JPH08170298A - 紙塗工用組成物 - Google Patents

紙塗工用組成物

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JPH08170298A
JPH08170298A JP31319194A JP31319194A JPH08170298A JP H08170298 A JPH08170298 A JP H08170298A JP 31319194 A JP31319194 A JP 31319194A JP 31319194 A JP31319194 A JP 31319194A JP H08170298 A JPH08170298 A JP H08170298A
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俊樹 大柳
Katsunori Kitamura
勝徳 北村
Kazunori Kamata
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 顔料、接着剤および保水剤よりなり、該保水
剤は下記一般式(1)で表わされる化合物もしくはその
塩と(メタ)アクリルアミドを共重合して得られる(メ
タ)アクリルアミド系重合体よりなることを特徴とする
紙塗工用組成物。 (式中Rは水素原子または炭素数1〜3の低級アルキル
基、nは1〜8の整数である。) 【効果】 低粘度で、かつ保水性に優れた紙塗工用組成
物が得られ、これを用いて得られる塗工紙は優れた表面
強度を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙塗工用組成物に関す
る。さらに詳しくは、塗工時の流動性が損なわれること
なく優れた保水性を有する紙塗工用組成物に関する。該
紙塗工用組成物を塗工した紙は優れた印刷適性を有す
る。
【0002】
【従来の技術】紙塗工用塗料組成物は顔料と接着剤を主
成分としてなる。顔料としてはクレー、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、サチンホワイト等の無機顔料またはプ
ラスチックピグメントや白色尿素樹脂顔料等の有機顔料
が単独または併用され、接着剤としては主にSBRラテ
ックス、MBRラテックス、SMBRラテックス等の合
成ゴム系ラテックス、スチレン−アクリル、酢ビアクリ
ル等のアクリル系エマルションまたは澱粉、カゼイン、
PVAなどの水溶性高分子化合物が用いられる。接着剤
は接着剤としての働きと同時に、塗料組成物に流動性お
よび保水性を付与する働きが必要である。
【0003】一般に紙塗工の場合、紙へ供給されて掻き
取られた余剰塗料は新しい塗料に混合循環使用される
が、特に保水性の悪い塗料にあっては、紙に水分が選択
的に吸収されるため余剰塗料の固形分濃度が上り、循環
塗料の濃度上昇を引き起こし、安定操業に支障を来すと
同時に、塗工紙品質面でも面感不良、強度低下の原因を
引き起こす。かかる問題点を補うために、通常接着剤と
しては各々の利点を生かして、例えば、合成ゴム系ラテ
ックスと澱粉、カゼイン等の水溶性高分子化合物を併用
することが多い。また、合成ゴム系ラテックスに塗料の
粘度調整、流動性および保水性機能を付与させて水溶性
高分子化合物を全く使用しないソールラテックスを使用
することも行われる。更に積極的に塗料の粘度調整、流
動性および保水性の改善が必要とされる場合は、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム塩、アルギン酸ナトリ
ウム塩、ヒドロキシメチルセルロースナトリウム塩、ア
クリルアミド系等の水溶性高分子改質剤を顔料100重
量部に対して通常0.05〜1%重量部添加使用するこ
とも多い。
【0004】しかし、このような目的に一般に使用され
ている水溶性高分子改質剤は、保水性を高めるに充分な
量を添加すると塗料の粘度が著しく高くなるとともに流
動性も悪化することがあり、操業面で支障を来すと同時
に塗工品質面でも光沢等の低下を来す。また、添加量が
少ないと塗料粘度への影響は少ないものの本来の目的が
達成されないという相反する問題を生じるという欠点が
あり、その改善が要請されている。
【0005】これら相反する要求を解決する手段として
は、例えば、保水剤としてアクリルアミド類と不飽和カ
ルボン酸モノマーとの共重合物を使用する方法、保水剤
としてスチレンマレイン酸半エステル共重合体とスチレ
ン、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エス
テルとの三元共重合体とを混合使用する方法またはスル
ホン化芳香族ポリマーからなる保水剤を使用する方法等
が提案されている。しかしこれらの方法で得られる水溶
性高分子化合物は、本発明者らの検討の結果によると、
前述した塗料の保水性と粘度の関係では必ずしも満足さ
れるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は粘度上
昇が少なく、高い保水性と優れた塗工適性を有し、かつ
