JP2002124049A - ディスク装置 - Google Patents

ディスク装置

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JP2002124049A
JP2002124049A JP2000318657A JP2000318657A JP2002124049A JP 2002124049 A JP2002124049 A JP 2002124049A JP 2000318657 A JP2000318657 A JP 2000318657A JP 2000318657 A JP2000318657 A JP 2000318657A JP 2002124049 A JP2002124049 A JP 2002124049A
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JP
Japan
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head
unit
control
auxiliary driving
auxiliary
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Application number
JP2000318657A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Takaso
高祖  洋
Toshio Inaji
稲治  利夫
Hideki Kuwajima
秀樹 桑島
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)
  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク装置のピギーバックアクチュエータ
において、微小駆動アクチュエータを高帯域制御駆動し
て、ヘッドの高速かつ高精度の位置決めを実現する。 【解決手段】 再生ヘッドの再生信号に基づいてヘッド
の現在位置を検出するヘッド位置検出部6−1と、MA
5−2あるいはVCM5−1による移動量を検出等する
相対位置推定演算部6−5と、ヘッドの目標位置と位置
検出部により検出されたヘッドの現在位置との位置誤差
を含む情報に基づいてMA5−2の制御量を演算する補
助駆動手段制御部6−3−2と、相対位置推定演算部6
−5により検出等されたヘッドの移動量を含む情報に基
づいてVCM5−1の制御量を演算する主要駆動手段制
御部6−3−1と、VCM5−1とMA5−2とによる
ヘッド移動量を制御するそれぞれの制御量が相互に干渉
することを防止する非干渉化補償器6−3−1、6−3
−2とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディスク装置に関
し、特に、位置決め機構部であるヘッドアクチュエータ
が、主要駆動手段としての大変位ストローク駆動用アク
チュエータであるボイスコイルモータ(以下、「VC
M」と称する。)と、補助駆動手段としての微小駆動用
アクチュエータであるマイクロアクチュエータ(以下、
「MA」と称する。)とを有してヘッド部の位置決めを
行うディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディアの進展に伴って、
目標位置に高速にアクセスし(ヘッド部の位置決めを行
い)、大容量の映像情報、音声情報、文字情報などを高
速で記録再生する高記録密度の磁気ディスク装置が、市
場から強く要請されている。これに伴い、磁気ヘッドの
高速高精度な位置決め技術が種々提案されている。
【0003】磁気ディスク装置の高記録密度化を実現す
るために、近年の磁気ディスク装置は、磁気抵抗効果を
応用したGMRヘッドからなる再生ヘッドと、誘導型の
インダクティブヘッドからなる記録ヘッドとにより構成
される複合型の磁気ヘッド(ヘッド部)を採用してい
る。
【0004】前記の2種類のヘッドからなる複合型の磁
気ヘッド(ヘッド部)は、同一のスライダ上に装着され
ている。ヘッド部を搭載するスライダは、ヘッド支持機
構部に取り付けられており、前記ヘッド支持機構部は、
シャーシに取り付けられた軸を中心に回転できるように
なっている(ロータリ型のアクチュエータ)。このロー
タリ型のアクチュエータは、慣性の影響を小さくするこ
とができるため、高速アクセスを実現するのに適してい
る。
【0005】磁気ヘッドの高速高精度な位置決めを行う
ために、今後の磁気ディスク装置は、主要駆動手段と補
助駆動手段との2つの駆動手段を有すると予想される。
VCMなどの主要駆動手段は、シャーシに取り付けられ
た軸を中心にヘッド支持機構部を回転させることによ
り、ヘッド支持機構部、ヘッド部およびスライダを動か
す。この主要駆動手段は、主としてシーク/セトリング
や複数のトラックジャンプなどの大移動のために使用さ
れる。補助駆動手段は、ヘッド部またはスライダを駆動
する。この補助駆動手段は、主としてトラック追従や1
トラックジャンプなどの高速で微小な位置決めを行うた
めに使用される。
【0006】再生ヘッドは、磁気ディスク上に記録され
たサーボ情報(ヘッドの現在位置情報)を読みとる。こ
のサーボ情報に基づいて、主要駆動手段および補助駆動
手段を制御することにより、スライダ上に形成されたヘ
ッド部を磁気ディスク上の任意の位置にアクセスさせる
(位置決めする)ことができる。
【0007】主要駆動手段と補助駆動手段とを有する機
構部を、一般にピギーバックアクチュエータと呼ぶ。以
下、ピギーバックアクチュエータの従来例を示す。[従
来例1]図16の従来例1のピギーバックアクチュエー
タは、特開平9−82048号公報に記載されたヘッド
アクチュエータである。
【0008】この図16に示されるピギーバックアクチ
ュエータは、VCM901を駆動手段とする主要駆動用
アクチュエータと、圧電素子902を補助駆動手段とす
る微小駆動用アクチュエータとを有する方式のものであ
り、圧電素子902を機構のほぼ重心位置に配置し、支
持アーム903を微小駆動してヘッド904の微小移動
調整を行えるように構成した機構である。[従来例2]図
17の従来例2のピギーバックアクチュエータは、IEEE
TRANSACTIONS ON MAGNETICS VOL.35 No.2 MARCH 1999
に記載されたヘッドアクチュエータである。
【0009】この図17のピギーバックアクチュエータ
において、同図(a)に示されるマイクロアクチュエー
タ914は、同図(b)に示されるように、ヘッド部9
11およびスライダ912を含む部材と、補助駆動手段
としての圧電素子913を含む部材とが一体に組み立て
られたものである。
【0010】主要駆動手段は、軸915を中心にヘッド
アクチュエータ全体を回転させる。916はヘッド支持
機構部である。圧電素子913は、プッシュプル動作を
することによって、ヘッド部911を搭載するスライダ
912を左右に微小駆動させる。 [従来例3]図18の従来例3のピギーバックアクチュエ
ータは、IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS VOL.32 No.5
SEPTEMBER 1996 に記載されたヘッドアクチュエータ
である。
【0011】この図18のピギーバックアクチュエータ
は、主要駆動手段と補助駆動手段とを有し、この補助駆
動手段は、電磁力を利用したヨーク923と、マグネッ
ト924と、コイル925とを具備する。主要駆動手段
は、軸926を中心にヘッドアクチュエータ全体を回転
させる。927はヘッド支持機構部である。補助駆動手
段は、ステータ・シャフト922を中心とするモーメン
トを与え、ヘッド・サスペンション・アッセンブリ92
1を微小駆動する。 [従来例4]図19の従来例4のピギーバックアクチュエ
ータは、再公表公報WO98/19304に記載された
ヘッドアクチュエータである。
【0012】ここでは、磁気ヘッド931を搭載したス
ライダ932は、ステータプレート937に支持されて
いる。ヘッドサスペンション936は、補助駆動手段で
ある圧電素子934、935と、ステータプレート93
7と、固定されたフレーム938とを含む。ステータプ
レート937は、圧電素子934、935に支持されて
おり、また圧電素子934、935は、ヘッドサスペン
ション936の固定されたフレーム938にひんじ構成
で接続されている。固定されたフレーム938は、キャ
リッジアーム933に固定されている。
【0013】補助駆動手段である圧電素子934、93
5をプッシュプル動作させることにより、ひんじ機構が
駆動され、ステータプレート937が微小駆動される。
これにより、ステータプレート937に支持された磁気
ヘッド931を搭載したスライダ932が微小駆動され
る。 [従来例5]図20の従来例5のピギーバックアクチュエ
ータは、特開平9−231538号公報に記載されたヘ
ッドアクチュエータである。
【0014】ここでは、磁気ディスク装置は、記録再生
素子を有する素子部905と、スライダ906と、スラ
イダ906を支持するヘッド支持機構と、このヘッド支
持機構を揺動駆動制御するロータリーアクチュエータと
で構成されている。素子部905はスライダ906に対
して変位する構成を有し、この変位は、磁気ディスクの
情報記録領域全域に亘って前記記録再生素子の幅方向と
磁気ディスクの径方向とが略一致するような揺動角度を
確保する手段907、908によって付与されるととも
に、素子部905を記録再生素子の幅方向に水平移動を
確保する手段によって付与される。
【0015】ここで、微動アクチュエータ909、91
0は櫛歯型静電アクチュエータを用いるとともに、揺動
角度確保手段907、908は形状記憶アクチュエータ
を用いている。
【0016】次に、以上のようなピギーバックアクチュ
エータを用いて高速かつ高精度の位置決めを行うための
従来の制御方式を示す。 [従来例6]図21は、図16に示した従来例1のディ
スク記録再生装置のピギーバックアクチュエータの制御
方式を示すブロック図である。
【0017】図21において、制御系の入力信号は、図
16のヘッド904についての目標位置に対する位置誤
差を示す位置誤差信号Eである。再生ヘッドは、ディス
クのサーボエリアに予め記録されているサーボデータ
(位置情報)を読み出し、読み出したサーボデータに基
づいて再生ヘッドの現在位置を知り、目標位置との誤差
を計算する。これによって前記位置誤差信号Eが生成さ
れる。この位置誤差信号Eは、補償器941を介して主
要アクチュエータの駆動部942に入力される。
【0018】一方、位置誤差信号Eは、反転アンプ94
5により位相が逆相にされて、ゲイン部943により所
定のゲインKをかけられて、補助アクチュエータの駆動
部944に入力される。
【0019】主要アクチュエータの駆動部942と補助
アクチュエータの駆動部944との各出力の加算結果が
加算部946入力されることに基づいて、ヘッドが目標
位置まで移動制御される。
【0020】従って、主要アクチュエータの駆動部94
2も、補助アクチュエータの駆動部944も、入力され
た位置誤差信号Eに基づいて制御駆動される。 [従来例7]図22は、図17の従来例2のディスク記
録再生装置のピギーバックアクチュエータの制御方式を
示すブロック図である。
【0021】図22において、目標位置と、最終位置で
ある現在位置との差である位置誤差PESは、補助駆動
手段制御部951に入力される。補助駆動手段制御部9
51は、補助駆動手段952を駆動する。補助駆動手段
制御部951の出力信号は、相対移動量推定器953に
入力される。相対移動量推定器953が出力する推定相
対移動量信号は、主要駆動手段制御部954に入力され
る。主要駆動手段制御部954は、主要駆動手段955
を駆動する。 [従来例8」図23は、特開平9−330572号公報
に記載された磁気ディスク装置のヘッド位置決め装置に
おける制御方式を示すブロック図である。
