JPH08161935A - 有機分散型エレクトロルミネッセンス素子および該素子に用いる反射絶縁層用組成物 - Google Patents

有機分散型エレクトロルミネッセンス素子および該素子に用いる反射絶縁層用組成物

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JPH08161935A
JPH08161935A JP6298220A JP29822094A JPH08161935A JP H08161935 A JPH08161935 A JP H08161935A JP 6298220 A JP6298220 A JP 6298220A JP 29822094 A JP29822094 A JP 29822094A JP H08161935 A JPH08161935 A JP H08161935A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、有機分散型EL素子に使用され
る、チタン酸バリウム粉を配合した場合の問題点を解決
した反射絶縁層用組成物を提供する。 【構成】 本発明の反射絶縁層用組成物は、上記チタン
酸バリウム粉に含まれる不純物イオンの捕捉剤並びに
式: 【化1】 (式中、R1は炭素数6以上の疎水性炭化水素基;R2,
3,mおよびnは明細書の記載と同意義である)で示され
る疎水性炭化水素基含有アルコキシシラン化合物および
該アルコキシシラン化合物のエステルまたはエーテル化
物からなる群から選ばれる1種を添加したことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機分散型エレクトロル
ミネッセンス(EL)素子および該素子に用いる反射絶縁
層用組成物、更に詳しくは、有機分散型EL素子中の反
射絶縁層に無機質高誘電材料粉としてチタン酸バリウム
粉を配合した場合の問題点、すなわち、湿気が存在した
場合にも該チタン酸バリウム粉に含まれる不純物イオン
による誘電特性の悪化並びに寿命低下を有効に抑制もし
くは防止した反射絶縁層用組成物および該反射絶縁層用
組成物を用いた有機分散型EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機分散型EL素子は一般に、背面電
極、反射絶縁層、発光層および透明電極の順でこれらを
積層したことから構成されるもので、通常、その中で反
射絶縁層には、各種の高誘電性バインダー樹脂に無機質
高誘電材料粉を配合して成る組成物が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記無
機質高誘電材料粉としてチタン酸バリウム粉を配合した
場合に、下記のような問題点のあることが分かった。 i)チタン酸バリウム粉は誘電率が高く、価格的にもリー
ズナブルで使用し易いため広く用いられているが、湿気
が存在すると、著しく誘電特性が悪化する。原因はチタ
ン酸バリウム粉に含まれる不純物イオン(アルカリ金属
イオンやアルカリ土類金属イオン)が上記バインダー樹
脂中に溶出することによると考えられる。
【0004】ii)有機分散型EL素子(単にEL素子とい
う)は、構造簡単、製造がたやすく安価で、しかも軽量
薄厚のフイルム状で屈曲にも耐える簡便な発光素子とし
て優れた特長を有しているが、寿命に問題があり、経時
による輝度、発光効率の低下が最大の問題とされてい
る。この寿命は、EL素子へ浸入する水分による悪影響
とされ、EL素子への防湿パッケージング、乾燥剤乃至
吸湿剤の封入、高誘電性バインダー樹脂の吸湿性低下、
蛍光体粒子の防湿コーティングといった多くの手立が検
討され、採用されているが、まだ十分とは云えず、技術
課題の中心である。
【0005】iii)水分による寿命低下の機構は完全には
解明されている訳ではないが、発光層中の蛍光体粒子の
劣化とされ、その劣化の一つの要因として吸湿による反
射絶縁層および発光層の誘電損失係数(tanδ)の増大も
