JPH08182319A - 高電圧発生装置 - Google Patents

高電圧発生装置

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JPH08182319A
JPH08182319A JP32519994A JP32519994A JPH08182319A JP H08182319 A JPH08182319 A JP H08182319A JP 32519994 A JP32519994 A JP 32519994A JP 32519994 A JP32519994 A JP 32519994A JP H08182319 A JPH08182319 A JP H08182319A
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知之 菊田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 余分な重複構成部材の採用を抑制しつつ、コ
ンデンサを有効に活用して2種類の高電圧を適正に発生
させるようにした高電圧発生装置を安価に提供すること
を目的とする。 【構成】 コンデンサ50が高周波トランス30の2次
側コイル37及びコンデンサ40と共に直列共振回路を
構成する。このため、この直列共振回路の共振による高
周波トランス30の自励発振のもとに、コンデンサ40
が共振電圧を発生する。このとき、電極41には、負の
共振電圧が現れ、一方、電極42には、正の共振電圧が
現れる。従って、両ダイオード60、70がコンデンサ
40の電極41からの共振電圧を倍電圧全波整流して負
の高電圧を発生する。一方、両ダイオード80、90が
コンデンサ100を介してコンデンサ40の電極42か
ら共振電圧を受けて倍電圧全波整流し正の高電圧を発生
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高電圧発生装置に係
り、特に、静電アクチュエータ等に採用するに適した高
電圧発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の高電圧発生装置において
は、例えば、特開昭60−259770号公報にて示さ
れているように、発振回路、コンデンサ及び圧電素子に
より直列共振回路を構成し、この直列共振回路の共振周
波数にて圧電素子を発振回路の発振作用のもとに共振さ
せて、圧電素子とコンデンサとの共通端子から共振電圧
を発生させ、かつこの共振電圧をダイオードにより倍電
圧半波整流して高電圧を発生させるようにしたものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
高電圧発生装置においては、接地電位に対し、正及び負
の2種類の高電圧を発生させるようにしたいという要請
がある。しかし、この要請に応えるためには、通常、正
及び負の各高電圧の発生に対し、圧電素子及び発振回路
をそれぞれ一組ずつ採用しなければならない。従って、
このような構成では、同一部品の重複採用を招き、構成
が複雑になり、製造コストが高くなるという不具合を生
ずる。
【0004】また、上述のような高電圧発生装置のまま
では、ダイオードによる半波整流により倍電圧を発生で
きても、圧電素子からの共振電圧の取り出し端子が単一
のため、全波整流による倍電圧方式を採用することは困
難である。その結果、半波整流のままでは、全波整流に
場合に比べて、半減した高電圧しか得られないという不
具合がある。
【0005】また、上述のような高電圧発生装置では、
直列共振回路の共振素子として採用されている圧電素子
では、その圧電振動子の保持方法に特別な工夫が必要で
ある。このため、圧電素子の部品コストが高くなり、そ
の結果、高電圧発生装置がコスト高になるという不具合
がある。以上のことに対し、本発明者等は、上記直列共
振回路における共振素子として、圧電素子に代えてコン
デンサを採用し、このコンデンサの両電極から正負の両
共振電圧を直接取り出すことにつき検討してみた。
【0006】しかし、このような共振電圧の取り出し方
法によると、発振回路の発振エネルギー中の直流成分ま
で取り出されてしまう。このため、上記直列共振回路の
共振に必要な直流レベルがシフトし、その結果、上記直
列共振回路の共振現象を適正には維持できないことが分
かった。一方、上記コンデンサの共振電圧の上記取り出
し電極とは異なる電極から他のコンデンサを通して共振
電圧を取り出すようにした場合、発振回路の発振エネル
ギー中の直流成分の取り出しが、他のコンデンサにより
阻止され、発振エネルギー中の交流成分のみの取り出し
