JPH08176583A - ディーゼルエンジン油組成物 - Google Patents

ディーゼルエンジン油組成物

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JPH08176583A
JPH08176583A JP33697794A JP33697794A JPH08176583A JP H08176583 A JPH08176583 A JP H08176583A JP 33697794 A JP33697794 A JP 33697794A JP 33697794 A JP33697794 A JP 33697794A JP H08176583 A JPH08176583 A JP H08176583A
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重昭 高村
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昭夫 熊倉
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健 鈴木
Hayashi Kimura
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 鉱油系潤滑油もしくは合成系潤滑油あるいは
両者の混合物の基油に、(A)アルケニルこはく酸イミ
ド又はその誘導体を4〜15重量%、(C)塩基価が1
00mgKOH/g以上のカルシウムサリシレートを2
〜10重量%、及び(B)塩基価が80mgKOH/g
以下のカルシウムスルホネートを0.3〜3重量%、又
は(D)界面活性剤を0.2〜1重量%の割合で含有し
ていることを特徴とするディーゼルエンジン油組成物。 【効果】 高い清浄性を維持しつつ、ディーゼルエンジ
ン油の水分離性能が優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼルエンジン油
組成物に関し、更に詳しくは、高い清浄性を維持しつ
つ、ディーゼルエンジン油の水分離性能を著しく改善す
るディーゼルエンジン油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、エンジン油、特にディーゼルエン
ジン油は高出力化と排出ガス規制に伴う燃焼性の改良に
より、ピストンの清浄性が悪化するようになり、この問
題を解決するために、エンジン油に多量の無灰型分散剤
を添加するようになってきた。この無灰型分散剤は、燃
焼時に生成するディーゼルスーツや、エンジン油が酸化
劣化して生じるスラッジなどを細かく分散させてエンジ
ン部品に付着するのを防ぎ、ピストンの清浄性を向上さ
せる。この目的のために、API−CE、CF−4グレ
ードなどの高級ディーゼルエンジン油には、無灰型分散
剤が多量に添加されている。しかし、一方で、水分など
も油中に抱き込むことになってしまい、エンジン内部や
その周辺部品に水分が凝集して混入し易い箇所がある場
合、油中に溶解していた添加剤が影響を受け、油から脱
落したり、マヨネーズ状のスラッジなどが生成して、油
の循環が阻害されてしまい、初期の性能を発揮できなく
なってしまい、トラブルの原因となるという問題点を抱
えている。そこで、無灰型分散剤が多量に添加されたデ
ィーゼルエンジン油に優れた水分離性能を付与すれば、
このようなトラブルは解消されることになり、極めて有
用である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の状況に鑑み、高い清浄性を維持しつつ、良好な水分
離性能を有するディーゼルエンジン油組成物を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、基油に、特定
の分散剤及びカルシウムサリシレートと、特定の塩基価
のカルシウムスルホネート又は特定の界面活性剤を特定
量配合させることにより、高い清浄性を維持しつつ、良
好な水分離性能を発揮できることを見い出し、この知見
に基づき本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、鉱油系潤滑油もしく
は合成系潤滑油あるいは両者の混合物の基油に、(A)
アルケニルこはく酸イミド又はその誘導体を4〜15重
量%、(B)塩基価が80mgKOH/g以下のカルシ
ウムスルホネートを0.3〜3重量%、及び(C)塩基
価が100mgKOH/g以上のカルシウムサリシレー
トを2〜10重量%の割合で含有していることを特徴と
するディーゼルエンジン油組成物(以下、本願第1発明
という)を提供するものである。さらに、本発明は、鉱
