JPH08167185A - 光磁気記録媒体及び光磁気記録方法 - Google Patents
光磁気記録媒体及び光磁気記録方法Info
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- JPH08167185A JPH08167185A JP6310505A JP31050594A JPH08167185A JP H08167185 A JPH08167185 A JP H08167185A JP 6310505 A JP6310505 A JP 6310505A JP 31050594 A JP31050594 A JP 31050594A JP H08167185 A JPH08167185 A JP H08167185A
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- layer
- magneto
- optical recording
- magnetization
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 誤動作や、高温環境下に放置すること等によ
って、乱れたり、消えたりすることのない、信頼性の高
いソフトフォーマット方式のフォーマット部を形成す
る。 【構成】 基板上に積層されたメモリー層、記録層、ス
イッチング層及び初期化層の4層の磁性層を含む光変調
オーバーライト可能な光磁気記録媒体において、フォー
マット信号は光磁気記録マークにより構成されており、
フォーマット信号に相当するマーク内での初期化層の磁
化の向きは、フォーマット領域のマーク以外の部分での
初期化層の磁化の向きと異なるようにする。
って、乱れたり、消えたりすることのない、信頼性の高
いソフトフォーマット方式のフォーマット部を形成す
る。 【構成】 基板上に積層されたメモリー層、記録層、ス
イッチング層及び初期化層の4層の磁性層を含む光変調
オーバーライト可能な光磁気記録媒体において、フォー
マット信号は光磁気記録マークにより構成されており、
フォーマット信号に相当するマーク内での初期化層の磁
化の向きは、フォーマット領域のマーク以外の部分での
初期化層の磁化の向きと異なるようにする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光変調によるオーバー
ライト可能な光磁気記録媒体及び光磁気記録方法に関す
る。
ライト可能な光磁気記録媒体及び光磁気記録方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度、大容量、高いアクセス速
度、並びに高い記録及び再生速度を含めた種々の要求を
満足する光学的記録再生方法、それに使用される記録装
置、再生装置及び記録媒体が急速に普及している。広範
囲な光学的記録再生方法の中で、光磁気記録再生方法
は、情報を記録した後、消去することができ、再び新た
な情報を記録することが繰り返し何度も可能であるとい
う点で、コンピュータの外部メモリーや民生用オーディ
オ機器向けに広く応用されてきている。
度、並びに高い記録及び再生速度を含めた種々の要求を
満足する光学的記録再生方法、それに使用される記録装
置、再生装置及び記録媒体が急速に普及している。広範
囲な光学的記録再生方法の中で、光磁気記録再生方法
は、情報を記録した後、消去することができ、再び新た
な情報を記録することが繰り返し何度も可能であるとい
う点で、コンピュータの外部メモリーや民生用オーディ
オ機器向けに広く応用されてきている。
【0003】この光磁気記録再生方法で使用される記録
媒体は、記憶する層として、垂直磁気異方性(perpendic
ular magnetic layer or layers)を有する1層又は多層
の磁性層からなる。この磁性層は、例えば非晶質のTbF
e、TbFeCo、GdFe、GdFeCo、DyFe、DyFeCo等からなる。
最近まで光磁気記録再生方法では、記録済みの媒体に消
去動作なしに新たな情報を記録するオーバーライトは不
可能とされていた。しかし、記録磁界Hb の強度を変調
せずに(ON、OFF を含む) 、照射する光ビームの強度を
記録すべき2値化情報に従い変調するだけで、オーバー
ライトが可能な光磁気記録方法、それに使用されるオー
