JPH08182397A - Acサーボモータの電流制御方法 - Google Patents
Acサーボモータの電流制御方法Info
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- JPH08182397A JPH08182397A JP6336603A JP33660394A JPH08182397A JP H08182397 A JPH08182397 A JP H08182397A JP 6336603 A JP6336603 A JP 6336603A JP 33660394 A JP33660394 A JP 33660394A JP H08182397 A JPH08182397 A JP H08182397A
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Abstract
抑制するACサーボモータの電流制御方法を提供する。 【構成】 ACサーボモータの駆動電流とロータ位相と
からd−q変換によって磁界の作る磁束方向のd相電流
を求め、該d相電流が零となるように制御を行なうAC
サーボモータの電流制御方法において、指令電圧値が電
力増幅器の制限を超える電圧飽和状態であって減速時に
は、d相電流を使用してq相電流指令を小さくすること
によりq相電流の増大を抑制する。
Description
の機械,装置やロボットの駆動源として使用されるAC
サーボモータの電流制御方法に関する。
ーボモータの制御系のブロック線図である。位置指令か
らエンコーダ等で検出される位置フィードバック値を減
じて位置偏差を求め、該位置偏差にポジションゲインを
乗じて位置ループ制御(1)を行なって速度指令を求
め、この速度指令から速度フィードバック値を減じて速
度偏差を求め、比例,積分制御等の速度ループ処理
(2)を行いトルク指令(電流指令)を求める。さら
に、このトルク指令から電流フィードバック値を減じて
電流ループ処理(3)を行い各相の電圧指令を求めてP
WM制御等を行いACサーボモータMを制御している。
上記制御系において、電流ループとして、従来は例えば
3相ACサーボモータの場合では3相電流を別々に制御
する方式が一般的である。図12は上記3相電流を別々
に制御する電流ループ処理の詳細図である。
(電流指令)にエンコーダ等で検出されたサーボモータ
のロータ位置θよりU,V,W相に対して電気角でそれ
ぞれ2π/3ずれた正弦波を乗じて各相の電流指令を求
め、該電流指令から電流検出器で検出される各相の実電
流Iu,Iv,Iwを減じて電流偏差を求め、各相電流
制御器5u,5v,5wで比例積分(PI)制御等を行
なって各相の指令電圧Eu,Ev,Ewを電力増幅器6
に出力する。電力増幅器6ではインバータ等でPWM制
御を行なって各相の電流Iu,Iv,Iwをサーボモー
タMに流し駆動することになる。以上のように、ACサ
ーボモータにおいては、位置,速度ループの最も内側の
マイナーループに電流ループを持ち、この電流ループは
ACサーボモータの各相に流す電流をそれぞれ制御する
ループとなっている。
には、モータの回転速度が上昇すると電流指令の周波数
も上昇し、電流位相が徐々に遅れるため電流の無効成分
が多くなり、トルクを効率よく発生することができなく
なるという欠点があり、また、制御量として交流を扱っ
ているため、定速度回転かつ定負荷時における定常状態
においてさえも、指令に対する位相の遅れや振幅の減衰
等の偏差が存在し、直流モータと同程度のトルク制御を
実現することが困難である。この欠点を改善する方法と
して、3相電流をd−q変換してd相,q相の2相に変
換した後にそれぞれの相を制御する方法が知られてい
る。このd−q変換を利用する方法は、電流を直流とし
て制御するので制御系の位相遅れがなく、トルク特性が
3相電流を別々に制御する場合と比較して改善されるこ
とが知られている。d−q変換においては、d軸は磁界
の作る磁束の方向にとることが一般的であり、図13に
示すようにロータの永久磁石の磁束の向きにd軸をと
り、該d軸に直交する向きにq軸をとっている。
d−q変換して制御するときのブロック線図である。d
相の電流指令を「0」とし、q相の電流指令を速度ルー
プから出力されるトルク指令とし、モータの各u,v,
w相の実電流(いずれかから2相を検出すればよい)及
