JPH08176199A - アフィニティークロマトグラフィーを用いたヒルジンの精製法 - Google Patents

アフィニティークロマトグラフィーを用いたヒルジンの精製法

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JPH08176199A
JPH08176199A JP7228173A JP22817395A JPH08176199A JP H08176199 A JPH08176199 A JP H08176199A JP 7228173 A JP7228173 A JP 7228173A JP 22817395 A JP22817395 A JP 22817395A JP H08176199 A JPH08176199 A JP H08176199A
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hirudin
solution
purifying
copper
column
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JP7228173A
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Sang Ki Rhee
尚基 李
Bong Hyun Chung
鳳鉉 鄭
Eui Sung Choi
毅星 崔
Jung Hoon Sohn
廷熏 孫
Deok Joong Youn
悳重 尹
Myung Kuk Kim
明國 金
Hai-Don Lee
海敦 李
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Dong Kook Pharmaceutical Co Ltd
Korea Advanced Institute of Science and Technology KAIST
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Dong Kook Pharmaceutical Co Ltd
Korea Advanced Institute of Science and Technology KAIST
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/81Protease inhibitors
    • C07K14/815Protease inhibitors from leeches, e.g. hirudin, eglin
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒルジン及び他の物質を含有する溶液からヒ
ルジンをより好都合に、そして廉価に精製する方法を提
供する。 【解決手段】 ヒルジン及び他の物質を含有する溶液か
らのヒルジンの精製法で、該溶液を金属イオンアフィニ
ティークロマトグラフィーに供する工程を含み、該金属
イオンが銅イオン(Cu2+)であり、クロマトグラフィー
における溶離液としてリン酸緩衝液が用いられる精製
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒルジンの精製法
に関し、更に詳細には、アフィニティークロマトグラフ
ィーを用いたヒルジンの精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】医用ヒル( Hirudo medicinalis) から単
離されるヒルジンは、トロンビン阻害剤であり、65〜66
のアミノ酸で構成される。ヒルジンの約11種の変異体が
知られており、これらはN-末端アミノ酸の配列によって
2つの群、すなわち、N-末端アミノ酸がVal-Val である
HV1 (Bagdy ら、Meth.Enzymol. 45巻、669 頁(1976))
及びN-末端アミノ酸がIle-Thr であるHV2 (Walsmann及
びMarkwardt 、Thromb.Res. 40巻、563 頁(1985))に、
類別されている。HV1 及びHV2 の双方とも、血栓症の治
療に用いられている。ヒルジンは、10-11 〜10-14 M の
トロンビン阻害定数(Ki)を示し、これにより、ヒルジ
ンが極めて低い濃度で血液凝固を阻害することができる
ことが示唆されている(Mao ら、Anal.Biochem. 161
巻、514 頁(1987))。特に、臨床試験によりヒルジン
は、アレルギー、免疫応答、または循環系機能不全など
の有害な作用を示さないことが明らかになった(Markwa
