JPH0817151A - 情報記録再生装置のモータ制御装置 - Google Patents

情報記録再生装置のモータ制御装置

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JPH0817151A
JPH0817151A JP7007737A JP773795A JPH0817151A JP H0817151 A JPH0817151 A JP H0817151A JP 7007737 A JP7007737 A JP 7007737A JP 773795 A JP773795 A JP 773795A JP H0817151 A JPH0817151 A JP H0817151A
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motor
acceleration
signal
linear motor
acceleration sensor
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JP7007737A
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English (en)
Inventor
Masaru Nomura
野村  勝
Masaaki Hanano
雅昭 花野
Takeshi Yamaguchi
毅 山口
Shigeo Terajima
重男 寺島
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B21/00Head arrangements not specific to the method of recording or reproducing
    • G11B21/02Driving or moving of heads
    • G11B21/08Track changing or selecting during transducing operation
    • G11B21/081Access to indexed tracks or parts of continuous track
    • G11B21/083Access to indexed tracks or parts of continuous track on discs

Abstract

(57)【要約】 【構成】 光ピックアップを移動させるリニアモータ1
0の加速度を機械的に検出する加速度センサーユニット
16からの信号と、リニアモータ10の駆動信号とから
上記駆動信号を補償するための補償信号を出力する外乱
オブザーバ17を設ける。加速度センサーユニット16
の有する低域遮断周波数とほぼ等しい低域遮断周波数を
有するハイパスフィルタ17gを、外乱オブザーバ17
における駆動信号の入力から補償信号の生成までの経路
上に設ける。 【効果】 外部から与えられる駆動信号や振動・衝撃、
または加速度センサーユニット16や回路中のノイズな
どに対してリニアモータ10が外乱オブザーバ17によ
り過敏あるいは過大に駆動されることをハイパスフィル
タ17gによって回避できて、リニアモータ10や光ピ
ックアップが損傷する虞れを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク装置等のサ
ーボ制御あるいはアクセス制御のため使用されるモータ
の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置や磁気ディスク装置にお
いては、ディスク媒体に情報を記録・再生するための光
ピックアップやヘッドをディスク上特定のトラック上に
位置決めするトラッキングサーボ制御や、或いは、光ピ
ックアップやヘッドを目的のトラックに素早く移動させ
るアクセス制御が広く行われている。このため、上記光
ヘッドやピックアップをディスクの半径方向に移動させ
るモータ機構が用いられる。
【0003】従来の光ディスク装置では、例えば図24
および図25に示すように、情報の記録媒体である光デ
ィスク51が、シャーシ52に取り付けられたスピンド
ルモータ53により回転するように設けられている。上
記光ディスク51の下面側に、後述するように光ピック
アップ54がシャーシ52に光ディスク51の半径方向
に移動可能な状態で取り付けられている。上記光ピック
アップ54は、光ディスク51上のトラック51aに対
物レンズ55により集光されたレーザ光54aを照射し
て情報を書き込んだり読み出したりできるようになって
いる。
【0004】一方、上記シャーシ52には、永久磁石5
8とガイドレール59等が設けられており、駆動コイル
57に通電した電流で生じる磁界と、永久磁石58の磁
界とで発生する駆動力により、上記光ピックアップ54
を、ガイドレール59に沿って、つまり光ディスク51
の半径方向に移動させる、いわゆるリニアモータ60と
呼ばれるモータ機構を構成している。
【0005】また、光ピックアップ54や駆動コイル5
7は,図示しない制御回路等の間で電源電流や検出信号
や制御信号を入出力するためのFPC(Flexible Printe
d Circuit)基板61が設けられている。なお、光ピック
アップ54、ベアリング部56や駆動コイル57等を含
め、シャーシ52に対して相対的に移動させられる部分
をリニアモータ60のモータ可動部60aと称し、これ
に対し、永久磁石58とガイドレール59等を含め、シ
ャーシ52に対して相対的に移動しない部分をリニアモ
ータ60のモータ固定部60bと称する。
【0006】ところで、コンピュータの記憶装置として
用いられる光ディスク装置のトラッキングサーボ制御
は、光ディスク51の回転に伴い最大数十μm変位する
トラック51aに対してレーザー光54aをおよそ 0.1
μm以下の誤差・精度にて追従させなければならない。
【0007】このため、トラック51aの変位の低周波
数大振幅の成分には上記のリニアモータ60により光ピ
ックアップ54全体を移動させ追従させると共に、トラ
ック51aの変位の高周波数小振幅の成分には光ピック
アップ54内部のレンズアクチュエータ54bと呼ばれ
る機構でレーザー光54aを絞る対物レンズ55を移動
させ、高精度のトラッキングサーボ制御を行う2段サー
ボ方式が用いられることが多い。
【0008】これにより、このような2段サーボ方式で
は、レーザー光54aと光ディスク51上のトラック5
1aとの位置のズレを検出し、トラッキング誤差信号T
ESとして出力するTES検出回路54cが上記光ピッ
クアップ54内部に組み込まれている。
【0009】入力されたトラッキング誤差信号TESに
対して必要な増幅度と周波数特性とを付与するための第
1位相補償回路62および第2位相補償回路63が設け
られ、さらに第1位相補償回路62および第2位相補償
回路63からの出力信号がそれぞれ入力されてレンズア
クチュエータ54bとリニアモータ60の駆動電流を発
生するための第1ドライバ64および第2ドライバ65
がそれぞれ設けられている。
【0010】このような2段サーボ方式のサーボゲイン
カーブを例えば図26に示す。レンズアクチュエータ5
4bでは、対物レンズ55をバネにて支持する構造が用
いられることが多く、その場合、周波数fA に共振点を
有するバネ・マス系の特性を示す。
【0011】また、カットオフ周波数(サーボゲインが
1となる周波数)fC 近傍でのサーボ系の安定性を確保
するために、図25における第1位相補償回路62にお
いて、f3 からf4 までの周波数区間にて入力されたト
ラッキング誤差信号TESに対して位相進み補償が施さ
れている。
【0012】リニアモータ60は、光ピックアップ54
をベアリング部56にて自在に移動できるように支持し
た構造であるから、原理的には共振特性を示さず、慣性
質量系の2階積分特性を示すものである。
【0013】そして、レンズアクチュエータ54bに比
べ、モータ可動部60aのサイズが大きくトラック51
a変位の高周波数成分への追従が難しいこと、およびモ
ータ可動部60aのサイズが大きく不要な高次共振モー
ドが発生し易いことから、図25に示す第2位相補償回
路63にはfLPF に折点を有するローパスフィルタが設
けられている。
【0014】これにより、周波数fD に存在する上記の
不要な高次共振モードの影響が回避される。さらに、低
周波域でのサーボゲインをレンズアクチュエータ54b
より高めるため、周波数f1 に折点を有する1次のロー
パスフィルタが設けられている。
【0015】このサーボゲインカーブより明らかに、リ
ニアモータ系とレンズアクチュエータ系のゲインカーブ
の交点周波数fX 以下ではリニアモータ系のゲインが高
く、リニアモータ60が主としてサーボ追従を行う。f
X は数百Hz程度に設定される一方、光ディスク51の回
転周波数は数十Hzであるから、トラック51aの低周波
成分にはリニアモータ60が主として追従する。
【0016】このような2段サーボ方式を用いる最大の
理由は、光ディスク装置において多用されるトラッキン
グ誤差信号の検出方法であるプッシュプル法の欠点が緩
和されるためである。
【0017】例えば、ラジオ技術社刊:「光ディスク技
術」87ページ〜88ページに記述されているように、プッ
シュプル法にてトラッキング誤差信号を検出する場合、
レンズアクチュエータ54bの変位量が大きいと、レー
ザー光54aとトラック51aとの位置が一致していて
も、トラッキング誤差信号がゼロとならない、いわゆる
ビームシフトによるトラッキングオフセットを生じて正
確なトラッキングサーボ制御が行えない。
【0018】しかし、2段サーボ方式によれば、トラッ
ク51aの低周波大振幅の変位にはリニアモータ60が
追従するため、レンズアクチュエータ54bはトラック
51aの高周波小振幅の変位に追従すればよく、プッシ
ュプル法の欠点を大幅に緩和できる。
【0019】さて、2段サーボ方式においては、リニア
モータ60とレンズアクチュエータ54bとが協調して
トラック51aの変位に追従することは既に述べたが、
リニアモータ60とレンズアクチュエータ54bとの双
方の特性が良好でなければ、この2段サーボ方式はうま
く機能しない。
【0020】レンズアクチュエータ54bは小型軽量の
部品を用いるため個々の部品や組み立ての剛性や精度が
比較的高く,これらの部品レベルでの不要な共振等に起
因する特性歪みは、仮に発生してもその周波数がサーボ
