JP3450934B2 - エンジン油組成物 - Google Patents

エンジン油組成物

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JP3450934B2 JP11531695A JP11531695A JP3450934B2 JP 3450934 B2 JP3450934 B2 JP 3450934B2 JP 11531695 A JP11531695 A JP 11531695A JP 11531695 A JP11531695 A JP 11531695A JP 3450934 B2 JP3450934 B2 JP 3450934B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン油組成物に関
し、更に詳しくは、高い清浄性及び耐摩耗性を有すると
共に、良好な低温流動性を有するエンジン油組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】寒冷地などにおいて低温で始動するエン
ジンで使用されるエンジン油は、エンジン始動時のエン
ジン作動をスムーズにするために流動点の低いエンジン
油が使用されている。従来、流動点の低いエンジン油と
しては、流動点の低い基油を配合したエンジン油又は流
動点降下剤を添加したエンジン油が知られており、この
流動点降下剤を添加したエンジン油としては、例えば低
分子量及び高分子量のポリアルキルメタクリレートを組
み合わせて添加したもの(特開平4−277597号公
報)などが知られている。しかしながら、流動点の低い
基油の量は限られており、流動点の低くない基油も使用
できる低温流動性の優れたエンジン油が望まれている。
また、流動点降下剤だけを添加したエンジン油は、清浄
性及び耐摩耗性が十分でなく、清浄性を付与するため
に、さらに清浄剤を加えるとコストが上がり、経済的に
不利となる問題がある。一方、清浄性を向上させるため
に、塩基価80以下のカルシウムスルホネート、塩基価
150以上のカルシウムスルホネート、塩基価100以
上のカルシウムフェネート及びアルケニルこはく酸イミ
ドを組み合わせて添加したディーゼルエンジン油(特開
昭63−15895号公報、特開平3−26793号公
報)が知られている。しかしながら、このエンジン油
は、低温流動性が十分とは言えないという問題点があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の状況に鑑み、流動点の低い基油又は流動点降下剤を
使用しなくても、良好な低温流動性を有すると共に、か
つ高い清浄性及び耐摩耗性を有するエンジン油組成物を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、基油に、特定
のカルシウムフェネート及び特定のカルシウムサリシレ
ートを特定量配合させることにより、高い清浄性及び耐
摩耗性を有すると共に、良好な低温流動性を発揮できる
ことを見い出し、この知見に基づき本発明を完成するに
至った。
【0005】すなわち、本発明は、鉱油系潤滑油もしく
は合成系潤滑油あるいは両者の混合物からなる基油に、
(A)塩基価が150mgKOH/g以上のカルシウム
フェネートを10〜30重量%、及び(B)塩基価が2
00mgKOH/g以上のカルシウムサリシレートを2
〜15重量%の割合で含有していることを特徴とするエ
ンジン油組成物を提供するものである。以下、本発明を
詳細に説明する。
【0006】本発明における必須成分の一つである
(A)成分のカルシウムフェネートは、塩基価が150
mgKOH/g以上であり、好ましくは200mgKO
H/g以上であり、特に好ましくは200〜300mg
KOH/gである。カルシウムフェネートの塩基価が1
50mgKOH/g未満では、添加量を増加させたとし
ても、カルシウムサリシネートとの相乗作用による良好
な低温流動性が得られない。このカルシウムフェネート
としては、種々のカルシウムフェネートを使用すること
ができるが、過塩基性硫化カルシウムフェネートが好ま
しい。過塩基性硫化カルシウムフェネートの好適な一例
は、化1に示す構造を有するものと推定され(“PET
ROTECH”第13巻第8号(1990)参照)、そ
の製造方法は特公平3−10611号公報に詳述されて
いる。
【0007】
【化1】
【0008】式中、Rは炭素数4〜36の炭化水素基で
ある。過塩基性(硫化)カルシウムフェネートは、フェ
ノール類、二価アルコール、及びカルシウム酸化物ある
いは水酸化物(以下、カルシウム薬剤という)を(又
は、これらに硫黄を加えたものを)反応させて、フェノ
ール類の金属付加を(又は、金属付加と硫化とを同時
に)行わせる際に、あるいは必要に応じてさらに二酸化
炭素処理を行う際に、カルシウム薬剤1モル当たり0.
