JPH08173173A - フェニルピルビン酸の製造方法 - Google Patents

フェニルピルビン酸の製造方法

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JPH08173173A
JPH08173173A JP32001794A JP32001794A JPH08173173A JP H08173173 A JPH08173173 A JP H08173173A JP 32001794 A JP32001794 A JP 32001794A JP 32001794 A JP32001794 A JP 32001794A JP H08173173 A JPH08173173 A JP H08173173A
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JP
Japan
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phenylpyruvic acid
phenylalanine
microorganism
reaction
culture
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JP32001794A
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English (en)
Inventor
Ikuo Kira
郁夫 吉良
Takashi Udagawa
隆 宇多川
Kenzo Yokozeki
健三 横関
Masayoshi Kondo
正義 近藤
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アクロモバクター属に属する微生物の菌体も
しくは菌体処理物をL−フェニルアラニンに作用せし
め、生成するフェニルピルビン酸を採取することを特徴
とするフェニルピルビン酸の製造方法。 【効果】 本発明によれば、L−フェニルアラニンより
安価かつ簡便にフェニルピルビン酸を製造することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェニルピルビン酸の製
造方法に関する。フェニルピルビン酸は種々の医薬品の
合成中間体として有用である。
【0002】
【従来技術と問題点】フェニルピルビン酸の化学的製造
法としては、触媒量のエタノールアミン存在下でベンズ
アルデヒドとヒダントインを反応させる方法(特公平5-
37134)が知られている。しかし、この方法は操作が煩
雑で収率が低いという問題点を有している。一方、酵素
的製造法としては、L−フェニルアラニンにモルガネラ
属(Bioseparation No.2,p147,1991)、シュードモナス
属(特開昭57-146573)、プロテウス属(Journal of Ba
cteriology Vol.121,No.2,p656,1975)に属する微生物
を作用させ、フェニルピルビン酸を製造する方法が知ら
れている。しかし、いずれの微生物を用いても生成物の
蓄積濃度が低いという問題点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
かつ簡便にフェニルピルビン酸を製造する方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の事情
に鑑み検討を重ねた結果、アクロモバクター属に属する
微生物がL−フェニルアラニンをフェニルピルビン酸に
変換しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、L−フェニルアラニ
ンをフェニルピルビン酸に変換する能力を有するアクロ
モバクター属に属する微生物の培養物、該培養物より分
離した微生物菌体または該微生物菌体の処理物を、L−
フェニルアラニンに作用せしめ、フェニルピルビン酸を
採取することを特徴とするフェニルピルビン酸の製造方
法に関するものである。
【0006】本発明で使用する微生物は、アクロモバク
ター属に属し、L−フェニルアラニンをフェニルピルビ
ン酸に変換しうる能力を有する微生物であればいずれを
用いてもよいが、具体的にはアクロモバクター・シクロ
クラスツATCC-15446を例示することができる。
【0007】これらの微生物は、野生株または変異株の
いずれでもよいし、細胞融合もしくは遺伝子操作などの
遺伝学的手法により誘導される組み替え株等も用いるこ
とができる。
【0008】このような微生物の菌体を得るには、当該
微生物を適当な培地で培養増殖せしめるとよい。そのよ
うな培地には格別の制限はなく、通常の炭素源、窒素
源、無機イオン、更に必要に応じ有機栄養源を含む通常
の培地でよい。例えば、炭素源としては、上記微生物の
利用可能であればいずれも使用でき、具体的には、グル
コース、フルクトース、シュークロース、デキストリン
等の糖類、ソルビトール、エタノール、グリセロール等
のアルコール類、フマール酸、クエン酸、酢酸、プロピ
オン酸等の有機酸類及びこれらの塩類、パラフィン等の
炭化水素類あるいはこれらの混合物を使用することがで
きる。
【0009】窒素源としては例えば、硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム等の無機塩のアンモニウム塩、フ
マル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機酸
のアンモニウム塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の
硝酸塩、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コーンステ