びロータ位置検出器で検出されたロータの位相から、3
相電流から2相電流へ変換する手段9でd相,q相の電
流Id,Iqを求めて上記各相指令値から減じてd相,
q相の電流偏差を求め、電流制御器5d,5qで従来と
同様にして比例,積分制御を行い、d相指令電圧及びq
相指令電圧Vd,Vqを求める。そして、2相電圧から
3相電圧に変換する手段8は、この2相の指令電圧V
d,VqからU,V,W相の指令電圧Vu,Vv,Vw
を求め、電力増幅器6に出力してインバータ等でサーボ
モータの各相に対して電流Iu,Iv,Iwを流してサ
ーボモータを制御する構成となっている。
方法について解析する。交流電動機において3相交流で
表した回路方程式は次の式(1)で表される。
り、右辺例えば第1項の左側の行列はインピーダンス行
例であり、Rは巻線抵抗、Lは巻線の自己インダクタン
ス、Mは相互インダクタンスで、Pは微分演算子であ
る。また、右辺第1項右側のベクトルは各相電流Iu,
Iv,Iwのベクトルであり、右辺第2項は各相の巻線
が誘起する起電力eu,ev,ewである。そこで、式
(2)で表される3相交流座標系から2相交流座標系に
変換する交流行列C1、及び式(3)で表される2相交
流座標系から3相交流座標系に変換する交流行列C2を
用いて上記式(1)を変換すると、いわゆるd−q変換
を行なう式(4)が得られる。
相の巻線を基準として時計回りの方向にとった界磁の角
度)であり、式(4)におけるωはロータの角速度(電
気角)、Φは巻線鎖交磁束数の最大値である。上記式
(4)より、磁界の作る磁束方向のd相電流Idを
「0」に制御し、q相電流Iqについてのみ、その大き
さを制御するようにすると、直流サーボモータと同じ制
御が行なえることを意味している。そして、上記変換行
列C1,C2と3相の電圧,電流の合計が「0」である
関係、すなわち、Vu+Vv+Vw=0、Iu+Iv+
Iw=0の関係から、3相電圧Vu,Vv,Vwと2相
電圧Vd,Vq、及び3相電流Iu,Iv,Iwと2相
電流Id,Iqの関係は次の式(5),式(6)が成立
する。
の演算を行って2相電流のId,Iqを求めて各相の電
流フィードバックとし、また、上記手段8において、上
記式(5)の演算を行って2相電圧Vd,Vqから3相
電流Vu,Vv,Vwを求めることによって、d−q変
換を利用してサーボモータの電流制御を行なう方法が得
られる。
交流を2相直流に座標変換して直流制御方式を採用する
ことによって、電流ループゲインを必要以上に高く設定
することなく定常偏差を低減することができる。しかし
ながら、実際に直流制御方式を実現する場合には、高速
回転において電流指令が電力増幅器の制限を超えるよう
な場合、いわゆる電圧飽和が発生する。この電圧飽和で
は電流制御が困難となり、加速の場合には電流が流れな
くなる方向に働くが、減速の場合には電流が増加する方
向にはたらき、電力増幅器の素子を破損したりモータの
減磁を引き起こす要因となる。
ており、電動機の回転数が高くなるにつれて各電流ルー
プに対する入力周波数が高くなって位相遅れとゲインの
低下が生じる。位相遅れについては位相進め制御によっ
て補償することができるが、ゲインの低下は補償されな
い。そのため、指令に対して実電流の振幅は小さくな
り、実電流の振幅が電流リミッタのリミット値より小さ
い場合でも、指令が実質的にリミットされるという場合
が生じる。また、減速時には電動機の逆起電圧が電動機
の電圧の印加方向と同じ方向に働き、電流リミッタのリ
ミット値を超える場合が生じる。つまり、減速時には電
動機へ流す電流の方向は電動機の回転方向と逆であり、
逆起電力の方向と同一となるため、指令に逆起電力が加
算されて実電流の最大値がリミット値を超える場合が生
じ、トランジスタ等の制御素子や電動機自体を破損させ
る場合がある。
解決して、電圧飽和状態における減速時の電流の増大を
抑制するACサーボモータの電流制御方法を提供するこ
とを目的とする。
ータの駆動電流とロータ位相とからd−q変換によって
磁界の作る磁束方向のd相電流を求め、該d相電流が零
となるように制御を行なうACサーボモータの電流制御
方法において、指令電圧値が電力増幅器の制限を超える
電圧飽和状態であって減速時には、d相電流をq相電流
指令に加えることにより、前記目的を達成するものであ
る。
か、モータが減速時であるか等の判定は、電流指令を比