01〜10モルの水を反応系中に添加することにより得
られる。過塩基性カルシウムフェネートの好ましい態様
としては、上記過塩基性カルシウムフェネートの製造方
法において過塩基性カルシウムフェネートの二酸化炭素
処理物を製造するに際して、上記のフェノール類の金属
付加を(又は金属付加と硫化とを同時に)行い、その後
反応生成物を二酸化炭素で処理することにより得られる
過塩基性カルシウムフェネートが挙げられる。また、過
塩基性カルシウムフェネートの好ましい他の態様として
は、上記過塩基性カルシウムフェネートの製造方法にお
いて過塩基性カルシウムフェネートの二酸化炭素処理物
を製造するに際して、上記のフェノール類の金属付加を
(又は金属付加と硫化とを同時に)行う反応を、過剰の
フェノール類又は希釈剤の存在下で行い、反応生成物を
蒸留して、添加水及び生成水の少なくとも一部、又は添
加水と生成水と未反応二価アルコールの少なくとも一部
を留去し、蒸留残留物を二酸化炭素で処理し、生成混合
物を蒸留して、未反応フェノール類と残存二価アルコー
ルを、又は未反応フェノール類と残存二価アルコールと
少なくとも一部の希釈剤を留去して、蒸留残留物として
得られた過塩基性硫化カルシウムフェネートが挙げられ
る。
【0009】過塩基性カルシウムフェネートの製造に際
して使用される原料は、次の通りである。フェノール類
としては、例えば炭素数4〜36、好ましくは8〜32
の炭化水素基、例えばアルキル基、アルケニル基、アラ
ルキル基などを有するフェノール類が挙げられる。これ
らの炭化水素基の具体例としては、例えばブチル、アミ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、
ドデシル、ウンデシル、トリドデシル、セチル、エチル
ヘキシル、トリアコンチルなどの炭化水素基、あるいは
流動パラフィン、ワックス、ポリオレフィン重合体(ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなど)の石油
炭化水素から誘導される基などが挙げられる。フェノー
ル類の好ましいものは、約130℃で液状となり得るも
のであり、さらに好ましくは約120℃で液状となり得
るものである。これらのフェノール類は、1種単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】カルシウム薬剤としては、カルシウムの酸
化物、あるいは水酸化物が用いられる。これらのカルシ
ウム薬剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。フェノール類に対するカルシ
ウム薬剤の使用量は、広い範囲を採ることができるが、
通常フェノール類1当量当たり、約0.001〜20当
量、より好ましくは0.01〜6当量とすることが適し
ている。フェノール類とカルシウム薬剤の使用量は、一
方が多過ぎると他方が未反応分として残るため、無駄に
なる。
【0011】二価アルコールとしては、比較的低沸点か
つ低粘度で、反応性に富むものが好適に挙げられ、特に
エチレングリコール、プロピレングリコールが好まし
い。これらの二価アルコールは、1種単独で用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。二価アル
コールの使用量は、カルシウム薬剤1モル当たり、約
0.15〜3モルが好ましく、特に約0.3〜1.5モ
ルが好ましい。二価アルコールは、フェノール類とカル
シウム薬剤との反応による油溶性物質への転化を助ける
と共に、一部は製品カルシウムフェネート若しくはその
二酸化炭素処理物中に取り込まれて、多当量化カルシウ
ムフェネート若しくはその二酸化炭素処理物を構成する
ものである。二価アルコールの使用量が少な過ぎると、
原料、特にカルシウム薬剤の製品転化率(すなわち、製
品中に取り込まれた原料の反応率)が低下するが、後述
する水の添加により二価アルコールの使用量を少なくす
ることができる。二価アルコールの使用量が多いと、フ
ェノール類への金属付加反応は、円滑に進行するが、反
応生成物から過剰の二価アルコールを蒸留留去する時間
及びユーティリティー(熱量)が過大にかかってしま
う。
【0012】硫黄は、極少量から大多量まで広範囲の量
で用いることができる。通常の硫黄の使用量は、カルシ
ウム薬剤1モル当たり約4モル以下が好ましく、特に約
0.001〜3モルが好ましい。硫黄の使用量は、多過
ぎると塩基性のカルシウムフェネート、又は二酸化炭素
処理物が得にくくなり、また製品の色相が濃くなる。フ
ェノール類へのカルシウム薬剤の金属付加反応工程にお
いて、反応系中へ添加する水は、蒸留水はもちろん缶水
(ボイラー水)や工業用水、金属付加反応で生成する水
などが使用でき、その品質に特に制限はない。また、冷
水、温水、水蒸気などどのような状態の水でも使用でき
る。水の反応系への添加は、水を単独で添加してもよい
し、水の一部あるいは全部をフェノール類や二価アルコ
ールなどの他の原料と混合して添加してもよい。反応系
への水の添加時期は、特に制限なく、水を除く全原料が
混合される前でも後でもよいが、全原料混合後約1時間
以内に添加するのが好ましい。反応系中への水の添加量
は、使用するカルシウム薬剤1モル当たり、通常約0.