制御に要する周波数帯域(通常数kHz)より十分に高い
場合が多く、問題にはなり難い。
【0021】これに比べて大型で重量のあるリニアモー
タ60では、数百Hzあるいはそれ以下の周波数にて各種
の特性歪みが発生することもあり、特性を良好に保つこ
とが重要な問題となる。
【0022】特性歪みとしては、図26にて示した高次
共振モード(fD に存在)だけではなく、光ピックアッ
プ54との電源や信号の入出力するためのFPC基板6
1やベアリング部56のバネ性あるいは非線形性に起因
するものも考えられる。
【0023】リニアモータ60における駆動電流に対す
るモータ可動部60aの変位への伝達特性例を図27に
示す。上記リニアモータ60では、例えば転がり型ベア
リンングを用いた場合、転がり接触面で生じる微少な弾
性変形のために等価的なバネ性を有し、これとモータ可
動部60aの質量とで図27中の破線のようにバネ・マ
ス系の共振特性を示すことがある。
【0024】このようなバネ性がなければ実線で示した
ように、単に−40(dB/dec)のゲインカーブ勾配を有す
る慣性質量系の特性を示す筈であるが、上記のようにバ
ネ・マス系の共振特性を示す場合、その共振周波数fL
以下の周波数におけるリニアモータ60の応答、すなわ
ちサーボゲインが低下する。このようなバネ性はFPC
基板61のたわみによっても発生し、同様にサーボゲイ
ンの低下が発生する。
【0025】通常はベアリング部56やFPC基板61
にて生じるバネ性は弱く、仮に共振特性が現れたとして
もその周波数fL は十分低く特に問題とはならない。し
かし、例えばベアリング部56の機械的なガタつきを抑
えるためにベアリング部56の与圧を高めたりした場合
にはfL も高くなり、それ以下の周波数においてリニア
モータ60はサーボ制御に余り関与しなくなる。
【0026】また装置寸法の低減の面から、ベアリング
部56に転がり型ではなく、フッ素樹脂等を用いた摺動
型のものが用いられることがあるが、この場合には変位
量の大小、あるいは環境中の温度や湿度によって、ベア
リング部56の等価的なバネ性が大きく変化、つまり上
記バネ性の非線形性が強く現れ易い。
【0027】上記摺動型のベアリング部56をリニアモ
ータ60に用いた場合における2段サーボ方式のサーボ
ゲインカーブの例を図28に示す。モータ可動部60a
の質量とベアリング部56での等価的なバネ性とにて生
じる共振周波数は、変位量が大きい(すなわち、トラッ
ク51aの変位量が大きい)ときには十分低いfL にあ
るが、変位量が小さいときにはfL ' まで上昇し、
L ' 以下におけるサーボゲインが低下する。
【0028】単に変位量が小さいときにこのような共振
周波数の上昇が発生するのであれば、追従すべきトラッ
ク51aの変位量が小さいのであるから、これに伴いサ
ーボゲインが低下しても特に問題を生じない。
【0029】しかし、温度や湿度によって摺動型のベア
リング部56の動きが悪くなり、極端なときには上記ベ
アリング部56が吸着されることがある。この場合には
L' は極めて高くなり、数百Hzから数kHzのオーダー
にまで達することがある。こうなるとトラック51aの
変位の大きさにかかわらずサーボゲインの低下が著しく
なる。
【0030】あるいは、リニアモータ60に推力を発生
させるための永久磁石や駆動コイルの着磁力の差や僅か
な形状のずれにより、リニアモータ60の駆動電流に対
する応答、すなわち感度は変化するが、この感度変化に
よってもサーボゲインは影響を受ける。感度が低い場合
にはサーボゲインが低下してトラック51aへの追従性
能が劣化するという問題を生じる。一方、上記の感度が
高くなっても別の問題が生じる。
【0031】上記のような感度が高くなったリニアモー
タ60を用いた場合における2段サーボ方式のサーボゲ
インカーブの例を図29に示す。このように感度の上昇
に伴って、ゲインカーブは図中破線で示すように上昇す
る。
【0032】このとき、上記リニアモータ60における
D に存在する高次の共振モードの影響も増大して、レ
ンズアクチュエータ系を含めたサーボ系全体が不安定に
なる虞がある。これらの感度変動は永久磁石の磁束分布
の不均一などによるモータ可動部60aのモータ固定部
60bに対する相対的な位置によっても現れる。
【0033】さらに、これらのような特性歪みやパラメ
ータの変動とは異なる別の問題として、装置に振動や衝
撃などの外乱が加わった場合、従来の光ディスク装置等
におけるリニアモータ60はその影響を直接受けてしま
い、サーボ制御精度の劣化を生じてしまう。
【0034】これらモータ機構に生じる問題点、すなわ
ち共振特性の発生を含む特性歪みや感度の変動、あるい
は振動・衝撃等の外乱による悪影響が発生するという問
題点に対しては、従来幾つかの研究が行われている。
【0035】例えば、大西公平著「電動機およびロボッ
トの制御」(電気学会雑誌第110巻8号、1990、p.65
7-660 )において、ロボットの関節の制御を目的とし、
上記問題点に対処しようとした研究が報告されている。
【0036】この報告では、特性歪みやパラメータの変
動あるいは振動・衝撃によるモータの特性・応答の理想
からのズレを、全てモータに外乱トルクが加わったため
に生じたものと考え、この外乱トルクを一括して推定
し、モータにフィードバックする、いわゆる外乱オブザ
ーバの手法について示している。
【0037】上記外乱オブザーバを用いたシステムをブ
ロック図で示すと図30のようになり、上記システムを
等価変換して書き直すと図31に示したシステムのブロ
ック図となる。
【0038】図31に示したシステムにおける外乱オブ
ザーバでは、上記外乱オブザーバ右半分は、センサーに
より検出されたモータの回転速度(角速度)ωを角周波
数gまでの帯域で近似微分して回転の角加速度に変換し
た後、近似微分でのゲイン低下分gと慣性モーメントの
ノミナル値Jn を乗じ、駆動トルクTm および外乱トル
クTdis を含めた、モータに加わる全トルクT1 を求め
る一方、外乱オブザーバ左半分は、モータの駆動電流I
にトルク定数のノミナル値Kτn を乗じて駆動トルクの
ノミナル値T2 を求めている。
【0039】そして、上記外乱オブザーバでは、外乱ト
ルク推定値Tdis ' を両者の差(T2 −T1 )で求め、
上記の差にトルク定数のノミナル値Kτn の逆数を乗じ
て、上記の差を打ち消すための補償電流Icmp を求めて
いる。
【0040】このような外乱オブザーバを有するシステ
ムでは、上記補償電流Icmp を、モータへの駆動電流基
準値Ia ref に加えてモータの駆動電流実際値を求め、
その駆動電流実際値をモータに加えることで、モータに
おける各種の特性歪み、パラメータ変動や、外部からの
振動・衝撃等の影響を抑圧できるようになっている。
【0041】なお、外乱オブザーバ左半分の中のローパ
スフィルタ〔g/(s+g)〕は、等価変換によって生
じたものであり、近似微分が行われる帯域g以下の周波
数では影響を与えず、それ以上の周波数での帯域制限を
行う働きをしている。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
外乱オブザーバを情報記録再生装置のモータ制御装置に
適用した場合、以下のような大きな問題を生じている。
すなわち、まず、モータの動きを検出するためのセンサ
ーについて言えば、先の研究では回転型のモータを対象
としていたので、回転速度(角速度)を検出するタコジ
ェネレータが簡便に利用できる。
【0043】同様な速度を検出するセンサーを、例えば
図32に示すように、直動型のモータであるリニアモー
タ60に付加しようとすると、シャーシ52に磁石66
を取り付ける一方、モータ可動部60aに検出コイル6
7を取り付けたセンサー構造が考えられた。
【0044】他の構造として、図33のように、位置検
出用のフォトディテクタ68をシャーシ52に取り付け
る一方、発光ダイオード69をモータ可動部60aに取
り付け、フォトディテクタ68で検出した変位出力を微
分して速度成分として出力する微分器70を設けたセン
サー構造が考えられた。
【0045】しかしながら、上記各センサー構造は、い
ずれもモータ固定部60bとモータ可動部60aとの双
方にまたがる大きな構造であり、センサーとしての所定
の精度を確保するために、モータ固定部60bとモータ
可動部60aとの双方に取り付ける素子の位置精度が重
要となる。
【0046】よって、上記各センサー構造では、構造が
複雑となり、取り付けにも手間取ることから、コストア
ップを招来するという問題を生じると共に、上記各セン
サー構造が大きな構造であることから、その取り付けに
より新たに不要な共振モードを発生する危険性も高いと
いう問題も生じている。
【0047】さらに、制御対象を回転型のモータからリ
ニアモータに置き換え、速度センサーを用いた場合の外
乱オブザーバを用いたシステムの例を図34に示す。な
お、図34では変数などはリニアモータ60に合わせて
書き直されている。また、図34には速度の検出に必要
なセンサーがCsで示されるブロックとして書きこまれ
ており、図中の変数等の意味は以下の通りである。
【0048】Kf :リニアモータの推力定数 M :リニアモータの可動部質量 Kfn :Kf のノミナル値(標準値) Mn :Mのノミナル値(標準値) C :速度センサーの感度 Fm :リニアモータの推力 Fdis :外乱力(パラメータ変動分等を含む) Fdis ’:外乱力推定値(パラメータ変動分等を含む) Ia ref :リニアモータへの駆動電流基準値 I :リニアモータの駆動電流実際値 Icmp :外乱力補償用電流 x :リニアモータ変位 s :ラプラス演算子 g :オブザーバの外乱推定帯域(角周波数) 上記システムでは、ゲイン項として(g・Mn /C)の
増幅度を有するブロックが存在しており、近似微分器の
帯域gを高める程、上記(g・Mn /C)のブロックに
は大きな増幅度が要求される。
【0049】例えば、光ディスク装置のリニアモータに
て、およそ2kHzまで良好な特性を得ようとすると、g
=2π×2000≒12600 となるが、このような高いゲイン
のアンプを作製することは容易でない。上記アンプとし
てOPアンプを用いるとしても2kHzで 12600倍のゲイ
ンを得るには約25MHz以上の帯域を有するものを用いる
か、あるいは数段に分割して構成しなければならない。
【0050】これにより、高帯域のものを用いた場合は
高価なものとなり、数段に分割した場合でも構造が複雑
