JPH08164433A - ヘミング加工装置 - Google Patents

ヘミング加工装置

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Publication number
JPH08164433A
JPH08164433A JP31064794A JP31064794A JPH08164433A JP H08164433 A JPH08164433 A JP H08164433A JP 31064794 A JP31064794 A JP 31064794A JP 31064794 A JP31064794 A JP 31064794A JP H08164433 A JPH08164433 A JP H08164433A
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JP
Japan
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roller
hemming
support
outer panel
panel
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Application number
JP31064794A
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English (en)
Inventor
Katsutoshi Ueno
克敏 上野
Fuminori Matsuda
文憲 松田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製品の種類変更に迅速に対応できるヘミング
加工装置を提供する。 【構成】 本発明に係るヘミング加工装置10は、支持
ローラ142、押さえローラ48及び多機能ローラ46
をパネル支持機構に支持されたアウターパネルw10に
対して予め決められたヘミング加工軌跡に倣って移動さ
せることにより、そのアウターパネルw10のフランジ
立て、プリ曲げ加工、及びヘミング加工を行うことがで
きる。即ち、加工しようとする製品が複数種類あっても
ヘミング加工軌跡を製品の種類に応じて設定することに
より、一セットの支持ローラ142、押さえローラ48
及び多機能ローラ46でフランジ立てからヘミング加工
までを行うことができるようになる。このため、従来の
ように、製品の種類に応じて下型等を用意する必要がな
くなり、製品の種類変更に迅速に対応できるとともに設
備コストを低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フランジ立てを行った
アウターパネルにインナーパネルをセットし、そのフラ
ンジを折り返すことにより前記アウターパネルとインナ
ーパネルとを結合するヘミング加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のヘミング加工技術が特開平5−2
53626号公報に記載されており、その概略図が図8
に示されている。ヘミング加工は、一般的に、車両のド
ア等の外周部の成形に用いられる加工法であり、前記ド
アの外側となるアウターパネルw1にインナーパネルw
2をセットした状態で、そのアウターパネルw1のフラ
ンジ部をインナーパネルw2に重なるまで折り返すもの
である。これによって、アウターパネルw1とインナー
パネルw2とが結合されるとともに、車両のドア等のプ
レス品の周縁部(フランジ部)が外側から見えなくな
り、製品の美観が向上する。
【0003】図8(A)は、アウターパネルw1のフラ
ンジ立て工程を表している。この工程では、ドア等の製
品形状と一致した平面形状を有する下型2と、下型2に
セットされたアウターパネルw1を押さえる押さえ型
4、及び円柱形のフランジ立て用ローラ6が使用され
る。前記押さえ型4は、下型2の端部からアウターパネ
ルw1のほぼ厚み分だけ内側に位置するようにセットさ
れ、この状態で前記押さえ型4の外側面4aは下型2の
外側面2aと平行するようになる。前記アウターパネル
w1が下型2及び押さえ型4によって位置決めされる
と、円柱形のフランジ立て用ローラ6が下型2及び押さ
え型4の外側面2a,4aに倣って転動する。これによ
って、アウターパネルw1の周縁部whが押さえ型4と
フランジ立て用ローラ6とによってほぼ直角に折り曲げ
られてフランジ立てが行われる。
【0004】次に、図8(B)に示されるように、押さ
え型4が外されてアウターパネルw1の上にインナーパ
ネルw2がセットされる。この状態で、円錐面8tを備
えるプリ曲げ用ローラ8が下型2の外側面2aに倣って
