JPH08174845A - 液流路形成用樹脂材料、これを用いた液体噴射記録ヘッド、及びその製造方法 - Google Patents

液流路形成用樹脂材料、これを用いた液体噴射記録ヘッド、及びその製造方法

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JPH08174845A
JPH08174845A JP32300994A JP32300994A JPH08174845A JP H08174845 A JPH08174845 A JP H08174845A JP 32300994 A JP32300994 A JP 32300994A JP 32300994 A JP32300994 A JP 32300994A JP H08174845 A JPH08174845 A JP H08174845A
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Shoji Shiba
昭二 芝
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板と液流路形成用樹脂材料との間の接着強
度を高めた液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供する。 【構成】 300〜500nmの光の透過率が50%以
上の第一の基板11に液流路のパターンをフォトリソグ
ラフ技術で形成し、次いで液流路のパタン上に樹脂材料
層15を積層後、第二の基板13を重ね、光、熱で樹脂
材料層15を硬化させた後、液流路のパタンを溶解除去
して吐出口17を形成する記録ヘッドの製造方法におい
て、前記樹脂材料層15に、光硬化性エポキシ化合物及
び熱硬化性シリコーン化合物を含有する樹脂材料を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
式に用いる記録液小滴を発生するための液体噴射記録ヘ
ッドの液流路形成用樹脂材料、これを用いた記録ヘッ
ド、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式(液体噴射記録
方式)に用いられる液体噴射記録ヘッドは、一般に微細
な記録液吐出口(オリフィス)、液流路および液流路の
一部に設けられる液体吐出エネルギー発生部を備えてい
る。従来、このような液体噴射記録ヘッドを作成する方
法としては、例えば特開昭61−154947、特開昭
62−253457に記載の次のような工程が知られて
いる(図1参照)。
【0003】まず、第一の基板1上に感光性樹脂層2を
形成し(図1 (a))、これをマスク3を介して露光
(図1 (b)))後、現像処理を施して感光性樹脂層2
をパターニングし、被処理基板上に液流路となる型材4
を形成する(図1 (c))。次に、パターニングされた
型材上に活性エネルギー線硬化型あるいは熱硬化型の液
流路形成用材料5を被覆し(図1 (d))、その上にイ
ンク供給用の貫通口(不図示)を有する第二の基板6を
設置した後(図1 (e))、活性エネルギー線照射、あ
るいは加熱により上記活性エネルギー線硬化型あるいは
熱硬化型の液流路形成用材料5を硬化させる(図1
(f))。さらに、上記パターニングされた型材を、含
ハロゲン炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アル
コール等の有機溶剤あるいは水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリ水溶液を用いて溶解除去し、液流
路7を形成する(図1(g))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】該方法において液体噴
射記録ヘッドを製造する場合、液流路形成用材料と吐出
エネルギー発生部を有する基板との接着面積は、吐出口
の高密度化が進むにつれて小さくなる。このため、高密
度記録を達成するために吐出口間隔を狭く配置した液体
噴射記録ヘッドにおいては、液流路形成用の樹脂材料と
基板との接着力が不足し、両者の間の線膨張率の差、あ
るいは樹脂材料の硬化収縮により発生する応力が吐出口
間の隔壁に集中することにより樹脂材料が基板から剥離
するという問題がある。また、樹脂材料のインクに対す
る耐性が十分でない場合には、印字中に液流路を形成す
る樹脂材料が基板から剥離し印字が不鮮明となるという
問題がある。
【0005】そこで本発明の目的は、このような問題を
解決する液流路形成材料およびこれを用いた液体噴射記
録ヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、次に示す
手段により達成することができる。即ち、本発明は、第
一の基板と、300〜500nmの波長の光の透過率が
50%以上である第二の基板を用い、(1)第一の基板
に液体吐出エネルギー発生部を形成し、(2)液体吐出
エネルギー発生部を有する第一の基板上の液流路形成部
位上に溶解除去可能な型材をフォトリソグラフィーによ
り形成し、(3)型材を形成した第一の基板上に光硬化
成分および熱硬化成分を含有する樹脂材料とインク供給
用貫通口を有する第二の基板とを順次積層した構造体を
形成し、(4)300〜500nmの波長の光の透過率
が50%以上の第2の基板側から構造体に光照射を行っ
た後熱処理を施すことにより光硬化成分と熱硬化成分を
含有する樹脂材料を硬化させ、(5)硬化した樹脂材料
で覆われた該型材を溶解除去する、ことにより液流路お
よび液室を形成することを特徴とする液体噴射記録ヘッ
ドの製造方法において、光および熱硬化成分を含有する
樹脂材料が、光硬化可能なエポキシ化合物および熱硬化
可能なシリコーン化合物を含有して成ることを特徴とす