rdt ら、Thromb.Haemostas、52巻、160 頁(1984))。
【0003】1匹の医用ヒルから得ることができるヒル
ジンの量はたかだか20μg 程度である(Markwardt 、Me
th.Enzymol. 19巻、924 頁(1970))。したがって、遺伝
的に設計された微生物を培養することにより大量のヒル
ジンを生産する試みが多くなされてきた(概説について
は、Fareedら、Blood coagulation and Fibrinolysis、
2 巻、135 頁(1991)を参照されたい)。
【0004】Riehl-Bellonらは、遺伝子クローニング技
術により生産したヒルジンを精製するために、陰イオン
交換クロマトグラフィー及び逆相HPLCを用いている(Ri
ehl-Bellonら、Biochem.、28巻、2941頁(1989))。さら
に、Misawaらは組換え大腸菌の培養物からHV2 を精製す
るために、DEAE- セルロファイン(Cellulofine) 、ブチ
ル−トヨパール(Butyl-Toyopearl) 、セファデックス(S
ephadex)G-25そしてQ-セファロース(Sepharose) でのカ
ラムクロマトグラフィーを行っている(Misawaら、Proc
eeding of ApBioChEC. 62 頁(1992))。
【0005】しかしながら、これらの方法は、宿主細胞
におけるヒルジンの生産を検出するためのみに開発され
たものであり、ヒルジンの大量精製に適用するには好適
なものではない。
【0006】医療用途に注射剤の剤形で使用される組換
えタンパク質は、高度に精製されていなければならず、
その精製工程は、調剤の安全性及び経済的な面に鑑みて
極めて重要である。
【0007】医療用のタンパク質を精製する目的で、抗
原−抗体反応を用いた免疫アフィニティークロマトグラ
フィーが使用されている。しかしながら、免疫アフィニ
ティークロマトグラフィーは、種々の不利な点、すなわ
ち不活性化を受けやすく、また高価であるという問題が
ある。従って、その使用は精製プロセスの最終工程にお
いてのみに限られていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記のような実状に鑑
みて、本発明者らはヒルジンをより簡便に、そして廉価
に精製する方法を提供することを目的として広範なる研
究を行い、その結果、金属イオンアフィニティークロマ
トグラフィーで、アフィニティー吸着体(金属イオン)
として銅イオン(Cu2+)を用い、溶離液としてリン酸緩
衝液を用いたものを使用すると前記目的の達成が可能な
らしめられることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】かくして、本発明の目的の1つは、廉価に
てヒルジンを精製するための方法を提供することにあ
る。
【0010】本発明のさらなる目的の1つは、金属イオ
ンアフィニティークロマトグラフィーで、アフィニティ
ー吸着体(金属イオン)として銅イオン(Cu2+)を用
い、溶離液としてリン酸緩衝液を用いたものを用いるこ
とによりヒルジンを精製するための方法を提供すること
にある。
【0011】本発明のさらにいま1つの目的は、ヒルジ
ン及び他の物質を含有する溶液からヒルジンを精製する
ための方法で、以下の工程、すなわち、銅化合物溶液を
リガンドを充填したカラムに通液してリガンドに銅イオ
ン(Cu2+)を吸着せしめ、ヒルジン及び他の物質を含有
する溶液を該カラムに付して銅イオンにヒルジンを結合
せしめ、及び溶離液としてリン酸緩衝液を用いることに
より、銅イオンからヒルジンを脱着してカラムからヒル
ジンを溶離する工程を含むヒルジンの精製法を提供する
ことにある。
【0012】本発明の他の目的、特徴及び適用は、以下
の発明の詳細な説明により当業者には容易に明らかとな
るであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヒルジンの精
製における、前記の目的を達成するために鋭意研究を重
ねた結果成し遂げられたものであって、下記の(1)〜
(7)を特徴とする。
【0014】(1)本発明のうち請求項1記載の発明
は、ヒルジン及び他の物質を含有する溶液からのヒルジ
ンの精製法であって、該溶液を金属イオンアフィニティ
ークロマトグラフィーに供する工程を含み、該金属イオ
ンが銅イオン(Cu2+)であり、クロマトグラフィーにお
ける溶離液としてリン酸緩衝液が用いられることを特徴
とする。
【0015】(2)請求項2記載の発明は、前記請求項
