JPH081681Y2

JPH081681Y2 - ヘアーカーラ

Info

Publication number: JPH081681Y2
Application number: JP1991002977U
Authority: JP
Inventors: 佳信尾原; 哲生山口
Original assignee: Sekisui Kasei Co Ltd
Current assignee: Sekisui Kasei Co Ltd
Priority date: 1991-01-31
Filing date: 1991-01-31
Publication date: 1996-01-24
Anticipated expiration: 2006-01-24
Also published as: JPH04102902U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば毛髪にカールを
与えるヘアーカーラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、上記のようなヘアーカーラと
しては、電気加熱式のものが知られており、例えば、
内部に蓄熱物質を有する筒状の毛髪巻胴を、加熱棒と呼
ばれる電気ヒータで加熱される棒、または水蒸気によっ
て間接的に加熱する型式のものや毛髪巻胴内にニクロ
ム線などの発熱体を組み込み、これをサーモスタット等
で制御する型式のものがある。しかしながら、これらの
ヘアーカーラでは、温度制御、使用勝手などに問題点が
ある。すなわち、の型式では、加熱準備時間に５分か
ら１５分の長時間が必要であり、また、特に水蒸気を使
用するときは給水操作などの扱いが不便であり、さら
に、水蒸気または加熱棒の加熱では、それらの加熱が間
接的なため大きな熱容量が必要となって、熱損失が大き
いものとなっている。一方、の型式では、サーモスタ
ット等の温度制御の不調なとき、過熱事故を生じる虞れ
がある。

【０００３】そこで、上記のような問題を回避したヘア
ーカーラの一例として、自己温度制御機能を備える正特
性サーミスタ（以下、ＰＴＣという）から成るヒータを
内蔵して直接加熱するヘアーカーラ（特開昭５４−３６
８６３号公報）が開示されている。このヘアーカーラで
は、図１０に示すように、合成樹脂でできた毛髪巻胴２
１が、縦断面が略Ｈ字型で、かつ中空筒状に形成されて
いる。この毛髪巻胴２１の長手方向の中央部に位置する
ウエブ２２に、円環状のＰＴＣヒータ２３が同軸方向に
埋設されている。また、このヘアーカーラには、それぞ
れ有底筒状の導電性を備える一対の上下両金属筒２４・
２５がそれらの各底部２６・２７間で上記ＰＴＣヒータ
２３を挟みつけて同軸に配設されている。そして、ＰＴ
Ｃヒータ２３に電気接続する端子２８が、下金属筒２５
内において同軸方向に突出するように設けられ、この端
子２８は、棒状の第１端子２９の外周に、その両端部を
残して絶縁体３０を介して筒状の第２端子３１を被せて
構成されており、第２端子３１後端の接続フランジ３２
を下金属筒２５の底部２７に面接させると共に第１端子
２９を同じく上金属筒２４の底部２６に貫通接触させ、
それぞれ上下両金属筒２４・２５を介して前記ＰＴＣヒ
ータ２３の両面に設けられた各電極面に電気接続してい
る。

【０００４】このようなヘアーカーラでは、図１１に示
すように、毛髪巻胴２１がホールダー３４に設けたソケ
ット３３に差し込んで使用される。このとき、ソケット
３３内のプラグより、図１０に示す前記端子２８を介し
てＰＴＣヒータ２３に電気を供給してＰＴＣヒータ２３
にて発生する熱を上下の両金属筒２４・２５によって毛
髪巻胴２１全体に伝達し、この合成樹脂の毛髪巻胴２１
で熱を蓄積する。この後、このヘアーカーラを取り上
げ、毛髪巻胴２１の外周に毛髪を巻き付け、その毛髪に
熱を与えて所望のカールを与える。このようなヘアーカ
ーラにおいては、所定の温度までは用いているＰＴＣヒ
ータ２３が低抵抗であるため消費電力が大きく、迅速に
温度が上昇し、一方、その所定の温度を越えると急激に
抵抗値が高くなり、消費電力が低下する。よって、ＰＴ
Ｃヒータ２３はその温度近辺を保つ性質を有するため、
ヘアーカーラの過熱事故は生じない。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記構成で
は、ＰＴＣヒータ２３に電気を供給する端子２８が一本
の棒状であるので、ヘアーカーラをソケット３３に差し
込むとき、少し斜めに差し込んだりすると端子２８の固
定端側に大きな力が加わる。このようなことが繰り返さ
れると、ＰＴＣヒータ２３に接続されている第２端子３
１後端の接続フランジ３２の接触面や第１端子２９の上
金属筒２４の底部２６への接触面が緩み易く、さらには
端子２８が折れることもあり、接続不良により上記ヘア
ーカーラが故障し易いという問題を生じている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案のヘアーカーラ
は、上記の課題を解決するために、毛髪を巻き付けるた
めの毛髪巻胴内に、導電性及び熱伝導性を有する有底の
第１金属筒と無底の第２金属筒とが、第１金属筒の底部
外面に第２金属筒の一開口端部を当接させた状態で設け
られ、この第２金属筒内に、正特性サーミスタから成る
盤状の発熱体が、その一円形端面に形成された第１電極
を上記第１金属筒の底部外面に面接触した状態で配設さ
れる一方、第２金属筒内における毛髪巻胴の軸方向端部
側より奥まった位置に、発熱体のもう一方の円形端面に
形成された第２電極と電気的に接続された接続端子が、
第２金属筒と非接触状態で設けられていることを特徴と
している。