る液体噴射記録ヘッドの製造方法であり、熱硬化成分が
下記一般式(1)または一般式(2)で示されるシリコ
ーン化合物であること
【0007】
【化2】 (ただし、R1 〜R4 は炭素数1〜4のアルキル基、炭
素数2〜6のアルケニル基、フェニル基、置換芳香族基
を示し、互いに同一でも異なっていても良い。R 5 〜R
10は水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基を
示し、互いに同一でも異なっていても良い。また、nは
1〜100000の整数を示す。)を含む。
【0008】また本発明は上記の方法により製造した液
体噴射記録ヘッドで、液体吐出エネルギー発生部が、熱
エネルギーを発生する電気熱変換体であること、記録媒
体の記録領域の全幅にわたって吐出口が複数設けられて
いるフルラインタイプのものであること、多色用の吐出
口が一体成形されたものであることを含む。
【0009】また本発明は、光硬化性エポキシ化合物4
0〜95重量部と、熱硬化性シリコーン化合物5〜60
重量部と、光開始剤0.1〜10重量部と、シランカッ
プリング剤0〜20重量部とから成る液流路形成用樹脂
材料である。
【0010】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0011】図2乃至図8は、本発明における液体噴射
記録ヘッドの各製造工程例を模式的に示したものであ
り、本発明にかかる液体噴射記録ヘッドの構成の一例が
示されている。なお、本例では2つの吐出口を有する液
体噴射記録ヘッドが示されているが、2以上の吐出口を
有する高密度液体噴射記録ヘッドあるいは1つの吐出口
を有する液体噴射記録ヘッドの場合においても同様であ
る。
【0012】本発明においては、第一の基板として例え
ば、ガラス、セラミックス、プラスチック、金属等から
なる基板が用いられる。図2の(A)は、第一の基板1
1上の液流路形成部位に液流路となる型材12を形成し
た例の平面図である。このような基板11は、液流路お
よび液室構成材料の一部として機能し、また、後述の光
硬化成分及び熱硬化成分を含有する樹脂材料層15形成
時の支持体として機能させるものである。この場合、基
板の形状、材質等特に限定されることなく使用すること
ができる。また、図2 (B)に第二の基板13の例を示
す。本例では第二の基板13は、インク供給用の貫通口
14を有したものとして構成されている。なお、これら
の基板11,13のうち少なくとも第二の基板は300
〜500nmの波長の光の透過率が50%以上、好まし
くは70〜100%のものである。
【0013】図3〜図8はそれぞれの製造工程で形成さ
れるヘッドの中間製品の断面図を示すもので、各図中
(a)は図2のA−A′線に沿った、(b)はB−B′
線に沿った切断面に対応している。
【0014】上記の第一の基板11上には、電気熱変換
体あるいは圧電素子等の液体吐出エネルギー発生素子が
液流路の個数配置される(不図示)。このような液体吐
出エネルギー発生素子によってインク小滴を吐出させる
ための吐出エネルギーがインクに与えられ、記録が行わ
れる。上記液体吐出エネルギー発生素子として電気熱変
換体が用いられる時には、この素子が近傍のインクを加
熱することにより吐出エネルギーを発生する。また、上
記液体吐出エネルギー発生素子として圧電素子が用いら
れる時は、この素子の機械的振動によって吐出エネルギ
ーが発生される。
【0015】なお、これらの素子には、これらの素子を
作動させるための制御信号入力用電極が接続されている
(不図示)。また、一般にこれら吐出エネルギー発生素
子の耐用性の向上等を目的として、保護層等の各種の機
能層が設けられるが、本発明においてもこのような機能
層を設けることは差し支えない。
【0016】先ず、上記液体吐出エネルギー発生素子を
含む第一の基板11上の液流路形成部位に、フォトリソ
グラフィー工程により液流路となる型材を形成する(図
3)。
【0017】液流路となる型材としては、後処理により
溶解除去可能なポジ型フォトレジストを用いることが好
ましく、これにはナフトキノン系ポジ型フォトレジス
ト、化学増幅型のポジ型フォトレジスト、主鎖分解型の
ポジ型フォトレジスト等のいずれかのタイプでも用いる
ことができる。また、液流路の形状は所望のものとする
ことが可能であり、型材の形状も該液流路形状に応じた
ものとすることができる。さらに、本例では、2つの吐
出エネルギー発生素子に対応して設けられる2つの吐出
口のそれぞれからインク小滴を吐出させることが可能な
ように、液流路は2つに分散され、液室は該流路のそれ
ぞれにインクを供給し得るようにこれらと連通したもの
とされている。
【0018】次いで、上記型材が形成された第一の基板
11上に光硬化成分および熱硬化成分を含有する液流路
形成用樹脂材料を被覆して樹脂材料層15を形成後(図
4)、第二の基板13を設置して構造体30を形成す
る。次いで、マスク16を介してパターン露光を行う
(図6)。露光は300〜500nmの波長の光の透過
率が50%以上の第二の基板の側から行なうものであ
る。照射する光は少なくとも300〜500nmの波長
範囲のいずれかを含むもので、必ずしも全波長範囲を含
む必要はない。
【0019】その後、樹脂材料層15の未硬化部分を溶
解除去した後(図7)、熱処理を施し樹脂材料層15を
硬化させ、次いで型材12を溶解除去することにより液
流路17およびこれに連結する液室18が形成される
(図8)。
【0020】このようにして形成された液室は、インク
供給口14を介してインクタンク(不図示)へ接続され
る。また、ここで用いられる光硬化成分と熱硬化成分を
含有する樹脂材料としては、光照射および熱処理により
硬化可能であり、上記型材を被覆し得るものであれば使