油系潤滑油もしくは合成系潤滑油あるいは両者の混合物
の基油に、(A)アルケニルこはく酸イミド又はその誘
導体を4〜15重量%、(D)界面活性剤を0.2〜1
重量%、及び(C)塩基価が100mgKOH/g以上
のカルシウムサリシレートを2〜10重量%の割合で含
有していることを特徴とするディーゼルエンジン油組成
物(以下、本願第2発明という)を提供するものであ
る。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本願第1
発明における必須成分の一つである(A)成分のアルケ
ニルこはく酸イミド又はその誘導体は、特に限定される
ものではなく、通常潤滑油の無灰型分散剤として使用で
きる種々のものが使用できる。アルケニルこはく酸イミ
ド又はその誘導体の具体例としては、例えばポリブテン
等の分子量約300〜5000のポリオレフィンを無水
マレイン酸と反応させてモノアルケニル無水こはく酸と
した後、さらにエチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミンのようなポリアミンを用
いてイミド化したものでモノイミド、ジイミド、トリイ
ミドなどの種々のアルケニルこはく酸イミド類、また、
特公昭42−8013号公報、特公昭42−8014号
公報、特開昭51−52381号公報、特開昭51−1
30408号公報に記載されているようなアルケニルこ
はく酸イミドのホウ素化合物誘導体、有機ホスホネ−ト
誘導体等あるいはアルケニルこはく酸イミドをアルデヒ
ド、ケトン、カルボン酸、スルホン酸、アルキレンオキ
シド、硫黄等と反応させたアルケニルこはく酸イミドの
誘導体などが挙げられる。これらのアルケニルこはく酸
イミド又はその誘導体のうち好ましいものは、アルケニ
ル基のポリブテン分子量が1500〜2000で、トリ
エチレンテトラミンやテトラエチレンペンタミンなどで
イミド化したアルケニルこはく酸モノイミドである。な
お、これらのアルケニルこはく酸イミド又はその誘導体
は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。本願第1発明のディーゼルエンジン油組
成物におけるアルケニルこはく酸イミド又はその誘導体
の配合割合は、4〜15重量%、好ましくは6〜10重
量%である。アルケニルこはく酸イミド又はその誘導体
の配合割合が少な過ぎると清浄効果が小さくなり、逆に
多過ぎると水分離性が悪くなる。
【0007】本願第1発明における必須成分の一つであ
る(B)成分の塩基価が80mgKOH/g以下のカル
シウムスルホネートとしては、例えばアルキルベンゼン
スルホン酸カルシウム塩、アルキルナフタレンスルホン
酸カルシウム塩などのアルキル芳香族スルホン酸カルシ
ウム塩が好適に挙げられ、より好ましくはアルキルベン
ゼンスルホン酸カルシウム塩であり、特に好ましくは分
子量が400〜1200のアルキルベンゼンスルホン酸
カルシウム塩である。また、カルシウムスルホネートの
塩基価は、40mgKOH/g以下が好ましく、特に1
0〜40mgKOH/gが好ましい。これらのカルシウ
ムスルホネートは、1種単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。本願第1発明のディー
ゼルエンジン油組成物における上記カルシウムスルホネ
ートの配合割合は、0.3〜3重量%であり、好ましく
は0.5〜2重量%である。カルシウムスルホネートの
配合割合が少な過ぎると水分離効果が小さくなり、逆に
多過ぎても水分離性が悪くなる。
【0008】本願第1発明における必須成分の一つであ
る(C)成分の塩基価が100mgKOH/g以上のカ
ルシウムサリシレートは、炭素数10〜18のαーオレ
フィンでフェノールをアルキル化し、次いでコルベ−シ
ュミット反応でカルボキシル基を導入した後、複分解な
どによりアルカリ土類金属塩としたものが使用される
(イギリス特許第734,598号公報、イギリス特許
第734,622号公報など参照)。カルシウムサリシ
レートは、ディーゼルエンジン油組成物に用いるため過
塩基性のものが好ましく、塩基価が150mgKOH/
g以上が好ましく、特に150〜400mgKOH/g
が好ましい。これらのカルシウムサリシレートは、1種
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。本願第1発明のディーゼルエンジン油組成物に
おける上記カルシウムサリシレートの配合割合は、2〜
10重量%、好ましくは3〜8重量%である。カルシウ
ムサリシレートの配合割合が少な過ぎると清浄性が悪く
なり、逆に多過ぎてもピストンの上部にカルシウム分が
付着するのでエンジン効率を悪くする。