【０００７】

【作用】上記の構成によれば、発熱体に電力を供給する
には、例えばソケットに毛髪巻胴を装着して、第２金属
筒の内周面を介して発熱体の第１電極へ、接続端子を介
して第２電極へとそれぞれ給電され、通電されると発熱
体の熱が速やかに第１および第２金属筒を通って毛髪巻
胴全体に伝達され蓄熱される。したがって、従来のよう
に１本の棒状の端子を用いてプラグ等に装着接続してい
る場合、その端子の固定端部に大きな力が加わることが
あり、その端子に接触不良が生じ易く、ヘアーカーラの
故障が生じ易かったが、上記では、面接触であるので、
従来のような大きな力が接続端子に加わるようなことは
無く、接触不良が生じ難く、ヘアーカーラの故障が低減
される。

【０００８】

【実施例】本考案の一実施例について図１ないし図９に
基づいて説明すれば、以下の通りである。図１に示すよ
うに、ヘアーカーラには、耐熱性を有する合成樹脂から
成る毛髪巻胴１が設けられている。この毛髪巻胴１は、
それぞれ外径寸法のほぼ等しい略有底円筒状の各上下毛
髪巻胴２・３が同軸に、それぞれの底部５・８の外面を
向合わせて連結されている。この上毛髪巻胴２には、上
金属筒（第１金属筒）４が、一方、下毛髪巻胴３には、
下金属筒（第２金属筒）６、正特性サーミスタから成る
ＰＴＣセラミックスヒータ（発熱体）９およびこのＰＴ
Ｃセラミックスヒータ９に電気的に接続されている接続
端子１０が設けられている。このようなヘアーカーラに
ついて、組立順を追って各部分に分けて説明する。ま
ず、図２に示すように、上毛髪巻胴２内には、図３に示
すような有底円筒状の上金属筒４の筒部がほぼ同軸に埋
設され、また、上金属筒底部１１の内底面が上毛髪巻胴
底部５外面と密着する一方、上金属筒底部１１の外底面
は露出している。また、上毛髪巻胴２の下部には、上毛
髪巻胴２の筒部が、上金属筒底部１１との境界から軸方
向に延びており、その円筒部内周面にメネジ部２ａが設
けられている。このような上金属筒４の素材としては、
導電性や熱伝導性を考慮してアルミニウム等の金属が使
用される。

【０００９】次に、下毛髪巻胴３では、図４に示すよう
に、下毛髪巻胴底部８に外面側から円柱状の凹部８ａが
同軸に穿設されており、この凹部８ａはＰＴＣセラミッ
クスヒータ９が嵌合するようになっている。さらに、そ
の凹部８ａの底面には、下毛髪巻胴３の内部に連通する
連通孔８ｂが同軸に設けられている。また、図５に示す
ような円環部１３ｂとその内周縁部から軸方向に延びる
円筒部１３ａを備える金属製の中継端子１３のその円筒
部１３ａが、上記連通孔８ｂに挿入されて、円環部１３
ｂと前記凹部８ａの底面とが面接し、一方、この中継端
子１３の円環部１３ｂに対向する位置に下毛髪巻胴底部
８を挟んで設けられる図６のようなリング状の接続端子
１０にその円筒部１３ａの端部が当接して、図８に示す
ように、円筒部１３ａの端部がハトメのように折り曲げ
られて接続端子１０および中継端子１３が下毛髪巻胴底
部８に固定されている。