【0022】この位置決め装置は、図23に示すよう
に、記録再生用の複数のヘッド303、323、…、3
n3をキャリッジ302によって一括して移動させる第
1のアクチュエータ301と、ヘッド303、323、
…、3n3を個別に移動させる、ヘッド303、32
3、…、3n3と同数の第2のアクチュエータ(図示せ
ず)と、第1のアクチュエータ301と第2のアクチュ
エータとを協調させて各ヘッド303、323、…、3
n3の位置決めを行う制御部310とを備えている。
【0023】そして、ヘッドの中から選択した一つの基
準ヘッド303から得られる位置情報のみを使用して、
第1のアクチュエータ301によってキャリッジ302
をキャリッジの目標位置へ位置決めし、残りのヘッドか
らの位置情報はキャリッジ302の位置決めに利用しな
い。また、各ヘッドからの位置情報と各ヘッドの目標位
置軌道によって、第2のアクチュエータを制御駆動し
て、目標位置へのヘッドの高速位置決め制御を実現して
いる。 [従来例9]図24は、特開平5−174517号公報
に記載された磁気ディスク装置のアクセスサーボ系にお
ける信号の伝達特性を示すブロック図である。
【0024】この特開平5−174517号公報に示さ
れるサーボ機構は、ディスクのデータを記憶するデータ
面上におけるデータとは空間的または周波数的に異なっ
た領域にサーボ位置情報を記録したサーボ面を有した構
成とされる磁気ディスク装置において、データの読み書
きに使用する磁気ヘッドの位置を、対応するデータ面上
のサーボ位置情報から検出して、この位置情報を第1の
駆動手段であるマイクロアクチュエータのサーボ系にフ
ィードバックして目標位置と比較するとともに、サーボ
面に対応する磁気ヘッドの位置をサーボ面上のサーボ位
置情報から検出して、その位置信号を第2の駆動手段で
あるVCMのサーボ系にフィードバックすることで、目
標トラックに対する追従制御を実現している。
【0025】図24の信号伝達特性を示すブロック図に
おいて、Rは目標値、Y1は第1の駆動手段の変位置、
Y2はサーボ面から検出される第2の駆動手段の変位
量、Yはデータ面から検出される第1および第2の駆動
手段の合成変位量である。G1(S)は第1の駆動手段
および動特性補償要素の伝達関数、G2(S)は第2の
駆動手段および動特性補償要素の伝達関数である。 [従来例10]図25は、特開平5−198111号公
報に記載されたヘッドの位置決め装置における制御方式
を示すブロック図である。
【0026】図25において、ヘッドHと目標トラック
との位置ずれを検出するヘッド位置ずれ検出手段91
と、微動アクチュエータBの変位限界値を記憶する変位
限界値記憶手段92と、位置ずれが変位限界値以内か否
かを判定する微動アクチュエータ制御判定手段93と、
位置ずれが減少するように微動アクチュエータBを駆動
する動的制御手段94と、微動アクチュエータBの変位
量を一定値に制御する一定変位指示手段95と、微動ア
クチュエータBを、位置ずれが変位限界値以内の時には
動的手段94に接続し変位限界値を超えているときは一
定変位指示手段95に接続する微動アクチュエータの制
御切換手段96とを設けた構成である。
【0027】すなわち、目標位置が、微動アクチュエー
タBの変位限界値か否かによって、微動アクチュエータ
Bの移動量および制御駆動方法を切り換えて、ヘッドH
の高精度位置決めを実現している。 [従来例11]図26は、特開平6−231553号公
報に記載された磁気ディスク装置のヘッドの位置決め制
御装置における制御方式を示すブロック図である。
【0028】図26の位置決め制御装置は、データヘッ
ド71を有するアーム72を備えたVCM73を駆動す
る粗位置決め制御系74と、微動アクチュエータ75を
駆動する微小位置決め制御系76との2重サーボ系を持
つ。微小位置決め制御系76は、微動アクチュエータ制
御回路77と、この微動アクチュエータ制御回路77に
並列な、微動アクチュエータ75のフィードフォワード
制御手段78と、出力切換手段81とを有する。フィー
ドフォワード制御手段78は、スピンドル回転同期外乱
データを記憶する外乱データ記憶手段79と、外乱デー
タ記憶手段79に記憶されたデータに応じてフィードフ
ォワード量を演算するフィードフォワード信号発生手段
80とを有する。微動アクチュエータ75は、出力切換
手段81によって、外乱判定モード時に微動アクチュエ
ータ制御回路77で駆動され、制御モード時にフィード
フォワード制御手段78で駆動されるように構成されて
いる。
【0029】すなわち、外乱計測時と制御時とで微動ア
クチュエータ75の制御系を切り換え、微動アクチュエ
ータ75を使用して外乱量を自己計測し、その値を元に
ヘッドを位置決め制御することによって、ヘッドの高精
度位置決めを実現している。 [従来例12]図27は、特開平10−255418号
公報に記載された2重アクチュエータの制御システムに
おける制御方式を示すブロック図である。
【0030】図27の制御システムは、マイクロアクチ
ュエータ61の変位を推定して、粗動アクチュエータ6
2の制御系へ入力することをしないモデルであり、シス
テム設計時に、マイクロアクチュエータ61および粗動
アクチュエータ62の全体の制御系の特性を設計してか
ら粗動アクチュエータ62単独の制御系の特性を設計
し、両特性の差にマイクロアクチュエータ61の逆特性
をかけたものに基づいて、このマイクロアクチュエータ
61の制御系を設計している。
【0031】63はマイクロアクチュエータ61を制御
するための補償器、64は粗動アクチュエータ62を制
御するための補償器、rは目標位置、yはヘッドの観測
位置である。
【0032】この図27の制御システムは、先の従来例
と同様に、アクチュエータの制御が飽和しても粗動アク
チュエータ62のみで動作させる制御システムであると
ともに、粗動アクチュエータ62とマイクロアクチュエ
ータ61との相対位置関係が変化することにより生じる
反共振の影響を補正するフィルタを含むことによって、
ヘッドの高精度位置決めを実現している。 [従来例13]図28は、特開平11−110930号
公報に記載された記憶ディスク装置の制御方式を示すブ
ロック図である。
【0033】図28において、サーボ系は、サーボ情報
を有する記憶ディスクと、複数のヘッドと、各ヘッドを
精密位置決めする複数の第1のアクチュエータ65−1
〜65−4と、これら複数の第1のアクチュエータ65
−1〜65−4を搭載して、ヘッドを粗動位置決めする
第2のアクチュエータ66と、ヘッドにより読みとられ
たサーボ情報に従って制御を行う制御手段67とで構成
されている。
【0034】制御手段67は、ヘッドが読み取ったサー
ボ情報に応じた駆動値を、ヘッドを位置決めする第1の
アクチュエータに供給するとともに、他のヘッドを位置
決めする他の第1のアクチュエータにも供給することに
よって、マイクロアクチュエータ(MA)の相対変位の
発生を防止している。
【0035】また、温度検出手段を有し、検出温度に応
じて、MAの制御駆動を制限することによって、ヘッド
の高精度位置決めを実現している。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】「課題1」図21〜図
24に示した従来例6〜従来例9では、独立にコントロ
ーラ設計を行い、各コントローラは、位置誤差信号をも
とに独立に制御量を演算して各アクチュエータを制御駆
動し、ヘッドの高精度位置決めを実現している。
【0037】しかしながら、このような制御方式では、
微動アクチュエータを高帯域化して制御帯域を高くする
場合に、微動駆動手段であるマイクロアクチュエータ
(MA)と主要駆動手段であるボイスコイルモータ(V
CM)との動力学的干渉が問題となる。
【0038】MAとVCMとは、バネ要素とダンピング
要素とによって機械的に結合している。そのため、MA
の駆動力が、VCMを有するヘッド位置決め機構部すな
わちアーム・キャリッジを振動させるとともに、VCM
の駆動力が、MAを有するヘッド支持機構部を振動させ
る。そして、これが原因して、高精度な位置決めのため
の阻害要因となっている。
【0039】すなわち、従来の制御方式では、ステップ
応答などの過渡応答の整定時間が、微動アクチュエータ
単体と比べ大きく性能劣化するとともに、位置誤差抑制
特性も劣化し、ピギーバックアクチュエータの効果を十
分に引き出すことができないという課題を有している。
【0040】ステップ応答は、磁気ディスク装置におい
て、シーク時のセトリング性能およびトラックジャンプ
時のジャンプ時間性能に影響を及ぼす。また、位置誤差
抑制特性は、磁気ディスク装置において、トラックフォ
ローイング時の追従性能、ひいてはトラック密度に影響
を及ぼす。 「課題2」図27に示した従来例12では、ヘッドの目
標位置と観測位置との位置誤差によって微動アクチュエ
ータ61を制御駆動し、計算した位置誤差より微動アク
チュエータ61の変位を減算した値によって粗動アクチ
ュエータ62を制御駆動するとともに、粗動アクチュエ
ータ62と微動アクチュエータ61との相対位置関係の
変化によって生じる反共振の影響を補正するフィルタを
含んだ制御システムによって、高精度な位置決めを実現
している。
【0041】しかしながら、微動アクチュエータ61と
粗動アクチュエータ62とで構成される2段アクチュエ
ータでは、高帯域制御を実現するためには、反共振の補
償に加え、マイクロアクチュエータ主共振の影響を低減
することが必要となる。
【0042】一般に、圧電アクチュエータや静電アクチ
ュエータで構成されるマイクロアクチュエータ(MA)
は、その入力電気信号から駆動変位までの伝達関数は、
2次振動系であるとともに、主共振の減衰比が小さい。
そのため、高帯域化の実現のためには、主共振の減衰比
を大きくする、あるいはこの共振が位置決めに影響しな
い制御システムを構成することが必要でるという課題を
有している。 「課題3」図25に示した従来例10は、前述のよう
に、ヘッドHと目標トラックとの位置ずれを検出するヘ
ッド位置ずれ検出手段91と、微動アクチュエータBの
変位限界値を記憶する変位限界値記憶手段92と、位置
ずれが変位限界値以内か否かを判定する微動アクチュエ
ータ制御判定手段93と、位置ずれが減少するように微
動アクチュエータBを駆動する動的制御手段94と、微
動アクチュエータBの変位量を一定値に制御する一定変
位指示手段95と、微動アクチュエータBを、位置ずれ
が変位限界値以内の時には動的制御手段94に接続し変
位限界値を超えているときは一定変位指示手段95に接
続する微動アクチュエータの制御切換手段96とを設け
たものである。これにより、目標位置が微動アクチュエ
ータBの変位限界値か否かによって、微動アクチュエー
タBの移動量および制御駆動方法を切り換えて、ヘッド
の高精度位置決めを実現している。
【0043】しかしながら、微動アクチュエータBが故
障となり動作不良になった場合についても、その故障を
検知し、動作するアクチュエータを選択し、切り換える
必要がある。また、微動アクチュエータBは、プッシュ
プル型で構成される場合が多いが、この場合も、寿命の
点から、動作方向や動作変位によって、駆動させるアク
チュエータを選択し、切り換えて使用することが必要で
あるという課題を有している。 「課題4」図26に示した従来例11では、データヘッ
ド71を有するアーム72を備えたVCM73を駆動す
る粗位置決め制御系と、微動アクチュエータ75を駆動
する微小位置決め制御系との2重サーボ系を持つ磁気デ
ィスク装置のヘッド位置決め制御装置を、微動アクチュ
エータ制御回路77と、この微動アクチュエータ制御回
路77に並列な微動アクチュエータのフィードフォワー
ド制御手段78と、出力切換手段81とで構成してい
る。フィードフォワード制御手段78は、スピンドル回
転同期外乱データを記憶する外乱データ記憶手段79
と、外乱データ記憶手段79に記憶されたデータに応じ
てフィードフォワード量を演算するフィードフォワード
信号発生手段80とを有する。これにより、微動アクチ