01〜10モルであり、望ましくは0.1〜2モルであ
る。
【0013】フェノール類の金属付加反応の反応圧力
は、特に制限されないが、通常2〜11kg/cm2
あり、好ましくは2〜6kg/cm2である。また、フ
ェノール類の金属付加反応の反応温度は、特に制限され
ないが、通常約60〜200℃であり、好ましくは約9
0〜190℃である。一方、二酸化炭素処理は、通常反
応温度約50〜230℃、好ましくは約50〜200℃
で、反応器に二酸化炭素を充填し、加圧下脱気をするこ
となく二酸化炭素と反応させることにより行うことがで
きる。この二酸化炭素処理の反応圧力は、特に制限され
ないが、通常2〜11kg/cm2であり、好ましくは
2〜6kg/cm2である。これらのカルシウムフェネ
ートは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。本発明のエンジン油組成物におけ
る上記カルシウムフェネートの配合割合は、10〜30
重量%であり、好ましくは15〜25重量%である。カ
ルシウムフェネートの配合割合が少な過ぎると効果が十
分でなく、逆に多過ぎても添加量の割りに効果の向上が
得られず、コストアップとなり経済的に不利となる。
【0014】本発明における必須成分の一つである
(B)成分のカルシウムサリシレートは、塩基価が20
0mgKOH/g以上であり、好ましくは250mgK
OH/g以上であり、さらに好ましくは250〜380
mgKOH/gであり、特に好ましくは280〜350
mgKOH/gである。カルシウムサリシレートの塩基
価が200mgKOH/g未満では、添加量を増加させ
たとしても、カルシウムフェネートとの相乗作用による
良好な低温流動性が得られない。このカルシウムサリシ
レートは、炭素数10〜18のαーオレフィンでフェノ
ールをアルキル化し、次いでコルベ−シュミット反応で
カルボキシル基を導入した後、複分解などによりカルシ
ウム塩としたものが使用される(イギリス特許第73
4,598号公報、イギリス特許第734,622号公
報など参照)。これらのカルシウムサリシレートは、1
種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。本発明のエンジン油組成物における上記カル
シウムサリシレートの配合割合は、2〜15重量%、好
ましくは3〜10重量%である。カルシウムサリシレー
トの配合割合が少な過ぎると効果が十分でなく、逆に多
過ぎても添加量の割りに効果の向上が得られず、コスト
アップとなり経済的に不利となる。本発明のエンジン油
組成物における(A)成分の上記カルシウムフェネート
と(B)成分の上記カルシウムサリシレートの配合割合
は、それぞれの塩基価が高ければ少なくてすみ、(A)
成分の上記カルシウムフェネートと(B)成分の上記カ
ルシウムサリシレートの総塩基価の割合は、通常5〜
9:5〜1の範囲が好ましく、さらに6〜9:4〜1の
範囲が好ましく、特に7.5〜8.5:2.5〜1.5
の範囲が好ましい。
【0015】本発明においては、上記(A)成分及び
(B)成分を鉱油系潤滑油もしくは合成系潤滑油あるい
は両者の混合物からなる基油に配合する。基油は、通常
の潤滑油粘度を有するものであり、粘度指数が85〜1
40のものが好適である。鉱油系潤滑油の場合は、例え
ば鉱油系潤滑油留分を溶剤精製、水素化精製など適宜組
み合わせて精製したものを用いればよい。合成系潤滑油
としては、例えば炭素数3〜12のα−オレフィンの重
合体であるα−オレフィンオリゴマー、ジオクチルセバ
ケートを始めとするセバケート、アゼレート、アジペー
トなどの炭素数4〜12のジアルキルジエステル類、1
−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールと炭
素数3〜12の一塩基酸から得られるエステルを始めと
するポリオールエステル類、炭素数9〜40のアルキル
基を有するアルキルベンゼン類などが挙げられる。上記
鉱油系潤滑油及び合成系潤滑油はそれぞれ1種単独であ
るいは2種以上を混合して使用することができる。
【0016】本発明のエンジン油組成物においては、ア