【００１０】さらに、下毛髪巻胴３の内周面には、図７
に示すような両端に開口部を有する略円筒状の下金属筒
６が嵌合して配置されており、この下金属筒６には軸方
向に延びる板状の下金属筒突出部７が２個設けられてい
て、これら各突出部７・７は前記下毛髪巻胴底部８を貫
通して、それら先端部は、その底部８の底部外面８ｃ上
で径方向内向きにそれぞれほぼ直角に曲げられ、その底
部外面８ｃとほぼ等しい平面を形成する下金属筒端部１
２をそれぞれ形成する。この後、下毛髪巻胴底部８に形
成されている凹部８ａにＰＴＣセラミックスヒータ９を
その第２電極面９ａを中継端子１３面に面接するように
嵌めこむ。このとき、ＰＴＣセラミックスヒータ９は、
その厚みをＰＴＣセラミックスヒータ９のもう一方の面
である第１電極面９ｂが前記底部外面８ｃとほぼ等しい
平面を形成するように成型されている。また、下毛髪巻
胴３外周上端部には、前記メネジ部２ａと咬合するオネ
ジ部３ａが設けられている。なお、各電極面９ａ・９ｂ
はＰＴＣセラミックスヒータ９の軸方向両面に銀などを
焼き付けてそれぞれ形成される。

【００１１】続いて、このような下毛髪巻胴３のオネジ
部３ａと前記上毛髪巻胴２のメネジ部２ａとを咬合させ
ることにより、上下毛髪巻胴２・３は連結されて、図１
に示すように、毛髪巻胴１は、ＰＴＣセラミックスヒー
タ９の第１電極面９ｂおよび上金属筒底部１１、その上
金属筒底部１１および各下金属筒端部１２・１２、並び
に第２電極面９ａおよび中継端子１３を押圧して面接し
た状態となっている。

【００１２】次に、発熱体である正特性サーミスタとし
てのＰＴＣセラミックスヒータ９の作用について説明す
る。このＰＴＣセラミックスヒータ９は、正特性温度係
数（Positive Temperature Coefficient）を有する素
材、例えばチタン酸バリウムを主原料としたセラミック
ス半導体から成り、室温からキュリー温度Ｔc までは低
抵抗であるが、キュリー温度Ｔc を越えると急峻に抵抗
値が増大する特性を有する感熱素子である。この特性に
よりＰＴＣセラミックスヒータ９に電圧を印加すると、
初期電力が大きいため急激に温度が上昇し、温度がキュ
リー温度を越えると抵抗値が急峻に増大することによ
り、消費電力が大幅に低下する。これにより、ＰＴＣセ
ラミックスヒータ９は一定温度以上には上がらず、安定
な温度を保つこととなって、自己温度制御機能を備え
る。なお、このＰＴＣセラミックスヒータ９は材料組成
により任意にキュリー温度Ｔc （抵抗急変温度）が設定
でき、およそ30〜250 ℃の範囲で設定でき、前記のよう
なヘアーカーラでは、毛髪へのダメージや毛髪のカール
のし易さなどを考慮してキュリー温度Ｔc を90〜 110℃
に通常設定される。

【００１３】上記のようなヘアーカーラは蓄熱して使用
され、蓄熱するために通電して使用される際、例えば図
９に示すようなホールダー１４に立設された略円柱状の
ソケット１５が用いられており、このソケット１５に
は、その頂部に頂部電極１６と、外周下部に外周下部電
極１７が設けられている。つまり、ヘアーカーラの使用
法は、毛髪巻胴１を持ち、下金属筒６をソケット１５に
差し込んで行う。このとき、頂部電極１６および下外周
電極１７は、図１に示す接続端子１０と下金属筒６の内
周面とそれぞれ面接触して電気的な接続が行われ、接続
端子１０への電気は中継端子１３を介し、一方、下金属
筒６の内周面への電気は各下金属筒突出部７・７、各下
金属筒端部１２・１２および上金属筒底部１１を介して
ＰＴＣセラミックスヒータ９のそれぞれ電極面に接続さ
れており、通電されて発熱したＰＴＣセラミックスヒー
タ９からの熱は速やかに各上下金属筒４・６に伝達さ
れ、毛髪巻胴１内に蓄熱される。この後、この加温され
た毛髪巻胴１を取り上げ、毛髪などを巻き付けること
で、その毛髪に所望のカールを与える。

【００１４】上記のヘアーカーラは、以上のように、図
９に示すように、ソケット１５に装着されて使用され
る。このとき、頂部電極１６および外周下部電極１７
と、図１に示す接続端子１０および下金属筒６の内周面
との面接触によって電気的な接続がそれぞれ行われる。
ところで、従来のヘアーカーラでは、１本のコネクタ端
子で電気的接続を行っていたので、少しでも斜めにして
装着するとそのコネクタ端子の固定端部に大きな力が加
わり易く、このためその固定端部が緩んだり、折れたり
して故障し易かった。しかしながら、上記では、電気的
接続が面接触により行われていることから、従来のよう
な接続端子が緩むなどの故障は生じない。したがって、
従来より故障の少ないヘアーカーラとすることができ
る。