が可能であることが分かった。そして、これにより、上
記直列共振回路の共振を適正に維持し得ることが分かっ
た。
【0007】そこで、本発明は、以上のようなことに対
処すべく、余分な重複構成部材の採用を抑制しつつ、コ
ンデンサを有効に活用して2種類の高電圧を適正に発生
させるようにした高電圧発生装置を安価に提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、発振手段(2
0、20A、30、30A)及び第1コンデンサ(5
0)と共に直列共振回路を構成する第2コンデンサ(4
0)と、発振手段(20、20A、30、30A)から
の発振電圧に応じた前記直列共振回路の共振に伴い第2
コンデンサ(40)の第1コンデンサ(50)側電極
(41)から共振電圧を受けて倍電圧全波整流し高電圧
として発生する第1の倍電圧全波整流手段(60、7
0)と、第2コンデンサ(40)の発振手段(20、2
0A、30、30A)側電極(42)からの共振電圧を
第3コンデンサ(100)を通し受けて倍電圧全波整流
し高電圧として発生する第2の倍電圧全波整流手段(8
0、90)とを備える高電圧発生装置が提供される。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の高電圧発生装置において、発振手段(20、
20A、30、30A)が、前記直列共振回路の共振に
伴いスイッチングするスイッチング回路(20)と、段
付き柱状コア(31)と、第2コンデンサ(40)と第
3コンデンサ(100)との間と結線する巻き始め端子
を最内周とし、コア(31)の中央小径部(31a)の
外周を巻装する2次側コイル(37)と、この2次側コ
イルの外周を巻装する1次側コイル(36)とを有し、
この1次側コイルにてスイッチング回路(20)により
スイッチング駆動されて2次側コイル(37)を発振さ
せ、前記発振電圧を発生する高周波トランス(30)と
を備えることを特徴とする。
【0010】また、請求項3に記載の発明では、請求項
1に記載の高電圧発生装置において、発振手段(20、
20A、30、30A)が、前記直列共振回路の共振に
伴い互いに逆位相にてスイッチングする一対のスイッチ
ング回路(20A)と、段付き柱状コア(31)と、第
2コンデンサ(40)と第3コンデンサ(100)との
間と結線する巻き始め端子(37a)を最内周とし、コ
ア(31)の中央小径部(31a)の外周を巻装する2
次側コイル(37)と、この2次側コイルの外周を互い
に逆向きに磁束を形成するように巻装する一対の1次側
コイル(36、36a)とを有し、これら1次側コイル
にて一対のスイッチング回路(20A)の逆位相のスイ
ッチングにより駆動されて2次側コイル(37)を発振
させ、前記発振電圧を発生する高周波トランス(30
A)とを備えることを特徴とする。
【0011】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1乃至3のいずれかに記載の高電圧発生装置におい
て、第1及び第2の倍電圧全波整流手段(60、70、
80、90)が、互いに異極性の高電圧を発生すること
を特徴とする。なお、上記各手段及び要素のカッコ内の
符号は、後述する実施例記載の具体的手段及び要素との
対応関係を示すものである。
【0012】
【発明の作用効果】上記請求項1に記載の発明によれ
ば、第2コンデンサが、発振手段及び第1コンデンサと
共に直列共振回路を構成する。そして、第1の倍電圧全
波整流手段が、発振手段からの発振電圧に応じた前記直
列共振回路の共振に伴い第2コンデンサの第1コンデン
サ側電極から共振電圧を受けて倍電圧全波整流し高電圧
として発生する。また、第2の倍電圧全波整流手段が、
第2コンデンサの発振手段側電極からの共振電圧を第3
コンデンサを通し受けて倍電圧全波整流し高電圧として
発生する。
【0013】かかる場合、第1乃至第3のコンデンサが
互いに独立しているので、発振手段の発振エネルギーの
直流成分が第1及び第2のコンデンサにより両倍電圧整
流手段から遮断される。従って、上記直列共振回路の共
振を適正に維持しつつ、第2コンデンサのの第1コンデ
ンサ側電極及び発振手段側電極から共振電圧をそれぞれ
同時に取り出すことができる。
【0014】このため、これら共振電圧に対する各倍電
圧全波整流手段による倍電圧全波整流が可能となり、こ
れら倍電圧全波整流に基づき、上記各共振電圧を適正な
高電圧として得ることができる。その結果、この種の高
電圧発生装置において、直列共振回路にて通常採用され
る圧電素子に代えてコンデンサを採用することにより、