ルケニルこはく酸イミド又はその誘導体を含有させるこ
とが好ましい。アルケニルこはく酸イミド又はその誘導
体は、特に限定されるものではなく、通常潤滑油の無灰
型分散剤として使用できる種々のものが使用できる。ア
ルケニルこはく酸イミド又はその誘導体の具体例として
は、例えばポリブテン等の分子量約300〜3000の
ポリオレフィンを無水マレイン酸と反応させてモノアル
ケニル無水こはく酸とした後、さらにエチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンの
ようなポリアミンを用いてイミド化したものでモノイミ
ド、ジイミド、トリイミドなどの種々のアルケニルこは
く酸イミド類、あるいは、得られたイミドに芳香族ポリ
カルボン酸を作用させて残りのアミノ基を一部アミド化
したもの(例えば分子量900のポリブテンを無水マレ
イン酸と反応させた後に、テトラエチレンペンタミンで
イミド化したもの、あるいはトリメリット酸を作用させ
たものなどが挙げられる)、また、特公昭42−801
3号公報、特公昭42−8014号公報、特開昭51−
52381号公報、特開昭51−130408号公報に
記載されているようなアルケニルこはく酸イミドのホウ
素化合物誘導体、有機ホスホネ−ト誘導体等あるいはア
ルケニルこはく酸イミドをアルデヒド、ケトン、カルボ
ン酸、スルホン酸、アルキレンオキシド、硫黄等と反応
させたアルケニルこはく酸イミドの誘導体などが挙げら
れる。これらのアルケニルこはく酸イミド又はその誘導
体のうち好ましいものは、アルケニル基のポリブテン分
子量が分子量900のポリブテンを無水マレイン酸と反
応させた後に、テトラエチレンペンタミンでイミド化し
たアルケニルこはく酸モノイミドである。
【0017】なお、これらのアルケニルこはく酸イミド
又はその誘導体は、1種単独で用いてもよく、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。本発明のエンジン油組成
物におけるアルケニルこはく酸イミド又はその誘導体の
配合割合は、0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重
量%である。アルケニルこはく酸イミド又はその誘導体
の配合割合が少な過ぎると分散性が悪く、逆に多過ぎる
と摩耗性、清浄性が悪くなる。
【0018】本発明のエンジン油組成物には、非イオン
系界面活性剤を添加することができる。非イオン系界面
活性剤の具体例としては、例えば炭素数8〜22のアル
キル基を有するアルキルアミンを有し、1〜10モルの
アルキレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレン
アルキルアミン;炭素数10〜20のアルキル基又はア
ルケニル基を有し、1〜20モルのエチレンオキサイド
を付加したポリオキシエチレンアルキル又はアルケニル
エーテル;炭素数1〜30のアルキル基を有し、1〜2
0モルのエチレンオキサイドを付加したポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル;炭素数10〜20のア
ルキル基又はアルケニル基を有し、1〜20モルのプロ
ピレンオキサイドを付加したポリオキシプロピレンアル
キル又はアルケニルエーテル;炭素数10〜20のアル
キル基又はアルケニル基を有し、1〜20モルのブチレ
ンオキサイドを付加したポリオキシブチレンアルキル又
はアルケニルエーテル;炭素数10〜20のアルキル基
又はアルケニル基を有し、総和で1〜30モルのエチレ
ンオキサイドとプロピレンオキサイドあるいはエチレン
オキサイドとブチレンオキサイドを付加した非イオン界
面活性剤;高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアル
キレンオキサイド付加物;炭素数10〜20の脂肪酸と
ショ糖からなるショ糖脂肪酸エステル;炭素数10〜2
0の脂肪酸とグリセリンから成る脂肪酸グリセリンモノ
エステルなどが挙げられる。これらの非イオン系界面活
性剤のうち、ポリオキシアルキレン非イオン系界面活性
剤などが好ましく、特にポリオキシエチレン非イオン系
