WO2019230964A1 - 容器詰水中油型乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物と、上記水中油型乳化組成物を収容する容器と、を備え、上記水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対して、直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合が0.05体積%以下であり、上記容器の内部表面の水接触角が30°以上180°以下である、容器詰水中油型乳化組成物。
Description
本開示は、容器詰水中油型乳化組成物に関する。
従来、内部表面に処理を施した容器に、乳化組成物を収容した容器詰乳化組成物が知られている。
例えば、特開2014-224131号公報には、アルプロスタジルを含有する脂肪乳剤が、内部表面に皮膜コートを施したガラス製容器に充填されたガラス製容器入り脂肪乳剤が開示されている。
また、特開2013-6811号公報には、プロポフォールと、特定範囲の量のリン脂質と、特定量以下の長鎖脂肪酸トリグリセリドと、水とを含むプロポフォール含有水中油型エマルション組成物が、内部表面を酸化ケイ素の膜で被覆したガラス容器に収容された容器詰製剤が開示されている。
例えば、特開2014-224131号公報には、アルプロスタジルを含有する脂肪乳剤が、内部表面に皮膜コートを施したガラス製容器に充填されたガラス製容器入り脂肪乳剤が開示されている。
また、特開2013-6811号公報には、プロポフォールと、特定範囲の量のリン脂質と、特定量以下の長鎖脂肪酸トリグリセリドと、水とを含むプロポフォール含有水中油型エマルション組成物が、内部表面を酸化ケイ素の膜で被覆したガラス容器に収容された容器詰製剤が開示されている。
ところで、水中油型の乳化組成物を容器に収容して加熱処理すると、例えば、乳化組成物中の乳化粒子が凝集することで、μmオーダーの粗大粒子が生成する場合がある。例えば、静脈内注射によって投与される水中油型乳化組成物では、水中油型乳化組成物中に粗大粒子が多く存在すると、投与後に血管が閉塞するという問題が生じ得る。そのため、粗大粒子は少ないことが望ましい。
上述の点に関し、特開2014-224131号公報及び特開2013-6811号公報では、水中油型の乳化組成物を容器に収容して加熱処理した場合に生じ得る、粗大粒子の生成を抑制することについて、何ら言及していない。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、粗大粒子が少ない容器詰水中油型乳化組成物を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物と、
上記水中油型乳化組成物を収容する容器と、を備え、
上記水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対して、直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合が0.05体積%以下であり、
上記容器の内部表面の水接触角が30°以上180°以下である、容器詰水中油型乳化組成物。
<2> 上記容器がガラス製容器である、<1>に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<3> 上記容器は、内部表面に、酸化ケイ素被膜又はシリコーン樹脂被膜から選ばれる被膜を有するか、或いは、ファイアブラスト処理面を有する、<1>又は<2>に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<4> 上記容器は、内部表面にシリコーン樹脂被膜を有する、<1>~<3>のいずれか1つに記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<5> 上記水中油型乳化組成物が多価アルコールを含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<6> 上記多価アルコールが濃グリセリンである、<5>に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<7> 上記水中油型乳化組成物が薬効成分を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<8> 上記薬効成分は、1-オクタノール/水分配係数の常用対数であるlogPが3以上の化合物である、<7>に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<9> 上記容器の内部表面の水接触角が50°以上110°以下である、<1>~<8>のいずれか1つに記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<10> 上記トリグリセリドの含有量に対するリン脂質の含有量の割合が、質量基準で、0.03以上2.0以下である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<11> 注射用である、<1>~<10>のいずれか1つに記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<1> リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物と、
上記水中油型乳化組成物を収容する容器と、を備え、
上記水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対して、直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合が0.05体積%以下であり、
上記容器の内部表面の水接触角が30°以上180°以下である、容器詰水中油型乳化組成物。
<2> 上記容器がガラス製容器である、<1>に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<3> 上記容器は、内部表面に、酸化ケイ素被膜又はシリコーン樹脂被膜から選ばれる被膜を有するか、或いは、ファイアブラスト処理面を有する、<1>又は<2>に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<4> 上記容器は、内部表面にシリコーン樹脂被膜を有する、<1>~<3>のいずれか1つに記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<5> 上記水中油型乳化組成物が多価アルコールを含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<6> 上記多価アルコールが濃グリセリンである、<5>に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<7> 上記水中油型乳化組成物が薬効成分を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<8> 上記薬効成分は、1-オクタノール/水分配係数の常用対数であるlogPが3以上の化合物である、<7>に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<9> 上記容器の内部表面の水接触角が50°以上110°以下である、<1>~<8>のいずれか1つに記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<10> 上記トリグリセリドの含有量に対するリン脂質の含有量の割合が、質量基準で、0.03以上2.0以下である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の容器詰水中油型乳化組成物。
<11> 注射用である、<1>~<10>のいずれか1つに記載の容器詰水中油型乳化組成物。
本発明の一実施形態によれば、粗大粒子が少ない容器詰水中油型乳化組成物が提供される。
以下、本発明を適用した容器詰水中油型乳化組成物の実施形態の一例について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、水中油型乳化組成物中の各成分の量は、各成分に該当する物質が水中油型乳化組成物中に複数種存在する場合には、特に断らない限り、水中油型乳化組成物中に存在する複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、「水相」との語は、溶媒の種類にかかわらず、「油相」に対する語として使用する。
本開示において、「水相」とは、水中油型乳化組成物の連続相を意味し、連続相の液状媒体と、その液状媒体に分散又は溶解している成分と、を含む。
本開示において、「油相」とは、水中油型乳化組成物の分散相を意味し、分散相の液状媒体と、その液状媒体に分散又は溶解している成分と、を含む。
本開示において、「水相」とは、水中油型乳化組成物の連続相を意味し、連続相の液状媒体と、その液状媒体に分散又は溶解している成分と、を含む。
本開示において、「油相」とは、水中油型乳化組成物の分散相を意味し、分散相の液状媒体と、その液状媒体に分散又は溶解している成分と、を含む。
本開示において、「粗大粒子が少ない」容器詰水中油型乳化組成物とは、容器に収容されている水中油型乳化組成物中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合が、水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対して0.05体積%以下である容器詰水中油型乳化組成物を意味する。
本開示では、「水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、水中油型乳化組成物中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(単位:体積%)」を「PFAT5値」と称する場合がある。
本開示では、「水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、水中油型乳化組成物中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(単位:体積%)」を「PFAT5値」と称する場合がある。
本開示において、「工程」の用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。
[容器詰水中油型乳化組成物]
本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物と、水中油型乳化組成物を収容する容器と、を備え、水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対して、直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合が0.05体積%以下であり、容器の内部表面の水接触角が30°以上180°以下である。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物と、水中油型乳化組成物を収容する容器と、を備え、水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対して、直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合が0.05体積%以下であり、容器の内部表面の水接触角が30°以上180°以下である。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、粗大粒子が少ない。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物がこのような効果を奏する理由については明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物がこのような効果を奏する理由については明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。
一般に、容器詰乳化組成物の製造工程では、乳化組成物を容器に収容した後、滅菌のための加熱処理が行われる。
本発明者らは、水中油型乳化組成物を容器に収容して加熱処理すると、水中油型乳化組成物中に、粗大粒子が多く生成する場合があることを見出した。水中油型乳化組成物中に粗大粒子が多く存在すると、例えば、水中油型乳化組成物を静脈内注射によって投与した場合に、血管の閉塞を招来し得る。
本発明者らは、水中油型乳化組成物を容器に収容して加熱処理すると、水中油型乳化組成物中に、粗大粒子が多く生成する場合があることを見出した。水中油型乳化組成物中に粗大粒子が多く存在すると、例えば、水中油型乳化組成物を静脈内注射によって投与した場合に、血管の閉塞を招来し得る。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物と、水中油型乳化組成物を収容する容器と、を備え、容器の内部表面の水接触角が30°以上180°以下であることにより、製造工程中における加熱処理に起因する粗大粒子の生成が抑制されている。そのため、本開示の容器詰水中油型乳化組成物では、直径5μm以上50μm以下の粒子(所謂、粗大粒子)の体積割合が、水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対して0.05体積%以下であり、粗大粒子が少ない。
詳細には、本開示の容器詰水中油型乳化組成物では、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物を、水接触角が30°以上180°以下という撥水性の内部表面を有する容器に収容することで、容器の内部表面を水中油型乳化組成物が濡れ広がり難くなる。加熱処理の際に生じる粗大粒子の生成は、例えば、容器内において気液界面付近に存在する乳化粒子が、容器の内部表面に付着することに起因して、乳化粒子同士の凝集が起こるためではないかと考えられる。容器の内部表面を水中油型乳化組成物が濡れ広がり難いと、乳化粒子は容器の内部表面に付着し難くなるため、乳化粒子同士の凝集が抑制される。その結果、本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、粗大粒子が少ないと推測される。
詳細には、本開示の容器詰水中油型乳化組成物では、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物を、水接触角が30°以上180°以下という撥水性の内部表面を有する容器に収容することで、容器の内部表面を水中油型乳化組成物が濡れ広がり難くなる。加熱処理の際に生じる粗大粒子の生成は、例えば、容器内において気液界面付近に存在する乳化粒子が、容器の内部表面に付着することに起因して、乳化粒子同士の凝集が起こるためではないかと考えられる。容器の内部表面を水中油型乳化組成物が濡れ広がり難いと、乳化粒子は容器の内部表面に付着し難くなるため、乳化粒子同士の凝集が抑制される。その結果、本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、粗大粒子が少ないと推測される。
また、本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、保存中においても粗大粒子が生成し難く、保存安定性に優れる。
なお、例えば、抗体医薬品等のタンパク質組成物では、一般に、撥水性容器を使用した場合に、抗体の凝集が促進されることが知られている。本開示の容器詰水中油型乳化組成物において、所謂、撥水性容器を使用することで、乳化粒子同士の凝集を抑制できたことは、予想外の効果である。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物に対し、特開2014-224131号公報に記載のガラス製容器入り脂肪乳剤では、容器の内部表面に皮膜コートを施すことで、加熱滅菌時のガラス容器からのアルカリ成分の溶出を抑制し、脂肪乳剤のpH上昇に伴うアルプロスタジルの保存安定性の低下を抑制している。また、特開2013-6811号公報に記載の容器詰乳剤では、容器の内部表面をケイ素が多く含まれる組成とすることで、リン脂質、長鎖脂肪酸トリグリセリド等の使用量の低減に起因するプロポフォールの分解を抑制している。特開2014-224131号公報及び特開2013-6811号公報では、水中油型乳化組成物を容器に収容して加熱処理した場合に、粗大粒子が生成するという問題について、何ら着目していない。ましてや、容器詰水中油型乳化組成物の加熱処理の際に生じる粗大粒子の生成を抑制するための技術についての記載はない。
上記の推測は、本開示の容器詰水中油型乳化組成物を限定的に解釈するものではなく、一例として説明するものである。
