JP2013006811A - 容器詰製剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プロポフォール、(1)組成物の全容量に対して、0.2w/v%以上1.0w/v%以下のリン脂質、及び(2)組成物の全容量に対して、4.0w/v%以下の長鎖脂肪酸トリグリセリドを含む又は長鎖脂肪酸トリグリセリドを含まない油性成分、の少なくとも一方を満たす含有量の組み合わせとなるリン脂質及び油性成分、並びに水、を含むプロポフォール含有水中油型エマルション組成物と、前記プロポフォール含有水中油型エマルション組成物を収容すると共に内部表面が所定の条件を満たす容器との組み合わせである容器詰製剤。
【選択図】なし
Description
[1] プロポフォール、下記(1)及び(2):(1)組成物の全容量に対して、0.2w/v%以上1.0w/v%以下のリン脂質、(2)組成物の全容量に対して、4.0w/v%以下の長鎖脂肪酸トリグリセリドを含む又は長鎖脂肪酸トリグリセリドを含まない油性成分、の少なくとも一方を満たす含有量の組み合わせとなるリン脂質及び油性成分、並びに水、を含むプロポフォール含有水中油型エマルション組成物と、前記プロポフォール含有水中油型エマルション組成物を収容すると共に、内部表面をアルゴンイオンエッチングX線光電子分光法により測定(測定装置:アルバックファイ社製QuanteraSXM、X線源:単色化AlKα線25W−15kV、光電子取り出し角:45度、中和銃を使用して測定、アルゴンイオンエッチング加速電圧:1kV−25nA)した場合に、ホウ素、ナトリウム、アルミニウム、カリウム及びカルシウムからなる群に含まれる少なくともひとつの特定元素とケイ素との関係が、下記の条件(I):
[Q2]/[Q1]≧3.0 ・・・・・(I)
(式中、Q1は、前記容器の内部表面に対してエッチング時間0.0分、0.5分及び1.0分でエッチング処理したときに得られる前記特定元素のケイ素元素に対するモル比の平均値を示し;Q2は、前記容器の内部表面に対してエッチング時間5.0分、10分、15分及び20分でエッチング処理したときに得られる前記特定元素のケイ素元素に対するモル比の平均値を示す。)
を満たす容器と、の組み合わせである容器詰製剤。
[2] 前記リン脂質及び油性成分の組み合わせが、以下(a)〜(d):
(a) 組成物の全容量に対し1.0w/v%以上30w/v%以下の油性成分、及び組成物の全容量に対し0.2w/v%以上1.0w/v%以下のリン脂質、
(b) 組成物の全容量に対し1.0w/v%以上9.0w/v%以下の油性成分、及び組成物の全容量に対し0.2w/v%以上10w/v%以下のリン脂質、又は、
(c) 組成物の全容量に対し1.0w/v%以上9.0w/v%以下の油性成分、及び組成物の全容量に対し0.2w/v%以上1.0w/v%以下のリン脂質、
(d) 組成物の全容量に対し1.0w/v%以上30w/v%以下の油性成分、該油性成分の質量の70w/w%以上100w/w%以下の中鎖脂肪酸トリグリセリド、及び組成物の全容量に対し0.2w/v%以上10w/v%以下のリン脂質
の少なくともいずれかを満たす[1]に記載の容器詰製剤。
[3] 前記(a)〜(c)において、前記油性成分が、該油性成分の全質量に対する質量が30w/w%以上100w/w%以下の中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する[2]記載の容器詰製剤。
[4] 前記(a)又は(d)において、前記油性成分の含有量が、組成物の全容量に対して1.0w/v%以上10.0w/v%以下である[2]記載の容器詰製剤。
[5] 前記容器の内部表面が、酸化ケイ素皮膜で被覆された表面である[1]〜[4]のいずれか記載の容器詰製剤。
[6] 前記容器が、内部表面を酸化ケイ素皮膜により被覆されたガラス容器である[1]〜[5]のいずれか記載の容器詰製剤。
[7] 前記リン脂質がレシチンである[1]〜[6]のいずれか記載の容器詰製剤。
(1) 組成物の全容量に対して、0.2w/v%以上1.0w/v%以下のリン脂質、
(2) 組成物の全容量に対して、4.0w/v%以下の長鎖脂肪酸トリグリセリドを含む又は長鎖脂肪酸トリグリセリドを含まない油性成分、
の少なくとも一方を満たす含有量の組み合わせとなるリン脂質及び油性成分、並びに水、を含むプロポフォール含有水中油型エマルション組成物と、
前記プロポフォール含有水中油型エマルション組成物を収容すると共に、内部表面をアルゴンイオンエッチングX線光電子分光法により測定(測定装置:アルバックファイ社製QuanteraSXM、X線源:単色化AlKα線25W−15kV、光電子取り出し角:45度、中和銃を使用して測定、アルゴンイオンエッチング加速電圧:1kV−25nA)した場合に、ホウ素、ナトリウム、アルミニウム、カリウム及びカルシウムからなる群に含まれる少なくともひとつの特定元素とケイ素との関係が、下記の条件(I):