1記載の発明において、以下の工程、すなわち、リガン
ドを充填したカラムに銅化合物溶液を通液して、リガン
ドに銅イオン(Cu2+)を吸着せしめ、カラムにヒルジン
及び他の物質を含有する溶液を付して銅イオンにヒルジ
ンを結合せしめ、及び溶離液としてリン酸緩衝液を用い
ることにより、銅イオンからヒルジンを脱着してカラム
からヒルジンを溶離する工程を含むことを特徴とする。
【0016】(3)請求項3記載の発明は、前記ヒルジ
ンが天然のヒルジンであるHV1 、HV2 またはLys47-HV2
であることを特徴とする。
【0017】(4)請求項4記載の発明は、前記銅化合
物溶液が硫酸銅溶液であることを特徴とする。
【0018】(5)請求項5記載の発明は、前記リン酸
緩衝液が100 mM未満の濃度であることを特徴とする。
【0019】(6)請求項6記載の発明は、前記リン酸
緩衝液が20 mM 以下のイミダゾールを含有すことを特徴
とする。
【0020】(7)請求項7記載の発明は、前記リガン
ドがイミノジ酢酸であることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0022】アフィニティー吸着体として金属イオンが
用いられる金属イオンアフィニティークロマトグラフィ
ーは、1975年にヒト血清タンパク質を単離するために初
めて開発されたものである(Porathら、Nature、258
巻、598 頁(1975))。Porathらは、イミダゾール構造を
有する特定のアミノ酸が、アミノ酸と金属イオンとの間
のアフィニティーにによりクロマトグラフィーカラム内
に充填したリガンド上に吸着した金属イオンに結合し、
その後、溶離液を用いてアミノ酸と金属イオンとの間の
アフィニティーを減じることにより金属イオンからアミ
ノ酸が脱着されることを教示している。金属イオンとし
ては、Cu2+、Ni2+及びZn2+などの二価の金属イオンを挙
げることができる。産業上の面で、金属イオンが吸着す
るリガンドを容易に調製することができ、安定性に優
れ、そして固定化マトリックス(または担体)が再利用
できることなどの利点を、金属イオンクロマトグラフィ
ーは備えるものである。
【0023】ヒルジンを単離または精製するのに、金属
イオンアフィニティークロマトグラフィーを適用する試
みはなされたことがない。本発明者らは、初めて、ヒル
ジンを精製するために金属イオンアフィニティークロマ
トグラフィーを適用する試みを行い、その至適操作条件
を確立した。
【0024】本発明によれば、金属イオンアフィニティ
ークロマトグラフィーを用いた精製法は、以下の工程、
すなわち、リガンドを充填したカラムに銅化合物溶液を
通液させて、リガンドに銅イオン(Cu2+)を吸着せし
め、カラムに、精製されるべきヒルジン含有溶液を付し
て銅イオンにヒルジンを結合せしめ、及び溶離液として
リン酸緩衝液を用いることにより、銅イオンからヒルジ
ンを脱着してカラムからヒルジンを溶離する工程を含
む。
【0025】リガンドは、固定化マトリックスまたは担
体に固定化され、それに、アフィニティー吸着剤として
銅イオンが吸着せしめられるものであり、金属イオンア
フィニティークロマトグラフィー用に使用されるもので
あればいずれでもよい。リガンドの例としては、イミノ
ジ酢酸(IDA )、トリス(カルボキシメチル)エチレン
ジアミン(TED )またはニトリロ三酢酸(NTA )が含ま
れるがもとよりこれらに限定されない。好ましくはイミ
ノジ酢酸が使用される。
【0026】固定化マトリックスまたは担体として、セ
ファロース(ファルマシア(Pharmacia) 社)、セファデ
ックス(ファルマシア社)、セルファイン(Cellufine)
(アミコン(Amicon)社)、トヨパール(トーソー(Toso
h) 社)などのアガロースまたはデキストロースゲルを
用いると良い。
【0027】リガンドが固着される固定化マトリックス
は、当業者に周知の技術によって調製されてもよいし、
または市販のものも入手可能である。
【0028】本発明のために使用される金属イオンは、
二価のイオンであり、好ましくは銅イオン(Cu2+)であ
る。リガンドを充填したカラムに銅化合物の溶液を通液
することにより、銅イオンを吸着することができる。銅
化合物は、好ましくは硫酸銅である。亜鉛またはニッケ
ルなどの他の二価イオンはいずれも、ヒルジンに対する
アフィニティーを有さず、従って、ヒルジンの精製用に
用いることはできない。
【0029】ヒルジンは、リン酸などの緩衝液、イミダ
ゾール濃度勾配、pH勾配、またはエチレンジアミン四酢
酸もしくはエチレングリコール四酢酸などのキレート形