例積分する電流制御器と電力増幅器側へのd−q変換器
との間に設けた電圧飽和処理ブロックにより行なうこと
ができ、電流制御器からの電圧指令値とモータからの速
度とを入力とし、その判定結果は、d相電流をq相電流
指令に加えるq相電流指令補正ブロック及び電流制御器
の積分器に出力される。また、電圧飽和状態において、
電流ループにおける電流指令の積分項の値を変更し電圧
リミット値にクランプした電圧指令を出力することによ
り、制御出力がクランプされたことによる制御偏差の増
大,電流ループ中の積分器の値の増大を抑制するもので
ある。また、本発明のACサーボモータの電流制御方法
において、ACサーボモータの電圧飽和ブロックはd相
電圧とq相電圧を成分とするベクトルの大きさが電力増
幅器の電圧リミット値を超えたことにより検知し、ま
た、ACサーボモータの減速はモータの回転とq相電流
指令の極性により検知する。
駆動電流を、モータの各u,v,w相の中のいずれか2
相の実電流を測定することによって求め、また、ロータ
位置検出器によりロータの位相を求める。3相電流から
2相電流へ変換する手段は、この求めた実電流とロータ
位相から前記式(6)によるd−q変換の演算を行って
d相,q相の電流Id,Iqを求める。次に、各相指令
値から前記d相電流Id,q相電流Iqを減じてd相,
q相の電流偏差を求め、電流制御器において比例,積分
制御を行い、d相指令電圧Vd及びq相指令電圧Vqを
求める。
圧Vd,q相指令電圧Vqとモータからの速度を入力し
て、d相指令電圧とq相指令電圧を成分とするベクトル
の大きさと電力増幅器の電圧リミット値との比較により
電圧飽和の検知を行い、また、q相電流Iqと速度から
モータが加速状態かあるいは減速状態かの判定を行な
う。この電圧飽和処理ブロックにおいて電圧飽和状態で
かつ減速と判定された場合には、その結果をq相電流指
令補正ブロックに知らせてd相電流を使用してq相電流
指令を小さくする。これにより、電圧飽和時の減速時に
おける電流増加を防ぎ、電力増幅器の破損やモータの減
磁作用を阻止する。また、電圧飽和処理ブロックにおけ
る判定結果は、電流制御器の積分項の値を変更したり、
電圧指令の電力増幅器の電圧リミット値にクランプする
処理を行なわせる。
細に説明する。 (本発明を実施するための構成例)図1は、本発明の電
流制御方法を実施するときのブロック線図である。図1
のブロック線図は前記図14に示した従来のACサーボ
モータのd−q変換による制御ブロック線図において、
電圧飽和処理ブロック10とq相電流指令補正ブロック
11の点で相違している。図1に示すブロック線図は以
下のような構成となっている。d相の電流指令Idを
「0」とし、q相の電流指令Iqを速度ループから出力
されるトルク指令とし、3相電流から2相電流へ変換す
る手段9において、ACサーボモータMの各u,v,w
相の実電流(いずれかから2相を検出すればよい)及び
ロータ位置検出器で検出されたロータの位相θをd−q
変換してd相電流Id,q相電流Iqを求め、さらに上
記各相指令値Id,Iqからこのd相電流Id,q相電
流Iqを減じてd相,q相の電流偏差を求め、この電流
偏差を積分器12d,12q及び積分ゲインがk1の積
分ゲインブロック13d,13qと、比例ゲインがk2
の比例ブロック14d,14qによって比例積分制御を
行ない、d相指令電圧Vd,q相指令電圧Vqを求め
る。なお、この積分器12,積分ゲインブロック13,
比例ブロック14は電流制御器を構成している。
0は前記電流制御器に次に設けられるブロックであり、
d相指令電圧Vd,q相指令電圧Vq、さらにトルク指
令及びACサーボモータMの速度ωを入力信号としてい
る。電圧飽和処理ブロック10は電圧指令が飽和したか
否かの判定及びモータが減速中であるかあるいは加速中
であるかの判定を行なう機能を備えたブロックである。
この中、電圧飽和の判定は、例えば次式(7)で示され
る条件によって行なうことができる。 Vq2 +Vq2 >Vlimit2 …(7) なお、Vlimitは電圧リミット値である。また、モ
ータの加減速の判定は、例えばω・Iq*の正負の判定
によって行なうことができる。なお、ωはモータの速度
であり、Iq*はq相のトルク指令値(q相電流指令
値)である(以下、q相電流指令値をIq*によって表
す)。
