JPH0817007B2 - カセツトロ−デイング装置 - Google Patents

カセツトロ−デイング装置

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JPH0817007B2
JPH0817007B2 JP60127555A JP12755585A JPH0817007B2 JP H0817007 B2 JPH0817007 B2 JP H0817007B2 JP 60127555 A JP60127555 A JP 60127555A JP 12755585 A JP12755585 A JP 12755585A JP H0817007 B2 JPH0817007 B2 JP H0817007B2
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cassette
sliding
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sliding frame
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【発明の詳細な説明】 本発明カセットローディング装置を以下の項目に従っ
て説明する。
A.産業上の利用分野 B.発明の概要 C.背景技術 D.発明が解決しようとする問題点 E.問題点を解決するための手段 F.実施例 F.実施例[第1図乃至第16図] a.テープカセット[第11図乃至第16図] b.PCMオーディオテープレコーダー[2図] c.ベース基板[第1図、第3図、第5図、第8図乃至第
10図] d.カセットローディング装置[第1図、第3図乃至第10
図] e.シャーシ部[第1図、第3図乃至第5図、第8図乃至
第10図] f.摺動枠[第1図、第3図、第4図、第7図乃至第9
図] g.ワイヤ[第1図、第3図、第5図、第10図] h.カセットホルダー[第1図乃至第4図、第7図乃至第
9図、第11図、第12図] i.ホルダー支持アーム[第3図、第4図、第7図乃至第
9図] j.ホルダー昇降手段[第1図、第3図乃至第5図、第7
図乃至第9図] k.駆動機構[第1図、第3図、第10図] k-1.構成 k-2.動作 l.制御手段[第1図、第3図乃至第7図、第9図] l-1.摺動枠の被ロック板[第1図、第3図、第4図、第
7図] l-2.摺動枠のカム[第1図、第3図、第4図、第7図] l-3.第1のロックレバー[第1図、第3図乃至第6図、
第9図] l-4.第2のロックレバー[第1図、第3図乃至第5図、
第9図] l-5.制御動作 m.カセット押え[第1図、第3図、第7図乃至第9図] n.ホルダー枠[第1図乃至第3図、第8図、第9図] o.カセット装着部[第1図、第2図、第8図、第9図] p.カセット押圧レバー[第1図、第3図、第7図乃至第
9図] q.テープカセットの摺動板の移動[第11図、第12図、第
15図、第16図] q-1.閉塞位置から開き位置への移動 q-2.開き位置から閉塞位置への移動 r.カセットローディング動作 r-1.ローディング r-2.アンローディング G.発明の効果 (A.産業上の利用分野) 本発明は新規なカセットローディング装置に関する。
詳しくは、カセットのローディングにあたってカセット
保持部材を支持する摺動部材を装置内に引き込んだ後、
カセット保持部材を下方へ移動せしめるとともにカセッ
トの摺動板を解放することによってカセットのリール駆
動軸への係合孔をカセットの外部に臨ませて、それから
カセット保持部材を移動してカセットの係合孔をリール
駆動軸に係合させるようにしたカセットローディング装
置に関するものであり、摺動部材とカセット保持部材と
の背反的な動作制御やカセットの摺動板の開閉制御をこ
れらの部材の位置の検出手段を要することなく行なうこ
とができるようにした新規なカセットローディング装置
を提供しようとするものである。
(B.発明の概要) 本発明は、水平方向へ移動される摺動部材と、リール
駆動軸への係合孔が閉塞された状態となる第1の位置と
係合孔が外部に臨んだ状態となる第2の位置との間で摺
動される摺動板を有するカセットを保持するために設け
られ、かつ、上記摺動部材に垂直方向へ移動自在となる
ように支持されたカセット保持部材と、上記摺動部材を
移動させる第1の駆動部材と、上記カセット保持部材を
移動させる第2の駆動部材と、これら第1の駆動部材及
び第2の駆動部材を駆動する駆動手段とを備え、カセッ
トのローディング時には上記摺動部材をその移動方向に
おける引込み位置へと移動せしめた後前記カセット保持
部材を下方へ移動させるカセットローディング装置であ
って、上記摺動部材の移動に伴ってカセットの摺動板を
上記第2の位置に摺動させる摺動板開放手段と、上記摺
動部材の摺動時にカセット保持部材又は第2の駆動部材
の動きを阻止すると共に、摺動部材がその移動方向にお
ける引込み位置に来て摺動板開放手段によりカセットの
摺動板の開放が完了した状態でカセット保持部材又は第
2の駆動部材の動きの阻止を解除しかつ摺動部材又は第
1の駆動部材の動きを阻止する制御手段と、カセット保
持部材又は第2の駆動部材の動きを阻止した状態で上記
駆動手段の駆動力を第1の駆動部材に伝達し、摺動部材
又は第1の駆動部材の動きを阻止した状態で上記駆動手
段の駆動力を第2の駆動部材に伝達するように配置され
た遊星歯車機構とを設けることによって、摺動部材とカ
セット保持部材とを1箇の駆動手段によって移動させ、
また、これら2つの移動部材をこれらの各動作の間に必
要な所定の動作順序及び所定の切換えタイミングに従っ
て動作せしめることができると共に、カセットの摺動板
の開放を摺動部材の引き込み位置への移動に連動して行
うことができるようにしたものである。
(C.背景技術) オーディオテープレコーダーあるいはビデオテープレ
コーダー等には、テープカセットをこれらテープレコー
ダーにおける所定の装置位置、即ち、テープカセットに
設けられたテープリール等の係合孔にテープレコーダー
側に設けられたリール駆動軸が係合される位置へ装着せ
しめるカセットローディング装置が設けられており、そ
のローディング方式として、従来からトップローディン
グ方式あるいはフロントローディング方式が多く採られ
ている。
そして、上記したローディング方式によるカセットロ
ーディング装置においては、テープカセットのカセット
保持部材、即ち、テープカセットを保持して該テープカ
セットが前記装着位置へ装着されるように移動する部材
に対する装着は、テープカセットをカセット保持部材の
カセット挿入口から挿入することによって行なわれると
共に、この挿入は、一般に、カセット保持部材に設けら
れたカセット押え等の弾発部材の弾発力に抗しながら行
なわれるようになっている。従って、テープカセットを
カセット保持部材に装着する者に、上記弾発力の反力が
加わるようになるため、その操作感覚はあまり良いもの
とは言えない。
また、オーディオテープレコーダーにフロントローデ
ィング方式によるカセットローディング装置を設ける
と、オーディオテープカセットは比較的小さい形状であ
るため、テープレコーダーの外筐に形成されるカセット
挿入口はその外筐の大きさに較べて非常に小さなものと
なる。従って、外筐の大きさとカセット挿入口の大きさ
とのバランスが悪くなるので、テープレコーダーの見栄
えは余り良いものとならない。
そこで、カセット保持部材を略トレイ形に形成し、こ
れを外筐外に引き出された引出し位置と外筐内に引き込
まれた引込み位置との間を水平方向に移動される摺動部
材に垂直方向へ移動自在となるように支持せしめると共
に、テープカセットのカセット保持部材に対する装着は
カセット保持部材を外筐外へ引き出した状態で行ない、
所定の装着位置に対する装着は摺動部材を引込み位置へ
と移動せしめた後カセット保持部材を下方へ移動せしめ
ることにより行なうようにすることが考えられる。
カセットローディング装置をこのように構成すれば、
テープカセットのカセット保持部材に対する装着は、テ
ープカセットをカセット保持部材に対して略上方から載
置するようにして行なうことが可能となるので、その装
着感覚を極めて良好なものとすることができる。
(D.発明が解決しようとする問題点) ところが、カセットローディング装置をこのように構
成すると、摺動部材の移動方向とカセット保持部材の移
動方向とが互いに直交する方向となるため、この2つの
移動部材のうちの一方の部材が、他方の部材の移動が所
定の移動完了位置において停止される前に移動を開始す
るようなことが起きると、テープカセットのローディン
グが正しく行なわれないことになるばかりか、テープレ
コーダーが故障する原因にもなる。例えば、カセット保
持部材が上方への移動を完了する前に摺動部材が引き出
し位置へ向けて移動されるようなことが起きると、カセ
ット保持部材あるいはテープカセットがプテープレコー
ダー側に設けられた部材に衝突したり、あるいは外筐の
前面板に内側から衝突する等極めて重大な誤動作を生ず
ることになる。
勿論、カセットローディング装置を上記したように構
成する場合は、摺動部材及びカセット保持部材が所定の
移動完了位置へ来たことを検出するためのマイクロスイ
ッチやフォトインタラプタ等の検出手段を設けるべきで
はあるが、これらの検出手段に誤動作が生じないとは言
い切れない。
(E.問題点を解決するための手段) 本発明カセットローディング装置は、上記した問題点
を解決するために、水平方向へ移動される摺動部材と、
リール駆動軸への係合孔が閉塞された状態となる第1の
位置と係合孔が外部に臨んだ状態となる第2の位置との
間で摺動される摺動板を有するカセットを保持するため
に設けられ、かつ、上記摺動部材に垂直方向へ移動自在
となるように支持されたカセット保持部材と、上記摺動
部材を移動させる第1の駆動部材と、上記カセット保持
部材を移動させる第2の駆動部材と、これら第1の駆動
部材及び第2の駆動部材を駆動する駆動手段とを備え、
カセットのローディング時には上記摺動部材をその移動
方向における引込み位置へと移動せしめた後前記カセッ
ト保持部材を下方へ移動させるカセットローディング装
置であって、上記摺動部材の移動に伴ってカセットの摺
動板を上記第2の位置に摺動させる摺動板開放手段と、
上記摺動部材の摺動時にカセット保持部材又は第2の駆
動部材の動きを阻止すると共に、摺動部材がその移動方
向における引込み位置に来て摺動板開放手段によりカセ
ットの摺動板の開放が完了した状態でカセット保持部材
又は第2の駆動部材の動きの阻止を解除しかつ摺動部材
又は第1の駆動部材の動きを阻止する制御手段と、カセ
ット保持部材又は第2の駆動部材の動きを阻止した状態
で上記駆動手段の駆動力を第1の駆動部材に伝達すると
共に、摺動部材又は第1の駆動部材の動きを阻止した状
態で上記駆動手段の駆動力を第2の駆動部材に伝達する
ように配置された遊星歯車機構とを設けたものである。
従って、本発明によれば、摺動部材及びカセット保持
部材のうちの一方の部材は、他方の部材がその移動完了
位置に来るまでの間は動きを阻止されることになるの
で、これら2つの移動部材をこれらの部材の各動作の間
に必要な所定の切換えのタイミングに従って動作せしめ
ることができると共に、そのような制御をこれらの部材
の位置を検出しなくても行なうことができ、しかも、こ
のように2つの移動部材を1箇の駆動手段によって移動
せしめ、その駆動力を遊星歯車機構により2つの移動部