【0009】本願第1発明においては、上記(A)、
(B)及び(C)成分を鉱油系潤滑油もしくは合成系潤
滑油あるいは両者の混合物の基油に配合する。これらの
基油の粘度は、通常0.1〜250mm2/sであれば
よく、好ましくは10〜150mm2/sであり、特に
好ましくは20〜120mm2/sである。鉱油系潤滑
油の場合は、例えば鉱油系潤滑油留分を溶剤精製、水素
化精製など適宜組み合わせて精製したものを用いればよ
い。合成系潤滑油としては、例えば炭素数3〜12のα
−オレフィンの重合体であるα−オレフィンオリゴマ
ー、ジオクチルセバケートを始めとするセバケート、ア
ゼレート、アジペートなどの炭素数4〜12のジアルキ
ルジエステル類、1−トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトールと炭素数3〜12の一塩基酸から得られ
るエステルを始めとするポリオールエステル類、炭素数
9〜40のアルキル基を有するアルキルベンゼン類など
が挙げられる。上記鉱油系潤滑油及び合成系潤滑油はそ
れぞれ1種単独であるいは2種以上を混合して使用する
ことができる。
【0010】本願第2発明において用いられる(A)成
分のアルケニルこはく酸イミド又はその誘導体及び
(C)成分の塩基価が100mgKOH/g以上のカル
シウムサリシレート及び鉱油系潤滑油もしくは合成系潤
滑油あるいは両者の混合物の基油は、本願第1発明のそ
れらと同様である。本願第2発明の必須成分である
(D)成分の界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、カ
チオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤など、種々
の界面活性剤が使用できるが、非イオン系界面活性剤が
好ましい。
【0011】非イオン系界面活性剤の具体例としては、
例えば炭素数8〜22のアルキル基を有するアルキルア
ミンを有し、1〜10モルのアルキレンオキサイドを付
加したポリオキシアルキレンアルキルアミン;炭素数1
0〜20のアルキル基又はアルケニル基を有し、1〜2
0モルのエチレンオキサイドを付加したポリオキシエチ
レンアルキル又はアルケニルエーテル;炭素数6〜12
のアルキル基を有し、1〜20モルのエチレンオキサイ
ドを付加したポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル;炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基
を有し、1〜20モルのプロピレンオキサイドを付加し
たポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテ
ル;炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を
有し、1〜20モルのブチレンオキサイドを付加したポ
リオキシブチレンアルキル又はアルケニルエーテル;炭
素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有し、
総和で1〜30モルのエチレンオキサイドとプロピレン
オキサイドあるいはエチレンオキサイドとブチレンオキ
サイドを付加した非イオン界面活性剤;高級脂肪酸アル
カノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物;
炭素数10〜20の脂肪酸とショ糖からなるショ糖脂肪
酸エステル;炭素数10〜20の脂肪酸とグリセリンか
ら成る脂肪酸グリセリンモノエステルなどが挙げられ
る。これらの非イオン系界面活性剤のうち、ポリオキシ
アルキレン非イオン系界面活性剤などが好ましく、特に
ポリオキシエチレン非イオン系界面活性剤が好ましい。
ポリオキシアルキレン非イオン系界面活性剤は、アルキ
ル基の炭素数が1〜30のポリオキシアルキレン非イオ
ン系界面活性剤が特に好ましい。
【0012】ポリオキシエチレン非イオン系界面活性剤
の具体例としては、例えばポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンオクチルステアリルエーテル、ポリオキシエチ
レンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン
モノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
オレエート、ポリオキシエチレングリコールモノオレエ
ートなどが挙げられ、好ましくはポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルである。