[Q2]/[Q1]≧3.0 ・・・・・(I)
(式中、Q1は、前記容器の内部表面に対してエッチング時間0.0分、0.5分及び1.0分でエッチング処理したときに得られる前記特定元素のケイ素元素に対するモル比の平均値を示し;Q2は、前記容器の内部表面に対してエッチング時間5.0分、10分、15分及び20分でエッチング処理したときに得られる前記特定元素のケイ素元素に対するモル比の平均値を示す。)
を満たす容器と、の組み合わせである容器詰製剤である。
また、本発明において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても本工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
また、本発明において、例えば本発明のエマルション組成物を構成する各成分の配合量(濃度)について用いられる「w/w%」は、当該成分の質量(g)の、基準となる物質の質量(g)の100分率(下記式1b)を意味する。
式1a:[各成分質量(g)/全組成物の容積(容量)100mL]×100(%)
式1b:[当該成分の質量(g)/基準となる物質の質量(g)]×100(%)
以下、本発明について説明する。
プロポフォール(propofol)は、2,6−ジイソプロピルフェノール (2,6-diisopropylphenol)の一般名であり、例えば特開2002−179562号公報にも記載されているとおり、医薬品分野で全身麻酔薬又は鎮静薬などとして利用できることの知られている化合物である。該化合物の水に対する溶解性は、その有効投与量で使用する場合、同様の有効投与量の他の薬剤と比較してかなり低い。本発明のエマルション組成物において、該プロポフォールは、一般には、全エマルション組成物の容量に対して0.1w/v%〜5w/v%の量で存在し、より好ましくは、0.5w/v%〜3w/v%で用いられる。
また、本発明において、前記油性成分の質量に対するプロポフォールの質量は、1w/w%〜50w/w%が好ましく、5w/w%〜30w/w%がより好ましい。
本発明において「油性成分」とは、医薬として許容可能であり、水中油型エマルション組成物において油相を構成し得る成分を広く意味する。本発明のおけるこのような油性成分としては、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド;植物油(即ち天然のトリグリセリド)、化学合成トリグリセリド、若しくは動物油などの長鎖脂肪酸トリグリセリド;鉱油;合成油;精油;エステル油など、又はこれらの混合物が挙げられる。ただし、本発明における油性成分には、プロポフォール、及びリン脂質は含まれない。
本発明において前記長鎖脂肪酸トリグリセリドとは、当該長鎖脂肪酸トリグリセリドに含有されるトリグリセリドを構成する脂肪酸鎖の平均炭素数が、12より大きい油脂を意味する。脂肪酸鎖を構成する脂肪酸は飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよい。長鎖脂肪酸トリグリセリドの例としては、天然のトリグリセリドに相当する植物油と、化学合成トリグリセリドとを挙げることができる。
ダイズ油(大豆油)とは、マメ科ダイズ属の植物の種子から得た植物油であり、公知の搾取方法・公知の精製方法を用いて種子から得ることができる。例えば日本薬局方に記載の「ダイズ油」の規格に適合するものを使用できる。ダイズ油の市販品としては、「日本薬局方 ダイズ油」(カネダ社)、「大豆油YM」(日清オイリオ社)、SR-SOYBEAN-LQ-(JP) (クローダジャパン社)などを例示できる。
化学合成トリグリセリドの例としては、例えば2−リノレオイル−1,3−ジオクタノイルグリセロールを例示できる。
本発明において中鎖脂肪酸トリグリセリドとは、当該中鎖脂肪酸トリグリセリドに含有されるトリグリセリドを構成する脂肪酸鎖の平均炭素数が12以下の油脂を意味する。
中鎖脂肪酸トリグリセリドにおける脂肪酸の平均炭素数とは、中鎖脂肪酸トリグリセリドに含まれるトリグリセリドを構成する脂肪酸鎖(本明細書中では「構成脂肪酸」ということがある)の炭素数(例えば、カプリル酸であれば8、カプリン酸であれば10)を構成脂肪酸の組成比によって加重平均したものである。
一般に油性成分は、エマルション組成物の全容量に対して1.0〜30.0w/v%であることが好ましく、5.0〜25.0w/v%であることがより好ましい。1.0w/v%以上であれば、エマルション組成物中に十分な濃度の薬剤を含有することができ、30.0w/v%以下であれば、エマルション組成物の安定性を損なうことがなく、それぞれ好ましい。
