の効果】以上のように本発明は、衣類を収納し乾
燥する回転ドラムと、前記回転ドラム内へ温風を循環さ
せる送風手段と、前記回転ドラム内への送風経路に設け
た加熱手段と、前記送風手段あるいは前記回転ドラムを
回転駆動するモータと、運転コース等を設定する入力設
定手段と、運転コース等を表示する表示手段と、前記加
熱手段または前記モータの電流を検知する電流検知手段
と、前記加熱手段とモータの動作を制御する制御手段と
を備え、前記制御手段は、前記入力設定手段の入力状態
に応じて、前記電流検知手段により検知した前記加熱手
段と前記モータの少なくとも一方の電流を前記表示手段
により表示するようにしたから、衣類の未乾燥が発生し
たときや異常報知したとき、簡単に測定装置なしに、加
熱手段の電流とモータの電流を知ることができ、故障の
原因を判定することができる。

【００３２】また、加熱手段の吸い込み空気の温度を検
知する温度検知手段を備え、制御手段は、前記温度検知
手段の出力と電流検知手段により検知した加熱手段の電
流とを表示手段により表示するようにしたから、加熱手
段の吸い込み空気の温度と加熱手段の電流とよりフィル
ターの目詰まり検知機能を有し、目詰まり検知をした場
合に、加熱手段の電流との吸い込み空気の温度がわかる
ので、フィルター目詰まり検知の原因を容易に判定する
ことができる。

【００３３】また、表示手段は数字表示器を備え、前記
数字表示器により電流データや温度データを数字で表示
するようにしたから、電流または温度を精度よく知るこ
とができ、故障またはフィルター目詰まり検知の原因を
一層容易に判定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の衣類乾燥機のブロック図

【図２】同衣類乾燥機の断面図

【図３】同衣類乾燥機の操作表示部の拡大正面図

【図４】同衣類乾燥機の要部動作フローチャート

【図５】同衣類乾燥機の加熱手段の吸い込み空気の温度
と電流の関係特性図

【図６】本発明の他の実施例の衣類乾燥機の操作表示部
の拡大正面図

【符号の説明】

１ 回転ドラム ２ 熱交換型両翼ファン（送風手段） ３ ＰＴＣヒータ（加熱手段） ５ モータ ７ 制御手段 １１ 入力設定手段 １２ 表示手段 １３ａ 電流検知手段 １３ｂ 電流検知手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木内 光幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 衣類を収納し乾燥する回転ドラムと、前
   記回転ドラム内へ温風を循環させる送風手段と、前記回
   転ドラム内への送風経路に設けた加熱手段と、前記送風
   手段あるいは前記回転ドラムを回転駆動するモータと、
   運転コース等を設定する入力設定手段と、運転コース等
   を表示する表示手段と、前記加熱手段または前記モータ
   の電流を検知する電流検知手段と、前記加熱手段とモー
   タの動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段
   は、前記入力設定手段の入力状態に応じて、前記電流検
   知手段により検知した前記加熱手段と前記モータの少な
   くとも一方の電流を前記表示手段により表示するように
   した衣類乾燥機。
2. 【請求項２】 加熱手段の吸い込み空気の温度を検知す
   る温度検知手段を備え、制御手段は、前記温度検知手段
   の出力と電流検知手段により検知した加熱手段の電流と
   を表示手段により表示するようにした請求項１記載の衣
   類乾燥機。
3. 【請求項３】 表示手段は数字表示器を備え、前記数字
   表示器により電流データや温度データを数字で表示する
   ようにした請求項１または２記載の衣類乾燥機。