成剤を用いることにより金属イオンから脱着しうる。ヒ
ルジンの収率を考慮すると、特に50〜500 mMリン酸、よ
り好ましくは100 mMまでのリン酸緩衝液が有利に使用さ
れる。カップリングが極めて強固である場合、銅イオン
からヒルジンの脱カップリングがイミダゾールにより容
易となるので、リン酸緩衝液は、20 mM までのイミダゾ
ールを含有してもよい。
【0030】本発明の方法を用いることにより精製する
ことができるヒルジンには、医用ヒルから単離した天然
のヒルジン、ヒルジンをコードする組換えDNA を有する
酵母または細菌を培養することで得られるヒルジンを含
有する培養ブロス、市販され入手可能な未精製(粗)ヒ
ルジン調製物などを包含しうる。組換えDNA 技術により
生産されうるヒルジンには、HV2 ヒルジン、HV2 ヒルジ
ンの第47位のアミノ酸がLys で置換されたLys47 ー HV2
、またはHV1 ヒルジンが包含されうる。
【0031】ヒルジンをコードする組換えDNA を担持す
る酵母または細菌は、ヒルジンを生産するために、当業
者に広く知られた通例の培養技術により培養すればよ
い。次いで、ヒルジンは、例えば、培養ブロスを遠心
し、それにより得られた上清を超遠心または限外濾過に
供することなどのような、当業者に知られた方法を用い
ることにより、酵母または細菌の培養ブロスから粗精製
するとよい。別の方法としては、培養ブロスをイオンク
ロマトグラフィー、またはエタノールもしくはアセトン
を用いた沈澱に供してもよい。
【0032】本発明において、本明細書中で使用した
「ヒルジンを含有する粗溶液」の語は、ヒルジンのみな
らず他の物質を含有する溶液を意味し、そして「ヒルジ
ン及び他の物質を含有する溶液」の語と同義に用いる。
ヒルジンを含有する粗溶液には、前記した培養ブロス、
または培養ブロスから得た粗ヒルジン、市販され入手可
能な未精製のヒルジン調製物などが包含されるが、もと
よりそれらに限定されるものではない。
【0033】ヒルジンは、フォーリン(Folin) 法によっ
て定量分析され、その純度は、アセトニトリル−水の15
〜30%の濃度勾配を用いるC-8 カラム(4.6 mm× 250 m
m 、フェノメネックス(Phenomenex)社)で高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC、ベックマン(Beckman) 社、Mode
l System Gold )を行うソーン(Sohn)法(Sohnら、J.Mi
crobiol.Biotechnol. 、1 巻、266 頁(1991))によって
決定する。
【0034】ヒルジンの抗トロンビンの力価は、抗トロ
ンビン活性の単位(ATU )として現わす。トロンビン活
性はNIH-U で標準化され、ヒルジン活性の1 ATU は、1
NIH-U のトロンビン活性を完全に阻害するヒルジンの量
として定義付けられる。
【0035】抗トロンビン活性の力価は、以下のナディ
ン(Nadine)らの方法(Nadineら、Biochem.、28巻、2941
頁(1989))により決定するとよい。
【0036】すなわち、50μl のトロンビン反応溶液
(0.1 M トリス塩酸、pH 8.0、0.12 MNaCl 、0.01%ア
ジ化ナトリウム、0.1 %ウシ血清アルブミン)50μl
に、0.005 、0.01、0.015 、0.02、0.025 もしくは0.03
ATUの真正なヒルジン(AccurateChem. & Scientific
社)、または本発明方法の実施例において調製した精製
ヒルジンを添加し、次いで0.03 NIH-U/50 μl のヒトト
ロンビン(シグマ(Sigma)社)をそこに添加する。その
後、トロンビンに対する合成基質である、200 μMのク
ロモザイム(Chromozym) TH(ベーリンガーマンハイム(B
oehringer Mannheim) 社)100 μl を加え、得られた混
液を37℃にて5 分間インキュベートし、405nmでのクロ
モザイムTHの発色を、マイクロプレートリーダーを用い
て測定する。
【0037】各々の真正ヒルジン及び本精製ヒルジンに
ついての405 nmでの測定値を用いて、本発明の実施例に
て得られた精製ヒルジンの力価を算出する。
【0038】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明はもとよりこれら実施例に限定され
るものではない。
【0039】
【実施例】実施例1 酵母Saccharomyces cerevisiae KCTC 8519P を混合培養