ュエータ75を外乱判定モード時に微動アクチュエータ
制御回路77で駆動し、制御モード時にフィードフォワ
ード制御手段78で駆動するように構成されている。こ
の結果、外乱計測時と制御時とで微動アクチュエータ7
5の制御系を切り換え、微動アクチュエータ75を使用
して外乱量を自己計測し、その値を元にヘッドを位置決
め制御することによって、ヘッドの高精度位置決めを実
現している。
【0044】しかしながら、微動アクチュエータ75が
故障となり動作不良になった場合についても、その故障
を検知し、動作するアクチュエータを選択し、切り換え
て使用する必要がある。また、微動アクチュエータ75
は、プッシュプル型で構成される場合が多いが、この場
合も、寿命の点から、動作方向や動作変位によって、駆
動させるアクチュエータを選択し、切り換えて使用する
ことが必要であるという課題を有している。 「課題5」図28に示した従来例13では、制御手段6
7は、ヘッドが読み取ったサーボ情報に応じた駆動値
を、ヘッドを位置決めする第1のアクチュエータ65−
1〜65−4に供給するとともに、他のヘッドを位置決
めする他の第1のアクチュエータにも供給することによ
って、マイクロアクチュエータ(MA)の相対変位発生
を防止している。かつ、温度検出手段を有し、検出温度
に応じて、MAの制御駆動を制限することによって、ヘ
ッドの高精度位置決めを実現している。
【0045】しかしながら、マイクロアクチュエータ
は、雰囲気温度によってもその特性に変化・ばらつきが
発生する。そのため、そのばらつきを補償、あるいはそ
の影響を受けない駆動方法を行うことが必要であるとい
う課題を有している。
【0046】そこで、本発明は、前記課題に鑑み、主要
駆動アクチュエータと微小駆動アクチュエータとを有す
るピギーバックアクチュエータにおいて、微小駆動アク
チュエータを高帯域制御駆動して、磁気ヘッドの高速か
つ高精度の位置決めを実現することを目的とし、ひいて
は高記録密度(高トラック密度)である磁気ディスク装
置などのディスク装置を提供することを目的とするもの
である。
【0047】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、ヘッドを目標のトラックへ位置決めする位置
決め機構部と、ディスク上に書き込まれかつ前記ヘッド
によって再生されるサーボ情報に基づいて、目標トラッ
クに対する前記ヘッドの位置の不一致を表す位置誤差信
号を生成することで、前記位置決め機構部の位置決め動
作を制御する位置決め制御部とを備えたディスク装置に
おいて、前記位置決め機構部は、前記ヘッドを移動させ
る主要駆動手段と、前記ヘッドを微小移動させる補助駆
動手段とを有し、前記位置決め制御部は、再生ヘッドの
再生信号に基づいてヘッドの現在位置を検出するヘッド
位置検出部と、前記補助駆動手段あるいは主要駆動手段
による移動量を検出または推定する相対位置推定演算部
と、前記ヘッドの目標位置と前記位置検出部により検出
した前記ヘッドの現在位置との位置誤差を含む情報に基
づいて前記補助駆動手段の制御量を演算する補助駆動手
段制御部と、前記相対位置推定演算部により検出あるい
は推定された前記ヘッドの移動量を含む情報に基づいて
前記主要駆動手段の制御量を演算する主要駆動手段制御
部と、前記主要駆動手段によるヘッド移動量と前記補助
駆動手段によるヘッド移動量を制御するそれぞれの制御
量が相互に干渉することを防止する非干渉化補償器とを
有するようにしたものである。
【0048】このような構成であると、主要駆動手段
(粗動アクチュエータ)と補助駆動手段(微動アクチュ
エータ)の各駆動力による相互干渉をなくすることがで
きる。これにより、従来のように、主要駆動手段と補助
駆動手段とが相互に干渉しあって、マイクロアクチュエ
ータ単体と比べ、ピギーバックアクチュエータの性能が
大きく劣化するとともに、位置誤差抑制特性も劣化し、
ピギーバックアクチュエータの効果を十分に引き出すこ
とができないという課題を解決できるため、整定時間が
短く、整定時の残留位置誤差が小さいディスク装置が得
られる。ひいては、高記録密度のディスク装置が得られ
る。
【0049】また本発明は、補助駆動手段が有する機械
主共振による位置誤差の影響を補償する主共振制御手段
を、位置決め制御部が有しているようにしたものであ
る。このような構成であると、補助駆動手段(微動アク
チュエータ)の共振特性を改善することができる。これ
により、整定時間が短く、整定時の残留位置誤差が小さ
いディスク装置が得られる。ひいては、高記録密度のデ
ィスク装置が得られる。
【0050】
【発明の実施の形態】請求項1記載の本発明は、ヘッド
を目標のトラックへ位置決めする位置決め機構部と、デ
ィスク上に書き込まれかつ前記ヘッドによって再生され
るサーボ情報に基づいて、目標トラックに対する前記ヘ
ッドの位置の不一致を表す位置誤差信号を生成すること
で、前記位置決め機構部の位置決め動作を制御する位置
決め制御部とを備えたディスク装置において、前記位置
決め機構部は、前記ヘッドを移動させる主要駆動手段
と、前記ヘッドを微小移動させる補助駆動手段とを有
し、前記位置決め制御部は、再生ヘッドの再生信号に基
づいてヘッドの現在位置を検出するヘッド位置検出部
と、前記補助駆動手段あるいは主要駆動手段による移動
量を検出または推定する相対位置推定演算部と、前記ヘ
ッドの目標位置と前記位置検出部により検出した前記ヘ
ッドの現在位置との位置誤差を含む情報に基づいて前記
補助駆動手段の制御量を演算する補助駆動手段制御部
と、前記相対位置推定演算部により検出あるいは推定さ
れた前記ヘッドの移動量を含む情報に基づいて前記主要
駆動手段の制御量を演算する主要駆動手段制御部と、前
記主要駆動手段によるヘッド移動量と前記補助駆動手段
によるヘッド移動量を制御するそれぞれの制御量が相互
に干渉することを防止する非干渉化補償器とを有するよ
うにしたものである。
【0051】このような構成であると、主要駆動手段
(粗動アクチュエータ)と補助駆動手段(微動アクチュ
エータ)の各駆動力による相互干渉をなくすることがで
きる。これにより、従来のように、主要駆動手段と補助
駆動手段とが相互に干渉しあって、マイクロアクチュエ
ータ単体と比べ、ピギーバックアクチュエータの性能が
大きく劣化するとともに、位置誤差抑制特性も劣化し、
ピギーバックアクチュエータの効果を十分に引き出すこ
とができないという課題を解決できるため、整定時間が
短く、整定時の残留位置誤差が小さいディスク装置が得
られる。ひいては、高記録密度のディスク装置が得られ
る。
【0052】請求項2記載の本発明は、非干渉化補償器
が、主要駆動手段についての制御系と、補助駆動手段に
ついての制御系とが結合した多入力制御系の閉ループ系
において、前記主要駆動手段による変位と前記補助駆動
手段による変位とを制御する固有値の右固有ベクトルが
直交関係になるようなフィードバックゲイン定数を有す
るようにしたものである。
【0053】請求項3記載の本発明は、位置決め制御部
が、補助駆動手段が有する機械主共振による位置誤差の
影響を補償する主共振制御手段を有しているようにした
ものである。
【0054】このような構成であると、補助駆動手段
(微動アクチュエータ)の共振特性を改善することがで
きる。これにより、整定時間が短く、整定時の残留位置
誤差が小さいディスク装置が得られる。ひいては、高記
録密度のディスク装置が得られる。
【0055】請求項4記載の本発明は、主共振制御手段
が、補助駆動手段の内部モデルに主共振モデルを有する
状態推定器と、前記状態推定器で推定された状態量をも
とに制御系の安定を実現するゲイン定数とを含む安定化
補償器にて構成されているようにしたものである。
【0056】請求項5記載の本発明は、主共振制御手段
が、補助駆動手段の主共振周波数に等しいバンドパスフ
ィルタ、あるいは補助駆動手段の主共振周波数に等しい
サンプリング周波数のサンプルホルダーを有するように
したものである。
【0057】請求項6記載の本発明は、位置決め機構部
の補助駆動手段が、プッシュプル型で駆動される2個以
上のマイクロアクチュエータ素子で構成されるととも
に、前記マイクロアクチュエータの特性ばらつきを測定
する特性ばらつき計測手段と、前記測定された特性ばら
つきを補正するための特性ばらつき補正手段とを有して
いるようにしたものである。
【0058】このような構成であると、微小変位駆動を
行うマイクロアクチュエータの個々の特性ばらつき(入
力電気信号に対する駆動変位の特性)や、プッシュプル
型のマイクロアクチュエータにおける左右の2つのマイ
クロアクチュエータ素子の特性の差異を予め検出するこ
とが可能となり、検出値に応じてヘッドを微小変位駆動
させることが可能となり、したがって補助駆動手段であ
るマイクロアクチュエータを過大に駆動しないディスク
装置が得られる。これにより、整定時間が短く、整定時
の残留位置誤差が小さいディスク装置が得られる。ひい
ては、高記録密度のディスク装置が得られる。
【0059】請求項7記載の本発明は、特性ばらつき補
正手段が、マイクロアクチュエータの特性ばらつきを補
正するものであるとともに、プッシュプル型で駆動され
るマイクロアクチュエータのプッシュ側とプル側のマイ
クロアクチュエータ素子の特性ばらつきを補正するもの
であるようにしたものである。
【0060】請求項8記載の本発明は、位置決め制御部
が、位置決め機構部の補助駆動手段であるプッシュプル
型マイクロアクチュエータのプッシュ側とプル側のどち
らか一方を、あるいは両方を駆動するために、プッシュ
側とプル側の切換えを行う補助駆動手段切換部を有する
ようにしたものである。
【0061】このような構成であると、位置誤差の大き
さやヘッドの移動方向に応じて、2つあるマイクロアク
チュエータのどちらか一方のみを駆動する場合と、従来
どおり両方を駆動する場合を選択することが可能とな
り、補助駆動手段であるマイクロアクチュエータを過大
に駆動しないディスク装置が得られる。これにより、圧
電素子などの補助駆動手段の移動量の経時変化を減ら
し、補助駆動手段の寿命を延ばすことができる。ひいて
は、高記録密度のディスク装置が得られる。
【0062】請求項9記載の本発明は、位置決め制御部
が、補助駆動手段の動作異常、故障を検知する補助駆動
手段故障判別部と、前記補助駆動手段の動作異常時に主
要駆動手段のみでヘッドの位置決めを行うための定数設
定を行うとともに制御動作を切り換える駆動手段切換部
と、前記動作異常発生時に、扱うことのできるデータを
転送レートで制限するデータ転送レート制限部とを有す
るようにしたものである。
【0063】このような構成であると、ヘッドを高速高
精度に目標トラックに追従させるための補助駆動手段の
故障を検知して、動作条件を変更することによって、即
応性および精度で若干の性能劣化を生じるが、追従精度
および記録再生精度の大きな劣化を防止することができ
る。これにより、アクチュエータおよびディスク装置の
寿命を延ばすことができる。ひいては、高寿命高記録密
度のディスク装置が得られる。
【0064】請求項10記載の本発明は、補助駆動手段
はマイクロアクチュエータ(MA)である圧電素子にて
構成され、補助駆動手段故障判別部は、前記圧電素子の
両端電極間の抵抗値、あるいは静電容量、あるいは誘電
損、あるいは電流値を計測するように構成されているよ
うにしたものである。
【0065】請求項11記載の本発明は、位置決め制御
部が、雰囲気環境検出部と、前記雰囲気環境検出部によ
る計測値あるいは推定値によって、補助駆動手段の動作
を制限する補助駆動手段制限部と、前記雰囲気環境検出
器による計測値あるいは推定値によって、補助駆動手段
を制御駆動するためのパラメータを調整する補助駆動手
段パラメータ調整部とを有するようにしたものである。
【0066】請求項12記載の本発明は、雰囲気環境検
出部が、雰囲気の温度を検出する温度センサ、雰囲気の
湿度を検出する湿度センサ、雰囲気の振動および衝撃を
検出する加速度センサのいずれかであるようにしたもの
である。
