JPH08175555A - 高純度薬品容器用栓体および高純度薬品容器用栓体の製造方法 - Google Patents

高純度薬品容器用栓体および高純度薬品容器用栓体の製造方法

Info

Publication number
JPH08175555A
JPH08175555A JP6325343A JP32534394A JPH08175555A JP H08175555 A JPH08175555 A JP H08175555A JP 6325343 A JP6325343 A JP 6325343A JP 32534394 A JP32534394 A JP 32534394A JP H08175555 A JPH08175555 A JP H08175555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stopper
container
purity
tetrafluoroethylene
plug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6325343A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2909982B2 (ja
Inventor
Keiji Kawai
恵治 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AISERO KAGAKU KK
Aicello Chemical Co Ltd
Original Assignee
AISERO KAGAKU KK
Aicello Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AISERO KAGAKU KK, Aicello Chemical Co Ltd filed Critical AISERO KAGAKU KK
Priority to JP6325343A priority Critical patent/JP2909982B2/ja
Priority to KR1019950054683A priority patent/KR960020971A/ko
Publication of JPH08175555A publication Critical patent/JPH08175555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2909982B2 publication Critical patent/JP2909982B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61JCONTAINERS SPECIALLY ADAPTED FOR MEDICAL OR PHARMACEUTICAL PURPOSES; DEVICES OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR BRINGING PHARMACEUTICAL PRODUCTS INTO PARTICULAR PHYSICAL OR ADMINISTERING FORMS; DEVICES FOR ADMINISTERING FOOD OR MEDICINES ORALLY; BABY COMFORTERS; DEVICES FOR RECEIVING SPITTLE
    • A61J1/00Containers specially adapted for medical or pharmaceutical purposes
    • A61J1/14Details; Accessories therefor
    • A61J1/1412Containers with closing means, e.g. caps