になって高価なものとなる。その上、上記のような高い
ゲインを実現した構成では、そのアンプ自体や、その入
力に加わるノイズは大きく増幅されるので、不都合を生
じる。
【0051】また、余程、(Mn /C)が小さければ、
(g・Mn /C)のブロックをゲインの低いアンプで構
成することができるが、光ディスク装置のリニアモータ
では、モータ可動部60aの質量M(通常Mn とあまり
掛け離れていない)が最低でも0.01kg程度、速度セン
サーの感度が高々0.01V/ms-1オーダーであることを
勘案すると、(g・Mn /C)がgより小さくなること
は期待できない。
【0052】次に検出した速度情報を元に外乱トルクを
推定する際に、帯域gまでの近似微分〔s/(s+
g)〕を施しているが、微分操作はセンサー、回路ある
いは外来性のノイズを強調してしまうため、これに基づ
いてモータを制御するとドライバやモータ自体の無駄な
電力消費や発熱を招く他、モータに不要な振動や騒音を
生じさせてしまう。
【0053】この微分操作の行われる帯域gまでは特性
歪みやパラメータ変動あるいは振動・衝撃等を吸収し補
償できるが、その帯域gを拡大しようとするとノイズの
影響はそれに伴って大きくなる。
【0054】光ディスク装置において、図26に示すよ
うに、リニアモータ系とレンズアクチュエータ系のゲイ
ンカーブの交点周波数fx に対して、リニアモータ60
にはfx の3倍から4倍程度の周波数帯域まで良好な特
性が要求される。例えば、fx を 500Hzとした場合、お
よそ2kHzまでは特性歪み等の発生を抑え、上記特性歪
み等の悪影響を吸収できることが望ましい。しかしなが
ら、このような周波数帯域までノイズの少ない速度セン
サー、あるいは微分器を含む周辺回路を作製することは
困難である。
【0055】そして、先に述べたように(g・Mn
C)という大きなゲインを有するブロックが必要なこと
を考えると、上記速度センサーや微分器のノイズの問題
はさらに深刻なものとなっている。
【0056】そこで、本発明の目的は、高次共振モード
等の特性歪みやパラメータ変動、外部からの振動や衝撃
を外乱オブザーバによって抑制することができ、その
上、小型、軽量で高い取り付け精度が不要で、かつ外乱
オブザーバにおいて微分操作を伴わずノイズ面でも優
れ、回路等の実現性にも優れた情報記録再生装置のモー
タ制御装置を提供することである。
【0057】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
情報記録再生装置のモータ制御装置は、以上の課題を解
決するために、ディスク状記録媒体から情報を読み出す
再生手段が設けられ、上記再生手段を上記ディスク状記
録媒体の記録面に沿って移動させるモータが設けられて
いる情報記録再生装置のモータ制御装置において、上記
モータによって移動する上記再生手段の加速度を検出す
る加速度検出手段が設けられ、上記モータの駆動電流と
上記加速度検出手段からの加速度信号とから、上記モー
タに加わる外乱力や特性変動を補償する補償信号を生成
し、上記補償信号に基づき、上記モータの駆動電流を補
正する外乱オブザーバが設けられていることを特徴とし
ている。
【0058】本発明の請求項2記載の情報記録再生装置
のモータ制御装置は、請求項1記載の情報記録再生装置
のモータ制御装置において、上記加速度検出手段は、上
記モータにおける上記再生手段と一体的に移動する可動
部と、上記モータの固定部との相対加速度を検出するも
のであることを特徴としている。
【0059】本発明の請求項3記載の情報記録再生装置
のモータ制御装置は、請求項1または2記載の情報記録
再生装置のモータ制御装置において、モータはリニアモ
ータであることを特徴としている。
【0060】本発明の請求項4記載の情報記録再生装置
のモータ制御装置は、請求項1または2記載の情報記録
再生装置のモータ制御装置において、モータは回動する
スイングモータであることを特徴としている。
【0061】本発明の請求項5記載の情報記録再生装置
のモータ制御装置は、請求項1、2、3または4記載の
情報記録再生装置のモータ制御装置において、加速度検
出手段は、加速度により変形して上記変形量を電気量に
変換する圧電素子を有することを特徴としている。
【0062】本発明の請求項6記載の情報記録再生装置
のモータ制御装置は、ディスク状記録媒体に情報の記録
あるいは再生を行うための記録再生手段が上記記録再生
手段を制御するための制御信号を出力するように設けら
れ、上記制御信号に基づいた駆動信号によって上記記録
再生手段を上記ディスク状記録媒体の記録面に沿って移
動させるモータが設けられ、上記モータによって移動す
る記録再生手段の加速度を検出する加速度検出手段が設
けられ、上記駆動信号と上記加速度検出手段で検出した
加速度信号とからモータに加わる外乱力や上記モータの
特性変動を補償する補償信号を推定し出力する外乱オブ
ザーバが、駆動信号から補償信号の生成までの第1経路
と、加速度信号から補償信号の生成までの第2経路とを
有するように設けられ、上記外乱オブザーバの補償信号
に基づき前記制御信号を補正して上記駆動信号を出力す
る加算手段が設けられ、前記加速度検出手段が有する低
域遮断特性とほぼ等しくなるように設定されたハイパス
フィルタ等の低域遮断特性を有する調整手段が上記第1
経路上に設けられていることを特徴としている。
【0063】
【作用】上記請求項1、3および4記載の構成によれ
ば、ディスク状記録媒体の記録面に沿って移動した再生
手段の加速度を加速度検出手段によって直接検出し、こ
の加速度検出手段からの加速度信号と、上記モータの駆
動電流とから、外乱等を推定する外乱オブザーバが設け
られているので、従来のように外乱オブザーバにて微分
操作を省くことができる。これにより、従来のような速
度センサーや周辺回路からのノイズの影響を軽減でき
る。
【0064】さらに、上記の微分操作を省くことができ
るので、微分操作の行われる帯域に比例した高いゲイン
のアンプも不要であり、回路の実現も容易にすることが
できる。
【0065】さらに、上記請求項2記載の構成によれ
ば、加速度検出手段が相対的な加速度を検出するので、
モータを駆動するときに、モータの可動部に対してモー
タの固定部が受ける反作用や、あるいは振動・衝撃等が
加わったときのモータの固定部に対する可動部の加速度
を正確に検出できる。
【0066】これにより、可動部と一体的に移動する再
生手段をディスク状記録媒体に対してより正確に移動さ
せることができて、上記再生手段の動作特性を向上させ
ることができる。
【0067】さらに、上記請求項5記載の構成によれ
ば、加速度検出手段は圧電素子を用いることにより小型
・堅牢で単一の素子として構成できるので、速度や変位
等を検出する従来の検出手段と比べて加速度検出手段の
構成や取り付け方あるいは取り付け精度の制約が少ない
上、構成を簡素化できて加速度検出手段を含めたモータ
周辺のサイズを小型にできる。
【0068】さらに、前記請求項6記載の構成によれ
ば、外乱オブザーバにおいて、モータの駆動信号から補
償信号を生成するまでの第1経路上に、調整手段の低域
遮断周波数を、加速度検出手段(センサー系等)の低域
遮断周波数とほぼ等しくなるように設定しているので、
駆動信号に基づく信号が通る第1経路に対して、外部か
ら与えられる振動・衝撃やノイズ等に起因する上記低域
遮断周波数より低い周波数の信号が加わった場合、調整
手段により上記信号を除去できる。
【0069】これにより、外乱オブザーバにおける上記
信号による誤動作を調整手段によって回避できることか
ら、モータが上記信号によって記録再生手段に対し過敏
あるいは過大に駆動されることを防止できる。よって、
モータあるいは上記モータにより移動させられる光ピッ
クアップやヘッド等の記録再生手段が損傷する虞れを調
整手段によって回避できる。
【0070】
【実施例】
〔第1実施例〕本発明の一実施例を第1実施例として図
1ないし図12に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。情報記録再生装置のモータ制御装置では、図1に示
すように、情報の記録媒体である光ディスク(ディスク
状記録媒体)1を回転するスピンドルモータ3が、シャ
ーシ2に取り付けられて設けられている。上記光ディス
ク1の下面側に、光ピックアップ(記録再生手段)4
が、後述するようにシャーシ2に対し、光ディスク1の
半径方向に移動可能な状態で取り付けられている。
【0071】光ピックアップ4は、光ディスク1上のト
ラック1aに対物レンズ5により集光されたレーザ光4
aを照射して情報を書き込んだり、読み出したりするも
のであって、情報の記録と再生との双方に用いられるも
のである。
【0072】一方、上記シャーシ2には、永久磁石8と
ガイドレール(図示せず)等が設けられており、駆動コ
イル7に通電した電流で生じる磁界と、永久磁石8の磁
界とで発生する駆動力により、光ピックアップ4を上記
ガイドレールに沿って、つまり光ディスク1の記録面に
沿うように上記光ディスク1の半径方向に移動させるリ
ニアモータ10が形成されている。リニアモータ10
は、電磁力を利用した直流リニアモータである。
【0073】また、光ピックアップ4や駆動コイル7と
図示しない制御回路等との間で電源電流や検出信号や制
御信号を入出力するためのFPC基板11が設けられて
いる。なお、光ピックアップ4、ベアリング部6や駆動
コイル7等を含め、シャーシ2に対して相対的に移動さ
せられる部分をリニアモータ10のモータ可動部10a
と称し、これに対し、永久磁石8とガイドレール等を含
め、シャーシ2に対して相対的に移動しない部分をリニ
アモータ10のモータ固定部10bと称する。
【0074】ところで、コンピュータの記憶装置として
用いられる光ディスク装置のトラッキングサーボ制御で
は、光ディスク1の回転に伴い最大数十μm変位するト
ラック1aに対してレーザー光4aをおよそ 0.1μm以
下の誤差・精度にて追従させなければならない。
【0075】このため、トラック1aの変位の低周波数
大振幅の成分に対しては上記のリニアモータ10により
光ピックアップ4全体を移動させ追従させると共に、ト
ラック1aの変位の高周波数小振幅の成分に対してはレ
ーザー光4aを絞る対物レンズ5を光ピックアップ4内
部のレンズアクチュエータ4bと呼ばれる機構により移
動させ追従させる2段サーボ方式が高精度のトラッキン
グサーボ制御を行うために用いられている。