重要な因子と考えられる。tanδの増大は加えられた電
気エネルギーの熱転換を意味し、即ち温度上昇をもたら
し、ひいてはEL素子の寿命低下につながるものと考え
られる。
【0006】ところで、このtanδの低下のため、高誘
電性バインダー樹脂はそれ自体のtanδの低下と、上記
吸湿性の低下に傾注され、現在その限界に近いレベルま
で到達している。しかし、いくら吸湿性を下げ、tanδ
を下げても、チタン酸バリウム粉を配合すれば、わずか
な吸湿によってそれらの努力を無にするが如き、著しい
tanδの上昇が生じてしまうことが分かった。当然なが
ら、EL素子の内でも新しいパッケージレスタイプと呼
ばれる湿気遮断用密封外装シールを省略したタイプでは
特に悪影響が大きい。また、吸湿による誘電率、tanδ
の増大は、輝度、発光効率、寿命などの特性低下の他、
駆動用インバーターの負荷の増大につながり、インバー
タートラブルの原因にもなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
かかる吸湿によって生ずる誘電特性の悪化並びに寿命低
下の問題点を解決すべき検討を試みたところ、以下に示
す知見を見出した。 1)予めチタン酸バリウム粉を純水でよく洗浄して水溶
出性の不純物イオンを除去することにより、ある程度の
改善が認められるが(十分満足できる程度には及ばな
い)、この手段では洗浄、濾過および乾燥の工程を必要
とし、コストアップ、しかも洗浄後の排水処理が必然的
に要求される。 2)これに代えて、高純度のチタン酸バリウム粉を使用
することも有効ではあるが、チタン酸バリウムは一般
に、酸化バリウムと酸化チタンの混合焼成によって製造
されるので、未反応の酸化バリウムの残存、あるいはこ
れら原料として高純度品を使用しなければならないとい
った新たな問題が生じ、コストも高くなる。
【0008】3)一方、不純物イオンの不溶化物を形成
するため、硫酸根(SO4 2-)、炭酸根(CO3 2-)、重炭酸
根(HCO3 -)、シュウ酸根(C24 2-)、リン酸根(PO4
3-)、ピロリン酸根(P27 4-)、ホウ酸根(BO3 3-)の酸
根を含む酸や塩類;エチレンジアミン四酢酸(EDT
A)、アセチルアセトン、オキシン、サリチル酸等のキ
レート化剤;フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸等の多価カルボ
ン酸;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸などの各
種物質を添加することを検討したところ、それなりの効
果を示すものも認められたが、いずれも十分な効果とは
いえない。この理由として、これらの物質によりアルカ
リ土類金属イオンは不溶化できても、アルカリ金属イオ
ンの不溶化には無力であることが原因と考えられる。し
かも、効果が見られても、その物質自体の悪影響が懸念
される。 4)さらに検討を加えたところ、特定の不純物イオンの
捕捉剤並びに特定の疎水性炭化水素基含有アルコキシシ
ラン化合物および該アルコキシシラン化合物のエステル
またはエーテル化物からなる群から選ばれる少なくとも
1種を添加すれば、これら添加物質自体の悪影響もな
く、所期目的の効果が十分に達成されることを見出し、
本発明を完成させるに至った。
【0009】すなわち、本発明は、(1)有機分散型EL
素子に用いる、高誘電性バインダー樹脂に無機質高誘電
材料粉としてチタン酸バリウム粉を配合して成る反射絶
縁層用組成物において、上記チタン酸バリウム粉に含ま
れる不純物イオンの捕捉剤並びに式:
【化2】 (式中、R1は炭素数6以上の疎水性炭化水素基(たとえ
ば脂肪族飽和炭化水素基、脂肪族不飽和炭化水素基、芳
香族炭化水素基および脂環族炭化水素基に属する炭素数
6以上、好ましくは8以上の疎水性基);R2は炭素数1
〜4の炭化水素基またはビニル基;R3はメチル基、エチ
ル基またはイソプロペニル基;mは1〜3およびnは0〜
2で、1≦m+n≦3である)で示される疎水性炭化水素