材に選択的に伝達するようにしたので、ローディング動
作の途中あるいはアンローディング動作の途中でモータ
の回転方向を切換える必要がなく、制御回路や検出手段
の構成を極めて簡単なものとすることができる。
(F.実施例)[第1図乃至第16図] 以下に、本発明カセットローディング装置の詳細を添
附図面(第1図乃至第16図)に示した実施の一例に従っ
て説明する。
尚、カセットローディング装置について説明する前
に、これに着脱自在に装着されるテープカセットについ
て説明する。
(a.テープカセット)[第11図乃至第16図] 1はPCMオーディオの用テープカセットである。
2はカセットケースであり、合成樹脂で形成された上
ハーフ3と下ハーフ4とをねじ止め等により結合して成
る。
カセットケース2内には磁気テープ5を巻装した一対
のリールハブ6、7が回転自在に収納されている。尚、
8は上ハーフ3に設けられた透明な窓板であり、これを
透してリールハブ6、7を見ることができるようになっ
ている。
9はカセットケース2の前端部に回動自在に取着され
た前面蓋であり、カセットケース2の前端面を開閉する
ためのものである。
10はカセットケース2の底面部に摺動自在に設けられ
た摺動板であり、カセットケース2の底面を開閉するた
めのものである。摺動板10は底板部11と該底板部11の左
右両側縁から上方に向って立ち上げられた背の低い側板
部12、12とが合成樹脂により一体に形成されて成る。1
3、13、・・・は摺動板10の側板部12、12の内側面に前
後方向に一直線上に並ぶように突設された案内突起であ
り、該案内突起13、13、・・・がカセットケース2の下
ハーフ4の左右両側面に前後方向に延びるように形成さ
れた案内溝14、14に摺動自在に係合されることにより、
摺動板10はカセットケース2に前後方向に摺動自在なる
ように装着される。
15、15は摺動板10の前端縁に左右に適当に離間した位
置から上方に向って突設された突片である。
16はカセットケース2の前面開口部に沿って張架され
た磁気テープ5の後方に形成されたガイド部材等挿入用
空間部であり、該空間部16の左後隅角部に当る部分に支
柱17が立設され、この支柱17にトーションバネ18のコイ
ル部18aが嵌着され、その腕片18bが摺動板10前端縁の中
心部に上方へ突設するように形成されたバネ掛片19に後
方から弾発的に係合され、このトーションバネ18の弾発
力が摺動板10を前記空間部16を閉じる方向、即ち、前方
に移動せしめるように付勢されている。
また、摺動板10の底板部11には2つの挿通孔20、20が
形成されており、摺動板10が後退せしめられたとき、第
16図に2点鎖線で示すように、この挿通孔20、20が下ハ
ーフ4の底板に形成された挿通孔21、21と一致され(以
下、この状態における摺動板10の位置を「開き位置」と
言う。)、PCMオーディオテープレコーダーに設けられ
たリール駆動用の係合軸がカセットケース2内に進入す
ることができるようになっている。そして、摺動板10が
前方へ移動して、第14図に示すように、摺動板10がカセ
ットケース2の空間部16の下方を閉じた状態で、摺動板
10の挿通孔20、20と下ハーフ4の挿通孔21、21とは互い
にその位置がずれて、下ハーフ4の挿通孔21、21が摺動
板10の底板部11で閉塞されるようになっている(以下、
この状態における摺動板10の位置を「閉塞位置」と言
う。)。
更に、摺動板10の底板部11には前後方向に延び底板部
11の前端縁に開口する浅溝22が形成されており、該浅溝
22の開口端部は徐々に拡開されるように形成されてい
る。そして、前面蓋9が閉じた状態において、浅溝22の
開口端は前面蓋9の下端縁に形成された切欠23と対応す
るようにされている。尚、前面蓋9の下端縁には更に2
つの切欠24、24が形成されている。
前記浅溝22の前端部には半円形状の係合切欠25が形成
され、また、浅溝22の後端部には係合孔26が形成されて
いる。
27はロック片であり、下ハーフ4の底板にU字状の切
溝28を形成することによって後端部が下ハーフ4の底板
に連結され前端部が撓むように前後方向に延びて形成さ
れている。また、ロック片27前端部の下面には半球状の
係合突起29が一体に形成されている。そして、ロック片
27の上平面は所定量削られて撓み易くされており、更
に、ロック片27前端部上方の所定の高さにリミッタ30を
上ハーフ3から突設し、第12図(B)に示すようにロッ
ク片27が必要以上に撓まされて折れてしまうようなこと
がないようにされている。
しかして、第14図に示すように、摺動板10が閉じた状
態では、摺動板10に設けられた係合孔26にロック片27先
端の係合突起29が嵌合し、摺動板10が開き位置へ向って
移動してしまわないようにロックされている。そして、
この状態で、係合突起29は係合孔26から下方へ突出する
が浅溝22内に位置されている。
尚、31は上ハーフ3の上面の前端縁寄りの部分に左右
方向に沿って延びるように形成された溝である。
(b.PCMオーディオテープレコーダー)[第2図] 32は後述するカセットローディング装置等が設けられ
たPCMオーディオテープレコーダーである。33は該テー
プレコーダー32の外筐であり、その前面板33aにカセッ
トホルダー引出用の引出口34が形成されている。
(c.ベース基板)[第1図、第3図、第5図、第8図乃
至第10図] 35は前記テープレコーダー32の外筐33の内部に設けら
れたベース基板である。該ベース基板35は全体として前
後方向に長い略長四角状に形成されると共に、その左右
両側縁の前端部から支柱支持片35a、35aが側方へ突出す
るように形成されている。
36はベース基板35の前端部に形成されたリール駆動軸
配置用の開口部であり、該開口部36は左右方向に長い小
判形に形成されている。
37、38は上記開口部36の下方に設けられた図示しない
リール台基板に支持されたリール駆動軸であり、これら
リール駆動軸37、38の上端部には係合軸部37a、38aが設
けられると共に、該係合軸部37a、38aは前記開口部36を
通してベース基板35から上方へ突出するように位置され
ている。
39はベース基板35の後端部に設けられたヘッドドラム
である。
また、40、41はベース基板35の上面のうち前記開口部
36とヘッドドラム39との間の略中間の位置に互いに左右
に所定の距離離間して配置された位置決めピンである。
42はベース基板35の前端部のうち左右方向における中
央部と右側縁との間の略中間の位置に固定された突当り
板である。該突当り板42は取付片42aと垂直方向に延び
る突当り片42bとから成り、突当り片42bが前方を向く姿
勢で取付片42aがベース基板35にねじ止め等の固定手段
により固定されている。尚、この突当り板42は、これの
突当り片42bに後述する第1のカセット押圧レバーの一
端部が突当ることにより、相対的に該第1のカセット押
圧レバーを回動せしめるための部材である。
尚、図示を省略してあるが、ベース基板35にはテープ
走行機構、テープローディング機構等の機構が設けられ
ており、前記したテープカセット1が後述するカセット
ローディング装置によってローディングされベース基板
35に対する所定の位置へ装着されると、テープローディ
ング機構によってカセットケース2から磁気テープ5が
引き出されると共に、上記したテープ走行機構を構成す
る各種のテープガイド部材及び前記ヘッドドラム39等に
巻き付けられるようになっている。
(d.カセットローディング装置)[第1図、第3図乃至
第10図] 43はカセットローディング装置である。該カセットロ
ーディング装置43は前記テープカセット1が装着される
カセットホルダー、該カセットホルダーを垂直方向へ移
動自在となるように支持し、かつ、前後方向へ移動され
る摺動枠、該摺動枠を支持するシャーシ部、駆動系、等
から成ると共に、上記カセットホルダーに装着されたテ
ープカセット1のカセットケース2を押圧するカセット
押圧レバー等が備えられている。
(e.シャーシ部)[第1図、第3図乃至第5図、第8図
乃至第10図] 44はシャーシである。該シャーシ44はその外形が稍前
後方向に長い長四角状に形成されると共に、その長四角
の略後側半部を占める基部45と、該基部45の前端縁の左
右両端部から前方へ向けて互いに平行に延びるように突
設された側部片46、46、該側部片46、46のうちの下方へ
向けて略直角に屈曲された前端部の間に形成された前部
片47とから成る。
そして、シャーシ44は、その側部片46、46の各前端寄
りの部分と前記ベース基板35に形成された支柱支持片35
a、35aとの間及びシャーシ44の基部45の左右両側縁寄り
の部分とベース基板35との間に設けられた支柱48、48、
48、(48)(図面では3個のみ示してある。)によっ
て、ベース基板35の上方にこれと所定の距離離間し、か
つ、該ベース基板35と平行に対向し合う状態でベース基
板35に固定されている。
49及び50はシャーシ44に設けられた前側のレール支持
片であり、該レール支持片49及び50は左側から見て略L
字状に屈曲されると共に、シャーシ44の側部片46、46の
前端寄りの位置にねじ止め等の固定手段により固定され
ている。尚、これらレール支持片49、50のうち左側のも
の49の垂直方向に延びる支持部49aは右側のもの50の支
持部50aより稍高く形成されている。
51及び52はシャーシ44の基部45に一体に形成された後
側のレール支持片であり、これらレール支持片51及び52
のうちの左側のもの51は基部45の左側縁に沿う部分の一
部を切り起すようにして形成され、また、右側のもの52
は基部45の後端縁のうちの右端部から折り起し状に形成
されている。
53及び54は後述する摺動枠を前後方向に移動自在に支
持するための略丸棒状のガイドレールであり、これらガ
イドレール53及び54のうちの左側のもの53が前記前側の
レール支持片49と後側のレール支持片51との間に架け渡
すように設けられると共に、右側のもの54が前記前側の
レール支持片50と後側のレール支持片52との間に架け渡
すように設けられている。
55はシャーシ44の下面側に設けられたワイヤ走行ギヤ
であり、該ワイヤ走行ギヤ55はその下部にプーリー部56
が一体に形成されると共に、シャーシ44の右側縁と後側
縁とが変わる隅角部に近接する位置から下方へ突設され
たギヤ支持軸57に回転自在に支持されている。
58はワイヤプーリーであり、該ワイヤプーリー58はシ
ャーシ44の右側の側部片46の前端部から下方へ向けて突
設されたプーリー支持軸59に回転自在に支持されてい
る。
また、60はガイドプーリーであり、該ガイドプーリー
60はシャーシ44の右側の側部片46の基部45への付根部か
ら下方へ向けて突設されたプーリー支持軸61に回転自在
に支持されている。
尚、前記したワイヤ走行ギヤ55のプーリー部56とワイ
ヤプーリー58との間には後述するワイヤが無端状に架け
渡される。
62はシャーシ44の基部45の後側縁寄りの部分を一部下
方へ向けて切り起すようにして形成された切起し片であ
る。
63は基部45の前端縁のうちの略中央部から稍右側へ寄
った部分に形成された切欠部、また、64は基部45のうち
の切欠部63と近接する位置に形成されたばね掛孔であ
る。
尚、シャーシ44は、前記外筐33の内部に、その前部片
47が外筐33の前面板33aに近接し、かつ、前部片47の上
縁が引出口34の下縁と略同じ高さに位置する状態で配置
