JPH08164976A - 包装材 - Google Patents

包装材

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JPH08164976A
JPH08164976A JP6333999A JP33399994A JPH08164976A JP H08164976 A JPH08164976 A JP H08164976A JP 6333999 A JP6333999 A JP 6333999A JP 33399994 A JP33399994 A JP 33399994A JP H08164976 A JPH08164976 A JP H08164976A
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JP
Japan
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box
film
packaging material
membrane
opening
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JP6333999A
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English (en)
Inventor
Hajime Kawakami
肇 川上
Masaki Iwasaka
正基 岩坂
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Kawakami Sangyo KK
Original Assignee
Kawakami Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気器具、陶器、ガラス製品、その他日用品
等の梱包の際に、外部からの衝撃から被包装物を守る包
装材に関するものである。 【構成】 箱の開口部に膜を張り渡してなる包装材にお
いて、膜が開口部全面を覆うことなく膜の内外に通気性
を有することを特徴とした、包装材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】電気器具、陶器、ガラス製品、そ
の他日用品などの梱包の際に、外部からの衝撃から被包
装物を守る包装材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被包装物を、外装箱に固定、保護する方
法としては、従来は発泡プラスチック製品のコーナーパ
ッド、サイドパッド等による包装材、あるいは同じく発
泡プラスチックによるバラ状緩衝材やこれを小袋に詰め
たもの等による充填材等(以下、小袋充填材と記す。)
が多用されてきた。しかし、これら発泡プラスチック
は、使用後に莫大な量の屑を発生し、プラスチック自体
が昨今の環境問題から廃棄、焼却などの後処理がしづら
くなりつつあった。
【0003】これら発泡プラスチックの代替案として、
包装材の思い切った減容化によって、廃棄、焼却などの
後処理の問題に対応していこうとした考えから、USパ
テント5,071,009号、4,923,065号、
4,852,743号などに、開示されているように、
ボール紙、板紙等の枠の四周に、合成樹脂等によるフィ
ルムをハンモック状に貼合し、このハンモック状の部分
に被包装物を挟み込んだり、角の部分を抑えつけるよう
にして外装箱に据え付ける形式の包装材も提案された。
【0004】しかし、このような形式の上記のハンモッ
ク状の部分の通気性が極端に悪く、周囲の温度の変化な
どによって、被包装物や、ハンモック状の部分の内面に
結露することがあり、問題があった。また、ハンモック
状の部分の面と直交する方向に剛性が低く、輸送中、外
装箱の底面の部分に底付きし、被包装物に損傷を与える
原因ともなった。また、枠の変形を防ぐ補強が困難であ
り、フィルムを四周に張り渡すのが困難であるなど、工
業生産が容易でないという欠点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで発明者らは、以