【0013】本願第2発明において用いられる(A)成
分のアルケニルこはく酸イミド又はその誘導体及び
(C)成分の塩基価が100mgKOH/g以上のカル
シウムサリシレートの配合割合は、本願第1発明のそれ
らと同様である。また、本願第2発明において用いられ
る(D)成分の界面活性剤の配合割合は、0.1〜3重
量%であり、好ましくは0.2〜2重量%であり、特に
好ましくは0.2〜1重量%である。界面活性剤の配合
割合が少な過ぎると、水分離性能の効果が小さくなり、
逆に多過ぎても水分離性が悪くなる。
【0014】本発明のディーゼルエンジン油組成物にお
いては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を添加することが
好ましい。ジアルキルジチオリン酸亜鉛の添加は、エン
ジンの摩耗を防止すると同時に酸化も防止することがで
きる。ジアルキルジチオリン酸亜鉛のアルキル基の炭素
数は、特に制限されないが、通常6〜12が好ましい。
また、ジアルキルジチオリン酸亜鉛のアルキル基は、直
鎖状が好ましい。ジアルキルジチオリン酸亜鉛の添加量
は、通常0.5〜4重量%であり、好ましくは1〜2重
量%である。
【0015】本発明のディーゼルエンジン油組成物にお
いては、上記した添加物のほかに、必要に応じて各種の
公知の添加剤、例えば前記ジアルキルジチオリン酸亜鉛
以外のチオリン酸亜鉛、2,6−ジ−tert−ブチル
−p−クレゾールなどのフェノール系化合物、N−ジメ
チルアニリンなどの芳香族アミン化合物などの各種酸化
防止剤、ジアルキルジチオリン酸モリブデンなどの各種
摩耗防止剤、ポリメタクリレート系、エチレンープロピ
レン共重合体、スチレン・イソプレン共重合体、スチレ
ン・イソプレン共重合体の水素化物あるいはポリイソブ
チレンなどの各種粘度指数向上剤、硫化油脂、ジフェニ
ルスルフィド、メチルトリクロロステアレート、塩素化
ナフタレン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリ
シロキサン、ナフテン酸鉛などの各種極圧剤、ステアリ
ン酸を始めとするカルボン酸、ジカルボン酸、金属石け
ん、カルボン酸アミン塩、重質スルホン酸の金属塩、多
価アルコールのカルボン酸部分エステル、りん酸エステ
ルなどの各種さび止め剤、高級脂肪酸、高級アルコー
ル、アミン、エステルなどの各種摩擦調整剤、シリコー
ン油などの各種消泡剤などを1種単独又は2種以上組み
合わせて適宜配合することができる。また、これら以外
にも各種の添加物を適宜配合することができる。
【0016】本発明のディーゼルエンジン油組成物の調
整方法は、基油、上記必須成分及び必要に応じて各種添
加剤を適宜混合すればよく、その混合順序は特に限定さ
れるものではなく、基油に必須成分を順次混合してもよ
く、必須成分を予め混合した後基油に混合してもよい。
さらに、各種添加剤についても、予め基油に添加しても
よく、必須成分に添加してもよい。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。ただし、本発明はこれらの例によっては何ら限
定されるものではない。実施例では、基油に、必須成分
及び種々の添加剤を配合してディーゼルエンジン油組成
物を調整し、水分離性及び清浄性を評価した。各実施
例、各比較例のディーゼルエンジン油組成物の調製に用
いた基油、必須成分及び添加剤の種類並びに各評価試験
は次の通りである。
【0018】1.基油 40℃の粘度が26mm2/sの鉱油を使用した。 2.カルシウムサリシレート(TBN=170mgKO
H/g) なお、TBNは、総塩基価のことである。 3.アルケニルこはく酸イミド アルケニル基のポリブテニルの分子量が1700で、ト
リエチレンテトラミンでイミド化したアルケニルこはく
酸モノイミド 4.カルシウムスルホネート(TBN=25mgKOH
/g) 5.ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 6.ジアルキルジチオリン酸亜鉛 ジ−n−オクチルジチオリン酸亜鉛 7.高塩基価カルシウムスルホネート(TBN=300
mgKOH/g) 8.高塩基価カルシウムフェネート(TBN=250m
gKOH/g) なお、塩基価は、JIS K 2501 6により測定
した値である。
【0019】評価試験 (1)水分離性試験 200mlのビーカーにディーゼルエンジン油20ml
と水5mlを入れ、恒温槽(45±2℃)にビーカーを
設置して、撹拌用ペラで750rpmで撹拌する。撹拌
用ペラは、横幅30mm、高さ15mm、厚さ1mmの
フラット一枚から成る専用形状のものを使用した。0.