以下、本開示の容器詰水中油型乳化組成物における水中油型乳化組成物について説明した後、容器について説明する。
〔水中油型乳化組成物〕
水中油型乳化組成物は、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む。また、水中油型乳化組成物は、直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合が、水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対して0.05体積%以下である。
まず、水中油型乳化組成物における各成分について詳細に説明する。
水中油型乳化組成物は、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む。また、水中油型乳化組成物は、直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合が、水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対して0.05体積%以下である。
まず、水中油型乳化組成物における各成分について詳細に説明する。
<リン脂質>
水中油型乳化組成物は、リン脂質を含む。
水中油型乳化組成物に含まれるリン脂質は、主に乳化剤として機能する。
水中油型乳化組成物は、リン脂質を含む。
水中油型乳化組成物に含まれるリン脂質は、主に乳化剤として機能する。
リン脂質としては、例えば、天然物由来のリン脂質であるレシチンが挙げられる。
レシチンとは、ホスファチジルコリン自体、又は、少なくともホスファチジルコリンを含む混合物である。
少なくともホスファチジルコリンを含む混合物とは、一般的に、ホスファチジルコリンの他に、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、N-アシルホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジン酸、スフィンゴミエリン、スフィンゴエタノールアミン等を含み得る混合物である。
本開示におけるレシチンとしては、ホスファチジルコリンを含み、かつ、ホスファチジルコリンの含有率が80質量%以上のレシチンが好ましい。
レシチンとは、ホスファチジルコリン自体、又は、少なくともホスファチジルコリンを含む混合物である。
少なくともホスファチジルコリンを含む混合物とは、一般的に、ホスファチジルコリンの他に、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、N-アシルホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジン酸、スフィンゴミエリン、スフィンゴエタノールアミン等を含み得る混合物である。
本開示におけるレシチンとしては、ホスファチジルコリンを含み、かつ、ホスファチジルコリンの含有率が80質量%以上のレシチンが好ましい。
レシチンの例としては、卵黄レシチン、大豆レシチン、綿実レシチン、菜種レシチン、トウモロコシレシチン、水添卵黄レシチン、水添大豆レシチン等が挙げられる。
本開示において、「卵黄レシチン」とは、卵黄由来のレシチンを意味し、「大豆レシチン」とは、大豆由来のレシチンを意味し、「綿実レシチン」とは、綿実由来のレシチンを意味し、「菜種レシチン」とは、菜種由来のレシチンを意味し、「トウモロコシレシチン」とは、トウモロコシ由来のレシチンを意味する。
本開示において、「卵黄レシチン」とは、卵黄由来のレシチンを意味し、「大豆レシチン」とは、大豆由来のレシチンを意味し、「綿実レシチン」とは、綿実由来のレシチンを意味し、「菜種レシチン」とは、菜種由来のレシチンを意味し、「トウモロコシレシチン」とは、トウモロコシ由来のレシチンを意味する。
リン脂質は、天然物由来のリン脂質に限定されず、化学合成したリン脂質でもよい。
化学合成したリン脂質の例としては、ホスファチジルコリン(例えば、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、及びジオレオイルホスファチジルコリン)、ホスファチジルグリセロール(例えば、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、及びジオレオイルホスファチジルグリセロール)、ホスファチジルエタノールアミン(例えば、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、及びジオレオイルホスファチジルエタノールアミン)等が挙げられる。
化学合成したリン脂質の例としては、ホスファチジルコリン(例えば、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、及びジオレオイルホスファチジルコリン)、ホスファチジルグリセロール(例えば、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、及びジオレオイルホスファチジルグリセロール)、ホスファチジルエタノールアミン(例えば、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、及びジオレオイルホスファチジルエタノールアミン)等が挙げられる。
リン脂質としては、例えば、レシチンが好ましく、卵黄レシチン及び大豆レシチンから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、卵黄レシチンが更に好ましい。
卵黄レシチンとしては、卵黄レシチンを精製して得られる精製卵黄レシチン又は高度精製卵黄レシチンが好ましい。
卵黄レシチンとしては、卵黄レシチンを精製して得られる精製卵黄レシチン又は高度精製卵黄レシチンが好ましい。
リン脂質としては、市販品を用いることができる。
リン脂質の市販品の例としては、卵黄レシチンPL-100M〔商品名;精製卵黄レシチン、キューピー(株)〕、卵黄レシチンPC-98N〔商品名;高度精製卵黄レシチン、キューピー(株)〕、卵黄レシチンLipoid E80〔商品名;精製卵黄レシチン、エイチ・ホルスタイン(株)〕等が挙げられる。
リン脂質の市販品の例としては、卵黄レシチンPL-100M〔商品名;精製卵黄レシチン、キューピー(株)〕、卵黄レシチンPC-98N〔商品名;高度精製卵黄レシチン、キューピー(株)〕、卵黄レシチンLipoid E80〔商品名;精製卵黄レシチン、エイチ・ホルスタイン(株)〕等が挙げられる。
水中油型乳化組成物は、リン脂質を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
水中油型乳化組成物における、後述のトリグリセリドの含有量に対するリン脂質の含有量の割合(即ち、リン脂質の含有量/トリグリセリドの含有量)は、例えば、水中油型の形態をより良好に保持する観点から、質量基準で、0.03以上2.0以下であることが好ましく、0.06以上1.0以下であることがより好ましく、0.12以上0.5以下であることが更に好ましい。
<トリグリセリド>
水中油型乳化組成物は、トリグリセリドを含む。
水中油型乳化組成物において、トリグリセリドは、乳化粒子に含まれる。
水中油型乳化組成物は、トリグリセリドを含む。
水中油型乳化組成物において、トリグリセリドは、乳化粒子に含まれる。
トリグリセリドは、1分子のグリセリンに3分子の脂肪酸がエステル結合したアシルグリセロールである。
トリグリセリドとしては、特に制限はなく、中鎖脂肪酸トリグリセリドであってもよく、長鎖脂肪酸トリグリセリドであってもよい。
例えば、入手容易性の観点から、トリグリセリドとしては、長鎖脂肪酸トリグリセリドが好ましい。
例えば、入手容易性の観点から、トリグリセリドとしては、長鎖脂肪酸トリグリセリドが好ましい。
本開示において、「中鎖脂肪酸トリグリセリド」とは、脂肪酸鎖の平均炭素数が6以上12以下であるトリグリセリドを意味する。
脂肪酸鎖の平均炭素数は、トリグリセリドを構成する脂肪酸(即ち、構成脂肪酸)の炭素数〔例えば、カプリル酸(IUPAC系統名:オクタン酸)であれば8、カプリン酸(IUPAC系統名:デカン酸)であれば10、ラウリン酸(IUPAC系統名:ドデカン酸)であれば12)〕を構成脂肪酸の組成比によって加重平均したものである。構成脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよく、好ましくは飽和脂肪酸である。中鎖脂肪酸トリグリセリドは、天然物由来であってもよく、合成脂肪酸のトリグリセリドであってもよい。
脂肪酸鎖の平均炭素数は、トリグリセリドを構成する脂肪酸(即ち、構成脂肪酸)の炭素数〔例えば、カプリル酸(IUPAC系統名:オクタン酸)であれば8、カプリン酸(IUPAC系統名:デカン酸)であれば10、ラウリン酸(IUPAC系統名:ドデカン酸)であれば12)〕を構成脂肪酸の組成比によって加重平均したものである。構成脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよく、好ましくは飽和脂肪酸である。中鎖脂肪酸トリグリセリドは、天然物由来であってもよく、合成脂肪酸のトリグリセリドであってもよい。
本開示において、「長鎖脂肪酸トリグリセリド」とは、脂肪酸鎖の平均炭素数が12を超えるトリグリセリドを意味する。
長鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、脂肪酸鎖の平均炭素数が14以上24以下の長鎖脂肪酸トリグリセリドが好ましい。
長鎖脂肪酸トリグリセリドの構成脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。
長鎖脂肪酸トリグリセリドは、天然の長鎖脂肪酸トリグリセリドに相当する植物油であってもよく、天然の長鎖脂肪酸トリグリセリドに相当する動物油であってもよく、合成脂肪酸のトリグリセリドであってもよい。
例えば、融点が低く水中油型乳化組成物の乳化安定性が高いという観点から、長鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、植物油がより好ましい。
長鎖脂肪酸トリグリセリドとしての植物油は、植物の種子又は堅果由来の油分であり、具体例としては、ダイズ油、綿実油、菜種油、ゴマ油、サフラワー油、コーン油、落花生油、オリーブ油、ヤシ油、シソ油、ヒマシ油、ローズ油等が挙げられる。
これらの中でも、植物油としては、例えば、注射用途への使用実績の観点から、ダイズ油、ゴマ油、及びオリーブ油からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、入手容易性の観点から、ダイズ油がより好ましい。
長鎖脂肪酸トリグリセリドとしての動物油は、動物又は魚由来の油脂分であり、具体例としては、牛脂、豚脂、鯨油、魚油等が挙げられる。
長鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、脂肪酸鎖の平均炭素数が14以上24以下の長鎖脂肪酸トリグリセリドが好ましい。
長鎖脂肪酸トリグリセリドの構成脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。
長鎖脂肪酸トリグリセリドは、天然の長鎖脂肪酸トリグリセリドに相当する植物油であってもよく、天然の長鎖脂肪酸トリグリセリドに相当する動物油であってもよく、合成脂肪酸のトリグリセリドであってもよい。
例えば、融点が低く水中油型乳化組成物の乳化安定性が高いという観点から、長鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、植物油がより好ましい。
長鎖脂肪酸トリグリセリドとしての植物油は、植物の種子又は堅果由来の油分であり、具体例としては、ダイズ油、綿実油、菜種油、ゴマ油、サフラワー油、コーン油、落花生油、オリーブ油、ヤシ油、シソ油、ヒマシ油、ローズ油等が挙げられる。
これらの中でも、植物油としては、例えば、注射用途への使用実績の観点から、ダイズ油、ゴマ油、及びオリーブ油からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、入手容易性の観点から、ダイズ油がより好ましい。
長鎖脂肪酸トリグリセリドとしての動物油は、動物又は魚由来の油脂分であり、具体例としては、牛脂、豚脂、鯨油、魚油等が挙げられる。
トリグリセリドとしては、市販品を用いることができる。
中鎖脂肪酸トリグリセリドの市販品の例としては、Sasol社の「Miglyol(登録商標) 812」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、「Miglyol(登録商標) 810」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)等、花王(株)の「ココナード(登録商標) RK」(成分名:トリカプリル酸グリセリル)、「ココナード(登録商標) MT」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、「ココナード(登録商標) MT-N」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、「ココナード(登録商標) ML」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸)グリセリル)等、高級アルコール工業(株)の「TCG-M」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル))、日清オイリオ(株)の「O.D.O」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル))、クローダジャパン(株)の「クロダモル(登録商標) GTCC」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル))、日油(株)の「パセナート(登録商標) 810」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル))などが挙げられる。
長鎖脂肪酸トリグリセリドの市販品の例としては、カネダ(株)の「日本薬局方 ダイズ油(商品名)」、「日本薬局方 ゴマ油(商品名)」、「日本薬局方 ヒマシ油(商品名)」、「日本薬局方 精製ダイズ油(商品名)」、「日本薬局方 精製オリブ油(商品名)」、「日本薬局方 オリブ油(商品名)」、「日本薬局方 ナタネ油(商品名)」等、Croda社の「Super Refined Soybean(商品名)」、Super Refined Olive(商品名)」、「Super Refined Sesame(商品名)」等、Sigma-Aldrich社の「Olive Oil(商品名)」などが挙げられる。
中鎖脂肪酸トリグリセリドの市販品の例としては、Sasol社の「Miglyol(登録商標) 812」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、「Miglyol(登録商標) 810」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)等、花王(株)の「ココナード(登録商標) RK」(成分名:トリカプリル酸グリセリル)、「ココナード(登録商標) MT」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、「ココナード(登録商標) MT-N」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、「ココナード(登録商標) ML」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸)グリセリル)等、高級アルコール工業(株)の「TCG-M」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル))、日清オイリオ(株)の「O.D.O」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル))、クローダジャパン(株)の「クロダモル(登録商標) GTCC」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル))、日油(株)の「パセナート(登録商標) 810」(成分名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル))などが挙げられる。
長鎖脂肪酸トリグリセリドの市販品の例としては、カネダ(株)の「日本薬局方 ダイズ油(商品名)」、「日本薬局方 ゴマ油(商品名)」、「日本薬局方 ヒマシ油(商品名)」、「日本薬局方 精製ダイズ油(商品名)」、「日本薬局方 精製オリブ油(商品名)」、「日本薬局方 オリブ油(商品名)」、「日本薬局方 ナタネ油(商品名)」等、Croda社の「Super Refined Soybean(商品名)」、Super Refined Olive(商品名)」、「Super Refined Sesame(商品名)」等、Sigma-Aldrich社の「Olive Oil(商品名)」などが挙げられる。