【0076】このような2段サーボ方式では、レーザー
光4aと光ディスク1上のトラック1aとの位置のズレ
を検出し、トラッキング誤差信号TESとして出力する
TES検出回路4cが上記光ピックアップ4内部に組み
込まれている。
【0077】また、上記トラッキング誤差信号TESが
入力されて必要な増幅度と周波数特性とを付与するため
の第1位相補償回路12および第2位相補償回路13が
設けられている。
【0078】さらに、第1位相補償回路12から出力さ
れた信号を、上記レンズアクチュエータ4bを駆動する
ように変換してレンズ制御信号を発生するアクチュエー
タドライバ14が設けられており、上記レンズ制御信号
は上記レンズアクチュエータ4bに出力される。
【0079】なお、図示しないが、TES検出回路4c
から各補償回路12・13へのトラッキング誤差信号T
ESの伝達や、アクチュエータドライバ14からレンズ
アクチュエータ4bへの制御信号の伝達も前記FPC基
板11を介して行われる。
【0080】そして、前記モータ可動部10aには、そ
の加速度を機械的に検出するための加速度センサー16
aが取り付けられ、また、上記加速度センサー16aの
出力インピーダンスを低くする、すなわち緩衝増幅する
ためのバッファアンプ16bが上記加速度センサー16
aに近接して設けられている。
【0081】バッファアンプ16bは、例えば図2に示
すように、演算増幅器(以下、OPアンプと称する)を
用いたボルテージフォロワと、そのバイアス電流の経路
となる入力抵抗とで構成できる。以下、加速度センサー
16aとバッファアンプ16bとを含めて加速度センサ
ーユニット(加速度検出手段)16と呼称し、参照す
る。
【0082】さらに、図1に示すように、トラッキング
誤差信号TESに基づく前記第2位相補償回路13から
の出力信号を上記加速度センサーユニット16からの信
号に基づいて補正するための外乱オブザーバ17が設け
られている。
【0083】その上、上記外乱オブザーバ17からの補
償信号Vcmp と、上記第2位相補償回路13からの出力
信号である駆動電圧基準値Va ref とを加算して補正さ
れた駆動電圧Vを出力する加算器(加算手段)18が設
けられ、上記加算器18からの駆動電圧Vを駆動電流I
に変換するモータドライバ15が設けられている。
【0084】上記外乱オブザーバ17では、加速度セン
サーユニット16からの加速度信号Va と上記駆動電圧
Vとが入力され、上記加速度信号Va と上記駆動電圧V
とによって外乱(Fdis )を推定し、その外乱を補償す
るための補償信号Vcmp が生成されて加算器18に出力
される。
【0085】上記モータドライバ15としては、各種の
ものが考えられるが、リニアモータ10を駆動するため
に、入力された駆動電圧V(単位ボルト)を、それに相
当する駆動電流I(単位アンペア)に変換してリニアモ
ータ10に供給するもの、言い換えると伝達ゲインが1
で、入力された信号を電圧次元から電流次元に変換して
出力するものを挙げることができる。
【0086】なお、上記モータドライバ15では、その
伝達ゲインを上記の通り1としており、電圧次元から電
流次元への変換を行っているだけと考えられるので、以
下特に必要のない限り、外乱オブザーバ17に入力され
る駆動電圧V、外乱オブザーバ17から加算器18に入
力される補償信号Vcmp 、前記第2位相補償回路13か
ら加算器18に入力される駆動電圧基準値Va ref は、
それぞれ電流次元の信号I、Icmp 、Ia ref として考
える。
【0087】上記モータ制御装置における主要部分をブ
ロック図で示すと図3となる。図3にて示した変数等は
以下のものを示している。
【0088】Kf :リニアモータの推力定数 M :リニアモータの可動部質量 Kfn :Kf のノミナル値(標準値) Mn :Mのノミナル値(標準値) B :加速度センサーの感度 Fm :リニアモータの推力 Fdis :外乱力(パラメータ変動分等を含む) Fdis ’:外乱力推定値(パラメータ変動分等を含む) Ia ref :リニアモータへの駆動電流基準値 I :リニアモータの駆動電流実際値 Icmp :外乱力補償用電流 x :リニアモータ変位 s :ラプラス演算子 図3では、リニアモータ10の伝達特性が、推力定数K
f とモータ可動部10aの質量Mとを有する2階積分系
として表されている。
【0089】また、加速度検出手段としての加速度セン
サーユニット16は、感度Bを有するものとし、リニア
モータ10の変位xから加速度を検出するので、2階の
微分操作を意味するs2 が掛けられてBs2 にて表され
ている。なお、上記加速度センサーユニット16は実際
に微分操作を行うものではなく、変位の2階微分である
加速度を検出するという意味でs2 が付与されて表され
ている。
【0090】外乱オブザーバ17では、駆動電流Iが入
力され、駆動電流Iから駆動力ノミナル値Fn までの目
的とする特性、推力定数のノミナル値Kfnに相当するゲ
インを有するアンプを電子回路で作製した第1ブロック
17aが設けられている。上記第1ブロック17aは、
例えば図4に示すように、OPアンプを用いた非反転増
幅回路で構成することができる。
【0091】一方、加速度センサーユニット16からの
加速度信号Va が入力され、リニアモータ10の駆動力
である推力Fm から加速度(s2 ・x)までの理想とす
る特性、すなわち(1/Mn )の逆数であるMn のゲイ
ンを有するアンプ17bが設けられている。
【0092】さらに、上記アンプ17bの出力が入力さ
れ、加速度センサーユニット16の感度Bの逆数(1/
B)のゲインを有するアンプ17cが設けられている。
上記各アンプ17b・17cとによって第2ブロック1
7dが形成されている。
【0093】上記第2ブロック17dは、加速度センサ
ーユニット16で検出した加速度信号Va に基づいて、
リニアモータ10のパラメータがノミナル値であった場
合、リニアモータ10に加わる力を外乱力Fdis を含め
て推定するものであり、例えば図5に示すように、反転
増幅回路を2段直列に接続し、各段のゲインをそれぞれ
n および(1/B)と等しくなるように設定すること
で構成できるものである。
【0094】第1ブロック17aと第2ブロック17d
との各出力がそれぞれ入力され、上記両者の出力を比較
して差を検出して出力する比較器17eが設けられてお
り、上記比較器17eでは、リニアモータ10のパラメ
ータの変動分を含めた推定外乱力Fdis ' が推定されて
出力される。比較器17eは、例えば図6のように、O
Pアンプを用いた差動増幅回路として構成できるもので
ある。
【0095】上記比較器17eからの出力が入力される
第3ブロック17fが設けられている。上記第3ブロッ
ク17fは、上記第1ブロック17aの逆特性、すなわ
ち推力定数のノミナル値の逆数(1/Kfn)のゲインを
有するアンプであり、推定外乱力Fdis ' を打ち消すよ
うに、前記リニアモータへの駆動電流基準値Ia ref
補償するための外乱力補償用電流Icmp を推定外乱力F
dis ' に基づいて発生して出力するものである。
【0096】上記第3ブロック17fは、例えば図7に
示すように、OPアンプを用いた反転増幅回路の2段接
続として構成できるものである。なお、図7の反転増幅
回路の2段目のフィードバック抵抗Rf に、図中破線で
示すように、並列に接続されるように示されているコン
デンサCf は、後述するLPF20の特性をこの第3ブ
ロック17f内に形成するときに、図に示すように並列
に接続されて用いられるものである。
【0097】前記加算器18は、前記第2位相補償回路
13からの駆動電流基準値Ia refに、パラメータ変動
を含めた外乱力を補償するために必要な電流Icmp を加
算した駆動電流Iを、リニアモータ10および外乱オブ
ザーバ17における第1ブロック17aに供給するもの
である。上記加算器18は、例えば図8に示すように、
OPアンプを用いた反転加算増幅回路に、反転増幅回路
を接続して構成することができるものである。
【0098】なお、上記第3ブロック17fと加算器1
8との間に、必要に応じてLPF(ローパスフィルタ)
20を付加してもよい。このようなLPF20によっ
て、後述するように外乱オブザーバ17の帯域を制限す
ることが必要に応じて可能となる。
【0099】上記LPF20としては、例えば図9に示
すように、OPアンプによるボルテージフォロアの入力
に抵抗とコンデンサからなる1次のローパスフィルタを
接続して構成することもできる。しかしながら、先の図
7にて示したように、第3ブロック17fにおいて、反
転増幅回路の2段目のフィードバック抵抗Rf に破線で
示すようにコンデンサCf を並列に接続して、このLP
F20にLPFの特性を含ませてもよい。この場合、図
9の回路は不要となる。
【0100】次に、上記第1実施例の動作原理を確認す
るため、各部の変数に注目して以下の(1)〜(4)の
式を立てる。 Fdis ’=Kfn・I−(Mn /B)・Bs2 ・x …(1) I =Ia ref +Icmp …(2) Icmp =(1/Kfn )・Fdis ’ …(3) x =〔1/(M・s2 )〕×(Kf ・I−Fdis ) …(4) (1)式を(3)式に代入して、 Icmp =I−(Mn /Kfn)・s2 ・x …(5) (4)式を(5)式に代入して、 Icmp =I−〔(Kf ・Mn )/(Kfn・M)〕・I +〔Mn /(Kfn・M)〕・Fdis …(6) (6)式を(2)式に代入して整理すると I=〔(Kfn/Mn )/(Kf /M)〕・Ia ref +(1/Kf )・Fdis …(7) (7)式を(4)式に代入すると x=〔Kf /(M・s2 ・Kf )〕・Fdis −〔1/(M・s2 )〕・Fdis +〔Kf /(M・s2 )〕×〔(Kfn/Mn )/(Kf /M)〕・Ia ref =〔(Kfn/(Mn ・s2 )〕・Ia ref …(8) この(8)式から示されるように、外部からの駆動電流
基準値Ia ref に対するリニアモータ10の変位xは完
全に推力定数とモータ可動部10aの質量のノミナル値
であるKfnとMn とにより明らかに規定され、実物のリ
ニアモータ10が有するパラメータKf やMは無関係と
なる。
【0101】これは、言い換えれば実物のパラメータ変
動の影響を全く受けないことを示している。これによ
り、ベアリング部6やFPC基板11のバネ性等の影響
は抑圧されることになる。