5時間毎に水5mlを注ぎ、合計水量が60mlになる
まで注水して、さらに、その後、0.5時間撹拌する。
試験終了後、サンプル管に移し、室温にて油分と水分
(レース層を含む)の分離状態を観察して下記の表の要
領で判定を行う。この評点が2点以下だと、エンジンに
よってはトラブルを起こす可能性がある。また、この評
点が1点以下だと、スラッジの生成やオイルラインの詰
まりによりエンジンの焼き付きなどのトラブルを起こ
す。 判定基準
【0020】
【表1】
【0021】(2)清浄性の評価試験 キャタピラー1G2エンジン試験により、清浄性の評価
を行った。 回転数 1,800rpm 油 温 95℃ 試験時間 120時間 試験法は、ASTM−STP−509A−P2に準拠し
て行った。比較例の清浄性の評点は、実施例の評点を1
0点とし相対値で示した。
【0022】実施例 1〜5 前記の基油にカルシウムサリシレート、アルケニルこは
く酸イミド、カルシウムスルホネート及びその他の添加
剤を表2上段に示す割合(重量%)で配合し、ディーゼ
ルエンジン油組成物を調製した。得られたディーゼルエ
ンジン油組成物の水分離性評価値は表2下段に示す通り
である。
【0023】
【表2】
【0024】その他の添加剤は、酸化防止剤、摩耗防止
剤、粘度指数向上剤の合計である。また、表1、2、
3、4、5及び6において、基油の配合割合がバランス
と表示してあるのは、各種添加剤と基油の合計量が10
0重量%になるように調整していることを意味する。 比較例 1〜9 比較例1〜7については、前記の基油にカルシウムサリ
シレート、アルケニルこはく酸イミド、カルシウムスル
ホネート、高塩基価カルシウムスルホネート、高塩基価
カルシウムフェネート及びその他の添加剤を表3及び表
4の上段に示す割合(重量%)で配合し、ディーゼルエ
ンジン油組成物を調製した。得られたディーゼルエンジ
ン油組成物及び市販品のディーゼルエンジン油による評
価試験結果を表3及び表4の下段に示す。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】実施例 6〜10 前記の基油にカルシウムサリシレート、アルケニルこは
く酸イミド、非イオン系界面活性剤及びその他の添加剤
を表5上段に示す割合(重量%)で配合し、ディーゼル
エンジン油組成物を調製した。得られたディーゼルエン
ジン油組成物の水分離性評価値は表5下段に示す通りで
ある。
【0028】
【表5】
【0029】比較例 10〜16 前記の基油にカルシウムサリシレート、アルケニルこは
く酸イミド、非イオン系界面活性剤、高塩基価カルシウ
ムスルホネート、高塩基価カルシウムフェネート及びそ
の他の添加剤を表6及び表7の上段に示す割合(重量
%)で配合し、ディーゼルエンジン油組成物を調製し
た。得られたディーゼルエンジン油組成物及び市販品の
ディーゼルエンジン油による水分離性評価値を表6及び
表7の下段に示す。
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】清浄性の評価試験結果
【表8】 注 W.T.D.:全加重堆積物評点(ピストンの部分部分
で重みづけを行って、ピストンの汚れを表現したもの) T.G.F.:トップリンググループ詰まりを評価した
もの Under Crown:ピストンの裏側の汚れを評価
したもの これらのW.T.D.、T.G.F.及びUnder
Crownは、JPI−5S−15−85に準拠して、
実施例を10として相対評価した。
【0033】ディーゼルエンジンによる評価試験では、
実施例1のディーゼルエンジン油は比較例8の市販油と
同レベルの高いピストン清浄性を有していながら、水分
離性ははるかに優れている。比較例9は、実施例1と同
レベルの水分離性能を有しているが、清浄性は劣る結果
であった。また、他の実施例も実施例1と同様の清浄性
を有していた。
【0034】
【発明の効果】本発明のディーゼルエンジン油組成物に
よると、添加されている多量の無灰型分散剤の効果を損
なうことなく、十分な水分離性を得ることができ、清浄
性と水分離性を高次元で両立することができる。本発明
のディーゼルエンジン油組成物は、実用上極めて有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:25 (72)発明者 鈴木 健 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 木村 林 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油系潤滑油もしくは合成系潤滑油ある
    いは両者の混合物の基油に、(A)アルケニルこはく酸
    イミド又はその誘導体を4〜15重量%、(B)塩基価
    が80mgKOH/g以下のカルシウムスルホネートを
    0.3〜3重量%、及び(C)塩基価が100mgKO
    H/g以上のカルシウムサリシレートを2〜10重量%
    の割合で含有していることを特徴とするディーゼルエン
    ジン油組成物。
  2. 【請求項2】 鉱油系潤滑油もしくは合成系潤滑油ある
    いは両者の混合物の基油に、(A)アルケニルこはく酸
    イミド又はその誘導体を4〜15重量%、(D)界面活
    性剤を0.2〜1重量%、及び(C)塩基価が100m
    gKOH/g以上のカルシウムサリシレートを2〜10
    重量%の割合で含有していることを特徴とするディーゼ
    ルエンジン油組成物。
JP33697794A 1994-12-27 1994-12-27 ディーゼルエンジン油組成物 Expired - Fee Related JP3168267B2 (ja)

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