水中油型乳化組成物は、トリグリセリドを1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
水中油型乳化組成物中におけるトリグリセリドの含有率は、特に制限されない。
水中油型乳化組成物中におけるトリグリセリドの含有率は、例えば、水中油型乳化組成物が薬効成分を含む場合、トリグリセリドに溶解する薬効成分の含有量をより増加させる観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。
また、水中油型乳化組成物中におけるトリグリセリドの含有率は、例えば、より微細な乳化粒子を得る観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
水中油型乳化組成物中におけるトリグリセリドの含有率は、例えば、水中油型乳化組成物が薬効成分を含む場合、トリグリセリドに溶解する薬効成分の含有量をより増加させる観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。
また、水中油型乳化組成物中におけるトリグリセリドの含有率は、例えば、より微細な乳化粒子を得る観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
<水>
水中油型乳化組成物は、水を含む。
水中油型乳化組成物において、水は、分散媒として機能する。
水としては、医薬品に使用可能な水であれば、特に制限されない。
水の例としては、精製水、滅菌精製水、注射用水等が挙げられる。
水中油型乳化組成物は、水を含む。
水中油型乳化組成物において、水は、分散媒として機能する。
水としては、医薬品に使用可能な水であれば、特に制限されない。
水の例としては、精製水、滅菌精製水、注射用水等が挙げられる。
水中油型乳化組成物中における水の含有率は、特に制限されず、例えば、水中油型の形態を得る観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上である。
また、水中油型乳化組成物中における水の含有率は、例えば、上記と同様の観点(即ち、水中油型の形態を得る観点)から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは98質量%以下であり、更に好ましくは97質量%以下である。
また、水中油型乳化組成物中における水の含有率は、例えば、上記と同様の観点(即ち、水中油型の形態を得る観点)から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは98質量%以下であり、更に好ましくは97質量%以下である。
<多価アルコール>
水中油型乳化組成物は、多価アルコールを含むことが好ましい。
水中油型乳化組成物が多価アルコールを含むと、乳化粒子の粒子径がより小さくなる傾向がある。
水中油型乳化組成物は、多価アルコールを含むことが好ましい。
水中油型乳化組成物が多価アルコールを含むと、乳化粒子の粒子径がより小さくなる傾向がある。
多価アルコールとしては、特に制限はない。
多価アルコールの例としては、グリセリン、濃グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール〔例えば、ポリエチレングリコール300(所謂、マクロゴール300)、ポリエチレングリコール400(所謂、マクロゴール400)、ポリエチレングリコール600(所謂、マクロゴール600)、及びポリエチレングリコール1000(所謂、マクロゴール1000)〕、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、より微細な乳化粒子を得る観点から、濃グリセリンが好ましい。
多価アルコールの例としては、グリセリン、濃グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール〔例えば、ポリエチレングリコール300(所謂、マクロゴール300)、ポリエチレングリコール400(所謂、マクロゴール400)、ポリエチレングリコール600(所謂、マクロゴール600)、及びポリエチレングリコール1000(所謂、マクロゴール1000)〕、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、より微細な乳化粒子を得る観点から、濃グリセリンが好ましい。
水中油型乳化組成物は、多価アルコールを含む場合、多価アルコールを1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
水中油型乳化組成物が多価アルコールを含む場合、水中油型乳化組成物中における多価アルコールの含有率は、例えば、より微細な乳化粒子を得る観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、2.0質量%以上が更に好ましい。
また、水中油型乳化組成物中における多価アルコールの含有率は、例えば、注射により投与する際の浸透圧差による組織障害の可能性をより低減させる観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
また、水中油型乳化組成物中における多価アルコールの含有率は、例えば、注射により投与する際の浸透圧差による組織障害の可能性をより低減させる観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
<薬効成分>
水中油型乳化組成物は、薬効成分を含んでいてもよい。
薬効成分は、特に制限されない。
薬効成分としては、例えば、医薬品に用いられる油溶性の薬効成分が挙げられる。
水中油型乳化組成物は、薬効成分を含んでいてもよい。
薬効成分は、特に制限されない。
薬効成分としては、例えば、医薬品に用いられる油溶性の薬効成分が挙げられる。
薬効成分は、1-オクタノール/水分配係数(所謂、水相中における溶質の濃度に対する1-オクタノール相中における溶質の濃度の割合)の常用対数であるlogPが3以上の化合物であることが好ましく、3以上10以下の化合物であることがより好ましい。
薬効成分が水中油型乳化組成物の水相又は油相のいずれに分配されるかは、薬効成分のlogPによって決まる。logPが低すぎる薬効成分は、水中油型乳化組成物の油相に分配され難い。このような観点から、薬効成分のlogPは、3以上が好ましい。
薬効成分が水中油型乳化組成物の水相又は油相のいずれに分配されるかは、薬効成分のlogPによって決まる。logPが低すぎる薬効成分は、水中油型乳化組成物の油相に分配され難い。このような観点から、薬効成分のlogPは、3以上が好ましい。
本開示において、1-オクタノール/水分配係数の常用対数である「logP」は、計算ソフトウェアとしてChemDrawを用い、薬効成分の化学構造から自動計算により求めた値である。
logPが3以上である薬効成分の例としては、フルルビプロフェンアキセチル、フルルビプロフェン、アルプロスタジル、プロポフォール、デキサメタゾンパルミチン酸エステル等の化合物が挙げられる。
薬効成分は、イオン性基を有しない化合物であることが好ましい。
例えば、水中油型乳化組成物中の乳化粒子がイオン性基を有する化合物を含む場合、イオン性基を有する化合物は、乳化粒子の界面付近に存在しやすいため、イオン性基間の静電的反発により、乳化粒子同士の凝集が抑制される傾向がある。そのため、水中油型乳化組成物中の乳化粒子がイオン性基を有する化合物を含むと、本開示における容器を使用しない場合であっても、加熱処理の際に生じ得る粗大粒子の生成をある程度抑制できる。
これに対し、イオン性基を有しない化合物の場合には、静電的反発による乳化粒子同士の凝集抑制効果は期待できない。よって、薬効成分がイオン性基を有しない化合物であると、本開示における容器による粗大粒子の生成抑制効果がより効果的に奏される。
例えば、水中油型乳化組成物中の乳化粒子がイオン性基を有する化合物を含む場合、イオン性基を有する化合物は、乳化粒子の界面付近に存在しやすいため、イオン性基間の静電的反発により、乳化粒子同士の凝集が抑制される傾向がある。そのため、水中油型乳化組成物中の乳化粒子がイオン性基を有する化合物を含むと、本開示における容器を使用しない場合であっても、加熱処理の際に生じ得る粗大粒子の生成をある程度抑制できる。
これに対し、イオン性基を有しない化合物の場合には、静電的反発による乳化粒子同士の凝集抑制効果は期待できない。よって、薬効成分がイオン性基を有しない化合物であると、本開示における容器による粗大粒子の生成抑制効果がより効果的に奏される。
イオン性基としては、特に制限はない。
イオン性基の例としては、カルボキシ基、スルホ基、スルフィン酸基、リン酸基、ニトロ基、ボラート基、アンモニウム基、ピリジニウム基、アリールオキシ基、イミダゾリウム基等が挙げられる。
イオン性基の例としては、カルボキシ基、スルホ基、スルフィン酸基、リン酸基、ニトロ基、ボラート基、アンモニウム基、ピリジニウム基、アリールオキシ基、イミダゾリウム基等が挙げられる。
既述の薬効成分の例のうち、イオン性基を有しない化合物は、フルルビプロフェンアキセチル及びデキサメタゾンパルミチン酸エステルである。
水中油型乳化組成物は、薬効成分を含む場合、薬効成分を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
水中油型乳化組成物が薬効成分を含む場合、水中油型乳化組成物中における薬効成分の含有率としては、特に制限はない。
水中油型乳化組成物中における薬効成分の含有率は、例えば、1回あたりの投与量の観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.0005質量%以上5質量%以下が好ましい。
水中油型乳化組成物中における薬効成分の含有率は、例えば、1回あたりの投与量の観点から、水中油型乳化組成物の全質量に対して、0.0005質量%以上5質量%以下が好ましい。
<その他の添加剤>
水中油型乳化組成物は、既述の成分以外に、本開示の容器詰水中油型乳化組成物の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、その他の添加剤を更に含んでいてもよい。
その他の添加剤としては、例えば、医薬的に許容される添加剤が挙げられる。
例えば、本開示の容器詰水中油型乳化組成物を静脈内注射により投与する場合には、静脈内注射に適した添加剤を更に含むことが好ましい。
その他の添加剤の例としては、脂肪酸(例えば、オレイン酸)、pH調整剤(例えば、塩酸及び水酸化ナトリウム)、界面活性剤、酸化防止剤〔例えば、アスコルビン酸、D-α-トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、及びジブチルヒドロキシトルエン(BHT)〕、安定化剤(例えば、クエン酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、パラオキシ安息香酸メチル及びパラオキシ安息香酸プロピル)等が挙げられる。
但し、その他の添加剤は、これらに限定されない。
水中油型乳化組成物は、既述の成分以外に、本開示の容器詰水中油型乳化組成物の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、その他の添加剤を更に含んでいてもよい。
その他の添加剤としては、例えば、医薬的に許容される添加剤が挙げられる。
例えば、本開示の容器詰水中油型乳化組成物を静脈内注射により投与する場合には、静脈内注射に適した添加剤を更に含むことが好ましい。
その他の添加剤の例としては、脂肪酸(例えば、オレイン酸)、pH調整剤(例えば、塩酸及び水酸化ナトリウム)、界面活性剤、酸化防止剤〔例えば、アスコルビン酸、D-α-トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、及びジブチルヒドロキシトルエン(BHT)〕、安定化剤(例えば、クエン酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、パラオキシ安息香酸メチル及びパラオキシ安息香酸プロピル)等が挙げられる。
但し、その他の添加剤は、これらに限定されない。
水中油型乳化組成物は、その他の添加剤を含む場合、その他の添加剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
水中油型乳化組成物がその他の添加剤を含む場合、水中油型乳化組成物中におけるその他の添加剤の含有率は、例えば、水中油型乳化組成物の全質量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
〔PFAT5値〕
水中油型乳化組成物は、水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)が、0.05体積%以下である。
PFAT5値は、好ましくは0.03体積%以下であり、より好ましくは0.01体積%以下であり、特に好ましくは、直径5μm以上50μm以下の粒子を含まないこと、即ち、0体積%である。
水中油型乳化組成物は、水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)が、0.05体積%以下である。
PFAT5値は、好ましくは0.03体積%以下であり、より好ましくは0.01体積%以下であり、特に好ましくは、直径5μm以上50μm以下の粒子を含まないこと、即ち、0体積%である。
本開示において、「PFAT5値」は、下記の方法により求めた値である。
水中油型乳化組成物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製する。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出する。そして、下記の式(1)に基づき、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出する。
下記の式(1)では、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積が、評価用サンプル液中に含まれるトリグリセリドの体積と同程度であると仮定している。なお、評価用サンプル液中に含まれるトリグリセリドの体積は、下記の式(2)に基づき、算出する。
個数カウント式粒度分布装置としては、例えば、日本インテグリス(株)のAccuSizer 780AS(製品名)を好適に用いることができる。但し、個数カウント式粒度分布装置は、これに限定されない。
水中油型乳化組成物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製する。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出する。そして、下記の式(1)に基づき、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出する。
下記の式(1)では、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積が、評価用サンプル液中に含まれるトリグリセリドの体積と同程度であると仮定している。なお、評価用サンプル液中に含まれるトリグリセリドの体積は、下記の式(2)に基づき、算出する。
個数カウント式粒度分布装置としては、例えば、日本インテグリス(株)のAccuSizer 780AS(製品名)を好適に用いることができる。但し、個数カウント式粒度分布装置は、これに限定されない。
PFAT5値(単位:体積%) = [評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積] ÷ [評価用サンプル液1mLに占めるトリグリセリドの体積] × 100・・・(1)
評価用サンプル液1mLに占めるトリグリセリドの体積(単位:mL) = 容器詰水中油型乳化組成物中のトリグリセリドの含有量(単位:g) ÷ トリグリセリドの密度(単位:g/mL) ÷ 10(希釈倍率)・・・(2)
[容器]