されている。
(f.摺動枠)[第1図、第3図、第4図、第7図乃至第
9図] 65は前記シャーシ44に設けられたガイドレール53、54
に摺動自在に支持された摺動枠である。
66及び67は摺動枠65の側板であり、該側板66及び67は
互いに略左右対称的に形成されているが、右側の側板67
は左側の側板66よりも稍長く形成されている。そして、
これら側板66及び67は上下方向にある程度の幅を有し、
かつ、前後方向に長く延びる略板状に形成されており、
その前部が側方から見て下方へ略クランク状に屈曲され
ると共に、そのクランク状に屈曲された部分の下縁から
互いに内側へ向けて支持片68、68、・・・が突設されて
いる。
69は摺動枠65の前板であり、該前板69はその左右両端
部が上記側板66及び67に形成された支持片68、68、・・
・にねじ止めされることにより側板66、67の各前端部間
に架け渡すように設けられると共に、その後側縁の右端
部に切欠部70が形成されている。71は前板69のうち上記
切欠部70から稍左側へ寄った位置から立設されたレバー
支持ピンである。また、72、72は前板69の左右両端部に
形成された螺孔である。
73、73は側板66、67の上縁のうちの中央部から稍後側
へ寄った部分から互いに内側へ向けて水平に突出するよ
うに形成された支持片であり、これら支持片73、73の前
端部には螺孔74、74が形成されている。
75は桟であり、該桟75は左右方向に長い板状に形成さ
れると共に、その前側縁の中央部に上方から見て略逆U
字状を成す切欠部76が形成されており、その両端部が前
記支持片73、73の後部に固定されている。
77及び78は被ガイド子である。これら被ガイド子77及
び78のうち左側のもの77は前記側板66、67のうちの左側
のもの66の左側面の後端部にねじ止めにより固定される
と共に、前後方向から見て略横倒U字状を為す溝77a、7
7aが左側面に開口するように形成されている。また、右
側の被ガイド子78は右側の側板67の右側面の後端部にね
じ止めにより固定されると共に、これを前後方向に貫通
する挿通孔78a、78aが形成されている。そして、右側の
被ガイド子78の挿通孔78a、78aにはシャーシ44に設けら
れた右側のガイドレール54が挿通されると共に、左側の
被ガイド子77の溝77a、77aには左側のガイドレール53が
摺動自在に係合される。
しかして、摺動枠65は、その被ガイド子77、78がガイ
ドレール53、54に摺動自在に支持されることにより、ガ
イドレール53、54に前後方向へと移動自在なるように支
持されると共に、被ガイド子77、78がシャーシ44に設け
られた前側レール支持片49、50の支持部49a、50aに当接
することによってそれより前方への移動が阻止され、ま
た、被ガイド子77、78がシャーシ部44に形成された後側
のレール支持片51、52に当接することによってそれより
後方への移動が阻止されるようになっている。
尚、摺動枠65は、その被ガイド子77、78が前側のレー
ル支持片49、50に当接する位置(以下、「引出し位置」
と言う。)に来ると、第1図、第2図、第8図及び第9
図(A)に示すように、その前部が外筐33に形成された
引出口34から外筐外へと突出するように位置され、ま
た、被ガイド子77、78が後側のレール支持片51、52に当
接する位置(以下、「引込み位置」と言う。)に来る
と、第3図、第4図、第9図(B)及び第9図(C)に
示すように、その全体が外筐33の内部に位置され、か
つ、その前板69の前端縁が引出口34と近接して位置する
ようになっている。また、前板69に形成された切欠部70
は、ベース基板35に設けられた前記突当り板42の突当り
片42bの上端部と前後方向に対応する位置に形成される
と共に、摺動枠65が引込み位置に来た状態において、突
当り片42bとある程度離れて位置するようになってい
る。
79はワイヤ掛止板である。該ワイヤ掛止板79は略逆L
字状に屈曲するように形成されており、その水平方向に
延びる部分の左端部が前記右側の被ガイド子78の上面に
ねじ止めされると共に、その垂直方向に延びる部分の内
面の下端部から掛止ピン80が突設されている。
(g.ワイヤ)[第1図、第3図、第5図、第10図] 81は摺動部材65を移動させるための第1の駆動手段と
してのワイヤである。該ワイヤ81はその両端部81a、81b
がループ状に形成されると共に、一端部81aが前記摺動
枠65に設けられたワイヤ掛止板79から突設された掛止ピ
ン80に係着されている。そして、ワイヤ81は上記一端部
81aから後方へ向けて延び、シャーシ44に設けられた前
記ワイヤ走行ギヤ55のプーリー部56に略1周半巻き付け
られた後前方へ向けて折り返されると共に、途中でガイ
ドプーリー60と接触され、ワイヤプーリー58に巻き付け
られた後後方へ折り返され、その他端部81bがリミッタ
ーバネ82を介してワイヤ掛止板79の掛止ピン80に係着さ
れている。
しかして、摺動枠65が引込み位置に来ている状態から
ワイヤ走行ギヤ55が時計回り方向へ回転されると、ワイ
ヤ81はその両端部81a、81bが前方へ移動するように走行
されるため、ワイヤ掛止板79が前方へ移動されることに
なり、これによって、摺動枠65が引出し位置へ向けて移
動されて行くことになる。また、摺動枠65が引出し位置
に来ている状態からワイヤ走行ギヤ55が反時計回り方向
へ回転されると、ワイヤ81はその両端部81a、81bが後方
へ移動するように走行されるため、ワイヤ掛止板79が後
方へ移動されることになり、これによって、摺動枠65が
引込み位置へ向けて移動されて行くことになる。
(h.カセットホルダー)[第1図乃至第4図、第7図乃
至第9図、第11図、第12図] 83はカセットホルダーである。該カセットホルダー83
は左右方向に長い略四角状の底板84と該底板84の左右両
側縁から立ち上げ状に形成された背の低い側板85、86と
により前後方向から見て略−状を成すように形成されて
いる。そして、カセットホルダー83の底板84には互いに
左右方向に離間して位置する挿通孔87、87が形成されて
いる。また、底板84の後端縁の中央部に逆台形状の切欠
部88が形成されると共に、該切欠部88の両側端に連続し
た部分に僅かに後方へ突出し突出部89、89が形成されお
り、該突出部89、89の先端部から上方へ向って折り曲げ
られた背の低い突片90、90が形成されている。
91は底板84に前後方向に沿って延びるように形成され
た突条であり、該突条91は、底板84の後端縁のうち右側
の突片90から稍右側へ寄った位置からある程度前方へ寄
った位置と前記挿通孔87、87の後端と略対応する位置と
の間の部分に形成されている。そして、突条91の前端部
及び後端部は先下がりの傾斜面91a、91bとされている。
尚、このような突条91は底板84の上記した部分を上方へ
向って打ち出すことにより底板84に一体に形成されてい
る。
92は底板84の前端縁の略中央部に形成された切欠部、
また、93、94は側板85、86の下端部のうちの後部に前後
方向に沿って延びるように形成されたガイド長孔であ
る。
尚、カセットホルダー83の左右方向における長さは、
前記摺動枠65の左右の側板66、67間の距離より稍短かく
されている。
(i.ホルダー支持アーム)[第3図、第4図、第7図乃
至第9図] 95、96、97及び98は前記カセットホルダー83を前記摺
動枠65に上下方向へ移動自在となるように支持するため
のアームであり、これらアーム95、96、97及び98のうち
の左側のもの95と96、及び右側のもの97と98は、それぞ
れ、長手方向における略中央部がピン99及び100によっ
て互いに回動自在に連結されている。
101、102は、摺動枠65の左右の側板66、67の上縁寄り
の部分のうち前後方向における中央部から稍前方へ寄っ
た部分に前後方向に沿って延びるように形成されたガイ
ド長孔であり、該ガイド長孔101、102に移動ピン103、1
04が摺動自在に係合されている。また、105、106は前記
カセットホルダー83の左右の側板85、86の前端部から互
いに外側へ向けて突出するように設けられた固定ピンで
ある。そして、前記アーム95と96及び97と98のうちそれ
ぞれ反カセットホルダー83側に位置するもの95及び97
は、その上端部が上記移動ピン103、104のうちのガイド
長孔101、102から内側へ突出した部分に回動自在に連結
され、その下端部が上記固定ピン105、106に回動自在に
連結されている。
また、107、108はカセットホルダー83の側板85、86に
形成された前記ガイド長孔93、94に摺動自在に係合され
た移動ピンであり、109、110は摺動枠65の側板66、67の
うち前記ガイド長孔101、102の前端からある程度前方へ
寄った位置から互いに内側へ向けて突出するように設け
られた固定ピンである。そして、前記アーム95と96及び
97と98のうちそれぞれ内側に位置するもの96、98は、そ
の下端部が上記カセットホルダー83側の移動ピン107、1
08に回動自在に連結され、その上端部が上記摺動枠65側
の固定ピン109、110に回動自在に連結されている。
しかして、カセットホルダー83は、その側板85及び86
が、互いに交差するように連結されたアーム95と96及び
97と98を介して摺動枠65の側板66及び67に支持されると
共に、アーム95と96及び97と98の間の開き角が変化され
ることにより、上下方向へ移動される状態で摺動枠65に
支持されている。
(j.ホルダー昇降手段)[第1図、第3図乃至第5図、
第7図乃至第9図] 111、111は摺動枠65の側板66、67の下端縁寄りの部分
のうち支持片73、73の下方に対応する位置から互いに内
側へ向けて水平に突設されたアーム支持ピンである。
112は引張りスプリングであり、該引張スプリング112
はその一端部が上記アーム支持ピン111、111のうちの左
側のものに係着され、その他端部が摺動枠65の左側の側
板66に形成されたガイド長孔101に摺動自在に係合され
た前記移動ピン103に係着されている。
これによって、該移動ピン103は引張りスプリング112
の引張力によって、常時、後方へ引張られる力を受ける
ことになる。
従って、アーム95の上端部が後方へ向けて引張られる
ため、アーム96の上端部が相対的に前方へ移動されるこ
とになる。これによって、アーム95には後ろ斜め上方へ
向かう力が作用され、アーム96には前方斜め上方へ向か
う力が作用されることになり、これら2つの力の合成
力、即ち、上方へ向う力がピン99に作用することにな
る。従って、アーム95と96とにその互いの開き角を大き
くする方向への回動力が作用することになる。そして、
この回動力は、少なくともアーム95、96の下端部におい
ては、上方へ向かう成分を含むものであるから、結局、
移動ピン107及び固定ピン105を介してカセットホルダー
83を上方へ引き上げる力として作用することになる。
しかして、引張りスプリング112の引張力により、カ
セットホルダー83には、常時、上方へ向けて移動しよう
とする移動力が付勢されていることになる。
尚、カセットホルダー83は、これを下方へ向けて押圧
するような押圧力が加えられていない間は、移動ピン10
3がガイド長孔101の後端縁に当接した状態にある位置、
即ち、その底板84が摺動枠65の前板69より僅かに高いと
ころに来ている位置(以下、「上昇位置」と言う。)に
