JPH04108004U - ヘアーカーラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 板状のＰＴＣセラミックスヒーター１が半円
筒状の金属伝熱板２により挟持されている。 【効果】 ＰＴＣセラミックス成形体に穴加工等を施す
ことなく、簡単な組立によりヘアーカーラを製造でき、
ＰＴＣセラミックスヒーター１の破損も起きにくくな
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば、毛髪にカール等を与えるヘアーカーラに関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

従来の電気加熱式のヘアーカーラでは、例えば、 （１）内部に蓄熱物質を有する筒状の毛髪巻胴を、電気ヒーターで加熱された 加熱棒、または水蒸気によって間接的に加熱する型式のもの、 （２）毛髪巻胴内にニクロム線などの発熱体を組み込み、これをサーモスタッ ト等で制御する型式のもの、 等が知られている。

【０００３】 しかしながら、これらのヘアーカーラでは、温度制御、使用勝手などに問題点 がある。

【０００４】 すなわち、上記（１）の型式では、加熱準備時間に５分から１５分の長時間が 必要であり、また、特に水蒸気を使用するときは、その給水操作などの扱いが不 便であり、さらに、水蒸気または加熱棒の加熱では、それらの加熱が間接的なた め熱損失が大きく、大きな熱容量の必要なものとなっている。

【０００５】 一方、（２）の型式では、サーモスタット等の温度制御の不調なとき、過熱事 故を生じる虞れがある。

【０００６】 そこで、上記のような問題を回避したヘアーカーラとして、例えば特開昭５４ −３６８６３号公報に開示されているように、ＰＴＣ（正温度係数）ヒーターを 内蔵することにより直接加熱を行うヘアーカーラが知られている。

【０００７】 このヘアーカーラでは、リング状のＰＴＣヒーターを合成樹脂からなる毛髪巻 胴内に射出成形により埋設して、ＰＴＣヒーターの熱を効率よく毛髪巻胴に伝達 し、蓄積するようにしており、電気抵抗のＰＴＣ特性により自己温度制御が行わ れるため、温度制御の信頼性が高く、このために過熱事故に対して安全性の高い ヘアーカーラを容易に得ることができる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記従来の構成では、ＰＴＣヒーターがリング状であるため、穴加 工時にＰＴＣセラミックスを破損しやすいという問題点を有している。

【０００９】 また、穴加工後においても、残留応力もしくは射出成形時の熱応力によりＰＴ Ｃヒーターが破損する恐れがあるという問題点を有している。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案のヘアーカーラは、上記の課題を解決するために、板状のＰＴＣセラミ ックスヒーターが半円筒状の金属伝熱板により挟持されていることを特徴として いる。

【００１１】

【作用】

上記の構成によれば、板状のＰＴＣセラミックスヒーターを半円筒状の金属伝 熱板により挟持したので、ＰＴＣセラミックス成形体に穴加工等を施すことなく 、簡単な組立によりヘアーカーラを製造でき、ＰＴＣセラミックスヒーターの破 損も起きにくくなる。

【００１２】

【実施例】

本考案の一実施例について図１ないし図４に基づいて説明すれば、以下の通り である。

【００１３】 本実施例のヘアーカーラは、図１の縦断面図に示すように、板状のＰＴＣセラ ミックスヒーター１・１と、ＰＴＣセラミックスヒーター１・１を挟持する２枚 の中空半円筒状の金属伝熱板２・２と、ＰＴＣセラミックスヒーター１・１と共 に半円筒状の金属伝熱板２・２に挟持されてＰＴＣセラミックスヒーター１の位 置ずれを防止する絶縁板３…と、金属伝熱板２・２に電気的接触が行われるよう に取り付けられ、金属伝熱板２・２を介してＰＴＣセラミックスヒーター１に電 気を供給する導電性のコネクターピン４・４と、金属伝熱板２・２がＰＴＣセラ ミックスヒーター１と絶縁板３とを挟持した状態に保たれるように金属伝熱板２ ・２の両側にかぶせるコップ状の内部カバー５・６と、内部カバー５・６により 固定された金属伝熱板２・２及び内部カバー５・６を覆う毛髪巻胴としての円筒 状の外部ケース７とから主に構成されている。