良好な印刷適性を有する塗工紙を製造し得る紙塗工用組
成物を提供することである。本発明の他の目的はそれを
塗工してなる塗工紙を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく種々研究を重ねた結果、顔料および接
着剤を主成分とする紙塗工用組成物に保水剤として特定
のポリアクリルアミド系共重合物を配合せしめることに
より、これらの課題が改良されることを見出し、て発明
を完成した。
【0008】即ち、本発明は、顔料、接着剤および保水
剤よりなり、該保水剤は下記一般式(1)で表わされる
化合物もしくはその塩と(メタ)アクリルアミドを共重
合して得られる(メタ)アクリルアミド系重合体よりな
ることを特徴とする紙塗工用組成物および該紙塗工用組
成物を塗工してなる塗工紙である。
【0009】
【化2】 (式中Rは水素原子または炭素数1〜3の低級アルキル
基、nは1〜8の整数である。)以下、本発明について
更に詳しく説明する。
【0010】本発明の保水剤は(メタ)アクリルアミド
と一般式(1)で表わされるスルホン酸化合物もしくは
その塩との共重合体からなる。この共重合体は必要に応
じてその他の共重合可能なビニル化合物を構成成分とす
ることも可能である。共重合体中の(メタ)アクリルア
ミドの量は通常20モル%以上、99.995モル%以
下である。(メタ)アクリルアミドは、粉体あるいは水
溶液の状態で市販され工業的に通常使用されているもの
であれば何れも使用することが出来る。
【0011】共重合体中の一般式(1)で表わされるス
ルホン酸化合物もしくはその塩の量は通常0.005モ
ル%以上、30モル%以下であり、好ましくは0.01
モル%以上、20モル%以下、さらに好ましくは0.0
5モル%以上、5モル%以下である。30モル%を越え
ると重合反応の制御が困難となりがちである。また、そ
の他の共重合可能なビニル化合物は必須ではないが、加
える場合は1モル%以上が好ましく、これ未満では添加
の効果が表れない。その上限は50モル%以下が好まし
く、さらに好ましくは30モル%以下である。50モル
%を越えた場合は保水剤としての効果の低下が見られ
る。
【0012】一般式(1)で表わされるスルホン酸化合
物もしくはその塩において、Rは低級アルキル基であ
り、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基で、具体的に
はメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基である。その塩とは例えば、アリルスルホン酸、アリ
ルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸、メタリ
ルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸アンモニ
ウム等を例示することが出来る。
【0013】また、本発明に用いてもよいその他の共重
合可能なビニル化合物としては、カチオン性ビニル化合
物やアニオン性ビニル化合物、架橋性ビニル化合物等が
例示出来る。カチオン性ビニル化合物としては、例え
ば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)
アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリレートのような第3級
アミノ系ビニル化合物、アリルアミン、メタリルアミン
等、またはそれらの塩類、さらにこれらの化合物のアミ
ノ基とメチルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロルヒ
ドリンもしくはベンジルクロライド等の4級化剤との反
応によって得られる第4級アミノ系ビニル化合物を例示
することが出来る。これらのカチオン性ビニル化合物の
量は全単量体中15モル%以下が好ましい。
【0014】アニオン性ビニル化合物としては、例え
ば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリル
酸、メタクリル酸、あるいはマレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、クロトン酸もしくはシトラコン酸等のα,β
−不飽和カルボン酸またはそれらのナトリウム塩もしく
はカリウム塩などのアルカリ金属塩またはアンモニウム
塩等を挙げることが出来る。これらのアニオン性ビニル
化合物の量は全単量体中15モル%以下が好ましい。
【0015】架橋性ビニル化合物としては、メチレン
(ビス)アクリルアミド、メチレン(ビス)メタアクリ
ルアミド、ジアリルアクリルアミド、トリアクリルホル
マール、ジアクリロイルアミド、エチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
プロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレ
ングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリ
コールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート
等の架橋性ビニル化合物を例示することが出来る。架橋
性のビニル化合物の量は全単量体中20モル%以下が好
ましい。
【0016】上記以外にもその他の共重合可能なビニル
化合物として、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルア
クリルアミド、メタクリル酸メチル、アリルアルコー
ル、メタリルアルコール、アリルメタクリレート、アリ
ルクロライド、メタリルクロライド、アリルシアニド、
メタリルシアニド、アリルベンゼン、メタリルベンゼ
ン、アリルアセトン、ヒドロキシメチルメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルアクリレート、スチレン、α−メ
チルスチレン、α−メチルスチレンダイマー等も例示す
ることが出来る。これらの量は全単量体中20モル%以
下が好ましい。
【0017】本発明の共重合体を製造する方法は公知の
重合方法、例えば水溶液重合、沈澱重合、乳化重合等を
用いることが出来る。また、回分重合、半回分重合の何
れの組み合わせでもよく、重合方法は何等制限されな
い。例えば、(メタ)アクリルアミドと一般式(1)で
表わされるスルホン酸化合物もしくはその塩、および必
要に応じてその他の共重合可能なビニル化合物をその目
的とする割合で添加混合し、所望のpHに調整し、水溶
媒下において10〜95℃に加温し、重合開始剤を加え
1〜10時間重合することにより製造出来る。
【0018】重合温度は重合開始剤の種類、量により異
なる。また、その他の共重合可能なビニル化合物を添加
する場合には、それらの物性にも左右されるが、通常1
0〜95℃、好ましくは20〜90℃である。また、重
合時の全単量体の濃度は5〜50重量%であり、好まし
くは10〜40重量%である。
【0019】重合開始剤としては、例えば、過酸化水
素、過酸化ベンゾイルの如き過酸化物、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムの如き過硫
酸塩、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウムの如き臭素酸
塩、過ホウ酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸
アンモニウムの如き過ホウ酸塩、過炭酸カリウム、過炭
酸ナトリウム、過炭酸アンモニウムの如き過炭酸塩、過
リン酸カリウム、過リン酸ナトリウム、過リン酸アンモ
ニウムの如き過リン酸塩等が挙げられる。更に、2,
2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロ
ライド、2,2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−
イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジヒドロクロライ
ド、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2
−イル)プロパン〕ジヒドロクロライド、2,2’−ア
ゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン〕、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,
1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチ
ル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス〔2−メ
チル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミ
ド〕、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミ
ド)ジヒドレイト、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉
草酸)等が使用出来る。また、前記の酸化剤に還元剤を
共存させる重合方法、すなわちレドックス重合を行うこ
とも可能である。レドックス重合に用いられる還元剤と
しては、硫酸第一鉄、塩化第一鉄の如き鉄類、重亜硫酸
ナトリウム、重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウ
ム、メタ重亜硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム等
の水溶性還元剤等が挙げられる。重合開始剤の添加量は
通常全ビニル化合物に対して0.001〜5重量%の範
囲で使用される。
【0020】pH調節剤としては、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ化