また、脂肪負荷の低減の観点から、油性成分は、エマルション組成物の全容量に対して、1.0〜10.0w/v%であることが好ましく、1.0〜9.0w/v%であることがより好ましく、2.0〜8.5w/v%であることが更により好ましく、3.0〜7.0w/v%であることが特に好ましい。1.0w/v%以上であれば、エマルション組成物中に十分な濃度の薬剤を含有することができ、10.0w/v%以下であれば、脂肪負荷の低減効果をより顕著に得ることができ、それぞれ好ましい。
リン脂質の例としては、天然のリン脂質であるレシチンを挙げることができる。レシチンの例としては、卵黄レシチン、卵黄ホスファチジルコリン、大豆レシチン、大豆ホスファチジルコリン、それらを水素添加した水添卵黄レシチン、水添卵黄ホスファチジルコリン、水添大豆レシチン、水添大豆ホスファチジルコリンなどを挙げることができる。
本発明におけるリン脂質としては、生体適合性の観点から、卵黄レシチン、卵黄ホスファチジルコリン、大豆レシチン及び大豆ホスファチジルコリンがより好ましく、特に卵黄レシチンが好ましい。
一般にリン脂質は、エマルション組成物を形成できる範囲であればその含有量に特に制限はなく、例えば、エマルション組成物の全容量に対して0.2〜10.0w/v%であることが好ましく、0.5〜7w/v%であることがより好ましく、0.6〜2w/v%が特に好ましい。0.2w/v%以上であれば、エマルション組成物の安定性が充分であり、10.0w/v%以下であれば、投与対象への投与時の影響をほとんど考慮する必要がない
(1) 組成物の全容量に対して、0.2w/v%以上1.0w/v%以下のリン脂質、及び、
(2) 組成物の全容量に対して、4.0w/v%以下の長鎖脂肪酸トリグリセリドを含む又は長鎖脂肪酸トリグリセリドを含まない油性成分。
本発明では、このようなプロポフォールの分解が促進する可能性がある場合に、後述する容器と組み合わせることにより、効果的にプロポフォールの分解を抑制することができる。
(a) 組成物の全容量に対し1.0w/v%以上30w/v%以下の油性成分、及び組成物の全容量に対し0.2w/v%以上1.0w/v%以下のリン脂質、
(b) 組成物の全容量に対し1.0w/v%以上9.0w/v%以下の油性成分、及び組成物の全容量に対し0.2w/v%以上10w/v%以下のリン脂質、又は、
(c) 組成物の全容量に対し1.0w/v%以上9.0w/v%以下の油性成分、及び組成物の全容量に対し0.2w/v%以上1.0w/v%以下のリン脂質、
(d) 組成物の全容量に対し1.0w/v%以上30w/v%以下の油性成分、該油性成分の質量の70w/w%以上100w/w%以下の中鎖脂肪酸トリグリセリド、及び組成物の全容量に対し0.2w/v%以上10w/v%以下のリン脂質。
また、前記(a)〜(c)において、前記油性成分が、該油性成分の全質量に対する質量が30w/w%以上100w/w%以下の中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有することが、脂肪負荷の低減に加えて血管痛を緩和することができるため、より好ましい。
また、前記(a)又は(d)において、前記油性成分の含有量が、組成物の全容量に対して1.0w/v%以上10.0w/v%以下であることが、血管痛の緩和に加えて脂肪負荷を低減することができるため、より好ましい。
安定化剤のエマルション組成物における含有質量には特に制限はないが、エマルション組成物の安定性の観点から、エマルション組成物の容量に対して0.01w/v%以上0.05w/v%未満であることが好ましく、0.015w/v%以上0.04w/v%以下であることがより好ましく、0.02w/v%以上0.03w/v%以下であることが特に好ましい。0.01w/v%以上であれば、エマルション組成物の安定性が充分であり、0.05w/v%未満であれば、過剰投与の影響をほとんど考慮する必要がない。
pH調整剤の例としては、塩酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、水酸化ナトリウムなどを使用できる。
等張化剤の例としてはグリセリン;ブドウ糖、果糖、マルトースなどの糖類;ソルビトール、キシリトールなどの糖アルコール類;塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなどの塩類などを挙げることができる。