保持されることになる。
113、113は回動アームである。該回動アーム113、113
はその後端部の下部が前記アーム支持ピン111、111の先
端部に回動自在に支持されると共に、各後端部の上部に
左右方向に沿って延びる連結杆114の両端が固定される
ことによって、互いに一体的に連結されている。そし
て、回動アーム113、113の前端部にはこれら回動アーム
113、113の長手方向に沿って延びる切欠部115、115が形
成されており、該切欠部115、115がカセットホルダー83
の側板85、86から突設された固定ピン105、106に摺動自
在に係合されている。
従って、前記した引張りスプリング112によって作用
する左側アーム95、96に対する回動力は、これら回動ア
ーム113、113を介して右側のアーム97、98にも同様に作
用することになる。これによって、引張りスプリング11
2によるカセットホルダー83に対する上方への移動力及
び後述するスライダーによるカセットホルダー83に対す
る下方への押圧力が、左右の側板85、86に均等に加えら
れるようになり、カセットホルダー83が上下方向へ移動
されるときに歪みや傾き等を生ずることがないようにさ
れている。
116は摺動枠65の右側の側板67の左側面に沿うように
位置されたスライダーである。該スライダー116は前後
方向に長い板状に形成されており、その後端縁から左側
へ向けて屈曲された被押圧片117が形成されると共に、
前端部に前後方向に沿って延びる切欠部118が形成さ
れ、また、後端部に前後方向に沿って延びる長孔119が
形成されている。そして、スライダー116はその長孔119
に摺動枠65の右側板67から突設されたガイドピン120が
摺動自在に係合されると共に、その切欠部118が前記移
動ピン104に係合されることによって、前後方向へ移動
自在なるようにされており、カセットホルダー83が前記
した上昇位置に来ているときは、移動ピン104に付勢さ
れた後方への移動力によって、長孔119の前端縁がガイ
ドピン120に当接した状態に保持されている。
121はシャーシ44の基部45に前後方向へ移動自在とな
るように設けられたラック板であり、該ラック板121は
カセット保持部材83を移動させるための第2の駆動手段
として機能する。該ラック板121は全体として前後方向
に長い板状に形成されると共に、これの前後両端部に前
後方向に沿って延びる被ガイド長孔122、122が形成さ
れ、また、該被ガイド長孔122、122の間の部分に被制御
長孔123が形成されている。123aは上記被制御長孔123の
前端部から右側へ向けて屈曲するように形成されたロッ
ク部である。そして、ラック板121の左側面のうちの前
後方向における略中央部にはラック部124が形成され、
また、右側面のうちの前端寄りの部分からは腕125が略
右側へ向けて突設されており、該腕125の先端部に押圧
突部126が一体に形成されている。尚、押圧突部126は前
記スライダー116の被押圧片117に後方から対向するよう
に位置されている。
127、127はシャーシ44の基部45のうちこれの前端縁に
形成された前記切欠部63から稍右側へ寄った位置と対応
する部分に互いに前後方向に離間して立設されたガイド
ピンであり、ラック板121はその被ガイド長孔122、122
に上記ガイドピン127、127が摺動自在に係合されること
によって、これらガイドピン127、127に前後方向へ移動
自在となるように支持されている。
尚、ラック板121は、摺動枠65が引込み位置へ来る前
の状態においてその被ガイド長孔122、122の前端縁がガ
イドピン127、127に当接する位置(以下、「後退位置」
と言う。)に保持されると共に、摺動枠65が引込み位置
へ来ると、そのラック部124が後述する駆動系のギヤに
よって前方へ送られることにより前方へ移動されるよう
になっている。また、前記スライダー116は、摺動枠65
が引込み位置へ来ると、第3図に示すように、その被押
圧片117がラック部121の押圧突部126に前方から近接し
て位置されるようになっている。
そこで、摺動枠65が引込み位置へ来ると、ラック板12
1が前方へ移動されるようになる。するとラック板121の
押圧突部126がスライダー116の被押圧片117を後方から
押圧するので、スライダー116が前方へと移動され、こ
れによって、スライダー116の前端部が係合された移動
ピン104が前方へと移動せしめられることになる。従っ
て、アーム97の上端部がこれと他のアーム98の上端部と
の間の距離を縮めるように移動されるため、アーム97と
98とが互いに開き角を小さくする方向へ回動される。即
ち、アーム97、98がそれぞれの下端部が下方へ移動され
るように回動され、このため、カセットホルダー83が引
張りスプリング112の引張力に抗して下方へ向けて移動
されることになる。
そして、スライダー116はその長孔119の後端縁がガイ
ドピン120に当接することによりそこから前方への移動
を阻止されることになり、この状態において、カセット
ホルダー83が前記リール駆動軸37、38の係合軸部37a、3
8aが相対的にカセットホルダー83の底板84に形成された
挿通孔87、87を通して該底板84からある程度上方へ突出
する位置(以下、「ローディング完了位置」と言う。)
まで下降されることになる。
尚、カセットホルダー83がローディング完了位置に来
ている状態からラック板121が後退位置へ向けて移動さ
れると、スライダー116による移動ピン104に対する前方
への押圧力が解除されるため、カセットホルダー83は引
張りスプリング112の引張力により上昇位置へ向けて移
動されて行くことになる。
(k.駆動機構)[第1図、第3図、第10図] (k-1.構成) 128はシャーシ44の基部45の下面のうちの左側縁と後
端縁とが交わる隅角部に取着されたモータであり、その
出力軸128aの上端部はシャーシ44の上面から上方へ突出
するように位置されると共に、その上端部に駆動プーリ
ー129が固定されている。尚、モータ128は、上記駆動部
材65及びカセット保持部材83を移動せしめる駆動手段と
して機能する。
130は伝達ギヤであり、該伝達ギヤ130の上部にはプー
リー部130aが一体に形成されており、該プーリー部130a
と前記駆動プーリー129との間に無端状のベルト131が架
け渡されている。
132は所謂遊星歯車機構である。133は該遊星歯車機構
132の支軸であり、該支軸133にスリーブ134が回転自在
に支持されている。尚、遊星歯車機構132は上記モータ1
28の駆動力を後述するように第1の駆動部材としてのワ
イヤ81又は第2の駆動部材としてのラック板121に選択
的に伝達する機能を有する。
135はスリーブ134の下端部に固定されると共に、前記
伝達ギヤ130と噛合された入力ギヤ、136はスリーブ134
の軸方向における中間部に固定された小径な駆動ギヤで
ある。
137はスリーブ134の上端部に回転自在に支持された第
1の出力ギヤであり、該第1の出力ギヤ137は下面が開
口し上面が閉塞された軸方向に短い円筒状に形成される
と共に、その内周面にギヤ歯138、138、・・・が形成さ
れており、その上面の中央部に小ギヤ139が一体に形成
されている。
140はスリーブ134のうち前記入力ギヤ135と駆動ギヤ1
36との間の部分に回転自在に支持された第2の出力ギヤ
であり、該第2の出力ギヤ140は入力ギヤ135と略同径に
形成されると共に、その互いに略180°離間した位置か
らピン141、141が上方へ向けて突設されている。そし
て、該ピン141、141に小径な遊星ギヤ142、142が回転自
在に支持されていると共に、これら遊星ギヤ142、142は
駆動ギヤ136と第1の出力ギヤ137の内周面に形成された
ギヤ歯138、138、・・・とに噛合されている。
また、143はシャーシ44の基部45に形成された前記切
起し片62から立設された支持軸であり、該支持軸143に
減速ギヤ144が回転自在に支持されている。該減速ギヤ1
44は略スリーブ状に形成された基部144aと該基部144aの
上端部に形成された大径な上側の入力ギヤ144bと基部14
4aの下端部に形成された小径な下側の出力ギヤ144cとか
ら成り、上記入力ギヤ144bが前記遊星歯車気候132の第
1の出力ギヤ137の小ギヤ139と噛合されている。尚、出
力ギヤ144cはシャーシ44の下面側に位置されている。
145はシャーシ44の基部45の下面側に配置された中間
ギヤであり、該中間ギヤ145は上記減速ギヤ144の出力ギ
ヤ144cと前記ワイヤ走行ギヤ55とに噛合されている。
更に、146、147、148は減速ギヤであり、これら減速
ギヤ146、147、148には各別に小ギヤ146a、147a、148a
が一体に形成されている。そして、これら減速ギヤのう
ちの第1の減速ギヤ146は前記遊星歯車機構132の第2の
出力ギヤ140と噛合されていると共に、その小ギヤ146a
が第2の減速ギヤ147と噛合されている。また、第3の
減速ギヤ148は第2の減速ギヤ147の小ギヤ147aに噛合さ
れると共に、その小ギヤ148aが前記ラック板121に形成
されたラック部124と噛合されている。
(k-2.動作) しかして、モータ128が回転されると、その回転が駆
動プーリー129−ベルト131−伝達ギヤ130のプーリー部1
30−伝達ギヤ130といった伝達経路により、遊星歯車機
構132の入力ギヤ135に伝達されるので、入力ギヤ135、
スリーブ134及び駆動ギヤ136が回転されることになる。
そして、遊星歯車機構132において、第2の出力ギヤ1
40の回転が阻止されているときは第1の出力ギヤ137が
回転され、第1の出力ギヤ137の回転が阻止されている
ときは第2の出力ギヤ140が回転されることになる。
即ち、駆動ギヤ136が回転されている状態において、
第2の出力ギヤ140が回転を阻止されていると、ピン14
1、141の動きが止められているので、遊星ギヤ142、142
は駆動ギヤ136によって現在の位置で自転されるだけと
なる。従って、第1の出力ギヤ137はその内周面に形成
されたギヤ歯138、138、・・・が遊星ギヤ142、142によ
り送られることによって回転されることになり、その回
転が第1の出力ギヤ137の小ギヤ139−減速ギヤ144−中
間ギヤ145といった伝達経路によりワイヤ走行ギヤ55に
伝達されることになる。
また、駆動ギヤ136が回転されている状態において、
第1の出力ギヤ137が回転を阻止されていると、駆動ギ
ヤ136によって回転される遊星ギヤ142、142は第1の出
力ギヤ137のギヤ歯138、138、・・・を送ることができ
ないので、結局、自転しながら第1の出力ギヤ137の内
周面に沿って公転することになる。従って、遊星ギヤ14
2、142が支持されたピン141、141が遊星ギヤ142、142と
一体的に公転されるので、第2の出力ギヤ140が回転さ
れることになり、その回転が第1の減速ギヤ146−第2
の減速ギヤ147−第3の減速ギヤ148といった伝達経路に
よりラック板121に伝達されることになる。
尚、モータ128はローディング動作を行なうとき正転
され、アンローディング動作を行なうとき逆転されるよ
うになっており、モータ128が正転されたときは駆動プ
ーリー129が時計回り方向へ回転されるようになってい
る。
従って、モータ128が正転されると、伝達ギヤ130が時
計回り方向へ回転されるので、遊星歯車機構132におい