回転しながら移動することにより、前記円錐面8tによ
ってアウターパネルw1のフランジwhが斜めに折り返
され、プリ曲げ加工が行われる。さらに、図8(C)に
示されるように、プリ曲げされたフランジwhが円柱形
のヘミング用ローラ9によってインナーパネルw2に当
接するまで押圧されることによりヘミング加工が行われ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のヘミン
グ加工方法では、フランジ立て工程、プリ曲げ工程、及
びヘミング工程で下型2が使用される。このため、例え
ば、加工しようとする製品が複数種類あればその種類だ
け下型2が必要となる。しかしながら、下型2は重量物
でその交換に手間が係るため、迅速に製品の種類変更に
対応することは難しい。また、下型2は大型であるため
に保管にも広いスペースが必要となり、設備費も増大す
るという問題がある。本発明の技術的課題は、フランジ
立て工程、プリ曲げ工程、及びヘミング工程において、
下型に代わるパネル支持機構、支持ローラ等で複数種類
の製品に対応できるようにすることにより、製品の種類
変更に迅速に対応できるとともに設備コストも低減しよ
うとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用、効果】
〔課題を解決するための請求項1に係る手段〕上記した
課題は、以下の特徴を有するヘミング加工装置によって
解決される。即ち、請求項1に係るヘミング加工装置
は、パネル支持機構と、支持ローラと、押さえローラ
と、フランジ立て用ローラと、プリ曲げ用ローラと、ヘ
ミング用ローラとを有するヘミング加工装置であって、
前記パネル支持機構は、アウターパネルの周縁部以外の
位置で、そのアウターパネルを支える機構であり、前記
支持ローラは、前記パネル支持機構に支持されているア
ウターパネルの周縁部の一部を支える支持面を備え、予
め決められたヘミング加工軌跡に倣って前記アウターパ
ネルに対して相対移動するものであり、前記押さえロー
ラは、前記支持ローラに対して一定の位置関係で位置決
めされ、前記支持ローラの支持面と協働して前記アウタ
ーパネルの周縁部の一部を挟持する押さえ面を備えるも
のであり、前記フランジ立て用ローラは、前記支持ロー
ラに対して一定の位置関係で位置決めされ、前記支持ロ
ーラと押さえローラとに挟持された前記アウターパネル
の周縁部より外側に位置する周縁部外周部位をほぼ直角
に折り曲げてフランジ立てを行うフランジ加工面を備え
るものであり、前記プリ曲げ用ローラは、前記支持ロー
ラに対して一定の位置関係で位置決めされ、フランジ立
てされた前記アウターパネルの周縁部外周部位を前記支
持ローラの支持面と協働して斜めに折り返すプリ加工面
を備えるものであり、前記ヘミング用ローラは、前記支
持ローラに対して一定の位置関係で位置決めされ、斜め
に折り返された前記周縁部外周部位を前記支持ローラの
支持面と協働してインナーパネルに重なるまで折り返す
ヘミング加工面を備えるものであることを特徴とする。 〔請求項1に記載された発明の作用〕本発明によると、
フランジ立てを行うには、先ず、アウターパネルをパネ
ル支持機構で支持し、そのアウターパネルの周縁部の一
部を支持ローラと押さえローラとで挟持する。さらに、
フランジ立て用ローラを前記支持ローラに対して一定の
位置関係で位置決めする。この状態で、支持ローラ、押
さえローラ及びフランジ立て用ローラを回転させなが
ら、それらのローラを前記アウターパネルに対して予め
決められたヘミング加工軌跡に倣って相対移動させる。
これによって、前記支持ローラと押さえローラとに挟持
されたアウターパネルの周縁部より外側に位置する周縁
部外周部位がフランジ立て用ローラのフランジ加工面に
よりほぼ直角に折り曲げられてフランジ立てが行われ
る。次に、押さえローラとフランジ立て用ローラの代わ
りにプリ曲げ用ローラを前記支持ローラに対して一定の
位置関係で位置決めする。この状態で、支持ローラ及び
プリ曲げ用ローラを回転させながら、これらのローラを
前記アウターパネルに対して予め決められたヘミング加
工軌跡に倣って相対移動させる。これによって、フラン
ジ立てされたアウターパネルの周縁部外周部位がプリ曲
げ用ローラのプリ加工面によって斜めに折り返される。
次に、前記プリ曲げ用ローラの代わりにヘミング用ロー
ラを支持ローラに対して一定の位置関係で位置決めす
る。この状態で、支持ローラ及びヘミング用ローラを回
転させながら、これらのローラを前記アウターパネルに
対して予め決められたヘミング加工軌跡に倣って相対移
動させる。これによって、斜めに折り返されたアウター
パネルの周縁部外周部位がヘミング用ローラのヘミング
加工面によりインナーパネルに重なるまで折り返され
