JP2747066B2 - 樹脂ボンド永久磁石の製造方法 - Google Patents

樹脂ボンド永久磁石の製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、樹脂ボンド永久磁石に係り、特にR−Fe−
B系、中でもNd−Fe−B系の異方性樹脂ボンド永久磁石
とその製造方法に関する。
(従来の技術及び解決しようとする課題) 磁性粉末と樹脂を混合、結合し、押出成形、圧縮成形
或いは射出成形等により、樹脂ボンド磁石(複合磁石)
を得ることは周知のことである。特に最近、希土類合金
系の優れた磁気特性を活かした樹脂と結合した希土類樹
脂ボンド永久磁石が注目されてきている。
希土類樹脂ボンド永久磁石の分野においては、Nb−Fe
−B系の場合、鋳造インゴットを粉砕する方法で得られ
る粉末は、磁気特性、特に保磁力(iHc)が低く、樹脂
ボンド磁石には適しておらず、未だにこの方法による樹
脂ボンド磁石は開発されていない。これは、粉砕により
磁性粉の内部に歪が残留し、かつ、磁性粉表面の組成が
変化するためと考えられている。
一方、超急冷物質の焼鈍により得られた磁性粉末は、
鋳造インゴットの粉砕によるものよりも保磁力が高く、
この磁性粉をダイアップセット法により磁気異方性化し
た磁性粉による樹脂ボンド磁石が開発されているが、こ
の方法はダイアプセット法を用いるので製造コストが高
くなり、工業的とは思われない。
本発明は、このような状況のもとでなされたものであ
って、磁気特性、特に保磁力の低下を防止して、高性能
なR−Fe−B系異方性樹脂ボンド永久磁石を安価に提供
することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記問題点に鑑みて、本発明者は、希土類磁性合金の
鋳造インゴットを粉砕して得た粉末が保磁力回復を阻害
する原因が、粉末の焼鈍に際して焼結凝集し、再粉砕を
要することに起因していることに着目し、この解決法と
して、焼鈍の際の磁性粉の焼結を防ぐ目的で焼結防止剤
として希土類酸化物を混合して焼鈍する方法を先に提案
した(特願平1−94397号)。
この方法により得られる磁性粉は、比磁性の希土類酸
化物の粉末が凝集混在しているものであり、この磁性粉
を用いて有機バインダーと混練、結合して樹脂ボンド磁
石とする場合、非磁性の希土類酸化物を多く含有するた
め、それだけ磁石の特性が低下するだけでなく、コスト
的にも高価になる。
そこで、本発明者は、希土類酸化物の含有量を可及的
に少なくする方策について鋭意研究を重ねた結果、希土
類酸化物は、ボンド磁石にする場合、樹脂との濡れ性が
良いことが判明し、したがって、できるだけ少量の希土
類酸化物を磁性粉表面に均一に存在させる方法について
研究したところ、希土類酸化物が混在した磁性粉から、
保磁力の低下を抑制しながら、付着した希土類酸化物を
特定の手段によって一部除去することにより、磁気特性
の優れた磁性粉が得られ、これを有機バインダーと混
合、結合、成形して希土類異方性樹脂ボンド磁石とする
技術を開発し、ここに本発明をなしたものである。
すなわち、本発明に係るR−Fe−B系異方性樹脂ボン
ド永久磁石の製造方法は、R−Fe−B(R:Yを含む希土
類元素)からなる磁性粉に適当量の希土類酸化物を添加
して焼鈍した後、超音波による分離と磁力分離との一方
又は双方の手段により希土類酸化物の含有量を0.1〜10w
t%とし、得られた磁性粉を有機バインダーと混練、結
合することを特徴とするものである。
また、本発明の製造方法により得られるR−Fe−B系
異方性樹脂ボンド永久磁石は、R−Fe−B(R:Yを含む
希土類元素)からなる磁性粉が、その表面にDy2O3及びN
d2O3のうちの1種又は2種の希土類酸化物が0.1〜10wt
%存在している状態で、有機バインダーと混練、結合さ
れていることを特徴とするものである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
(作用) 前述の如く、先に提案した方法により得られる磁性粉
には、希土類酸化物が混在、凝集付着し、該酸化物の一
部が磁性粉に融着しており、希土類酸化物の量が多い。
そこで、これらの希土類酸化物を除去する方法につい
て検討した。
混在した該酸化物の除去、分離の方法としては、比重
差分離、沈降差分離、磁力分離が一般的である。
しかし、Nd−Fe−B系磁性粉の比重は約7.5であり、
該酸化物のそれは7〜8であり、比重差による分離は困
難である。また、該磁性粉の平均粒径は5〜10μm(F.