ては入力ギヤ135、スリーブ134及び駆動ギヤ136が反時
計回り方向へと回転されることになり、遊星ギヤ142、1
42は時計回り方向へ回転されることになる。
そして、この回転は第1の出力ギヤ137に対してはこ
れを時計回り方向へ回転させることになるので、減速ギ
ヤ144が反時計回り方向へ、中間ギヤ145が時計回り方向
へ、それぞれ回転され、ワイヤ走行ギヤ55が反時計回り
方向へ回転されることになる。これによって、ワイヤ81
が摺動枠65を後方へと引張るように走行せしめられる。
また、遊星ギヤ142、142の時計回り方向への回転は第
2の出力ギヤ140に対してはこれを反時計回り方向へ回
転させることになるので、第1の減速ギヤ146が時計回
り方向へ、第2の減速ギヤ147が反時計回り方向へ、そ
して、第3の減速ギヤ148が時計回り方向へ、それぞれ
回転されることになり、ラック板121のラック部124が前
方へ送り出されて行くことになる。これによって、ラッ
ク板121が前方へと移動せしめられることになる。
しかして、モータ128が正転されると、その回転力は
摺動枠65を引き込むための駆動力とカセットホルダー83
を下降せしめるための駆動力として作用することにな
る。
尚、モータ128が逆転されたときの各プーリー、ギヤ
の回転方向とワイヤ81の走行方向及びラック板121等の
移動方向は上記した方向と全て逆の方向となる。従っ
て、モータ128が逆転されたときのその回転力は、摺動
枠65を引き出すための駆動力及びカセットホルダー83が
上昇される状態を形成するための駆動力として作用する
ことになる。
(l.制御手段)[第1図、第3図乃至第7図、第9図] (l-1.摺動枠の被ロック板)[第1図、第3図、第4
図、第7図] 149は摺動枠65に設けられた被ロック板である。該被
ロック板149は摺動枠65の右側の側板67の左側面の後端
部に固定されると共に、その前端部から左側へ向けて略
水平に突出するように形成された被ロック片149aが設け
られている。
尚、被ロック片149aは摺動枠65が引込み位置に来た状
態において、後退位置に来ているラック板121の前後方
向における略中央部と対応するような位置に来ることが
できるように設けられている。尚、被ロック片149aの前
端縁と左端縁とが交わる隅角部は略45°に切り落されて
おり、後述するロックレバーの係合ピンが前端縁に略左
側から廻り込むように位置することができるようにされ
ている。
(l-2.摺動枠のカム)[第1図、第3図、第4図、第7
図] 150は摺動枠65に設けられたカム板である。該カム板1
50は、その大部分が幅の狭い板状に形成されると共に、
摺動枠65の右側の側板67の下端縁に沿う部分のうちの略
後側半分の部分に固定されている。そして、カム板150
の左端縁のうち前記被ロック片149aの下方に対応する位
置からある程度前方寄りの部分からは左側へ向けて略水
平に突出するようなカム部151が形成されている。該カ
ム部151は上方から見て略台形状に形成されており、そ
の左側への突出量は被ロック片149aの突出量の略半分程
度とされている。
(l-3.第1のロックレバー)[第1図、第3図乃至第6
図、第9図] 152はラック板121の動きをある時点で阻止するための
第1のロックレバーである。該第1のロックレバー152
は上方から見て略三角形を成す基部152aと該基部152aの
前端から略左斜め前方へ向けて突設されたばね掛け用の
腕152bとから成り、基部152aと腕152bとの接続部に挿通
孔153(第6図参照)が形成されている。そして、基部1
52aの左後部の略直角を為す隅角部からは係合ピン154が
立設され、また、基部152aの右後部のもう1つの隅角部
からは被押圧ピン155が立設されている。そして、この
第1のロックレバー152は、その挿通孔153にラック板12
1が支持された前記ガイドピン127、127のうちの前側の
もののラック板121から下方へ突出した部分が挿通され
ると共に、その係合ピン154がラック板121に形成された
被制御長孔123に摺動自在に係合され、また、その腕152
bの先端部とシャーシ44の基部45に形成された前記ばね
掛孔64との間に引張りスプリング156が架け渡された状
態で設けられている。
尚、ラック板121の被制御長孔123のロック部123aは、
ラック板121が後退位置に来ている状態において、第1
のロックレバー152の係合ピン154と対応する位置に来る
ようになっている。
従って、第1のロックレバー152には、引張りスプリ
ング156による時計回り方向への回動力が付勢されると
共に、ラック板121が後退位置に来ている状態におい
て、第1のロックレバー152にこれを反時計回り方向へ
回動せしめる押圧力が加えられていない間は、その係合
ピン154の上端部がラック板121の被制御長孔123のロッ
ク部123aに係合した状態が保持される。この状態におい
て、ラック板121は、その被制御長孔123のロック部123a
の後端縁が係合ピン154に後方から接触されているた
め、その動きが阻止されることになる。
そして、この状態において、被押圧ピン155は前記摺
動枠65に設けられたカム部151の後端縁に後方から対向
するように位置されており、摺動枠65が引込み位置へ来
ると、カム部151が被押圧ピン155を押圧し、それによっ
て、第1のロックレバー152が反時計回り方向へ回動せ
しめられるようになっている。
(l-4.第2のロックレバー)[第1図、第3図乃至第5
図、第9図] 157は摺動枠65の動きをロックするための第2のロッ
クレバーである。該第2のロックレバー157は、上方か
ら見て略前後方向に長い板状に形成されると共に、その
後端部が後方から見て略コ字形を成すように屈曲されて
おり、そのコ字形に屈曲された部分がシャーシ44のうち
のラック板121の右側面の後端部と略対応する位置から
立設された支持ピン158の上部に回動自在に支持されて
いる。159は第2のロックレバー157の回動端から下方へ
向けて突設された係合ピン、160は前後方向における略
中央部から下方へ向けて突設された被押圧ピンである。
161はラック板121の右側面の後端寄りの部分から突出
されたカム面であり、該カム面161の先端面161aは後端
へ行くに従って次第に右側へ変位するような斜面とされ
ている。
そして、第2のロックレバー157のコ字形に屈曲され
た部分の中間片の前端部とシャーシ44の基部45のうち前
記支持ピン158にラック板121を挾んで左側から対応する
ような位置から立設されたばね掛ピン162との間に引張
りスプリング163が架け渡されている。
従って、第2のロックレバー157には引張りスプリン
グ163による時計回り方向への回動力が付勢されてお
り、この回動力によって、被押圧ピン160がラック板121
の右側面に接触する状態が保持される。
尚、ラック板121が後退位置に来ている状態におい
て、第2のロックレバー157の被押圧ピン160はラック板
121のカム面161の前端に接するようになっている。
従って、この状態からラック板121が前方へ移動され
ると、そのカム面161の先端面161aが被押圧ピン160を右
斜め前方へ押圧するようになるため、これによって、第
2のロックレバー157が反時計回り方向へ回動されてい
くようになっている。
(l-5.制御動作) 前記した摺動枠65とカセットホルダー83は、上記した
被ロック片149a、カム部151、第1のロックレバー152及
び第2のロックレバー157によって、常に、そのいずれ
か一方の動きがロックされると共に、ロックされていな
い方のものが前記駆動機構によって移動され得る状態と
なるように制御される。
即ち、先ず、前記したように、第1のロックレバー15
2はその被押圧ピン155が摺動枠65に設けられたカム部15
1によって押圧されることにより反時計回り方向へ回動
されるようになっているので、摺動枠65が引込み位置へ
来ていない状態においては、その係合ピン154が後退位
置に来ているラック板121の被制御長孔123のロック部12
3aに係合した位置「以下、第1のロックレバーのついて
の「ロック位置」と言う。)に保持されることになる。
これによって、ラック板121の動きが阻止されると共
に、このラック板121に噛合された第3の減速ギヤ148の
回転が阻止されることになるので、遊星歯車機構132の
第2の出力ギヤ140の回転が阻止されることになる。
従って、この状態においては第1の出力ギヤ137が回
転される状態となるので、摺動枠65を引出し位置から引
込み位置へ又は引込み位置から引出し位置へと移動せし
めることができる。
尚、この状態においてはラック板121が後退位置に来
ているので、カセットホルダー83は引張りスプリング11
2によって、上昇位置に保持されている。尚、摺動枠65
が引出し位置へ向って移動され、引出し位置に達したと
きは、それが図示しない検出手段によって検出され、そ
の検出信号に基づいてモータ128が停止せしめられる。
そこで、摺動枠65が引出し位置に来ている状態からモ
ータ128が正転し、摺動枠65が引込み位置へと移動され
ると、摺動枠65に設けられたカム部151の後側の斜縁151
aが第1のロックレバー152の被押圧ピン155に当接して
これを略後ろ斜左方へ向けて押圧することになり、これ
によって、第1のロックレバー152がロック位置から反
時計回り方向へ回動されると共に、被押圧ピン155がカ
ム部151の先端縁に乗り上げる状態となると、係合ピン1
54がラック板121の被制御長孔123のうちのロック部123a
から外れた位置、即ち、前後方向に延びる部分の前端部
に来るようになる。
これにより、第1のロックレバー152によるラック板1
21に対するロックが解除される。
そして、この解除が行なわれるのと略同時に、摺動枠
65に設けられた被ロック片149aがその前端縁が第2のロ
ックレバー157に設けられた係合ピン159に右側から略対
応して位置する位置へ来るようになる。
そして、この状態、即ち、摺動枠65が引込み位置に到
達した状態においては、ラック板121の動きが許容され
るようになると共に、摺動枠65の後方への動きが阻止さ
れるので、遊星歯車機構132においては、今後は、第1
の出力ギヤ137の回転が阻止されると共に、第2の出力
ギヤ140が回転せしめられることになる。
しかして、ラック板121が前進され、スライダー116を
前方へ押圧するので、カセットホルダー83がローディン
グ完了位置へと移動されると共に、ラック板121のカム
面161の先端面161aが第2のロックレバー157の被押圧ピ
ン160を略右斜め前方へ押圧するので、第2のロックレ
バー157が反時計回り方向へ回動され、それによって、
第4図に示すように、その係合ピン159が被ロック片149
aの前端縁に前方から接触するように位置されることに
なる。
これによって、摺動枠65の前方への動きが阻止された
状態となる。
尚、カセットホルダー83がローディング完了位置に来
るのと略同時に、ラック板121は、第4図に示すよう
に、その被ガイド長孔122、122の後端縁がガイドピン12
7、127に当接されることにより、それより前方への移動
が阻止される。従って、この状態において、駆動機構の
全体が動きを阻止されると共に、カセットホルダー83が
ローディング完了位置に来たことを検出する図示しない
検出手段による検出信号に基いて、モータ128の回転が
停止される。
そして、カセットホルダー83がローディング完了位置