る。このように、前記支持ローラ、押さえローラ、フラ
ンジ立て用ローラ、プリ曲げ用ローラ、及びヘミング用
ローラをパネル支持機構に支持されたアウターパネルに
対して予め決められたヘミング加工軌跡に倣って相対移
動させることにより、前記アウターパネルのフランジ立
て、プリ曲げ加工、及びヘミング加工を行うことができ
る。即ち、加工しようとする製品が複数種類あっても製
品の種類に応じてヘミング加工軌跡を設定することによ
り、一セットの支持ローラ、押さえローラ、フランジ立
て用ローラ、プリ曲げ用ローラ、及びヘミング用ローラ
によりフランジ立てからヘミング加工までを行うことが
できる。また、パネル支持機構は、アウターパネルの周
縁部以外の位置でそのアウターパネルを支える構造であ
る。即ち、ヘミング加工に直接関係のない部位を支持す
る構造であるために、加工しようとする製品が複数種類
あってもパネル支持機構は一セットでよい。 〔請求項1に記載された発明の効果〕本発明によると、
一セットの前記支持ローラ、押さえローラ、フランジ立
て用ローラ、プリ曲げ用ローラ、ヘミング用ローラ及び
パネル支持機構によって、複数種類の製品のヘミング加
工を行うことができる。このため、従来のように、製品
の種類に応じて下型等を用意する必要がなくなり、製品
の種類変更に迅速に対応できるとともに設備コストを低
減することができる。
【0007】〔課題を解決するための請求項2に係る手
段〕このヘミング加工装置は、請求項1に記載されたヘ
ミング加工装置において、一台でフランジ立て用ローラ
とプリ曲げ用ローラ及びヘミング用ローラとしての機能
を備える多機能ローラと、前記多機能ローラが前記フラ
ンジ立て用ローラとして働く位置、プリ曲げ用ローラと
して働く位置、あるいはヘミング用ローラとして働く位
置に、その多機能ローラを位置決めするローラ位置決め
機構と、を有している。 〔請求項2に記載された発明の作用〕本発明によると、
一台の多機能ローラがローラ位置決め機構によって予め
決められた位置に位置決めされることにより、その多機
能ローラがフランジ立て用ローラ、プリ曲げ用ローラ及
びヘミング用ローラとして働く。このため、各工程毎に
ローラの交換をする必要がなくなり作業性が向上する。
さらに、ローラの設置スペースが少なくて済むととも
に、使用していないローラを待機させておく空間も不要
となる。 〔請求項2に記載された発明の効果〕本発明によると、
フランジ立て用ローラ、プリ曲げ用ローラ及びヘミング
用ローラが一台の多機能ローラにまとめられるために、
各工程毎のローラ交換作業が不要になるとともに、ヘミ
ング加工装置がコンパクトになる。
【0008】〔課題を解決するための請求項3に係る手
段〕このヘミング加工装置は、請求項2に記載されたヘ
ミング加工装置において、支持ローラ、押さえローラ、
多機能ローラ及びローラ位置決め機構は、ロボットに装
着されていることを特徴とする。 〔請求項3に記載された発明の作用〕本発明によると、
支持ローラ、押さえローラ及び多機能ローラ等はロボッ
トの作動により三次元的に移動できるようになる。この
ため、前記ロボットに教示させる移動軌跡を変えること
により、ヘミング加工軌跡を容易に変更できるようにな
る。また、押さえローラ及び多機能ローラは、基準とな
る支持ローラに対して一定の位置関係で位置決めされて
いるために、フランジ立て工程、プリ曲げ工程、及びヘ
ミング工程におけるロボットの移動軌跡は等しくなる。
即ち、各工程において同一ティーチングプログラムを使
用することができるようになる。 〔請求項3に記載された発明の効果〕本発明によると、
ロボットに教示させる移動軌跡を変えることにより、多
種類の製品に簡単に対応できるようになり、装置の汎用
性が高くなる。
【0009】〔課題を解決するための請求項4に係る手
段〕このヘミング加工装置は、請求項3に記載されたヘ
ミング加工装置において、支持ローラ、及び/又は、押
さえローラは、多機能ローラと反対側の位置で互いに接
近する方向に傾斜しており、この状態でアウターパネル
の周縁部を挟持する構造であることを特徴とする。 〔請求項4に記載された発明の作用〕本発明によると、
支持ローラと押さえローラとは、多機能ローラと反対側
の位置で互いに接近して設けられているために、多機能
ローラを収納するスペースを比較的広く取ることが可能
になる。これによって、前記多機能ローラがローラ位置
決め機構によってフランジ立て用ローラの位置、プリ曲
げ用ローラの位置、あるいはヘミング用ローラの位置に
位置決めされる際に、多機能ローラの移動が比較的容易
になる。即ち、支持ローラ、押さえローラ及び多機能ロ
ーラが効率的に配置されるために、それらのローラを収
納するスペースを全体的にコンパクトにできる。 〔請求項4に記載された発明の効果〕本発明によると、