用することができるが、該材料は液流路および液室を形
成して液体噴射記録ヘッドとしての構成材料となるもの
であるので、基板との密着性、機械的強度、インクに対
する耐蝕性の面で優れたものを選択することが好まし
い。これらの特性を満足し得る材料としては、光硬化性
エポキシ化合物と熱硬化性シリコーン化合物を含有して
成る樹脂材料組成物が挙げられる。
【0021】光硬化性エポキシ化合物としては、ビスフ
ェノールA型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、フェノ
ールノボラックあるいはクレゾールノボラックのエポキ
シ変成物、脂環式エポキシ等を用いることができる。
【0022】光開始剤としては、エポキシ基を開環重合
させ得るカチオン系の光開始剤を用いることが好まし
く、その具体例としては
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
さらに、これらを単独もしくは混合して、あるいは他の
光増感剤と併用して用いることが可能である。また、密
着性を向上させる目的でシランカップリング剤を適宜添
加して用いても良い。
【0026】熱硬化性シリコーン化合物としては、下記
一般式(1)または(2)で示されるポリシロキサンま
たはポリシルセスキオキサンが好ましい。
【0027】
【化6】 (ただし、R1 〜R4 は炭素数1〜4のアルキル基、炭
素数2〜6のアルケニル基、フェニル基、置換芳香族基
を示し、互いに同一でも異なっていても良い。R 5 〜R
10は水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基を
示し、互いに同一でも異なっていても良い。また、nは
1〜100000の整数を示す。)
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 液体吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換体を形
成したシリコン基板上にポジ型フォトレジストAZ−4
903(ヘキスト社製)を膜厚30μmとなるようスピ
ンコートし、オーブン中90℃で40分間のプリベーク
を行ってレジスト層を形成した。次に、液流路パターン
のマスクを介してパターン露光した後、現像およびリン
ス処理を行って50μmピッチの液流路のレジストパタ
ーンによる型材を形成した。次いで、この型材上に80
0mJ/cm2 の露光量で全面露光を行い、0.1mm
Hgの真空条件下で30分間の脱気処理を行った後型材
上に エピコート−828(油化シェルエポキシ製) 60重量部 末端水酸基ジメチルシロキサン 33重量部 (Mw=500,Mw/Mn=1.2) 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 5重量部 ジフェニル1−4−チオフェノキシフェニルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート 2重量部 から成る光硬化成分および熱硬化成分を含有する樹脂材
料を被覆し、インク供給口となる貫通口を有する705
9ガラス製の第二の基板を設置して構造体を形成し、イ
ンク供給口と液室形成部分を遮光するマスクを介して
8.5J/cm2 の露光量で露光を行って樹脂材料を仮
硬化させた。光源には超高圧水銀ランプを用いた。この
光源は、波長270nm〜460nmの光を照射するも
のである。また、7059ガラス製の第二の基板は、3
00nm以上の波長の光に対する透過率は95%以上の
ものである。
【0029】次いで被処理基板をトリクロロエタン中に
浸漬して未硬化の樹脂材料を除去した後、200℃で2
時間の熱処理を行い本硬化させた。その後3.0wt%
の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、レジスト材料か
らなる型材を溶解除去した。
【0030】このようにして作成された液流路は精度が
非常に高く信頼性の高いものであった。さらに、このよ
うにして作成された液体噴射記録ヘッドを用いて連続印
字試験を行ったところ、1000時間経過後も安定な印
字が可能であった。 実施例2 液体吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換体を形
成したシリコン基板上にポジ型フォトレジストPMER
−P−AR900(東京応化製)を膜厚30μmとなる
ようにスピンコートし、オーブン中90℃で40分間の
プリベークを行ってレジスト層を形成した。次に、液流
路パターンのマスクを介してパターン露光した後、現像
およびリンス処理を行って40μmピッチの液流路のレ
ジストパターンからなる型材を形成した。次いで、この
型材に1.25J/cm2 の露光量で全面露光を行い、
0.1mmHgの真空条件下30分間の脱気処理を行っ
た後、型材上に エピコート−834 (油化シェルエポキシ製) 63重量部 末端水酸基ジフェニルシロキサン 30重量部 (Mw=700,Mw/Mn=1.1) 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 5重量部 ジフェニル1−4−チオフェノキシフェニルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート 2重量部 から成る光硬化成分および熱硬化成分を含有する樹脂材
料を被覆し、インク供給口となる貫通口を有する705
9ガラス製の第二の基板を設置し、実施例1と同様にて
微細液流路を有するインクジェットヘッドを作成した。
【0031】このようにして作成された液流路は精度が
非常に高く信頼性の高いものが得られた。さらに、この