培地(4 %酵母抽出物、0.5 %カザミノ酸、1 %コハク
酸、0.4 %水酸化ナトリウム、及び炭素源として4 %ガ
ラクトースを含有する)中で、30℃にて52時間培養し
た。培養はガラクトースを、2 〜4 %の濃度を保つよう
に断続的に添加する連続供給バッチ式培養で行った。
【0040】培養が完了した後、培養ブロスを遠心して
上清を得、それを3,000 の分子量篩い分け能(MWCO)を
有するYM3 限外濾過膜(アミコン社)を通して濾過し
た。このようにして得た濾液を「ヒルジンを含有する粗
溶液」と称し、引き続く精製工程で用いた。
【0041】実施例2 イミノジ酢酸(IDA )が固着されたセファロースゲルで
ある、IDA-セファロース 6B ファストフロー(Fast Flo
w) は、シグマ社より購入した。IDA-セファロース 6B
を1.5 × 30 cmのクロマトグラフィー用カラムに充填
し、20 mM の硫酸銅溶液をカラムに通液した。
【0042】実施例3 実施例1で調製したヒルジンを含有する粗溶液1 mlを、
実施例2で調製したIDA-セファロース6Bファストフロー
カラムに1 ml/ 分の流速で通液して銅イオンにヒルジン
を結合せしめ、その後カラムを1 mMのリン酸緩衝液(pH
6.2)で洗浄してヒルジン以外の非結合タンパク質を除
去した。次いで、100 mMのリン酸緩衝液(pH 6.2)を用
いてヒルジンを溶離した。ヒルジンを含有する第38〜54
番目の画分を集めて、3,000 の分子量篩い分け能を有す
る膜を通す限外濾過に供した。濾液の中に含まれる総タ
ンパク質及びヒルジンの活性の量は、それぞれ1.75 mg
及び4000 ATU/mg であって、一方出発材料であるヒルジ
ンを含有する粗溶液については、それぞれ120.8 mg及び
68.6 ATU/mg であった。ヒルジンの収率及び純度はそれ
ぞれ85.6%及び90%以上であった。
【0043】比較例1〜2 硫酸銅溶液の代わりに20 mM のニッケルイオン(比較例
1)、または亜鉛イオン(比較例2)溶液を使用した以
外は、実施例1から3までに記載の手順を行った。 カ
ラム通液の前後で、溶液中に含まれる総タンパク質及び
ヒルジンの活性の量に変化はなかった。
【0044】実施例4 シグマ社のカタログ番号H7016 の、未精製天然ヒルジン
を購入し、実施例3に記載の手順に従って精製した。
【0045】カラム通液前の総タンパク質及びヒルジン
の活性の量は、それぞれ0.08 mg 及び1720 ATU/mg であ
り、一方カラム通液後はそれぞれ0.01179 mg及び10500
ATU/mgであった。ヒルジンの収率及び純度は、それぞれ
90%及び97%以上であった。
【0046】実施例5 カルバイオケム(CalBioChem)社の、カタログ番号377855
の未精製HV1 を購入し、実施例3に記載の手順に従って
精製した。銅イオンからのヒルジンの分離は、20 mM の
イミダゾールを含有する100 mMのリン酸緩衝液(pH 6.
2)を用いることにより行った。
【0047】カラム通液前の総タンパク質及びヒルジン
の活性の量は、それぞれ0.93 mg 及び215 ATU/mgであ
り、一方カラム通液後はそれぞれ0.215 mg及び890 ATU/
mgであった。ヒルジンの収率及び純度は、それぞれ96%
及び90%以上であった。
【0048】実施例6 シグマ社のカタログ番号H0393 の、組換えヒルジンであ
るLys 47-HV2を購入し、実施例3に記載の手順に従って
精製した。
【0049】カラム通液前の総タンパク質及びヒルジン
の活性の量は、それぞれ0.01 mg 及び9900 ATU/mg であ
り、一方カラム通液後はそれぞれ0.0095 mg 及び12000
ATU/mgであった。ヒルジンの収率及び純度は、それぞれ
90%及び99%以上であった。
【0050】比較例3 カラムからヒルジンを溶離するために、1 M のNaClを含
有する酢酸ナトリウム緩衝液(20 mM )を用いて、pH6
から4 までのpH勾配を形成した以外は、実施例1から3
までに記載の手順を行った。
【0051】銅イオンからのヒルジンの分離は不完全で
あり、ヒルジンの収率は約60%であった。
【0052】実施例7 リガンドとしてイミノジ酢酸の代わりにトリス−カルボ
キシメチルエチレンジアミンを使用した以外は、実施例
1から3までに記載の手順を行った。ヒルジンの収率及
び純度は、それぞれ86.3%及び90%以上であった。
【0053】本発明はその主旨または本質的な特徴から
逸脱することなく、さらに別の態様で実施または実用化
されるかもしれない。それゆえ、本明細書に記載の好ま