界面活性剤が好ましい。ポリオキシアルキレン非イオン
系界面活性剤は、アルキル基の炭素数が1〜30のポリ
オキシアルキレン非イオン系界面活性剤が特に好まし
い。
【0019】ポリオキシエチレン非イオン系界面活性剤
の具体例としては、例えばポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンオクチルステアリルエーテル、ポリオキシエチ
レンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン
モノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
オレエート、ポリオキシエチレングリコールモノオレエ
ートなどが挙げられ、好ましくはポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルである。
【0020】本発明のエンジン油組成物においては、上
記した添加物のほかに、必要に応じて各種の公知の添加
剤、例えばジアルキルジチオリン酸亜鉛などのチオリン
酸亜鉛、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾー
ルなどのフェノール系化合物、N−ジメチルアニリンな
どの芳香族アミン化合物などの各種酸化防止剤、ジアル
キルジチオリン酸モリブデンなどの各種摩耗防止剤、ポ
リメタクリレート系、エチレンープロピレン共重合体、
スチレン・イソプレン共重合体、スチレン・イソプレン
共重合体の水素化物あるいはポリイソブチレンなどの各
種粘度指数向上剤、硫化油脂、ジフェニルスルフィド、
メチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨ
ウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサン、ナ
フテン酸鉛などの各種極圧剤、ステアリン酸を始めとす
るカルボン酸、ジカルボン酸、金属石けん、カルボン酸
アミン塩、重質スルホン酸の金属塩、多価アルコールの
カルボン酸部分エステル、りん酸エステルなどの各種さ
び止め剤、高級脂肪酸、高級アルコール、アミン、エス
テルなどの各種摩擦調整剤、シリコーン油などの各種消
泡剤などを1種単独又は2種以上組み合わせて適宜配合
することができる。また、これら以外にも各種の添加物
を適宜配合することができる。
【0021】本発明のエンジン油組成物の調整方法は、
基油、上記必須成分及び必要に応じて各種添加剤を適宜
混合すればよく、その混合順序は特に限定されるもので
はなく、基油に必須成分を順次混合してもよく、必須成
分を予め混合した後基油に混合してもよい。さらに、各
種添加剤についても、予め基油に添加してもよく、必須
成分に添加してもよい。本発明のエンジン油は、ガソリ
ンエンジン、ディーゼルエンジン、2サイクルエンジ
ン、4サイクルエンジンなどの陸上で使用されるエンジ
ン、船舶で使用される舶用エンジンなど種々のエンジン
に使用されるが、舶用エンジンに好適に使用できる。特
に、本発明のエンジン油は、寒冷地などでの低温雰囲気
下でのこれらのエンジンに好適に使用することができる
特徴を有する。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。ただし、本発明はこれらの例によっては何ら限
定されるものではない。実施例では、基油に、必須成分
及び種々の添加剤を配合してエンジン油組成物を調整
し、低温流動性、耐摩耗性及び清浄性を評価した。各実
施例、各比較例のエンジン油組成物の調製に用いた基
油、必須成分及び添加剤の種類並びに各評価試験は次の
通りである。
【0023】(1)基油 SAE50(アメリカ自動車技術者協会による自動車用
潤滑剤の粘度番号が50で、粘度指数が96で、100
℃の粘度が16.3〜21.9mm2/sの鉱油)を使
用した。 (2)カルシウムフェネート(TBN=250mgKO
H/g) オートクレーブにフェノール類としてノニルフェノール
を3モル、二価アルコールとしてエチレングリコールを
1モル、及び酸化カルシウムを0.3モル、硫黄を0.