圧電素子に固有の不具合を確実に解消して部品コストの
軽減を図りつつ、2種類の高電圧を同時に発生させるこ
とができる。
【0015】また、請求項2に記載の発明によれば、発
振手段のスイッチング回路が前記直列共振回路の共振に
伴いスイッチングし、高周波トランスが、その1次側コ
イルにてスイッチング回路によりスイッチング駆動され
て2次側コイルを発振させ、前記発振電圧を発生する。
ここで、2次側コイルが、第2コンデンサと第3コンデ
ンサとの間と結線する巻き始め端子を最内周とし、段付
き柱状コアの中央小径部の外周を巻装しており、1次側
コイルが2次側コイルの外周を巻装している。従って、
最も高電圧の巻き始め端子のコイル部分がこれよりも電
圧の低いコイル部分及び段付き柱状コアの中央小径部の
表面により覆われることになる。
【0016】その結果、2次側コイルから結果として2
種類の高電圧を取り出すにもかかわらず、単一の2次側
コイルで済むとともに、この2次側コイルとして耐高電
圧性のものを採用しないで済む。また、請求項3に記載
の発明によれば、発振手段の一対のスイッチング回路が
前記直列共振回路の共振に伴い互いに逆位相にてスイッ
チングし、高周波トランスが、その一対の1次側コイル
にて一対のスイッチング回路の逆位相のスイッチングに
より駆動されて2次側コイルを発振させ、前記発振電圧
を発生する。
【0017】ここで、2次側コイルが、第2コンデンサ
と第3コンデンサとの間と結線する巻き始め端子を最内
周とし、段付き柱状コアの中央小径部の外周を巻装して
おり、一対の1次側コイルが2次側コイルの外周を巻装
している。従って、最も高電圧の巻き始め端子のコイル
部分がこれよりも電圧の低いコイル部分及び段付き柱状
コアの中央小径部の表面により覆われることになる。
【0018】その結果、2次側コイルから結果として2
種類の高電圧を取り出すにもかかわらず、単一の2次側
コイルで済むとともに、この2次側コイルとして耐高電
圧性のものを採用しないで済む。また、一対の1次コイ
ルは、互いに逆向きに磁束を形成するように2次側コイ
ルに巻装されている。このため、2次側コイルが単一の
1次側コイルの出力電圧の2倍の電圧を発生する。
【0019】従って、この2倍の出力電圧のもとに上記
直列共振回路が共振し第2コンデンサの共振電圧が両倍
電圧整流回路を通して2種類の高電圧として取り出され
る。かかる場合、上述のごとく、2次側コイルの出力電
圧が単一の1次側コイルの出力電圧の2倍となっている
ため、両1次コイルへの入力電圧が低下しても、適正な
2種類の高電圧を確保することが可能である。
【0020】また、請求項4に記載の発明によれば、第
1及び第2の倍電圧全波整流手段が、互いに異極性の高
電圧を発生する。これにより、正及び負の両高電圧を単
一の高電圧発生装置から取り出すことができる。その結
果、正及び負の双方の高電圧を駆動電圧として必要とす
る静電アクチュエータ等のための有益な高電圧発生装置
の提供が可能となる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1及び図2を
参照して説明する。図1は、本発明に係る高電圧発生装
置が静電アクチュエータ10に適用された例を示してい
る。静電アクチュエータ10は、高電圧発生装置から後
述のように発生する正及び負の高電圧を同時に受けて車
両のサンバイザ等の透光量を調整する。
【0022】高電圧発生装置は、トランジスタ回路20
と、このトランジスタ回路20に接続した高周波トラン
ス30とを備えている。トランジスタ回路20は、トラ
ンジスタ21を備えており、このトランジスタ21は、
そのベースにて、抵抗22を介し直流電源の正側端子+
Bに接続されるようになっている。また、このトランジ
スタ21のベースは、コンデンサ23を介し後述する両
コンデンサ40、50の間に接続されている。なお、ト
ランジスタ21のエミッタは接地してある。
【0023】高周波トランス30は、図2にて示すごと
く、段付き円柱状フェライトコア31を備えており、こ
のフェライトコア31は、小径中央部31aの軸方向両
端に両大径端部31b、31cを一体に形成して構成さ
れている。但し、小径中央部31aは、その軸方向両端
から両大径端部31b、31cの各外周面に向け傾斜し
て形成されている。また、大径端部31cの軸方向端面
には、四本のロッド状電極32乃至35がその基部にて
埋め込まれている。
【0024】2次側コイル37はフェライトコア31の
小径中央部31a外周を巻装しており、この2次側コイ
ル37の巻き始め端子37aが電極32に結線され、2
次側コイル37の巻き終わり端子が電極33に結線され