【0102】例えば、リニアモータ10が実際にはバネ
・マス系の特性を有している場合を想定して、先の
(4)式を次の(4)’式と入れ換えて計算しても同様
の結果が得られ、最終的には等価的に生じる粘性やバネ
性による悪影響は抑圧されて現れない。
【0103】 x=〔1/(M・s2 +D・s+K)〕×(Kf ・I−Fdis ) …(4)’ D :ベアリング部6やFPC基板11等にて生じる
等価的な粘性定数 K :ベアリング部6やFPC基板11等にて生じる
等価的なバネ定数 また、(8)式には外乱力Fdis の関与する項はなく、
振動・衝撃や非線形性などを含め一切の外乱の影響も受
けないことも前記(8)式は示している。
【0104】第1実施例において設けられた外乱オブザ
ーバ17では、加速度センサー16aを用いたが、上記
加速度センサー16aとしては、加速度の大きさに伴っ
て機械的に変形、つまり歪みの度合いを電気信号に変換
して出力するものであればよい。
【0105】加速度センサー16aの構造としては、例
えば図10に示すように、厚さ 0.2mm程度で数mm長の略
長方形板状の圧電素子21の小片を用い、上記圧電素子
21を支持する略長方形板状の支持手段であるサポータ
22が、その一面上に上記圧電素子21の長手方向一端
部が取り付けられて設けられている。上記圧電素子21
は上記サポータ22に対してほぼ垂直となるように支持
されている。
【0106】上記サポータ22の他面には、上記圧電素
子21の両端面にそれぞれ形成された電極面にそれぞれ
接続された一対の端子23がそれぞれ設けられている。
また、圧電素子21を保護するためのパッケージ24が
上記圧電素子21を覆うようにサポータ22に取り付け
られている。
【0107】上記加速度センサー16aは、その圧電素
子21の厚さ方向がモータ可動部10aの移動方向に沿
うように上記モータ可動部10aに取り付けられてい
る。また、このように上記加速度センサー16aは、小
片である圧電素子21を用いたことによりモータ可動部
10aの加速度を機械的に検出でき、かつ小型・軽量な
ものとすることができる。
【0108】このような加速度センサー16aは、加わ
った加速度により圧電素子21に生じる機械的な歪みを
電気信号に変換して出力するものであるが、先に図32
および図33にて示した速度センサーのようにモータ可
動部とモータ固定部との双方に設けた部品や素子を組み
合わせる必要がなく、それ単独にてセンサーとして作動
する。
【0109】そのため、加速度センサー16aでは、速
度センサーのようにモータ可動部とモータ固定部との双
方に設けた部品や素子の位置決めの精度についての考慮
は不要であり、機械系設計の自由度が増す他、小型・軽
量であるから、上記加速度センサー16aを取り付ける
ことによるモータ可動部10aの不要な共振モード発生
の危険も軽減できる。
【0110】次に、既に述べたように、速度センサーを
用いた場合と比べて、ノイズの点で本発明の加速度セン
サー16aを用いた外乱オブザーバ17は有利である
が、その理由について図11および図12を主に用いて
以下に説明する。
【0111】まず、速度センサーを用いた外乱オブザー
バーを有するモータ制御装置に対して上記速度センサー
にて生じるノイズnの影響を加わった場合のブロック図
を、図11に示す。なお、速度センサーは感度Cを有す
る1階微分素子として考え、その後に帯域gまでの近似
微分器を設けて加速度に変換している。
【0112】図11において外部からの駆動電流基準値
a ref =0、外乱力Fdis =0として、gより低い帯
域(s<g)におけるnからxまでの伝達特性を求める
と、〔g/(s+g)〕≒1、〔s/(s+g)〕≒
(s/g)であることに注意すれば、 I=Kfn・(1/Kfn)・I −(s/g)・(g・Mn /C)・(1/Kfn)・C・s・x +(s/g)・(g・Mn /C)・(1/Kfn)・n …(9) であるから、 x=〔1/(C・s)〕・n …(10) となる。しかしながら、このときの駆動電流Iは、先の
(4)式で外乱力Fdis=0として得られる次の(11)
式と、上記の(10)式とを用いると、(12)式のように
求められる。
【0113】 x=〔Kf /(M・s2 )〕・I …(11) ∴ I=〔M・s/(Kf ・C)〕・n …(12) (12)式において、ラプラス演算子sが角周波数を表す
ことに留意すれば、ノイズnによる駆動電流Iは周波数
に比例して増大することになり、ドライバあるいはリニ
アモータにおける無駄な電力消費や発熱あるいは振動や
騒音等を招く。
【0114】一方、図3に示したブロック図に対して、
加速度センサーユニット16のノイズnが加わった場合
のブロック図を図12に示す。同様にnからxまでの伝
達特性を求めると、 I=Kfn・(1/Kfn)・I −(Mn /B)・(1/Kfn)・B・s2 ・x +(Mn /B)・(1/Kfn)・n …(13) であるから、 x=〔1/(B・s2 )〕・n …(14) となる。このときの駆動電流Iは、先の(11)式と(1
4)式とより(15)式のように求められる。
【0115】 ∴ I=〔M/(Kf ・B)〕・n …(15) (15)式には角周波数に関する項は含まれておらず、本
願発明の外乱オブザーバは速度センサーを用いる外乱オ
ブザーバよりノイズnの高周波成分による影響が遙に少
ないことが判る。
【0116】さらに、図11にて示される速度センサー
を用いる外乱オブザーバでは、ゲイン項として微分操作
が行われる帯域の上限値gが掛かった(g・Mn /C)
の増幅度を有するブロックが必要である。
【0117】前述したように、上記のgを高めるほどこ
のブロックの増幅度は大きなものが要求され、実現が困
難であったが、加速度センサー16aを用いた外乱オブ
ザーバ17では、gの掛かった増幅度の大きなブロッ
ク、つまり増幅度の大きな電気回路を必要としないの
で、より実現が容易となる。
【0118】なお、加速度センサー16aを用いる本発
明の外乱オブザーバ17では、加速度センサーユニット
16や回路のノイズnに対して鈍感であり影響を受け難
いが、よりノイズnの影響を少なくしたい場合など必要
であれば,図3や図12に破線で示したようにLPF2
0を第3ブロック17fと加算器18との間に挿入し、
帯域制限を行ってもよい。
【0119】〔第2実施例〕次に、本発明の他の実施例
を第2実施例として図13ないし図16に基づき説明す
る。なお、上記第1実施例と同様の機能を有する各部材
に対しては、同一の部材番号を付与してそれらの説明を
省いた。
【0120】情報記録再生装置のモータ制御装置では、
上記第1実施例における加速度センサー16aに代え
て、図13に示すように、上記加速度センサー16aと
同様の機能を有する2個の第1加速度センサー31aお
よび第2加速度センサー32aが設けられている。
【0121】また、第1実施例と同様、これら第1加速
度センサー31aおよび第2加速度センサー32aに
も、第1バッファアンプ31bおよび第2バッファアン
プ32bがそれぞれ設けられている。これら第1バッフ
ァアンプ31bおよび第2バッファアンプ32bは、例
えば先の図2に示した回路で実現できるものである。
【0122】第1加速度センサー31aおよび第1バッ
ファアンプ31bはリニアモータ10のモータ可動部1
0aに取り付けられる一方、第2加速度センサー32a
および第2バッファアンプ32bはモータ固定部10b
の取り付けられているシャーシ2に取り付けられてい
る。
【0123】そして、第1加速度センサー31aの第1
バッファアンプ31b、および第2加速度センサー32
aの第2バッファアンプ32bの各出力がそれぞれ入力
され、上記各出力の差を算出して出力する減算器33が
設けられている。上記減算器33の出力が加速度信号V
a として外乱オブザーバ17に入力される。
【0124】したがって、第1加速度センサー31aお
よび第2加速度センサー32aは、それらの第1バッフ
ァアンプ31bおよび第2バッファアンプ32bの各出
力が、モータ可動部10aと、モータ固定部10bの取
り付けられたシャーシ2との双方に同一方向の加速度が
加わったときに上記減算器33にて互いに打ち消される
ようにそれぞれ取り付けられている。
【0125】あるいは、第1バッファアンプ31bおよ
び第2バッファアンプ32bの各出力が、モータ可動部
10aと、モータ固定部10bの取り付けられたシャー
シ2との双方に同一方向の加速度が加わったときに上記
減算器33にて互いに打ち消される極性となるように接
続されている。
【0126】ところで、各種のモータを用いる装置にお
いては、モータの動きの制御は絶対的なものが求められ
るのでなく、上記装置におけるいずれかの部位に対する
相対的なものが求められる。
【0127】すなわち、図1に示すスピンドルモータ3
の上で回転する光ディスク1の上にあるトラック1a
は、シャーシ2に対して変位する。したがって、レーザ
光4aをトラック1aに正確に追従させるためには、リ
ニアモータ10は、モータ可動部10aに取り付けられ
た光ピックアップ4を、モータ固定部10bが固定され
たシャーシ2に対する相対的な移動を示す相対的な加速
度に基づいて制御するように設定される必要がある。
【0128】そこで、第2実施例の構成によれば、モー
タ可動部10aと、モータ固定部10bが固定されたシ
ャーシ2とに生じた各加速度の差を検出するようになっ
ているので、モータ可動部10aの動きによるモータ固
定部10bへの反作用が無視できない場合においても、
その反作用の加速度を含めたモータ可動部10aにおけ
るモータ固定部10bに対する相対的な加速度を検出し
て、レーザ光4aをトラック1aに正確に追従させるこ
とができ、リニアモータ10のより正確な制御が可能と
なる。
【0129】また、シャーシ2に対して外部から加速度
αD の振動や衝撃が加わったとき、リニアモータ10の
ベアリング部6の滑りが非常に良好な場合には、図14
に示すように、モータ可動部10aでの検出加速度α1
=0、モータ固定部10bでの検出加速度α2 =αD
なることも考えられる。
【0130】つまり、モータ可動部10aにのみ加速度
センサー16aを設けた第1実施例の場合では、上記加
速度センサー16aにおける検出加速度は0となって、
外乱オブザーバ17は上記振動や衝撃を抑圧しないこと
がある。
【0131】しかし、第2実施例の構成では、第1加速
度センサー31aおよび第2加速度センサー32aをモ
ータ可動部10aとモータ固定部10bとの双方にそれ