剤、また、リン酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。以上の
ような方法により得られた保水剤は絶対平均分子量が5
〜500万の水溶性重合体であり、好ましくは20万〜
400万である。水溶性共重合体の絶対平均分子量が5
万未満では、保水剤として塗料組成物に使用しても保水
性効果が低く、500万を越えると保水性の発現は高い
が水溶性共重合物の粘度が高くなり、塗料組成物の粘度
および流動性に悪影響を与え、作業性が困難となる。
【0021】本発明でいう絶対平均分子量は、静的光散
乱法により求めることができる。具体的には、多角度の
光散乱検出装置を使用し、ジムプロットを作成する事に
より値を得る事ができる。あるいは、GPCに多角度光
散検出器を接続したGPC−MALLS法により、デバ
イプロットを作成する事により得る事ができる。一般
に、光散乱法による分子量測定には、以下の光散乱の基
礎式 Kc/R(θ)=1/MwP(θ)+2A2c+・・・ R(θ)=角度(θ)における散乱光(レイリー係数)
の還元強度 c =サンプル濃度 Mw =絶対平均分子量 A2 =第2ビリアル係数 K =光学パラメーター P(θ)=角度散乱関数 が用いられるが、本発明でいう、絶対平均分子量は、G
PCに低角度光散乱検出器を接続したGPC−LALL
S法と同様、第2ビリアル係数である第2項以降を無視
した値をいうものとする。光散乱法によるポリマーの絶
対平均分子量の値は、N/10硝酸ナトリウムを含むN
/15リン酸緩衝液(pH7)を溶媒(溶離液)として
測定することができる。
【0022】本発明に用いられる顔料は紙塗工用塗料に
通常用いられる顔料は全て用いることができ、例えばク
レー、炭酸カルシウム、酸化チタン、サチンホワイト等
の無機顔料またはプラスチックピグメントや白色尿素樹
脂顔料等の無機顔料を例示できる。これらは単独または
併用できる。接着剤としては紙塗工用塗料に通常用いら
れるものは全て用いることができ、例えばSBRラテッ
クス、MBRラテックス、SMBRラテックス等の合成
ゴム系ラテックス、スチレン−アクリル、酢ビアクリル
等のアクリル系エマルションまたは澱粉、カゼイン、P
VAなどの水溶性高分子化合物を例示できる。保水剤と
接着剤の使用量は特に制限はないが、通常固形分で顔料
100重量部に対して保水剤は0.05〜2重量部、接
着剤は0.5〜30重量部である。本発明の紙塗工組成
物には、前述した顔料、接着剤、保水剤と、必要に応じ
て消泡剤、分散剤、耐水化剤、防腐剤、着色剤、離型剤
等の助剤を添加することは有効である。
【0023】このようにして得られた紙塗工用組成物
は、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコータ
ー、ロールコーター、バーコーター等の塗工装置によっ
て、一般の塗工紙製造と同様に塗工されるが、この時の
紙塗工用組成物の固形分濃度は、通常40〜65重量%
である。また、塗工紙用原紙としては、一般に用いられ
る印刷用塗工紙用の坪量40〜300g/m2の上質
紙、中質紙、板紙等、およびこれらに予め片面または両
面に紙力剤等を塗工乾燥したコート紙等が用いられる。
これら原紙への紙塗工用組成物の塗工量は、乾燥重量で
通常片面に5〜25g/m2塗工される。このようにし
て塗工乾燥された後、キャレンダー等により仕上げを行
ない塗工紙が得られる。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を挙げて
更に記述するが、本発明はこれらにより何等限定される
ものではない。尚、以下例中に於いて用いる%は特記の
ない限り重量基準を示す。先ず本実施例において用いる
保水剤となる水溶性共重合体の製造例を示し、次いで塗
料組成物の配合例および塗工紙への応用例について示
す。
【0025】製造例1 可変モーター付き撹拌棒と加熱装置(ウォーターバス)
と冷却管と温度計を備えた4つ口セパラブルフラスコを
準備し、該セパラブルフラスコ中に40%アクリルアミ
ド319.5g、80%アクリル酸18.26g、アク
リロニトリル1.08g、メタリルスルホン酸ナトリウ
ム0.962g、メチレン(ビス)アクリルアミド0.
188g、脱イオン水530.7gを仕込み、pHを調
整するため、20%水酸化ナトリウムを加えてpHを
4.0とした。窒素置換を行いつつ温度を40℃まで昇
温し、その後過硫酸アンモニウムを加え、次いで酸性亜
硫酸ソーダを添加し、60分間重合した後、冷却し重合
反応を完了させたところで、20%水酸化ナトリウムを
加えpHを6に調整し、固形分濃度が15.0%になる
ように脱イオン水を加え調整し、保水剤Aを得た。
【0026】製造例2 可変モーター付き撹拌棒と加熱装置(ウォーターバス)
と冷却管と温度計を備えた4つ口セパラブルフラスコを
準備し、該セパラブルフラスコ中に40%アクリルアミ
ド335.45g、80%アクリル酸9.0g、メタリ
ルスルホン酸ナトリウム1.613g、メチレン(ビ
ス)アクリルアミド0.308g、脱イオン水510.