S.S.S)であり、該酸化物のそれは約1〜2μmである
ので、沈降差分離に際して沈降液を適当に選択すること
により、分離は可能であるが、細粒部分の分離は困難で
ある。特に一部融着した部分は除去できない。無理に剥
がすと磁石表面の改質層を破壊し、磁石特性が劣化す
る。一方、磁力分離は最も一般的に考えられる方法であ
るが、単なる磁力分離では混在した該酸化物の分離、除
去は可能であるものの、該磁性粉に凝集付着した該酸化
物は充分には除去できない。また完全に除去すると樹脂
との濡れ性も悪化する。
本発明者はこれらの方法を種々検討した結果、湿式法
により、超音波による分離と磁力分離の組み合わせた方
法が最も効果的であることを見い出した。これによれ
ば、希土類酸化物を少量、例えば0.1〜5%程度残すこ
とができる。しかも、完全に除去することは困難である
が、むしろ、この微量の希土類酸化物が表面改質に寄与
することが判明した。
すなわち、有機溶液中に先の提案による方法で得られ
た磁性粉と希土類酸化物の混合粉末を投入し、超音波に
よる分離を5〜60分実施した後、磁力分離を実施する。
この方法を1〜数回繰り返すことにより、90wt%以上の
該酸化物を除去でき、σs≒60emu/g以上、iHc10KOe以
上の磁性粉が得られるので、これを有機バインダーと混
練、結合すると、樹脂ボンド磁石としても充分特性を得
ることができる。
この場合、該磁性粉に一部融着した該酸化物を完全に
除去することは上述の方法では困難であるので、希土類
酸化物の微量存在による磁気特性の低下は避けられな
い。しかし、本発明者は、微量存在していても、磁気特
性を向上できる方法を検討した。まず、該磁性粉のSEM
像観察結果から、該磁性粉の表面は、焼鈍によって薄い
Nd rich合金層で覆われていることが観察されたので、
この層があるため該酸化物の細粒が融着されていると推
定された。そこで、磁性粉の表面改質のためには該磁性
合金中のNd量が影響しているとの知見に基づいて検討を
行った結果、Nd量が13.5〜15at%と、Nd−Fe−B系焼結
磁石の標準組成であるNd15at%より低い領域に最適な組
成があることを見い出したものである。Nd量が15at%以
上では、上記の方法で該酸化物を分離除去した後、保磁
力(iHc)は10KOe以上が得られるが、σsは80emu/g以
下であり、またNd量が13at%以下では、σsは80emu/g
以上が得られるが、保磁力(iHc)は6KOe以下となり、
樹脂ボンド磁石特性を得るには十分ではない。勿論、R
としてNd以外の場合もほぼ同様の効果が得られる。
以上の如く、超音波による該酸化物の分離除去と磁力
分離除去の方法を組み合わせることにより、磁性粉中に
混在している該酸化物を90wt%以上除去することが可能
である。なお、該酸化物の量が0.1wt%より少ないと、
樹脂との濡れ性が損なわれるので、0.1wt%以上が必要
であるが、10wt%以上では該酸化物が多くなりすぎて、
磁気特性の低下を招くので、希土類酸化物の含有量は0.