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Closures For Containers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高純度薬品を高純度薬品用容器に貯蔵する
際、薬品への不純微粒子の浸出が少なく、薬品が汚染さ
れることがなく、共洗いなどの手間がかからない高純度
薬品容器用栓体およびその製造方法を提供する。 【構成】 高純度薬品容器用栓体1は、高純度薬品を貯
蔵する容器の栓体1において、少なくとも高純度薬品と
の接触部が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂
およびフッ素樹脂の中から選ばれる少なくとも一種類か
らなり、前記接触部におけるJIS B 9920の電
子顕微鏡法により測定される粒径1.0μm以上の表面
付着微粒子の濃度が500個/cm2以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度薬品類を貯蔵す
る容器の栓体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、溶剤等を貯蔵する容器としてガ
ラス容器やプラスチック製の容器が用いられている。
【0003】特に、半導体分野および医薬品分野では貯
蔵している高純度薬品類を高純度のまま保存、輸送でき
ることが要求される。高純度薬品類の例としては半導体
ウエハーのエッチングおよび洗浄に使用される薬品類、
例えばフッ化水素水、フッ化アンモニウム水、硫酸、塩
酸、硝酸、過酸化水素水、アンモニア水等、半導体プロ
セス用、液晶ディスプレイ用等に使用される高純度な溶
剤系レジストや希釈溶剤、例えばメチルアルコール、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチル
アルコール、エチレングリコール、アセトン、酢酸エチ
ル、乳酸エチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、エ
チレングリコールアセテート、メトキシプロピルアセテ
ート、ブチルセロソルブ等、および殺菌、消毒、製剤原
料等の医薬用に使用される高純度な溶剤、例えばメチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル等がある。
【0004】これらの薬品類を収容して輸送する場合、
振動等で容器壁から微粒子が浸出して薬品の純度を損な
う。このため半導体、液晶の品質や歩留りに著しい悪影
響を及ぼしたり、薬品の保存期間を短くするため容器の
材質や製造方法について多くの検討がなされてきた。
【0005】薬品の純度を損なうのは容器だけでなく、
栓体についても収容された薬品と接触するため同様であ
る。栓体には、例えば容器の口部内面に接するリブを有
する栓体1(図1参照)、中栓6を有する栓体2(図2
参照)、薬品と接する部分にパッキン8を有する栓体3
(図3参照)の比較的簡単な形状の栓体や、図4に示す
ように薬品排出部11を有する比較的複雑な形状の栓体
4がある。しかし、これらの栓体は薬品の漏れを防ぐ役
割が大きいことや、容器と比べて薬品と接触する面積が
小さいため、微粒子の薬品への浸出を最小限に抑えた栓
体は製造されていなかった。
【0006】薬品を容器に長期間収容している間に、容
器および栓体から内容物である薬品に不純微粒子が浸出
し、薬品を不純化する度合いを示す指数としてクリーン
度というものがある。クリーン度は、検査容器に栓体を
取り付け、その検査容器に一定期間超純水を貯蔵した
後、検査容器が貯蔵していた水1ml中に粒径0.2μ
m以上の微粒子がいくつ存在するかを算定して求める。
具体的には次式で定義される。
【0007】
【数1】
【0008】式(1)中、aは検査対象の容器の容量、b
は検査対象の容器からサンプリングした超純水の量であ
る。サンプリング水は次のようにして採取される。まず
初期クリーン度を測定するためのサンプリング水は、容
量amlの検査対象の容器に容積の半分、a/2(m
l)の超純水を入れ、15秒間振とうし、容器内に20
分間静置した後に採取される。また一週間後のクリーン
度を測定するためのサンプリング水は、初期クリーン度
測定後の容器に栓体を取り付け、倒立位で一週間放置
し、再び15秒間振とうし、振とうした容器内の水を2
0分間静置する。サンプリング水は20分間静置した後
に採取される。Cはサンプリング水全量中に含まれる粒
径0.2μm以上の微粒子をパーティクルカウンターで
数えた値である。その数値をもとに式(1)で初期および
一週間後のクリーン度を求める。クリーン度が500個
/ml未満であると、半導体、液晶の品質および歩留り
を向上することができ、医薬品を安定して貯蔵できる。