に来ている状態からモータ128が逆転されると、その回
転は、遊星歯車機構132の第1の出力ギヤ137からワイヤ
走行ギヤ55までの間においてはワイヤ走行ギヤ55を時計
回り方向、即ち、摺動枠65を前方へ移動せしめる方向へ
回転せしめるように作用するが、前記したように、この
状態においては摺動枠65の動きが第2のロックレバー15
7によってロックてされているため、ワイヤ走行ギヤ55
は回転することができない状態となっている。
従って、この状態においては第1の出力ギヤ137の回
転が阻止されると共に、第2の出力ギヤ140が時計回り
方向へ回転されることになる。
これにより、ラック板121が後退位置へと移動される
と共に、カセットホルダー83が引張りスプリング112の
引張力によって上昇位置へと移動される。
尚、第3図に示すように、ラック板121が後退位置に
来ている状態において、その押圧突部126はスライダー1
16の被押圧片117からある程度後方へ離間して位置され
るようになっているので、カセットホルダー83はラック
板121が後退位置へ到達する前に上昇位置へと移動され
る。
そこで、ラック板121が後退位置へと移動されると、
そのカム面161の前端部が第2のロックレバー157の被押
圧ピン160と対応する状態に戻されるので、第2のロッ
クレバー157が引張りスプリング163の引張力によって、
時計回り方向へ回動されることになり、これによって、
その係合ピン159が摺動枠65の被ロック片149aの前端縁
の前方の位置から左側へ逃げることになる。
これによって、第2のロックレバー157による摺動枠6
5に対する動きのロックが解除される。
そして、この状態において、ラック板121の後方への
移動が阻止されるので、第2の出力ギヤ140の回転が阻
止されると共に、第1の出力ギヤ137の回転が許容され
るため、今度は、第1の出力ギヤ137が回転されるよう
になり、それによって、ワイヤ走行ギヤ55が摺動枠65を
前方へ移動せしめる方向へ回転されることになる。
従って、摺動枠65が前方へ移動せしめられることにな
り、これと共に、第1のロックレバー152がロック位置
へと移動される。即ち、摺動枠65が引込み位置から前方
へ移動されて行くと、そのカム部151が第1のロックレ
バー152の被押圧ピン155から離れるので、該カム部151
による被押圧ピン155に対する押圧が解除されることに
なり、これによって、第1のロックレバー152が引張り
スプリング156の引張力によって、ロック位置へと戻さ
れることになる。
従って、ラック板121が摺動枠65が引込み位置から前
方へ移動されることにより、第1のロックレバー152に
よってその動きをロックされることになり、この状態は
摺動枠65が引込み位置へ来ない限り保持されることにな
る。
しかして、摺動枠65とカセットホルダー83は、これら
のもののうちいずれか一方が移動し得る状態において
は、常に、他方のものがその動きを阻止されることにな
る。
(m.カセット押え)[第1図、第3図、第7図乃至第9
図] 164、164は前記カセットホルダー83に設けられたカセ
ット押えである。165、165は板バネ素材により前後方向
から見て略逆L字状に屈曲するように形成された支持片
であり、該支持片165、165のうちの上下方向に延びる部
分の下部がカセットホルダー83の左右の側板85、86の後
端部に固定されると共に、水平方向に延びる部分がカセ
ットホルダー83の底板84に上方から対向するように位置
された状態で設けられている。
166、166は合成樹脂により略逆円錐形に形成された押
え子であり、該押え子166、166の上面からはピン167、1
67が上方へ向って突設されている。そして、押え子16
6、166は、そのピン167、167が前記支持片165、165のう
ちの水平方向に延びる部分に形成された孔168、(168)
(図面では右側の支持片に形成されたもののみ示してあ
る。)に下方から挿通されると共に、該孔168、(168)
から突出した部分をカシメることによって、支持片16
5、165に固定されている。
(n.ホルダー枠)[第1図乃至第3図、第8図、第9
図] 169は前記摺動枠65の前部にこれを覆うように取着さ
れたホルダー枠である。170はホルダー枠169の前板であ
り、該前板170は前記外筐33に形成された引出口34と略
等しい大きさに形成されると共に、その後面のうちの左
右両端部及び下端部を除く部分は下端へ行くに従って次
第に後方へ変位するような斜面170aとされており、後面
の左右方向における中央部には切欠部170bが形成されて
いる。
171、171はホルダー枠169の側部であり、該側部171、
171はその横断面形状が略門型を成すように形成される
と共に、その前部には側方から見て略逆台形状を成す谷
部171a、171bが形成されている。
また、172はホルダー枠169の底板であり、該底板172
は前板170の下端部から後方へ突出するように形成され
ると共に、その長さは側部171、171の谷部171a、171aの
前後方向における長さの略半分程度とされ、かつ、前板
170に形成された切欠部170bと対応する部分に切溝172a
が形成されている。173はその両端が側部171、171の上
面の後端部に連続する天板であり、該天板173と側部17
1、171とが交わる隅角部には略長四角状の切欠部174、1
74が形成されている。175は天板173の後端縁に形成され
た略逆台形状の切欠部である。
そして、ホルダー枠169は、その底板172が前記摺動枠
65の前板69の上方にこれとの間に僅かな間隙を有して位
置され、かつ、その天板173の左右両端部が摺動枠65の
支持片73、73の前部に位置された状態で、摺動枠65に固
定されている。即ち、ホルダー枠169の側部171、171の
谷部171a,171aと天板173の後端縁寄りの部分のうちの左
右両端部とには図示しない孔が形成されており、ホルダ
ー枠169は、これら孔を挿通されるねじ176、176、・・
・が摺動枠65の前板69に形成された前記螺孔72、72及び
支持片73、73に形成された前記螺孔74、74に螺合される
ことによって、摺動枠65の前部に固定されるものであ
る。
しかして、摺動枠65にホルダー枠169が取着される
と、カセットホルダー83の側板85、86、摺動枠65の側板
66、67のうちの支持片73、73から前側の部分、アーム9
5、96、97、98等がホルダー枠169の内側に位置されるた
め、これらの部材等が外部からは見えなくなると共に、
前記カセット押え164、164の上端部がホルダー枠169の
切欠部174、174を塞ぐように位置されるようになる。ま
た、カセットホルダー83が上昇位置に来ている状態にお
いて、ホルダー枠169の底板172はカセットホルダー83の
底板84と同一平面上に位置されると共に、該底板84の前
方にこれと近接するように位置されるようになる。
(o.カセット装着部)[第1図、第2図、第8図、第9
図] しかして、カセットホルダー83が上昇位置に来ている
状態において、カセットホルダー83の底板84とホルダー
枠169の底板172、側部171、171の各内面、及び前板170
の後面とによって、カセットローディング装置43におけ
るカセット装着部177が構成されることになる。
そして、このカセット装着部177は摺動枠65が引出し
位置に来ることによって、外筐33の引出口34から外筐33
外へ突出するように位置されることになり、カセット装
着部177に対するテープカセット1の装着及び取出しは
この状態で行なわれることになる。
即ち、カセット装着部177が外筐33外に引き出されて
いる状態において、テープカセット1を、その前面蓋9
が後方に来る向きで、かつ、そのカセットケース2がホ
ルダー枠169の左右の側部171、171の間に位置されるよ
うに、斜め上方から挿入すると共に、上から軽く押える
と、テープカセット1は、カセット装着部177に対し
て、第1図に太い2点鎖線で示すように装着されるよう
になる。
尚、このようにして、カセット装着部177に装着され
た状態におけるテープカセット1の位置を、以下、カセ
ット装着部177に対する「仮装着位置」と言う。
そして、テープカセット1が仮装着位置に装着された
状態において、テープカセット1に設けられた前記摺動
板10は、その前端縁の突片15、15がカセットホルダー83
の底板84に形成された突片90、90に前側から当接される
と共に、その挿通孔20、20がカセットホルダー83の底板
84に形成された挿通孔87、87と同軸上に位置されるよう
になる。また、この状態において、カセット押え164、1
64の押え子166、166がカセットケース2の上面の前端部
の左右両端部に上方から弾接されるようになる。
(p.カセット押圧レバー)[第1図、第3図、第7図乃
至第9図] 178は第1のカセット押圧レバー、179は第2のカセッ
ト押圧レバーである。
第1のカセット押圧レバー178は上方から見て略くの
字状に形成されおり、そのくの字の屈曲点位置に形成さ
れた挿通孔180に前記摺動枠65の前板69から立設された
レバー支持ピン71が挿通されることによってこれに回動
自在に支持さされると共に、その左端部からは押圧ピン
181が上方へ向って突設され、また、その右端部からは
被押圧ピン182が下方へ向かって突設されている。183は
第1のカセット押圧レバー178の前端縁のうち挿通孔180
と対応する位置より稍右側寄りの位置から突設されたば
ね掛片であり、このばね掛片183と、前板69に形成され
たばね掛ピン184(第3図参照)との間に引張りスプリ
ング185が架け渡されている。
尚、第1のカセット押圧レバー178は摺動枠65の前板6
9とホルダー枠169の底板172との間の僅かな間隙内に位
置されると共に、その押圧ピン181の上部はホルダー枠1
69に形成された切欠部170b、切溝172aを通してホルダー
枠169の底板172から上方へ突出するように位置されてお
り、そして、その被押圧ピン182は前記ベース基板35に
設けられた突当り板42の突当り片42bの上端部に前方か
ら対向するように位置されている。また、レバー支持ピ
ン71の上部はホルダー枠169の底板172に形成された孔18
6(第1図参照)に挿入される。
しかして、第1のカセット押圧レバー178には引張り
スプリング185による反時計回り方向への回動力が付勢
されると共に、その被押圧ピン182が突当り片42bによっ
て相対的に前方へ押圧されない間は第1図等に示すよう
に、その押圧ピン181がホルダー枠169の前板170に形成
された切欠部170bの奥端面に当接し、かつ、カセット装
着部177の前端面に近接して位置される位置(以下、第
1のカセット押圧レバーについての「待機位置」と言
う。)に保持される。
そこで、摺動枠65が引出し位置から引込み位置へ向っ
て移動されて行くと、第1のカセット押圧レバー178
は、第1図に2点鎖線で示すように、その被押圧ピン18
2が突当り板42の突当り片42bに当接されると共に、その
状態から摺動枠65が引き続き後方へ移動されることによ
って、被押圧ピン182が相対的に前方へ押圧されるよう
になるため、引張りスプリング185の引張力に抗して、
第1図に1点鎖線で示す状態を経て第3図に示す状態に
なまるで、時計回り方向へ回動せしめられることにな
る。そして、摺動枠65が引込み位置に来ると、第1のカ
セット押圧レバー178は第3図に示す位置(以下、第1