【0067】請求項13記載の本発明は、位置決め機構
部が複数個の補助駆動手段を有するとともに、位置決め
制御部が複数個の補助駆動手段制御部を有し、さらに、
複数個のヘッドの位置を同時に、あるいはディジタル制
御系における同一サンプリング時間内に検出するヘッド
位置同時検出部と、前記複数個のヘッドを、それぞれの
目標トラックに前記複数個の補助駆動手段と前記複数個
の補助駆動手段制御部によって同時に、あるいは同一サ
ンプリング時間内に位置決めする補助駆動手段同時制御
部と、同時に、あるいは同一サンプリング時間内に記録
再生を行うことのできる同時記録再生手段とを有するよ
うにしたものである。
【0068】このような構成であると、複数個のヘッド
を同時(同一サンプリング時間内)に、目標トラックに
追従させることが可能となる。これにより、データ転送
レートを向上させることができるために、高品質ディジ
タル映像の記録再生や、同時記録再生、あるいはマルチ
チャンネルの記録や再生が可能なディスク装置が得られ
る。ひいては、高速高記録密度のディスク装置が得られ
る。
【0069】請求項14記載の本発明は、位置決め制御
部が、記録再生するヘッドに応じて、制御駆動する複数
個の補助駆動手段の中の1個と、補助駆動手段制御部と
を接続する補助駆動手段選択部を有するようにしたもの
である。
【0070】本発明の実施の形態について図面を参照し
ながら説明する。 (第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態の磁気
ディスク装置について、図1〜図3を用いて説明する。
【0071】図1は、本発明の第1の実施の形態におけ
る磁気ディスク装置の概略構成図である。ここで1は磁
気ディスク、2は複合型磁気ヘッド、3は磁気ヘッドス
ライダ、4はヘッド支持機構部、5は位置決め機構部、
6は位置決め制御部である。位置決め機構部5におい
て、5−1は主要駆動手段であるVCM(ボイスコイル
モータ)、5−2は補助駆動手段であるMA(マイクロ
アクチュエータ)である。位置決め制御部6において、
6−1はヘッド位置検出部、6−3は制御部である。こ
の制御部6−3において、6−3−1は主要駆動手段制
御部、6−3−1−1はその制御量演算部、6−3−2
は補助駆動手段制御部、6−3−2−1はその制御量演
算部である。6−4は駆動部で、主要駆動手段駆動部6
−4−1と補助駆動手段駆動部6−4−2とを有する。
6−5は相対位置推定演算部である。
【0072】複合型磁気ヘッド2は、磁気抵抗効果を応
用したGMRヘッドである再生ヘッドと、誘導型のイン
ダクティブ磁気ヘッドである記録ヘッドとから構成され
る。磁気ヘッドスライダ3は、複合型磁気ヘッド2を搭
載する。ヘッド支持機構部4は、磁気ヘッドスライダ3
を支持して、磁気ディスク1に対向して複合型磁気ヘッ
ド2を支持する。VCM5−1は、回転軸を中心として
ヘッド支持機構部4を駆動することで、複合型磁気ヘッ
ド2を粗く移動させる。MA5−2は、磁気ヘッドスラ
イダ3を駆動して、複合型磁気ヘッド2を微小に移動さ
せる。
【0073】位置決め制御部6のヘッド位置検出部6−
1は、複合型磁気ヘッド2の再生ヘッドが再生した磁気
ディスク1に記録された位置情報に基づいて、複合型ヘ
ッド2の現在位置を検出し、出力する。
【0074】本明細書の記載において、「ヘッドの目標
位置」および「ヘッドの現在位置」とは、再生ヘッドを
目的の位置にアクセスする場合は、「再生ヘッドの目標
位置」および「再生ヘッドの現在位置」を意味し、記録
ヘッドを目的の位置にアクセスする場合は、「記録ヘッ
ドの目標位置」および「記録ヘッドの現在位置」を意味
する。また本明細書の記載において、「再生ヘッド」の
語は、「記録再生ヘッド」を含む概念である。
【0075】記録ヘッドと再生ヘッドとは、互いに一定
の微小な距離をおいて配置されている。記録ヘッドを目
標位置に移動させる場合、記録ヘッドの位置から一定の
微小な距離だけ離れた仮の目標位置に、再生ヘッドの目
標位置を定め、再生ヘッドを、現在の位置から仮の目標
位置に移動させることにより、記録ヘッドを真の目標位
置へ移動させる。このような場合、記録ヘッドの現在の
位置を、記録ヘッドの目標位置へ移動させる制御である
とも見なせるし、再生ヘッドの現在位置を、仮の目標位
置へ移動させる制御であるとも見なせる。従って、この
ような場合も、本発明の他の構成要素をすべて具備する
場合は、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0076】次に、磁気ディスク装置におけるサーボシ
ステムの動作シーケンスを説明する。磁気ディスク1に
書き込まれた位置情報(以下、「サーボパターン」と称
する)を磁気ヘッド2によって検出する。そして、ヘッ
ド位置検出部6−1が、その検出信号より、磁気ヘッド
2のトラック位置とトラック間位置を検出する。
【0077】補助駆動手段制御部6−3−2は、検出し
たMA5−2によるヘッド移動量およびVCM5−1に
よるヘッド移動量の合計と目標位置との差である位置誤
差と、主要駆動手段であるVCM5−1と補助駆動手段
であるMA5−2とが結合した数式モデルで構成された
サーボ系の状態推定器で推定したヘッド速度およびヘッ
ドに加わる外乱(力外乱、位置外乱)量とを、フィード
バックあるいはフィードフォワードすることによって、
制御量を演算し、導出する。
【0078】そして、その制御量によって、補助駆動手
段駆動部6−4−2が補助駆動手段であるMA5−2を
制御駆動する。また、補助駆動手段としてのMA5−2
への制御量と、主要駆動手段としてのVCM5−1への
制御量と、ヘッド位置検出部6−1で計測したヘッド位
置変位量とをもとに、相対位置推定演算部6−5すなわ
ちVCM5−1とMA5−2で構成するサーボ系の状態
推定器で、主要駆動手段であるVCM5−1によるヘッ
ド移動量および速度と、補助駆動手段であるMA5−2
によるヘッド移動量および速度と、サーボ系に含まれる
外乱(摩擦、振動などの力外乱)とを推定し、導出す
る。
【0079】主要駆動手段制御部6−3−1は、導出し
たVCM5−1によるヘッド移動量と目標位置との差で
ある位置誤差を導出し、その位置誤差と、主要駆動手段
であるVCM5−1と補助駆動手段であるMA5−2と
が接続されたサーボ系の状態推定器で推定したVCM5
−1の移動速度と、ヘッド2にかかる外乱(力外乱、位
置外乱)量とを、フィードバックあるいはフィードフォ
ワードすることによって、制御量を導出する。そして、
その制御量によってVCM5−1を制御駆動する。
【0080】すなわち、MA5−2が目標位置とヘッド
位置との位置誤差をゼロにし、VCM5−1が目標位置
とボイスコイルモータヘッド移動量との位置誤差をゼロ
にするように位置決め制御を行っている。
【0081】この制御方式により、補助駆動手段である
MA5−2は、動作範囲の中心付近で制御駆動されると
ともに、過渡応答の整定時間が改善される。図2は、図
1に示す磁気ディスク装置のサーボ系の詳細ブロック図
である。図2の左端から(図2において、主要駆動手段
制御部6−3−1の手前に設けられた減算器6−3−1
Aの左端から)、磁気ヘッド2の目標位置が入力され
る。この目標位置は、補助駆動手段制御部6−3−2の
手前に設けられた減算器6−3−2Aにも入力される。
【0082】減算器6−3−2Aでは、磁気ヘッド2の
目標位置から、磁気ヘッド2の現在の位置(ヘッド位置
検出部6−1の出力)が差し引かれ、これら目標のヘッ
ド位置と現在のヘッド位置との位置誤差が出力される。
この位置誤差は、補助駆動手段制御部6−3−2に入力
される。
【0083】また、補助駆動手段制御部6−3−2へ
は、相対位置推定演算部6−5で推定されたヘッドの移
動速度と外乱量(摩擦や振動など)も入力される。補助
駆動手段制御部6−3−2は、位置誤差が少なくなるよ
うな制御信号を演算し、出力する。制御信号は、制御量
演算部6−3−2−1を介して、補助駆動手段駆動部6
−4−2と、相対位置推定演算部6−5の補助駆動手段
状態量推定演算部6−5−2とに入力される。
【0084】減算器6−3−1Aでは、磁気ヘッド2の
目標位置から、VCM5−1によってヘッド2の移動し
た位置(相対位置推定演算部6−5の出力)が差し引か
れ、これら目標のヘッド位置と現在のヘッドの移動した
位置との位置誤差が出力される。この位置誤差は、主要
駆動手段制御部6−3−1に入力される。
【0085】また、主要駆動手段制御部6−3−1へ
は、相対位置推定演算部6−5で推定されたヘッドの移
動速度と外乱量(摩擦や振動など)が、主要駆動手段状
態量推定演算部6−5−1を介して入力される。
【0086】主要駆動手段制御部6−3−1は、位置誤
差が少なくなるような制御信号を演算し、制御量演算部
6−3−1−1を介してその結果を出力する。この制御
信号は、主要駆動手段駆動部6−4−1と、相対位置推
定演算部6−5とに入力される。
【0087】相対位置推定演算部6−5は、オブザーバ
を構成している。すなわち相対位置推定演算部6−5
は、数式上の仮想モデルを含み、主要駆動手段であるV
CM5−1と補助駆動手段であるMA5−2とが結合さ
れた2自由度振動系を含むサーボ系の状態推定器であ
る。
【0088】詳細には、相対位置推定演算部6−5は、
主要駆動手段であるVCM5−1と補助駆動手段である
MA5−2とが接続された2自由度振動系の数式(運動
方程式)上の仮想モデルを有し、仮想の主要駆動手段と
補助駆動手段を数式上で駆動し、その結果として、仮想
の主要駆動手段と補助駆動手段との変位を得る。
【0089】図2に示すサーボ系においては、主要駆動
手段としてのVCM5−1によるヘッド2の移動量も、
補助駆動手段としてのMA5−2によるヘッド2の移動
量も、再生ヘッドが検出したヘッドの現在位置との演算
ができるように、すべて、ディスクに対するヘッドの移
動量および位置に換算している。
【0090】相対位置推定演算部6−5には、さらに、
VCM5−1への制御信号と、MA5−2への制御信号
と、ヘッドの現在位置からヘッドの移動量の推定値を減
算した値とが入力される。 ボイスコイルモータのモデル :J/Ls2X1 =T/L′ マイクロアクチュエータのモデル: ms2X2+CsX2+kX2=F 干渉系のモデル:J/Ls2X1+Cs(X1−X2)+k(X1−X2)=T/L′ ms2X2+Cs(X2−X1)+k(X2−X1)=F ここで、相対位置推定演算部6−5は、上記干渉系モデ
ルの運動方程式を変形して、状態方程式の形でモデル化
する。VCM5−1の制御信号によって、主要駆動手段
系および補助駆動手段系ともにヘッドの移動を生じる。
これは、MA5−2の制御入力信号によっても同様であ
る。すなわち、制御入力信号から変位までの関係が、2
つの駆動手段について独立ではないようになっている。
【0091】このため、それぞれの制御部6−3−1、
6−3−2で独立に制御系を設計し、制御駆動しても、
実際の制御対象が相対位置推定演算部6−5の数式モデ
ルように非独立な干渉系である場合は、干渉力の影響
で、図3(b)のシミュレーション結果のように、セト
リングおよびトラックジャンプ時の整定時間が長くなる
とともに、トラックフォローイング時の位置決め精度が
劣化する。
【0092】そこで本実施の形態では、図2における制
御部6−3−1、6−3−2を、制御入力からヘッド変
位までの伝達関数が干渉系であるこのサーボ系を独立な
サーボ系にするような補償器とする。
【0093】具体的には、この2つのアクチュエータか
らなるサーボ系を2入力1出力系の1つのサーボ系とし
て取り扱う。そして、閉ループ系の右固有ベクトルの方
向を定めて、制御部6−3−1、6−3−2のフィード
バックゲインを併せて決定する。すなわち、VCM5−
1に関する固有値の固有ベクトルとMA5−2に関する
固有値の固有ベクトルとを直交化するような状態フィー
ドバックゲインを極配置法で設計する。
【0094】固有ベクトルを直交化するフィードバック
ゲインでフィードバックされたサーボ系は、MA5−2