下のようにこれら包装材の問題点を集約した。 良好な通気性を有すること。 可能な限り、軽量化をはかれること。 環境適合性大なること。 工業生産が容易であること。 コラプシブル(使用後の易壊性)であること。 可能な限り一定の寸法で種々の形状の被包装物に対応
することが出来、規格化がはかれること。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】
【0008】
【図1】
【0009】図1に、本発明包装材の1実施態様を示
す。本発明包装材は図1に示すように、箱11、および
12、膜14、緩衝体16と、必要に応じてスリーブ1
3により構成されている。本実施態様においては、箱1
1、12はいわゆるC式という形状であり、C式の通常
「蓋」と呼ばれる箱11の部分の開口部に向かい合う面
に緩衝体16が貼合されている。また、C式の箱の通常
「底」の部分となる箱12の開口部に膜14が張られて
いる。この箱11の緩衝体16の上に、被包装物15を
置き、その上に箱12を挿入し、押さえつけた状態で、
スリーブ13をかぶせる。本発明包装材に用いられるC
式の箱としては、通常C1式と呼ばれる、枠に折り畳み
の線がなく、角の部分に接着しろを有する物が好まし
い。
【0010】スリーブ13により外側から箱11、12
が固定されることにより、被包装物15は緩衝体16の
上に引き延ばされた膜14の復元力により押さえつけら
れるわけである。この場合、膜14により、被包装物1
5は荷ずれしないように固定される。従来の小袋充填材
を用いる方法であれば、箱と被包装物との間の空間のほ
とんど全てに小袋充填材を充填する必要があったが、本
発明包装材に於いては緩衝体16の量を必要最小限とす
ることができる。また、図1においては、箱11の方が
下側となっているが、天地を逆にして用いてもかまわな
い。
【0011】
【図2】
【0012】膜の張り方についても、図1の様な長方形
様開口部の対角線方向に限定されるものではなく、長方
形様開口部のうち向かい合う2辺に平行に張られてもよ
いし、長方形様開口部の直交する2辺に平行になるよう
に十字に交差するように張ってもよい。どのような張り
方であっても、膜が開口部全面を覆っていなければ、被
包装物に対する通気性は良好となり、被包装物を結露か
ら守ることができる。さらに、箱11および12は、必
要に応じて、膜の張力がかかる部分に補強材を設けても
よい。この補強材としては、どのようなものを用いても
よいが、後処理の問題から考えると、段ボールや板紙の
積層品等の紙製品が、また、端材利用の面からは箱1
1、12と同一の素材が好ましい。その形状としては、
例えば、図2Aのように板紙をアングル状に成形、積層
したものや、図2Bのように切断した段ボールを折り曲
げて、4角形や3角形の角形断面の筒状とした物が可能
であるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
【図3】
【0014】図3に、本発明包装材の別の実施態様を示
す。この場合、2個の箱21は略同一形状であり、開口
部に膜14が張られており、また、開口部と向かい合っ
た底面には緩衝体16が取り付けられている。この緩衝
体16は梱包時には各々天地の部分に位置することにな
る。そして、この2個の箱21の開口部に張り渡された
膜14により被包装物15をはさみ込むように包装する
ことにより、被包装物15を中空に固定し、また、膜1
4の保持力で抗しきれない様な衝撃が加わり、被包装物
15が箱21の天地に衝突する場合には、天地の部分に
取り付けられた緩衝体16が被包装物15を柔らかく受
けとめ、被包装物15の損傷を防ぐ。
【0014】また、本実施態様においても、先の実施態
様と同じく、必要に応じ、膜の張力がかかる箱の部分に
補強材を設けてもよい。この一例を図3に補強材22と
して示す。しかし、補強材22の形状は図3のものに限
定されるわけではなく、箱に対し、有効な補強が為され
るものであれば、どの様な形状であってもよい。また、
膜の張り方についても、最初の実施態様と同じく、図3
に示したような張り方に限定されるものではない。しか
し、帯状の膜を長方形様開口部の一辺に平行に張り渡さ
れた包装体を2個用いる場合には、図3の様に各々の帯
状の膜が、被包装物を挟んで直交するように用いるのが
望ましい。図中X方向Y方向のいずれの外力に対して