支持ローラ、押さえローラ及び多機能ローラ等を収納す
るスペースを極力小さくすることができるために、ロボ
ットのハンド等を小型化することができる。
【0010】〔課題を解決するための請求項5に係る手
段〕このヘミング加工装置は、請求項1に記載されたヘ
ミング加工装置において、支持ローラ、及び/又は、押
さえローラには、ヘミング加工中に回転する方向にトル
ク発生機構から回転トルクが付与されることを特徴とす
る。 〔請求項5に記載された発明の作用〕本発明によると、
ヘミング加工中に支持ローラ及び押さえローラがワーク
であるアウターパネルから受ける反移動方向の力を、ト
ルク発生機構から付与される回転トルクにより軽減する
ことができる。 〔請求項5に記載された発明の効果〕本発明によると、
ヘミング加工中に支持ローラ及び押さえローラに加わる
反移動方向の力を小さくすることができるため、支持ロ
ーラ等の支持機構を小型化することができる。また、ア
ウターパネルも支持ローラ等によってその支持ローラ等
の移動方向に引っ張られることがなくなるため、変形が
防止される。
【0011】
【実施例】
〔第1実施例〕以下、図1〜図4に基づいて、本発明の
第1実施例に係るヘミング加工装置の説明をする。図4
は、本実施例に係るヘミング加工装置10の全体構成を
表す図である。図に示されるように、ヘミング加工装置
10は、ヘミング加工を行う三次元移動ロボット20
と、この三次元移動ロボット20の動作可能範囲内に設
置されて、アウターパネルw10及びインナーパネルw
20を所定位置で支持するパネル支持機構30とを有し
ている。そして、これらの三次元移動ロボット20およ
びパネル支持機構30が共通の基台12の上に設置され
ている。前記三次元移動ロボット20は、ロボットベー
ス22の上に設置されており、順次連結されたアーム2
4,25,26とロボット手首27及びそのロボット手
首27の先端にアダプター28を介して装着されたハン
ド40とから構成されている。ここで、三次元移動ロボ
ット20の作動は図示されていない制御ユニットによっ
て精密にコントロールされ、これによって、前記ハンド
40は三次元的な移動が可能となっている。
【0012】前記三次元移動ロボット20のハンド40
は、図1(a)に示されるように、ハンド本体42と、
そのハンド本体42に対してヒンジ43を介して連結さ
れたハンド先端部44とから構成されている。前記ハン
ド本体42は支持ローラ142と多機能ローラ46とを
備えており、ハンド先端部44は押さえローラ48を備
えている。ここで、ハンド40の長さ方向(図1中左右
方向)をX軸方向、高さ方向をY軸方向、幅方向をZ軸
方向として以後の説明を行う。前記ハンド本体42に装
着された支持ローラ142は、二つの等しい円錐台が底
面において張り合わされた形状のローラであり、軸心が
X軸に対して45°傾斜した状態でそのハンド本体42の
先端部に位置決めされている。また、前記円錐台の母線
(仮想頂点と底の円周上の点を結ぶ直線)と底面との成
す角は45°に設定されている。このため、前記支持ロー
ラ142の図中左上側の円錐面を支持面142sとし、
右下側の円錐面を位置決め面142tとすると、支持ロ
ーラ142の断面形状において支持面142sと位置決
め面142tとの成す角は90°となる。そして、前記支
持ローラ142がアウターパネルw10を支える部位、
即ち、その支持ローラ142の図中右上部において支持
面142sは水平に、また、位置決め面142tは垂直
となる。
【0013】前記多機能ローラ46は、円柱形の第1ロ
ーラ部46aと、円錐台形の第2ローラ部46b、及び
同じく円柱形の第3ローラ部46cとが同軸に接続され
た構造のローラであり、第1ローラ部46aと第2ロー
ラ部46bとが連続し、第2ローラ部46bと第3ロー
ラ部46cとの間には段差46dが設けられている。前
記多機能ローラ46は、その多機能ローラ46と同軸に
設けられた第1油圧シリンダ45yのピストンロッド4
5pに装着されており、そのピストンロッド45pの軸
心回りに回転できる構造となっている。
【0014】前記第1油圧シリンダ45yは、後記する
構造により移動架台41に装着されている。前記移動架
台41は円弧状の架台であり、前記ハンド本体42の内
部に半円状に形成された移動空間Sに収納されている。
ここで、前記移動架台41の円弧の中心と移動空間Sの
半円の中心とは等しく設定されている。また、前記移動
架台41の外縁部にはウォーム41wが形成されてお
り、このウォーム41wに前記ハンド本体42に固定さ
れた移動モータ42xのウォームギヤ42zが嵌合して
いる。さらに、前記移動架台41の厚み方向(Z軸方
向)の両外側面には、図1(b)に示されるように、円