バーライト可能な光磁気記録媒体、及びそれに使用され
るオーバーライト可能な記録装置が発明され、特許出願
された。このうち米国では特許登録された(特開昭62−
175948号=DE3,619,618A1 =USP5,239,524)。以下、こ
の発明を「基本発明」と引用する。
媒体は、記憶する層として、垂直磁気異方性(perpendic
ular magnetic layer or layers)を有する1層又は多層
の磁性層からなる。この磁性層は、例えば非晶質のTbF
e、TbFeCo、GdFe、GdFeCo、DyFe、DyFeCo等からなる。
最近まで光磁気記録再生方法では、記録済みの媒体に消
去動作なしに新たな情報を記録するオーバーライトは不
可能とされていた。しかし、記録磁界Hb の強度を変調
せずに(ON、OFF を含む) 、照射する光ビームの強度を
記録すべき2値化情報に従い変調するだけで、オーバー
ライトが可能な光磁気記録方法、それに使用されるオー
バーライト可能な光磁気記録媒体、及びそれに使用され
るオーバーライト可能な記録装置が発明され、特許出願
された。このうち米国では特許登録された(特開昭62−
175948号=DE3,619,618A1 =USP5,239,524)。以下、こ
の発明を「基本発明」と引用する。
【0004】基本発明に使用する媒体は、「基本的に垂
直磁化可能な磁性薄膜からなる記録及び再生層として機
能する層(以下、メモリー層またはM層という)と、同
じく垂直磁化可能な磁性薄膜からなる記録補助層(以
下、記録層またはW層という)とを含み、両層は交換結
合(exchange-coupled) しており、かつ、室温でM層の
磁化の向きは変えないでW層の磁化のみを所定の向きに
向けておくことができるオーバーライト可能な多層光磁
気記録媒体」である。W層は、M層に比べて室温におい
て低い保磁力Hc と高いキュリー点Tc を持つ。
直磁化可能な磁性薄膜からなる記録及び再生層として機
能する層(以下、メモリー層またはM層という)と、同
じく垂直磁化可能な磁性薄膜からなる記録補助層(以
下、記録層またはW層という)とを含み、両層は交換結
合(exchange-coupled) しており、かつ、室温でM層の
磁化の向きは変えないでW層の磁化のみを所定の向きに
向けておくことができるオーバーライト可能な多層光磁
気記録媒体」である。W層は、M層に比べて室温におい
て低い保磁力Hc と高いキュリー点Tc を持つ。
【0005】そして、情報をM層(場合によりW層に
も)における基板に垂直な方向(「A向き」とする)の
磁化を有するマークとその反対方向(「逆A向き」とす
る)の磁化を有するマークにより記録する。この媒体
は、W層が磁界手段(例えば初期補助磁界Hini. )によ
って、その磁化の向きを一方向に揃えることができる。
しかも、そのとき、M層の磁化の向きは反転せず、更
に、一旦一方向に揃えられたW層の磁化の向きは、M層
からの交換結合力を受けても反転せず、逆にM層の磁化
の向きは、一方向に揃えられたW層からの交換結合力を
受けても反転しない。
も)における基板に垂直な方向(「A向き」とする)の
磁化を有するマークとその反対方向(「逆A向き」とす
る)の磁化を有するマークにより記録する。この媒体
は、W層が磁界手段(例えば初期補助磁界Hini. )によ
って、その磁化の向きを一方向に揃えることができる。
しかも、そのとき、M層の磁化の向きは反転せず、更
に、一旦一方向に揃えられたW層の磁化の向きは、M層
からの交換結合力を受けても反転せず、逆にM層の磁化
の向きは、一方向に揃えられたW層からの交換結合力を
受けても反転しない。
【0006】基本発明の記録方法では、記録媒体は記録
前までに磁界手段によりW層の磁化の向きだけが一方向
に揃えられるようにする。その上で、2値化情報に従い
パルス変調されたレーザービームを媒体に照射する。レ
ーザービームの強度は、高レベルPH と低レベルPL の
2値に制御され、これはパルスの高レベルと低レベルに
相当する。この低レベルは、再生時に媒体を照射する再
生レベルPR よりも高い。既に知られているように、記
録をしない時にも、例えば媒体における所定の記録場所
をアクセスするためにレーザーを「非常な低レベル」で
点灯することが一般的である。この非常な低レベルも、
