JPH08181015A - 磁気異方性ゴム結合型磁石及びその製造方法 - Google Patents

磁気異方性ゴム結合型磁石及びその製造方法

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JPH08181015A
JPH08181015A JP6337908A JP33790894A JPH08181015A JP H08181015 A JPH08181015 A JP H08181015A JP 6337908 A JP6337908 A JP 6337908A JP 33790894 A JP33790894 A JP 33790894A JP H08181015 A JPH08181015 A JP H08181015A
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rubber
magnetic
anisotropic
magnetic powder
rare earth
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JP6337908A
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Yoshinobu Motokura
義信 本蔵
Hiroshige Mitarai
浩成 御手洗
Koichi Maekawa
孝一 前川
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Aichi Steel Corp
Original Assignee
Aichi Steel Corp
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Publication date
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    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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    • H01F1/0558Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 pressed, sintered or bonded together bonded together

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気異方性希土類合金磁性粉末とゴムとから
なるゴム磁石であって、従来のゴム磁石と比べ、同程度
の磁性粉末の配合量或いは同程度の磁石の伸びである場
合に、その最大エネルギー積が大きく、優れた磁気特性
を有するゴム磁石を提供する。 【構成】 加硫可能な再生ゴムに所要量の加硫剤等を添
加して混合し、シート状に成形した後一次加硫し、この
加硫シートを粉砕して所要粒径の粉体とし、その後、こ
の粉体にNd−Fe−Co−Ga系の磁気異方性希土類
合金磁性粉末40体積%他を配合して混練し、この混練
物を温度及び磁界制御ができる成形用金型中に充填し、
100℃に昇温した後、20kOeの磁界を30秒間印
加して磁性粉末を配向させ、次いで、同温度で5分間加
熱、加圧して成形し、その後、180℃に昇温して加硫
し、磁気異方性ゴム結合型磁石を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気異方性を有する希
土類磁石合金粉末をゴムに配合し、磁場配向させること
により得られる、磁気特性に優れた磁気異方性ゴム結合
型磁石及びその製造方法に関する。本発明の磁気異方性
ゴム結合型磁石は、例えば曲面のある被装着面に脱着可
能であって、且つ大きな吸着力を有するため、そのよう
な特性を必要とする分野等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】ゴム結合型磁石は、ニトリルゴム等のゴ
ムに各種磁性粉末を配合し、磁性粉末の粒子間をゴムに
よって結合した構造となっている。そのため、同種の磁