弧形状に倣ってレール41rが設けられており、これら
のレール41rが移動空間Sの壁面に同じく半円形状に
倣って形成された半円溝42mに嵌合している。
【0015】この構造により、前記移動モータ42xが
作動すると、移動架台41はハンド本体42の移動空間
S内を半円溝42mに倣って移動するようになる。ここ
で、前記移動架台41が半円溝42mに倣って前記半円
の中心を回動する角度は90°に設定される。なお、図1
(b)において、移動架台41のレール41rと移動空
間Sの半円溝42mとの間には空間が存在するように見
えるが、これは空間ではなく所定のクリアランスが設け
られていることを表しているものである。したがって、
前記移動架台41はがたつかずにスムーズに移動空間S
内を移動できるようになる。
【0016】前記移動架台41の内側には、図1(b)
に示されるように、前記第1油圧シリンダ45yを収納
する凹部41hが設けられており、さらに、その凹部4
1hの側壁面にはX軸方向に直線状の内溝41mが形成
されている。一方、前記第1油圧シリンダ45yの両外
側面には、その第1油圧シリンダ45yの軸心に対して
直角にレール45rが設けられている。そして、これら
のレール45rが移動架台41の凹部41hに形成され
た内溝41mに嵌合されている。さらに、前記移動架台
41の凹部41hには、その内溝41mと平行に横行油
圧シリンダ41yが固定されており、この横行油圧シリ
ンダ41yのピストンロッド41pに、前記第1油圧シ
リンダ45yが連結されている(図1(a)参照)。こ
れによって、第1油圧シリンダ45yは軸方向の動きを
規制された状態で前記移動架台41に装着されるととも
に、前記横行油圧シリンダ41yの作動により移動架台
41に対してX軸方向に横行できるようになる。即ち、
前記多機能ローラ46は、移動モータ42x、第1油圧
シリンダ45y及び横行油圧シリンダ41y等の働きに
よりX−Y平面上を移動できるようになる。したがっ
て、前記移動モータ42x、第1油圧シリンダ45y、
横行油圧シリンダ41y等が本発明のローラ位置決め機
構として機能する。なお、前記支持ローラ142の軸心
と前記多機能ローラ46の軸心とは、常に、同一平面上
に位置する。
【0017】前記ハンド40の先端を構成するハンド先
端部44は、前述のように、ヒンジ43を介してハンド
本体42に連結されており、図1に示されるように、ハ
ンド本体42の先端に位置決めされた状態と、図2、図
3に示されるように、ヒンジ43を中心に図中右方向に
回動してハンド本体42の上側に位置決めされた状態と
にロックできるようになっている。前記ハンド先端部4
4には、押圧油圧シリンダ44yが固定されており、そ
の押圧油圧シリンダ44yのピストンロッド44pの先
端に押さえローラ48を回転自在に保持する軸受け44
jが取付けられている。前記押さえローラ48は、支持
ローラ142と等しい大きさ、形状のローラであり、ハ
ンド先端部44がハンド本体42の先端に位置決めされ
た状態で、その押さえローラ48の軸心は支持ローラ1
42の軸心と直角に位置決めされる。また、この状態
で、押さえローラ48の軸心は、支持ローラ142及び
多機能ローラ46の軸心と同一平面上に位置する。前記
押さえローラ48は、図中左下側の円錐面が押さえ面4
8s、右上側の円錐面が受け面48tとなっており、前
記押圧油圧シリンダ44yがピストンロッド44pを延
出する方向に作動されることにより、前記押さえ面48
sが支持ローラ142の支持面142sに当接し、さら
に、前記受け面48tは支持ローラ142の位置決め面
142tと連続するようになる。即ち、前記支持ローラ
142と押さえローラ48との間にアウターパネルw1
0が存在しない状態で、支持ローラ142の先端と押さ
えローラ48の先端とは当接するようになる。
【0018】次に、本実施例に係るヘミング加工装置1
0の動作をヘミング加工工程に従って説明する。先ず、
図4に示されるように、アウターパネルw10がパネル
支持機構30にセットされて所定位置に位置決めされ
る。次に、三次元移動ロボット20の駆動により、ハン
ド本体42に装着されている支持ローラ142がアウタ
ーパネルw10の下に位置決めされ、そのアウターパネ
ルw10の周縁部w12が支持ローラ142の支持面1
42sによって支持される。このとき、支持ローラ14
2の先端は加工開始点に位置決めされる。この状態で、
前記ハンド先端部44がハンド本体42の先端に位置決
めされ、さらに、押圧油圧シリンダ44yがピストンロ
ッド44pを延出する方向に作動することにより、押さ
えローラ48の押さえ面48sがアウターパネルw10
の周縁部w12に当接する。これによって、前記アウタ
ーパネルw10の周縁部w12は支持ローラ142と押