【００１４】 ＰＴＣセラミックスヒーター１は、発熱体として電気抵抗にＰＴＣ特性を有す る板状のＰＴＣセラミックスと、このＰＴＣセラミックスの両底面に形成された 電極とから構成されている。

【００１５】 上記ＰＴＣセラミックスとしては、具体的には例えば、チタン酸バリウムを主 原料としたセラミックス半導体が用いられる。

【００１６】 また、ＰＴＣセラミックスの電極は、板状のＰＴＣセラミックスの両底面に例 えば銀ペーストを塗布し、焼付けることにより形成される。

【００１７】 金属伝熱板２には、熱伝導性及び電気伝導性に優れたアルミニウム等の軽金属 が用いられる。

【００１８】 絶縁板３には、熱伝導性及び電気絶縁性に優れたアルミナ等の電気絶縁体が用 いられる。

【００１９】 内部カバー５・６及び外部ケース７には、硬質ポリウレタン、ポリプロピレン 、ポリエステル等の耐熱性樹脂が用いられる。

【００２０】 金属伝熱板２は、具体的には例えば、図２に示すように、アルミニウム板をほ ぼ半円筒状に折り曲げた形状になっており、長方形側面１０と円筒面１１との間 に間隙１２を設けることにより、長方形側面１０に加えた垂直な力に対して、弾 性が付与されるようになっている。また、金属伝熱板２の片側の半円底面には、 コネクターピン４の係止穴９を有する取り付け部８が設けられている。なお、金 属伝熱板２・２の形状はＰＴＣセラミックスヒーター１を挟持した状態で、全体 がほぼ円筒形になるように設定されている。

【００２１】 上記のヘアーカーラを組み立てる場合、まず、コネクターピン４が金属伝熱板 ２の係止穴９に固定され、これにより、コネクターピン４と金属伝熱板２との電 気的接続が行われる。

【００２２】 次に、コネクターピン４を固定した２枚の金属伝熱板２・２により、ＰＴＣセ ラミックスヒーター１・１と絶縁板３…とを挟持する。これにより、ＰＴＣセラ ミックスヒーター１の電極面と金属伝熱板２の長方形側面１０とが接触し、電気 的に接続されることになる。なお、ＰＴＣセラミックスヒーター１・１と絶縁板 ３…とは長方形側面１０・１０間に交互に配列されており、絶縁板３がＰＴＣセ ラミックスヒーター１の位置ずれを防止するようになっている。

【００２３】 金属伝熱板２・２によりＰＴＣセラミックスヒーター１と絶縁板３とを挟持し た後、図３に示すように、金属伝熱板２・２の両側からコップ状の内部カバー５ ・６をかぶせる。このとき、金属伝熱板２の間隙１２（図２）が開こうとする反 発力により、金属伝熱板２・２が内部カバー５・６に密着され、金属伝熱板２・ ２がＰＴＣセラミックスヒーター１と絶縁板３とを挟持した状態で固定される。

【００２４】 なお、内部カバー６の底面には貫通穴１３・１３が設けられており、これらの貫 通穴１３・１３にコネクターピン４・４が嵌挿されるようになっている。

【００２５】 最後に、図４に示すように、熱膨張させた円筒状の外部ケース７を金属伝熱板 ２・２及び内部カバー５・６の外側に嵌め込み、冷却することにより本実施例の ヘアーカーラが容易に組み立てられる。

