JPH08175998A - シリコート容器を用いた凍結乾燥製剤 - Google Patents

シリコート容器を用いた凍結乾燥製剤

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JPH08175998A
JPH08175998A JP33937994A JP33937994A JPH08175998A JP H08175998 A JPH08175998 A JP H08175998A JP 33937994 A JP33937994 A JP 33937994A JP 33937994 A JP33937994 A JP 33937994A JP H08175998 A JPH08175998 A JP H08175998A
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JP
Japan
Prior art keywords
ampoule
silica
preparation
prostagrandin
cake
Prior art date
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Pending
Application number
JP33937994A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Arakawa
昇 荒川
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Takada Seiyaku KK
Original Assignee
Takada Seiyaku KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】充填後アンプルの肩部に充填液が溜まらないよ
うにすることで、凍結乾燥後肩部に乾燥ケーキが固着し
ないプロスタグランジン類の凍結乾燥品を安定的に提供
することにある。さらに、アンプル底部にリング状に形
成された乾燥ケーキは外観上並びに使用上良好な製品と
なる。 【構成】プロスタグランジンEのシクロデキストリン
包接体にクエン酸を添加し、蒸留水を加え溶解後、無菌
濾過し、シリコートアンプルに充填後凍結乾燥すること
により形状の良好な凍結乾燥品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコート容器を用いた
凍結乾燥製剤に関する。好ましくは、プロスタグランジ
ン類の注射剤に用いられる凍結乾燥製剤に関するもので
ある。プロスタグランジン類は種々の薬理活性を有して
おり医薬品として、すでに商品化されているものがあ
る。例えばプロスタグランジンE(以下PGEと略
す)は血管拡張作用と血小板凝集抑制作用を有し、閉塞
性動脈硬化性疾患に対し有効であることが知られてい
る。プロスタグランジン類は安定性に問題があり、凍結
乾燥品が商品化されているが、より良好な凍結乾燥品が
求められている。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジン類の凍結乾燥方法
は、例えば特公昭54−43570号に記載されてい
る。すなわち、プロスタグランジン類、具体的にはPG
をシクロデキストリン包接体とし(以下PGE
CDと略す)、ビタミンC又はクエン酸を添加し、蒸留
水を加えて溶解後、無菌濾過し、アンプルに充填し、凍
結乾燥して乾燥物を得る方法である。
【0003】しかしながら、上記方法では次のような問
題点を生じている。すなわち、PGE−CDにクエン
酸を添加し、蒸留水を加え溶解後、無菌濾過し、PGE
として20μgを含む液50mgを5mlのアンプル
に充填する。このとき通常のアンプルを用いると液はア
ンプル内壁を伝って上昇してしまい、最後にはアンプル
肩部に到達し、そこに停滞してしまう。アンプル肩部に
溜まった液は容易には落下せず、そのまま凍結乾燥して
得られた凍結乾燥品は肩部に乾燥ケーキが固着してしま
う。こうして得られた凍結乾燥品は、溶解液をアンプル
に注入したとき肩部に溶解液がかかりにくく、溶解が不
十分となる。例えば分析結果から肩部に固着するケーキ
は、平均して約5μgものPGEを含んでいることが
分かった。このようにして得られた溶解液は当然のごと
く使用時にPGEの含量が低くなる。又,通常のアン
プルを用いた場合の凍結乾燥品は外観上からも商品価値
を著しく損なう結果となる。
【0004】一方、同様にして調製した液をシリコンコ
ーティングされたアンプルに充填した場合、シリコンコ
ーティングにより液が撥水され、液は球状に近い状態に
なる。このものを乾燥すると液は米粒状に固まり、乾燥
後米粒状の乾燥ケーキを形成する。このケーキはアンプ
ル内壁から容易に剥離してアンプル内部を動き回るた
め、ケーキがアンプルの枝部に入り込み、使用時にケー
キをアンプル胴部に移動しなければならない等の不都合
が生じると共に外観上からも好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は良好なプロス
タグランジン類の凍結乾燥品を提供することにある。調
製液を充填後アンプルの肩部に充填液が溜まらないよう
にすることで、肩部に乾燥ケーキの固着はなく、さら
に、乾燥ケーキをアンプル底部に安定的にリング状に形
成することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記のような問題点に対しプロスタグランジンの凍結乾
燥製剤、特にPGE−CDの注射剤製造に関して鋭意
検討した結果、新規なプロスタグランジン類の凍結乾燥
製剤を得ることができ、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、PGE−CDにクエン酸又は
ビタミンCを添加し、蒸留水を加えて溶解後、無菌濾過
し、シリコートアンプルに充填した。このとき充填液は
アンプル内壁を伝って上昇する現象は起こらず、そのま
ま凍結乾燥したところ凍結乾燥品はアンプルの底部にリ
ング状に形成された。この乾燥ケーキはアンプル底部か