6gを仕込み、pHを調整するため、20%水酸化ナト
リウムを加えてpHを4.0とした。窒素置換を行いつ
つ温度を45℃まで昇温し、その後過硫酸アンモニウム
を加え、次いで酸性亜硫酸ソーダを添加し、60分間重
合した後、冷却し重合反応を完了させたところで、20
%水酸化ナトリウムを加えpHを6に調整し、固形分濃
度が15.0%になるように脱イオン水を加え調整し、
保水剤Bを得た。
【0027】製造例3 可変モーター付き撹拌棒と加熱装置(ウォーターバス)
と冷却管と温度計を備えた4つ口セパラブルフラスコを
準備し、該セパラブルフラスコ中に40%アクリルアミ
ド324.84g、80%アクリル酸9.0g、メタリ
ルスルホン酸ナトリウム9.49g、メチレン(ビス)
アクリルアミド1.85g、脱イオン水554.7gを
仕込み、pHを調整するため、20%水酸化ナトリウム
を加えてpHを4.0とした。窒素置換を行いつつ温度
を45℃まで昇温し、その後過硫酸アンモニウムを加
え、次いで酸性亜硫酸ソーダを添加し、60分間重合し
た後、冷却し重合反応を完了させたところで、20%水
酸化ナトリウムを加えpHを6に調整し、固形分濃度が
15.0%になるように脱イオン水を加え調整し、保水
剤Cを得た。
【0028】比較製造例1 可変モーター付き撹拌棒と加熱装置(ウォーターバス)
と冷却管と温度計を備えた4つ口セパラブルフラスコを
準備し、該セパラブルフラスコ中に40%アクリルアミ
ド334.1g、80%アクリル酸10.8g、脱イオ
ン水517.4gを仕込み、pHを調整するため、20
%水酸化ナトリウムを加えてpHを3.0とした。窒素
置換を行いつつ温度を35℃まで昇温し、その後過硫酸
アンモニウムを加え、次いで酸性亜硫酸ソーダを添加
し、90分間重合した後、冷却し重合反応を完了させた
ところで、20%水酸化ナトリウムを加えpHを6に調
整し、固形分濃度が15.0%になるように脱イオン水
を加え調整し、保水剤Dを得た。
【0029】比較製造例2 可変モーター付き撹拌棒と加熱装置(ウォーターバス)
と冷却管と温度計を備えた4つ口セパラブルフラスコを
準備し、該セパラブルフラスコ中に40%アクリルアミ
ド316.1g、80%アクリル酸18.0g、アクリ
ロニトリル1.06g、メチレン(ビス)アクリルアミ
ド0.154g、脱イオン水516.3gを仕込み、p
Hを調整するため、20%水酸化ナトリウムを加えてp
Hを4.0とした。窒素置換を行いつつ温度を40℃ま
で昇温し、その後過硫酸アンモニウムを加え、次いで酸
性亜硫酸ソーダを添加し、60分間重合した後、冷却し
重合反応を完了させたところで、20%水酸化ナトリウ
ムを加えpHを6に調整し、固形分濃度が15.0%に
なるように脱イオン水を加え調整し、保水剤Eを得た。
以上より得られた保水剤A〜Eの組成と、保水剤A〜E
の粘度と絶対平均分子量を測定し、その物性を表−1に
示した。尚、粘度は25℃におけるブルックフィールド
粘度計(東京計器製)、絶対平均分子量は昭和電工
(株)製 Shodex(R)GPC SYSTEM-11 に ShodexOHpak SB8
0Mを接続し、移動相として燐酸緩衝液を用い、検出器と
して示差屈折率と WYATT TECHONOGY社製多角度光散乱検
出器を併用し夫々測定した。
【0030】実施例1 カオリン(米国エンゲルハルト社製:商品名UW90)
70部、炭酸カルシウム(奥多摩工業製:商品名タマパ
ールTP222HS/富士カオリン工業製:カービタル
90=50/50)30部、分散剤として東亜合成社製
アロンT−40を0.15部と水酸化ナトリウム0.1
部を加え、カウレス分散機を用いて水に分散し、濃度7
5%の顔料スラリーを調整した。これに潤滑剤としてス
テアリン酸カルシウム(サンノプコ社製:商品名ノプコ
ートC−104)0.3部、接着剤としてリン酸エステ
ル化澱粉(日本食品加工社製:商品名MS#4600)
3部とSMBR系ラテックス(三井東圧化学社製:商品
名ポリラック686B−94)12部、耐水化剤として
住友化学社製スミレーズ633を0.3部加えて混合
し、最後に保水剤A0.3部と水を加えて、塗料固形分
濃度を62%に調整して本願発明の紙塗工用組成物(以
下、実施例1塗料組成物と称す)を得た。
【0031】実施例2〜3 実施例1において用いた保水剤Aの代わりに、保水剤
B、Cを顔料100部に対して0.3部用い、尚かつ最
後に加える水の量を調整して固形分濃度を62%にする
以外は、実施例1と同様の操作にて本願発明の紙塗工用
組成物2種(以下実施例2〜3塗料組成物と称す)を得
た。
【0032】比較例1 カオリン(米国エンゲルハルト社製:商品名UW90)
70部、炭酸カルシウム(奥多摩工業製:商品名タマパ
ールTP222HS/富士カオリン工業製:カービタル
90=50/50)30部、分散剤として東亜合成社製