の制御信号によってMA5−2単体でのヘッド移動量と
等しいヘッド移動のみが発生し、またVCM5−1の制
御信号によってVCM5−1単体でのヘッド移動量と等
しいヘッド移動のみが発生することになる。
【0095】すなわち、実際の制御対象が上述の相対位
置推定演算部6−5の数式モデルように非独立な干渉系
である場合であっても、干渉力の影響をなくすような補
償器またはフィードバックゲインで閉ループ系を構成す
れば、図3(a)のシミュレーション結果のように、セ
トリングおよびトラックジャンプ時の整定時間が改善さ
れ速くなるとともに、トラックフォローイング時の位置
決め精度が向上する。
【0096】なお、図3(a)は本実施の形態の条件に
もとづく非干渉制御ありの場合で、図3(b)は2つの
アクチュエータ系が線形独立として制御を行った場合
で、いずれもステップ応答特性を示す。
【0097】なお、本実施の形態においては、減算器
(6−3−1A)はヘッド目標位置からVCM5−1に
よるヘッド移動量を差し引いている。この値をゼロにす
るように制御するということは、MA5−2を駆動範囲
の中心位置で位置決めするということと等価である。す
なわち、本実施の形態では、主要駆動手段制御部6−3
−1は、MA5−2の駆動範囲の中心点が目標位置に一
致するように、VCM5−1制御する。
【0098】よって、本実の形態のようなピギーバック
サーボ系を構成すれば、多入力制御系が干渉系であって
も、MA5−2は動作範囲の中心付近で制御駆動される
とともに、干渉力の影響をなくすことになって、過渡応
答の整定時間が改善され、位置決め誤差精度も向上す
る。
【0099】以上のように、本実施の形態によれば、ピ
ギーバックサーボ系において、位置決め誤差を小さくし
て、高速高精度に複合ヘッドを位置決めすることが可能
となる。 (第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態の磁気
ディスク装置について、図4〜図6を用いて説明する。
【0100】図4は、本発明の第2の実施の形態の磁気
ディスク装置の概略構成図である。ここで、1は磁気デ
ィスク、2は複合型磁気ヘッド、3は磁気ヘッドスライ
ダ、4はヘッド支持機構部、5は位置決め機構部、6は
位置決め制御部、5−1は主要駆動手段であるVCM、
5−2は補助駆動手段であるMA、6−1はヘッド位置
検出部、6−3は制御部、6−3−1は主要駆動手段制
御部、6−3−2は補助駆動手段制御部、6−3−2−
2は補助駆動手段主共振補償部、6−4は駆動部、6−
4−1は主要駆動手段駆動部、6−4−2は補助駆動手
段駆動部、6−5は相対位置推定演算部である。
【0101】複合型磁気ヘッド2は、磁気抵抗効果を応
用したGMRヘッドである再生ヘッドと、誘導型のイン
ダクティブ磁気ヘッドである記録ヘッドとから構成され
る。磁気ヘッドスライダ3は、複合型磁気ヘッド2を搭
載する。ヘッド支持機構部4は、磁気ヘッドスライダ3
を支持して、磁気ディスク1に対向して複合型磁気ヘッ
ド2を支持する。VCM5−1は、回転軸を中心とし
て、ヘッド支持機構部4を駆動して、複合型磁気ヘッド
2を移動させる。MA5−2は、磁気ヘッドスライダ3
を駆動して、複合型磁気ヘッド2を移動させる。位置決
め制御部6のヘッド位置検出部6−1は、複合型磁気ヘ
ッド2の再生ヘッドが再生したところの、磁気ディスク
1に記録された位置情報に基づいて、複合型ヘッド2の
現在位置を検出し、出力する。
【0102】次に、磁気ディスク装置におけるサーボシ
ステムの動作シーケンスを説明する。磁気ディスク1に
書き込まれた位置情報すなわちサーボパターンを磁気ヘ
ッド2によって検出する。そして、ヘッド位置検出部6
−1が、その検出信号より、磁気ヘッドのトラック位置
とトラック間位置とを検出する。
【0103】補助駆動手段制御部6−3−2は、検出し
たMA5−2によるヘッド移動量およびVCM5−1に
よるヘッド移動量の合計と目標位置との差である位置誤
差と、主要駆動手段であるVCM5−1と補助駆動手段
であるMA5−2とが結合したサーボ系の状態推定器で
推定したヘッド速度およびヘッドにかかる外乱(力外
乱、位置外乱)量とを、フィードバックあるいはフィー
ドフォワードすることによって、制御量を導出する。そ
して、その制御量にもとづき、補助駆動手段駆動部6−
4−2が補助駆動手段としてのMA5−2を制御駆動す
る。
【0104】また、補助駆動手段としてのMA5−2へ
の制御量と主要駆動手段としてのVCM5−1への制御
量とヘッド位置検出部6−1で計測したヘッド位置変位
量とをもとに、相対位置推定部6−5である、VCM5
−1とMA5−2とで構成するサーボ系の状態推定器
で、主要駆動手段であるVCM5−1によるヘッド移動
量と速度、補助駆動手段であるMA5−2によるヘッド
移動量と速度、およびサーボ系に含まれる外乱(摩擦、
振動などの力外乱)を導出する。
【0105】主要駆動手段制御部6−3−1は、導出し
たVCM5−1によるヘッド移動量と目標位置との差で
ある位置誤差を導出し、その位置誤差と、主要駆動手段
であるVCM5−1と補助駆動手段であるMA5−2と
が接続されたサーボ系についての相対位置推定演算部6
−5で推定したVCM5−1の移動速度、ヘッド2にか
かる外乱(力外乱、位置外乱)量をフィードバックある
いはフィードフォワードすることによって制御量を導出
する。そして、その制御量でVCM5−1を制御駆動す
る。
【0106】すなわち、MA5−2は目標位置とヘッド
位置との位置誤差をゼロにし、VCM5−1は目標位置
とボイスコイルモータヘッド移動量との位置誤差をゼロ
にするように、位置決め制御を行う。
【0107】この制御方式により、補助駆動手段として
のMA5−2は、動作範囲の中心付近で制御駆動される
とともに、過渡応答の整定時間が改善される。図5は、
図4に示す磁気ディスク装置のサーボ系の詳細ブロック
図である。図5の左端から(図5において、主要駆動手
段制御部6−3−1の手前に設けられた減算器6−3−
1Aの左端から)、磁気ヘッド2の目標位置が入力され
る。この目標位置は、補助駆動手段制御部6−3−2の
手前に設けられた減算器6−3−2Aにも入力される。
【0108】減産器6−3−2Aでは、磁気ヘッド2の
目標位置から、磁気ヘッド2の現在の位置(ヘッド位置
検出部6−1の出力)が差し引かれ、これら目標のヘッ
ド位置と現在のヘッド位置との位置誤差が出力される。
この位置誤差は、補助駆動手段制御量部6−3−2に入
力される。
【0109】補助駆動手段制御部6−3−2へは、相対
位置推定演算部6−5の補助駆動手段状態量推定演算部
6−5−2で推定されたヘッド2の移動速度と外乱量
(摩擦や振動など)も入力される。
【0110】補助駆動手段制御部6−3−2は、位置誤
差が少なくなるような制御信号を演算し、出力する。制
御信号は、制御量演算部6−3−2−2を介して、補助
駆動手段駆動部6−4−2と、相対位置推定演算部6−
5の補助駆動手段状態量推定演算部6−5−2とに入力
される。
【0111】減算器6−3−1Aでは、磁気ヘッド2の
目標位置から、VCM5−1によってヘッド2の移動し
た位置(相対位置推定演算部6−5の出力)が差し引か
れ、これら目標のヘッド位置と現在のヘッドの移動した
位置との位置誤差が出力される。この位置誤差は、主要
駆動手段制御部6−3−1に入力される。
【0112】また、主要駆動手段制御部6−3−1へ
は、相対位置推定演算部6−5で推定されたヘッド2の
移動速度と外乱量(摩擦や振動など)が、主要駆動手段
状態量推定演算部6−5−1を介して入力される。
【0113】主要駆動手段制御部6−3−1は、位置誤
差が少なくなるような制御信号を演算し、出力する。制
御信号は、主要駆動手段駆動部6−4−1と、相対位置
推定演算部6−5の主要駆動手段状態量推定演算部6−
5−1とに入力される。
【0114】相対位置推定演算部6−5は、オブザーバ
を構成している。すなわち相対位置推定演算部6−5
は、数式上の仮想モデルを含み、主要駆動手段であるV
CM5−1と補助駆動手段であるMA5−2とが接続さ
れた2自由度振動系を含むサーボ系の状態推定器であ
る。
【0115】詳細には、相対位置推定演算部6−5は、
主要駆動手段であるVCM5−1と補助駆動手段である
MA5−2とが接続された2自由度振動系の数式(運動
方程式)上の仮想モデルを有し、仮想の主要駆動手段と
補助駆動手段を数式上で駆動し、その結果として、仮想
上の主要駆動手段と補助駆動手段の変位を得る。
【0116】図5に示すサーボ系においては、主要駆動
手段としてのVCM5−1によるヘッド2の移動量も、
補助駆動手段としてのMA5−2によるヘッド2の移動
量も、再生ヘッドが検出したヘッド2の現在位置との演
算ができるように、すべて、ディスク1に対するヘッド
2の移動量および位置に換算している。
【0117】相対位置推定演算部6−5には、さらに、
VCM5−1への入力制御信号と、MA5−2への入力
制御信号と、ヘッド2の現在位置からヘッド2の移動量
の推定値を減算した値とが入力される。
【0118】さらに、図5では、補助駆動手段制御部6
−3−2で演算した制御信号を補助駆動手段主共振補償
部6−3−2−2に入力し、補助駆動手段である圧電素
子マイクロアクチュエータの主共振の影響を取り除いた
制御信号を、補助駆動手段制御駆動部6−4−2へ出力
している。
【0119】具体的には、補助駆動手段5−2の数式モ
デルに主共振の振動モデルを加え、状態フィードバック
ゲインを振動モデルを含んだモデルに対した極配置法で
設計する。このフィードバックゲインは、補助駆動手段
制御部6−3−2と補助駆動手段主共振補償部6−3−
2−2とを積したものと等価となる。
【0120】また、別の方法としては、組立製造時に補
助駆動手段としてのMA5−2の主共振周波数を同定
し、その周波数のバンドパスフィルタを補助駆動手段主
共振補償部6−3−2−2で導出し、補助駆動手段制御
部6−3−2からの制御信号にこの導出したフィルタを
積した制御信号を、補助駆動手段駆動部6−4−2へ出
力することができる。
【0121】さらに、ディジタル制御系では、主共振周
波数とサンプリング周波数とを一致させ、補助駆動手段
主共振補償部6−3−2−2をサンプルホルダーにして
も、同様の効果が得られる。
【0122】図6に本実施の形態のシミュレーション結
果を示す。その(a)と(b)は本実施の形態の条件す
なわち主共振成分補償ありの場合であり、その(c)と
(d)は通常の状態フィードバックによるPID制御を
行った場合である。また図6は、(a)と(c)がステ
ップ応答、(b)と(d)がクローズドループの周波数
特性である。
【0123】図6に示すように、本実施の形態の方が、
トラックジャンプ、セトリングなどの時の過渡応答が改
善されているともに、周波数特性より共振成分が補償さ
れているため、位置誤差が改善される。
【0124】このシミュレーションは、サンプリング周
波数を20kHzとし、MAの主共振は17.5kHz
とした。また、オブザーバの数式モデルでは、折り返し
が問題であるため、振動モデルを2.5kHzとした。
【0125】すなわち、制御系の安定不安定の問題とな
るのは、主共振の折り返し周波数での共振であり、その
影響を、本実施の形態で補償することが可能となる。以
上のように、本実施の形態によれば、ピギーバックサー
ボ系において、MAの主共振成分の影響を補償すること
によって、位置決め誤差を小さくして、高速高精度に複
合ヘッドを位置決めすることが可能となる。 (第3の実施の形態)本発明の第3の実施の形態の磁気
ディスク装置について、図7を用いて説明する。
【0126】図7は、本発明の第3の実施例である磁気
ディスク装置におけるサーボシステムの概略構成図であ
る。ここで1は磁気ディスク、2は複合型磁気ヘッド、
3は磁気ヘッドスライダ、4はヘッド支持機構部、5は
位置決め機構部、6は位置決め制御部である。位置決め
機構部5において、5−1は主要駆動手段であるVCM
である。5−2a、5−2bは補助駆動手段である一対