しい実施態様は単なる例示であって本発明を限定するも
のでなく、特許請求の範囲に示される本発明の範囲及び
特許請求の範囲に含意される変更のすべてが、その中に
包含されることを意図するものである。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明は、ヒルジン及び他の物質を含有する溶
液からのヒルジンの精製法であって、該溶液を金属イオ
ンアフィニティークロマトグラフィーに供する工程を含
み、該金属イオンが銅イオン(Cu2+)であり、クロマト
グラフィーにおける溶離液としてリン酸緩衝液が用いら
れることを特徴とする。
【0055】請求項2記載の発明は、前記請求項1記載
の発明において、以下の工程、すなわち、リガンドを充
填したカラムに銅化合物溶液を通液しせて、リガンドに
銅イオン(Cu2+)を吸着せしめ、カラムにヒルジン及び
他の物質を含有する溶液を付して銅イオンにヒルジンを
結合せしめ、及び溶離液としてリン酸緩衝液を用いるこ
とにより、銅イオンからヒルジンを脱着してカラムから
ヒルジンを溶離する工程を含むことを特徴とする。
【0056】請求項3記載の発明は、前記ヒルジンが天
然のヒルジンであるHV1 、HV2 またはLys47-HV2 である
ことを特徴とする。
【0057】請求項4記載の発明は、前記銅化合物溶液
が硫酸銅溶液であることを特徴とする。
【0058】請求項5記載の発明は、前記リン酸緩衝液
が100 mM未満の濃度であることを特徴とする。
【0059】請求項6記載の発明は、前記リン酸緩衝液
が20 mM 以下のイミダゾールを含有すことを特徴とす
る。
【0060】請求項7記載の発明は、前記リガンドがイ
ミノジ酢酸であることを特徴とするるものである。
【0061】かくして本発明により、ヒルジンをより好
都合に、そして廉価に精製する方法が提供される。
フロントページの続き (72)発明者 鄭 鳳鉉 大韓民国大田廣域市西區月坪洞屯山地區 ヌリアパート113−607 (72)発明者 崔 毅星 大韓民国大田廣域市儒城區宮洞395−3 ダソルアパート102−507 (72)発明者 孫 廷熏 大韓民国大田廣域市西區月坪洞屯山地區 ヌリアパート103−506 (72)発明者 尹 悳重 大韓民国ソウル特別市廣津區九宜洞199− 24 庭園アパート402號 (72)発明者 金 明國 大韓民国ソウル特別市廣津區廣壯洞 三星 アパート1−501 (72)発明者 李 海敦 大韓民国ソウル特別市銅雀區舍堂2洞山17 極東アパート108−1304

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒルジン及び他の物質を含有する溶液か
    らのヒルジンの精製法であって、 該溶液を金属イオンアフィニティークロマトグラフィー
    に供する工程を含み、該金属イオンが銅イオン(Cu2+
    であり、クロマトグラフィーにおける溶離液としてリン
    酸緩衝液が用いられることを特徴とするヒルジンの精製
    法。
  2. 【請求項2】 以下の工程、すなわち、 リガンドを充填したカラムに銅化合物溶液を通液して、
    リガンドに銅イオン(Cu2+)を吸着せしめ、 カラムにヒルジン及び他の物質を含有する溶液を付して
    銅イオンにヒルジンを結合せしめ、及び溶離液としてリ
    ン酸緩衝液を用いることにより、銅イオンからヒルジン
    を脱着してカラムからヒルジンを溶離する工程を含む、
    請求項1記載のヒルジンの精製法。
  3. 【請求項3】 前記ヒルジンが天然のヒルジンであるHV
    1 、HV2 またはLys47-HV2 である請求項1または2記載
    のヒルジンの精製法。
  4. 【請求項4】 前記銅化合物溶液が硫酸銅溶液である請
    求項2または3記載のヒルジンの精製法。
  5. 【請求項5】 前記リン酸緩衝液が100 mM未満の濃度で
    ある請求項1、2、3または4記載のヒルジンの精製
    法。
  6. 【請求項6】 前記リン酸緩衝液が20 mM 以下のイミダ
    ゾールを含有する請求項5記載のヒルジンの精製法。
  7. 【請求項7】 前記リガンドがイミノジ酢酸である請求
    項2、3、4、5または6記載のヒルジンの精製法。
JP7228173A 1994-09-07 1995-09-05 アフィニティークロマトグラフィーを用いたヒルジンの精製法 Pending JPH08176199A (ja)

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