18モル添加し、窒素加圧下130℃で6kg/cm2
の加圧、密閉の条件下約3時間撹拌し反応させた後、該
反応系内を徐々に減圧しながら生成した水と一部の未反
応エチレングリコールを留去し、フェノール類の金属付
加と硫化とを同時に行わせた。さらに、蒸留残留物を別
のオートクレーブに移し、減圧状態にし、この状態から
加熱温度120℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。
この際の最終圧力は4.7kg/cm2であった。しか
る後、二酸化炭素にて6kg/cm2まで加圧し、その
圧力を保持したまま155℃で2時間、脱気を行わない
状態で保持し、二酸化炭素処理を行い、得られた過塩基
性硫化カルシウムフェネートを使用した。なお、TBN
は、総塩基価のことである。塩基価は、JIS−K−2
501−6により測定した値である。 (3)カルシウムサリシレート(TBN=320mgK
OH/g) 炭素数10〜18のαーオレフィンでフェノールをアル
キル化し、次いでコルベ−シュミット反応でカルボキシ
ル基を導入した後、複分解などによりカルシウム塩とし
たものを使用した。 (4)カルシウムサリシレート(TBN=170mgK
OH/g) 市販品を用いた。 (5)アルケニルこはく酸イミド 分子量900のポリブテンを無水マレイン酸と反応させ
た後に、テトラエチレンペンタミンでイミド化したもの
を使用した。 (6)消泡剤 シリコーン系消泡剤(市販添加剤)を使用した。
【0024】評価試験 (1)流動点試験法 各試料油の流動点は、JIS−K−2269に基づき評
価した。 (2)パネルコーキング試験 パネルコーキング試験は、Fed 791aに準拠し行
った。 (3)ファレックス試験 ファレックス試験は、ASTM D2670−67に準
拠し行った。
【0025】実施例1〜4 前記の基油にカルシウムフェネート、カルシウムサリシ
レート、アルケニルこはく酸イミド、及び消泡剤を表1
上段に示す割合(重量%)で配合し、エンジン油組成物
を調製した。得られたエンジン油組成物の流動点、パネ
ルコーキング及びファレックス試験の結果は表1下段に
示す通りである。なお、表中バランスとは、エンジン油
に配合されている各成分の合計量が100重量%になる
ように、基油の量を選定する意味である。
【0026】
【表1】
【0027】なお、実施例1〜4におけるカルシウムフ
ェネート及びカルシウムサリシレートの総塩基価の比率
は、()内に示した。 比較例1〜6 前記の基油にカルシウムフェネート、カルシウムサリシ
レート及びアルケニルこはく酸イミドを表2上段に示す
割合(重量%)で配合し、エンジン油組成物を調製し
た。得られたエンジン油組成物の流動点は表2下段に示
す通りである。
【0028】
【表2】
【0029】比較例7 市販品のエンジン油(市販品A)を用い、流動点、パネ
ルコーキング(Fed791B)及びファレックス試験
(ASTM D2670−67)の測定を行い、その結
果を表3に示した。
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明のエンジン油組成物は、特定の金
属型清浄剤を組み合わせることにより、低温流動性を向
上させたものであり、高い清浄性及び耐摩耗性をも有す
る。本発明のエンジン油組成物は、実用上極めて有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10N 10:04 C10N 30:02 30:02 30:04 30:04 30:06 30:06 40:25 40:25 (72)発明者 鈴木 建 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社 コスモ総合研究所 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平6−184578(JP,A) 特開 平5−239485(JP,A) 特開 平5−93197(JP,A) 特開 平4−1293(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 159/20 - 159/22 C10M 133/16 C10M 163/00 C10N 10:04 C10N 30:02 - 30:06 C10N 40:25 - 40:28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油系潤滑油もしくは合成系潤滑油ある
    いは両者の混合物からなる基油に、(A)塩基価が15
    0mgKOH/g以上のカルシウムフェネートを10〜
    30重量%、及び(B)塩基価が200mgKOH/g
    以上のカルシウムサリシレートを2〜15重量%の割合
    で含有していることを特徴とするエンジン油組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、アルケニルこはく酸イミド又は
    その誘導体を0.5〜10重量%の割合で含有している
    請求項1記載のエンジン油組成物。
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