再生レベルPR と同一又は近似のレベルである。
前までに磁界手段によりW層の磁化の向きだけが一方向
に揃えられるようにする。その上で、2値化情報に従い
パルス変調されたレーザービームを媒体に照射する。レ
ーザービームの強度は、高レベルPH と低レベルPL の
2値に制御され、これはパルスの高レベルと低レベルに
相当する。この低レベルは、再生時に媒体を照射する再
生レベルPR よりも高い。既に知られているように、記
録をしない時にも、例えば媒体における所定の記録場所
をアクセスするためにレーザーを「非常な低レベル」で
点灯することが一般的である。この非常な低レベルも、
再生レベルPR と同一又は近似のレベルである。
【0007】低レベルのレーザービームを媒体に照射し
た場合、W層の磁化の向きは変わらず、M層の磁化の向
きは、M層とW層との間に磁壁が存在しない状態の向き
になる。一方、高レベルのレーザービームを媒体に照射
した場合、W層の磁化の向きは記録磁界の方向に倣い、
M層の磁化の向きは、M層とW層との間に磁壁が存在し
ない状態の向きになる。レーザービームの照射後は、磁
界手段が働くことにより、高レベルのレーザービーム照
射によって記録磁界の方向に倣ったW層の磁化は、再び
磁界手段の向きに倣う。従って、磁界手段の磁化の向き
と記録磁界の向きを逆にしておけば、既に記録されてい
るM層に、新たな記録が繰り返しオーバーライトできる
のである。これが、光変調オーバーライトの原理であ
る。
た場合、W層の磁化の向きは変わらず、M層の磁化の向
きは、M層とW層との間に磁壁が存在しない状態の向き
になる。一方、高レベルのレーザービームを媒体に照射
した場合、W層の磁化の向きは記録磁界の方向に倣い、
M層の磁化の向きは、M層とW層との間に磁壁が存在し
ない状態の向きになる。レーザービームの照射後は、磁
界手段が働くことにより、高レベルのレーザービーム照
射によって記録磁界の方向に倣ったW層の磁化は、再び
磁界手段の向きに倣う。従って、磁界手段の磁化の向き
と記録磁界の向きを逆にしておけば、既に記録されてい
るM層に、新たな記録が繰り返しオーバーライトできる
のである。これが、光変調オーバーライトの原理であ
る。
【0008】なお、M層とW層ともに、それ自体多層膜
から構成されていてもよい。場合によりM層とW層との
間に中間層(例えば、交換結合力σW 調整層:以下、こ
の層を中間層またはI層と言う)が存在していてもよ
い。I層については、特開昭64−50257 号や特開平1−
273248号を参照されたい。また、オーバーライト可能な
光磁気記録については、特開平4−123339号や特開平4
−134741号など多くの資料があるので、詳しくはそれら
を参照されたい。なお、特開平4−123339号に開示され
た4層構造のディスクは、M層とW層の外に、W層の磁
界を一方向に揃えるための磁場を有する層 (以下、初期
化層またはIini.層という)と、Iini.層とW層との間
に両層の間の交換結合をオン・オフする層(以下:スイ
ッチング層またはS層という)を持つ。
から構成されていてもよい。場合によりM層とW層との
間に中間層(例えば、交換結合力σW 調整層:以下、こ
の層を中間層またはI層と言う)が存在していてもよ
い。I層については、特開昭64−50257 号や特開平1−
273248号を参照されたい。また、オーバーライト可能な
光磁気記録については、特開平4−123339号や特開平4
−134741号など多くの資料があるので、詳しくはそれら
を参照されたい。なお、特開平4−123339号に開示され
た4層構造のディスクは、M層とW層の外に、W層の磁
界を一方向に揃えるための磁場を有する層 (以下、初期
化層またはIini.層という)と、Iini.層とW層との間
に両層の間の交換結合をオン・オフする層(以下:スイ
ッチング層またはS層という)を持つ。
【0009】C/N比を高めるために、M層の上に(つ
まり、レーザービームの入射側に)M層よりキュリー点
が高くカー効果の高い層(以下:読出層またはR層とい
う)を積層したものも提案されている。例えば、特開昭
63−64651 号公報や特開昭63−48637 号公報を参照され
たい。提案されたR層もRE−TM系合金で構成され
る。
まり、レーザービームの入射側に)M層よりキュリー点