さえローラ48とによって所定の荷重で挟持される。
【0019】次に、前記横行油圧シリンダ41yが作動
することにより多機能ローラ46の第1ローラ部46a
が支持ローラ142の位置決め面142tに当接するま
で移動する。これによって、前記支持ローラ142と押
さえローラ48とによって挟持されたアウターパネルw
10の周縁部w12よりも外側に位置する周縁部外周部
位w14が、多機能ローラ46の第1ローラ部46aと
押さえローラ48の受け面48tとにより所定の荷重で
挟まれ、図1に示されるように、一部分だけがほぼ直角
に折り曲げられる。この状態で、三次元移動ロボット2
0が駆動することにより、ハンド40が製品の形状に応
じて予め決められたヘミング加工軌跡に従って移動す
る。これによって、支持ローラ142と押さえローラ4
8とが回転しながら協働してアウターパネルw10の周
縁部w12を挟持するとともに、多機能ローラ46が回
転しながら押さえローラ48と協働してアウターパネル
w10の周縁部外周部位w14をほぼ直角に順番に折り
曲げ、フランジ立て加工が行われる。このようにしてア
ウターパネルw10のフランジ立て加工が終了すると、
ハンド先端部44の押圧油圧シリンダ44yと横行油圧
シリンダ41yの圧力が開放され、前記ハンド先端部4
4がハンド本体42の上側に位置決めされてロックされ
る。この状態で、インナーパネルw20がアウターパネ
ルw10上の所定位置に位置決めされる。
【0020】次に、前記第1油圧シリンダ45yが作動
することにより多機能ローラ46が所定寸法だけ下降
し、さらに、前記横行油圧シリンダ41yが作動して多
機能ローラ46の第1ローラ部46が支持ローラ142
の位置決め面142tに当接するまで移動する。これに
よって、図2に示されるように、多機能ローラ46の第
2ローラ部46bがフランジ立てされた周縁部外周部位
w14に当接してその周縁部外周部位w14を一部分だ
け約45°折り返す。次に、この状態で、三次元移動ロボ
ット20がフランジ立て時と同一の軌跡で駆動すること
により、ハンド40の支持ローラ142と多機能ローラ
46の第2ローラ部46bとが回転しながら協働してア
ウターパネルw10の周縁部外周部位w14を順番に約
45°折り曲げ、プリ曲げ加工が行われる。
【0021】このようにしてアウターパネルw10のプ
リ曲げ加工が終了すると、前記横行油圧シリンダ41y
の圧力が開放され、前記多機能ローラ46が支持ローラ
142の位置決め面142tから離される。次に、前記
ハンド本体42の移動モータ42xが作動することによ
り、移動架台41がハンド本体42の移動空間S内を左
回りに90°回動して、図3に示されるように、多機能ロ
ーラ46が横向きに位置決めされる。そして、この状態
で、第1油圧シリンダ45yが作動することにより多機
能ローラ46の段差46dが支持ローラ142の位置決
め面142tまで移動し、さらに、横行油圧シリンダ4
1yが作動することにより多機能ローラ46の第3ロー
ラ部46cが約45°折り返されたアウターパネルw10
の周縁部外周部位w14をインナーパネルw20に当接
するまで折り返す。次に、この状態から三次元移動ロボ
ット20がフランジ立て時と同一の軌跡で駆動すること
により、支持ローラ142と多機能ローラ46の第3ロ
ーラ部46cとが回転しながら協働してアウターパネル
w10の周縁部外周部位w14をインナーパネルw20
に当接するまで順番に折り返し、ヘミング加工が行われ
る。即ち、前記多機能ローラ46の第1ローラ部46a
が本発明のフランジ加工面、第2ローラ部46bが本発
明のプリ加工面、及び第3ローラ部46cが本発明のヘ
ミング加工面として機能する。
【0022】このように本実施例によると、前記支持ロ
ーラ142、押さえローラ48及び多機能ローラ46を
パネル支持機構30に支持されたアウターパネルw10
に対して予め決められたヘミング加工軌跡に倣って移動
させることにより、前記アウターパネルw10のフラン
ジ立て、プリ曲げ加工、及びヘミング加工を行うことが
できる。即ち、加工しようとする製品が複数種類あって
も製品の種類に応じてヘミング加工軌跡を設定すること
により、一セットの支持ローラ142、押さえローラ4
8、多機能ローラ46によりフランジ立てからヘミング
加工までを行うことができる。また、パネル支持機構3
0は、アウターパネルw10の周縁部w12以外の位置
でそのアウターパネルw10を支える構造である。即
ち、ヘミング加工に直接関係のない部位を支持する構造
であるために、加工しようとする製品が複数種類あって
もパネル支持機構30は一セットあれば良い。このため
に、従来のように、製品の種類に応じて下型等を用意す
る必要がなくなり、製品の種類変更に迅速に対応できる