1〜10wt%の範囲が好ましい。
希土類酸化物としては、Dy2O3が最良であり、Ny2O3
可能である。しかし、Sm、La、Yの酸化物では効果がな
い。
次に製造法について説明する。
Nd−Fe−B系希土類磁性粉は、インゴット、或いは超
急冷凝固又は急冷凝固で得たリボンを周知の粉砕法によ
り粉砕して得る。平均粒径は3〜100μm程度がよい。N
d−Fe−B系としてはその成分系及び組成に制限はな
く、Nd−Fe−B系のみならず、Pr−Fe−B系やこれらN
d、Prに代えて他の希土類元素を用いてもよい。該磁石
粉の磁気特性改善の目的で、希土類元素のほかに、Co、
Ti、Mo、W、Nb、Al、Si、Cu、Zr等の元素を適量添加し
ても良い。
この磁性粉に適量の希土類酸化物を添加して混合す
る。酸化物の添加量は、磁性粉の完全な焼結を防止し得
る量であればよく、例えば、磁性粉に対し、体積比で1:
0.1〜1程度添加する。
次いで、混合粉末を適当な条件で焼鈍する。焼鈍温度
は500〜1200℃でよく、非酸化性雰囲気を用いる。この
焼鈍により、粉砕に伴う磁性粉内部の歪が除去され、並
びに磁性粉表面に生じたR poor層にRが拡散して表面に
R rich層が被覆され、改質される。
焼鈍後、前述のように超音波による分離と磁力分離と
の組合せによる湿式法により、希土類酸化物が所定量残
るように大部分を除去する。溶液としては、水でも有機
溶液でもよいが、該磁性粉は易酸化性であるため、これ
を防ぐためにも有機溶液の方が望ましい。
このようにして得られたNd−Fe−B系希土類磁性粉
を、有機バインダーと混合、混練し、磁場中で成形す
る。そのための条件は特に制限されず、成形法としては
押出成形、圧縮成形、射出成形等の従来の樹脂ボンド磁
石の製法が使用できる。
これらの方法で得られた異方性樹脂ボンド磁石は、保
磁力8KOe以上、4πI 5KG以上と、フェライト磁石以上
の特性をもつ希土類異方性樹脂ボンド磁石を得ることが
できる。
次に本発明の実施例を示す。
(実施例) Nd14Fe78B8なる組成の合金の鋳造インゴットをAr雰囲
気中で粉砕し、粒径が45μm以下の磁性粉を得た。該磁
性粉と焼結防止剤として平均粒径1μmのDy2O3を体積
比で1:1となるように混合した。混合粉末をAr雰囲気中
で1時間焼鈍した。
得られた焼鈍粉末をエチルアルコール中に投入し、能
力300Wの超音波洗浄器中で10分間分離を行い、その後、
磁力分離を行った。この分離方法を6回繰り返し、混在
するDy2O3酸化物を十分除去し、測定したところ、Dy2O3
の約95%が除去されていた。
Dy2O3除去後の磁性粉をAr雰囲気中で乾燥した後、エ
ポキシ樹脂と混練し、磁場(15KOe)中で約1ton/cm2
圧力で成形し、樹脂硬化させた。エポキシ樹脂との混練
は短時間で均一に混合でき、気泡の発生も認められなか
った。
得られた樹脂ボンド磁石は、保磁力(iHc)8KOe、(B
H)max≒5MGOe、配向率80%の特性が得られた。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、従来、Nd−Fe
−B系合金の鋳造インゴットを粉砕した磁性粉では得る
ことができなかった高保磁力の希土類異方性樹脂ボンド
永久磁石が得られる。
またこの方法は、超急冷合金により得られる粉末を高
価で生産性の悪いダイアプセット法を用いることなく、
従来の粉末冶金法で製造できると共に、先の提案による
方法よりも実質的な希土類酸化物使用量が少なく済むの
で、より安価な希土類異方性樹脂ボンド永久磁石を提供
できる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】R−Fe−B(R:Yを含む希土類元素)から
    なる磁性粉に適当量の希土類酸化物を添加して焼鈍した
    後、超音波による分離と磁力分離との一方又は双方の手
    段により希土類酸化物の含有量を0.1〜10wt%とし、得
    られた磁性粉を有機バインダーと混練、結合することを
    特徴とするR−Fe−B系異方性樹脂ボンド永久磁石の製
    造方法。
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