も、被包装物がしっかり保持されるからである。なお、
帯状の膜の枚数は複数が好ましいが、特に限定はされな
い。
【0016】
【図4】
【0017】さらに、図4AおよびBに示すように、補
強材22の寸法を変えることにより、膜14の張力を任
意に調節することが可能となる。つまり、除圧した状態
で膜にほぼ直交する辺31の寸法を任意に変更すること
により、図4Aの様に、被包装物15を保持する力を調
節したり、Bの様に、被包装物15の形状に応じて、保
持する力が略同一になるように調節することが可能とな
る。この場合補強材22は、補強材.兼.張力調整材と
して機能する。従来の、小袋充填材を隙間に充填する方
法においては、詰め物の量もしくは箱の寸法により調整
しなければならなかったのに対し、補強材.兼.張力調
整材22の形状を一部変更するだけで、複数品種の被包
装物15に対応することができるのである。なお、図4
に示すような箱21の場合、2個の箱21にそれぞれ取
り付ける補強材22の寸法31を同一とする必要はな
い。すなわち、1対の包装体は被包装物に対して非対称
であって構わないし、補強材.兼.張力調整材を開口部
に対するインローとして用いる場合には、むしろ非対称
の方が好ましい。
【0018】
【図5】
【0019】箱11、12および21、スリーブ13の
材質としては、特に限定されるものではないが、後処理
の面から考えると、板紙や段ボール等の紙製が好まし
い。またその形状も、図1、図3に示したものに限定さ
れるわけではなく、例えば用途によっては図5の様にス
リーブ13が箱の一方の機能を兼ねたものであってもよ
い。
【0020】
【図6】
【0021】
【図7】
【0022】別の実施態様を図6、図7に示す。図6の
実施態様は、さらに箱の構造を簡略化したものであり、
軽量、あるいは小型の被包装物に使用するのに適してい
る。箱はA式、あるいはB式のものを用いる。特に通常
B6と呼ばれる形式の箱や、通称「ワンタッチBOX」
と言われている折り畳み式の箱を用いれば、未使用時は
箱を折り畳むことも可能であり、使用前、あるいは使用
後の減容化がはかれるため、収納スペースや後処理の面
からも好ましい。図6Aに示すように、この箱63のフ
ラップ部分62に膜14を張る。膜の張り方は図6Aに
示すように長方形様開口部の2辺に平行になるように交
差して張るものに限定されるものではない。長方形様開
口部の一辺に平行に張っても良いし、対角線方向に張っ
てもよい。この膜の上に被包装物15を置き、その上に
緩衝体16を置いた後、フラップ62を閉め、テーピン
グなどの処理で密閉することにより梱包作業を完了す
る。この状態を図6Bに示す。また、緩衝体16はその
まま用いてもよいし、61に示すような開口部と略同一
寸法に切断した、板61に貼合してもよい。板の素材と
しては、箱と同じ材質の板紙、または段ボールが好まし
いが、これに限定されるものではない。この板61は箱
の強度の向上、作業性の向上といった面からは入れるこ
とが好ましいが、使用することを限定するものではな
い。また、板61の使用が好ましいのは、図5の実施態
様においても同様である。
【0023】図7にさらに別の実施態様を示す。この場
合、図7Aに示すような箱に膜14を張り、さらに箱の
外側の底面に緩衝体16を貼合する。箱の形式は図6の
実施態様と同様、B式、またはC式のものを用い、膜の
張り方も図6の実施態様と同様、これに限定されるもの
ではない。この包装体7を、図7Bに示すように複数積
み重ねて使用する。つまり、1個の包装体7の膜14の
上に被包装物15を置き、その上に、底面に緩衝体16
が貼合された包装体7を置く。さらにこの包装体7の膜
14の上に被包装物15を置いていく。この作業を繰り
返し、一番上の被包装物15の上に図6で示したよう
な、板61に緩衝体16を貼合したものをのせ、全体を
スリーブ13、またはベルト、バンドなどで固定する。
このような用途で用いる場合、箱63や板61は紙製で
もよいが、従来使用されているプラスチック成形品、木
箱、プラスチック段ボール等のコンテナの、緩衝性を向
上した代替品として用いる場合は、やはり再利用の面か
ら、プラスチック成形品、木、プラスチック段ボール等
の強固な素材を選択することが望ましい。