とともに設備コストを低減することができる。
【0023】また、一台の多機能ローラ46が第1油圧
シリンダ45y、横行油圧シリンダ41y、移動架台4
1及び移動モータ42xの働きにより、フランジ立て用
ローラ、プリ曲げ用ローラ及びヘミング用ローラとして
機能するために、各工程毎にローラの交換を行う必要が
なくなり作業性が向上する。さらに、ローラの設置スペ
ースが少なくて済むとともに、各工程で使用されないロ
ーラを待機させておく空間も不要となる。さらに、押さ
えローラ48及び多機能ローラ46は、基準となる支持
ローラ142に対して一定の位置関係で位置決めされて
いるために、フランジ立て工程、プリ曲げ工程、及びヘ
ミング工程において、ロボットに教示させる移動軌跡は
等しくなる。このために、各工程において同一ティーチ
ングプログラムを使用することができるようになる。
【0024】また、支持ローラ142と押さえローラ4
8とは、多機能ローラ46と反対側の位置で互いに接近
するように傾斜して設けられているために、多機能ロー
ラ46を収納するスペースを比較的広く取ることができ
るようになる。このため、多機能ローラ46がフランジ
立て位置、プリ曲げ位置、あるいはヘミング加工位置に
位置決めされる際に、多機能ローラ46の移動が比較的
容易になる。即ち、支持ローラ142、押さえローラ4
8及び多機能ローラ46が効率的に配置されるために、
それらのローラを収納するスペースを全体的にコンパク
トにできる。
【0025】〔第2実施例〕図5は、本発明の第2実施
例に係るヘミング加工装置のハンド40を表す図面であ
る。本実施例では、第1実施例における支持ローラ14
2をモータ駆動できる構造としたものであり、その他の
構造は第1実施例に係るヘミング加工装置10の構造と
同じである。このため、第1実施例に係るヘミング加工
装置10と同じ部材については同じ番号を付して説明を
省略する。本実施例に係るハンド40のハンド本体42
には、その端部に支持ローラ142を駆動するためのモ
ータ242mが装着されている。そして、前記モータ2
42mの回転トルクが減速機242j及びトルク伝達機
構242xを介して支持ローラ142に伝達されように
なっている。即ち、前記モータ242m、減速機242
j及びトルク伝達機構242xが本発明のトルク発生機
構として機能する。
【0026】前記モータ242mの制御は、三次元移動
ロボット20を作動させる制御ユニット(図示されてい
ない)によって行われる。これによって、前記支持ロー
ラ142には、ヘミング加工中に回転する方向に三次元
移動ロボット20の作動と同期して回転トルクが付与さ
れる。このため、ヘミング加工中に支持ローラ142及
び押さえローラ48等がアウターパネルw10等から受
ける反移動方向の力を軽減することができる。この結
果、三次元移動ロボット20がハンド40をヘミング加
工軌跡に倣って移動させる際に、そのハンド40やアー
ム24等に加わる力が小さくなり、三次元移動ロボット
20の小型化が図れるとともに、アウターパネルw10
等の変形も防止される。
【0027】ここで、前述のように、支持ローラ142
は円錐台を二つ合わせた形状のものであるため、直線状
のヘミング加工を行った場合に支持ローラ142の先端
部aと肩部b(図6参照)では一回転あたりの進む距離
が異なることになる。このため、アウターパネルw10
と支持ローラ142との間で滑りが発生することにな
る。したがって、前記支持ローラ142の支持面142
sの幅は可能な限り狭くする必要がある。また、図7に
示されるように、支持ローラ142を円柱形に成形すれ
ば直線状のヘミング加工において滑りによる問題は解決
される。さらに、第1実施例、第2実施例においては、
三次元移動ロボット20で支持ローラ142、押さえロ
ーラ48及び多機能ローラ46を移動させる方法につい
て説明したが、NC加工機を使用する方法でも可能であ
る。NC加工機を使用すると支持ローラ142、押さえ
ローラ48及び多機能ローラ46を支持する架台等の剛
性が高くなるために、加工精度の向上を図ることができ
るようになる。また、第1実施例、第2実施例において
は、アウターパネルw10を固定して支持ローラ142
等を移動させる例を示したが、逆に支持ローラ142等
を固定してアウターパネルw10を動かす構造でも可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るヘミング加工装置の
要部側面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るヘミング加工装置の
要部側面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るヘミング加工装置の