性粉末を焼結して得られる磁石等に比べればその磁気特
性は劣っている。しかし、柔軟であって取り扱いが容易
であるとともに形状の自由度も高く、また、優れた磁気
特性を有する磁性粉末の開発とあいまってその利用分野
が拡がりつつある。
【0003】従来、ゴム磁石にはフェライト系磁性粉末
が多用されており、また、より磁気特性に優れた磁性粉
末として、磁気等方性の希土類磁性合金からなる粉末も
使用されている。しかし、フェライト系磁性粉末を使用
したゴム磁石の最大エネルギー積〔以下、(BH)ma
xと表記することもある。〕は、0.2〜5MGOe程
度であり、しかも5MGOe程度の高性能のゴム磁石と
するためには、磁性粉末の配合量を80体積%を越える
量とする必要があり、ゴムの割合が極端に低下するた
め、得られるゴム磁石の柔軟性が大きく低下し、ゴム磁
石特有の優位性が失われてしまう。また、希土類磁性合
金を使用した場合、磁気特性の向上はみられるが未だ十
分とはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
ゴム磁石の問題点を解決し、従来の磁性粉末に比べて相
対的に少量の配合によって、より優れた磁気特性が実現
され、しかも従来のゴム磁石と同等の柔軟性を有する場
合に、より優れた磁気特性を有するゴム磁石及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明の磁気異方性ゴ
ム結合型磁石は、ゴムと磁気異方性希土類合金磁性粉末
とを主成分とする磁気異方性ゴム結合型磁石であって、
上記磁気異方性希土類合金磁性粉末の配合量をV(体積
%)(上記ゴムと上記磁気異方性希土類合金磁性粉末と
の合計量を100体積%とする。)とした場合に、上記
磁気異方性ゴム結合型磁石の最大エネルギー積M(MG
Oe)は、(V2 /320)−1.8<M<(V2 /3
20)+1.8〔但し、M>0〕であることを特徴とす
る。
【0006】また、第2発明の磁気異方性ゴム結合型磁
石は、ゴムと磁気異方性希土類合金磁性粉末とを主成分
とする磁気異方性ゴム結合型磁石であって、上記磁気異
方性ゴム結合型磁石の引張伸びをL(%)とした場合
に、上記磁気異方性ゴム結合型磁石の最大エネルギー積
M(MGOe)は、−(4.7/20)L+16.8≦
M≦−(4.7/20)L+22.4〔但し、M>0〕
であることを特徴とする。
【0007】尚、図1は後記の各実施例及び比較例の磁
気異方性ゴム結合型磁石の、磁性粉末の配合量と(B
H)maxとの相関を表すグラフであり、図1中、M=
2 /320)−1.8の式で表される曲線と、M=
(V2 /320)+1.8の式で表される曲線との間で
あって、且つM>0の範囲が第1発明である。一方、図
2は、各実施例及び比較例の磁気異方性ゴム結合型磁石
の、伸びと(BH)maxとの相関を表すグラフであ
り、図2中、M=−(4.7/20)L+16.8の式
で表される直線と、M=−(4.7/20)L+22.
4の式で表される直線との間であって、且つM>0の範
囲が第2発明である。
【0008】更に、第6発明の磁気異方性ゴム結合型磁
石の製造方法は、粒状の未加硫ゴムと、磁気異方性希土
類合金磁性粉末とを主成分とする磁石原料を混練しつつ
該未加硫ゴムを液状化させ、その混練物を磁場中に置
き、磁界を印加して上記磁性粉末を配向させた後、又は
配向させつつ、所定形状に成形し、その後、雰囲気温度
を上昇させて成形体を加硫することを特徴とする。ま
た、第7発明の磁気異方性ゴム結合型磁石の製造方法
は、液状ゴムと、磁気異方性希土類合金磁性粉末とを主
成分とする磁石原料を混合し、その混合物を磁場中に置
き、磁界を印加して上記磁性粉末を配向させた後、又は
配向させつつ、所定形状に成形し、その後、架橋するこ
とを特徴とする。
【0009】上記「ゴム」は得られる磁石の用途等によ
り適宜選択することができ、天然ゴムの他、スチレン・
ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、
イソプレンゴム、エチレン・プロピレン共重合ゴム、エ
チレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム、ニトリルゴム
