JPH08164078A - フライヤー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油槽の油面（喫水線）付近における油の固着
に伴う油槽の汚れに対処しやすいように改良されたフラ
イヤーを提供する。 【構成】 本発明のフライヤー１は、油槽３の内面の喫
水線７付近を覆う、フッ素樹脂加工の施された、取り外
し可能な油固着防止板５を有することを特徴とする。そ
のため、油槽３内面に直接炭化物等が固着することはな
く、沸騰洗浄程度で、油槽内は十分きれいに掃除でき
る。また、油固着防止板５表面はフッ素樹脂加工がなさ
れているので、汚れの付着力が弱いため、取り外した
後、流し等において簡単に清掃できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、レストランやハンバー
ガーショップ等の業務用厨房に主に用いられるフライヤ
ーに関する。特には、油槽内の油面（喫水線）付近にお
ける油の固着に伴う油槽の汚れに対処しやすいように改
良されたフライヤーに関する。

【０００２】

【従来の技術】テンプラやフライ等のいわゆる揚げ物を
揚げるのに用いる機器がフライヤーである。図２は、従
来の一般的なフライヤーの構造を示す摸式的断面図であ
る。図２のフライヤー１’は、その本体２の中に設けら
れた、食品を揚げる油をためる油槽３や、この油槽３内
の油を加熱するバーナ２３等を備えている。

【０００３】油槽３の中（中ぐらいの深さの所）には、
煙管１７が、油槽３を横断するように設けられている。
なお、煙管１７は、図の紙面の表裏方向に複数本設けら
れている。この煙管１７中には、バーナ２３の排気が導
入されており、この排気の熱が油槽３内の油に伝わるこ
とによって、油が加熱される。煙管１７を出た排気は煙
突１５に入り、排気口１３から排出される。

【０００４】油槽３の煙管１７より上の部分は煙管１７
に加熱されて高温（１６０〜２００⁰ Ｃ）となり、ここ
で揚げ物を揚げる。なお、図において、左側が調理者が
作業する側であって、右側（煙突１５のある側、以下奥
側という）は、普通は室内の壁側である。油槽３の左側
（調理者側、以下手前側という）の油槽壁面は勾配のあ
るスロープ９となっている。揚がったテンプラ等を油槽
３から上げるときは、ハシでテンプラをこのスロープ９
に寄せて持上げることができる。油槽３の壁の材質はＳ
ＵＳ４３０が代表的である。また油槽３の標準的な寸法
は、幅４０cm、奥行き３０cmである。煙管１７の上の底
網１１は、揚げ物を、底に沈まないように支持する。

【０００５】油槽３内の煙管１７から下は、比較的温度
が低く、コールドゾーンと呼ばれる。揚げ物の揚げカス
が油槽３の底部にたまることとなるが、その部分の温度
が油槽３上部と同様に高いと、揚げカスがこげて、その
臭いや色が油に移ってしまう。その点、このようなコー
ルドゾーンがあると、沈んだ揚げカスがこげないので好
ましい。

【０００６】油槽３の一番低い所には、油抜き管２７が
取付けられている。この油抜き管２７には油抜きバルブ
２９が付設されており、このバルブ２９を開くと、油抜
き口３１から、油槽３内の油を下に抜くことができる。

【０００７】次に加熱手段たるバーナについて説明す
る。バーナ２３（メインバーナ）は、フレーム２の手前
側の内部のバーナ室１９内に置かれている。このバーナ
２３は、いわゆるブンゼンバーナである。燃焼用の空気
は、燃焼用空気入口５１から取り込まれ、燃焼ガス（都
市ガス、プロパンガス等）はガス管５３からバーナ２３
に送られる。

【０００８】バーナ２３の横にはパイロットバーナ６５
が設けられており、バーナ２３の上方に向けてパイロッ
ト火炎を吹き出す。パイロットバーナ６５の横にはパイ
ロットバーナセンサ６７（温度センサ、熱電対等）が置
かれており、パイロットバーナ６５の火炎が存在する
（ついている）ことを検出している。パイロットバーナ
６５がついている状態で、バーナ２３から空気混合燃料
ガスを吹き出しバーナ２３を燃焼させる。

【０００９】バーナ２３に燃料ガスを送る菅路には、温
度調節器５５、口火安全器５７、ガス圧調節器５９が取
付けられている。温度調節器５５は、油槽３内の油の温
度を調整する機械である。同温度調節器５５は、油槽３
の煙管１７上に置かれた油槽温度センサ６３の温度信号
を入力されて、その温度が目標温度（図示せぬ操作パネ
ル上で設定可能である）となるよう、ガス流量を加減し
ている。

【００１０】口火安全器５７は、口火（パイロットバー
ナ火炎）が付いていることを、パイロットバーナセンサ
６７からの温度信号に基づいて監視している。そして、
口火が消えたときに、即メインバーナ２３へのガス供給
を遮断する。さらに、過昇温防止器６１からの信号によ
っても口火安全器５７は動作する。

【００１１】ガス圧調節器５９は、バーナ２３への基本
的な供給ガス圧力を調整するためのものである。フライ
ヤー１’で使用する燃料ガスの種類・カロリーに応じ
て、このガス圧調節器５９を調節する。なお、このガス
圧調節器５９の調整は、フライヤー１’の設置時やガス
種類の変更時等の特別な時に限られる。

【００１２】

【発明が解決しようとする問題】ところで、上述のよう
に構成されているフライヤーの油槽については、一週間
に一回程度、掃除をする必要がある。この際の標準的な
方法は、油抜きした後に、中性洗剤を油槽内にいれて水
を張り、バーナに点火して油槽内の水を沸騰させる。そ
の後、水を入れ替えて再度沸騰させる。そして、水を抜
いて残った汚れを手洗いで落とす。