例えば、水相と油粗を混合して粗乳化後、得られる粗乳化液を適当な高圧乳化機などを利用して乳化(精乳化)する方法によることができる。粗乳化は、より詳しくは、例えば特殊機化工業社製T.K.ホモミキサーなどのホモミキサーを用いて、通常5000回転/分以上で5分間以上を要して実施できる。また、超音波ホモジナイザーを用いることもできる。精乳化は、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザーなどを用いて実施できる。高圧ホモジナイザーを用いる場合、一般には約200kg/cm2以上の圧力条件下に、1〜50回程度、好ましくは1〜20回程度通過させることにより実施することができる。これらの混合乳化操作は、常温下に実施してもよく、若干の冷却操作又は加温操作を採用して実施してもよい。
本エマルション組成物のpHは、通常、pH5.0〜9.0、好ましくはpH6.0〜8.0とすることができる。
本発明にかかる容器は、前記プロポフォール含有水中油型エマルション組成物を収容すると共に、内部表面をアルゴンイオンエッチングX線光電子分光法により測定(測定装置:アルバックファイ社製QuanteraSXM、X線源:単色化AlKα線25W−15kV、光電子取り出し角:45度、中和銃を使用して測定、アルゴンイオンエッチング加速電圧:1kV−25nA)した場合に、ホウ素、ナトリウム、アルミニウム、カリウム及びカルシウムからなる群に含まれる少なくともひとつの特定元素とケイ素との関係が、下記の条件(I)を満たす容器である。
[Q2]/[Q1]≧3.0 ・・・・・(I)
(式中、Q1は、前記容器の内部表面に対してエッチング時間0.0分、0.5分及び1.0分でエッチング処理したときに得られる前記特定元素のケイ素元素に対するモル比の平均値を示し;Q2は、前記容器の内部表面に対してエッチング時間5.0分、10分、15分及び20分でエッチング処理したときに得られる前記特定元素のケイ素元素に対するモル比の平均値を示す。)
容器の内部表面については、上述したようにアルゴンイオンエッチングを適用してX戦光電子分光法によりケイ素と前記特定元素との関係を分析する。
本発明における測定は、測定装置としてアルバックファイ社製QuanteraSXMを使用し、X線源:単色化AlKα線25W−15kV、光電子取り出し角:45度、中和銃を使用して行う。また、アルゴンイオンエッチング加速電圧は、1kV−25nAとする。
[Q2]/[Q1]≧3.0 ・・・・・(I)
Q1は、前記容器の内部表面に対してエッチング時間0.0分、0.5分及び1.0分でエッチング処理したときに得られる前記特定元素のケイ素元素に対するモル比の平均値を示す。一方、Q2は、前記容器の内部表面に対してエッチング時間5.0分、10分、15分及び20分でエッチング処理したときに得られる前記特定元素のケイ素元素に対するモル比の平均値を示す。[Q2]/[Q1]が3.0未満では、内部に接触したプロポフォールの分解が十分に抑制できない。プロポフォールの分解抑制の観点から、[Q2]/[Q1]は、3.3以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。
プロポフォールの分解抑制効果については、例えば、プロポフォールダイマー体の検出によって評価することができる。プロポフォールダイマー体の検出は、公知の方法を採用することができ、例えばHPLC測定によって検出することができる。
プロポフォール: 「PROPOFOL」(SOCHINAZ SA社)
ダイズ油: 「日本薬局方 ダイズ油」(カネダ社)
グリセリン: 「日本薬局方濃グリセリン」(坂本薬品工業社)
中鎖脂肪酸トリグリセリド: 「ミグリオール812 中性油」(ミツバ貿易社)
精製卵黄レシチン: 「卵黄レシチンPL100−M」(キユーピー社)
通常瓶: 「バイアル瓶 V−3A」(日電理化硝子社)
酸化ケイ素皮膜瓶: 「バイアル瓶白V−NT10mL CS シリコート」(不二硝子社)
なお、各瓶におけるケイ素と、ホウ素、ナトリウム、アルミニウム、カリウム及カルシウムとの関係を以下のようにして確認した。
測定条件:
測定装置:アルバックファイ社製QuanteraSXM
X線源: 単色化AlKα線25W−15kV
Pass Energy: 112eV
Step Energy: 0.2eV
測定領域: 300μm×300μm
中和銃を使用
光電子取り出し角: 45度
アルゴンイオンエッチング条件:
加速電圧: 1kV−25nA
エッチング面積: 2mm×2mm
(プロポフォール含有エマルション組成物の作製)
表2に記載の各成分を表中の含有量となるように用いて、以下の手順でプロポフォール含有水中油型エマルション組成物を作製した。
カラム: Shim−pack XR−ODSII 3.0×75mm(島津製作所社)
溶離液A: 酢酸0.1v/v%水溶液
溶離液B: 酢酸0.1v/v%メタノール溶液
タイムプログラム(溶離液Bの体積分率、時間):(40%、0.1分)→(100%、30.0分)→(100%、35分)→(40%、35.1分)→40分で停止。