(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム、
ウレタンゴム及びアクリルゴム等の合成ゴムなどを使用
することができる。これらのゴムの中では、耐油性、耐
摩耗性及び耐老化性等に優れるニトリルゴムが多用され
る。これらゴムとしては「粒状」の「未加硫」のものが
使用されるが、加硫可能なように再生された再生ゴムを
使用することもできる。
【0010】また、ゴムとしては液状のものを使用する
こともでき、「液状ゴム」としては、液状SBR、液状
BR、液状ポリイソプレン、液状NBR、液状CR、液
状ポリサルファイド、液状ポリイソブチレン等が挙げら
れる。これら液状ゴムは、常温又は場合によって加熱す
ることにより架橋されゴム化するものである。
【0011】上記「磁気異方性希土類合金磁性粉末」を
得るための希土類合金磁性粉末としては、希土類元素R
1 −Co系磁性粉末、希土類元素R2 −Fe−B系磁性
粉末、及び希土類元素R3 −Fe−N系磁性粉末等が挙
げられる。ここで希土類元素R1 及びR3 はSmを含む
1種以上の希土類元素であり、希土類元素R2 はNdを
含む1種以上の希土類元素である。希土類元素R1 −C
o系磁性粉末としては、Sm−Co系磁性粉末及びSm
の一部をNd、Pr、Y、Ce、Dy等の単体又は合金
の1種或いは2種以上で置換したSm−Co系磁性粉
末、並びにSm−Co−Cu−Fe系において、Zr、
Hf、Ti等の1種又は2種以上を添加した磁性粉末な
どを使用することができる。
【0012】また、希土類元素R2 −Fe−B系磁性粉
末としては、Nd−Fe−B系磁性粉末、Ndの一部を
Dy、Pr、Y等の単体又は合金の1種或いは2種以上
で置換したNd−Fe−B系磁性粉末、及びNd−Fe
−B−Co系磁性粉末、この系にGa、Zr、Hf、A
l、Cu、Mn、Ti、Si等の単体又は合金の1種或
いは2種以上を添加した磁性粉末などを例示できる。更
に、希土類元素R3 −Fe−N系磁性粉末としては、S
m−Fe−N系磁性粉末、Sm−Fe−Co−N系磁性
粉末及びSm−Fe−V−N系磁性粉末などが挙げられ
る。
【0013】上記希土類合金磁性粉末は、例えば急冷凝
固法によって製造された磁性粉末を、熱間静水圧成形法
(HIP法)により成形し、固体状のバルク粉末を粉砕
することにより磁気異方性の磁性粉末とすることができ
る。また、水素処理法(HDDR法)によっても磁気異
方性の磁性粉末が得られ、この水素処理法によって得ら
れる磁気異方性磁性粉末は、塊状の結晶構造を有するも
のである。本発明では、これらいずれの粉末も磁気異方
性磁性粉末として使用することができる。
【0014】上記の磁気異方性を有する磁性粉末は、微
粉化処理によって一旦平均粒径100μm程度の粉末と
した後、所望粒径の粒体に造粒して使用することもでき
る。また、微粉化したものをそのまま使うこともでき、
そのような微粒子は磁界を印加された時に動き易く、磁
場方向に配向し易いため好ましい。
【0015】磁気異方性希土類合金磁性粉末のゴムへの
配合量は特に制限されず、用途、目的に応じて適宜決め
ればよいが、両成分の合計量を100体積%とした場合
に、10〜80体積%程度が実用的である。配合量が1
0体積%未満では磁気特性が十分でない場合があり、8
0体積%を越えるとゴム磁石特有の柔軟性が低下する。
また、この配合量は20〜60体積%、特に30〜50
体積%の範囲が好ましく、この配合量であれば、伸びも
十分であって柔軟性に優れ、且つ良好な磁気特性を有す
るゴム磁石が得られる。
【0016】ゴムと磁気異方性を有する磁性粉末とは通
常の混練機等によって混合することができる。この際、
加硫剤、加硫助剤、必要に応じてスコーチ防止剤、酸化
防止剤等を添加し、また、ゴムが固形の粒状である場合
は、両成分をより均一に分散させ、且つ磁場配向の際に
磁性粉末が容易に動き得るように、界面活性剤及びシラ
ンカップリング剤等を所要量配合することが好ましい。
尚、液状ゴムは一般に粘性が低く、磁性粉末の配向が容
易であるため、界面活性剤等の配合は特に必要としない
が、粒状ゴム同様界面活性剤等を配合することが好まし