ている。また、2次側コイル37の外周面には、1次側
コイル36が巻装されており、この1次側コイル36
は、その巻き始め端子にて、電極34に結線されるとと
もに、抵抗22を通してトランジスタ21のベースに接
続されている。一方、1次側コイル36の巻き終わり端
子は、電極35に結線されるとともに、トランジスタ2
1のコレクタに接続されている。なお、2次側コイル3
7の巻き回数は1次側コイル36の巻き回数の18倍と
なっている。
【0025】コンデンサ40は、図1にて示すごとく、
その負側電極41にてコンデンサ23を通してトランジ
スタ21のベースに接続されており、このコンデンサ4
0の正側電極42は高周波トランス30の2次側コイル
37を通して接地されている。なお、2次側コイル37
の巻き始め端子37aは、コンデンサ40とコンデンサ
100との間と結線し、フェライトコア31の最内周に
位置する。
【0026】コンデンサ50は、高周波トランス30の
2次側コイル37及びコンデンサ40と共に直列共振回
路を構成するもので、このコンデンサ50は、その一端
にて接地され、その他端にてコンデンサ40の負側電極
41に接続されている。以上のような構成によれば、上
記直列共振回路が、その共振周波数でもって、コンデン
サ23を介しトランジスタ21をスイッチングさせる。
これにより、高周波トランス30が、トランジスタ21
のスイッチングに応答して自励発振し、1次側コイル3
6に生ずる直流電圧を2次側コイル37から高周波電圧
として出力させる。このことは、コンデンサ40が上記
高周波電圧に基づき共振し共振電圧を発生することを意
味する。
【0027】両ダイオード60、70は、コンデンサ4
0と共に倍電圧全波整流回路を構成するもので、ダイオ
ード60は、そのアノードにて接地され、一方、そのカ
ソードにてコンデンサ40の負側電極41に接続されて
いる。また、ダイオード70は、そのアノードにてコン
デンサ40の負側電極41に接続されている。ここで、
ダイオード60のカソード及びダイオード70のアノー
ドは、両コンデンサ40、50により、高周波トランス
30の2次側コイル37から直流的に遮断されている。
【0028】これにより、両ダイオード60、70は、
コンデンサ40の共振電圧を倍電圧全波整流し負の高電
圧としてダイオード70のカソードから出力する。ま
た、両ダイオード80、90は、両コンデンサ40、1
00と共に倍電圧全波整流回路を構成するもので、ダイ
オード80は、そのカソードにて接地され、一方、その
アノードにてコンデンサ100を通してコンデンサ40
の正側電極42に接続されている。また、ダイオード9
0は、そのカソードにてコンデンサ100を通してコン
デンサ40の正側電極42に接続されている。
【0029】これにより、両ダイオード80、90は、
コンデンサ100を通して圧電素子40の共振電圧を受
け倍電圧全波整流し正の高電圧としてダイオード90の
アノードから出力する。本実施例において、上述したコ
ンデンサ100は、ダイオード80のアノード及びダイ
オード90のカソードを高周波トランス30の2次側コ
イル37から直流的に遮断する役割を果たす。このた
め、高周波トランス30の2次側コイル37とコンデン
サ40の正側電極42との共通接続点に生ずる発振エネ
ルギーのうち直流成分以外の交流成分のみがコンデンサ
100を通して両ダイオード80、90側に取り出され
る。
【0030】このように構成した本実施例においては、
コンデンサ50が高周波トランス30の2次側コイル3
7及びコンデンサ40と共に直列共振回路を構成する。
このため、この直列共振回路の共振による高周波トラン
ス30の自励発振のもとに、コンデンサ40が共振電圧
を発生する。このとき、電極41には、負の共振電圧が
現れ、一方、電極42には、正の共振電圧が現れる。
【0031】従って、両ダイオード60、70がコンデ
ンサ40の電極41からの共振電圧を倍電圧全波整流し
て負の高電圧を発生する。一方、両ダイオード80、9
0がコンデンサ100を介してコンデンサ40の電極4
2から共振電圧を受けて倍電圧全波整流し正の高電圧を
発生する。この場合、高周波トランス30の発振エネル
ギーのうち直流成分が、各コンデンサ40、50、10
0により、各ダイオード60乃至90から遮断される。
このため、上記直列共振回路の共振現象を適正に維持し
た状態にて、コンデンサ40の共振電圧が電極41を通
して適正に取り出されるとともに、電極42及びコンデ
ンサ100を通して適正に取り出される。従って、両倍
電圧全波整流回路による正及び負の各高電圧の適正な取
り出しが可能となる。