のMAであり、プッシュプル型のアクチュエータを構成
している。位置決め制御部6において、6−1はヘッド
位置検出部、6−5は相対位置推定演算部、6−3は制
御部、6−3−1は主要駆動手段制御部、6−3−2
a、6−3−2bは一対の補助駆動手段制御部、6−6
−1はMA5−2a、5−2bの特性ばらつきを測定す
る特性ばらつき計測手段、6−6−2は特性ばらつきを
補正するための特性ばらつき補正手段である。
【0127】図7に示されるピギーバックアクチュエー
タサーボ系においては、圧電素子にて構成されたMA5
−2a、5−2bは目標位置とヘッド位置との位置誤差
をゼロにし、またVCM5−1は目標位置とVCMによ
るヘッド移動量との位置誤差をゼロにするように、位置
決め制御が行われる。
【0128】ここで、MA5−2a、5−2bは動作範
囲が±数トラック〜1トラック程度であり、シーク時の
セトリングやトラックジャンプ時には、MA5−2a、
5−2bでの磁気ヘッド移動がその動作範囲内に収まる
ようにすることが必要であるとともに、トラックフォロ
ーイング時も、MA5−2a、5−2bの出力特性のリ
ニアリティと感度が保証されている範囲で制御駆動する
ことが必要となる。
【0129】図7において、特性ばらつき計測手段6−
6−1は、基準振幅信号発生手段6−6−1−1と、基
準信号に対する変位測定手段6−6−1−2と、これら
基準振幅信号発生手段6−6−1−1および変位測定手
段6−6−1−2より出力される基準信号に対するヘッ
ド2の移動変位の関係を記憶する電圧変位特性記憶手段
6−6−1−3とで構成される。6−4は駆動部であ
り、この駆動部6−4において、6−4−1は主要駆動
手段駆動部、6−4−2a、6−4−2bは一対の補助
駆動手段駆動部である。
【0130】このような構成によれば、特性ばらつき計
測手段6−6−1において、基準振幅信号発生手段6−
6−1−1より基準信号を発生し、その場合のヘッド2
の変位を測定することによって、入力電圧に対するヘッ
ド2の変位出力を測定し、その結果を変位測定手段6−
6−1−2へ記憶する。
【0131】特性ばらつき補正手段6−6−2は、特性
ばらつき計測手段6−6−1によって測定した電圧変位
特性に応じて、初期設計値と異なる場合は、補助駆動手
段制御部6−3−2a、6−3−2bと、相対位置推定
演算部6−5とにおける、フィードバック定数、オブザ
ーバ定数を変更する。
【0132】これにより、図7に示すように、検出した
位置誤差から演算した制御信号に対するヘッド2の変位
を常に一定に保つことが可能となる。この制御方式によ
り、第1の実施の形態、第2の実施の形態のように制御
系のコントローラを設計した場合でも、補助駆動手段と
してのMA5−2a、5−2bは感度ばらつきを補正す
ることが可能となり、過渡応答の整定時間が改善され
る。
【0133】以上のように、本実施の形態によれば、位
置誤差を小さくして、高速高精度にヘッドを位置決めす
ることが可能となる。 (第4の実施の形態)本発明の第4の実施の形態の磁気
ディスク装置について、図8を用いて説明する。
【0134】図8は、本発明の第4の実施の形態におけ
る磁気ディスク装置の概略構成図である。ここで1は磁
気ディスク、2は複合型磁気ヘッド、3は磁気ヘッドス
ライダ、4はヘッド支持機構部、5は位置決め機構部、
6は位置決め制御部である。位置決め機構部5におい
て、5−1は主要駆動手段であるVCM、5−2a、5
−2bは補助駆動手段である一対のMAである。位置決
め制御部6において、6−1はヘッド位置検出部、6−
3は制御部、6−4は駆動部である。制御部6−3にお
いて、6−3−1は主要駆動手段制御部、6−3−2
a、6−3−2bは一対の補助駆動手段制御部である。
駆動部6−4において、6−4−1は主要駆動手段駆動
部、6−4−2a、6−4−2bは一対の補助駆動手段
駆動部である。6−5は相対位置推定演算部である。
【0135】複合型磁気ヘッド2は、磁気抵抗効果を応
用したGMRヘッドである再生ヘッドと、誘導型のイン
ダクティブ磁気ヘッドである記録ヘッドとから構成され
る。磁気ヘッドスライダ3は、複合型磁気ヘッド2を搭
載する。ヘッド支持機構部4は、磁気ヘッドスライダ3
を支持して、磁気ディスク1に対向して複合型磁気ヘッ
ド2を支持する。VCM5−1は、回転軸を中心として
ヘッド支持機構部4を駆動することで、複合型磁気ヘッ
ド2を移動させる。MA5−2a、5−2bは、磁気ヘ
ッドスライダ3を駆動して、複合型磁気ヘッド2を微小
に移動させる。
【0136】ヘッド位置検出部6−1は、複合型磁気ヘ
ッド2の再生ヘッドが再生した磁気ディスク1に記録さ
れた位置情報に基づいて、複合型ヘッド2の現在位置を
検出し、出力する。
【0137】次に、磁気ディスク装置におけるサーボシ
ステムの動作シーケンスを説明する。磁気ディスク1に
書き込まれたサーボパターンを磁気ヘッド2によって検
出する。そして、ヘッド位置検出部6−1が、その検出
信号より、磁気ヘッド2のトラック位置とトラック間位
置を検出する。
【0138】補助駆動手段制御部6−3−2a、6−3
−2bは、検出したMA5−2a、5−2bによるヘッ
ド移動量およびVCM5−1によるヘッド移動量の合計
と目標位置との差である位置誤差と、主要駆動手段であ
るVCM5−1と補助駆動手段であるMA5−2a、5
−2bとが結合したサーボ系の状態推定器で推定したヘ
ッド速度と、ヘッド2にかかる外乱(力外乱、位置外
乱)量とをフィードバックあるいはフィードフォワード
することによって制御量を導出する。
【0139】そして、その制御量によって、補助駆動手
段指令部6−4−2a、6−4−2bが、補助駆動手段
としてのMA5−2a、5−2bを制御駆動する。ま
た、MA5−2a、5−2bへの制御量と、VCM5−
1への制御量と、ヘッド位置検出部6−1で計測したヘ
ッド位置変位量とをもとに、VCMとMAとで構成した
サーボ系の状態推定器としての相対位置推定演算部6−
5で、VCM5−1によるヘッド移動量と速度、補助駆
動手段であるMA5−2a、5−2bによるヘッド移動
量と速度、およびサーボ系に含まれる外乱(摩擦、振動
などの力外乱)を導出する。
【0140】主要駆動手段制御部6−3−1は、導出し
たVCM5−1によるヘッド移動量と目標位置との差で
ある位置誤差を導出し、その位置誤差と、VCM5−1
とMA5−2a、5−2bとが接続されたサーボ系の状
態推定器で推定したVCMの移動速度、ヘッド2にかか
る外乱(力外乱、位置外乱)量をフィードバックあるい
はフィードフォワードすることによって制御量を導出す
る。そして、その制御量でVCM5−1を制御駆動す
る。
【0141】図9は、図8に示す磁気ディスク装置のサ
ーボ系の詳細ブロック図である。図9の左端から(図に
おいて、減算器6−3−1Aの左端から)、磁気ヘッド
2の目標位置が入力される。この目標位置は、一対の補
助駆動手段制御部6−3−2a、6−3−2bの手前に
設けられた減算器6−3−2Aにも入力される。
【0142】減算器6−3−2Aでは、磁気ヘッド2の
目標位置から、磁気ヘッド2の現在の位置(ヘッド位置
検出手段6−1の出力)が差し引かれ、これら目標のヘ
ッド位置と現在のヘッド位置との位置誤差が出力され
る。この位置誤差は、補助駆動手段制御部6−3−2
a、6−3−2bに入力される。
【0143】また、補助駆動手段制御部6−3−2a、
6−3−2bへは、相対位置推定演算部6−5で推定さ
れたヘッドの移動速度と外乱量(摩擦や振動など)が入
力される。
【0144】補助駆動手段制御制御部6−3−2a、6
−3−2bは、位置誤差が少なくなるような制御信号を
演算し、出力する。制御信号は、補助駆動手段駆動部6
−4−2a、6−4−2bと、相対位置推定演算部6−
5の補助駆動手段状態量推定演算部6−5−2とに入力
される。
【0145】減算器6−3−1Aでは、磁気ヘッド2の
目標位置から、VCM5−1によってヘッド2の移動し
た位置(相対位置推定演算部6−5の主要駆動手段状態
量推定演算部6−5−1の出力)が差し引かれ、減算器
6−3−1Aは、これら目標のヘッド位置と現在のヘッ
ド2の移動した位置との位置誤差を出力する。この位置
誤差は、主要駆動手段制御量演算部6−3−1に入力さ
れる。
【0146】また、主要駆動手段制御部6−3−1へ
は、相対位置推定演算部6−5で推定されたヘッド2の
移動速度と外乱量(摩擦や振動など)が、主要駆動手段
状態量推定演算部6−5−1を介して入力される。
【0147】主要駆動手段制御部6−3−1は、位置誤
差が少なくなるような制御信号を演算し、出力する。制
御信号は、主要駆動手段駆動部6−4−1と、相対位置
推定演算部6−5とに入力される。
【0148】相対位置推定演算部6−5は、オブザーバ
を構成している。したがって相対位置推定演算部6−5
は、数式上の仮想モデルを含み、主要駆動手段であるV
CM5−1と補助駆動手段であるMA5−2a、5−2
bの数式(運動方程式)上の仮想モデルを有し、仮想の
主要駆動手段と補助駆動手段を数式上で駆動し、その結
果として、仮想上の主要駆動手段と補助駆動手段の変位
を得る。
【0149】相対位置推定演算部6−5には、VCM5
−1への入力制御信号と、MA5−2a、5−2bへの
入力制御信号と、ヘッド2の現在位置からヘッド2の移
動量の推定値を減算した値とが入力される。
【0150】ここまでのシーケンスは、第1の実施の形
態および第2の実施の形態と同様である。この第4の実
施の形態では、さらに、図8と図9に示すように補助駆
動手段切換部6−8を有している。
【0151】この補助駆動手段切換部6−8の説明をす
る前に、ここで、本実施の形態におけるMA5−2a、
5−2bについて、図10を用いて説明する。図10は
MA5−2a、5−2bの構成図である。MA5−2
a、5−2bは、圧電素子にて構成された第2世代のア
クチュエータである。ヘッド支持機構部4のフレクシャ
ー部に、圧電素子にて構成された二つのMA5−2a、
5−2bが貼り付けられている。
【0152】詳細には、MA5−2a、5−2bは、フ
レクシャー部に、下部電極5−2−1、圧電素子5−2
−2、上部電極5−2−3、保護膜の順で形成されたも
のである。図8、図9における補助駆動手段指令部6−
4−2a、6−4−2bの出力電圧がこの上部電極5−
2−3と下部電極5−2−1との間に加えられること
で、圧電素子5−2−2が伸縮することになる。
【0153】本実施の形態では、圧電素子にて構成され
た二つのMA5−2a、5−2bは、一方が伸長する場
合に、他方が収縮する構成になっており、電圧を加える
と、スライダ3およびヘッドが揺動運動することとな
る。すなわち、プッシュプル型のMAである。
【0154】ここで、補助駆動手段切換部6−8は、ヘ
ッドの移動方向と移動変位量に応じて、駆動部6−4−
2a、6−4−2bによって制御駆動される一方の圧電
素子、あるいは両方の圧電素子を選択する。
【0155】補助駆動手段切換部6−8へは、減算器6
−3−2Aで計算される位置誤差と、制御部6−3で導
出された制御入力信号とが入力される。補助駆動手段切
換部6−8は、駆動条件である電圧−変位の関係を、両
方のMA5−2a、5−2bの圧電素子で図8のスライ
ダ3およびヘッド2を駆動する場合と、これらを一方の
MA5−2aのみで駆動する場合と、他方のMA5−2
bのみで駆動する場合との3つのパラメータを有し、条
件によってこれらの間の切換を行う。
【0156】この制御方式により、第1の実施の形態、
第2の実施の形態のように制御系のコントローラを設計
した場合でも、MAの通電駆動時間を短縮することが可
能であり、アクチュエータの寿命特性が改善される。
【0157】以上のように、本実施の形態によれば、信
頼性(寿命特性)が高いヘッドの高速高精度位置決めを
行うことが可能となる。さらに、図11に示すもので
は、補助駆動手段故障判別部6−11−1と、駆動手段
切換部6−11−2と、転送レート制限部6−11−3
とを有している。
【0158】補助駆動手段故障判別部6−11−1は、
MA5−2a、5−2bを構成する圧電素子に流れる電