い。また、磁性粉末の配向を容易にするために、その表
面に予め潤滑剤等が被覆された複合磁性粉末を使用する
こともできる。
【0017】本発明の磁気異方性ゴム結合型磁石の製造
は、磁性粉末を磁場中で配向させた後、又は配向させつ
つ、成形し、場合によっては更に同一装置によって加硫
することを特徴とする。成形装置としては、温度を制御
でき、且つ磁界を印加できる装置であればよく、金型を
使用した圧縮成形或いは加熱ロール等を使用することが
できる。以下、圧縮成形法を中心に図面によって説明す
る。
【0018】図3及び図4は、それぞれ縦磁場成形又は
横磁場成形ができる成形装置において、成形用金型が温
度制御機構を備え、所要温度に加熱して成形することが
できる。縦磁場成形は、リング状の成形体であってラジ
アル方向に配向する場合、或いは円柱状の成形体で軸方
向へ配向する場合に有用である。また、横磁場成形は、
立方体、直方体に配向させる場合、或いはリングの一軸
方向へ配向させる場合に有用である。
【0019】また、図5は、温度制御とともに減圧脱気
ができる成形装置であり、特に液状ゴム中の溶存空気等
を容易に排出するため、金型内を減圧状態にできる機構
を備えた装置である。これにより、粒状ゴムを用いる場
合であっても、同伴する空気等の気体が金型外へ排出さ
れるため、得られるゴム磁石中の気泡の発生が抑制され
る。更に、図6は、金型に超音波振動を加えることので
きる装置であり、10kOe以上の静磁場からなる磁界
を印加できる金型を用いることができる。また、図5
は、10kOe以上の静磁場又はパルス磁場、好ましく
は25kOe以上のパルス磁場からなる磁界を印加でき
る金型からなっている。
【0020】上記成形金型に、ゴムと磁性粉末及びその
他添加剤等からなる原料粉末を充填し、粒状ゴムの場合
は昇温してゴムを液状とした後、また、液状ゴムの場合
は加熱せず或いは必要に応じて加熱し、磁界を印加して
磁性粉末を配向させた後、又は配向させつつ、所要温度
で所定形状に成形し、その後、別途用意した加硫装置に
よって加硫してもよいし、配向、成形の後、そのまま雰
囲気温度を上昇させ、磁性粉末の配向、成形及び加硫を
連続的に行ってもよい。
【0021】本発明の方法では、磁場において原料粉末
に磁界を印加し、原料粉末中の磁性粉末の易磁化結晶軸
を配向させた後、又は配向させつつ、また、圧縮成形の
場合は、成形金型中で配向させた後、又は配向させつ
つ、ゴムの成形温度、例えば100℃程度の温度におい
て成形する。この場合、ゴム原料が粒状である場合は、
粒状ゴムの表面が軟化して粘性を増す前に配向させ、ゴ
ム原料が液状である場合は、ある程度昇温して液状ゴム
の粘度を低下させてから配向させることにより効率よく
配向処理をすることもできる。更に、金型中で配向処理
しなかった場合は、配向によって異方性が付与された原
料粉末を、適宜手段、例えば加熱ロール間を通過させる
等の手段によりシート状などの所望形状の成形体とする
ことができる。
【0022】得られた成形体の加硫は、金型を使用して
成形した場合は、金型の温度を成形温度から加硫温度、
例えば180℃程度にまで上昇させてそのまま実施して
もよく、一旦金型から成形体を取り出し、別途用意した
加硫釜等の中に静置或いは加硫管を通過させる等の手段
によって加硫してもよい。また、加熱ロールを使用して
成形した場合も、同様に加硫釜、加硫管等により加硫さ
せればよい。成形と加硫は連続的にインラインで行って
もよいし、加硫工程を配向処理、成形とは切り離して別
工程としてもよい。
【0023】原料粉末に磁界を印加して磁性粉末の磁気
方向を一定とするための配向処理においては、有効な配
向処理を実施するためには、磁界の印加によって磁性粉
末が容易に回転、移動できなければならない。本発明の
方法では、有効な配向処理を実施するためには、磁性粉
末の粒子径を10〜400μm、更に好ましくは25〜
150μm程度とし、加熱により液状のゴムの粘度が適
宜低下した状態で磁界を印加すればよい。
【0024】有効な配向処理を実施するためには、磁性
粉末が容易に動き得ることが必要であることは上記の通
りであるが、高い配向率を得るためにはより強い磁界を
印加することも有効である。しかし、高磁場を長時間印