が高くカー効果の高い層(以下:読出層またはR層とい
う)を積層したものも提案されている。例えば、特開昭
63−64651 号公報や特開昭63−48637 号公報を参照され
たい。提案されたR層もRE−TM系合金で構成され
る。
【0010】光磁気記録媒体に情報を記録する領域をト
ラックという。一般に光磁気記録媒体は多数のトラック
を有する。各トラックは、セクターと呼ばれる複数の領
域に分けられており、各セクターは、トラック番号やそ
のセクターの番号などを記録したフォーマット部と情報
を記録するためのデータ部に分かれている。通常、記録
及び再生はセクター単位で行われる。
ラックという。一般に光磁気記録媒体は多数のトラック
を有する。各トラックは、セクターと呼ばれる複数の領
域に分けられており、各セクターは、トラック番号やそ
のセクターの番号などを記録したフォーマット部と情報
を記録するためのデータ部に分かれている。通常、記録
及び再生はセクター単位で行われる。
【0011】フォーマットの形成には2通りの方法があ
る。一つは、予め凹凸形状によるマークを有する形の光
磁気記録媒体を製造するもので、これをプリフォーマッ
ト方式という。もう一つは、光磁気記録媒体を製造して
から、その使用前までに、光磁気記録装置を用いて、磁
性層の磁化の向きによるマークを形成する(即ち、光磁
気信号によるマークを形成する)ものであり、これをソ
フトフォーマット方式という。
る。一つは、予め凹凸形状によるマークを有する形の光
磁気記録媒体を製造するもので、これをプリフォーマッ
ト方式という。もう一つは、光磁気記録媒体を製造して
から、その使用前までに、光磁気記録装置を用いて、磁
性層の磁化の向きによるマークを形成する(即ち、光磁
気信号によるマークを形成する)ものであり、これをソ
フトフォーマット方式という。
【0012】ソフトフォーマット方式では、フォーマッ
ト信号の再記録を行うことができるので、フォーマット
の変更が簡単に行える。このため、異なるフォーマット
のドライブに対応が可能であるという利点を有する。
ト信号の再記録を行うことができるので、フォーマット
の変更が簡単に行える。このため、異なるフォーマット
のドライブに対応が可能であるという利点を有する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ソフト
フォーマット方式は、上述したように、フォーマット部
のマークを、光磁気記録(磁化の向き)により作成する
ため、レーザの誤動作等により誤って過大なパワーで再
生したり、媒体を過度に昇温させてしまった等の場合、
フォーマットのマークが乱れたり、また、場合によって
は消えてしまうという恐れがあった。フォーマット部は
光磁気記録媒体にとって非常に大切なものであり、フォ
ーマット信号が再生できないと、膨大なデータの読み出
しが不能となってしまう。特に、光変調オーバーライト
可能な光磁気記録媒体では、その消去レーザービーム強
度(低レベル)が記録レーザービーム強度(高レベル)
より低いので、フォーマット信号を消してしまう危険が
大きくなる。
フォーマット方式は、上述したように、フォーマット部
のマークを、光磁気記録(磁化の向き)により作成する
ため、レーザの誤動作等により誤って過大なパワーで再
生したり、媒体を過度に昇温させてしまった等の場合、
フォーマットのマークが乱れたり、また、場合によって
は消えてしまうという恐れがあった。フォーマット部は
光磁気記録媒体にとって非常に大切なものであり、フォ
ーマット信号が再生できないと、膨大なデータの読み出
しが不能となってしまう。特に、光変調オーバーライト
可能な光磁気記録媒体では、その消去レーザービーム強
度(低レベル)が記録レーザービーム強度(高レベル)
より低いので、フォーマット信号を消してしまう危険が
大きくなる。
【0014】本発明の目的は、かかる問題点の解決にあ
る。
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、初期化層はその目的上、磁化方向を反転させるた
めに要するレーザービーム強度は、記録時の高レベルよ
りも更に高いレベルであり、従って、記録再生装置で初
期化層の磁化の向きを反転させることは事実上困難であ
る。本発明はこの点に鑑みてなされたものである。