態でかつ減速の場合にはその結果をq相電流指令補正ブ
ロック11に知らせる。このq相電流指令補正ブロック
11は、3相電流から2相電流へ変換する手段9から得
られたd相電流Idをq相電流指令値に加える機能を備
えるブロックであり、例えば、以下の式(8),(9)
に示される補正値Icを演算して加算しq相電流指令値
Iq*を変更するものである。 Iq*≧0 Ic=k・Id Iq*≦0 Ic=−k・Id …(8) Iq*←Iq*+Ic …(9) なお、kは補正係数である。
飽和状態の場合において電流制御器の積分項12,13
の値sumd,sumqを書換えを行なう。この書換え
は、加速状態か減速状態かに応じて相違している。積分
項12,13値sumd,sumqは、加速及び減速に
応じて例えば以下の式(10)に示される値に書き替え
られる。 (加速時) sumq=(Vq+k2・Iq)/k1 (減速時) sumq=(Vq+k2・Iq)/k1 sumd=(Vd+k2・Id)/k1 …(10) また、電圧指令についても電圧リミット値にクランプす
る。
手段8は、電圧飽和処理ブロック10で飽和処理された
2相の指令電圧Vd,VqからU,V,W相の指令電圧
Vu,Vv,Vwを求め、電力増幅器6に出力してイン
バータ等でサーボモータの各相に対して電流Iu,I
v,Iwを流してサーボモータMの制御を行なう。
実施例の作用について説明する。 (A)加速時(速度は正方向) (1)q相電流指令補正処理 電圧飽和処理ブロック10において、電圧飽和状態でか
つ減速の場合にはその結果がq相電流指令補正ブロック
11に知らせられてq相電流指令補正処理が行なわれる
が、加速時には、q相電流指令補正ブロック11に対し
て該ブロックを駆動する信号は出力されず、q相電流指
令は速度ループから入力されたトルク指令をそのまま使
用することになる。
と同じ向きのd相電流を「0」とし、d相電流Idと直
交するq相電流Iqをトルク指令に追従させるよう制御
するため、Id=0,Iq>であり、正方向に回転しか
つ加速時であるためロータの角速度ωは正である。した
がって、前記式(4)によるd相電圧とq相電圧をベク
トル図で表すと図2となる。このd相電圧Vdとq相電
圧Vqの構成ベクトル電圧Vcが電圧リミット値Vli
mitを超えた場合に、この合成ベクトルVcの位相を
変えずに、大きさをVlimitとした電圧Vc’に変
換して、指令電圧のクランプを行なうと、この関係は以
下の式(11),(12)によって表すことができる。 Vd=Vlimit・sinθ …(11) Vq=Vlimit・cosθ …(12) なお、位相θはtanθ=Vd/Vqの関係にある。
調整するため、積分器に対して飽和処理を行なう必要が
ある。合成電圧Vcが電圧リミット値Vlimitを超
えていない場合におけるd相電圧及びq相電圧と電流
(ただしId=0)の関係は図3で表される。ここで、
d相電圧及びq相電圧が上昇して合成電圧Vcが電圧リ
ミット値Vlimitを超えてクランプされると、q相
電流Iqによってd相電圧Vd側に(−ωL・Iq)の
負電圧が生ずるが、d相電圧Vdはクランプされている
ためこの(−ωL・Iq)の達することができず、図4
に示すように正のd相電流が流れ、q相電圧Vqは(ω
L・Id)が付加されて Vq=ωΦ+Z・Iq+ωL・Id …(13) となり、q相電圧Vqは増加することになる。
ると、d相電流Idの増加に従ってd相電圧Vdは減少
し、q相電圧Vqが増加することを示し、図2の破線で
示す合成ベクトル電圧Vc”の方向に位相θが減少する
ことになる。d相電流Idの増加し位相θが遅れると発
生トルクが減少することになる。そこで、この実施例で
は、q相の積分器の値を書き替えることによってd相電
流Idの増加の防止を行なう。
中に示したように、q相の積分項の値sumqを(Vq
+k2・Iq)/k1に書き替えることにより、このq
相の積分器の値を書き替えとクランプとを行なうことが
できる。図1において、電圧飽和時にq相の積分項の値
sumqを(Vq+k2・Iq)/k1に書き替える
と、電流制御器から得られる出力はVqとなり、積分器
の飽和処理を行なうとともに指令電圧をクランプするこ
とができる。
圧飽和状態でかつ減速の場合にはその結果がq相電流指
令補正ブロック11に知らせられ、q相電流指令補正処
理が行なわれる。q相電流指令補正ブロック11では、