流を検出抵抗を介して電圧として計測する。圧電素子は
誘電体であり、通常電流は流れないため、計測している
電圧はほぼ0に等しい。しかしながら、圧電素子に電飾
やわれが生じると、誘電損失が大きくなる場合や両端電
極がショートする場合が発生し、電流が流れることとな
り、計測している電圧は大きな値を示す。これにより、
圧電素子すなわちMA5−2a、5−2bの故障を検知
することができる。
【0159】また、トラックフォローイングモードにお
ける位置誤差が大きくなった場合やセトリングモードに
おける整定時間が長くなった場合には、あらかじめ補助
駆動手段故障判別部6−11−1が記憶している基準振
幅となる信号を出力して、ヘッド2による位置信号の振
幅を測定し、基準振幅との比較を行う。この場合、振幅
が大きすぎても、小さすぎても、MA5−2a、5−2
bが故障であると判断する。
【0160】駆動手段切換部6−11−2は、補助駆動
手段であるMA5−2a、5−2bが故障であると補助
駆動手段故障判別部6−11−1が判断した場合に、制
御部6−3と相対位置推定演算部6−5を変更する。
【0161】具体的には、MA5−2a、5−2bが両
方とも故障した場合に、駆動手段切換部6−11−2
は、MA5−2a、5−2bでの位置決めを実行せず、
従来と同じ、主要駆動手段であるVCM5−1のみでヘ
ッド2の位置決めを行う。この場合に、相対位置推定演
算部6−5は、主要駆動手段であるVCM5−1のみの
オブザーバとなる。また、制御部6−3は、減算器によ
る位置誤差と、相対位置推定演算部6−5によるヘッド
速度と、外乱量とをフィードバックあるいはフィードフ
ォワード制御する。
【0162】MA5−2a、5−2bの一方が故障した
場合は、片方のみで制御するモードに変更される。この
場合、相対位置推定演算部6−5における補助駆動手段
の数式モデルを修正するとともに、補助駆動手段制御部
6−3−2a、6−3−2bのフィードバックおよびフ
ィードフォワードゲインの修正を行って制御を行う。
【0163】転送レート制御部6−11−3は、扱うデ
ータの転送レートが変化する場合に動作する。すなわ
ち、補助駆動手段であるMA5−2a、5−2bが故障
であると補助駆動手段故障判別部6−11−1が判断し
た場合には、駆動手段切換部6−11−2が、MA5−
2a、5−2bによる位置決めを実行せず、従来と同じ
ように、主要駆動手段であるVCM5−1のみでヘッド
2の位置決めを行うように、制御部6−3および相対位
置推定演算部6−5を変更する。この場合には、セトリ
ングの整定時間が長くなるため、データの転送レートが
低下する。このような場合に、転送レート制御部6−1
1−3は、制御モードの変更による扱えるデータ転送レ
ートの変更をホスト側に知らせるとともに、データ処理
系に制限を設けるための信号を出力する。
【0164】この制御方式により、第1の実施の形態、
第2の実施の形態のように制御系のコントローラを設計
した場合でも、MA5−2a、5−2bが故障、異常状
態であっても、主要駆動手段としてのVCM5−1のみ
で制御駆動され、過渡応答の整定時間が改善される。
【0165】以上のように、本実施の形態によれば、位
置誤差を小さくして、高速高精度に複合ヘッドを位置決
めすることが可能となる。さらに、図12では、雰囲気
環境検出部6−12−1と、補助駆動手段制限部6−1
2−2と、補助駆動手段パラメータ調整部6−12−3
とを有している。
【0166】雰囲気環境検出部6−12−1は、温度セ
ンサであり、ドライブのある雰囲気の温度を測定する。
補助駆動手段である圧電素子からなるMA5−2は、変
位特性が温度により変化するという温度特性を有する。
そのため、雰囲気温度が動作可能範囲を逸脱している場
合は、補助駆動手段制限部6−12−2によって、MA
5−2が動作制限され、駆動されない。その場合は、主
要駆動手段としてのVCM5−1のみでのヘッド2の位
置決めを行うように、制御部6−3に信号で通知する。
【0167】また、雰囲気温度は動作範囲内ではある
が、出力特性の感度低下(たとえば、変位特性が半減す
るなど)を生じる場合は、補助駆動手段パラメータ調整
部6−12−3によって、制御部6−3およびオブザー
バである相対位置推定演算部6−5のフィードバックゲ
インおよび数式モデルのパラメータを変更する。
【0168】具体的には、動作可能な温度範囲外の場
合、補助駆動手段制限部6−12−2は、MA5−2で
の位置決めを実行せず、従来と同じ、主要駆動手段であ
るVCM5−1のみでヘッド2の位置決めを行う。
【0169】この場合、相対位置推定演算部6−5は、
主要駆動手段すなわちVCM5−1のみのオブザーバと
なる。また、制御部6−3は、減算器6−3−2Aによ
る位置誤差と、相対位置推定演算部6−5によるヘッド
速度および外乱量とをフィードバックあるいはフィード
フォワードする制御を行う。
【0170】また、出力感度特性が低下した場合は、相
対位置推定演算部6−5における補助駆動手段の数式モ
デルを修正するとともに、補助駆動手段制御部6−3−
2のフィードバックおよびフィードフォワードゲインの
修正を行って制御を行う。
【0171】この制御方式により、第1の実施の形態、
第2の実施の形態のように制御系のコントローラを設計
した場合でも、MA5−2の雰囲気環境が動作可能範囲
を逸脱したときあるいは特性低下範囲となったときに
も、主要駆動手段のみあるいはパラメータ修正された補
助駆動手段で制御駆動され、過渡応答の整定時間の大幅
な劣化を防ぐことが可能となる。
【0172】以上のように、本実施の形態によれば、位
置誤差を小さくして、高速高精度にヘッド2を位置決め
することが可能となる。 (第5の実施の形態)本発明の第5の実施の形態の磁気
ディスク装置について、図13〜図15を用いて説明す
る。
【0173】図13は、本発明の第5の実施の形態の磁
気ディスク装置におけるサーボシステムの概略構成図で
ある。ここで1は磁気ディスク、2は複合型磁気ヘッ
ド、3は磁気ヘッドスライダ、4はヘッド支持機構部、
5は位置決め機構部、6は位置決め制御部である。位置
決め機構部5において、5−1は主要駆動手段であるV
CM、5−2a、5−2bは複数個の補助駆動手段であ
るMAである。位置決め制御部6において、6−1はヘ
ッド位置検出部、6−5は相対位置推定演算部、6−3
は制御部である。この制御部6−3において、6−3−
1は主要駆動手段制御部、6−3−2−ha、6−3−
2−hbは複数個の補助駆動手段制御部である。また、
6−10−1はヘッド位置同時検出手段、6−10−2
は補助駆動手段同時制御部、6−10−3は同時記録再
生手段である。6−4は駆動部であって、主要駆動手段
駆動部6−4−1と、複数個の補正駆動手段駆動部6−
4−2−ha、6−4−2−hbとを有する。
【0174】図13に示されるピギーバックアクチュエ
ータサーボ系においては、圧電素子のMA5−2a、5
−2bは目標位置とヘッド位置との位置誤差をゼロに
し、VCM5−1は目標位置とこのVCM5−1による
ヘッド移動量との位置誤差をゼロにするように、位置決
め制御が行われている。
【0175】図14は、制御駆動系の詳細構成図であ
る。同図(a)では、複数のMA5−2に対して1つの
補助駆動手段制御部6−3−2および補助駆動手段駆動
部6−4−2が設けられており、補助駆動手段選択部6
−7で、記録再生を行うヘッドのMA5−2を選択し、
接続することによって、制御駆動している。
【0176】同図(b)では、複数のMA5−2のそれ
ぞれに、補助駆動手段制御部6−3−2−h0〜6−3
−2−h7と、補助駆動手段駆動部6−4−2−h0〜
6−4−2−h7とを有し、複数のMA5−2を同時に
制御駆動することが可能である。本実施の形態はこの図
14(b)に該当する。
【0177】図15は、ディスク1上に書き込まれてい
るサーボ信号を表している。100は位置情報領域を示
し、200はデータ領域を示す。ディスク面1とディス
ク面2において、サーボ信号の幾何学的位置が異なり、
ヘッドによってサーボ信号を再生する場合、再生タイミ
ングが時間的に異なる。そこで、ヘッド位置同期検出手
段6−10−1によって、ヘッド2−1とヘッド2−2
の信号を連続して再生すれば、ディジタルサーボ系にお
ける同一サンプリング時間において、両方のサーボ信号
を検出することが可能となる。すなわち、ディスク上の
サーボパターンが複数のヘッドによってシリアル読み出
されるように書き込まれている。
【0178】ヘッド位置同期検出手段6−10−1で検
出した複数の(2つの)信号それぞれについて、補助駆
動手段同時制御部6−10−2で制御信号をそれぞれ演
算する。
【0179】一方、主要駆動手段の制御信号について
は、先に位置信号を検出したヘッド2−1の制御信号を
優先し、制御部6−10−2−1によって主要駆動手段
を制御駆動する。また、補助駆動手段については、ヘッ
ド毎にそれぞれ、ヘッド2−1は制御部6−10−2−
2−1、ヘッド2−2は、制御部6−10−2−2−2
によって制御駆動される。
【0180】すなわち、同一サンプリング時間におい
て、ヘッド2−1とヘッド2−2を同時にトラックフォ
ローイングすることが可能となる。また、ヘッド2−1
とヘッド2−2を同時にトラックフォローイングするこ
とが可能となるため、同時記録再生手段6−10−3に
よって、ヘッド1−1とヘッド1−2を使用して同時に
記録あるいは再生を行うことが可能となる。
【0181】以上のように、本実施の形態によれば、複
数の補助駆動手段によって、複数のヘッドを、同時に、
高速高精度に位置決めすることが可能となる。なお、上
述の各実施の形態においては、ピギーバックアクチュエ
ータのマイクロアクチュエータ(MA)を圧電素子型と
したが、静電型、電磁型、磁歪型、形状記憶合金型など
他の方式のMAでも同様の効果が得られる。
【0182】また、上述の各実施の形態においては、制
御器であるコントローラおよび状態推定器であるオブザ
ーバのフィードバックゲインおよびフィードフォワード
ゲインを極配置法で設計したが、周波数応答法、H∞
法、μ設計法、LMI設計法などによっても同様の効果
が得られる。
【0183】さらに、上述の各実施の形態においては、
補助駆動手段は、圧電素子がフレクシャーに接着され、
スライダを微小駆動するプッシュプル型のアクチュエー
タであったが、フレクシャーではなく、スライダ上、あ
るいはサスペンション上に構成されても同様の効果が得
られる。
【0184】また、アクチュエータはプッシュプル駆動
方式であったが、揺動式、回転式、直線駆動方式などで
もよい。また、上述の実施の形態においては、雰囲気環
境検出手段として温度センサを使用したが、湿度センサ
や、加速度センサなどを使用してもよい。
【0185】また、上述の実施の形態においては、補助
駆動手段故障判別部が圧電素子の両側電圧を計測するも
のとしたが、電流値、抵抗値、容量値、誘電損失などを
計測するものでもよい。
【0186】また、上述の各実施の形態においては、マ
イクロアクチュエータの主共振補償として、主共振の振
動モデルを有するオブザーバを適用して共振成分の補償
を行ったが、あらかじめ主共振の周波数を同定してお
き、その周波数のバンドパスフィルタを設けても、ある
いは主共振周波数と同じ周波数でのサンプル値制御系を
構成しても、同様の効果が得られる。
【0187】また、主共振補償のためのオブザーバは、
主共振のディジタル系における折り返し成分をモデル化
したが、主共振成分自体をモデル化してもよい。
【0188】
【発明の効果】本発明によれば、狭トラック化における
ピギーバックアクチュエータによる高密度化において、
補助駆動手段であるマイクロアクチュエータ(MA)を
高帯域に制御することが可能となり、高速にセトリング
し、位置誤差を低減するディスク装置を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のディスク装置の概
略構成図
【図2】図1のディスク装置のブロック図