結果、初期化層はその目的上、磁化方向を反転させるた
めに要するレーザービーム強度は、記録時の高レベルよ
りも更に高いレベルであり、従って、記録再生装置で初
期化層の磁化の向きを反転させることは事実上困難であ
る。本発明はこの点に鑑みてなされたものである。
【0016】従って、本発明は、第一に「基板上に積層
されたメモリー層、記録層、スイッチング層、及び初期
化層の4層の磁性層を含む光変調オーバーライト可能な
光磁気記録媒体において、フォーマット信号が光磁気記
録マークにより構成されており、前記フォーマット信号
に相当するマーク内での初期化層の磁化の向きは、フォ
ーマット領域の前記マーク以外の部分での初期化層の磁
化の向きと異なることを特徴とする光磁気記録媒体」を
提供し、第二に「基板上に積層されたメモリー層、記録
層、スイッチング層、及び初期化層の4層の磁性層を含
む光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒体の初期化
層の磁化を反転させることでフォーマット信号に相当す
るマークを形成することを特徴とする光磁気記録方法」
を提供する。
されたメモリー層、記録層、スイッチング層、及び初期
化層の4層の磁性層を含む光変調オーバーライト可能な
光磁気記録媒体において、フォーマット信号が光磁気記
録マークにより構成されており、前記フォーマット信号
に相当するマーク内での初期化層の磁化の向きは、フォ
ーマット領域の前記マーク以外の部分での初期化層の磁
化の向きと異なることを特徴とする光磁気記録媒体」を
提供し、第二に「基板上に積層されたメモリー層、記録
層、スイッチング層、及び初期化層の4層の磁性層を含
む光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒体の初期化
層の磁化を反転させることでフォーマット信号に相当す
るマークを形成することを特徴とする光磁気記録方法」
を提供する。
【0017】
【作用】まず、図2に沿って、メモリー層、記録層、ス
イッチング層、初期化層の4層からなる光変調オーバー
ライト光磁気記録媒体の記録原理を説明する。図2の各
図は、上からメモリー層、記録層、スイッチング層、初
期化層の4層の断面を示した概念図である。図中の矢印
は、遷移金属の副格子磁化方向を表す。各層は、その層
のキュリー点以下では、隣接する層と交換結合してい
る。そのため、副格子磁化は、互いに同じ方向を向いた
状態でより安定である。
イッチング層、初期化層の4層からなる光変調オーバー
ライト光磁気記録媒体の記録原理を説明する。図2の各
図は、上からメモリー層、記録層、スイッチング層、初
期化層の4層の断面を示した概念図である。図中の矢印
は、遷移金属の副格子磁化方向を表す。各層は、その層
のキュリー点以下では、隣接する層と交換結合してい
る。そのため、副格子磁化は、互いに同じ方向を向いた
状態でより安定である。
【0018】一度記録がなされた時点での磁化の状態
は、状態(a) または状態(b) である。メモリー層の磁化
方向が記録した情報に相当する。今、状態(b) の媒体に
低レベルのレーザービームを照射すると、媒体の温度が
上昇し、スイッチング層のキュリー点を超える。する
と、スイッチング層の磁化が消失することで、スイッチ
ング層からの影響がなくなるため、メモリー層の磁化が
記録層からの交換結合力を受けて反転し、状態(c) とな
る。一方、状態(a)であった場合には、メモリー層は元
々記録層からの交換結合力に対して安定状態にあるた
め、低レベルのレーザービームの照射によって磁化反転
は起こらない。この後、レーザービーム照射位置から外
れて冷却されると、状態(a) となる。これが低レベルの
レーザービーム照射により起こるプロセス(以下、Lプ
ロセスという)である。
は、状態(a) または状態(b) である。メモリー層の磁化
方向が記録した情報に相当する。今、状態(b) の媒体に
低レベルのレーザービームを照射すると、媒体の温度が
上昇し、スイッチング層のキュリー点を超える。する
と、スイッチング層の磁化が消失することで、スイッチ
ング層からの影響がなくなるため、メモリー層の磁化が
記録層からの交換結合力を受けて反転し、状態(c) とな
る。一方、状態(a)であった場合には、メモリー層は元