該知らせに応じて、前記式(8),(9)の演算を行な
って、q相電流指令Iq*に補正値Ic(=sign
(Iq*)k・Id)を加えて(Iq*+Ic)とす
る。d相電流Idを使用してq相電流指令Iq*を小さ
くすることによってq相電流Iqの増加は抑制されるこ
とになる。したがって、電圧飽和時の減速時における電
流増加は抑えられ、これによって、電力増幅器の破損や
モータの減磁作用が阻止されることになる。なお、この
とき、補正係数kを調整することによって、q相電流指
令Iq*の補正の程度を調節することができる。
Id=0,Iq<0,ω>0であるから、前記式(4)
によるd相電圧とq相電圧をベクトル図で表すと図5と
なる。なお、図5の(b)はd相電圧Vdを示し、図5
の(a)は|Z・Iq|>|ωΦ|の場合のq相電圧V
q(<0)を示し、図5の(c)は|Z・Iq|<|ω
Φ|の場合のq相電圧Vq(>0)を示している。ここ
で、高速回転時のq相電圧Vqは、|Z・Iq|<|ω
Φ|となるから図5の(c)で示される。この状態で、
d相電圧Vdがクランプされると図6の(a)に示すよ
うにd相電流Idが流れることになり、これにともなっ
て、q相電圧Vqは図6の(b)に示すように減少す
る。したがって、d相電流の増加に従って、d相電圧V
d,q相電圧Vqは減少することになる。このことは、
指令電圧のベクトル位相に変化は生じないことを意味し
ている。
積分器の値を書き替えることによってd相電流Idの増
加の防止を行なう。この実施例では、例えば、前記式
(10)中に示したように、d相の積分項の値sumd
を(Vd+k2・Id)/k1に書き替え、q相の積分
項の値sumqを(Vq+k2・Iq)/k1に書き替
えることにより、このd相,q相の積分器の値を書き替
えとクランプとを行なうことができる。図1において、
電圧飽和時にd相の積分項の値sumdを(Vd+k2
・Id)/k1に書き替え、q相の積分項の値sumq
を(Vq+k2・Iq)/k1に書き替えると、電流制
御器から得られる出力はそれぞれVd,qとなり、積分
器の飽和処理を行なうとともに指令電圧をクランプする
ことができる。
モータの構成例)図8は、本発明の実施例を適用したサ
ーボモータ制御系のブロック図であり、その構成は従来
のデジタルサーボ制御を行なう装置と同一の構成である
ため、概略的に示している。図8において、20はコン
ピュータを内蔵した数値制御装置(CNC)、21は共
有RAM、22はプロセッサ(CPU),ROM,RA
M等を有するデジタルサーボ回路、23はトランジスタ
インバータ等の電力増幅器、MはACサーボモータ、2
4はACサーボモータMの回転とともにパルスを発生す
るエンコーダ、25はロータ位相を検出するためのロー
タ位置検出器である。図7は上記デジタルサーボ回路2
2のプロセッサが所定周期毎に実施する電流ループ制御
処理のフローチャートである。デジタルサーボ回路22
のプロセッサは、数値制御装置(CNC)から指令され
た位置指令(もしくは速度指令)を共有RAM21を介
して読み取り位置ループ処理,速度ループ処理を行な
う。
トルク指令Iq*を読むとともに(ステップS1)、ロ
ータ位置検出器25からロータ位相θを取り込む(ステ
ップS2)。次に、電流検出器で検出されるU相,V相
の実電流Iu,Ivを取込み(ステップS3)、取り込
んだU相,V相の実電流Iu,Ivとロータ位相θより
前記式(6)の演算を行なってd相,q相の電流Id,
Iqを算出し(ステップS4)該d相電流Idをフィー
ドバック電流とし、d相電流指令を「0」として、通常
の電流ループ処理(比例積分制御)を行いd相指令電圧
Vdを求める。また、ステップS1で読み取ったトルク
指令をq相の電流指令とし、ステップS4で算出したq
相の電流値Iqをフィードバック電流として電流ループ
処理を行ってq相の電圧指令Vqを求める(ステップS
5)。
令電圧Vd,Vqの合成ベクトルVcがクランプ電圧で
ある電圧リミット値Vlimitを超えるか否かの判定
を行なう。すなわち、(Vd2 +Vq2 )の値がVli
mit2 の値より大きいか否かの判定を行なう(ステッ
プS6)。合成ベクトルVcが電圧リミット値Vlim
itを超えない場合には、ステップS13に進んで、ス
テップS5で算出したd相,q相の電圧を指令電圧と
し、該電圧をd−q変換してU,V,W相の電圧指令値