ィープリカー等の有機窒素化合物、あるいはこれらの混
合物を使用することができる。
【0010】他に無機塩、微量金属塩、ビタミン類等、
通常の培養に用いられる栄養源を適宜、混合して用いる
ことができる。また、培地には、L−フェニルアラニン
を添加することによってL−フェニルアラニンをフェニ
ルピルビン酸に変換する能力の高い菌体を得られる場合
がある。
【0011】培養条件にも格別の制限はなく、例えば、
培養pHは3.0-9.0、好ましくは、4.0-8.0、培養温度は20
-45℃、好ましくは25-40℃の範囲内で、その微生物の生
育に適した条件下5-120時間、好ましくは12-72時間程度
培養すれば良い。
【0012】上記微生物をL−フェニルアラニンに作用
せしめる方法としては、かくして得られる微生物培養物
をそのまま用いる方法、微生物培養物から遠心分離等に
より菌体を分離し、これをそのままもしくは洗浄した
後、緩衝液、水等に再懸濁したものに、L−フェニルア
ラニンを添加し反応させる方法等がある。また、微生物
菌体の処理物としては、菌体破砕物、アセトン処理菌
体、凍結乾燥菌体、あるいは、これらの菌体あるいは菌
体処理物をポリアクリルアミドゲル法、カラギーナン
法、アルギン酸法等の公知の方法で固定化した菌体を用
いることができる。更に、微生物菌体処理物としては、
菌体抽出物もしくはこれより公知の方法を組み合わせて
精製取得した酵素も使用できる。
【0013】菌体または菌体処理物の使用量は、所与の
反応の場合において目的とする効果を発揮する量(有効
量)であればよく、この有効量は当業者であれば簡単な
予備実験により容易に求められるが、例えば、洗浄湿潤
菌体の場合、反応1dl当たり1ないし40gである。
【0014】L−フェニルアラニンはそのまま、あるい
は、水に溶解し、叉は反応に影響を与えないような有機
溶媒に溶解したり、界面活性剤等に分散させたりして、
反応始めから一括にあるいは分割して添加して用いても
良い。
【0015】反応pHはpH3-9、好ましくはpH5-8、反応温
度は10-60℃好ましくは20-40℃の範囲で、1-120時間程
度、撹拌下あるいは静置下で行う。基質の使用濃度は特
に制限されないが、0.1%-10%程度が好ましい。
【0016】反応によって生成蓄積したフェニルピルビ
ン酸は、イオン交換樹脂、合成吸着樹脂等の樹脂を用い
る方法や酸性条件下で沈澱せしめる方法等により、反応
終了混合物より分離採取することができる。
【0017】以下本発明を具体的に実施例にて説明する
が、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
【0018】なお実施例におけるL−フェニルアラニ
ン、フェニルピルビン酸の定量は、高速液体クロマトグ
ラフィー(カラム:YMC社製 AQ-312 ODS、溶離液:0.1
M NaH2PO4(pH 2.8に調整したもの):アセトニトリル=4:
1、流速:0.5ml/分、温度:30℃、検出:UV254nm)によ
り行った。
【0019】実施例 L−フェニルアラニン0.25g、酵母エキス0.5g、ポリペ
プトン0.5g、(NH4)2SO40.25g、K2HPO4 0.15g、KH2PO4
0.05g、MgSO4・7H20 0.025g、FeSO4・7H2O 0.5mg、MnSO4
4H2O 0.5mgを含む50mlの培地(pH 7.0)を500ml容振とう
フラスコに入れ、120℃で15分間殺菌した。
【0020】これにあらかじめブイヨン寒天培地で30℃
にて24時間培養したアクロモバクター・シクロクラスツ
ATCC-15446の菌体を一白金耳量接種し、30℃にて24時間
振とう培養した。培養後、培養物より菌体を遠心分離に
より集め、50mlの0.1M MES-NaOH緩衝液(pH5.0)にて洗浄
し、再び遠心分離により洗浄菌体を調製した。この湿菌
体1.0gをL−フェニルアラニン1.0gを含む0.1M MES-NaO
H緩衝液(pH5.0)に懸濁し50mlとし、31.5℃にて11時間反
応を行なった。
【0021】反応収了後、フェニルピルビン酸の生成量
を測定したところ、1.8g/dlのフェニルピルビン酸が生
成していた。
【0022】さらに、該酵素反応液を遠心分離し、菌体
を除いた後、減圧濃縮を行い、10mlの反応上清液を得
た。この反応上清液にpH1.0になるまでHClを添加し、フ
ェニルピルビン酸を析出させた。析出したフェニルピル
ビン酸はろ過し、水で再結晶後、乾燥し、0.7gのフェニ
ルピルビン酸を得た。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、L−フェニルアラニン
よりフェニルピルビン酸を安価かつ簡便に製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 正義 佐賀県佐賀郡諸富町大字諸富津450番地 味の素株式会社九州工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】L−フェニルアラニンをフェニルピルビン
    酸に変換する能力を有するアクロモバクター属に属する
    微生物の培養物、該培養物より分離した微生物菌体また
    は該微生物菌体の処理物を、L−フェニルアラニンに作
    用せしめ、フェニルピルビン酸を採取することを特徴と
    するフェニルピルビン酸の製造方法。
JP32001794A 1994-12-22 1994-12-22 フェニルピルビン酸の製造方法 Pending JPH08173173A (ja)

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