【0009】容器を高純度薬品用に使用する場合、クリ
ーン度の数値が低い容器でなければ使用することはでき
ない。従来のクリーンな容器は、クリーンな栓体がない
ために容器の再汚染が避けられなかった。そこで薬品メ
ーカーでは、薬品充填前に容器および栓体を同じ薬品で
共洗いなどを行っており、手間がかかり、薬品メーカー
にとって経済的負担となっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、高純度薬品を高純度薬品
用容器に貯蔵する際、薬品への不純微粒子の浸出が少な
く、薬品が汚染されることがなく、共洗いなどの手間が
かからない高純度薬品容器用栓体およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の高純度薬品容器用栓体1は、図1
に示すように、高純度薬品を貯蔵する容器の栓体1にお
いて、少なくとも高純度薬品との接触部が、ポリオレフ
ィン系樹脂、ポリエステル樹脂およびフッ素樹脂の中か
ら選ばれる少なくとも一種類からなり、前記接触部にお
けるJIS B9920の電子顕微鏡法により測定され
る粒径1.0μm以上の表面付着微粒子の濃度が500
個/cm2以下である。
【0012】前記の目的を達成するためになされた本発
明の高純度薬品容器用栓体1の製造方法は、高純度薬品
を貯蔵する容器の栓体1を製造する方法において、少な
くとも高純度薬品との接触部を、JIS B 9920
に基づいて測定される空気清浄度がクラス7以下のクリ
ーンルーム内で、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル
樹脂およびフッ素樹脂の中から選ばれる少なくとも一種
類を原料として、洗浄剤で清拭した金型および成型装置
を使用して成型する。
【0013】成型を射出成型で行う際、成型された栓体
1の金型からの離型性を良くするために離型剤を使用す
ることがある。金型をアルコール等の洗浄剤で清拭しな
いと、金型の表面に付着した離型剤は栓体1の表面に容
易に移行するため、栓体1を高純度薬品容器に使用した
ときに薬品を汚染してしまう。また空気中に浮遊する微
粒子が生産を続けるうちに金型および成型装置に蓄積さ
れて汚れていることがあるため、金型および成型装置を
アルコール等の洗浄剤で清拭しておかないと、蓄積され
た微粒子が成型された栓体1に付着してしまう。
【0014】前記の目的を達成するためになされた本発
明の高純度薬品容器用栓体1の製造方法は、高純度薬品
を貯蔵する容器の栓体1を製造する方法において、少な
くとも高純度薬品との接触部を、ポリオレフィン系樹
脂、ポリエステル樹脂およびフッ素樹脂の中から選ばれ
る少なくとも一種類を原料として成型した後、該接触部
を25℃における電気電導率50μs/cm以下および
比抵抗10MΩ・cm以上の純水で洗浄し、JIS B
9920に基づいて測定される空気清浄度がクラス6
以下のクリーンオーブン中で乾燥する。
【0015】前記接触部を純水で洗浄するには、超音波
方式や水中撹拌方式など市販の洗浄機を使用すれば良
く、純水で洗浄する前に炭化水素系溶剤や洗剤で予備洗
浄を行っても良い。
【0016】前記ポリオレフィン系樹脂はポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブチレンおよびこれらの共重
合体の中から選ばれる少なくとも一種類、前記ポリエス
テル樹脂はポリエチレンテレフタレートおよびポリブチ
レンテレフタレートの中から選ばれる少なくとも一種
類、前記フッ素樹脂は四フッ化エチレン、四フッ化エチ
レン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、四
フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ
化エチレン−エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレ
ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルおよび三
フッ化塩化エチレン−エチレン共重合体の中から選ばれ
る少なくとも一種類である。
【0017】これらの重合体は、ASTM(アメリカ材
料試験協会) D570に基づいて測定される吸水率が
2.0%以下である。吸水率が2.0%を越える重合体
を使用すると、高純度薬品容器に貯蔵される薬品が水分
を嫌うものであった場合、薬品に悪影響を与えてしま
う。また成型された高純度薬品容器用栓体1を洗浄した
後に乾燥する際、長時間を要し好ましくない。
【0018】貯蔵される薬品に対して外気体の侵入を防
ぐためのバリアー性や遮光性が必要な場合、高純度薬品
との接触部以外の部分はアルミニウムなどの金属材料や
ポリアミド、ポリビニルアルコールなどのプラスチック