のカセット押圧レバーについての「押圧完了位置」と言
う。)に来ることになる。
従って、カセット装着部177に装着されたテープカセ
ット1は、摺動枠65が引出し位置から引込み位置まで移
動される間に、そのカセットケース2が第1の押圧レバ
ー178の押圧ピン181によって前方から押圧されることに
より、仮装着位置から第3図に示す位置、即ち、そのカ
セットケース2の下ハーフ4に形成された挿通孔21、21
がカセットホルダー83に形成された挿通孔87、87と同軸
上位置する位置(以下、「正規装着位置」と言う。)へ
と移動されることになる。
尚、テープカセット1がカセット装着部177に装着さ
れると、その摺動板10は、前記したように、その前端縁
に形成された突片15、15がカセットホルダー83の突片9
0、90に前方から当接するように位置されるので、カセ
ットケースが第1のカセット押圧レバー178によって後
方へ押圧されても、これが移動されることはない。
また、テープカセット1が正規装着位置に来ると、カ
セットケース2の前面は摺動枠65に設けられた桟75の前
端縁から稍後方へ寄った位置に来ることになる。
そして、テープカセットが正規装着位置へと移動され
ると、カセット押え164、164も、カセットケース2に対
して相対的に前方へ移動されるため、その押え子166、1
66がカセットケース2の上面の左右両端部のうちの前面
蓋9からある程度前方、即ち、反前面蓋9側へ寄った部
分と接触するようになる。これによって、テープカセッ
トの正規装着位置に来た状態が安定的に保持されること
になる。
一方、第2のカセット押圧レバー179は左右方向に細
長い板状に形成されると共に、その略中央部に挿通孔18
7が形成されており、その後端縁の略中央部からばね掛
片188が突設され、また、その右端部から押圧ピン189が
下方へ向けて突設されている。そして、第2のカセット
押圧レバー179は、その挿通孔187に摺動枠65の桟75の左
端寄りの部分に固定されたレバー支持ピン190が挿通れ
ると共に、そのばね掛片188と摺動枠65の左側の被ガイ
ド子77に固定されたばね掛片191との間に引張りスプリ
ング192が掛け渡されている。尚、第2のカセット押圧
レバー179の左端部はシャーシ44に設けられた前側のレ
ール支持片49、50のうちの左側のもの49の支持部49aに
後方から対向するように位置されている。
しかして、第2のカセット押圧レバー179には、引張
りスプリング192の引張力による反時計回り方向への回
動力が付勢されると共に、その左端部がレール支持片49
によって相対的に後方へ押圧されない間は、その押圧ピ
ン189が桟75に形成された切欠部76の後端縁に当接する
位置(以下、第2のカセット押圧レバーについての「待
機位置」と言う。)に保持される。尚、この状態におい
て、押圧レバー189は正規装着位置に来ているテープカ
セット1の前面に近接して位置される。
そこで、第2のカセット押圧レバー179は、摺動枠65
が引込み位置から引出し位置へ向って移動されて行くと
き、あるところから、その左端部がレール支持片49の支
持部49aに当接されると共に、その状態から引き続き摺
動枠65が前方へ向って移動されることによって、時計回
り方向へと回動せしめられることになり、摺動枠65が引
出し位置まで来ると、第2のカセット押圧レバー179は
第1図に示す位置(以下、第2のカセット押圧レバーに
ついての「押圧完了位置」と言う。)に来ることにな
る。
従って、カセット装着部177の正規装着位置に来てい
たテープカセット1は、摺動枠65が引込み位置から引出
し位置まで移動される間に、そのカセットケース2が前
面蓋9側から第2のカセット押圧レバー179の押圧ピン1
89によって押圧されることにより、仮装着位置へと押し
戻されることになる。
(q.テープカセットの摺動板の移動)[第11図、第12
図、第15図、第16図] テープカセット1に設けられた摺動板10は、テープカ
セット1がカセット装着部177内において、仮装着位置
から正規装着位置へと移動される間に、その閉塞位置か
ら開き位置へと移動され、また、テープカセット1が正
規装着位置から仮装着位置へと移動される間に、その開
き位置から閉塞位置へと移動されることになる。
(q-1.閉塞位置から開き位置への移動) 先ず、摺動板10の閉塞位置から開き位置への移動につ
いて説明する。
テープカセット1がカセット装着部177の仮装着位置
に装着されると、前記したように、摺動板10はその前端
縁に形成された突片15、15がカセットホルダー83の突片
90、90に前方から当接する状態で位置され、この状態に
おいて、その挿通孔20、20は、第11図に示すように、カ
セットホルダー83の底板84に形成された挿通孔87、87と
同軸上に位置せしめられる。
一方、テープカセット1がカセット装着部177に装着
されて行くと、カセットホルダー83の底板84に形成され
た前記突条91が摺動板10の底板部11に形成された前記浅
溝22内に相対的に挿入され、かつ、浅溝22内を後方へ向
って進んで行くようになり、テープカセット1がカセッ
ト装着部177の仮装着位置に装着されると、第12図
(A)に示すように、突条91が浅溝22の奥に達すること
になる。
また、突条91が浅溝22内を奥へ向って進んでゆくと、
カセットケース2の下ハーフ4に設けられた前記ロック
片27の先端下面に設けられた係合突起29が突条91の前側
の傾斜面91aに沿いながら上方に突き上げられ、従っ
て、ロック片27が撓みながら上方に押し上げられる。
尚、このときに、突片90、90がテープカセット1の前
面蓋9の下端縁に形成された切欠24、24を通って摺動板
10の突片15、15に相対的に後方から当接される。
この状態から摺動枠65が引込み位置へ向って移動さ
れ、第1のカセット押圧レバー178の押圧ピン181がカセ
ットケース2の後面に当接されたときから、カセットケ
ース2が該押圧ピン181によって押圧され、それによっ
て、後方へ向って移動せしめられることになる。
そして、カセットケース2が後方へ向って移動される
と、カセットホルダー83の側の突片90、90がカセットケ
ース1に対し相対的に前方へ移動されることになるの
で、摺動板10はトーションばね18による付勢力に抗して
相対的に後退、即ち、前方へ移動せしめられることにな
り、第12図(B)に示すように、ロック片27の係合突起
29が摺動板10の係合孔26から上方へ押し出されることに
なる。
これによって、ロック片27による摺動板10に対するロ
ックが解除されることになる。尚、係合孔26には内側に
傾斜するテーパー面が形成されており、係合突起29が係
合孔26から滑らかに離脱することができるようにされて
いる。
そして、テープカセット1が正規装着位置まで移動さ
れると、摺動板10が、第15図に示し、また、第16図に2
点鎖線で示すように、開き位置、即ち、その挿通孔20、
20がカセットケース2の下ハーフ4に形成された挿通孔
21、21と同軸上に位置される位置に来ると共に、空間部
16が開放される。また、摺動板10が開き位置に来ると、
ロック片27の係合突起29は、第12図(C)に示すよう
に、浅溝22の前端に形成された係合切欠25に係合される
ようになり、これによって、摺動板10が開き位置におい
てロックされることになる。
尚、第1のカセット押圧レバー178によるカセットケ
ースの後方への押圧が開始される前に、第2のカセット
押圧レバー179は押圧完了位置から待機位置へと戻され
ている。
(q-2.開き位置から閉塞位置への移動) 次に、摺動板10の開き位置から閉塞位置への移動につ
いて説明する。
前記したように、摺動枠65が引込位置に来ている状態
においては、テープカセット1が正規装着位置に来てい
ると共に、摺動板10が開き位置においてロックされてい
る。
そこで、この状態から摺動枠65が引出し位置へ向って
移動されて行くと、第1のカセット押圧レバー178が反
時計回り方向へ回動されて行き、その押圧ピン181がカ
セットケース2の後面から前方へ離れて行くようにな
る。そして、第2のカセット押圧レバー179が前記した
ようにして時計回り方向へ回動せしめられると、その押
圧ピン189がカセットケース2を前方へ押圧することに
なる。すると、テープカセット1は第12図(C)の状態
から稍前方へと移動し、ロック片27の係合突起29がカセ
ットホルダー83の底板84に形成された突条91の後端の斜
面91bによって相対的に斜め上方へ向けて突き上げられ
ることになるため、ロック片27が撓みながら上方へ押し
上げられることになる(第12図(D)参照)。これによ
って、係合突起29が係合切欠25から離脱せしめられるこ
とになる。即ち、ロック片27による摺動板10の開き位置
におけるロックが解除される。
そして、摺動枠65が引出し位置まで来ると、テープカ
セット1が仮装着位置へと戻されると共に、摺動板10が
閉塞位置、即ち、カセットケース2側の挿通孔21、21を
塞ぐ位置に戻されることになる。また、摺動板10が閉塞
位置に戻されると、ロック片27の係合突起29は浅溝22の
係合孔26と対応する位置に来るので、これに係合される
ことになる。即ち、摺動板10の閉塞位置におけるロック
がかかることになる。
(r.カセットローディング動作) (r-1.ローディング) そこで、上記したカセットローディング装置43による
テープカセット1のローディング動作は次のようにして
行なわれる。
摺動枠65を引き出すための指令が為されると、モータ
128が逆転され、摺動枠65が引出し位置へと移動されて
来る。これによって、カセット装着部177の大部分が外
筐33外へ引き出される。
この状態でカセット装着部177にテープカセット1が
装着される。
そこで、テープカセット1をローディングするための
指令が為されると、モータ128が正転される。そして、
この状態においては、ラック板121が第1のロックレバ
ー152によってその動きをロックされているため、遊星
歯車機構132の第2の出力ギヤ140の回転が阻止された状
態となっており、従って、第1の出力ギヤ137が回転さ
れることになる。
これによって、前記したように摺動板65が引込み位置
へと移動せしめられ、この移動の過程において、テープ
カセット1が正規装着位置へと移動されると共に、カセ
ット押え164、164の押え子166、166が、カセットケース
2の上面の左右両端部のうちの前後方向における中央部
と前端部との間の略中間の位置を下方へ向けて押圧する
位置に来るようになる。また、摺動板10が相対的に開き
位置へと移動されることになる。
そして、摺動枠65が引込み位置へ移動されて来ると、
先ず摺動枠65に設けられたカム部151が第1のロックレ
バー152の被押圧ピン155を略左斜め後方へ向けて押圧す
ることになるので、第1のロックレバー152が反時計回
り方向へ回動され、これによって、その係合ピン154が
ラック板121の被制御長孔123のロック部123aから離脱さ
れ、ラック板121に対するロックが解除される。そし
て、この解除の直後、摺動枠65の被ガイド子77、78がシ
ャーシ44の後側のレール支持片51、52に当接される。即
ち、摺動枠65が引込み位置に到達する。
これによって、遊星歯車機構132においては、第1の
出力ギヤ137の回転が阻止されると共に、第2の出力ギ
ヤ140の回転が許容される状態となるので、今度は第2
の出力ギヤ140が回転されることになる。従って、ラッ