々記録層からの交換結合力に対して安定状態にあるた
め、低レベルのレーザービームの照射によって磁化反転
は起こらない。この後、レーザービーム照射位置から外
れて冷却されると、状態(a) となる。これが低レベルの
レーザービーム照射により起こるプロセス(以下、Lプ
ロセスという)である。
【0019】一方、媒体に高レベルのレーザービームを
照射すると、状態(a) から出発した場合でも、また、状
態(b) から出発した場合でも、媒体の磁化状態は状態
(c) を通り越して、メモリー層のキュリー点以上の状態
である状態(d) となる。この状態で、記録層の磁化は反
転させられるが初期化層の磁化は反転させられないよう
な強さの磁界を媒体に印加すると、初期化層の磁化は反
転せずに、記録層の磁化だけが反転して状態(e) とな
る。この後、レーザービーム照射位置から外れて冷却さ
れ、メモリー層のキュリー点以下まで温度が下がると、
メモリー層の副格子磁化が記録層に倣って現れて状態
(f) となる。そして、更に温度が下がり、スイッチング
層のキュリー点以下になると、スイッチング層の副格子
磁化が初期化層に倣って現れ、スイッチング層を通して
初期化層の交換結合力が記録層に働くことで、記録層の
磁化が反転して状態(b) となる。これが高レベルのレー
ザービーム照射により起こるプロセス(以下、Hプロセ
スという)である。
照射すると、状態(a) から出発した場合でも、また、状
態(b) から出発した場合でも、媒体の磁化状態は状態
(c) を通り越して、メモリー層のキュリー点以上の状態
である状態(d) となる。この状態で、記録層の磁化は反
転させられるが初期化層の磁化は反転させられないよう
な強さの磁界を媒体に印加すると、初期化層の磁化は反
転せずに、記録層の磁化だけが反転して状態(e) とな
る。この後、レーザービーム照射位置から外れて冷却さ
れ、メモリー層のキュリー点以下まで温度が下がると、
メモリー層の副格子磁化が記録層に倣って現れて状態
(f) となる。そして、更に温度が下がり、スイッチング
層のキュリー点以下になると、スイッチング層の副格子
磁化が初期化層に倣って現れ、スイッチング層を通して
初期化層の交換結合力が記録層に働くことで、記録層の
磁化が反転して状態(b) となる。これが高レベルのレー
ザービーム照射により起こるプロセス(以下、Hプロセ
スという)である。
【0020】情報再生時は、メモリー層側から再生レベ
ルのレーザービームを照射することで行われる。ところ
で、もし、初期化層の磁化方向を反転しようとすると、
高レベルよりも更に強いレーザービームを照射すること
が必要となる。これは、レーザーの定格出力やレーザー
を発光させるためのレーザー駆動電流を考えると、かな
り困難なことである。
ルのレーザービームを照射することで行われる。ところ
で、もし、初期化層の磁化方向を反転しようとすると、
高レベルよりも更に強いレーザービームを照射すること
が必要となる。これは、レーザーの定格出力やレーザー
を発光させるためのレーザー駆動電流を考えると、かな
り困難なことである。
【0021】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
【0022】
【実施例】図1は、本発明のディスクの垂直断面を示
す。基板上にメモリー層、記録層、スイッチング層、初
期化層の4層の磁性層が形成されている。図中の矢印は
遷移金属の副格子磁化方向を表す。初期化層の磁化反転
は、ディスクの回転を遅くして媒体の温度を通常の記録
時よりも高くすることで行う。
す。基板上にメモリー層、記録層、スイッチング層、初
期化層の4層の磁性層が形成されている。図中の矢印は
遷移金属の副格子磁化方向を表す。初期化層の磁化反転
は、ディスクの回転を遅くして媒体の温度を通常の記録
時よりも高くすることで行う。
【0023】図1の左側部分がフォーマット部を表して
いる。一つのマーク内においては、初期化層からメモリ
ー層までの全ての層の副格子磁化が同じ方向を向いてい
る。これによって、ソフトフォーマット部のメモリー層
の磁化は、高レベルのレーザービームの照射に対しても
安定になっている。図1の右側部分は、データを記録す
るためのデータ部である。このデータ部では、初期化層
の磁化は全て同一方向であり、これによりオーバーライ
トが可能である。