材料から自由に選択して多層構造にしても良い。
【0019】
【作用】本発明の高純度薬品容器用栓体1(図1参照)
の製造方法では、JIS B9920に基づいて測定さ
れる空気清浄度がクラス7以下のクリーンルーム内で製
造する。この製造環境では、空気中に浮遊する微粒子が
非常に少ないので、製造された栓体1に不純微粒子が付
着することがほとんどない。
【0020】また本発明の高純度薬品容器用栓体1の製
造方法では、成型した栓体1の薬品との接触部を25℃
における電気電導率50μs/cm以下で、かつ比抵抗
10MΩ・cm以上の純水で洗浄する。この洗浄によ
り、栓体1に付着した微粒子のうち水に溶けるものは洗
い流され、水に溶けないものは栓体1から離脱する。そ
の後、栓体1はJIS B 9920に基づいて測定さ
れる空気清浄度がクラス6以下のクリーンオーブン中で
乾燥するため、栓体1に微粒子が付着するのが防がれ、
洗浄水中の微粒子が栓体1の表面に班点状に残るのが防
がれる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0022】実施例1 JIS B 9920に基づいてパーティクルカウンタ
ー(タイプ:82−3200(株式会社ダン科学製))
で測定した0.5μm以上の清浄度が2.8×105
/m3(クラス7)のクリーンルーム内の製造環境で、
密度が0.951g/cm3でメルトインデックスが
0.15g/10分のポリエチレンペレットを射出成型
機(スクリュー直径:36m/m、型締力:80ton
(日精樹脂工業株式会社製))を洗浄剤で清拭して使用
し、200℃に溶融して図1に示すリブを有する栓体1
を製造した。
【0023】この栓体1の表面付着微粒子の濃度を以下
のようにして測定した。
【0024】栓体1の高純度薬品との接触部の面積を求
めて有効接触面積(cm2)とし、この有効接触面積全
体を試料とする。有効接触面積全体を試料とできない場
合は、その一部分を再汚染のないように切り取って試料
とする。この試料について、JIS B 9920の微
粒子の濃度測定方法のうち、電子顕微鏡法により付着微
粒子を測定した。
【0025】まず試料に真空蒸着装置(タイプ:E10
2(日立株式会社製))を使用してプラチナを蒸着し
た。この試料を走査電子顕微鏡(タイプ:S−2250
N(日立株式会社製))の試料室に入れた。視野全体を
低倍率で微粒子の分布にむらがないことを確かめた後、
測定視野(120×80μm)のモニター画面および写
真より、粒径1.0μm以上の粒子数を測定した。
【0026】視野全体から測定視野100箇所以上を均
一に走査し、粒径1.0μm以上の粒子数を各々の測定
視野について求めて合計し、測定した全粒子数とした。
以上の測定結果から表面付着微粒子の濃度を次式(2)
によって算出した。その結果と、内容液との接触部の材
質、接触部の製造環境、および接触部の洗浄・乾燥の有
無を表1に示す。
【0027】
【数2】
【0028】次に栓体1のクリーン度を以下のようにし
て測定した。
【0029】まず栓体1を取り付けるクリーン容器を次
のように製造した。重量平均分子量が25万、密度が
0.956g/cm3、メルトインデックスが0.02
g/10分のポリエチレンペレット40重量部と、重量
平均分子量が15万、密度が0.956g/cm3、メ
ルトインデックスが0.17g/10分のポリエチレン
ペレット60重量部をドライブレンドした。この混合ペ
レットをスクリュー直径が50m/m、L/D=22
(D:スクリュー直径、L:スクリュー有効長)の押出
機の中で200℃に溶融し、筒状のパリソンに押出し
た。押出されたパリソンを金型で挟んで、ブローピンよ
り6Kg/cm2の圧縮空気を吹き込み、20℃に冷却
された金型で冷却し、容量1000ml、重量100g
の丸型のクリーン容器を製造した。
【0030】このクリーン容器に純水製造装置(商品
名:トレピュアLV−10T(東レ株式会社製))で製
造した超純水500mlを入れ、栓体1を取り付けて1
5秒間振とうし、20分間静置後、5ml採取し、その
中に浸出した0.2μm以上の微粒子の数をパーティク
ルカウンター(タイプ:KL−22(リオン株式会社
製))で測定した。
【0031】水中の微粒子数(個/ml)を式(1)と
同様の次に示す式(3)で計算し、初期クリーン度とし
た。その結果を表1に示す。
【0032】
【数3】
【0033】さらにこのクリーン容器を再び栓体1で密
閉し、常温、倒立位で一週間放置した。一週間経過した
水を再び15秒間振とうし、更に20分間静置した。こ
の20分間静置した水から5ml採取し上記と同様にし
て水中の微粒子数(個/ml)を計算し、一週間後のク
リーン度とした。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示したように、栓体1の表面付着微