ようにして作成された液体噴射記録ヘッドを用いて連続
印字試験を行ったところ、1000時間経過後も安定な
印字が可能であった。 実施例3 液体吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換体を形
成したシリコン基板上にポジ型フォトレジストPL−2
68(ヘキスト社製)を膜厚30μmとなるようスピン
コートし、オーブン中90℃で40分間のプリベークを
行ってレジスト層を形成した。次に、液流路パターンの
マスクを介してパターン露光した後、現像およびリンス
処理を行って50μmピッチの液流路のレジストパター
ンを形成した。次に、レジストパターン上に エピコート−154(油化シェルエポキシ製) 70重量部 末端水酸基ポリメチルシルセスキオキサン 23重量部 (Mw=1200,Mw/Mn=1.4) 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 5重量部 ジフェニル1−4−チオフェノキシフェニルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート 2重量部 から成る光硬化成分および熱硬化成分を含有する樹脂材
料を被覆し、インク供給口となる貫通口を有する705
9ガラス製の第二の基板を設置し、実施例1と同様にて
微細液流路を有するインクジェットヘッドを作成した。
【0032】このようにして作成された液流路は精度が
非常に高く信頼性の高いものが得られた。さらに、この
ようにして作成された液体噴射記録ヘッドを用いて連続
印字試験を行ったところ、1000時間経過後も安定な
印字が可能であった。 比較例1 液体吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換体を形
成したシリコン基板上にポジ型フォトレジストAZ−4
903(ヘキスト社製)を膜厚30μmとなるようスピ
ンコートし、オーブン中90℃で40分間のプリベーク
を行ってレジスト層を形成した。次に、液流路パターン
のマスクを介してパターン露光した後、現像およびリン
ス処理を行って50μmピッチの液流路のレジストパタ
ーンからなる型材を形成した。次いで、この型材上に実
施例1で用いたランプを用いて800mJ/cm2 の露
光量で全面露光を行い、0.1mmHgの真空条件下で
30分間の脱気処理を行った後、型材上に エピコート−828(油化シェルエポキシ製) 93重量部 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 5重量部 ジフェニル1−4−チオフェノキシフェニルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモネート 2重量部 から成る光硬化型樹脂材料を被覆し、インク供給口とな
る貫通口を有する7059ガラス製の第二の基板を設置
した。インク供給口と液室形成部分を遮光するマスクを
介して実施例1と同様にして8.5J/cm2 の露光量
で露光を行って光硬化型材料を硬化させた。次いで被処
理基板をトリクロロエタン中に浸漬して未硬化の光硬化
型材料を除去した後、3.0wt%の水酸化ナトリウム
水溶液中に浸漬し、型材を溶解除去した。
【0033】このようにして作成された液体噴射記録ヘ
ッドを用いて連続印字試験を行ったところ、30時間経
過後に印字のヨレが発生した。この印字ヘッドをフェイ
ス面から観察したところ、一部に樹脂材料のシリコン基
板からの剥離が観察された。
【0034】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。
【0035】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0036】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0037】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。
【0038】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0039】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0040】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0041】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モード
を行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0042】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個を組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0043】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。
【0044】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0045】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報
処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けら
れるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さら
には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採る
ものであっても良い。