ぞれ設けたことから、相対的な加速度(α1 −α2 =−
αD )を検出することができる。
【0132】このことから、上記構成では、外部からの
駆動電圧基準値Va ref (あるいはIa ref )によらな
い上記の振動や衝撃等の動きに対して外乱オブザーバ1
7は相対的な加速度が0となるようにモータ可動部10
aを駆動制御し、結果的に上記の振動や衝撃等の動き等
の悪影響を抑圧できるようになっている。
【0133】なお、図13においては、相対的な加速度
を検出するため、第1加速度センサー31aの第1バッ
ファアンプ31b、および第2加速度センサー32aの
第2バッファアンプ32bの各出力の差を、減算器33
を用いて算出しているが、上記減算器33を用いずに、
図15に示すように、第1加速度センサー31aおよび
第2加速度センサー32aの各出力を逆直列に接続し、
その出力にバッファアンプ41を設けてもよい。
【0134】また、図16に示すように、上記各出力を
逆並列に接続し、その出力にバッファアンプ42を設け
てもよい。なお、上記各バッファアンプ41・42とし
ては、先に図2にて示したバッファアンプ16bと同等
のものを用いることが可能である。
【0135】ただし、第1加速度センサー31aと第2
加速度センサー32aとに付した+−の符号は、両方の
センサー31a・32aに同一方向の加速度を加えたと
きに発生する電圧あるいは電流の極性を示している。
【0136】〔第3実施例〕次に、本発明のさらに他の
実施例を第3実施例として図17に基づいて説明する。
なお、上記第1および第2実施例と同様の機能を有する
各部材に対しては、同一の部材番号を付与してそれらの
説明を省いた。
【0137】第3実施例の構成は、本発明の第2実施例
のモータ制御装置を、情報記録再生装置としての磁気デ
ィスク装置のスイングモータに適用したものである。図
17に示すように、図示しないスピンドルモータにより
回転駆動される磁気ディスク(ディスク状記録媒体)3
4上の半径方向への位置決めを、ヘッド35をスイング
アーム36によって回転軸37を中心に回動させること
で行っている。
【0138】スイングアーム36の駆動には、これに取
り付けられた駆動コイル38に通電することにより、シ
ャーシ2に取り付けられた永久磁石39との間で発生す
る電磁力を利用したスイングモータと呼ばれる機構が用
いられている。
【0139】スイングモータの可動部であるスイングア
ーム36に第1加速度センサー31aが、固定部である
シャーシ2に第2加速度センサー32aがそれぞれ取り
付けられており、それぞれの出力は先の第2実施例と同
様に、バッファアンプ31b・32bにてバッファ(緩
衝増幅)され、減算器33にて上記各出力の差を求めた
後に外乱オブザーバ17に入力される。
【0140】ただし、加速度センサー31a・32aの
バッファアンプ31b・32bの各出力の少なくともど
ちらか一方はアンプやアッテネータ等からなるゲイン調
整器40を通してから減算器33に入力される。これに
より、後述するように正確な相対加速度が求められる。
【0141】スイングモータは、回動型のモータである
が、この磁気ディスク装置のように回転角が限定されて
いる場合には、その回転角の範囲内でほぼ直動型のリニ
アモータと同様の動作を行うものと考えることができ
る。したがって、前述した各加速度センサー16a・3
1a・32aを用いた外乱オブザーバ17を第3実施例
の構成に適用することが可能となる。
【0142】しかしながら、回動型のスイングモータに
おいては、モータ可動部となるスイングアーム36の回
転軸37に対するバランスのズレの程度によって、スイ
ングアーム36のシャーシ2に対する反作用や、外部か
らの振動・衝撃によるスイングアーム36のシャーシ2
に対する相対加速度が異なる場合がある。
【0143】そのような場合に対処するため、第3実施
例の構成では、ゲイン調整器40を設けており、ゲイン
調整器40によって正確な相対加速度が求められるよう
になっている。また、ゲイン調整器40を設けたことに
より、第1加速度センサー31aと第2加速度センサー
32aとが同一の規格のものである必要がなくなる。
【0144】このことから、スイングアーム36に取り
付けられた第1加速度センサー31aに対してより小型
なものを用いることができる。したがって、上記スイン
グアーム36の慣性質量を軽減して、上記スイングアー
ム36の動作をより円滑化できる。
【0145】また、第1加速度センサー31aの第1バ
ッファアンプ31bは、図17のように、必ずしもスイ
ングアーム36上に取り付ける必要がなく、固定部であ
るシャーシ2上に取り付けても構わない。このとき、ス
イングアーム36の慣性質量をさらに軽減することがで
きる。
【0146】〔第4実施例〕本発明の第4実施例につい
て、以下、図18ないし図23を参照して説明する。な
お、本第4実施例において、前記各第1〜第3実施例と
同一の機能を有する部材については、各第1〜第3実施
例と同一の部材番号を付与して、その説明を省いた。
【0147】本発明の第4実施例のモータ制御装置で
は、光ディスク装置のリニアモータ10等のモータ機構
の制御に際して、外乱オブザーバ17と加速度センサー
16aとを組み合わせる場合に、加速度センサー16a
を含む加速度センサー系に起因する低域遮断特性によっ
て外乱オブザーバ17がモータ機構を、過敏に、かつ、
過大に駆動することを防ぎ、モータ機構自体やそれによ
り移動させられる光ピックアップ、あるいはヘッドの損
傷を防止できるようになっている。
【0148】まず、前記の第1〜第3実施例にて説明し
たように、外乱オブザーバ17は、モータ機構のパラメ
ータ、すなわち、特性をノミナル値に固定することがで
きる上、外乱の影響も抑圧できるものである。
【0149】さらに、外乱オブザーバ17をリニアモー
タ10や回動範囲の限られた磁気ディスク装置の回動型
モータのスイングアーム36に適用する場合、前述の各
第1〜第3実施例においては圧電素子による加速度セン
サー16a・31a・32aと組み合わせることで、従
来回転型モータの制御における速度センサーとの組み合
わせに比べてメリットが得られることを示している。そ
の中で、特に以下の点は重要である。
【0150】a.微分器を省けるため、高域のノイズの
影響が小さく、外乱オブザーバの高域側の制御帯域を拡
大しやすい。この帯域拡大に際して微分器に要求される
高いゲインのアンプが不要であり、回路の実現も容易で
ある。
【0151】b.センサーが小型・軽量であるので、取
り付け方の制約が少ない。また、モータ周辺のサイズを
小型化できる。
【0152】ところで、加速度センサー16a等と組み
合わせた外乱オブザーバ17は、上記のように、リニア
モータ等の制御に好適であり、制御帯域も高域まで延ば
しやすい。しかしながら、逆に、低域、つまり、低周波
数側へ制御帯域を拡大するためには、加速度センサー1
6a等を使用する際には回避し難い低域遮断特性に注意
を払う必要がある。
【0153】通常、加速度センサー16a等は圧電素子
の小片に加速度(或いは、これにより生じる力)が加わ
り、機械的な歪みが生じた時、圧電素子に発生する電荷
Qを利用して加速度を検出する。この電荷は、圧電素子
自体の静電容量Cに応じて、電圧V=Q/Cとして現れ
る。
【0154】圧電素子21を用いた加速度センサー16
aはインピーダンスが極めて高く、この電圧信号をその
まま配線で引き回すことは難しいので、通常は、図18
や図19に示すように、FET、あるいはOPアンプA
によるバッファアンプ16bをセンサーの近くに配置し
て、低インピーダンスの信号に変換する。図18および
図19の抵抗Ri は、FETやOPアンプのバイアス電
圧・電流の経路として働く。
【0155】このように、バッファアンプ16bを設け
たときの加速度センサー16aの等価回路は図20のよ
うに示される。コンデンサCは圧電素子の静電容量、抵
抗Rはセンサーたる圧電素子自体の漏れ(絶縁)抵抗
と、FETやOPアンプによるバッファアンプの入力抵
抗との並列合成抵抗値である。もっとも、圧電素子21
自体の漏れ抵抗や、バッファアンプ16bのFETやO
Pアンプ単体の入力抵抗は、共に109 〔Ω〕〜1012
〔Ω〕オーダーと極めて高いため、Rはバッファアンプ
16bの入力に設ける抵抗Ri とほぼ等しくなることが
多い。
【0156】Qは加速度により圧電素子に発生する電荷
であって、圧電素子の静電容量Cの両端に発生すると考
える。VS はCとRからなる回路網の両端の電圧であ
る。出力側の電圧源Va は、このVS がバッファアンプ
16bでインピーダンス変換され出力されるときの電圧
を表わしている。
【0157】なお、バッファアンプ16bが、先の図1
9で示したOPアンプのボルテージフォロワであれば、
バッファアンプ16bの増幅度は1であるから、このV
a =VS であり、また極性も等しいが、バッファアンプ
16bが図18で示したFETのソース接地アンプによ
るものである場合には、バッファアンプ16bの増幅度
は普通1とはならず、Va ≠VS であり、Va の極性も
S とは反転する。
【0158】さて、図20の等価回路の周波数特性を考
えるため、ステップ状の加速度αが加速度センサー16
aに加わり、電荷Q0 が圧電素子の両端に発生した場合
を想定する。CとRの両端の電圧VS は電圧V0 (=Q
0 /C)を初期値として時刻tの経過に伴い、 VS =V0 ・exp(−t/RC) …(9) のように変化する。これは、1次の不完全微分特性を示
しており、加速度αから電圧VS への伝達特性をラプラ
ス変換した伝達関数で表現すれば、 (VS /α)=s/(s+ωc ) …(10) 但し、ωc =1/(RC) と、角周波数ωc 以下を遮断する低域遮断特性、或い
は、ハイパスフィルタの特性を有することになる。
【0159】言い換えれば、圧電素子21を用いる加速
度センサー16aでは、その静電容量Cとバッファアン
プ16bの入力抵抗等で定まる抵抗Rから求まる低域遮
断角周波数ωc (或いは、これを2πで除した低域遮断
周波数、以下同様。)以下の加速度成分は検出できな
い。
【0160】ところで、外乱オブザーバ17のブロック
図である先の図3を再度見ると、推力定数のノミナル値
fnのゲインを有するブロック(アンプ)17aはその
まま比較器17eに接続されている。また、加速度を検
出する加速度センサーユニット16は、圧電素子の加速
度センサー16aとバッファアンプ16bとから構成さ