加することは装置上からも容易ではないため、所要以上
の強い磁界を印加する必要はなく、磁性粉末の動き易さ
にもよるが、例えば磁性粉末の配合量が30体積%程度
までであれば10kOe前後、50体積%程度までであ
れば15kOe前後、また、80体積%でも20kOe
程度の強度の磁界を印加すれば十分である。
【0025】上記磁界の強度は印加時間との相関もある
が、磁性粉末の配合量と磁界強度が上記のような相関に
あれば、印加時間20秒〜1分、例えば30秒程度で有
効な配向が可能である。但し、磁界強度が10kOe未
満と低い場合は、1分を越えて長時間印加しても、たと
え配合量が30体積%程度までと少ない場合でも十分に
配向させることは難しく、少なくとも10kOeの強度
は必要である。また、上記の連続的な磁界の印加と異な
り、非連続的に磁界を印加するパルス方式の場合にも1
0kOe以上の磁界強度が必要である。
【0026】更に、磁性粉末の配向率を高めるために
は、磁界の印加と同時に、ゴムと磁性粉末他との混合物
に超音波振動を加えることが好ましい。超音波振動の振
動数は20〜50kHzの範囲が好ましく、20kHz
未満では特に混合物の粘度によっては十分な配向効果が
得られず、50kHzを越えると振幅が小さくなり、磁
性粉末等を振動させる効率が低下する。
【0027】また、金型を用いた圧縮成形法の場合、高
密度化による磁気特性の向上を図るため、磁界を印加し
ながら加圧して圧縮成形を行うことが好ましい。この圧
縮成形において圧力を高くするほど成形体密度の大きい
ゴム結合型磁石が得られるが、金型の寿命は短くなる。
本発明では成形圧力は2〜10トン/cm2 、好ましく
は4〜8トン/cm2 の範囲が好ましい。この圧力が2
トン/cm2 未満では成形体密度が小さく、磁気特性の
向上が十分ではなく、一方、10トン/cm2を越えて
高い場合は金型の寿命低下が著しく好ましくない。
【0028】ゴム結合型磁石の高密度化のためには、上
記のように成形圧力を高めるとともに、原料粉末に混入
している空気等の気体及び成形過程において発生するガ
ス等を脱気することが好ましい。脱気の方法としては、
原料粉末が加熱により流動状態になる前に低い圧力で仮
成形して脱気する方法、或いは流動状態の原料粉末から
脱気する方法等があるが、後者の方法は図5に示す成形
装置等によって実施することができる。
【0029】上記の原料粉末を仮成形して脱気する方法
は、原料粉末を成形用金型に充填した後、圧力0.5〜
2トン/cm2 の前記成形圧力に比べて比較的低い圧力
で圧縮することにより行うことができる。この圧力が
0.5トン/cm2 未満では脱気の効果がほとんど得ら
れず、2トン/cm2 を越えると仮成形の域を越え、成
形が進んで本成形工程で発生するガスを脱気することが
困難となり好ましくない。
【0030】また、流動状態の原料粉末から発生するガ
スは、磁界の印加によっても脱気することができ、例え
ば、ガスが磁性粉末の表面に付着している場合など、磁
界が印加されて流動状態のゴム中で磁性粉末が回転、移
動する際に、ガスが磁性粉末表面から離脱し脱気され
る。
【0031】更に、成形工程において発生し、流動状態
のゴム中に浮遊しているガスは、金型内を減圧にして脱
気することもでき、通常、金型内を10〜500Tor
r程度の減圧とすればよい。10Torrを越えて低圧
にすると流動状態のゴムそのものが金型中から吸い出さ
れてしまう恐れがあり、500Torrを越える高圧で
はガスの脱気が十分ではなく好ましくない。
【0032】
【作用】本発明の磁気異方性ゴム結合型磁石は、その最
大エネルギー積が、前記のように磁気異方性希土類合金
磁性粉末の配合量V(体積%)又は磁石の引張伸び
(%)に対して特定の範囲の値となっている。これは磁
気異方性を有する希土類合金磁性粉末を使用し、磁場中
で配向させることにより、本来優れた磁気特性を有する
希土類合金であって、且つ磁気異方性を有する磁性粉末
の潜在的性能が効果的に引き出されたことにより可能と
なったものである。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を具
体的に説明する。表1に、本発明に使用したHDDR法