本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、既述の水中油型乳化組成物を収容する容器を備える。本開示の容器詰水中油型乳化組成物が備える容器は、内部表面の水接触角が30°以上180°以下である。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、水中油型乳化組成物を収容する容器の内部表面の水接触角が30°以上180°以下であることにより、製造工程中における加熱処理に起因する粗大粒子の生成が抑制されている。そのため、本開示の容器詰水中油型乳化組成物では、直径5μm以上50μm以下の粒子(所謂、粗大粒子)の体積割合が、水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対して0.05体積%以下であり、粗大粒子が少ない。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、既述の水中油型乳化組成物を収容する容器を備える。本開示の容器詰水中油型乳化組成物が備える容器は、内部表面の水接触角が30°以上180°以下である。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、水中油型乳化組成物を収容する容器の内部表面の水接触角が30°以上180°以下であることにより、製造工程中における加熱処理に起因する粗大粒子の生成が抑制されている。そのため、本開示の容器詰水中油型乳化組成物では、直径5μm以上50μm以下の粒子(所謂、粗大粒子)の体積割合が、水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対して0.05体積%以下であり、粗大粒子が少ない。
容器の内部表面の水接触角は、好ましくは30°以上170°以下であり、より好ましくは35°以上150°以下であり、更に好ましくは40°以上120°以下であり、更に好ましくは50°以上110°以下であり、更に好ましくは55°以上110°以下であり、特に好ましくは55°以上100°以下である。
本開示において、容器の内部表面の水接触角は、下記の方法により測定する。
雰囲気温度20℃~25℃の環境下、接触角計を用いて、容器の内底部に水を0.5μL滴下し、容器の内底部に接触する水の接触角を測定する。
測定に際しては、容器を非破壊の状態で直接測定してもよく、容器を破壊した後の容器片を用いて測定してもよい。
水接触角は、容器の内底部の表面に形成された液滴の撮影画像を基に、画像解析ソフトウェアによる自動解析により算出してもよく、手動で接線を引いて角度を求める手動解析により算出してもよい。
接触角計としては、例えば、協和界面科学(株)の接触角計(型名:DMo-501)を使用できる。但し、接触角計は、これに限定されない。
なお、本開示における水接触角の測定には、水として、ぬれ張力試験用混合液No.73.0を用いてもよい。
雰囲気温度20℃~25℃の環境下、接触角計を用いて、容器の内底部に水を0.5μL滴下し、容器の内底部に接触する水の接触角を測定する。
測定に際しては、容器を非破壊の状態で直接測定してもよく、容器を破壊した後の容器片を用いて測定してもよい。
水接触角は、容器の内底部の表面に形成された液滴の撮影画像を基に、画像解析ソフトウェアによる自動解析により算出してもよく、手動で接線を引いて角度を求める手動解析により算出してもよい。
接触角計としては、例えば、協和界面科学(株)の接触角計(型名:DMo-501)を使用できる。但し、接触角計は、これに限定されない。
なお、本開示における水接触角の測定には、水として、ぬれ張力試験用混合液No.73.0を用いてもよい。
容器は、内部表面の水接触角が30°以上180°以下であればよく、例えば、水接触角が30°以上180°以下となるような被膜を内部表面に有する容器であってもよく、水接触角が30°以上180°以下となるような被膜形成処理以外の処理を施した処理面を内部表面に有する容器であってもよい。
水接触角が30°以上180°以下となるような被膜の例としては、酸化ケイ素被膜、シリコーン樹脂被膜、フッ素樹脂被膜、ダイヤモンドライクカーボン被膜等が挙げられる。
水接触角が30°以上180°以下となるような被膜形成処理以外の処理を施した処理面の例としては、ファイアブラスト処理面、サルファー処理面、VIST処理面等が挙げられる。
ここで、「ファイアブラスト」とは、炎による表面処理の1種である。具体的な処理方法は、例えば、特許第5716762号公報の記載を参照できる。
また、「VIST(Vial Inner Surface Treatment)」とは、有機酸による表面処理の1種であり、有機酸によってガラス表面のアルカリ成分を除去する低アルカリ化処理である。
水接触角が30°以上180°以下となるような被膜の例としては、酸化ケイ素被膜、シリコーン樹脂被膜、フッ素樹脂被膜、ダイヤモンドライクカーボン被膜等が挙げられる。
水接触角が30°以上180°以下となるような被膜形成処理以外の処理を施した処理面の例としては、ファイアブラスト処理面、サルファー処理面、VIST処理面等が挙げられる。
ここで、「ファイアブラスト」とは、炎による表面処理の1種である。具体的な処理方法は、例えば、特許第5716762号公報の記載を参照できる。
また、「VIST(Vial Inner Surface Treatment)」とは、有機酸による表面処理の1種であり、有機酸によってガラス表面のアルカリ成分を除去する低アルカリ化処理である。
内部表面に酸化ケイ素被膜を有する容器は、例えば、容器の内部表面にテトライソシアネートシラン〔Si(NCO)4〕の高温ガスを噴霧して加温し、容器の内部表面にシリカ(SiO2)の薄膜を形成させることにより、得ることができる。他にも、容器の内部表面にシリカ(SiO2)を高温で溶融コーティングし、容器の内部表面にシリカ(SiO2)の薄膜を形成させることにより、得ることができる。
内部表面にシリコーン樹脂被膜を有する容器は、例えば、容器をジメチルポリシロキサン溶液に浸漬し、次いで、焼付け処理を行い、容器の内部表面にシリコーン樹脂の薄膜を形成させることにより、得ることができる。
内部表面にフッ素樹脂被膜を有する容器は、例えば、容器の内部表面に、カップリング剤を用いてフッ素樹脂を塗布し、次いで、焼付け処理を行い、容器の内部表面にフッ素樹脂の薄膜を形成させることにより、得ることができる。
内部表面にシリコーン樹脂被膜を有する容器は、例えば、容器をジメチルポリシロキサン溶液に浸漬し、次いで、焼付け処理を行い、容器の内部表面にシリコーン樹脂の薄膜を形成させることにより、得ることができる。
内部表面にフッ素樹脂被膜を有する容器は、例えば、容器の内部表面に、カップリング剤を用いてフッ素樹脂を塗布し、次いで、焼付け処理を行い、容器の内部表面にフッ素樹脂の薄膜を形成させることにより、得ることができる。
内部表面に酸化ケイ素被膜を有する容器の市販品の例としては、3010 シリコート〔商品名、容器の種類:バイアル、水接触角:39°、不二硝子(株)〕、FY-5 シリコート〔商品名、容器の種類:バイアル、不二硝子(株)〕等が挙げられる。
内部表面にシリコーン樹脂被膜を有する容器の市販品の例としては、3010 シリコーン〔商品名、容器の種類:バイアル、水接触角:84°、不二硝子(株)〕、FY-5 シリコーン〔商品名、容器の種類:バイアル、水接触角:106°、不二硝子(株)〕等が挙げられる。
内部表面にファイアブラスト処理面を有する容器の市販品の例としては、VIALEX(登録商標)、容器の種類:バイアル、水接触角:53°、ニプロ(株)〕等が挙げられる。
内部表面にシリコーン樹脂被膜を有する容器の市販品の例としては、3010 シリコーン〔商品名、容器の種類:バイアル、水接触角:84°、不二硝子(株)〕、FY-5 シリコーン〔商品名、容器の種類:バイアル、水接触角:106°、不二硝子(株)〕等が挙げられる。
内部表面にファイアブラスト処理面を有する容器の市販品の例としては、VIALEX(登録商標)、容器の種類:バイアル、水接触角:53°、ニプロ(株)〕等が挙げられる。
容器は、例えば、入手容易性の観点から、内部表面に、酸化ケイ素被膜又はシリコーン樹脂被膜から選ばれる被膜を有するか、或いは、ファイアブラスト処理面を有することが好ましく、粗大粒子がより少ない容器詰水中油型乳化組成物を実現する観点から、内部表面にシリコーン樹脂被膜を有することがより好ましい。
容器の内部表面が酸化ケイ素被膜を有することは、例えば、X線光電子分光法におけるエネルギーシフトによって確認できる。具体的には、X線光電子分光法により測定した容器の内部表面のSi元素の結合エネルギーが、103.2eV~103.9eVの範囲内であることを確認すればよい。
容器の内部表面がシリコーン樹脂被膜を有することは、例えば、X線光電子分光法を用いて組成分析することにより確認できる。
また、容器の内部表面がシリコーン樹脂被膜を有することは、例えば、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS:Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)により確認できる。具体的には、TOF-SIMSにより測定したシリコーン組成(Si2C3H9O3 -)の二次イオンを検出することによって特定できる。
また、容器の内部表面がシリコーン樹脂被膜を有することは、例えば、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS:Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)により確認できる。具体的には、TOF-SIMSにより測定したシリコーン組成(Si2C3H9O3 -)の二次イオンを検出することによって特定できる。
容器の内部表面のうち、水接触角が30°以上180°以下である面は、収容される水中油型乳化組成物が接触する面の一部又は全部であればよく、例えば、容器の内部表面の一部であってもよく、容器の内部表面の全部であってもよい。
例えば、粗大粒子がより少ない容器詰水中油型乳化組成物を実現する観点から、容器の内部表面のうち、水接触角が30°以上180°以下である面は、少なくとも収容される水中油型乳化組成物が接触する面の全部であることが好ましく、容器の入手容易性の観点から、容器の内部表面の全部であることがより好ましい。
例えば、粗大粒子がより少ない容器詰水中油型乳化組成物を実現する観点から、容器の内部表面のうち、水接触角が30°以上180°以下である面は、少なくとも収容される水中油型乳化組成物が接触する面の全部であることが好ましく、容器の入手容易性の観点から、容器の内部表面の全部であることがより好ましい。
容器の材質は、特に制限されない。
容器は、ガラス製容器であってもよく、樹脂製容器であってもよい。
容器は、例えば、容器の酸素透過性の観点から、ガラス製容器であることが好ましい。
容器は、ガラス製容器であってもよく、樹脂製容器であってもよい。
容器は、例えば、容器の酸素透過性の観点から、ガラス製容器であることが好ましい。
水中油型乳化組成物を収容する容器の種類としては、密閉できればよく、特に制限されない。
容器の種類としては、アンプル、バイアル、シリンジ、バッグ等が挙げられる。
これらの中でも、水中油型乳化組成物を収容する容器の種類としては、例えば、医療現場における取り扱い性の観点からは、バイアルが好ましく、容器の密閉性が高いとの観点からは、アンプルが好ましく、直ぐに投与できるとの観点からは、シリンジ又はバッグが好ましい。
容器の種類としては、アンプル、バイアル、シリンジ、バッグ等が挙げられる。
これらの中でも、水中油型乳化組成物を収容する容器の種類としては、例えば、医療現場における取り扱い性の観点からは、バイアルが好ましく、容器の密閉性が高いとの観点からは、アンプルが好ましく、直ぐに投与できるとの観点からは、シリンジ又はバッグが好ましい。
[容器詰水中油型乳化組成物の用途]
本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、粗大粒子が少ないため、例えば、注射用(特に、静脈内注射用)として好適である。
水中油型乳化組成物中に粗大粒子が多く存在すると、静脈内注射により投与した場合に、投与後に血管が閉塞する可能性がある。これに対し、本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、粗大粒子が少ないため、粗大粒子に起因する血管の閉塞が起こり難い。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、粗大粒子が少ないため、例えば、注射用(特に、静脈内注射用)として好適である。
水中油型乳化組成物中に粗大粒子が多く存在すると、静脈内注射により投与した場合に、投与後に血管が閉塞する可能性がある。これに対し、本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、粗大粒子が少ないため、粗大粒子に起因する血管の閉塞が起こり難い。
[治療方法]
本開示は、既述の本開示の容器詰水中油型乳化組成物を、治療の対象となる適用対象者へ静脈内投与することを含む治療方法を、他の実施形態として包含する。
本開示は、既述の本開示の容器詰水中油型乳化組成物を、治療の対象となる適用対象者へ静脈内投与することを含む治療方法を、他の実施形態として包含する。
[容器詰水中油型乳化組成物の製造方法]
本開示の容器詰水中油型乳化組成物の製造方法は、既述の容器詰水中油型乳化組成物を製造できればよく、特に制限されない。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、例えば、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物を、内部表面の水接触角が30°以上180°以下である容器に収容し、次いで、容器を密閉した後、加熱処理(所謂、滅菌処理)することにより、製造できる。また、水中油型乳化組成物は、例えば、リン脂質と、トリグリセリドと、水と、必要に応じて、他の成分(濃グリセリン、薬効成分等)とを用いて、公知の水中油型乳化組成物の製造方法に従って、得ることができる。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物の製造方法は、既述の容器詰水中油型乳化組成物を製造できればよく、特に制限されない。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物は、例えば、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物を、内部表面の水接触角が30°以上180°以下である容器に収容し、次いで、容器を密閉した後、加熱処理(所謂、滅菌処理)することにより、製造できる。また、水中油型乳化組成物は、例えば、リン脂質と、トリグリセリドと、水と、必要に応じて、他の成分(濃グリセリン、薬効成分等)とを用いて、公知の水中油型乳化組成物の製造方法に従って、得ることができる。
本開示の容器詰水中油型乳化組成物の好ましい製造方法の一例について、詳細に説明する。なお、既述の容器詰水中油型乳化組成物と共通する事項、例えば、水中油型乳化組成物に含まれる成分、容器等の詳細については、説明を省略する。
(1)リン脂質と、トリグリセリドと、水と、必要に応じて、他の成分(例えば、濃グリセリン、薬効成分等の成分)とを混合することにより、混合物を得る(以下、「工程a」と称する)。
(2)得られた混合物に対し、乳化処理を施し、粗乳化物を得る(以下、「工程b」と称する)。
(3)得られた粗乳化物に対し、高圧乳化処理を施し、乳化物を得る(以下、「工程c」と称する)。
(4)得られた乳化物のpHを調整する(以下、「工程d」と称する)。
(5)pH調整後の乳化物を、内部表面の水接触角が30°以上180°以下の容器に収容した後、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製する(以下、「工程e」と称する)。
(6)作製した容器詰乳化物に対し、加熱による滅菌処理を施す(以下、「工程f」と称する)。
以上の方法により、本開示の容器詰水中油型乳化組成物を製造することができる。
(1)リン脂質と、トリグリセリドと、水と、必要に応じて、他の成分(例えば、濃グリセリン、薬効成分等の成分)とを混合することにより、混合物を得る(以下、「工程a」と称する)。
(2)得られた混合物に対し、乳化処理を施し、粗乳化物を得る(以下、「工程b」と称する)。
(3)得られた粗乳化物に対し、高圧乳化処理を施し、乳化物を得る(以下、「工程c」と称する)。
(4)得られた乳化物のpHを調整する(以下、「工程d」と称する)。
(5)pH調整後の乳化物を、内部表面の水接触角が30°以上180°以下の容器に収容した後、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製する(以下、「工程e」と称する)。
(6)作製した容器詰乳化物に対し、加熱による滅菌処理を施す(以下、「工程f」と称する)。
以上の方法により、本開示の容器詰水中油型乳化組成物を製造することができる。
(工程a)
工程aでは、リン脂質と、トリグリセリドと、水と、必要に応じて、他の成分(例えば、濃グリセリン、薬効成分等の成分)とを混合することにより、混合物を得る。
混合物中において、リン脂質と、トリグリセリドと、水と、他の成分とは、単に混合されていればよく、均一に混合されていることが好ましい。