ク板121が前方へ向けて移動されて行くことになる。
そして、ラック板121が前方へ向けて移動されて行く
と、そのカム面161の前端斜面161aが第2のロックレバ
ー157の被押圧ピン160を略右斜め前方へ向けて押圧する
ので、第2のロックレバー157の反時計回り方向へ回動
されると共に、その係合ピン159が摺動枠65に設けられ
た被ロック片149の前端縁に前方から接触するように位
置されることになる。そして、第2のロックレバー158
はカム面161によって、その状態に維持される。
この状態において、摺動枠65がその引込み位置にロッ
クされることになる。
そして、ラック板121が前方へ移動されて行くと、そ
の押圧突部126がスライダー116の被押圧片117を前方へ
押圧することになるので、これによって、カセットホル
ダー83が下降せしめられ、前記したローディング完了位
置へと移動されることになる。従って、テープカセット
がベース基板35に向って下降されて行くことになる。す
ると、該ベース基板35に設けられたカセット位置決めピ
ン40、41がカセットケース2の下ハーフ4の前端部に形
成された位置決め用の孔に挿入されると共に、前面蓋9
が、図示しない蓋開け部材によって、空間部16を開放す
る位置へと移動せしめられ、また、リール駆動軸37、38
の係合軸部37a、38aがカセットケース2の挿通孔21、21
を通してカセットケース2内のリールハブ6、7に係合
されることになる。
しかして、テープカセット1がオーディオテープレコ
ーダ32の所定の装着位置に所定の状態で装着されること
になる。
(r-2.アンローディング) カセットホルダー83がローディング完了位置に来てい
る状態からアンローディングを行なうための指定が為さ
れると、モータ128が逆転される。
尚、テープカセット1から磁気テープ5が引き出され
ているときは磁気テープ5がテープカセット1内に巻き
戻された後にモータ128が回転される。
そして、この状態において、摺動枠65は、その被ロッ
ク片149aの前端縁に、第2のロックレバー157の係合ピ
ン159が前方から接触しているために前方への移動を阻
止されたロック状態となっており、従って、第1の出力
ギヤ137の回転が阻止されている。
従って、モータ128が逆転されると、その回転は遊星
歯車機構132の第2の出力ギヤ140からラック板121へと
伝達され、ラック板121が後方へ、即ち、待機位置へ向
けて移動されることになる。これによって、前記したよ
うに、カセットホルダー83が上昇位置へと移動される。
そして、ラック板121が後退位置に戻されると、ラッ
ク板121のカム面161の前端が第2のロックレバー157の
被押圧ピン160と対応するようになるため、第2のロッ
クレバー157が引張りスプリング163の引張力によって時
計回り方向へと回動されることになり、その係合ピン15
9が摺動枠65に設けられた被ロック片149aの前端縁の前
方から左方へ逃げることになる。
従って、第2のロックレバー157による摺動枠65に対
するロックが解除されることになる。
すると、遊星歯車機構132においては、第2の出力ギ
ヤ140の回転が阻止されると共に、第1の出力ギヤ137の
回転の阻止が解除された状態となるので、今度は第1の
出力ギヤ137が回転されることになり、ワイヤ走行ギヤ5
5が時計回り方向へ回転されることになる。これによっ
て、摺動枠65が引出し位置へ向けて移動されて行くこと
になり、この移動過程において、前記したように、テー
プカセット1が正規装着位置から仮装着位置へと戻され
ると共に、摺動板10が閉塞位置へと移動されることにな
る。
従って、テープカセット1は、摺動板10が閉塞位置に
来た状態で外筐33外へ引き出されて来ることになる。
(G.発明の効果) 以上に記載したところから明らかなように、水平方向
へ移動される摺動部材と、リール駆動軸への係合孔が閉
塞された状態となる第1の位置と係合孔が外部に臨んだ
状態となる第2の位置との間で摺動される摺動板を有す
るカセットを保持するために設けられ、かつ、上記摺動
部材に垂直方向へ移動自在となるように支持されたカセ
ット保持部材と、上記摺動部材を移動させる第1の駆動
部材と、上記カセット保持部材を移動させる第2の駆動
部材と、これら第1の駆動部材及び第2の駆動部材を駆
動する駆動手段とを備え、カセットのローディング時に
は上記摺動部材をその移動方向における引込み位置へと
移動せしめた後前記カセット保持部材を下方へ移動させ
るカセットローディング装置であって、上記摺動部材の
移動に伴ってカセットの摺動板を上記第2の位置に摺動
させる摺動板開放手段と、上記摺動部材の摺動時にカセ
ット保持部材又は第2の駆動部材の動きを阻止すると共
に、摺動部材がその移動方向における引込み位置に来て
摺動板開放手段によりカセットの摺動板の開放が完了し
た状態でカセット保持部材又は第2の駆動部材の動きの
阻止を解除しかつ摺動部材又は第1の駆動部材の動きを
阻止する制御手段と、カセット保持部材又は第2の駆動
部材の動きを阻止した状態で上記駆動手段の駆動力を第
1の駆動部材に伝達し、摺動部材又は第1の駆動部材の
動きを阻止した状態で上記駆動手段の駆動力を第2の駆
動部材に伝達するように配置された遊星歯車機構とを設
けたことを特徴とする。
即ち、テープカセットのローディング及びアンローデ
ィングが正しく行なわれるためには、互いに直交する方
向へ移動される摺動部材とカセット保持部材とがこれら
2つの部材の各動作の間に必要な所定の切換えタイミン
グに従って移動されること、そして、カセットの摺動板
の開閉が摺動部材やカセット保持部材の動作に合せて適
切なタイミングで行われることを要するのであるが、本
発明にあっては、摺動部材やカセット保持部材のうち一
方の部材は他方の部材がその移動を完了すべき所定の位
置へ来るまでの間その動きを阻止され、しかも、カセッ
トの摺動板の開放が完了した後でないと駆動部材の阻止
が解除されないので、摺動部材とカセット保持部材との
動作切換えのタミングに狂いが生じることはなく、カセ
ットの摺動板を完全に開放した状態でカセットのローデ
ィング動作を確実に行うことができる。
しかも、このように2つの移動部材を1箇の駆動手段
によって移動せしめ、その駆動力を遊星歯車機構により
2つの移動部材に選択的に伝達するようにしたので、ロ
ーディング動作の途中あるいはアンローディング動作の
途中でモータの回転方向を切換える必要がなく、制御回
路や検出手段の構成を極めて簡単なものとすることがで
きる。
尚、前記した実施例においては、摺動部材とカセット
保持部材の動きを所定のタイミングで阻止し、かつ、所
定のタイミングでその阻止を解除するための制御手段を
摺動部材側に設けられた被ロック片とカム及びシャーシ
側に設けられた2つのロックレバーによって構成するよ
うにしたが、本発明における制御手段の構成はこの例に
限られるものではなく、1又は3箇以上のレバー部材を
用いるようにしても良いし、あるいはレバー以外の制御
部材を用いて構成することも考えられる。
また、前記した実施例においては、本発明を所謂PCM
録音用のテープカセットをローディングするためのカセ
ットローディング装置に適用したものを示したが、本発
明は他の各種のテープカセットあるいは磁気ディスクカ
セット等をローディングするための種々のカセットロー
ディング装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第16図は本発明カセットローディング装置の
第1の実施例を示すものであり、第1図はカセットホル
ダーが外筐外へ引き出された状態における平面図、第2
図は本発明カセットローディング装置を備えたオーディ
オテープレコーダーの外観をカセットホルダーが外筐外
へ引き出された状態で示す斜視図、第3図はカセットホ
ルダーが外筐内へ引き込まれた状態を一部省略して示す
平面図、第4図はカセットホルダーがローディング完了
位置に来ている状態における概略平面図、第5図はシャ
ーシ部の斜視図、第6図は第1のロックレバーの斜視
図、第7図は摺動枠を一部分解し、かつ、一部切欠いて
示す斜視図、第8図は第1図のVIII-VIII線に沿う断面
図、第9図はローディング動作を(A)から(C)へ順
を追って示すものであり、同図(A)は第1図のIX
(A)‐IX(A)線に沿う断面図、同図(B)は第3図
のIX(B)‐IX(B)線に沿う断面図、同図(C)は第
4図のIX(C)‐IX(C)線に沿う断面図、第10図は第
1図のX-X線に沿う断面図、第11図は第1図のXI-XI線に
沿う部分における要部の拡大断面図、第12図はテープカ
セットに設けられた摺動板のカセットケースに対する相
対的な動きを(A)から(D)へ順を追って示す要部拡
大断面図、第13図乃至第16図はテープカセットの一例を
示すもので、第13図は不使用時の状態における上方から
見た斜視図、第14図は不使用時の状態における下方から
見た斜視図、第15図は使用時の状態における下方から見
た斜視図、第16図は不使用時の状態における下面図であ
る。 符号の説明 1……カセット、10……摺動板、21……係合孔、37、38
……リール駆動軸、43……カセットローディング装置、
65……摺動部材、81……(摺動部材を駆動せしめる)第
1の駆動部材(ワイヤ)、83……カセット保持部材、9
1、178……摺動板開放手段、121……(カセット保持部
材を駆動せしめる)第2の駆動部材(ラック板)、128
……駆動手段、132……遊星歯車機構、149a、151、15
2、157……制御手段、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平方向へ移動される摺動部材と、 リール駆動軸への係合孔が閉塞された状態となる第1の
    位置と係合孔が外部に臨んだ状態となる第2の位置との
    間で摺動される摺動板を有するカセットを保持するため
    に設けられ、かつ、上記摺動部材に垂直方向へ移動自在
    となるように支持されたカセット保持部材と、 上記摺動部材を移動させる第1の駆動部材と、 上記カセット保持部材を移動させる第2の駆動部材と、 これら第1の駆動部材及び第2の駆動部材を駆動する駆
    動手段とを備え、 カセットのローディング時には上記摺動部材をその移動
    方向における引込み位置へと移動せしめた後前記カセッ
    ト保持部材を下方へ移動させるカセットローディング装
    置であって、 上記摺動部材の移動に伴ってカセットの摺動板を上記第
    2の位置に摺動させる摺動板開放手段と、 上記摺動部材の摺動時にカセット保持部材又は第2の駆
    動部材の動きを阻止すると共に、摺動部材がその移動方
    向における引込み位置に来て摺動板開放手段によりカセ
    ットの摺動板の開放が完了した状態でカセット保持部材
    又は第2の駆動部材の動きの阻止を解除しかつ摺動部材
    又は第1の駆動部材の動きを阻止する制御手段と、 カセット保持部材又は第2の駆動部材の動きを阻止した
    状態で上記駆動手段の駆動力を第1の駆動部材に伝達
    し、摺動部材又は第1の駆動部材の動きを阻止した状態
    で上記駆動手段の駆動力を第2の駆動部材に伝達するよ
    うに配置された遊星歯車機構とを設けた ことを特徴とするカセットローディング装置
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