によって調製した磁気異方性希土類合金磁性粉末〜
、並びに比較のために急冷法によって調製した磁気等
方性希土類合金磁性粉末及び磁気異方性フェライト系
磁性粉末を示す。尚、これら5種類の磁性粉末のの磁
気特性をVSM振動型磁束計によって測定した最大エネ
ルギー積〔(BH)max〕及びふるいによって測定し
た平均粒径を表1に併せて示す。
【0034】
【表1】
【0035】一方、ゴムとしては、加硫可能な再生ゴム
を一旦粉砕し、これに加硫剤等を所要量配合してシート
状に成形した後、一次加硫し、この加硫シートを所要粒
径に再度粉砕したものを使用し、この再粉砕したゴム粉
末に界面活性剤とともに表2及び表3に示すように、1
0〜80体積%の各種磁性粉末を配合し、この原料粉末
を使用して実施例1〜8及び比較例1〜9の磁気異方性
又は磁気等方性ゴム結合型磁石を成形した。
【0036】各ゴム結合型磁石は下記の方法により作製
した。室温の成形用金型中に各原料粉末を給粉し、直ち
に金型を昇温させ、100℃に達した時点で、20kO
eの磁界の印加を開始した。磁界の印加は30秒で終了
し、その後、6トン/cm2 に加圧し成形を開始した。
加圧は100℃の温度を保って5分間継続し、次いで、
加圧をしたまま温度を180℃にまで昇温させ、同温度
で20分間加圧、加熱して加硫させた。得られた磁気異
方性ゴム結合型磁石の(BH)max及び伸びを表2、
表3に併せて示す。尚、(BH)maxは前記と同様V
SM振動型磁束計によって測定した。また、伸びはJI
S K 6301に従って測定した。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表2の結果によれば、各実施例の磁気異方
性ゴム結合型磁石では、その(BH)max及び伸びは
磁性粉末の配合量とともに上昇或いは低下しているが、
磁性粉末の種類によるそれら特性の変動は小さく、いず
れの磁性粉末も同様に使用し得ることが分かる。一方、
表3の各比較例によれば、磁気等方性の希土類合金磁性
粉末を使用し、磁場中配向した比較例1では、配合量が
50体積%である実施例6或いは8に比べても、(B
H)max及び伸びともに劣っており、同配合量でフェ
ライト系磁性粉末を使用した比較例2では、(BH)m
ax及び伸びともに更に大きく低下していることが分か
る。
【0040】また、等方性磁性粉末又はフェライト系磁
性粉末を使用し、機械的配向をした比較例3〜5及び7
でも、比較例1、2に比べて同程度或いはより劣った性
能となっており、無配向の比較例6では伸びは大きくな
るものの(BH)maxは極めて劣っており、配向手段
の如何にかかわらず性能が低いことが分かる。更に、磁
気異方性希土類合金磁性粉末を使用し機械的配向した比
較例8〜9では、伸びは実施例と大きくは違わないよう
であるが、(BH)maxは明らかに劣っており、磁場
中配向がより効果的な配向手段であることが裏付けられ
ている。
【0041】
【発明の効果】第1及び第2発明では、特に第4発明の
磁気異方性希土類合金磁性粉末をゴムに配合して使用す
ることにより、磁気等方性の希土類合金磁性粉末又はフ
ェライト系の磁気異方性磁性粉末を使用したゴム磁石に
比べ、伸びにより表される柔軟性が同程度である場合は
より優れた磁気特性を有し、磁気特性が同程度であれば
より優れた柔軟性を有する磁気異方性ゴム結合型磁石を
得ることができる。また、特に磁性粉末の配合量が第5
発明に特定された範囲である場合には、磁気特性と柔軟
性とのバランスに優れたゴム磁石を得ることができる。
【0042】更に、第6及び第7発明の磁気異方性ゴム
結合型磁石の製造方法によれば、磁場中において配向さ
せつつ、圧縮成形或いは加熱ロール等適宜手段によって
成形することにより、第1及び第2発明の優れた性能の
ゴム磁石を容易に得ることができる。また、第7発明の
ように、ゴムの加硫工程を成形工程と同一の装置におい
て連続して実施すればより簡易な工程により、優れた磁
気性能と柔軟性とを有する磁気異方性ゴム結合型磁石を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の各磁気異方性ゴム結合型磁
石の、磁性粉末の配合量と(BH)maxとの相関を表
すグラフである。