リン脂質と、トリグリセリドと、水と、他の成分とは、一度に混合してもよく、或いは、1つの成分に別の成分を分割して添加しながら混合してもよい。
リン脂質と、トリグリセリドと、水と、他の成分とを混合する方法としては、特に制限されず、例えば、撹拌により混合する方法が挙げられる。
撹拌手段としては、特に制限はなく、一般的な撹拌器具又は撹拌装置を使用できる。
撹拌時間は、特に制限されず、撹拌器具又は撹拌装置の種類、撹拌する成分の組成(即ち、種類及び量)等に応じて、適宜設定できる。
リン脂質と、トリグリセリドと、水と、他の成分とを混合する際の温度は、突沸を防ぐ観点から、100℃未満に設定することが好ましい。
温度を調整する手段としては、特に制限はなく、一般的な加熱装置を使用できる。
工程aでは、リン脂質と、トリグリセリドと、水と、必要に応じて、他の成分(例えば、濃グリセリン、薬効成分等の成分)とを混合することにより、混合物を得る。
混合物中において、リン脂質と、トリグリセリドと、水と、他の成分とは、単に混合されていればよく、均一に混合されていることが好ましい。
リン脂質と、トリグリセリドと、水と、他の成分とは、一度に混合してもよく、或いは、1つの成分に別の成分を分割して添加しながら混合してもよい。
リン脂質と、トリグリセリドと、水と、他の成分とを混合する方法としては、特に制限されず、例えば、撹拌により混合する方法が挙げられる。
撹拌手段としては、特に制限はなく、一般的な撹拌器具又は撹拌装置を使用できる。
撹拌時間は、特に制限されず、撹拌器具又は撹拌装置の種類、撹拌する成分の組成(即ち、種類及び量)等に応じて、適宜設定できる。
リン脂質と、トリグリセリドと、水と、他の成分とを混合する際の温度は、突沸を防ぐ観点から、100℃未満に設定することが好ましい。
温度を調整する手段としては、特に制限はなく、一般的な加熱装置を使用できる。
(工程b)
工程bでは、得られた混合物に対し、乳化処理を施し、粗乳化物を得る。
乳化処理の方法としては、特に制限はない。
乳化手段としては、特に制限はなく、一般的な乳化装置(例えば、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等の装置)を使用できる。
乳化時間は、特に制限されず、乳化装置の種類、混合物の組成等に応じて、適宜設定できる。
乳化手段として、ホモジナイザーを用いる場合には、例えば、回転速度を1,000rpm(revolutions per minute;以下、同じ。)~100,000rpm、乳化時間を1分間~30分間に設定できる。
乳化手段として、超音波ホモジナイザーを用いる場合には、例えば、周波数を15kHz~40kHz、分散部のエネルギー密度を100W/cm2以上に設定できる。
工程bでは、得られた混合物に対し、乳化処理を施し、粗乳化物を得る。
乳化処理の方法としては、特に制限はない。
乳化手段としては、特に制限はなく、一般的な乳化装置(例えば、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等の装置)を使用できる。
乳化時間は、特に制限されず、乳化装置の種類、混合物の組成等に応じて、適宜設定できる。
乳化手段として、ホモジナイザーを用いる場合には、例えば、回転速度を1,000rpm(revolutions per minute;以下、同じ。)~100,000rpm、乳化時間を1分間~30分間に設定できる。
乳化手段として、超音波ホモジナイザーを用いる場合には、例えば、周波数を15kHz~40kHz、分散部のエネルギー密度を100W/cm2以上に設定できる。
(工程c)
工程cでは、得られた粗乳化物に対し、高圧乳化処理を施し、乳化物を得る。
乳化手段としては、特に制限はないが、例えば、高圧ホモジナイザーが好適である。
高圧ホモジナイザーとしては、チャンバー型高圧ホモジナイザー、均質バルブ型高圧ホモジナイザー等が挙げられる。
チャンバー型高圧ホモジナイザーとしては、マイクロフルイダイザー〔パウレック(株)〕、ナノマイザー〔ナノマイザー(株)〕、アルティマイザー〔スギノマシン(株)〕等が挙げられる。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー〔(株)エスエムテー〕、ラニエタイプホモジナイザー〔(株)エスエムテー〕、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社)、ホモゲナイザー〔三和機械(株)〕、高圧ホモゲナイザー〔イズミフードマシナリー(株)〕、超高圧ホモジナイザー(IKA社)等が挙げられる。
乳化時間は、特に制限されず、圧力条件等に応じて、適宜設定できる。
圧力条件は、例えば、20MPa~245MPaに設定できる。
乳化手段として、高圧ホモジナイザーを用いる場合には、例えば、圧力を80MPa~100MPa、高圧乳化処理回数を5回~30回に設定できる。
工程cでは、得られた粗乳化物に対し、高圧乳化処理を施し、乳化物を得る。
乳化手段としては、特に制限はないが、例えば、高圧ホモジナイザーが好適である。
高圧ホモジナイザーとしては、チャンバー型高圧ホモジナイザー、均質バルブ型高圧ホモジナイザー等が挙げられる。
チャンバー型高圧ホモジナイザーとしては、マイクロフルイダイザー〔パウレック(株)〕、ナノマイザー〔ナノマイザー(株)〕、アルティマイザー〔スギノマシン(株)〕等が挙げられる。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー〔(株)エスエムテー〕、ラニエタイプホモジナイザー〔(株)エスエムテー〕、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社)、ホモゲナイザー〔三和機械(株)〕、高圧ホモゲナイザー〔イズミフードマシナリー(株)〕、超高圧ホモジナイザー(IKA社)等が挙げられる。
乳化時間は、特に制限されず、圧力条件等に応じて、適宜設定できる。
圧力条件は、例えば、20MPa~245MPaに設定できる。
乳化手段として、高圧ホモジナイザーを用いる場合には、例えば、圧力を80MPa~100MPa、高圧乳化処理回数を5回~30回に設定できる。
(工程d)
工程dでは、得られた乳化物のpHを調整する。
乳化物のpHは、一般的なpH調整剤を用いて調整できる。
乳化物のpHは、例えば、5.0以上10.0以下に調整することが好ましく、6.0以上9.0以下に調整することがより好ましい。
本開示において、乳化物のpHは、乳化物の温度を25℃にして測定する。
pHの測定には、pH測定法として一般的な方法を用いることができる。例えば、乳化物のpHは、pHメータにより測定できる。pHメータとしては、(株)堀場製作所のpHメータ(型番:F-73)を好適に用いることができる。但し、これに限定されない。
工程dでは、得られた乳化物のpHを調整する。
乳化物のpHは、一般的なpH調整剤を用いて調整できる。
乳化物のpHは、例えば、5.0以上10.0以下に調整することが好ましく、6.0以上9.0以下に調整することがより好ましい。
本開示において、乳化物のpHは、乳化物の温度を25℃にして測定する。
pHの測定には、pH測定法として一般的な方法を用いることができる。例えば、乳化物のpHは、pHメータにより測定できる。pHメータとしては、(株)堀場製作所のpHメータ(型番:F-73)を好適に用いることができる。但し、これに限定されない。
(工程e)
工程eでは、pH調整後の乳化物を、内部表面の水接触角が30°以上180°以下である容器に収容した後、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製する。
pH調整後の乳化物に対し、容器への収容の前に、フィルターを用いた濾過を行ってもよい。フィルターの孔径は、特に制限されず、例えば、50μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましく、0.8μm以下が特に好ましい。
乳化物は、窒素雰囲気下において、容器に収容されることが好ましい。
工程eでは、pH調整後の乳化物を、内部表面の水接触角が30°以上180°以下である容器に収容した後、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製する。
pH調整後の乳化物に対し、容器への収容の前に、フィルターを用いた濾過を行ってもよい。フィルターの孔径は、特に制限されず、例えば、50μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましく、0.8μm以下が特に好ましい。
乳化物は、窒素雰囲気下において、容器に収容されることが好ましい。
(工程f)
工程fでは、作製した容器詰乳化物に対し、加熱による滅菌処理を施す。
加熱手段としては、特に制限はないが、例えば、オートクレーブが好適である。
加熱温度は、例えば、100℃以上が好ましく、105℃以上がより好ましい。
加熱温度の上限は、特に制限されず、乳化物の組成、容器の材質等に応じて、適宜設定できる。
加熱時間は、特に制限されず、加熱温度等に応じて、適宜設定できる。
加熱手段として、オートクレーブを用いる場合には、例えば、加熱温度を100℃~135℃に設定し、3分間~30分間加熱することが好ましい。
工程fでは、作製した容器詰乳化物に対し、加熱による滅菌処理を施す。
加熱手段としては、特に制限はないが、例えば、オートクレーブが好適である。
加熱温度は、例えば、100℃以上が好ましく、105℃以上がより好ましい。
加熱温度の上限は、特に制限されず、乳化物の組成、容器の材質等に応じて、適宜設定できる。
加熱時間は、特に制限されず、加熱温度等に応じて、適宜設定できる。
加熱手段として、オートクレーブを用いる場合には、例えば、加熱温度を100℃~135℃に設定し、3分間~30分間加熱することが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例において使用した各成分の詳細を以下に示す。
<リン脂質>
・レシチン〔商品名:卵黄レシチンPL-100M、精製卵黄レシチン、キューピー(株)〕
<トリグリセリド>
-長鎖脂肪酸トリグリセリド-
・ダイズ油〔商品名:日本薬局方 ダイズ油、カネダ(株)〕
・オリーブ油〔商品名:Olive Oil、Sigma-Aldrich社〕
・ゴマ油〔商品名:日本薬局方 ゴマ油、カネダ(株)〕
-中鎖脂肪酸トリグリセリド-
・ココナード MT〔商品名:ココナード(登録商標) MT、花王(株)〕
(脂肪酸組成)C6:0.3質量%、C8:81.6質量%、C10:17.4質量%、C12:0.4質量%、その他:0.3質量%
・ココナード RK〔商品名:ココナード(登録商標) RK、花王(株)〕
(脂肪酸組成)C6:0.5質量%、C8:97.3質量%、C10:2.2質量%
<水>
・水〔商品名:注射用水(1000mLプラスチックボトル広口開栓型)、光製薬(株)〕
・レシチン〔商品名:卵黄レシチンPL-100M、精製卵黄レシチン、キューピー(株)〕
<トリグリセリド>
-長鎖脂肪酸トリグリセリド-
・ダイズ油〔商品名:日本薬局方 ダイズ油、カネダ(株)〕
・オリーブ油〔商品名:Olive Oil、Sigma-Aldrich社〕
・ゴマ油〔商品名:日本薬局方 ゴマ油、カネダ(株)〕
-中鎖脂肪酸トリグリセリド-
・ココナード MT〔商品名:ココナード(登録商標) MT、花王(株)〕
(脂肪酸組成)C6:0.3質量%、C8:81.6質量%、C10:17.4質量%、C12:0.4質量%、その他:0.3質量%
・ココナード RK〔商品名:ココナード(登録商標) RK、花王(株)〕
(脂肪酸組成)C6:0.5質量%、C8:97.3質量%、C10:2.2質量%
<水>
・水〔商品名:注射用水(1000mLプラスチックボトル広口開栓型)、光製薬(株)〕
<多価アルコール>
・濃グリセリン〔商品名:日本薬局方 濃グリセリン、阪本薬品工業(株)〕
<薬効成分>
・フルルビプロフェンアキセチル〔商品名:Flurbiprofen axetil、API Chem社〕
・フルルビプロフェン〔商品名:Flurbiprofen、東京化成工業(株)〕
・プロポフォール〔商品名:Propofol、Bachem社〕
・アルプロスタジル〔商品名:Alprostadil USP、Chinoin Pharmaceuticals and Chemicals Works社〕
・濃グリセリン〔商品名:日本薬局方 濃グリセリン、阪本薬品工業(株)〕
<薬効成分>
・フルルビプロフェンアキセチル〔商品名:Flurbiprofen axetil、API Chem社〕
・フルルビプロフェン〔商品名:Flurbiprofen、東京化成工業(株)〕
・プロポフォール〔商品名:Propofol、Bachem社〕
・アルプロスタジル〔商品名:Alprostadil USP、Chinoin Pharmaceuticals and Chemicals Works社〕
<その他の添加剤>
・オレイン酸〔商品名:オレイン酸、富士フイルム和光純薬(株)〕
・水酸化ナトリウム溶液〔商品名:0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液、富士フイルム和光純薬(株)〕
・塩酸〔商品名:0.1mol/L 塩酸、富士フイルム和光純薬(株)〕
・オレイン酸〔商品名:オレイン酸、富士フイルム和光純薬(株)〕
・水酸化ナトリウム溶液〔商品名:0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液、富士フイルム和光純薬(株)〕
・塩酸〔商品名:0.1mol/L 塩酸、富士フイルム和光純薬(株)〕
本実施例において使用した各容器の詳細を以下に示す。
<シリコーン樹脂被膜を有する容器>
・容器A〔商品名:3010 シリコーン、容器の種類:バイアル、不二硝子(株)〕
・容器E〔商品名:FY-5 シリコーン、容器の種類:バイアル、不二硝子(株)〕
<酸化ケイ素被膜を有する容器>
・容器B〔商品名:3010 シリコート、容器の種類:バイアル、不二硝子(株)〕
<未処理の容器>
・容器C〔商品名:CS-2、容器の種類:バイアル、不二硝子(株)〕
<ファイアブラスト処理面を有する容器>
・容器D〔商品名:VIALEX(登録商標)、容器の種類:バイアル、ニプロ(株)〕
・容器A〔商品名:3010 シリコーン、容器の種類:バイアル、不二硝子(株)〕
・容器E〔商品名:FY-5 シリコーン、容器の種類:バイアル、不二硝子(株)〕
<酸化ケイ素被膜を有する容器>
・容器B〔商品名:3010 シリコート、容器の種類:バイアル、不二硝子(株)〕
<未処理の容器>
・容器C〔商品名:CS-2、容器の種類:バイアル、不二硝子(株)〕
<ファイアブラスト処理面を有する容器>
・容器D〔商品名:VIALEX(登録商標)、容器の種類:バイアル、ニプロ(株)〕
[接触角の測定]
容器A、容器B、及び容器Cの各容器について、容器の内部表面の接触角を測定した。
具体的には、雰囲気温度20℃~25℃の環境下、協和界面科学(株)の接触角計(型名:DMo-501)を用いて、各容器の内底部に水を0.5μL滴下し、各容器の内底部に接触した水の接触角(即ち、水接触角)を測定した。結果を表1に示す。
容器A、容器B、及び容器Cの各容器について、容器の内部表面の接触角を測定した。
具体的には、雰囲気温度20℃~25℃の環境下、協和界面科学(株)の接触角計(型名:DMo-501)を用いて、各容器の内底部に水を0.5μL滴下し、各容器の内底部に接触した水の接触角(即ち、水接触角)を測定した。結果を表1に示す。
[容器詰水中油型乳化組成物の作製]
<実施例1>
リン脂質であるレシチン、トリグリセリドであるダイズ油、多価アルコールである濃グリセリン、及び水を、雰囲気温度25℃の環境下にて撹拌混合して、混合物を得た。得られた混合物に対し、ホモジナイザー〔製品名:ULTRA-TURRAX(登録商標)、IKA社〕を用いて、乳化処理を施し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物に対し、高圧ホモジナイザーを用いて、高圧乳化処理(圧力:100MPa、高圧乳化処理回数:5回)を施すことにより、乳化物を得た。得られた乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径を、後述の方法により測定したところ、225nmであった。
次いで、得られた乳化物に、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸の少なくとも一方と、水と、を添加することにより、乳化物のpHを7.1に調整した。次いで、pH調整後の乳化物を、孔径0.8μmのフィルターを用いて濾過した。次いで、濾過後の乳化物2mLを、窒素雰囲気下、容器Aに収容した後、ゴム栓及びアルミシールを用いて、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製した。次いで、作製した容器詰乳化物に対し、オートクレーブ〔製品名:オートクレーブSP200、ヤマト科学(株)〕を用いて、121℃にて15分間の加熱処理を施すことにより、表2に示す組成を有する実施例1の容器詰水中油型乳化組成物を得た。