れている。
【0161】そのため、加速度センサーユニット16か
らブロック(アンプ)17b・17cを経て比較器17
eに至る経路(第2経路)には、図21に示すように、
上記の加速度センサー16aとバッファアンプ16bと
に起因する必然的かつ不可分な低域遮断特性、すなわ
ち、ハイパスフィルタ特性を有するブロック16cが実
際には存在することになる。
【0162】ここで、外部からの駆動電流基準値Ia
ref として、上記の低域遮断角周波数ωc より低い周波
数成分、例えば直流成分が与えられた場合を想定する。
簡単のため、初期条件として補償電流Icmp =0とすれ
ば、リニアモータの駆動電流の実際値I=Ia ref であ
り、第1ブロック17aの出力にはF2 =Kfn・Iが現
れる。
【0163】ところが、駆動電流Iの直流成分によるリ
ニアモータ10の動きの直流成分を加速度センサーユニ
ット16は検出できず、第2ブロック17dの出力F1
は0である。そのため、比較器17eの出力には
dis ’=F2 −F1 ≠0が現れ、直流成分の補償電流
cmp が生成される。これは加算器18によってIa
ref に加えられ、リニアモータ10および外乱オブザー
バ17に駆動電流Iとして再度与えられる。
【0164】しかし、この補償電流Icmp により増強さ
れた駆動電流Iはやはり直流成分であり、第1ブロック
17aの出力F2 はこれに従い増大するものの、加速度
センサーユニット16はリニアモータ10の動きの直流
成分を依然検出できず、第2ブロック17dの出力F1
は0のままである。すると、比較器17eの出力
di s ’=F2 −F1 はさらに増大し、フィードバック
される補償電流Icmp も増大することになる。
【0165】このようなことを繰り返すうちに、外乱オ
ブザーバの第1ブロック17a、第3ブロック17fお
よび加算器18からなる経路は、例えばそれを構成する
OPアンプ等の電子回路の出力し得る最大電圧・電流の
振幅一杯で飽和する。リニアモータ10には、その飽和
した最大振幅に相当する電流が加え続けられるので、機
械的な可動範囲一杯まで駆動され、ついには駆動範囲の
端に激突することがある。
【0166】このような現象は、外乱オブザーバ17の
動作原理を、駆動電流Iから求めたF2 と加速度センサ
ーユニット16の出力から求めたF1 とが等しくなるよ
うに、補償電流Icmp をもってリニアモータ10を駆動
しようとするものである、と考えれば容易に納得でき
る。外乱オブザーバ17は、この場合、加速度センサー
ユニット16からそれ相応の直流成分の加速度信号が送
られてくるまで、リニアモータ10を駆動し続け、つい
には激突させてしまう。
【0167】駆動電流基準値Ia ref が直流成分でな
く、交流成分であったとしても、その周波数が加速度セ
ンサーユニット16の低域遮断周波数より低ければ、類
似の現象が生じる。もっともこの場合、外乱オブザーバ
17の上記経路が飽和する前に、Ia ref の極性が反転
すればリニアモータ10の激突は回避できる可能性もあ
るが、加速度センサーユニット16がリニアモータ10
の動きを充分検出できない以上、外乱オブザーバ17は
その周波数成分の加速度信号が充分送られてくるまで、
リニアモータ10を過大な振幅で駆動する。
【0168】ここまでは、駆動電流基準値Ia ref が引
き金となって問題が生じる場合を説明したが、振動や衝
撃が外乱力Fdis として加わったり、あるいは回路や加
速度センサーユニット16のノイズが存在する場合でも
やはり同様な問題が生じる。
【0169】原因によらず、加速度センサーユニット1
6の低域遮断周波数より低い周波数成分の信号がF1
るいはF2 に現れて両者の差Fdis ’≠0となりさえす
れば、後はこれに基づく補償電流Icmp が発生し、それ
により生じるF1 とF2 とにまたさらに差が生じ、この
差に基づいたIcmp が生成されて……という繰り返しの
結果、リニアモータ10は異常な振幅で駆動されること
になる。
【0170】以上のような外乱オブザーバ17がリニア
モータ10を過大に駆動する現象は、リニアモータ10
の激突や過大な振動を招き、リニアモータ10自体、或
いは、これにより移動させられる光ピックアップ4の損
傷などの問題を引き起こすおそれがある。
【0171】そこで、上記問題を回避するために、本発
明に係る第4実施例の情報記録再生装置のモータ制御装
置では、図22に示すように、外乱オブザーバ17内に
おいて、駆動電流Iの入力側から比較器17eまでの経
路(第1経路)上となる第1ブロック17aと比較器1
7eとの間にハイパスフィルタ17gが設けられてい
る。
【0172】ハイパスフィルタ17gは、低域遮断角周
波数ωF を有するハイパスフィルタであり、ωF は加速
度センサー16aとバッファアンプ16bの入力抵抗と
で定まる後述の低域遮断角周波数ωC とほぼ等しくなる
ように設定されている。また、ハイパスフィルタ17g
におけるωF より高い角周波数におけるゲインは1とす
る。ハイパスフィルタ17gは、例えば図23のよう
に、OPアンプを用いた反転増幅回路を2段接続し、そ
の入力にコンデンサを接続して構成できるものである。
【0173】図22に示すように、圧電素子を用いた加
速度センサー16aとバッファアンプ16bとからなる
加速度センサーユニット16は、これらを総合して感度
Bを有するものであり、上記両者16a・16bの組み
合わせで生じる低域遮断特性(ハイパスフィルタ特性)
を有する第4ブロック16cを備えるものとして想定さ
れるものである。
【0174】第4ブロック16cは、低域遮断角周波数
ωC を有する低域遮断特性をハイパスフィルタの伝達関
数{s/(s+ωC )}として表したものである。上記
の低域遮断角周波数ωC とは、上記バッファアンプ16
bの入力抵抗と加速度センサー16aの静電容量とで定
まるものである。
【0175】次に、上記ハイパスフィルタ17gの効
果、およびその低域遮断角周波数ωFと、加速度センサ
ーユニット16とで生じる低域遮断角周波数ωC との関
係について説明する。
【0176】まず、ωF がωC に比べて大幅に低い場合
を考える。駆動電流基準値Ia refに基づきリニアモー
タ10と外乱オブザーバ17に駆動電流Iが与えられ
る。これにより、第1ブロック17aの出力にはそのゲ
インKfnと駆動電流Iとの積であるF2 =Kfn・Iが現
れ、ハイパスフィルタ17gは、そのωF 以上の周波数
成分を通過させて比較器17eに与える。
【0177】一方、駆動電流Iによるリニアモータ10
の動きは加速度センサー16aにて検出されるが、加速
度センサー16aとバッファアンプ16bとで定まるω
C 以下の周波数成分は検出できず、これから求められる
ブロック17dの出力F1 にも、ωC 以下の成分は含ま
れない。
【0178】すでに前述した通り、外乱オブザーバ17
は駆動電流Iから求めたF2 と加速度センサー16aの
出力から求めたF1 とが等しくなるようにリニアモータ
10を駆動するので、リニアモータ10はωC 以下の周
波数成分で過大に駆動され、衝突などの危険性がある。
【0179】あるいは、これは、駆動電流基準値Ia
ref のうち、ωC 以下の周波数成分に対して過敏に応答
すると言うことであるから、リニアモータ10をサーボ
制御系の要素として見た場合、ωC 以下でその伝達関数
ゲインが急激に上昇すると考えることもできる。機械的
な共振特性と同様、伝達特性の急変はサーボ制御系の設
計や安定性の上から好ましいものではない。
【0180】さて、今度は逆に、ハイパスフィルタ17
gの低域遮断角周波数ωF が加速度センサー16aとバ
ッファアンプ16bとで定まる低域遮断角周波数ωC
り大幅に高い場合を考える。同じ駆動電流基準値Ia
ref 、および、それに基づく駆動電流Iが与えられたと
しても、駆動電流から求めたF2 にはωF 以下の周波数
成分が存在しないが、加速度センサーの出力から求めた
1 には、それより低いωC の周波数成分まで存在す
る。
【0181】これらF1 とF2 とが等しくなるようリニ
アモータ10を駆動する、という外乱オブザーバ17の
動作を顧みれば、このときリニアモータ10の動きはω
F 以下の周波数において抑圧されることになる。事実、
比較器17eの出力Fdis '(=F2 −F1 )はマイナ
スとなり、これが最終的にブレーキを掛ける補償電流と
なってリニアモータ10に与えられる。
【0182】この場合は、先程の場合と異なり、リニア
モータ10が過大に駆動される危険性はないものの、リ
ニアモータ10をサーボ制御系の要素として同様に見る
と、この場合には、ωF 以下の周波数でリニアモータ1
0の伝達関数ゲインが急激に低下することになり、やは
り、サーボ制御系の設計上、あるいは安定性の上から好
ましくない。
【0183】前記のハイパスフィルタ17gを省いた場
合、外乱オブザーバ17がリニアモータ10を過大に駆
動してしまう危険性については既に述べた。また、ハイ
パスフィルタ17gを有しても、その低域遮断角周波数
ωF が加速度センサー16aとバッファアンプ16bと
で定まる低域遮断角周波数ωC と大きく離れていては、
上記のように問題が生じ無意味である。
【0184】しかし、これらは余り厳密に合わせる必要
はなく、ωF はωC を基準としておよそプラスマイナス
20%以下、最大でもプラスマイナス50%以下程度に
収まっていれば、実際上は充分である。
【0185】なお、上記の第4実施例の構成を、前記の
第2実施例および第3実施例の構成に適用することも可
能である。
【0186】
【発明の効果】本発明の請求項1、3および4記載の情
報記録再生装置のモータ制御装置は、以上のように、モ
ータによってディスク状記録媒体の記録面に沿って移動
して情報を読み出す再生手段の加速度を検出する加速度
検出手段が設けられ、上記モータの駆動電流と上記加速
度検出手段からの加速度信号とから、上記モータに加わ
る外乱力や特性変動を補償する補償信号を生成し、上記
補償信号に基づき、上記モータの駆動電流を補正する補
正手段が設けられている構成である。
【0187】それゆえ、上記構成は、再生手段の加速度
を加速度検出手段によって直接検出するので、従来のよ
うに外乱オブザーバにて微分操作を省くことができる。
よって、従来のような速度センサーや周辺回路からのノ
イズの影響を軽減できる。
【0188】さらに、上記の微分操作を省くことができ
るので、微分操作の行われる帯域に比例した高いゲイン