【図2】実施例及び比較例の各磁気異方性ゴム結合型磁
石の、伸びと(BH)maxとの相関を表すグラフであ
る。
【図3】金型加熱機構を有し、縦磁場成形できる装置の
概念図である。
【図4】金型加熱機構を有し、横磁場成形できる装置の
概念図である。
【図5】金型加熱機構を有し、減圧脱気できる横磁場成
形装置の概念図である。
【図6】金型加熱機構を有し、減圧脱気とともに超音波
振動を加えることのできる横磁場成形装置の概念図であ
る。
【図7】金型加熱機構を有し、静磁場及びパルス磁場に
よる成形ができる装置の概念図である。
【符号の説明】
1;電磁石、2a;ダイ、2b;上パンチ、2c;下パ
ンチ、2d;加熱装置、3;加圧装置、4;油回転ポン
プ、5;超音波振動子、6;パルス磁場用空芯コイル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴムと磁気異方性希土類合金磁性粉末と
    を主成分とする磁気異方性ゴム結合型磁石であって、 上記磁気異方性希土類合金磁性粉末の配合量をV(体積
    %)(上記ゴムと上記磁気異方性希土類合金磁性粉末と
    の合計量を100体積%とする。)とした場合に、上記
    磁気異方性ゴム結合型磁石の最大エネルギー積M(MG
    Oe)は、(V2 /320)−1.8<M<(V2 /3
    20)+1.8〔但し、M>0〕であることを特徴とす
    る磁気異方性ゴム結合型磁石。
  2. 【請求項2】 ゴムと磁気異方性希土類合金磁性粉末と
    を主成分とする磁気異方性ゴム結合型磁石であって、 上記磁気異方性ゴム結合型磁石の引張伸びをL(%)と
    した場合に、上記磁気異方性ゴム結合型磁石の最大エネ
    ルギー積M(MGOe)は、−(4.7/20)L+1
    6.8≦M≦−(4.7/20)L+22.4〔但し、
    M>0〕であることを特徴とする磁気異方性ゴム結合型
    磁石。
  3. 【請求項3】 上記磁気異方性ゴム結合型磁石の最大エ
    ネルギー積M(MGOe)は、(V2 /320)−1.
    8<M<(V2 /320)+1.8〔但し、M>0〕で
    あり、且つ−(4.7/20)L+16.8≦M≦−
    (4.7/20)L+22.4〔但し、M>0〕である
    請求項1又は2記載の磁気異方性ゴム結合型磁石。〔但
    し、Vは上記磁気異方性希土類合金磁性粉末の配合量
    (体積%)(上記ゴムと上記磁気異方性希土類合金磁性
    粉末との合計量を100体積%とする。)であり、Lは
    上記磁気異方性ゴム結合型磁石の引張伸び(%)であ
    る。〕
  4. 【請求項4】 上記磁気異方性希土類合金磁性粉末は、
    Nd−Fe−B−Co−Ga系、Sm−Fe−N系又は
    Sm−Co系である請求項1又は2記載の磁気異方性ゴ
    ム結合型磁石。
  5. 【請求項5】 上記ゴムと上記磁気異方性希土類合金磁
    性粉末の合計量を100体積%とした場合に、上記磁気
    異方性希土類合金磁性粉末の配合量が20〜60体積%
    である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気異方
    性ゴム結合型磁石。
  6. 【請求項6】 粒状の未加硫ゴムと、磁気異方性希土類
    合金磁性粉末とを主成分とする磁石原料を混練しつつ該
    未加硫ゴムを液状化させ、その混練物を磁場中に置き、
    磁界を印加して上記磁性粉末を配向させた後、又は配向
    させつつ、所定形状に成形し、その後、雰囲気温度を上
    昇させて成形体を加硫することを特徴とする磁気異方性
    ゴム結合型磁石の製造方法。
  7. 【請求項7】 液状ゴムと、磁気異方性希土類合金磁性
    粉末とを主成分とする磁石原料を混合し、その混合物を
    磁場中に置き、磁界を印加して上記磁性粉末を配向させ
    た後、又は配向させつつ、所定形状に成形し、その後、
    架橋することを特徴とする磁気異方性ゴム結合型磁石の
    製造方法。
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