【0032】このように、コンデンサのみを利用した高
電圧発生装置によれば、圧電素子に固有の不具合を伴う
ことなく、正及び負の高電圧を発生させることができ
る。ここで、正負2種類の高電圧を発生させるにあた
り、高周波トランス30の単一の2次側コイル37の発
振出力を利用することになるが、高電圧になるのは2次
側コイル37の巻き始め端子32のみである。さらに、
フェライトコア31における両コイル36、37の電圧
分布は、小径中央部31aの表面近傍で最も高い電圧と
なり、外方に向けて順次低い電圧となるようになってい
る。また、小径中央部31aが、上述のごとく、その軸
方向両端から両大径端部31b、31cの各外周面に向
け傾斜して形成されているので、隣接するコイル部分間
の電位差を小さくできる。
【0033】従って、両コイル36、37のうちの高電
圧部分は、これよりもやや低い電圧部分に相当するコイ
ル部分とフェライトコア31の小径中央部31aの表面
とにより覆われることとなる。このため、耐高電圧性に
優れた巻線を2次側コイルとして使用しなくても、高電
圧を取り出すための高周波トランス30を構成すること
ができ、このような高周波トランスを有効に活用して、
上述した正負2種類の高電圧を発生させることができ
る。
【0034】なお、本第1実施例における高電圧発生装
置の入出力電圧特性は図3にて示すごとく得られた。こ
れによれば、正負両側にて、例えば、9Vの入力電圧に
対し負荷抵抗1MΩ時で600Vの出力電圧が得られ
た。次に、本発明の第2実施例を図4及び図5を参照し
て説明すると、この第2実施例においては、上記第1実
施例にて述べたトランジスタ回路20及び高周波トラン
ス30に代えて、トランジスタ回路20A及び高周波ト
ランス30Aを採用したことにその構成上の特徴があ
る。
【0035】トランジスタ回路20Aは、図4にて示す
ごとく、トランジスタ回路20において、トランジスタ
24、発振起動用抵抗25及びコンデンサ26を付加的
に採用して構成されている。トランジスタ24は、その
コレクタにて接地されており、このトランジスタ24の
ベースは、抵抗25を通して接地されるとともに、コン
デンサ26を通してトランジスタ21のベースに接続さ
れている。
【0036】ここで、トランジスタ24は、そのベース
にて、コンデンサ26を介しトランジスタ21のベース
と同期して、このトランジスタ21のスイッチングとは
逆位相でスイッチングするようになっている。なお、ト
ランジスタ24は、トランジスタ21とコンパチブルな
特性をもつ。高周波トランス30Aは、図5にて示すご
とく、高周波トランス30において、1次側コイル36
aを付加的に採用して構成されており、この1次側コイ
ル36aは、1次側コイル36の外周に巻装されてい
る。但し、両1次側コイル36、36aは、その同時通
電により互いに逆向きの磁束を発生する方向に巻装され
ている。
【0037】ここで、1次側コイル36aは、その巻き
始め端子にて、大径端部31cの軸方向端面に埋め込ん
だロッド状電極39aに結線されるとともに、直流電源
の正側端子+Bに接続されるようになっている。一方、
1次側コイル36aの巻き終わり端子は、大径端部31
cの軸方向端面に埋め込んだロッド状電極39bに結線
されるとともに、トランジスタ24のエミッタに接続さ
れている。その他の構成は上記第1実施例と同様であ
る。
【0038】このように構成した本第2実施例において
は、トランジスタ回路20Aの両トランジスタ21、2
4が互いに逆位相のスイッチング特性を有するため、高
周波トランス30Aの両1次側コイル36、36aの一
方に電流が流れるとき他方の1次側コイルには電流が流
れない。但し、両1次側コイル36、36aは、上述の
ごとく、互いに逆向きの磁束を発生する方向に巻装され
ているため、2次側コイル37が単一の1次側コイルの
出力電圧の2倍の電圧を発生する。
【0039】従って、この2倍の出力電圧のもとに上記
直列共振回路が共振しコンデンサ40の共振電圧が上記
第1実施例と同様に両倍電圧整流回路を通して正負2種
類の高電圧として取り出される。この場合、上述のごと
く、2次側コイル37の出力電圧が単一の1次側コイル
の出力電圧の2倍となっているため、上記直流電源の出
力電圧が低下しても、適正な正負の高電圧を確保するこ
とが可能である。その他の作用効果は上記第1実施例と
同様である。
【0040】ちなみに、本第2実施例における高電圧発
生装置の入出力電圧特性を上記第1実施例における高電
圧発生装置の入出力電圧特性と比較してみたところ、図
6にて示す結果が得られた。ここで、図6の直線L1
は、上記第1実施例における高電圧発生装置の入出力電