粒子の数は312個/cm2と良好であり、初期クリー
ン度は50(個/ml)以下、一週間後のクリーン度は
200(個/ml)以下と極めてクリーンであった。
【0036】実施例2 実施例1と同様のクラス7のクリーンルーム内の製造環
境で、密度が0.920g/cm3でメルトインデック
スが7.0g/10分のポリエチレンペレットを射出成
型機(スクリュー直径:36m/m、型締力:80to
n(日精樹脂工業株式会社製))を洗浄剤で清拭して使
用し、180℃に溶融して図2に示す栓体2の中栓6を
製造した。またキャップ5は、密度が0.940g/c
3でメルトインデックスが3.5g/10分のポリエ
チレンペレットを前記射出成型機で製造した。
【0037】この栓体2の表面付着微粒子の濃度、初期
クリーン度、一週間後のクリーン度を実施例1と同様に
して測定した。それらの結果と、内容液との接触部の材
質、接触部の製造環境、および接触部の洗浄・乾燥の有
無を表1に示す。
【0038】表1に示したように、栓体2の表面付着微
粒子の数は312個/cm2と良好であり、初期クリー
ン度は50(個/ml)以下、一週間後のクリーン度は
300(個/ml)以下と極めてクリーンであった。
【0039】実施例3 JIS B 9920に基づいてパーティクルカウンタ
ー(タイプ:82−3200(株式会社ダン科学製))
で測定した0.5μm以上の清浄度が1.2×108
/m3(クラス8以上)の通常工場内の製造環境で、密
度が0.940g/cm3でメルトインデックスが3.
5g/10分のポリエチレンペレットを射出成型機(ス
クリュー直径:36m/m、型締力:80ton(日精
樹脂工業株式会社製))を使用し、180℃に溶融して
図3に示す栓体3のキャップ7を製造した。次にパッキ
ン8(タイプ:SSPP、表面材料:延伸ポリプロピレ
ンフィルム(ダイナガ株式会社製))をキャップ7に装
着した。
【0040】図5は、栓体3を洗浄するためのシャワー
装置である。栓体3を送るコンベア20の上下には上部
ノズル18および下部ノズル19が配置されており、ノ
ズル18・19はフィルタ17を介して超純水15を汲
み上げるポンプ16に接続されている。
【0041】パッキン8を有する栓体3を、純水製造装
置(商品名:トレピュアLV−10T(東レ株式会社
製))で製造した超純水15(電気電導率10μs/c
m、比抵抗18MΩ・cm(25℃))を使用して、前
記シャワー装置で30秒洗浄した。その後JIS B
9920に基づいて測定される空気清浄度がクラス6以
下のクリーンオーブン(タイプ:DE42(ヤマト科学
株式会社製))内で乾燥した。
【0042】この栓体3の表面付着微粒子の濃度、初期
クリーン度、一週間後のクリーン度を実施例1と同様に
して測定した。それらの結果と、内容液との接触部の材
質、接触部の製造環境、および接触部の洗浄・乾燥の有
無を表1に示す。
【0043】表1に示したように、栓体3の表面付着微
粒子の数は104個/cm2と良好であり、初期クリー
ン度は50(個/ml)以下、一週間後のクリーン度は
400(個/ml)以下と極めてクリーンであった。
【0044】実施例4 実施例3と同様のクラス8以上の通常工場内の製造環境
で、密度が0.940g/cm3でメルトインデックス
が3.5g/10分のポリエチレンペレットを射出成型
機(スクリュー直径:36m/m、型締力:80ton
(日精樹脂工業株式会社製))を使用し、180℃に溶
融して図4に示す栓体4の上部キャップ9、下部キャッ
プ10、および薬品排出部11を製造した。次に穴あき
パッキン12(タイプ:TSST、表面材料:四フッ化
エチレンフィルム(ダイナガ株式会社製))を使用し
て、上部キャップ9、下部キャップ10、および薬品排
出部11と共に組み立てて栓体4を得た。
【0045】得られた栓体4を、実施例3と同様に洗浄
・乾燥した。
【0046】この栓体4の表面付着微粒子の濃度、初期
クリーン度、一週間後のクリーン度を実施例1と同様に
して測定した。それらの結果と、内容液との接触部の材
質、接触部の製造環境、および接触部の洗浄・乾燥の有
無を表1に示す。
【0047】表1に示したように、栓体4の表面付着微
粒子の数は104個/cm2と良好であり、初期クリー
ン度は50(個/ml)以下、一週間後のクリーン度は
200(個/ml)以下と極めてクリーンであった。
【0048】比較例1 実施例3と同様のクラス8以上の通常工場内の製造環境
で、密度が0.951g/cm3でメルトインデックス
が0.15g/10分のポリエチレンペレットを射出成
型機(スクリュー直径:36m/m、型締力:80to
n(日精樹脂工業株式会社製))を使用し、200℃に
溶融して図1に示すリブを有する栓体1を製造した。
【0049】この栓体1の表面付着微粒子の濃度、初期
クリーン度、一週間後のクリーン度を実施例1と同様に
して測定した。それらの結果と、内容液との接触部の材