要部側面図である。
【図4】本発明の第1実施例に係るヘミング加工装置の
全体構成図である。
【図5】本発明の第2実施例に係るヘミング加工装置の
要部側面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係るヘミング加工装置に
おける支持ローラの側面図である。
【図7】本発明の第2実施例に係るヘミング加工装置に
おける別の種類の支持ローラの側面図である。
【図8】従来のヘミング加工装置の要部側面図である。
【符号の説明】
w10 アウターパネル w20 インナーパネル 10 ヘミング加工装置 20 三次元移動ロボット 30 パネル支持機構 40 ハンド 142 支持ローラ 46 多機能ローラ 48 押さえローラ 41 移動架台(ローラ位置決め機構) 41y 横行油圧シリンダ(ローラ位置決め機構) 42x 移動モータ(ローラ位置決め機構) 45y 第1油圧シリンダ(ローラ位置決め機構) 242m モータ(トルク発生機構)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネル支持機構と、支持ローラと、押さ
    えローラと、フランジ立て用ローラと、プリ曲げ用ロー
    ラと、ヘミング用ローラとを有するヘミング加工装置で
    あって、 前記パネル支持機構は、アウターパネルの周縁部以外の
    位置で、そのアウターパネルを支える機構であり、 前記支持ローラは、前記パネル支持機構に支持されてい
    るアウターパネルの周縁部の一部を支える支持面を備
    え、予め決められたヘミング加工軌跡に倣って前記アウ
    ターパネルに対して相対移動するものであり、 前記押さえローラは、前記支持ローラに対して一定の位
    置関係で位置決めされ、前記支持ローラの支持面と協働
    して前記アウターパネルの周縁部の一部を挟持する押さ
    え面を備えるものであり、 前記フランジ立て用ローラは、前記支持ローラに対して
    一定の位置関係で位置決めされ、前記支持ローラと押さ
    えローラとに挟持された前記アウターパネルの周縁部よ
    り外側に位置する周縁部外周部位をほぼ直角に折り曲げ
    てフランジ立てを行うフランジ加工面を備えるものであ
    り、 前記プリ曲げ用ローラは、前記支持ローラに対して一定
    の位置関係で位置決めされ、フランジ立てされた前記ア
    ウターパネルの周縁部外周部位を前記支持ローラの支持
    面と協働して斜めに折り返すプリ加工面を備えるもので
    あり、 前記ヘミング用ローラは、前記支持ローラに対して一定
    の位置関係で位置決めされ、斜めに折り返された前記周
    縁部外周部位を前記支持ローラの支持面と協働してイン
    ナーパネルに重なるまで折り返すヘミング加工面を備え
    るものであることを特徴とするヘミング加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたヘミング加工装置
    において、 一台でフランジ立て用ローラとプリ曲げ用ローラ及びヘ
    ミング用ローラとしての機能を備える多機能ローラと、 前記多機能ローラが前記フランジ立て用ローラとして働
    く位置、プリ曲げ用ローラとして働く位置、あるいはヘ
    ミング用ローラとして働く位置に、その多機能ローラを
    位置決めするローラ位置決め機構と、を有することを特
    徴とするヘミング加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載されたヘミング加工装置
    において、 支持ローラ、押さえローラ、多機能ローラ及びローラ位
    置決め機構は、ロボットに装着されていることを特徴と
    するヘミング加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載されたヘミング加工装置
    において、 支持ローラ、及び/又は、押さえローラは、多機能ロー
    ラと反対側の位置で互いに接近する方向に傾斜してお
    り、この状態でアウターパネルの周縁部を挟持する構造
    であることを特徴とするヘミング加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載されたヘミング加工装置
    において、 支持ローラ、及び/又は、押さえローラには、ヘミング
    加工中に回転する方向にトルク発生機構から回転トルク
    が付与されることを特徴とするヘミング加工装置。
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