いる。一つのマーク内においては、初期化層からメモリ
ー層までの全ての層の副格子磁化が同じ方向を向いてい
る。これによって、ソフトフォーマット部のメモリー層
の磁化は、高レベルのレーザービームの照射に対しても
安定になっている。図1の右側部分は、データを記録す
るためのデータ部である。このデータ部では、初期化層
の磁化は全て同一方向であり、これによりオーバーライ
トが可能である。
【0024】なお、初期化層の磁化反転は、通常の記録
時より大きな磁界を印加しながらレーザービームを照射
することでも可能である。
時より大きな磁界を印加しながらレーザービームを照射
することでも可能である。
【0025】
【発明の効果】以上の通り、本発明により、誤動作等に
より通常よりも大きな再生光を照射されたり、高い環境
温度に放置された場合でも、フォーマット情報を安定に
維持できるソフトフォーマット形成が可能となり、信頼
性の高いソフトフォーマット方式の光変調オーバーライ
ト可能な光磁気記録媒体の提供ができるようになった。
より通常よりも大きな再生光を照射されたり、高い環境
温度に放置された場合でも、フォーマット情報を安定に
維持できるソフトフォーマット形成が可能となり、信頼
性の高いソフトフォーマット方式の光変調オーバーライ
ト可能な光磁気記録媒体の提供ができるようになった。
【図1】 本発明に係る光磁気記録媒体の垂直断面を示
す概念図である。矢印は遷移金属の副格子磁化の向きを
示す。
す概念図である。矢印は遷移金属の副格子磁化の向きを
示す。
【図2】 4層膜の光変調オーバーライト方式の記録原
理を説明する概念図である。
理を説明する概念図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 基板上に積層されたメモリー層、記録
層、スイッチング層、及び初期化層の4層の磁性層を含
む光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒体におい
て、フォーマット信号が光磁気記録マークにより構成さ
れており、前記フォーマット信号に相当するマーク内で
の初期化層の磁化の向きは、フォーマット領域の前記マ
ーク以外の部分での初期化層の磁化の向きと異なること
を特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項2】 基板上に積層されたメモリー層、記録
層、スイッチング層、及び初期化層の4層の磁性層を含
む光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒体の初期化
層の磁化を反転させることでフォーマット信号に相当す
るマークを形成することを特徴とする光磁気記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6310505A JPH08167185A (ja) | 1994-12-14 | 1994-12-14 | 光磁気記録媒体及び光磁気記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6310505A JPH08167185A (ja) | 1994-12-14 | 1994-12-14 | 光磁気記録媒体及び光磁気記録方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08167185A true JPH08167185A (ja) | 1996-06-25 |
Family
ID=18006038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6310505A Pending JPH08167185A (ja) | 1994-12-14 | 1994-12-14 | 光磁気記録媒体及び光磁気記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08167185A (ja) |
-
1994
- 1994-12-14 JP JP6310505A patent/JPH08167185A/ja active Pending
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