【0024】膜14の素材としては、EVA(エチレン
酢酸ビニル共重合体)フィルム/シート、天然ゴムラテ
ックスフィルム/シート、「TPU(ポリウレタン
系)、TPEE(ポリエステル系)、TPVC(塩化ビ
ニル系)、TPO(ポリオレフィン系)、TPAE(ポ
リアミド系)、1,2PB(ポリブタジエン系)、SE
BS(ポリ(スチレン−b−(エチレン−co−ブチレ
ン)−b−スチレン))に代表されるSBC(スチレン
系)、ポリイソプレン系、ポリエチレン系、塩素化ポリ
エチレン系、ポリフルオロカーボン系、フッ素系など」
のいわゆる熱可塑性エラストマー(以下、総称してTP
Eと称す。)フィルム/シート、電子線などで架橋処理
を施されたTPEフィルム/シート、1軸延伸されたT
PEフィルム/シートや、ポリエチレンのネットなどが
望ましい。特に、引っ張り伸度300%以上、引っ張り
強度200Kgf/cm2以上であり、引っ張り伸度3
00%モジュラスにおける引っ張り弾性率E=1.0〜
40.0MPa、さらに好ましくは8.2〜25.5M
Paの条件を満たす素材が望ましい。もし、引っ張り弾
性率Eが8.2MPa以下であると、膜14は一般の被
包装物の重量だけで伸び過ぎてしまい、実用上好ましく
ない。引っ張り弾性率Eが40.0MPaを超えるもの
であれば、膜の伸びが小さいために、箱の開口部に不必
要な負担をかけ、必要以上に箱の構造を強固にせねばな
らず、また、それを避けるには包装空間容積が過大とな
るので好ましくない。
【0025】
【表1】
【0026】表1に、主な素材の物性値を示す。また、
引っ張りクリープの起きにくい材質であることが重要で
ある。一般に、圧縮永久歪の小さい材質は、引っ張りク
リープが起きにくいので、圧縮永久歪が70℃×22H
rにおいて20%以下の材質が特に好ましい。発明者ら
が実験した処、天然ゴムラテックス、TPAE、TP
U、予め15%以上延伸されたTPE(特にTPU)等
が良好な結果を示した。さらに、経済性とリサイクル適
正を考慮すると、TPU、予め15%以上延伸されたT
PE(特にTPU)が特に好ましい。
【0027】
【図8】
【0028】
【図9】
【0029】
【図10】
【0030】
【図11】
【0031】図1から図7の本発明包装材に用いられて
いる緩衝体16としては、図8に示すような、従来「エ
ア・バッグ」の商品名で知られている合成樹脂製の気泡
シートを図8Aのように単層で、あるいは図8Bのよう
に複数層重ねて用いることができる。これら気泡シート
としては、粒の大きさ×高さの寸法が、φ10mm×4
mm、φ20mm×8mm、φ32mm×13mmのも
のが多用されている。また、図9のようにこれら気泡シ
ートを長方形様に裁断し、袋に詰めたものでもよい。さ
らには図10のA、BおよびCのように市販の気泡シー
トより大粒の膜中空体を真空成形、およびブロー成形や
ヒートシールにより製造したものや、また、図11のよ
うに紙を解体したものを、袋に詰めたものを用いてもよ
い。
【0032】上記気泡シートを含む膜中空体の材質とし
ては、膜14の材質として例示したものすべてが用いら
れる。気泡シートを連続熱成形で製造する場合には、成
形性の面からEVAが特に好ましい。
【0033】また図9に示すような、紙を解体したもの
91を袋92に詰めたものを緩衝体16として用いても
よい。この紙を解体したもの91としては、紙を解繊し
たものや、紙をシュレッダーのように細かく裁断したも
の等を用いてもよい。また、紙の材質はどのようなもの
を用いてもよいが、環境問題等の面から考えると、新聞
紙などの古紙を使用することが望ましい。袋の材質とし
ては、ポリエチレン等のポリオレフィン系の合成樹脂の
フィルム/シートや、不織布等を用いることが望まし
い。
【0034】
【図12】
【0035】
【作用】図3に示される様な形状の本発明包装材の場
合、直方体で理想化された被包装物15と箱の開口部の
寸法(つまりは膜14の長さ)の関係を以下に示す。本
発明包装材2個を天地方向に用いて、被包装物を挟み込
むよう包装する場合を考える。本発明包装材の各々は箱
21の開口部に膜14を張り渡し、開口部と対する面に
緩衝体16を貼ったもので、緩衝材16として膜中空体
を用いた場合を考える。被包装物に対して上側に位置す