<実施例1>
リン脂質であるレシチン、トリグリセリドであるダイズ油、多価アルコールである濃グリセリン、及び水を、雰囲気温度25℃の環境下にて撹拌混合して、混合物を得た。得られた混合物に対し、ホモジナイザー〔製品名:ULTRA-TURRAX(登録商標)、IKA社〕を用いて、乳化処理を施し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物に対し、高圧ホモジナイザーを用いて、高圧乳化処理(圧力:100MPa、高圧乳化処理回数:5回)を施すことにより、乳化物を得た。得られた乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径を、後述の方法により測定したところ、225nmであった。
次いで、得られた乳化物に、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸の少なくとも一方と、水と、を添加することにより、乳化物のpHを7.1に調整した。次いで、pH調整後の乳化物を、孔径0.8μmのフィルターを用いて濾過した。次いで、濾過後の乳化物2mLを、窒素雰囲気下、容器Aに収容した後、ゴム栓及びアルミシールを用いて、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製した。次いで、作製した容器詰乳化物に対し、オートクレーブ〔製品名:オートクレーブSP200、ヤマト科学(株)〕を用いて、121℃にて15分間の加熱処理を施すことにより、表2に示す組成を有する実施例1の容器詰水中油型乳化組成物を得た。
<実施例2~実施例23>
表2又は表3の組成の欄に記載の各成分を、雰囲気温度25℃の環境下にて撹拌混合して、混合物を得た。得られた混合物に対し、ホモジナイザー〔製品名:ULTRA-TURRAX(登録商標)、IKA社〕を用いて、乳化処理を施し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物に対し、高圧ホモジナイザーを用いて、高圧乳化処理を施すことにより、乳化物を得た。高圧乳化処理の条件(即ち、圧力及び高圧乳化処理回数)は、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径が、表2又は表3に記載の値となるように設定した。詳細には、圧力については80MPa~100MPaの範囲内で、高圧乳化処理回数については5回~30回の範囲内で変化させることにより、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の粒子径を制御した。
次いで、得られた乳化物に、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸の少なくとも一方と、水と、を添加することにより、乳化物のpHを表2又は表3に記載の値となるように調整した。次いで、pH調整後の乳化物を、必要に応じて、孔径0.8μmのフィルターを用いて濾過した。なお、実施例2~実施例5、実施例7、実施例8、実施例10、及び実施例15~実施例23では、濾過を行い、実施例6、実施例9、及び実施例11~実施例14では、濾過を行わなかった。次いで、pH調整後の乳化物(pH調整後に濾過を行った実施例2~実施例5、実施例7、実施例8、実施例10、及び実施例15~実施例23については、濾過後の乳化物)2mLを、窒素雰囲気下、容器Aに収容した後、ゴム栓及びアルミシールを用いて、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製した。次いで、作製した容器詰乳化物に対し、オートクレーブ〔製品名:オートクレーブSP200、ヤマト科学(株)〕を用いて、加熱処理を施すことにより、表2又は表3に示す組成を有する実施例2~実施例23の容器詰水中油型乳化組成物を得た。なお、実施例2~実施例15及び実施例17~実施例23では、加熱処理を121℃にて15分間行い、実施例16では、加熱処理を105℃にて30分間行った。
表2又は表3の組成の欄に記載の各成分を、雰囲気温度25℃の環境下にて撹拌混合して、混合物を得た。得られた混合物に対し、ホモジナイザー〔製品名:ULTRA-TURRAX(登録商標)、IKA社〕を用いて、乳化処理を施し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物に対し、高圧ホモジナイザーを用いて、高圧乳化処理を施すことにより、乳化物を得た。高圧乳化処理の条件(即ち、圧力及び高圧乳化処理回数)は、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径が、表2又は表3に記載の値となるように設定した。詳細には、圧力については80MPa~100MPaの範囲内で、高圧乳化処理回数については5回~30回の範囲内で変化させることにより、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の粒子径を制御した。
次いで、得られた乳化物に、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸の少なくとも一方と、水と、を添加することにより、乳化物のpHを表2又は表3に記載の値となるように調整した。次いで、pH調整後の乳化物を、必要に応じて、孔径0.8μmのフィルターを用いて濾過した。なお、実施例2~実施例5、実施例7、実施例8、実施例10、及び実施例15~実施例23では、濾過を行い、実施例6、実施例9、及び実施例11~実施例14では、濾過を行わなかった。次いで、pH調整後の乳化物(pH調整後に濾過を行った実施例2~実施例5、実施例7、実施例8、実施例10、及び実施例15~実施例23については、濾過後の乳化物)2mLを、窒素雰囲気下、容器Aに収容した後、ゴム栓及びアルミシールを用いて、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製した。次いで、作製した容器詰乳化物に対し、オートクレーブ〔製品名:オートクレーブSP200、ヤマト科学(株)〕を用いて、加熱処理を施すことにより、表2又は表3に示す組成を有する実施例2~実施例23の容器詰水中油型乳化組成物を得た。なお、実施例2~実施例15及び実施例17~実施例23では、加熱処理を121℃にて15分間行い、実施例16では、加熱処理を105℃にて30分間行った。
<実施例24~実施例34>
表4の組成の欄に記載の各成分を、雰囲気温度25℃の環境下にて撹拌混合して、混合物を得た。得られた混合物に対し、ホモジナイザー〔製品名:ULTRA-TURRAX(登録商標)、IKA社〕を用いて、乳化処理を施し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物に対し、高圧ホモジナイザーを用いて、高圧乳化処理を施すことにより、乳化物を得た。高圧乳化処理の条件(即ち、圧力及び高圧乳化処理回数)は、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径が、表4に記載の値となるように設定した。詳細には、圧力については80MPa~100MPaの範囲内で、高圧乳化処理回数については5回~30回の範囲内で変化させることにより、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の粒子径を制御した。
次いで、得られた乳化物に、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸の少なくとも一方と、水と、を添加することにより、乳化物のpHを表4に記載の値となるように調整した。次いで、pH調整後の乳化物を、必要に応じて、孔径0.8μmのフィルターを用いて濾過した。なお、実施例24~実施例27及び実施例29~実施例34では、濾過を行い、実施例28では、濾過を行わなかった。次いで、pH調整後の乳化物(pH調整後に濾過を行った実施例24~実施例27及び実施例29~実施例34については、濾過後の乳化物)2mLを、窒素雰囲気下、容器Bに収容した後、ゴム栓及びアルミシールを用いて、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製した。次いで、作製した容器詰乳化物に対し、オートクレーブ〔製品名:オートクレーブSP200、ヤマト科学(株)〕を用いて、加熱処理を施すことにより、表4に示す組成を有する実施例24~実施例34の容器詰水中油型乳化組成物を得た。なお、実施例24~実施例31、実施例33、及び実施例34では、加熱処理を121℃にて15分間行い、実施例32では、加熱処理を105℃にて30分間行った。
表4の組成の欄に記載の各成分を、雰囲気温度25℃の環境下にて撹拌混合して、混合物を得た。得られた混合物に対し、ホモジナイザー〔製品名:ULTRA-TURRAX(登録商標)、IKA社〕を用いて、乳化処理を施し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物に対し、高圧ホモジナイザーを用いて、高圧乳化処理を施すことにより、乳化物を得た。高圧乳化処理の条件(即ち、圧力及び高圧乳化処理回数)は、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径が、表4に記載の値となるように設定した。詳細には、圧力については80MPa~100MPaの範囲内で、高圧乳化処理回数については5回~30回の範囲内で変化させることにより、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の粒子径を制御した。
次いで、得られた乳化物に、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸の少なくとも一方と、水と、を添加することにより、乳化物のpHを表4に記載の値となるように調整した。次いで、pH調整後の乳化物を、必要に応じて、孔径0.8μmのフィルターを用いて濾過した。なお、実施例24~実施例27及び実施例29~実施例34では、濾過を行い、実施例28では、濾過を行わなかった。次いで、pH調整後の乳化物(pH調整後に濾過を行った実施例24~実施例27及び実施例29~実施例34については、濾過後の乳化物)2mLを、窒素雰囲気下、容器Bに収容した後、ゴム栓及びアルミシールを用いて、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製した。次いで、作製した容器詰乳化物に対し、オートクレーブ〔製品名:オートクレーブSP200、ヤマト科学(株)〕を用いて、加熱処理を施すことにより、表4に示す組成を有する実施例24~実施例34の容器詰水中油型乳化組成物を得た。なお、実施例24~実施例31、実施例33、及び実施例34では、加熱処理を121℃にて15分間行い、実施例32では、加熱処理を105℃にて30分間行った。
<比較例1~比較例13>
表5の組成の欄に記載の各成分を、雰囲気温度25℃の環境下にて撹拌混合して、混合物を得た。得られた混合物に対し、ホモジナイザー〔製品名:ULTRA-TURRAX(登録商標)、IKA社〕を用いて、乳化処理を施し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物に対し、高圧ホモジナイザーを用いて、高圧乳化処理を施すことにより、乳化物を得た。高圧乳化処理の条件(即ち、圧力及び高圧乳化処理回数)は、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径が、表5に記載の値となるように設定した。詳細には、圧力については80MPa~100MPaの範囲内で、高圧乳化処理回数については5回~30回の範囲内で変化させることにより、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の粒子径を制御した。
次いで、得られた乳化物に、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸の少なくとも一方と、水と、を添加することにより、乳化物のpHを表5に記載の値となるように調整した。次いで、pH調整後の乳化物を、必要に応じて、孔径0.8μmのフィルターを用いて濾過した。なお、比較例1~比較例5、比較例7~比較例9、及び比較例11~比較例13では、濾過を行い、比較例6及び比較例10では、濾過を行わなかった。次いで、pH調整後の乳化物(pH調整後に濾過を行った比較例1~比較例5、比較例7~比較例9、及び比較例11~比較例13については、濾過後の乳化物)2mLを、窒素雰囲気下、容器Cに収容した後、ゴム栓及びアルミシールを用いて、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製した。次いで、作製した容器詰乳化物に対し、オートクレーブ〔製品名:オートクレーブSP200、ヤマト科学(株)〕を用いて、加熱処理を施すことにより、表5に示す組成の比較例1~比較例13の容器詰水中油型乳化組成物を得た。なお、比較例1~比較例12では、加熱処理を121℃にて15分間行い、比較例13では、加熱処理を105℃にて30分間行った。
表5の組成の欄に記載の各成分を、雰囲気温度25℃の環境下にて撹拌混合して、混合物を得た。得られた混合物に対し、ホモジナイザー〔製品名:ULTRA-TURRAX(登録商標)、IKA社〕を用いて、乳化処理を施し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物に対し、高圧ホモジナイザーを用いて、高圧乳化処理を施すことにより、乳化物を得た。高圧乳化処理の条件(即ち、圧力及び高圧乳化処理回数)は、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径が、表5に記載の値となるように設定した。詳細には、圧力については80MPa~100MPaの範囲内で、高圧乳化処理回数については5回~30回の範囲内で変化させることにより、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の粒子径を制御した。
次いで、得られた乳化物に、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸の少なくとも一方と、水と、を添加することにより、乳化物のpHを表5に記載の値となるように調整した。次いで、pH調整後の乳化物を、必要に応じて、孔径0.8μmのフィルターを用いて濾過した。なお、比較例1~比較例5、比較例7~比較例9、及び比較例11~比較例13では、濾過を行い、比較例6及び比較例10では、濾過を行わなかった。次いで、pH調整後の乳化物(pH調整後に濾過を行った比較例1~比較例5、比較例7~比較例9、及び比較例11~比較例13については、濾過後の乳化物)2mLを、窒素雰囲気下、容器Cに収容した後、ゴム栓及びアルミシールを用いて、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製した。次いで、作製した容器詰乳化物に対し、オートクレーブ〔製品名:オートクレーブSP200、ヤマト科学(株)〕を用いて、加熱処理を施すことにより、表5に示す組成の比較例1~比較例13の容器詰水中油型乳化組成物を得た。なお、比較例1~比較例12では、加熱処理を121℃にて15分間行い、比較例13では、加熱処理を105℃にて30分間行った。
[測定及び評価]
1.乳化粒子の平均粒子径
加熱処理される前の乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径(単位:nm)を、動的光散乱法により測定した。
具体的には、測定装置として、濃厚系粒径アナライザー〔製品名:FPAR-1000AS、大塚電子(株)〕を用い、雰囲気温度25℃の条件下、散乱強度分布における累積50%の値(d50)を求めた。測定用サンプル液には、高圧分散処理により得られた乳化物を、水を用いて10倍希釈したものを使用した。
結果を表2~表5に示す。
1.乳化粒子の平均粒子径
加熱処理される前の乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径(単位:nm)を、動的光散乱法により測定した。
具体的には、測定装置として、濃厚系粒径アナライザー〔製品名:FPAR-1000AS、大塚電子(株)〕を用い、雰囲気温度25℃の条件下、散乱強度分布における累積50%の値(d50)を求めた。測定用サンプル液には、高圧分散処理により得られた乳化物を、水を用いて10倍希釈したものを使用した。
結果を表2~表5に示す。
2.PFAT5値