を求め出力する(ステップS13)。また、ステップS
6において、合成ベクトルVcが電圧リミット値Vli
mitを超えている場合には、ω・Iqの符号によって
加速状態であるかあるいは減速状態であるかの判定を行
なう(ステップS7)。
回転し(ω>0),トルク指令Iq*が正の場合、ある
いはモータが負方向に回転し(ω<0),トルク指令I
q*が負の場合であって加速状態の場合には、ステップ
S9に進んで比例積分制御を行なってd相電圧Vd及び
q相電圧Vqを算出する(ステップS9)。また、ステ
ップS7の判定で、モータが正方向に回転し(ω>
0),トルク指令Iq*が負の場合、あるいはモータが
負方向に回転し(ω<0),トルク指令Iq*が正の場
合であって減速状態の場合には、ステップS8において
q相電流指令補正の処理を行なう。q相電流指令補正の
処理は、ステップS4で求めたd相電流Idに係数kを
乗じたId・kをIq*の符号に応じてトルク指令Iq
*に加えることによって行なうことができる。その後、
このq相電流指令補正を行なったq相電流をステップS
9の比例積分制御によりd相電圧Vd及びq相電圧Vq
を算出する。
したステップS10〜ステップS12からなる電圧飽和
処理を行なう。電圧飽和処理では、減速時及び加速時に
おいてq相の積分項sumqを(Vq+k2・Iq)/
k1に書換え(ステップS10)、加速時においてのみ
(ステップS11)d相の積分項sumdを(Vd+k
2・Id)/k1に書換える(ステップS12)。な
お、ステップS11の判定は、前記ステップS7におけ
る判定と同様にモータ速度ωの符号とトルク指令Iq*
の符号によって判定することができる。前記工程によっ
て得られたd相電圧Vdとq相電圧Vqを前記式(5)
に示すd−q変換によってU,V,W相の電圧指令値を
算出して出力し(ステップS13,ステップS14)、
当該周期の電流ループ処理を終了する。
の実施例によるシミュレーション結果を示すものであ
り、図10の(b)は図9に示すような−5000rp
mから5000rpmまでのステップ加減速を印加した
場合の電流値を表している。図10の(b)に示す電流
では、電流リミット内に制御されている。これに対し
て、図10の(a)は従来の制御方式によるシミュレー
ション結果であり、電流リミットオーバーが生じている
ことを示している。なお、図9中に示すa,b,cは図
10中に示すa,b,cと対応している。
電圧飽和状態における減速時の電流の増大を抑制するA
Cサーボモータの電流制御方法を提供することができ
る。
ク線図である。
である。
る。
相,q相電圧の説明図である。
る。
相,q相電圧の説明図である。
施する電流ループ処理のフローチャートである。
ク図である。
示す図である。
を示す図である。
制御系のブロック線図である。
を別々に制御する電流ループ処理の詳細図である。
のブロック図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ACサーボモータの駆動電流とロータ位
相とからd−q変換によって磁界の作る磁束方向のd相
電流を求め、該d相電流が零となるように制御を行なう
ACサーボモータの電流制御方法において、指令電圧値
が電力増幅器の制限を超える電圧飽和状態であって減速
時には、d相電流を使用してq相電流指令を小さくする
ことを特徴とするACサーボモータの電流制御方法。 - 【請求項2】 前記電圧飽和状態において、電流ループ
における電流指令の積分項の値を変更し、電圧リミット
値にクランプした電圧指令を出力することを特徴とする
請求項1記載のACサーボモータの電流制御方法。 - 【請求項3】 前記ACサーボモータの電圧飽和はd相
電圧とq相電圧を成分とするベクトルの大きさが電力増
幅器の電圧リミット値を超えたことにより検知すること
を特徴とする請求項1,又は2記載のACサーボモータ
の電流制御方法。 - 【請求項4】 前記ACサーボモータの減速はモータの
回転とq相電流指令の極性により検知することを特徴と
する請求項1,又は2記載のACサーボモータの電流制
御方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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