【００２６】 上記の構成において、コネクターピン４（図１）に電源を接続すると、金属伝 熱板２・２を介してＰＴＣセラミックスヒーター１・１に給電が行われる。

【００２７】 ＰＴＣセラミックスヒーター１は、室温から臨界温度Ｔc までは低抵抗である が、キュリー温度Ｔc を越えると急峻に抵抗値が増大するＰＴＣ特性を有するの で、給電当初、初期電流が大きいため急激に温度が上昇し、温度が臨界温度を越 えると抵抗値が急峻に増大することにより、電流が大幅に低下する。これにより 、ＰＴＣセラミックスヒーター１は一定温度以上には上がらず、安定な温度を保 つことになり、いわゆる自己温度制御が行われる。なお、このＰＴＣセラミック スヒーター１は材料組成により３０〜２５０℃の範囲で任意に臨界温度Ｔc を設 定できるが、本実施例のヘアーカーラでは、毛髪へのダメージや毛髪のカールの し易さなどを考慮して、外部ケース７の表面温度が約６０℃になるように臨界温 度Ｔc が設定されている。

【００２８】 給電によりＰＴＣセラミックスヒーター１で発生した熱は、金属伝熱板２に速 やかに伝達される。そして、熱伝導により金属伝熱板２全体に広がって、外部ケ ース７に蓄熱される。このため、ヘアーカーラの表面温度が速やかに上昇し、短 時間で所定温度に達することになる。

【００２９】 この後、電源からコネクターピン４を外し、外部ケース７に毛髪を巻き付ける ことで、その毛髪に所望のカールを与える。

【００３０】 以上のように、本実施例のヘアーカーラでは、板状のＰＴＣセラミックスヒー ター１を用いているので、ＰＴＣセラミック成形体に穴加工等を施す必要がなく 、ＰＴＣセラミック成形体をそのまま使用できる。これにより、ＰＴＣセラミッ クスヒーター１の製造工程が簡素化すると共に、穴加工等によるＰＴＣセラミッ クスヒーター１の破損の危険性がなくなる。

【００３１】 しかも、本実施例のヘアーカーラは、合成樹脂中にＰＴＣヒーターを埋設する 構成ではないので、射出成形等の製造工程を必要とせず、簡単な組立によって製 造できる。

【００３２】 なお、以上の実施例では、中空の金属伝熱板２を用いたが、この中空部分に熱 容量の大きい蓄熱材等を充填してもよく、これにより、電源からヘアーカーラを はずした後も、長時間に渡って所定の温度を維持できるようになる。

【００３３】 また、必ずしも金属伝熱板２に間隙１２（図２）を設けて圧縮に対する弾性を 持たせる必要はなく、金属伝熱板２あるいは内部カバー５・６の少なくともいず れか一方に弾性が持たせれば、金属伝熱板２・２によりＰＴＣセラミックスヒー ター１を挟持した状態に保つことができる。

【００３４】

【考案の効果】

本考案のヘアーカーラは、以上のように、板状のＰＴＣセラミックスヒーター が半円筒状の金属伝熱板により挟持されているので、ＰＴＣセラミックス成形体 に穴加工等を施すことなく、簡単な組立によりヘアーカーラを製造でき、しかも 、ＰＴＣセラミックスヒーターの破損も起きにくくなるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のヘアーカーラの概略構成を示す縦断面
図である。

【図２】図１のヘアーカーラの組立方法を示すものであ
り、２枚の金属伝熱板でＰＴＣセラミックスヒーターを
挟持する様子を示す工程図である。

【図３】図２のＰＴＣセラミックスヒーターを挟持した
金属伝熱板に、内部カバーをかぶせる様子を示す工程図
である。

【図４】図３の内部カバーをかぶせた金属伝熱板に、外
部ケースを嵌め込む様子を示す工程図である。

【符号の説明】

１ ＰＴＣセラミックスヒーター ２ 金属伝熱板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】板状のＰＴＣセラミックスヒーターが半円
   筒状の金属伝熱板により挟持されていることを特徴とす
   るヘアーカーラ。