容器詰水中油型乳化組成物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製した。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置〔製品名:AccuSizer 780AS、日本インテグリス(株)〕に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出した。そして、下記の式(1)に基づき、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出した。なお、算出した値は、小数点以下3桁目を四捨五入した。
下記の式(1)では、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積が、評価用サンプル液中に含まれるトリグリセリドの体積と同程度であると仮定している。なお、評価用サンプル液中に含まれるトリグリセリドの体積(単位:mL)は、下記の式(2)に基づき、算出した。
算出したPFAT5値に基づき、下記の評価基準に従い、容器詰水中油型乳化組成物を評価した。PFAT5値及び評価結果を表2~表5に示す。
評価結果が「AA」又は「A」であれば、粗大粒子が少ない容器詰水中油型乳化組成物であると判断した。
容器詰水中油型乳化組成物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製した。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置〔製品名:AccuSizer 780AS、日本インテグリス(株)〕に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出した。そして、下記の式(1)に基づき、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出した。なお、算出した値は、小数点以下3桁目を四捨五入した。
下記の式(1)では、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積が、評価用サンプル液中に含まれるトリグリセリドの体積と同程度であると仮定している。なお、評価用サンプル液中に含まれるトリグリセリドの体積(単位:mL)は、下記の式(2)に基づき、算出した。
算出したPFAT5値に基づき、下記の評価基準に従い、容器詰水中油型乳化組成物を評価した。PFAT5値及び評価結果を表2~表5に示す。
評価結果が「AA」又は「A」であれば、粗大粒子が少ない容器詰水中油型乳化組成物であると判断した。
PFAT5値(単位:体積%) = [評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積(単位:mL)] ÷ [評価用サンプル液1mLに占めるトリグリセリドの体積(単位:mL)] × 100・・・(1)
評価用サンプル液1mLに占めるトリグリセリドの体積(単位:mL) = 容器詰水中油型乳化組成物中のトリグリセリドの含有量(単位:g) ÷ トリグリセリドの密度(単位:g/mL) ÷ 10(希釈倍率)・・・(2)
例えば、実施例1の場合、PFAT5値は、以下のようにして算出した。
なお、[評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積(単位:mL)]は、2.611×10-7mLであった。
評価用サンプル液1mLに占めるトリグリセリドの体積(単位:mL) = 容器詰水中油型乳化組成物中のトリグリセリドの含有量(単位:g) ÷ トリグリセリドの密度(単位:g/mL) ÷ 10(希釈倍率) = 0.1÷0.92÷10=1.087×10-2mL
PFAT5値(単位:体積%) = [評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積(単位:mL)] ÷ [評価用サンプル液1mLに占めるトリグリセリドの体積(単位:mL)] × 100 =2.611×10-7÷1.087×10-2×100≒0.002体積%
なお、[評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積(単位:mL)]は、2.611×10-7mLであった。
評価用サンプル液1mLに占めるトリグリセリドの体積(単位:mL) = 容器詰水中油型乳化組成物中のトリグリセリドの含有量(単位:g) ÷ トリグリセリドの密度(単位:g/mL) ÷ 10(希釈倍率) = 0.1÷0.92÷10=1.087×10-2mL
PFAT5値(単位:体積%) = [評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積(単位:mL)] ÷ [評価用サンプル液1mLに占めるトリグリセリドの体積(単位:mL)] × 100 =2.611×10-7÷1.087×10-2×100≒0.002体積%
-評価基準-
AA:PFAT5値が0.01体積%未満である。
A:PFAT5値が0.01体積%以上0.05体積%以下である。
B:PFAT5値が0.05体積%を超えて0.11体積%未満である。
C:PFAT5値が0.11体積%以上である。
AA:PFAT5値が0.01体積%未満である。
A:PFAT5値が0.01体積%以上0.05体積%以下である。
B:PFAT5値が0.05体積%を超えて0.11体積%未満である。
C:PFAT5値が0.11体積%以上である。
表2~表5中、水中油型乳化組成物の組成の欄に記載の「-」は、該当するものがないことを意味する。
表2~表5において、水中油型乳化組成物の組成の欄に記載の水の含有量には、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸に由来する水の量が含まれる。
表2~表5において、水中油型乳化組成物の組成の欄に記載の水の含有量には、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸に由来する水の量が含まれる。
表2~表5に示すように、実施例1~実施例34の容器詰水中油型乳化組成物は、比較例1~比較例13の容器詰水中油型乳化組成物と比較して、加熱処理後のPFAT5値が低かった。
以上の結果から、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物を、内部表面の水接触角が30°以上である容器に収容すると、加熱処理の際に生じ得る粗大粒子の生成が抑制されることが明らかとなった。
以上の結果から、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物を、内部表面の水接触角が30°以上である容器に収容すると、加熱処理の際に生じ得る粗大粒子の生成が抑制されることが明らかとなった。
[容器詰水中油型乳化組成物の作製]
<実施例35~実施例38及び比較例14>
表6の組成の欄に記載の各成分を、雰囲気温度20℃~25℃の環境下にて撹拌混合して、混合物を得た。得られた混合物に対し、ホモジナイザー〔製品名:ULTRA-TURRAX(登録商標)、IKA社〕を用いて、乳化処理を施し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物に対し、高圧ホモジナイザーを用いて、高圧乳化処理を施すことにより、乳化物を得た。高圧乳化処理の条件(即ち、圧力及び高圧乳化処理回数)は、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径が、表7に記載の値となるように設定した。詳細には、圧力については80MPa~100MPaの範囲内で、高圧乳化処理回数については5回~30回の範囲内で変化させることにより、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の粒子径を制御した。
次いで、得られた乳化物に、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸の少なくとも一方と、水と、を添加することにより、乳化物のpHを表7に記載の値となるように調整した。次いで、pH調整後の乳化物を、孔径0.8μmのフィルターを用いて濾過した。次いで、濾過後の乳化物2mLを、窒素雰囲気下、表6に記載の容器に収容した後、ゴム栓及びアルミシールを用いて、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製した。次いで、作製した容器詰乳化物に対し、オートクレーブ〔製品名:オートクレーブSP200、ヤマト科学(株)〕を用いて、121℃にて15分間の加熱処理を施すことにより、表6に示す組成を有する実施例35~実施例38及び比較例14の容器詰水中油型乳化組成物を得た。
<実施例35~実施例38及び比較例14>
表6の組成の欄に記載の各成分を、雰囲気温度20℃~25℃の環境下にて撹拌混合して、混合物を得た。得られた混合物に対し、ホモジナイザー〔製品名:ULTRA-TURRAX(登録商標)、IKA社〕を用いて、乳化処理を施し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物に対し、高圧ホモジナイザーを用いて、高圧乳化処理を施すことにより、乳化物を得た。高圧乳化処理の条件(即ち、圧力及び高圧乳化処理回数)は、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径が、表7に記載の値となるように設定した。詳細には、圧力については80MPa~100MPaの範囲内で、高圧乳化処理回数については5回~30回の範囲内で変化させることにより、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の粒子径を制御した。
次いで、得られた乳化物に、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸の少なくとも一方と、水と、を添加することにより、乳化物のpHを表7に記載の値となるように調整した。次いで、pH調整後の乳化物を、孔径0.8μmのフィルターを用いて濾過した。次いで、濾過後の乳化物2mLを、窒素雰囲気下、表6に記載の容器に収容した後、ゴム栓及びアルミシールを用いて、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製した。次いで、作製した容器詰乳化物に対し、オートクレーブ〔製品名:オートクレーブSP200、ヤマト科学(株)〕を用いて、121℃にて15分間の加熱処理を施すことにより、表6に示す組成を有する実施例35~実施例38及び比較例14の容器詰水中油型乳化組成物を得た。
[測定及び評価]
1.乳化粒子の平均粒子径
加熱処理される前の乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径(単位:nm)を、動的光散乱法により測定した。測定方法は、既述のとおりである。
結果を表7に示す。
1.乳化粒子の平均粒子径
加熱処理される前の乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径(単位:nm)を、動的光散乱法により測定した。測定方法は、既述のとおりである。
結果を表7に示す。
2.PFAT5値
(1)加熱処理前
濾過後の乳化物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製した。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置〔製品名:AccuSizer 780AS、日本インテグリス(株)〕に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出した。そして、既述の方法と同様にして、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出した。なお、算出した値は、小数点以下3桁目を四捨五入した。
結果を表7に示す。
(1)加熱処理前
濾過後の乳化物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製した。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置〔製品名:AccuSizer 780AS、日本インテグリス(株)〕に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出した。そして、既述の方法と同様にして、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出した。なお、算出した値は、小数点以下3桁目を四捨五入した。
結果を表7に示す。
(2)加熱処理後
容器詰水中油型乳化組成物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製した。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置〔製品名:AccuSizer 780AS、日本インテグリス(株)〕に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出した。そして、既述の方法と同様にして、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出した。なお、算出した値は、小数点以下3桁目を四捨五入した。
算出したPFAT5値に基づき、上記と同様の評価基準に従い、容器詰水中油型乳化組成物を評価した。PFAT5値及び評価結果を表7に示す。
評価結果が「AA」又は「A」であれば、粗大粒子が少ない容器詰水中油型乳化組成物であると判断した。
容器詰水中油型乳化組成物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製した。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置〔製品名:AccuSizer 780AS、日本インテグリス(株)〕に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出した。そして、既述の方法と同様にして、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出した。なお、算出した値は、小数点以下3桁目を四捨五入した。
算出したPFAT5値に基づき、上記と同様の評価基準に従い、容器詰水中油型乳化組成物を評価した。PFAT5値及び評価結果を表7に示す。
評価結果が「AA」又は「A」であれば、粗大粒子が少ない容器詰水中油型乳化組成物であると判断した。
(3)苛酷試験後
容器詰水中油型乳化組成物に対し、雰囲気温度60℃の環境下にて2週間保存する苛酷試験を行った。
得られた苛酷試験後の容器詰水中油型乳化組成物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製した。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置〔製品名:AccuSizer 780AS、日本インテグリス(株)〕に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出した。そして、既述の方法と同様にして、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出した。なお、算出した値は、小数点以下3桁目を四捨五入した。
算出したPFAT5値に基づき、上記と同様の評価基準に従い、容器詰水中油型乳化組成物を評価した。PFAT5値及び評価結果を表7に示す。
評価結果が「AA」又は「A」であれば、粗大粒子が少ない容器詰水中油型乳化組成物であると判断した。
容器詰水中油型乳化組成物に対し、雰囲気温度60℃の環境下にて2週間保存する苛酷試験を行った。
得られた苛酷試験後の容器詰水中油型乳化組成物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製した。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置〔製品名:AccuSizer 780AS、日本インテグリス(株)〕に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出した。そして、既述の方法と同様にして、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出した。なお、算出した値は、小数点以下3桁目を四捨五入した。
算出したPFAT5値に基づき、上記と同様の評価基準に従い、容器詰水中油型乳化組成物を評価した。PFAT5値及び評価結果を表7に示す。
評価結果が「AA」又は「A」であれば、粗大粒子が少ない容器詰水中油型乳化組成物であると判断した。
(4)加速試験後