質、接触部の製造環境、および接触部の洗浄・乾燥の有
無を表1に示す。
【0050】表1に示したように、栓体1の表面付着微
粒子の数は3224個/cm2と不良であり、初期クリ
ーン度は612(個/ml)、一週間後のクリーン度は
983(個/ml)と栓体1から多量の微粒子が浸出し
ていた。
【0051】比較例2 実施例3と同様のクラス8以上の通常工場内の製造環境
で、密度が0.920g/cm3でメルトインデックス
が7.0g/10分のポリエチレンペレットを射出成型
機(スクリュー直径:36m/m、型締力:80ton
(日精樹脂工業株式会社製))を使用し、180℃に溶
融して図2に示す栓体2の中栓6を製造した。またキャ
ップ5は、密度が0.940g/cm3でメルトインデ
ックスが3.5g/10分のポリエチレンペレットを前
記射出成型機で製造した。
【0052】この栓体2の表面付着微粒子の濃度、初期
クリーン度、一週間後のクリーン度を実施例1と同様に
して測定した。それらの結果と、内容液との接触部の材
質、接触部の製造環境、および接触部の洗浄・乾燥の有
無を表1に示す。
【0053】表1に示したように、栓体2の表面付着微
粒子の数は2704個/cm2と不良であり、初期クリ
ーン度は862(個/ml)、一週間後のクリーン度は
1237(個/ml)と栓体2から多量の微粒子が浸出
していた。
【0054】比較例3 実施例3で使用したのと同じ栓体3(図3参照)を使用
して、洗浄・乾燥を行わずに、この栓体3の表面付着微
粒子の濃度、初期クリーン度、一週間後のクリーン度を
実施例1と同様にして測定した。それらの結果と、内容
液との接触部の材質、接触部の製造環境、および接触部
の洗浄・乾燥の有無を表1に示す。
【0055】表1に示したように、栓体3の表面付着微
粒子の数は1976個/cm2と不良であり、初期クリ
ーン度は481(個/ml)、一週間後のクリーン度は
1016(個/ml)と栓体3から多量の微粒子が浸出
していた。
【0056】比較例4 実施例4で使用したのと同じ栓体4(図4参照)を使用
して、洗浄・乾燥を行わずに、この栓体4の表面付着微
粒子の濃度、初期クリーン度、一週間後のクリーン度を
実施例1と同様にして測定した。それらの結果と、内容
液との接触部の材質、接触部の製造環境、および接触部
の洗浄・乾燥の有無を表1に示す。
【0057】表1に示したように、栓体4の表面付着微
粒子の数は3952個/cm2と不良であり、初期クリ
ーン度は2084(個/ml)、一週間後のクリーン度
は2615(個/ml)と栓体4から多量の微粒子が浸
出していた。
【0058】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明の方
法により製造された高純度薬品容器用栓体を使用する
と、高純度薬品を高純度薬品用容器に貯蔵する際、薬品
への不純微粒子の浸出が少なく、薬品が汚染されること
がなく、共洗いなどの手間がかからない。また高純度薬
品容器を製造した後にこの栓体を取り付けておけば、高
純度薬品容器は薬品が充填されるまでの間に、外部環境
からの二次汚染を防ぐことができ、高純度薬品容器の口
部を汚染することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する高純度薬品容器用栓体の実施
例を示す断面図である。
【図2】本発明を適用する高純度薬品容器用栓体の別の
実施例を示す断面図である。
【図3】本発明を適用する高純度薬品容器用栓体の別の
実施例を示す断面図である。
【図4】本発明を適用する高純度薬品容器用栓体の別の
実施例を示す断面図である。
【図5】本発明を適用する高純度薬品容器用栓体の製造
方法の実施例における栓体を洗浄する装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1・2・3・4は栓体、5・7はキャップ、6は中栓、
8・12はパッキン、9は上部キャップ、10は下部キ
ャップ、11は薬品排出部、15は超純水、16はポン
プ、17はフィルタ、18は上部ノズル、19は下部ノ
ズル、20はコンベアである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高純度薬品を貯蔵する容器の栓体におい
    て、少なくとも高純度薬品との接触部が、ポリオレフィ
    ン系樹脂、ポリエステル樹脂およびフッ素樹脂の中から
    選ばれる少なくとも一種類からなり、前記接触部におけ
    るJIS B9920の電子顕微鏡法により測定される
    粒径1.0μm以上の表面付着微粒子の濃度が500個
    /cm2以下であることを特徴とする高純度薬品容器用
    栓体。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂がポリエチレ
    ン、ポリプロピレン、ポリブチレンおよびこれらの共重
    合体の中から選ばれる少なくとも一種類、前記ポリエス
    テル樹脂がポリエチレンテレフタレートおよびポリブチ
    レンテレフタレートの中から選ばれる少なくとも一種
    類、前記フッ素樹脂が四フッ化エチレン、四フッ化エチ
    レン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、四
    フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ
    化エチレン−エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレ
    ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルおよび三
    フッ化塩化エチレン−エチレン共重合体の中から選ばれ
    る少なくとも一種類であることを特徴とする請求項1に
    記載の高純度薬品容器用栓体。
  3. 【請求項3】 高純度薬品を貯蔵する容器の栓体を製造
    する方法において、少なくとも高純度薬品との接触部
    を、JIS B 9920に基づいて測定される空気清
    浄度がクラス7以下のクリーンルーム内で、ポリオレフ
    ィン系樹脂、ポリエステル樹脂およびフッ素樹脂の中か
    ら選ばれる少なくとも一種類を原料として、洗浄剤で清
    拭した金型および成型装置を使用して成型することを特
    徴とする高純度薬品容器用栓体の製造方法。
  4. 【請求項4】 高純度薬品を貯蔵する容器の栓体を製造
    する方法において、少なくとも高純度薬品との接触部
    を、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂およびフ
    ッ素樹脂の中から選ばれる少なくとも一種類を原料とし
    て成型した後、該接触部を25℃における電気電導率5
    0μs/cm以下および比抵抗10MΩ・cm以上の純
    水で洗浄し、JIS B 9920に基づいて測定され
    る空気清浄度がクラス6以下のクリーンオーブン中で乾
    燥することを特徴とする高純度薬品容器用栓体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記ポリオレフィン系樹脂がポリエチレ
    ン、ポリプロピレン、ポリブチレンおよびこれらの共重
    合体の中から選ばれる少なくとも一種類、前記ポリエス
    テル樹脂がポリエチレンテレフタレートおよびポリブチ
    レンテレフタレートの中から選ばれる少なくとも一種
    類、前記フッ素樹脂が四フッ化エチレン、四フッ化エチ
    レン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、四
    フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ
    化エチレン−エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレ
    ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルおよび三
    フッ化塩化エチレン−エチレン共重合体の中から選ばれ
    る少なくとも一種類であることを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載の高純度薬品容器用栓体の製造方法。
JP6325343A 1994-12-27 1994-12-27 高純度薬品容器用栓体の製造方法 Expired - Lifetime JP2909982B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6325343A JP2909982B2 (ja) 1994-12-27 1994-12-27 高純度薬品容器用栓体の製造方法
KR1019950054683A KR960020971A (ko) 1994-12-27 1995-12-22 고순도 약품용기용 마개 및 고순도 약품용기용 마개의 제조방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6325343A JP2909982B2 (ja) 1994-12-27 1994-12-27 高純度薬品容器用栓体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08175555A true JPH08175555A (ja) 1996-07-09
JP2909982B2 JP2909982B2 (ja) 1999-06-23