【図3】同ディスク装置および従来のデイスク装置の動
作のシミュレーション結果図
【図4】本発明の第2の実施の形態のディスク装置の概
略構成図
【図5】図4のディスク装置のブロック図
【図6】同ディスク装置および従来のデイスク装置の動
作のシミュレーション結果図
【図7】本発明の第3の実施の形態のディスク装置の概
略構成図
【図8】本発明の第4の実施の形態のディスク装置の概
略構成図
【図9】図8のディスク装置のブロック図
【図10】同ディスク装置におけるマイクロアクチュエ
ータの構成図
【図11】同ディスク装置の変形例の概略構成図
【図12】同ディスク装置のさらなる変形例のブロック
【図13】本発明の第5の実施の形態のディスク装置の
概略構成図
【図14】同ディスク装置の要部の詳細図
【図15】同ディスク装置のサーボパターン図
【図16】第1の従来例におけるアクチュエータの概略
構成図
【図17】第2の従来例におけるアクチュエータの概略
構成図
【図18】第3の従来例におけるアクチュエータの概略
構成図
【図19】第4の従来例におけるアクチュエータの概略
構成図
【図20】第5の従来例におけるアクチュエータの概略
構成図
【図21】第6の従来例におけるピギーバックアクチュ
エータのサーボ系のブロック線図
【図22】第7の従来例におけるピギーバックアクチュ
エータのサーボ系のブロック線図
【図23】第8の従来例におけるピギーバックアクチュ
エータのサーボ系のブロック線図
【図24】第9の従来例におけるピギーバックアクチュ
エータのサーボ系のブロック線図
【図25】第10の従来例におけるピギーバックアクチ
ュエータのサーボ系のブロック線図
【図26】第11の従来例におけるピギーバックアクチ
ュエータのサーボ系のブロック線図
【図27】第12の従来例におけるピギーバックアクチ
ュエータのサーボ系のブロック線図
【図28】第13の従来例におけるピギーバックアクチ
ュエータのサーボ系のブロック線図
【符号の説明】
2 複合型磁気ヘッド 5 位置決め機構部 5−1 VCM(主要駆動手段) 5−2 MA(補助駆動手段) 6 位置決め制御部 6−1 ヘッド位置検出部 6−3−1 主要駆動手段制御部 6−3−2 補助駆動手段制御部 6−5 相対位置推定演算部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 21/08 G11B 21/08 Y (72)発明者 桑島 秀樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D088 MM04 PP01 RR03 RR10 SS01 TT10 UU01 5D096 AA02 AA03 HH18 KK11 NN03 NN07 RR06 RR12 SS10 VV01 VV03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドを目標のトラックへ位置決めする
    位置決め機構部と、 ディスク上に書き込まれかつ前記ヘッドによって再生さ
    れるサーボ情報に基づいて、目標トラックに対する前記
    ヘッドの位置の不一致を表す位置誤差信号を生成するこ
    とで、前記位置決め機構部の位置決め動作を制御する位
    置決め制御部とを備えたディスク装置において、 前記位置決め機構部は、前記ヘッドを移動させる主要駆
    動手段と、前記ヘッドを微小移動させる補助駆動手段と
    を有し、 前記位置決め制御部は、 再生ヘッドの再生信号に基づいてヘッドの現在位置を検
    出するヘッド位置検出部と、 前記補助駆動手段あるいは主要駆動手段による移動量を
    検出または推定する相対位置推定演算部と、 前記ヘッドの目標位置と前記位置検出部により検出した
    前記ヘッドの現在位置との位置誤差を含む情報に基づい
    て前記補助駆動手段の制御量を演算する補助駆動手段制
    御部と、 前記相対位置推定演算部により検出あるいは推定された
    前記ヘッドの移動量を含む情報に基づいて前記主要駆動
    手段の制御量を演算する主要駆動手段制御部と、 前記主要駆動手段によるヘッド移動量と前記補助駆動手
    段によるヘッド移動量を制御するそれぞれの制御量が相
    互に干渉することを防止する非干渉化補償器とを有する
    ことを特徴とするディスク装置。
  2. 【請求項2】 非干渉化補償器は、主要駆動手段につい
    ての制御系と、補助駆動手段についての制御系とが結合
    した多入力制御系の閉ループ系において、前記主要駆動
    手段による変位と前記補助駆動手段による変位とを制御
    する固有値の右固有ベクトルが直交関係になるようなフ
    ィードバックゲイン定数を有することを特徴とする請求
    項1記載のディスク装置。
  3. 【請求項3】 位置決め制御部は、補助駆動手段が有す
    る機械主共振による位置誤差の影響を補償する主共振制
    御手段を有していることを特徴とする請求項1記載のデ
    ィスク装置。
  4. 【請求項4】 主共振制御手段は、補助駆動手段の内部
    モデルに主共振モデルを有する状態推定器と、前記状態
    推定器で推定された状態量をもとに制御系の安定を実現
    するゲイン定数とを含む安定化補償器にて構成されてい
    ることを特徴とする請求項3記載のディスク装置。
  5. 【請求項5】 主共振制御手段は、補助駆動手段の主共
    振周波数に等しいバンドパスフィルタ、あるいは補助駆
    動手段の主共振周波数に等しいサンプリング周波数のサ
    ンプルホルダーを有することを特徴とする請求項3記載
    のディスク装置。
  6. 【請求項6】 位置決め機構部の補助駆動手段は、プッ
    シュプル型で駆動される2個以上のマイクロアクチュエ
    ータ素子で構成されるとともに、前記マイクロアクチュ
    エータの特性ばらつきを測定する特性ばらつき計測手段
    と、前記測定された特性ばらつきを補正するための特性
    ばらつき補正手段とを有していることを特徴とする請求
    項1から5までのいずれか1項記載のディスク装置。
  7. 【請求項7】 特性ばらつき補正手段は、マイクロアク
    チュエータの特性ばらつきを補正するものであるととも
    に、プッシュプル型で駆動されるマイクロアクチュエー
    タのプッシュ側とプル側のマイクロアクチュエータ素子
    の特性ばらつきを補正するものであることを特徴とする
    請求項6記載のディスク装置。
  8. 【請求項8】 位置決め制御部は、位置決め機構部の補
    助駆動手段であるプッシュプル型マイクロアクチュエー
    タのプッシュ側とプル側のどちらか一方を、あるいは両
    方を駆動するために、プッシュ側とプル側の切換えを行
    う補助駆動手段切換部を有することを特徴とする請求項
    1から5までのいずれか1項記載のディスク装置。
  9. 【請求項9】 位置決め制御部は、 補助駆動手段の動作異常、故障を検知する補助駆動手段
    故障判別部と、 前記補助駆動手段の動作異常時に主要駆動手段のみでヘ
    ッドの位置決めを行うための定数設定を行うとともに制
    御動作を切り換える駆動手段切換部と、 前記動作異常発生時に、扱うことのできるデータを転送
    レートで制限するデータ転送レート制限部とを有するこ
    とを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載
    のディスク装置。
  10. 【請求項10】 補助駆動手段はマイクロアクチュエー
    タである圧電素子にて構成され、 補助駆動手段故障判別部は、前記圧電素子の両端電極間
    の抵抗値、あるいは静電容量、あるいは誘電損、あるい
    は電流値を計測するように構成されていることを特徴と
    する請求項9記載のディスク装置。
  11. 【請求項11】位置決め制御部は、 雰囲気環境検出部と、 前記雰囲気環境検出部による計測値あるいは推定値によ
    って、補助駆動手段の動作を制限する補助駆動手段制限
    部と、 前記雰囲気環境検出器による計測値あるいは推定値によ
    って、補助駆動手段を制御駆動するためのパラメータを
    調整する補助駆動手段パラメータ調整部とを有すること
    を特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の
    ディスク装置。
  12. 【請求項12】 雰囲気環境検出部は、雰囲気の温度を
    検出する温度センサ、雰囲気の湿度を検出する湿度セン
    サ、雰囲気の振動および衝撃を検出する加速度センサの
    いずれかであることを特徴とする請求項11記載のディ
    スク装置。
  13. 【請求項13】 位置決め機構部は複数個の補助駆動手
    段を有するとともに、位置決め制御部は複数個の補助駆
    動手段制御部を有し、さらに、 複数個のヘッドの位置を同時に、あるいはディジタル制
    御系における同一サンプリング時間内に検出するヘッド
    位置同時検出部と、 前記複数個のヘッドを、それぞれの目標トラックに前記
    複数個の補助駆動手段と前記複数個の補助駆動手段制御
    部によって同時に、あるいは同一サンプリング時間内に
    位置決めする補助駆動手段同時制御部と、 前記複数個のヘッドによって同時に、あるいは同一サン
    プリング時間内に記録再生を行うことができる同時記録
    再生手段とを有することを特徴とする請求項1から5ま
    でのいずれか1項記載のディスク装置。
  14. 【請求項14】 位置決め制御部は、記録再生するヘッ
    ドに応じて、制御駆動する複数個の補助駆動手段の中の
    1個と、補助駆動手段制御部とを接続する補助駆動手段
    選択部を有することを特徴とする請求項1から5までの
    いずれか1項記載のディスク装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9230583B1 (en) 2014-12-24 2016-01-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Disc device and controlling method
US10566017B2 (en) 2018-03-08 2020-02-18 Kabushiki Kaisha Toshiba Actuator block having dual sensors for detecting vibration on magnetic disk device
US10614845B2 (en) 2018-03-08 2020-04-07 Kabushiki Kaisha Toshiba Actuator assembly having dual sensors for detecting the vibration on magnetic disk device

Cited By (5)

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US10885936B2 (en) 2018-03-08 2021-01-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Actuator block having dual sensors for detecting the vibration on magnetic disk drive
US10937454B2 (en) 2018-03-08 2021-03-02 Kabushiki Kaisha Toshiba Actuator assembly having dual sensors for detecting the vibration on magnetic disk device

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