ら容易に剥離するが、リング状であるためアンプル枝部
に入り込むことはなく、従来の問題点を克服することが
できた。
【0008】本発明に用いられているプロスタグランジ
ン類は、通常知られているプロスタグランジン類の総称
である。プロスタグランジン類は、その化学構造から種
々の類似体が知られている。例えば、プロスタグランジ
ンE類、F類、I類があり、特にプロスタグランジンE
、E、F2a、Iが用いられている。また合成プ
ロスタグランジンも知られている。
【0009】また、本発明に用いられているシリコート
とは、不二硝子(株)によって開発されたガラス表面処
理の名称であり、アンプル又はバイアル等の形態で提供
されており、共に医薬注射剤の容器に汎用されている。
シリコート処理とは、テトライソシアネートシランの蒸
気をガラスに吹き付けた後、焼成し、ガラス表面に酸化
ケイ素薄膜を形成させる方法である(特願昭63−33
0073)。シリコート処理による酸化ケイ素薄膜は無
色透明でアンプルの外観を損なわず、液が内壁を上昇す
ることがなく、また撥水現象が起こらないため乾燥ケー
キはアンプル底部にリング状に形成される。
【0010】一方、シリコンコーティングは、ジメチル
ポリシロキサン等のシリコンコーティング剤を用いてガ
ラス表面に疎水性の炭化水素基(例えばメチル基)を外
側に向けて分子皮膜を形成しているのもので、コーティ
ングされたアンプル等は強い撥水性を示す。この撥水性
により本発明の目的とする形状の凍結乾燥品を得ること
ができない。また、ガラス製アンプルを用いた場合充填
液が内壁を伝って上昇する現象が起き、先に述べた肩部
に乾燥ケーキが固着してしまう。
【0011】これらの現象は容器表面の「濡れ性」によ
って説明される。「濡れ」は固体面への液体の吸着現象
であり、濡れ性は接触角θで数値的に評価される。0°
に近いほど濡れやすく、180°に近くなるほど撥水性
を示す。上記調製液のガラスに対する濡れ角は0°に近
いため、結果として液の上昇が起こるが、シリコンコー
ティングをしたものは濡れ角は180°に近いため撥水
が起こる。すなわち、どちらの場合も凍結乾燥した場
合、本発明の目的とする形状の乾燥ケーキを得ることは
できない。本発明の目的とする形状の乾燥ケーキを得る
ためには適度な濡れ角を必要とする。
【0012】本発明者らは種々の材質の容器類を検討し
た結果、シリコートアンプルが本発明の目的を達成する
のに適した濡れ性を有しており、液の上昇を起こすこと
がないこと及び撥水性を示さないことを見いだし、さら
にプロスタグランジン類の凍結乾燥に用いるとアンプル
の肩部に固着せず、形状の良い乾燥ケーキを得ることも
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】また、シリコートはその表面がSiO2に
より被覆されているためにガラスのアルカリ成分が溶出
することがないことが知られている(特願昭63−33
0073)。このことはアルカリ領域に不安定なプロス
タグランジン類にとっても良く、長期安定化が期待でき
るものである。
【0014】本発明に用いられる容器とは、医療用に一
般に使用されている硝子製のアンプルやバイアルの形状
で良く、本発明を実施するためにアンプルの形状を限定
するものではない。
【0015】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明は実施例に限
定されるものではない。 (実施例1)PGE−CDの3.34g(PGE
して100mg)にクエン酸20mgを加え蒸留水24
6.7gを加えて溶解後、無菌濾過し、以下無菌操作法
により、50mgづつ5mlのシリコートアンプルに充
填し、凍結乾燥してPGEとして20μg/アンプル
の乾燥物を5000本を得た。また、比較例として通常
のアンプルを用いて同様に操作し、PGEとして20
μg/のアンプルの乾燥物を5000本を得た。
【0016】
【発明の効果】本発明により得られるプロスタグランジ
ン類の凍結乾燥品は、乾燥ケーキがアンプル底面のみに
リング状に形成され、かつ使用時に支障となるアンプル
肩部の付着等の不良品が発生しない。また、アンプルか
らのアルカリ成分溶出がないため安定性の良い製剤品が
得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61J 3/00 300 Z A61K 9/19 // A61K 9/08 F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコート容器を用いた凍結乾燥製剤
  2. 【請求項2】 シリコート容器を用いたプロスタグラン
    ジン類の凍結乾燥製剤
  3. 【請求項3】 プロスタグランジン類がプロスタグラン
    ジンEである特許請求項2記載の凍結乾燥製剤
JP33937994A 1994-12-19 1994-12-19 シリコート容器を用いた凍結乾燥製剤 Pending JPH08175998A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013006811A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Fujifilm Corp 容器詰製剤
KR20150017775A (ko) * 2007-07-13 2015-02-17 미쓰비시 타나베 파마 코퍼레이션 프로스타글란딘 e1을 포함하는 안정한 지방 유제
WO2021182379A1 (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 日本電気硝子株式会社 医薬品容器、医薬品容器の製造方法及びコーティング剤

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CN115244017A (zh) * 2020-03-09 2022-10-25 日本电气硝子株式会社 医药品容器、医药品容器的制造方法以及涂布剂

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