Family

ID=18175756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6325343A Expired - Lifetime JP2909982B2 (ja) 1994-12-27 1994-12-27 高純度薬品容器用栓体の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2909982B2 (ja)
KR (1) KR960020971A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010001915A1 (ja) 2008-07-01 2010-01-07 住友化学株式会社 感光性組成物が充填された容器を包装するための包装体

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100391972B1 (ko) * 2000-08-10 2003-07-22 주식회사 코오롱 폴리에스테르계 밀폐용기

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59200649A (ja) * 1983-04-26 1984-11-14 ダイキン工業株式会社 医薬品用ゴム栓
JPS649644U (ja) * 1988-03-18 1989-01-19
JPH02105856U (ja) * 1989-02-08 1990-08-22
JPH02305841A (ja) * 1989-05-18 1990-12-19 Terumo Corp ガスバリヤー性材料及びそれを用いた収容体並びにその製造方法
JPH04267744A (ja) * 1991-02-18 1992-09-24 Sanretsukusu Kogyo Kk フッ素樹脂ライニング薬品容器とその製造方法
JPH04115154U (ja) * 1991-03-26 1992-10-12 セントラル硝子株式会社 含フツ素有機酸の貯蔵用容器
JPH05304068A (ja) * 1992-04-27 1993-11-16 Shin Etsu Chem Co Ltd 防塵収納ケース

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59200649A (ja) * 1983-04-26 1984-11-14 ダイキン工業株式会社 医薬品用ゴム栓
JPS649644U (ja) * 1988-03-18 1989-01-19
JPH02105856U (ja) * 1989-02-08 1990-08-22
JPH02305841A (ja) * 1989-05-18 1990-12-19 Terumo Corp ガスバリヤー性材料及びそれを用いた収容体並びにその製造方法
JPH04267744A (ja) * 1991-02-18 1992-09-24 Sanretsukusu Kogyo Kk フッ素樹脂ライニング薬品容器とその製造方法
JPH04115154U (ja) * 1991-03-26 1992-10-12 セントラル硝子株式会社 含フツ素有機酸の貯蔵用容器
JPH05304068A (ja) * 1992-04-27 1993-11-16 Shin Etsu Chem Co Ltd 防塵収納ケース

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010001915A1 (ja) 2008-07-01 2010-01-07 住友化学株式会社 感光性組成物が充填された容器を包装するための包装体

Also Published As

Publication number Publication date
KR960020971A (ko) 1996-07-18
JP2909982B2 (ja) 1999-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3929000B2 (ja) 高純度薬品液用容器
US20050103802A1 (en) Blown bottle with intrinsic liner
US10265922B2 (en) Fluoropolymer molded article
JP2001507294A (ja) 液体試料を採取、保管及び輸送するための装置、及び同装置を製造し使用するための方法
JP7348483B2 (ja) 成形品の製造方法および成形品
JPH08175555A (ja) 高純度薬品容器用栓体および高純度薬品容器用栓体の製造方法
JP3176540B2 (ja) 高純度樹脂組成物およびその樹脂組成物の成形品
JP2787914B2 (ja) 半導体ウェーハの保管方法及び保管容器
JPH085140B2 (ja) フッ素樹脂製品の処理方法
TW202206509A (zh) 樹脂丸粒及其模製產品
JP6546143B2 (ja) 射出成形品を製造する方法
KR20230051686A (ko) 튜브의 제조 방법, 압출 성형기, 압출 성형용 금형, 권취 장치 및 튜브
CN113166455B (zh) 氟树脂成型品的制造方法和制造系统
JP2021143091A5 (ja)
JP2002036237A (ja) 再生フッ素樹脂の製造方法及びフッ素樹脂再生品
JP5025041B2 (ja) ガス溶解または脱気制電性膜モジュール
JP4917811B2 (ja) 積み重ね可能なプラスチック容器
WO2022244527A1 (ja) 容器及び容器組立体
WO2000022361A1 (en) Apparatus and method for drying objects with fluids
JPH05177693A (ja) クリーン容器およびその成形方法
SU1622230A1 (ru) Кассета дл межоперационного хранени пластинчатых изделий
JP2000126703A (ja) 水系洗浄方法
JPH0859863A (ja) 合成樹脂製収納ケースの洗浄方法
JPH092477A (ja) 高純度過酸化水素水搬送用容器
JPH10250709A (ja) 容器の成形および充填統合設備

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100409

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100409

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120409

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150409

Year of fee payment: 16

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term