る本発明包装材を上パッド、下側に位置する物を下パッ
ドとそれぞれ呼ぶことにする。下パッドのみで被包装物
15を保持した場合の横断面を図12に示す。被包装物
15の断面における寸法を幅2a、高さ2bとし、その
周囲の箱の開口部と被包装物15との隙間の間隔をLと
し、さらに張り渡した膜14の厚さをt、幅をc、張り
渡す本数をnとする、この膜14に被包装物15の重量
Wがかかって被包装物15の高さの半分、つまりbだけ
沈みこんだ状態で静止している。
【0036】この時力の釣りあいより数値W、a、b、
c、t、nと膜14に働く引っ張り応力σとの関係は、 W=2σtcnb(L2+b2)−1/2 ・・・・・・・(1) となる。ここでσは、膜14の素材が有する固有の引っ
張り弾性率Eと膜14の伸び率の積として与えられる。
膜14が被包装物に対しまったく滑らない素材と仮定し
たときは、 σ=E{(L2+b2)1/2−L}/L ・・・・・・・(2) となる。また、膜14の表面で摩擦力=0と仮定した場
合は、(2)の式に代わり、膜14に働く引っ張り応力
σを求める式は以下のようになる。 σ=E{(L2+b2)1/2−L}/(a+L) ・・・(3)
【0037】実際の素材では(2)式と(3)式の中間
であると考えられる。(2)式もしくは(3)式を
(1)式に代入して、これをLについて解くことによ
り、箱の開口部と被包装物15との間隔Lは、被包装物
15の重量W、その寸法a、bおよび膜14に用いる素
材の引っ張り弾性率Eにより求められる。もし、箱の開
口部と被包装物15との間隔Lをこの計算式で得られる
数値より大きく設ければ、被包装物は静止状態において
膜14を介して緩衝体に接触していることになる。これ
を避けるには箱の深さを(b+緩衝体の厚み)より大き
くする方法があるが、包装空間容積を大きくすることに
なり好ましくない。また、箱の開口部と被包装物15と
の間隔Lをこの計算式で得られる数値より極端に小さく
設ければ、膜の伸びが小さいために、梱包作業に大きな
力を要し、梱包後は箱の開口部に不必要な負担をかける
ことになるため、これも好ましくない。
【0038】実際の設計では、上下パッドで挟み込むた
め、図12の状態を現出せしめるには、上側の膜14の
引っ張り弾性率Eを下側のそれよりも低く選ぶか、補強
材.兼.張力調整材の位置を変えることによって下パッ
ドのLの値を上記計算値よりも多少小さくとる必要があ
る。標準化の面から、それが好ましくないと考えられる
場合は、上下パッドのLの値を上記計算値よりも多少小
さめにとればよい。この場合、被包装物は上下パッドの
境界線よりも下にずれた状態で静止することになる。い
ずれにせよ、被包装物の重量が有限値をとる限り、上下
方向に対称な梱包は不可能である。
【0039】以上の作用を膜中空体の側から言えば次の
ようになる。通常の使用方法において、常時静荷重Wが
かかっており、中空体を形成する膜のガス透過現象(以
下、圧縮クリープ現象と呼ぶ)が生じ、封入された気体
が抜けるため、特に長期間保管の後衝撃が加わった時
に、緩衝機能が発揮できない場合が考えられる。本発明
に於いては、常時静荷重Wが、張り渡された膜の引っ張
り応力によってキャンセルされているため、圧縮クリー
プ現象が生じず、衝撃が加わった時に本来の緩衝機能が
充分発揮されるのである。
【0040】
【実施例1】図3の形状の本発明包装材を実施例として
用いた。箱はAフルート段ボールによる450mm×4
50mm×50mmの寸法のものを2個用い、膜として
は30%延伸されたTPUの0.1mmフィルムを幅1
00mmに切断し、箱1個に対して2本がけとし、開口
部の一辺に平行に張り渡した。緩衝体としては目付け1
20g/m2、粒の大きさφ10mm×4mmのEVA
製の気泡シートを用い、この2個のパッドを用いて40
0mm×400mm×80mmの大きさの重量5Kgの
ビデオデッキを挟み込むように包装した。このとき上下
パッドの膜が直交するように包装した。
【0041】
【表2】
【0042】
【図13】
【0043】
【図14】
【0044】
【表3】
【0045】この実施例1を用いた、振動試験の結果を
表2に、落下試験Iの結果を図13に、落下試験IIの
結果を図14に、また、使用した包装材の重量を表3に
示す。
【0046】