【００１５】一方、発熱体として正特性サーミスタを使
用しているので、通電されると、低抵抗であるので迅速
に所定の温度までＰＴＣセラミックスヒータ９の温度が
上昇し、その温度でほぼ一定となる。このようにＰＴＣ
セラミックスヒータ９は自己温度制御機能を備えている
ため、サーモスタットのような温度制御器が不要とな
り、機械的温度制御機構が無いことから温度制御の信頼
性が向上すると共に小型軽量にできる。一方、合成樹脂
でできた毛髪巻胴１内にＰＴＣセラミックスヒータ９を
埋設しているので、ＰＴＣセラミックスヒータ９からの
熱を無駄なく各上下毛髪巻胴２・３に伝達して蓄積で
き、無用な空気中への熱放出を防止して熱損失を少なく
できることから、消費電力の小さい熱効率のよいヘアー
カーラとすることが可能となる。

【００１６】また、従来ではＰＴＣセラミックスヒータ
を貫通するコネクタ端子が設けられているため、ＰＴＣ
セラミックスヒータの中央部に貫通孔が設けられてい
た。しかしながら、上記では、そのような貫通孔を設け
る必要がなく、円盤状のＰＴＣセラミックスヒータ９を
用いているため、ＰＴＣセラミックスヒータ９の成型加
工が従来より容易に安価に行うことができる。さらに、
ヘアーカーラが使用される度に、ＰＴＣセラミックスヒ
ータ９の加熱と冷却が繰り返されるが、上記のＰＴＣセ
ラミックスヒータ９では、その貫通孔の無い形状から、
貫通孔を有する従来のＰＴＣセラミックスヒータより熱
応力による破損を生じ難くなっている。これらの結果、
上記のような優れた特性を備えるヘアーカーラを安価に
得ることができる。

【００１７】

【考案の効果】本考案のヘアーカーラは、以上のよう
に、毛髪を巻き付けるための毛髪巻胴内に、導電性及び
熱伝導性を有する有底の第１金属筒と無底の第２金属筒
とが、第１金属筒の底部外面に第２金属筒の一開口端部
を当接させた状態で設けられ、この第２金属筒内に、正
特性サーミスタから成る盤状の発熱体が、その一円形端
面に形成された第１電極を上記第１金属筒の底部外面に
面接触した状態で配設される一方、第２金属筒内におけ
る毛髪巻胴の軸方向端部側より奥まった位置に、発熱体
のもう一方の円形端面に形成された第２電極と電気的に
接続された接続端子が、第２金属筒と非接触状態で設け
られている構成である。これにより、電気的な接続は面
接触であるので、従来のような大きな力が接続端子に加
わるようなことは無く、接触不良が生じ難いため、ヘア
ーカーラの故障が低減されるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のヘアーカーラの要部断面図である。

【図２】上記ヘアーカーラの上毛髪巻胴の要部断面図で
ある。

【図３】上記上毛髪巻胴内に設けられている上金属筒の
斜視図である。

【図４】上記ヘアーカーラの下毛髪巻胴の要部断面図で
ある。

【図５】上記下毛髪巻胴内に設けられている中継端子の
斜視図である。

【図６】上記下毛髪巻胴内に設けられている接続端子の
斜視図である。

【図７】上記下毛髪巻胴内に設けられている下金属筒の
取り付け前の斜視図である。

【図８】上記下毛髪巻胴内へのＰＴＣセラミックスヒー
タの取り付けを示す説明図である。

【図９】上記ヘアーカーラのソケットへの装着を説明す
るヘアーカーラとホールダーとの概略斜視図である。

【図１０】従来のヘアーカーラの要部断面図である。

【図１１】従来のヘアーカーラの使用例を示す説明図で
ある。

【符号の説明】

１毛髪巻胴４上金属筒（第１金属筒）６下金属筒（第２金属筒）９ＰＴＣセラミックスヒータ（発熱体）９ａ第２電極９ｂ第１電極１０接続端子１１上金属筒底部１２下金属筒端部（開口端部）

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】毛髪を巻き付けるための毛髪巻胴内に、導
電性及び熱伝導性を有する有底の第１金属筒と無底の第
２金属筒とが、第１金属筒の底部外面に第２金属筒の一
開口端部を当接させた状態で設けられ、この第２金属筒
内に、正特性サーミスタから成る盤状の発熱体が、その
一円形端面に形成された第１電極を上記第１金属筒の底
部外面に面接触した状態で配設される一方、第２金属筒
内における毛髪巻胴の軸方向端部側より奥まった位置
に、発熱体のもう一方の円形端面に形成された第２電極
と電気的に接続された接続端子が、第２金属筒と非接触
状態で設けられていることを特徴とするヘアーカーラ。