溶離液流量: 1.0mL/分
カラム温度: 40℃
検出: UV(波長 270nm)
注入量: 5μL
ダイマー体の標品として「Propofol関連化合物A(3,3’−5,5’−tetraisopropyldiphenol)」(和光純薬工業社)を、プロポフォールの標品として上記のものを用い、得られたクロマトグラムからそれぞれの濃度を算出し、プロポフォールに対するダイマー体の質量比を算出した。
実施例1で作製したプロポフォール含有水中油型エマルション組成物を収容する容器を、前記通常瓶に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例にかかる容器詰製剤を得た。比較例にかかる容器詰製剤についても、実施例1と同様にして、ダイマー発生率を評価した。結果を表2に示す。
従って本発明によれば、リン脂質及び/又は長鎖脂肪酸トリグリセリドをそれぞれ所定量以下とすることによる効果を、プロポフォールの保管時における安定性を維持しつつ達成可能な容器詰製剤を提供することができる。
Claims (7)
- プロポフォール、
下記(1)及び(2):
(1) 組成物の全容量に対して、0.2w/v%以上1.0w/v%以下のリン脂質、
(2) 組成物の全容量に対して、4.0w/v%以下の長鎖脂肪酸トリグリセリドを含む又は長鎖脂肪酸トリグリセリドを含まない油性成分、
の少なくとも一方を満たす含有量の組み合わせとなるリン脂質及び油性成分、並びに
水、
を含むプロポフォール含有水中油型エマルション組成物と、
前記プロポフォール含有水中油型エマルション組成物を収容すると共に、内部表面をアルゴンイオンエッチングX線光電子分光法により測定(測定装置:アルバックファイ社製QuanteraSXM、X線源:単色化AlKα線25W−15kV、光電子取り出し角:45度、中和銃を使用して測定、アルゴンイオンエッチング加速電圧:1kV−25nA)した場合に、ホウ素、ナトリウム、アルミニウム、カリウム及びカルシウムからなる群に含まれる少なくともひとつの特定元素とケイ素との関係が、下記の条件(I):
[Q2]/[Q1]≧3.0 ・・・・・(I)
(式中、Q1は、前記容器の内部表面に対してエッチング時間0.0分、0.5分及び1.0分でエッチング処理したときに得られる前記特定元素のケイ素元素に対するモル比の平均値を示し;Q2は、前記容器の内部表面に対してエッチング時間5.0分、10分、15分及び20分でエッチング処理したときに得られる前記特定元素のケイ素元素に対するモル比の平均値を示す。)
を満たす容器と、
の組み合わせである容器詰製剤。 - 前記リン脂質及び油性成分の組み合わせが、以下(a)〜(d):
(a) 組成物の全容量に対し1.0w/v%以上30w/v%以下の油性成分、及び組成物の全容量に対し0.2w/v%以上1.0w/v%以下のリン脂質、
(b) 組成物の全容量に対し1.0w/v%以上9.0w/v%以下の油性成分、及び組成物の全容量に対し0.2w/v%以上10w/v%以下のリン脂質、又は、
(c) 組成物の全容量に対し1.0w/v%以上9.0w/v%以下の油性成分、及び組成物の全容量に対し0.2w/v%以上1.0w/v%以下のリン脂質、
(d) 組成物の全容量に対し1.0w/v%以上30w/v%以下の油性成分、該油性成分の質量の70w/w%以上100w/w%以下の中鎖脂肪酸トリグリセリド、及び組成物の全容量に対し0.2w/v%以上10w/v%以下のリン脂質
の少なくともいずれかを満たす請求項1記載の容器詰製剤。 - 前記(a)〜(c)において、前記油性成分が、該油性成分の全質量に対する質量が30w/w%以上100w/w%以下の中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する請求項2記載の容器詰製剤。
- 前記(a)又は(d)において、前記油性成分の含有量が、組成物の全容量に対して1.0w/v%以上10.0w/v%以下である請求項2記載の容器詰製剤。
- 前記容器の内部表面が、酸化ケイ素皮膜で被覆された表面である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の容器詰製剤。
- 前記容器が、内部表面を酸化ケイ素皮膜により被覆されたガラス容器である請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の容器詰製剤。
- 前記リン脂質がレシチンである請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の容器詰製剤。
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