【比較例1】上記実施例1と同様のもので、上下パッド
に緩衝体を設置していないものを比較例1とした。
【0047】この比較例1を用いた、振動試験の結果を
表2に、落下試験Iの結果を図13に、落下試験IIの
結果を図14に、また、使用した包装材の重量を表3に
示す。
【0048】
【比較例2】Aフルート段ボールによる、450mm×
450mm×100mmのA式の箱に、実施例1と同
じ、寸法400mm×400mm×80mm、重量5K
gのビデオデッキを入れ、その上下および周囲の隙間に
実施例1の緩衝体として用いたものと同じ目付け120
g/m2のEVA製の気泡シートを詰め物として用い
た。
【0049】この比較例2を用いた、振動試験の結果を
表2に、落下試験Iの結果を図13に、落下試験IIの
結果を図14に、また、使用した包装材の重量を表3に
示す。
【0050】
【比較例3】比較例2と同様に、Aフルート段ボールに
よる、450mm×450mm×100mmのA式の箱
に、実施例1と同じ、寸法400mm×400mm×8
0mm、重量5Kgのビデオデッキを入れ、その周囲の
隙間に、古紙を粉砕し、150mm角のPET(ポリエ
チレンテレフタレイト)の袋約20グラム入れたものを
詰め物として用いた。
【0051】この比較例3を用いた、振動試験の結果を
表2に、落下試験Iの結果を図13に、落下試験IIの
結果を図14に、また、使用した包装材の重量を表3に
示す。
【0052】
【振動試験】上記実施例1、比較例1、比較例2、比較
例3の各サンプルを固定し、振幅20mm、振動数40
0サイクル/分の条件で2時間振動させ、試験前と試験
後の箱と被包装物の隙間の寸法を測定した。この結果を
表2に示す。
【0053】
【落下試験I】上記実施例1、比較例1、比較例2、比
較例3の各サンプルの、被包装物のビデオデッキに「東
芝ミゼットGメーター」を両面テープにて固定し、落下
高10cm、20cm、30cm、40cm、50c
m、60cmよりそれぞれ水平落下を行い、その時の最
大G値を測定した。この結果を図13に示す。
【0054】
【落下試験II】上記実施例1、比較例1、比較例2、
比較例3の各サンプルの、被包装物のビデオデッキに
「東芝ミゼットGメーター」を両面テープにて固定し、
落下高40cmよりそれぞれ6回繰り返し水平落下を行
い、その時の最大G値を測定した。この結果を図14に
示す。
【0055】
【包装材の重量】上記実施例1、比較例1、比較例2、
比較例3の各サンプルの、箱および包装材の重量を表3
に示す。
【0056】
【試験結果】表2の振動試験によると、4者の荷ずれの
程度はほとんど同じといってよい。また、図13の落下
試験Iの結果からみると、比較例1、つまり本発明包装
材より緩衝体を省いたものは、膜の衝撃吸収能力を超え
る衝撃が加わると、緩衝能力が極端に低下する。また、
比較例2の気泡シートについては、長期間圧縮クリープ
による緩衝性能の低下が予想される。これらのことか
ら、上記4者のうち、総合的な緩衝性能に優れているの
は、実施例1の本発明包装材と比較例3の古紙の袋詰め
であるといえる。しかし、表3の箱および包装材の重量
を見ると、比較例3の古紙の袋詰めは、他のものの3倍
強から4倍弱の重量であり、被包装物のビデオデッキの
重量5Kgを加えても他のものの約1.5倍の重量を有
しており、輸送コストの面で欠点を有している。以上の
点から本発明包装材はこれら比較例の包装材に比べ、優
れた特徴を有しているといえる。
【効果】
1.本発明包装材は、従来の詰め物形式の包装材に比
べ、使用材料が少ない、あるいは軽量であるにもかかわ
らず同等以上の緩衝能力を有している。 2.本発明包装材は、上記理由のため包装材の量を極限
まで節約できる。 3.本発明包装材は、従来の膜を用いたハンモック包装
材に比べ、はるかに良好な通気性を有している。 4.本発明包装材は、天地に緩衝体を有しているため、
従来の膜を用いたハンモック包装材に比べ、特に強い衝
撃に対し、優れた緩衝性能を発揮する。 5.本発明包装材は、従来の膜を用いたハンモック包装
材に比べ、一定の寸法で種々の形状、大きさの被包装物
に対応することができ、規格化がはかれる。 6.本発明包装材は、従来の膜を用いたハンモック包装
材に比べ、膜を張る作業が容易で、工業生産が容易であ