圧特性を示し、一方直線L2は、本第2実施例における
高電圧発生装置の入出力電圧特性を示す。
【0041】これによれば、例えば、直線L1では、1
2Vの入力電圧に対し600Vの出力電圧となるのに対
し、直線L2では、12Vの入力電圧に対し1200V
の出力電圧となる。従って、本第2実施例の方が、上記
第1実施例に比べてより高い昇圧比が得られることが確
認できる。なお、本発明の実施にあたっては、上記各実
施例における両倍電圧整流回路からの正及び負の高電圧
の一方の極性を反転させて、共に、同一極性の高電圧と
して取り出すようにしてもよい。これにより、高周波ト
ランスから直流的に遮断した状態にて同一極性の2種類
の高電圧の発生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す回路構成図である。
【図2】図1の高周波トランスの断面図である。
【図3】上記第1実施例における入出力電圧特性図であ
る。
【図4】本発明の第2実施例を示す回路構成図である。
【図5】図4の高周波トランスの断面図である。
【図6】第1及び第2の実施例における入出力電圧の比
較特性図である。
【符号の説明】
20、20A・・・トランジスタ回路、30、30A・
・・高周波トランス、31・・・コア、31a・・・中
央小径部、36、36a・・・1次側コイル、37・・
・2次側コイル、40、50、100・・・コンデン
サ、41・・・負側電極、42・・・正側電極、60乃
至90・・・ダイオード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 秀俊 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ株式会 社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振手段及び第1コンデンサと共に直列
    共振回路を構成する第2コンデンサと、 前記発振手段からの発振電圧に応じた前記直列共振回路
    の共振に伴い前記第2コンデンサの前記第1コンデンサ
    側電極から共振電圧を受けて倍電圧全波整流し高電圧と
    して発生する第1の倍電圧全波整流手段と、 前記第2コンデンサの前記発振手段側電極からの共振電
    圧を第3コンデンサを通し受けて倍電圧全波整流し高電
    圧として発生する第2の倍電圧全波整流手段とを備える
    高電圧発生装置。
  2. 【請求項2】 前記発振手段が、 前記直列共振回路の共振に伴いスイッチングするスイッ
    チング回路と、 段付き柱状コアと、前記第2コンデンサと前記第3コン
    デンサとの間と結線する巻き始め端子を最内周とし、前
    記コアの中央小径部の外周を巻装する2次側コイルと、
    この2次側コイルの外周を巻装する1次側コイルとを有
    し、この1次側コイルにて前記スイッチング回路により
    スイッチング駆動されて前記2次側コイルを発振させ、
    前記発振電圧を発生する高周波トランスとを備えること
    を特徴とする請求項1に記載の高電圧発生装置。
  3. 【請求項3】 前記発振手段が、 前記直列共振回路の共振に伴い互いに逆位相にてスイッ
    チングする一対のスイッチング回路と、 段付き柱状コアと、前記第2コンデンサと前記第3コン
    デンサとの間と結線する巻き始め端子を最内周とし、前
    記コアの中央小径部の外周を巻装する2次側コイルと、
    この2次側コイルの外周を互いに逆向きに磁束を形成す
    るように巻装する一対の1次側コイルとを有し、これら
    1次側コイルにて前記一対のスイッチング回路の逆位相
    のスイッチングにより駆動されて前記2次側コイルを発
    振させ、前記発振電圧を発生する高周波トランスとを備
    えることを特徴とする請求項1に記載の高電圧発生装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の倍電圧全波整流手段
    が、互いに異極性の高電圧を発生することを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の高電圧発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104184318A (zh) * 2013-05-23 2014-12-03 海洋王(东莞)照明科技有限公司 可调式dc-dc升压变换器以及灯具

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