基含有アルコキシシラン化合物および該アルコキシシラ
ン化合物のアルキル、アルケニルもしくはフェニルのエ
ステルまたはエーテル化物からなる群から選ばれる少な
くとも1種を添加したことを特徴とする反射絶縁層用組
成物、および(2)背面電極、反射絶縁層、発光層および
透明電極の順でこれらを積層したことから成る有機分散
型EL素子において、反射絶縁層に前記反射絶縁層用組
成物を用いたことを特徴とする有機分散型EL素子を提
供するものである。
【0010】本発明で用いる不純物イオンの捕捉剤(以
下、捕捉剤群という)としては、それ自体による悪影響
がなく、かつアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イ
オンを捕捉不溶化するものであればいずれであってもよ
く、たとえば元素周期律表IV族A(Ti、Zr、Hfな
ど),IV族B(Sn、Pbなど)、V族A(V、Nb、Taな
ど),V族B(P、As、Sb、Biなど)、VI族A(Mo、
Wなど)、VII族A(Mnなど)およびVIII族(Fe、
Co、Niなど)の金属から選ばれる少なくとも1種を構
成元素とし、かつ水酸基を有する無機イオン交換体であ
って、具体的にはアンチモン酸、錫酸、ニオブ酸、鉄酸
などの含水酸化物類が挙げられ、これらの少なくとも1
種を使用する。また、不純物イオンはアルカリ金属〜ア
ルカリ土類金属イオンの陽イオンだけでなく当然、対と
して陰イオンが存在する。陰イオンが水酸化物イオン
(OH-)である場合は陰イオンの捕捉は必要としないが
(アルカリ金属〜アルカリ土類金属イオンが水素イオン
(H+)に交換され、対のOH-とで水になるから)、しば
しばハロゲンイオン等の陰イオンが共存することがあ
り、この場合該陰イオンの捕捉も必要となる。ハロゲン
イオン等の陰イオンの捕捉には、上述の金属の内、B
i、Zr、Tiなどの含水酸化物類が挙げられ、これらは
ハロゲンイオンなどの陰イオンをOH-に交換する。こ
れらの陽イオンの交換体と陰イオンの交換体は同時に合
わせて使用することも可能であり同時併用が安全で好ま
しい。かかる捕捉剤群は、たとえば東亜合成化学工業
(株)製の商品名「IXE(イグゼ)」シリーズとして市販さ
れている。
【0011】また上記捕捉剤群に代えてまたは併用して
用いる前記式の疎水性炭化水素基含有アルコキシシラン
化合物および該アルコキシシラン化合物のエステルまた
はエーテル化物(以下、疎水性シラン化合物群という)
は、チタン酸バリウム粉の粒子表面へ吸着もしくは反応
することにより、(a)その疎水性炭化水素基がチタン酸
バリウム粉の粒子表面を疎水化せしめ、該粒子近傍への
水分の接近を防止するか、もしくは(b)該粒子表面を被
覆せしめ、該粒子内部からの新たな不純物イオンの溶出
を防止することが推察される。
【0012】かかる疎水性シラン化合物群の具体例とし
ては、トリデシルトリメトキシシラン、トリデシルメチ
ルジメトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、
ウンデシルメチルジメトキシシラン、ジウンデシルジメ
トキシシラン、オクタデシルジメチルメトキシシラン、
オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルメチル
ジエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、エイコ
シルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラ
ン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、2−エチルヘキ
シルトリメトキシシランなどのアルキルアルコキシシラ
ン類;オクテニルトリメトキシシラン、ヘキセニルメチ
ルジメトキシシランなどのアルケニルアルコキシシラン
類;フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキ
シシラン、フェネチルトリエトキシシラン、t−ブチル
フェネチルジメチルメトキシシランなどの芳香環を有す
るアルコキシシラン類;ビシクロヘプテニルトリエトキ
シシラン、ビシクロヘプテニルメチルジメトキシシラ
ン、シクロヘキシルジメチルエトキシシラン、(シクロ
ヘキシルメチル)トリメトキシシランなどの脂環系炭化
水素基を有するアルコキシシラン類;およびこれらアル
コキシシラン類の基の一部をアルキルエステルまたはエ
ーテル、アルケニルエステルまたはエーテル、フェニル
エステルまたはエーテルの基で置換したものが挙げら
れ、これらの少なくとも1種を使用されてよい。なお、
疎水性シラン化合物群の作用効果に近い特性を有する物
質として、長鎖アルキル基を含有する有機チタン酸エス
テル類、たとえばイソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート、テトラステアロキシチタン、チタニウムステ
アレート等があり、疎水性シラン化合物群には及ばない
ものの一応の効果を示す。
【0013】本発明に係る反射絶縁層用組成物は、通常
の高誘電性バインダー樹脂にチタン酸バリウム粉を配合
し、さらに上記捕捉剤群および疎水性シラン化合物群か
ら選ばれる少なくとも1種を添加した系で構成され、通
常、適当な有機溶剤(たとえばN,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、エチルセロソル
ブアセテート、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2
−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等)の溶液で使用に
供する。
【0014】上記高誘電性バインダー樹脂としては、有
機分散型EL素子用のバインダー樹脂であればいずれで
あってもよく、たとえばポリビニルアルコール、セルロ
ースもしくはその誘導体類(O−2,3−ジヒドロキシプ
ロピルセルロースなど)、プルランなどのヒドロキシル
基を多数有するポリマーのシアノエチル化物;シアノエ
チル化アクリル系モノマーのホモもしくはコポリマー;
フッ化ビニリデンのホモもしくはコポリマー(フッ化ビ
ニリデン系フッ素ゴム);その他シアノエチル化プルラン
エーテル等が挙げられる。上記チタン酸バリウム粉の配
合量は通常、高誘電性バインダー樹脂100部(重量
部、以下同様)(樹脂分)に対して50〜500部の範囲
で選定すればよい。
【0015】上記捕捉剤群の単独使用の場合の添加量は
通常、チタン酸バリウム粉100部に対して0.1〜1
0部、好ましくは0.5〜5部の範囲で選定すればよ
い。0.1部未満では、吸湿による誘電特性悪化の改善
が不十分となり、また10部を越えた場合では、チタン
酸バリウム粉の含有量が相対的に低下し、元来目的とす
る高誘電率が低下する傾向にある。また上記疎水性シラ
ン化合物群の単独使用の場合では、その添加量は捕捉剤
群の場合より少なくてよく、通常チタン酸バリウム粉1
00部に対して0.001〜5部、好ましくは0.05
〜2部の範囲で選定すればよい。0.001部未満で
は、効果が不十分であり、また5部を越えると、誘電率
の低下が大きくなる傾向にある。なお、捕捉剤群と疎水
性シラン化合物群は、それぞれの単独使用より、両者併
用の方が少量の添加量で顕著な効果を示すことからより
好ましい。さらに、これら捕捉剤群や疎水性シラン化合
物群による効果は、当該反射絶縁層用組成物への添加配
合によるのではなく、予めチタン酸バリウム粉を該捕捉
剤群および/または疎水性シラン化合物群を含む水ある
いは有機溶剤の溶液乃至懸濁液で処理しておく方法によ
っても達成しうるが、そのための別工程を要するため経
済的に不利である。
【0016】本発明に係る有機分散型EL素子は、背面
電極、反射絶縁層、発光層および透明電極の順でこれら
を積層したことから構成され、その中の反射絶縁層に上
記反射絶縁層用組成物を用いたことを特徴とする。その