のアンプも不要であり、回路の実現も容易とすることが
できる。
【0189】これにより、上記構成は、加速度検出手段
を設けたことにより、上記補正手段を、上記のノイズの
影響を受け難く、また、特別に大きな増幅度を有するア
ンプを要しない、実現性に優れたものとすることができ
る。
【0190】この結果、上記構成は、モータの伝達特性
における広い周波数帯域にわたって、モータの特性歪み
やパラメータ変動、あるいは外部からの振動や衝撃等の
影響を抑圧できるという優れた特性を簡便に得ることが
できるという効果を奏する。
【0191】請求項2記載の情報記録再生装置のモータ
制御装置は、さらに、加速度検出手段は、上記モータに
おける上記再生手段と一体的に移動する可動部と、上記
モータの固定部との相対加速度を検出する構成である。
【0192】それゆえ、上記構成は、加速度検出手段が
相対的な加速度を検出するので、モータを駆動するとき
に、モータの可動部に対してモータの固定部が受ける反
作用や、あるいは振動・衝撃等が加わったときのモータ
の固定部に対する可動部の加速度を正確に検出できる。
【0193】これにより、可動部と一体的に移動する再
生手段をディスク状記録媒体に対してより正確に移動さ
せることができて、上記再生手段の動作特性を向上させ
ることができるという効果を奏する。
【0194】請求項5記載の情報記録再生装置のモータ
制御装置は、さらに、加速度検出手段は、加速度により
変形して上記変形量を電気量に変換する圧電素子を有す
る構成である。
【0195】それゆえ、上記構成は、モータの可動部に
のみ圧電素子を取り付けて加速度検出手段とすることが
でき、また、圧電素子を小型、軽量とすることが容易に
できて、上記加速度検出手段を小型、軽量化できる。
【0196】これにより、上記構成は、従来のようにモ
ータの可動部と固定部との双方に検出手段の各部品をそ
れぞれ取り付けて速度や変位を検出する場合と比べて、
上記圧電素子の取り付け位置や取り付け精度に関する制
限が大幅に緩和できるので、取り付けの手間を軽減で
き、かつ、モータの設計自由度が増す他、上記圧電素子
の取り付けによる共振モード等の発生を軽減できる。
【0197】この結果、上記構成は、上記制限の緩和や
手間の軽減によってコストダウンを図ることができ、そ
の上、共振モード等の発生の軽減によってモータにより
移動する再生手段の動作特性を向上できるという効果を
奏する。
【0198】請求項6記載の情報記録再生装置のモータ
制御装置は、モータの駆動信号から補償信号の生成まで
の第1経路と、加速度信号から補償信号の生成までの第
2経路とからの各信号によって上記駆動信号を補償する
補償信号を生成する外乱オブザーバに対して、加速度検
出手段が有する低域遮断特性とほぼ等しくなるように設
定された低域遮断特性を有する調整手段が上記第1経路
上に設けられている構成である。
【0199】それゆえ、上記構成では、外部から与えら
れる駆動信号や、振動・衝撃あるいは加速度検出手段や
回路中のノイズ等における前記低域遮断特性以下の信号
により、モータが外乱オブザーバによって過敏あるいは
過大に駆動されることが、上記信号を除去する調整手段
によって防止できるので、モータあるいはそれにより移
動させられる光ピックアップやヘッド等の記録再生手段
を損傷する虞れを回避できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録再生装置のモータ制御装置に
おける第1実施例を示す構成図である。
【図2】上記モータ制御装置における加速度センサー用
のバッファアンプの構成例である。
【図3】上記モータ制御装置における制御機構を示すブ
ロック図である。
【図4】上記制御機構における外乱オブザーバの第1ブ
ロックの電子回路による構成例である。
【図5】上記外乱オブザーバの第2ブロックの電子回路
による構成例である。
【図6】上記外乱オブザーバの比較器の電子回路による
構成例である。
【図7】上記外乱オブザーバの第3ブロックの電子回路
による構成例である。
【図8】上記モータ制御装置における加算器の電子回路
による構成例である。
【図9】上記外乱オブザーバにおけるLPFの電子回路
による構成例である。
【図10】上記モータ制御装置における加速度センサー
の分解斜視図である。
【図11】比較のために示され、ノイズnを有する速度
センサーを用いた外乱オブザーバのブロック図である。
【図12】上記モータ制御装置における加速度センサー
ユニットにノイズnを有する場合のブロック図である。
【図13】本発明の情報記録再生装置のモータ制御装置
における第2実施例を示す構成図である。
【図14】上記モータ制御装置に対して振動や衝撃が加
わったときの説明図である。
【図15】上記モータ制御装置における各加速度センサ
ーユニットの他の接続方法を示す説明図である。
【図16】上記モータ制御装置における各加速度センサ
ーユニットのさらに他の接続方法を示す説明図である。
【図17】本発明の情報記録再生装置のモータ制御装置
における第3実施例を示す構成図である。
【図18】上記加速度センサー用のバッファアンプの構
成図である。
【図19】上記加速度センサー用のバッファアンプの別
の構成図である。
【図20】上記加速度センサーとバッファアンプとを組
合わせたときの等価回路である。
【図21】前記の図3のブロック部を書き換えたブロッ
ク図である。
【図22】本発明の情報記録再生装置のモータ制御装置
における第4実施例を示すブロック図である。
【図23】上記モータ制御装置における外乱オブザーバ
のハイパスフィルタの電子回路による構成例である。
【図24】従来の光ディスク装置の構成図であって、
(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図25】上記光ディスク装置のモータ制御装置におけ
る2段サーボ方式によるトラッキングサーボ系の構成図
である。
【図26】上記トラッキングサーボ系におけるリニアモ
ータとレンズアクチュエータとの各サーボゲインカーブ
を示すグラフである。
【図27】上記リニアモータに特性変動が生じた場合に
おける上記リニアモータのサーボゲインカーブの変動例
を示すグラフである。
【図28】上記リニアモータに特性変動が生じた場合の
2段サーボ方式における上記リニアモータのサーボゲイ
ンカーブの他の変動例を示すグラフである。
【図29】上記リニアモータに感度上昇が生じた場合の
2段サーボ方式における上記リニアモータのサーボゲイ
ンカーブの変動例を示すグラフである。
【図30】回動型のモータを用いた従来の外乱オブザー
バのブロック図である。
【図31】図30に示した外乱オブザーバを等価変換し
て書き直したときのブロック図である。
【図32】上記モータ制御装置に速度センサーを設けた
ときの構成図である。
【図33】上記モータ制御装置に他の速度センサーを設
けたときの構成図である。
【図34】上記モータ制御装置における制御機構を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
1 光ディスク(ディスク状記録媒体) 4 光ピックアップ(再生手段) 10 リニアモータ(モータ) 16 加速度センサーユニット(加速度検出手段) 17 外乱オブザーバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺島 重男 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスク状記録媒体から情報を読み出す再
    生手段が設けられ、上記再生手段を上記ディスク状記録
    媒体の記録面に沿って移動させるモータが設けられてい
    る情報記録再生装置のモータ制御装置において、 上記モータによって移動する上記再生手段の加速度を検
    出する加速度検出手段が設けられ、 上記モータの駆動電流と上記加速度検出手段からの加速
    度信号とから、上記モータに加わる外乱力や特性変動を
    補償する補償信号を生成し、上記補償信号に基づき、上
    記モータの駆動電流を補正する外乱オブザーバが設けら
    れていることを特徴とする情報記録再生装置のモータ制
    御装置。
  2. 【請求項2】加速度検出手段は、上記モータにおける上
    記再生手段と一体的に移動する可動部と、上記モータの
    固定部との相対加速度を検出するものであることを特徴
    とする請求項1記載の情報記録再生装置のモータ制御装
    置。
  3. 【請求項3】モータはリニアモータであることを特徴と
    する請求項1または2記載の情報記録再生装置のモータ
    制御装置。
  4. 【請求項4】モータは回動するスイングモータであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の情報記録再生装
    置のモータ制御装置。
  5. 【請求項5】加速度検出手段は、加速度により機械的に
    変形した変形量を電気量に変換する圧電素子を有するこ
    とを特徴とする請求項1、2、3または4記載の情報記
    録再生装置のモータ制御装置。
  6. 【請求項6】ディスク状記録媒体に情報の記録あるいは
    再生を行うための記録再生手段が上記記録再生手段を制
    御するための制御信号を出力するように設けられ、 上記制御信号に基づいた駆動信号によって上記記録再生
    手段を上記ディスク状記録媒体の記録面に沿って移動さ
    せるモータが設けられ、 上記モータによって移動する記録再生手段の加速度を検
    出する加速度検出手段が設けられ、 上記駆動信号と上記加速度検出手段で検出した加速度信
    号とからモータに加わる外乱力や上記モータの特性変動
    を補償する補償信号を推定し出力する外乱オブザーバ
    が、駆動信号から補償信号の生成までの第1経路と、加
    速度信号から補償信号の生成までの第2経路とを有する
    ように設けられ、 上記外乱オブザーバの補償信号に基づき前記制御信号を
    補正して上記駆動信号を出力する加算手段が設けられ、 前記加速度検出手段が有する低域遮断特性とほぼ等しく
    なるように設定された低域遮断特性を有する調整手段が
    上記第1経路上に設けられていることを特徴とする情報
    記録再生装置のモータ制御装置。
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