る。 7.本発明包装材は、膜を張る際に、補強材.兼.張力
調整材を用いることにより、従来の膜を用いた包装材な
らびに発泡ブロック緩衝材に出来なかった、包装材の規
格化が可能となった。 8.本発明包装材は、従来の気泡シートなどの膜中空体
のみを用いた包装材に比べ、長期間保管の後であっても
気体抜けがなく、優れた緩衝性能を発揮する。 9.本発明包装材は、使用後の解体、および廃棄も容易
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明包装材の第1の実施態様を示す。
【図2】AおよびBに補強材の例を示す。
【図3】本発明包装材の第2の実施態様を示す。
【図4】Aは本発明包装材の第1の実施態様に、補強
材.兼.張力調整材を用いた例を示す。Bは本発明包装
材の第2の実施態様に、補強材.兼.張力調整材を用い
た例を示す。
【図5】本発明包装材の第3の実施態様を示す。
【図6】Aは本発明包装材の第4の実施態様の斜視図
を、Bはその横断面図を示す。
【図7】Aは本発明包装材の第5の実施態様のパッド部
の斜視図を、Bはその組み立て図を示す。
【図8】緩衝体の代表例たる気泡シートの、Aは単層
で、Bは多数積層した例を示す。
【図9】緩衝体の別の例として、気泡シートを細かく切
断、袋詰めにした例を示す。
【図10】緩衝体の別の例として、膜中空体を示す。A
は真空成形、Bはブロー成形、Cはヒートシールの例を
示す。
【図11】緩衝体の別の例として、古紙を解体した物を
袋詰めしたものを示す。
【図12】本発明包装材の第2の実施態様において、被
包装物と膜の張力の関係を示す。
【図13】落下試験Iの結果を示す。
【図14】落下試験IIの結果を示す。
【符号の説明】
11 下の箱 12 上の箱 13 スリーブ 14 膜 15 被包装物 16 緩衝体 21 上下対称な箱 22 補強材.兼.張力調整材 31 補強材.兼.張力調整材の1部分の寸法 61 板 62 フラップ 63 フラップを有する箱 7 包装体(パッド)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 箱の開口部に膜を張り渡してなる包装材
    において、膜が開口部全面を覆うことなく膜の内外に通
    気性を有することを特徴とした、包装材。
  2. 【請求項2】 箱の開口部に膜を張り渡してなる包装材
    において、膜に対向する箱の底面部に緩衝体が設置さ
    れ、かつ、膜が開口部全面を覆うことなく膜の内外に通
    気性を有することを特徴とした、請求項1記載の包装
    材。
  3. 【請求項3】 膜が帯であり、緩衝体が気体を封入した
    膜状物であることを特徴とした、請求項2記載の包装
    材。
  4. 【請求項4】 箱が直方体様であり、開口部が長方形様
    であり、帯状の膜が該長方形の一辺に平行に張り渡され
    たことを特徴とする、請求項3記載の包装材。
  5. 【請求項5】 箱が直方体様であり、開口部が長方形様
    であり、帯状の膜が該長方形の対角に張り渡されたこと
    を特徴とする、請求項3記載の包装材。
  6. 【請求項6】 膜の材質がポリウレタン系熱可塑性エラ
    ストマーであることを特徴とした、請求項1ないし5記
    載の包装材。
  7. 【請求項7】 膜が予め15%以上に1軸延伸された熱
    可塑性エラストマーであることを特徴とした、請求項1
    ないし6記載の包装材。
  8. 【請求項8】 緩衝体を形成する膜の材質が、エチレン
    −酢酸ビニル共重合体であることを特徴とした、請求項
    3ないし7記載の包装材。
  9. 【請求項9】 上記箱に接して、補強材.兼.張力調整
    材を設けたことを特徴とする請求項1ないし8記載の包
    装材。
  10. 【請求項10】 各々の帯状の膜が被包装物を挟んで直
    交するように、一対の請求項4記載の包装材を用いたこ
    とを特徴とする、包装方法。
  11. 【請求項11】 膜が網であり、緩衝体が紙質緩衝材で
    あることを特徴とした、請求項2記載の包装材。
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