容器詰水中油型乳化組成物に対し、雰囲気温度40℃の環境下にて1ヶ月間保存する加速試験を行った。
得られた加速試験後の容器詰水中油型乳化組成物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製した。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置〔製品名:AccuSizer 780AS、日本インテグリス(株)〕に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出した。そして、既述の方法と同様にして、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出した。なお、算出した値は、小数点以下3桁目を四捨五入した。
算出したPFAT5値に基づき、上記と同様の評価基準に従い、容器詰水中油型乳化組成物を評価した。PFAT5値及び評価結果を表7に示す。
評価結果が「AA」又は「A」であれば、粗大粒子が少ない容器詰水中油型乳化組成物であると判断した。
容器詰水中油型乳化組成物に対し、雰囲気温度40℃の環境下にて1ヶ月間保存する加速試験を行った。
得られた加速試験後の容器詰水中油型乳化組成物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製した。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置〔製品名:AccuSizer 780AS、日本インテグリス(株)〕に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出した。そして、既述の方法と同様にして、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出した。なお、算出した値は、小数点以下3桁目を四捨五入した。
算出したPFAT5値に基づき、上記と同様の評価基準に従い、容器詰水中油型乳化組成物を評価した。PFAT5値及び評価結果を表7に示す。
評価結果が「AA」又は「A」であれば、粗大粒子が少ない容器詰水中油型乳化組成物であると判断した。
表6において、水中油型乳化組成物の組成の欄に記載の水の含有量には、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸に由来する水の量が含まれる。
表7に示すように、実施例35~実施例38の容器詰水中油型乳化組成物は、比較例14の容器詰水中油型乳化組成物と比較して、加熱処理後のPFAT5値が低かった。
このような結果から、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物を、内部表面の水接触角が30°以上である容器に収容すると、加熱処理の際に生じ得る粗大粒子の生成が抑制されることが明らかとなった。
このような結果から、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物を、内部表面の水接触角が30°以上である容器に収容すると、加熱処理の際に生じ得る粗大粒子の生成が抑制されることが明らかとなった。
また、実施例35~実施例38の容器詰水中油型乳化組成物は、比較例14の容器詰水中油型乳化組成物と比較して、苛酷試験後のPFAT5値が低かった。さらに、実施例35~実施例38の容器詰水中油型乳化組成物は、加速試験後においても、粗大粒子が確認されないか、或いは、少なかった。
このような結果から、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物を、内部表面の水接触角が30°以上である容器に収容すると、保存中に生じる粗大粒子の生成が良好に抑制されることが明らかとなった。
このような結果から、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物を、内部表面の水接触角が30°以上である容器に収容すると、保存中に生じる粗大粒子の生成が良好に抑制されることが明らかとなった。
[接触角の測定]
容器D及び容器Eの各容器について、容器の内部表面の接触角を測定した。具体的には、以下のようにして測定した。
金属切断用鋏を用いて、容器を破壊し、容器の内底部の平坦領域を含む容器片を回収した。次に、雰囲気温度20℃~25℃の環境下、ジャスコインタナショナル(株)の接触角計(型名:FTA1000)を用いて、上記容器片の平坦領域に水を0.5μL滴下し、上記容器片の平坦領域に接触した水の接触角(即ち、水接触角)を測定した。結果を表8に示す。
容器D及び容器Eの各容器について、容器の内部表面の接触角を測定した。具体的には、以下のようにして測定した。
金属切断用鋏を用いて、容器を破壊し、容器の内底部の平坦領域を含む容器片を回収した。次に、雰囲気温度20℃~25℃の環境下、ジャスコインタナショナル(株)の接触角計(型名:FTA1000)を用いて、上記容器片の平坦領域に水を0.5μL滴下し、上記容器片の平坦領域に接触した水の接触角(即ち、水接触角)を測定した。結果を表8に示す。
[容器詰水中油型乳化組成物の作製]
<実施例39~実施例44>
表9の組成の欄に記載の各成分を、雰囲気温度25℃の環境下にて撹拌混合して、混合物を得た。得られた混合物に対し、ホモジナイザー〔製品名:ULTRA-TURRAX(登録商標)、IKA社〕を用いて、乳化処理を施し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物に対し、高圧ホモジナイザーを用いて、高圧乳化処理を施すことにより、乳化物を得た。高圧乳化処理の条件(即ち、圧力及び高圧乳化処理回数)は、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径が、表9に記載の値となるように設定した。詳細には、圧力については80MPa~100MPaの範囲内で、高圧乳化処理回数については5回~30回の範囲内で変化させることにより、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の粒子径を制御した。
次いで、得られた乳化物に、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸の少なくとも一方と、水と、を添加することにより、乳化物のpHを表9に記載の値となるように調整した。次いで、pH調整後の乳化物を、孔径0.8μmのフィルターを用いて濾過した。次いで、濾過後の乳化物4mLを、窒素雰囲気下、表9に記載の容器に収容した後、ゴム栓及びアルミシールを用いて、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製した。次いで、作製した容器詰乳化物に対し、オートクレーブ〔製品名:オートクレーブSP200、ヤマト科学(株)〕を用いて、121℃にて15分間の加熱処理を施すことにより、表9に示す組成を有する実施例39~実施例44の容器詰水中油型乳化組成物を得た。
<実施例39~実施例44>
表9の組成の欄に記載の各成分を、雰囲気温度25℃の環境下にて撹拌混合して、混合物を得た。得られた混合物に対し、ホモジナイザー〔製品名:ULTRA-TURRAX(登録商標)、IKA社〕を用いて、乳化処理を施し、粗乳化物を得た。得られた粗乳化物に対し、高圧ホモジナイザーを用いて、高圧乳化処理を施すことにより、乳化物を得た。高圧乳化処理の条件(即ち、圧力及び高圧乳化処理回数)は、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径が、表9に記載の値となるように設定した。詳細には、圧力については80MPa~100MPaの範囲内で、高圧乳化処理回数については5回~30回の範囲内で変化させることにより、得られる乳化物中に含まれる乳化粒子の粒子径を制御した。
次いで、得られた乳化物に、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸の少なくとも一方と、水と、を添加することにより、乳化物のpHを表9に記載の値となるように調整した。次いで、pH調整後の乳化物を、孔径0.8μmのフィルターを用いて濾過した。次いで、濾過後の乳化物4mLを、窒素雰囲気下、表9に記載の容器に収容した後、ゴム栓及びアルミシールを用いて、容器を密閉し、容器詰乳化物を作製した。次いで、作製した容器詰乳化物に対し、オートクレーブ〔製品名:オートクレーブSP200、ヤマト科学(株)〕を用いて、121℃にて15分間の加熱処理を施すことにより、表9に示す組成を有する実施例39~実施例44の容器詰水中油型乳化組成物を得た。
[測定及び評価]
1.乳化粒子の平均粒子径
加熱処理される前の乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径(単位:nm)を、動的光散乱法により測定した。測定方法は、既述のとおりである。
結果を表9に示す。
1.乳化粒子の平均粒子径
加熱処理される前の乳化物中に含まれる乳化粒子の平均粒子径(単位:nm)を、動的光散乱法により測定した。測定方法は、既述のとおりである。
結果を表9に示す。
2.PFAT5値
容器詰水中油型乳化組成物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製した。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置〔製品名:AccuSizer 780AS、日本インテグリス(株)〕に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出した。そして、既述の方法と同様にして、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出した。なお、算出した値は、小数点以下3桁目を四捨五入した。
算出したPFAT5値に基づき、上記と同様の評価基準に従い、容器詰水中油型乳化組成物を評価した。PFAT5値及び評価結果を表9に示す。
評価結果が「AA」又は「A」であれば、粗大粒子が少ない容器詰水中油型乳化組成物であると判断した。
容器詰水中油型乳化組成物を、水を用いて10倍希釈し、評価用サンプル液を調製した。調製した評価用サンプル液1mLを、個数カウント式粒度分布装置〔製品名:AccuSizer 780AS、日本インテグリス(株)〕に注入し、評価用サンプル液1mLに占める直径5μm以上50μm以下の粒子の総体積を、装置の機能により自動にて算出した。そして、既述の方法と同様にして、評価用サンプル液中に含まれる乳化粒子の合計体積に対する、評価用サンプル液中の直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合(即ち、PFAT5値)(単位:体積%)を算出した。なお、算出した値は、小数点以下3桁目を四捨五入した。
算出したPFAT5値に基づき、上記と同様の評価基準に従い、容器詰水中油型乳化組成物を評価した。PFAT5値及び評価結果を表9に示す。
評価結果が「AA」又は「A」であれば、粗大粒子が少ない容器詰水中油型乳化組成物であると判断した。
表9中、水中油型乳化組成物の組成の欄に記載の「-」は、該当するものがないことを意味する。
表9において、水中油型乳化組成物の組成の欄に記載の水の含有量には、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸に由来する水の量が含まれる。
表9において、水中油型乳化組成物の組成の欄に記載の水の含有量には、pH調整剤である水酸化ナトリウム溶液及び塩酸に由来する水の量が含まれる。
表9に示すように、実施例39~実施例44の容器詰水中油型乳化組成物は、既述の比較例1~比較例14の容器詰水中油型乳化組成物と比較して、加熱処理後のPFAT5値が低かった。
このような結果から、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物を、内部表面の水接触角が30°以上である容器に収容すると、加熱処理の際に生じ得る粗大粒子の生成が抑制されることが明らかとなった。
このような結果から、リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物を、内部表面の水接触角が30°以上である容器に収容すると、加熱処理の際に生じ得る粗大粒子の生成が抑制されることが明らかとなった。
2018年5月31日に出願された日本国特許出願2018-105306号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的に、かつ、個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的に、かつ、個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
Claims (11)
- リン脂質、トリグリセリド、及び水を含む水中油型乳化組成物と、
前記水中油型乳化組成物を収容する容器と、
を備え、
前記水中油型乳化組成物中に含まれる乳化粒子の合計体積に対して、直径5μm以上50μm以下の粒子の体積割合が0.05体積%以下であり、
前記容器の内部表面の水接触角が30°以上180°以下である、容器詰水中油型乳化組成物。 - 前記容器がガラス製容器である、請求項1に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
- 前記容器は、内部表面に、酸化ケイ素被膜又はシリコーン樹脂被膜から選ばれる被膜を有するか、或いは、ファイアブラスト処理面を有する、請求項1又は請求項2に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
- 前記容器は、内部表面にシリコーン樹脂被膜を有する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
- 前記水中油型乳化組成物が多価アルコールを含む、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
- 前記多価アルコールが濃グリセリンである、請求項5に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
- 前記水中油型乳化組成物が薬効成分を含む、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
- 前記薬効成分は、1-オクタノール/水分配係数の常用対数であるlogPが3以上の化合物である、請求項7に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
- 前記容器の内部表面の水接触角が50°以上110°以下である、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
- 前記トリグリセリドの含有量に対するリン脂質の含有量の割合が、質量基準で、0.03以上2.0以下である、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
- 注射用である、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の容器詰水中油型乳化組成物。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018-105306 | 2018-05-31 | ||
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PCT/JP2019/021780 WO2019230964A1 (ja) | 2018-05-31 | 2019-05-31 | 容器詰水中油型乳化組成物 |
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WO (1) | WO2019230964A1 (ja) |
Citations (4)
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WO2009011112A1 (ja) * | 2007-07-13 | 2009-01-22 | Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation | プロスタグランジンe1を含む安定な脂肪乳剤 |
JP2013006811A (ja) * | 2011-06-27 | 2013-01-10 | Fujifilm Corp | 容器詰製剤 |
-
2019
- 2019-05-31 WO PCT/JP2019/021780 patent/WO2019230964A1/ja active Application Filing
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