アロンT−40を0.15部と水酸化ナトリウム0.1
部を加え、カウレス分散機を用いて水に分散し、濃度7
5%の顔料スラリーを調整した。これに潤滑剤としてス
テアリン酸カルシウム(サンノプコ社製:商品名ノプコ
コートC−104)0.3部、接着剤としてリン酸エス
テル化澱粉(日本食品加工社製:商品名MS#460
0)3部とSMBR系ラテックス(三井東圧化学社製:
商品名ポリラック686B−94)12部、耐水化剤と
して住友化学社製スミレーズ633を0.3部加えて混
合し、最後に保水剤D0.3部と水を加えて、塗料固形
分濃度を62%に調整して本願発明の紙塗工用組成物
(以下、比較例1塗料組成物と称す)を得た。
【0033】比較例2 比較例1において用いた保水剤Dの代わりに、保水剤E
を顔料100部に対して0.3部用い、尚かつ最後に加
える水の量を調整して固形分濃度を62%にする以外
は、実施例1と同様の操作にて本願発明の紙塗工用組成
物2種(以下比較例2塗料組成物と称す)を得た。
【0034】比較例3 比較例1において用いた保水剤Dの代わりに、保水剤と
してカルボキシメチルセルロース(第一工業製薬製:商
品名セロゲンPR)を顔料100部に対して0.3部用
い、尚かつ最後に加える水の量を調整して固形分濃度を
62%にする以外は、比較例1と同様の操作にて本願発
明の紙塗工用組成物(以下比較例3塗料組成物と称す)
を得た。
【0035】比較例4 本比較例では、本発明の保水剤を使用した紙塗工用組成
物の効果を一層明確にするため、保水剤を使用しない紙
塗工用組成物の例を示す。比較例1において、最後に保
水剤を添加せずに水の量を調整して固形分濃度を62%
にする以外は、比較例1と同様の操作にて本願発明の紙
塗工用組成物(以下、比較例4塗料組成物と称す)を得
た。
【0036】以上より得られた実施例1〜3塗料組成物
と比較例1〜4塗料組成物の粘度と保水性を測定し、表
−2に示した。尚、粘度は25℃におけるブルックフィ
ールド粘度計(東京計器製)60rpmで、保水性は2
1℃でWater Retension Meterに
て夫々測定した。
【0037】応用例1 前記実施例および比較例で得られた紙塗工用組成物を、
秤量104.7g/m 2 の原紙にアプリケーターブレー
ドにて各々の塗料組成物の塗工量が、乾燥重量で15g
/m2になるように塗工し乾燥を行った後、21℃湿度
65%の恒温恒湿にて一昼夜放置した後、温度60℃、
線圧150Kg/cmのスーパーキャレンダーに二回通
し塗工紙を得た。また得られた塗工紙の塗工紙物性を測
定しこれらの結果を表−2に示した。尚、光沢度はJI
SのP−8142に準じて測定した。表面強度はRI印
刷試験機(明製作所製)により印刷を行い、表面のピッ
キングの観察により10段階評価(10は表面ピッキン
グ無く良、1は表面全体にピッキングが発生し不良)し
た。
【0038】
【表1】 AM :アクリルアミド AA :アクリル酸 AN :アクリロニトリル MBA:メチレンビスアクリルアミド SMS:メタリルスルホン酸ナトリウム
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】表−2の数値より、本発明の限定範囲内
にある実施例の塗料組成物により、得られる紙塗工用組
成物は低粘度であり、かつ優れた保水性を付与され、優
れた表面強度を有する塗工紙を製造できることを示し、
本発明の紙塗工用組成物は、従来にない有用な塗料組成
物であることは明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌田 一則 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、接着剤および保水剤よりなり、該
    保水剤は下記一般式(1)で表わされる化合物もしくは
    その塩と(メタ)アクリルアミドを共重合して得られる
    (メタ)アクリルアミド系重合体よりなることを特徴と
    する紙塗工用組成物。 【化1】 (式中Rは水素原子または炭素数1〜3の低級アルキル
    基、nは1〜8の整数である。)
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリルアミド系重合体は他の
    共重合可能な単量体を共重合成分として含有することを
    特徴とする請求項1に記載の紙塗工用組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の紙塗工用組成
    物を塗工してなる塗工紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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