【0046】
【発明の効果】本発明による液体噴射記録ヘッドの製造
方法を採用することにより、樹脂材料と基板との接着が
確実になり信頼性の高い微細液流路を有する液体噴射記
録ヘッドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(g)はそれぞれ従来の液体噴射記録
ヘッドの製造工程を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例に用いる(A)は第1の基
板、(B)は第2の基板を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施例の第1工程を示す(a)は図
2のA−A′線に相当する部分の断面図、(b)は図2
のB−B′線に相当する部分の断面図である。
【図4】本発明の一実施例の第2工程を示す(a)は図
2のA−A′線に相当する部分の断面図、(b)は図2
のB−B′線に相当する部分の断面図である。
【図5】本発明の一実施例の第3工程を示す(a)は図
2のA−A′線に相当する部分の断面図、(b)は図2
のB−B′線に相当する部分の断面図である。
【図6】本発明の一実施例の第4工程を示す(a)は図
2のA−A′線に相当する部分の断面図、(b)は図2
のB−B′線に相当する部分の断面図である。
【図7】本発明の一実施例の第5工程を示す(a)は図
2のA−A′線に相当する部分の断面図、(b)は図2
のB−B′線に相当する部分の断面図である。
【図8】本発明の一実施例の第6工程を示す(a)は図
2のA−A′線に相当する部分の断面図、(b)は図2
のB−B′線に相当する部分の断面図である。
【符号の説明】
1 第一の基板 2 ポジ型フォトレジスト 3 マスク 4 レジストパターン 5 液流路形成用材料 6 第二の基板 7 液流路 11 第一の基板 12 型材 13 第二の基板 14 インク供給口 15 光硬化成分および熱硬化成分を含有して成る樹
脂材料層 16 マスク 17 液流路 18 液室 30 構造体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板と、300〜500nmの波
    長の光の透過率が50%以上である第2の基板を用い、
    (1)第一の基板に液体吐出エネルギー発生部を形成
    し、(2)液体吐出エネルギー発生部を有する第一の基
    板上の液流路形成部位上に溶解除去可能な型材をフォト
    リソグラフィーにより形成し、(3)型材を形成した第
    一の基板上に光硬化成分および熱硬化成分を含有する樹
    脂材料とインク供給用貫通口を有する第二の基板とを順
    次積層した構造体を形成し、(4)300〜500nm
    の波長の光の透過率が50%以上の第2の基板側から構
    造体に光照射を行った後熱処理を施すことにより光硬化
    成分と熱硬化成分を含有する樹脂材料を硬化させ、
    (5)硬化した樹脂材料で覆われた該型材を溶解除去す
    る、ことにより液流路および液室を形成することを特徴
    とする液体噴射記録ヘッドの製造方法において、光およ
    び熱硬化成分を含有する樹脂材料が、光硬化可能なエポ
    キシ化合物および熱硬化可能なシリコーン化合物を含有
    して成ることを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 熱硬化成分が下記一般式(1)または一
    般式(2)で示されるシリコーン化合物である請求項1
    に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。 【化1】 (ただし、R1 〜R4 は炭素数1〜4のアルキル基、炭
    素数2〜6のアルケニル基、フェニル基、置換芳香族基
    を示し、互いに同一でも異なっていても良い。R 5 〜R
    10は水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基を
    示し、互いに同一でも異なっていても良い。また、nは
    1〜100000の整数を示す。)
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法により製造した液
    体噴射記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 液体吐出エネルギー発生部が、熱エネル
    ギーを発生する電気熱変換体である請求項3に記載の液
    体噴射記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
    出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
    る請求項3に記載の液体噴射記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 多色用の吐出口が一体成形されたもので
    ある請求項3に記載の液体噴射記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 光硬化性エポキシ化合物40〜95重量
    部と、熱硬化性シリコーン化合物5〜60重量部と、光
    開始剤0.1〜10重量部と、シランカップリング剤0
    〜20重量部とから成る液流路形成用樹脂材料。
JP32300994A 1994-12-26 1994-12-26 液流路形成用樹脂材料、これを用いた液体噴射記録ヘッド、及びその製造方法 Pending JPH08174845A (ja)

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