【００１３】上述の洗剤入り沸騰洗浄によって、油槽内
はほとんどきれいになる。ところが、油槽の油面（喫水
線）付近に固着した（酸化してこびりついた）炭化物等
は、沸騰洗浄だけでは除去できない。そこで、手洗いに
より、金属タワシかブラシ等を使用して、固着物をこす
り落とす。しかし、それでも簡単に汚れが落ちないの
で、作業効率が非常に悪いと共に、洗う人が大変疲れて
しまう。

【００１４】本発明は、油槽の油面（喫水線）付近にお
ける油の固着に伴う油槽の汚れに対処しやすいように改
良されたフライヤーを提供することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のフライヤーは、食品を揚げる油をためる油
槽と、油槽内の油を加熱する手段と、を備えたフライヤ
ーであって；油槽の内面の喫水線付近を覆う、フッ素樹
脂加工の施された、取り外し可能な油固着防止板を有す
ることを特徴とする。

【００１６】

【作用】本発明のフライヤーにおいては、油槽内面の喫
水線付近が油固着防止板に覆われているので、油槽表面
に直接炭化物等が固着することはない。そのため、上述
の沸騰洗浄程度で、油槽内は十分きれいに掃除できる。
また、油固着防止板表面はフッ素樹脂加工がなされてい
るので、汚れの付着力が弱いため、油固着防止板そのも
のについては、取り外した後、流し等において簡単に清
掃できる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図１
（Ａ）は、本発明の一実施例に係るフライヤーの油槽回
りの構造を示す断面図である。図１（Ｂ）は、図１
（Ａ）のフライヤーの油固着防止板を示す斜視図であ
る。図２の従来例のフライヤーと同様の部位は同じ符号
で示されている。

【００１８】図１のフライヤー１の基本的な構成は、図
２の従来例のフライヤーと同じである。すなわち、足３
３を有するフレーム２がフライヤー１の本体をなす。フ
レーム２の中には、上面が解放された凹所である油槽３
が設けられている。油槽３内壁の手前側はスロープ９と
なっており、揚げ物を寄せて取り出しやすいようになっ
ている。底網１１は、揚げ物が油槽３底に沈まないよう
にするためのものである。

【００１９】油槽３内には、煙管１７が槽を横断するよ
うに設けられている。この煙管１７内には、バーナ２３
の火炎や排気ガスが導かれて、油槽３内の油を加熱す
る。

【００２０】油槽３の底２５は傾斜面となっており、一
番深いところに油抜き管２７が取りつけられている。油
抜き管２７の油抜きバルブ２９を開ければ、油槽３内の
油を油抜き口３１から外へ抜くことができる。

【００２１】図１の実施例のフライヤー１には、油槽３
の喫水線９付近に、油固着防止板５が取り付けられてい
る。図１（Ｂ）に示されているように、油固着防止板５
は、コの字状の枠板であって、２枚の対向する側板４
１、４５と、奥板４３と、側板４１、４５の上縁に取付
けられたフック４７とからなる。各板は、一例として、
厚さ１ｍｍ、高さ１０ｃｍのＳＵＳ４３０板で作られて
いる。また、表面にはフッ素樹脂コーティングが施され
ている。

【００２２】油固着防止板５は、そのフック４７を、フ
ライヤー１の油槽３の側壁４に引っ掛けることにより取
付けられている。このフック４７を上に持ち上げれば、
簡単に油固着防止板５を取り外すことができる。

【００２３】このフライヤーの油槽を掃除する際には、
油を抜いて油固着防止板５を取り外す。次に、中性洗剤
を油槽内にいれて水を張り、バーナに点火して油槽内の
水を沸騰させる。その後、水を入れ替えて再度沸騰させ
る。そして、その後水を抜いて残った汚れを手洗いで落
とす。

【００２４】そして、油固着防止板は、別途、流し等で
洗浄する。この際、油固着防止板はフッ素樹脂されてい
るので、汚れの付着力は弱いため、簡単に汚れが落ち
る。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は次の効果を発揮する。すなわち、従来技術では、油槽
内の喫水線に固着する炭化物等の取り除き掃除は簡単に
は行えなかったが、本発明では、炭化物等が付着する喫
水線付近に油固着防止板を取付けることにより、油槽内
面に炭化物等が直接こびりつかないので掃除が簡単にな
り、油槽内の掃除の作業効率を向上させることができ
る。なお、油固着防止板にはフッ素樹脂加工が施されて
いるので、油槽から油固着防止板を取り外して簡単に掃
除ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（Ａ）は、本発明の一事例に係るフライヤ
ーの油槽回りの構造を示す断面図である。図１（Ｂ）
は、図１（Ａ）のフライヤーの油固着防止板を示す斜視
図である。

【図２】従来の一般的なフライヤーの構造を示す摸式的
断面図である。

【符号の説明】

１ フライヤー ２ フレーム ３ 油槽 ４ 油槽側壁 ５ 油固着防止板 ７ 喫水線 ９ スロープ １１ 底網 １３ 排気口 １５ 煙突 １７ 煙管 １９ バーナー室 ２１ 火炎 ２３ バーナ ２５ 槽底 ２７ 油抜き管 ２９ 油抜きバルブ ３１ 油抜き口 ３３ 足 ４１ 側板 ４３ 奥板 ４５ 側板 ４７ フック

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 食品を揚げる油をためる油槽と、油槽内
   の油を加熱する手段と、を備えたフライヤーであって；
   油槽の内面の喫水線付近を覆う、フッ素樹脂加工の施さ
   れた、取り外し可能な油固着防止板を有することを特徴
   とするフライヤー。