具体的な製造法としては、たとえば(i)背面電極に上記
反射絶縁層用組成物(有機溶剤溶液)を塗布し、加熱乾燥
して反射絶縁層を形成した後、該反射絶縁層上に高誘電
性バインダー樹脂と蛍光体粉末(たとえば硫化亜鉛やセ
レン化亜鉛に、活性化剤としてCu、Mn、Al、Cl、B
r等を添加して焼成したもの)の有機溶剤溶液を塗り重
ね、加熱乾燥して発光層を形成してから、透明電極を重
ね合せて熱圧着するか、または(ii)上記(i)と同様な方
法で、背面電極と透明電極のそれぞれに、反射絶縁層と
発光層を別々に形成した後、背面電極の反射絶縁層と透
明電極の発光層とが面するように両電極を熱圧着する方
法等が挙げられる。
【0017】
【発明の効果】以上の構成から成る本発明によれば、有
機分散型EL素子における反射絶縁層にチタン酸バリウ
ム粉を配合した場合の問題点:高湿度下での不純物イオ
ンによる誘電特性の悪化並びに寿命低下の解決のため
に、単に捕捉剤群や疎水性シラン化合物群を添加すると
いった簡便な方法を採用すればよく、これは従来からの
有機分散型EL素子における重要課題を解決する上で、
極めて意義があるといえる。
【0018】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明する。 実施例1〜18および比較例1〜9 下記表1〜3に示す部数で配合した成分を、3本ロール
で混合分散して反射絶縁層用組成物を得る。この反射絶
縁層用組成物を1mm厚のアルミニウム板上にドクターブ
レードを用いて塗布し、120℃の熱風オーブンにて2
時間乾燥させた約100μm厚のフイルムの表面にアル
ミニウム蒸着して電極を形成し、次いで恒温恒湿槽(2
0℃/60%RHまたは40℃/90%RH)内で、L
CZメーターを用い周波数1KHzでの誘電率およびtan
δを測定し、結果を表1〜3に併記する。
【0019】なお、各表中の配合成分の内容は以下の通
りであり、またバインダー樹脂AおよびBについてはエ
チルセロソルブアセテートの33%溶液、バインダー樹
脂CおよびDについてはジメチルホルムアミドの33%
溶液で配合されており、表中の「100」部はこの33%
溶液を対象とする。
【0020】バインダー樹脂 A:シアノエチル化アクリルモノマーグラフトフッ素ゴ
ム系バインダー樹脂、サンスター技研(株)製「RD−4
058B」 B:フッ化ビニリデン共重合系フッ素ゴム、ダイキン工
業(株)製「ダイエルG−201」 C:シアノエチル化アクリルポリマー系バインダー樹
脂、サンスター技研(株)製「M−6164E」 D:シアノエチル化プルラン系バインダー樹脂チタン酸バリウム粉 A:富士チタン工業(株)製「BT−100P」 B:同上(株)製「BT−100M」 C:同上(株)製「HPBT−1」無機イオン交換体 A:東亜合成化学工業(株)製「IXE−600」、Sb,Bi
系 B:同上(株)製「IXE−633」、Sb,Bi系疎水性シラン化合物群 A:オクタデシルトリメトキシシラン B:メタクリロイルウンデシルトリメトキシシラン
【0021】
【表1】
【表2】
【表3】
【0022】上記表1〜3の結果から、チタン酸バリウ
ム粉配合の反射絶縁層用組成物において、無機イオン交
換体(捕捉剤群)と疎水性シラン化合物群のそれぞれ単独
または併用して添加することにより、特に40℃/90
%RHの多湿下において誘電特性の改善に著しい効果を
示すことが認められる。
【0023】実施例19〜24および比較例10〜13 上記実施例1〜4,6,7または比較例1,2,5,7の反
射絶縁層用組成物と、下記表4,5に示す部数の配合成
分からなる発光層用組成物の組合せで、以下に示す手順
に従って、有機分散型EL素子を作製し、初期と老化後
の発光特性を評価した。手順 酸化インジウム−酸化錫(ITO)を蒸着加工してガラス
板上に透明電極を形成し、次いで発光層用組成物をスク
リーン印刷し、120℃の熱風乾燥器中で30分間乾燥
して発光層を形成し、次いで反射絶縁層用組成物を同様
にスクリーン印刷し、120℃で90分間乾燥して反射
絶縁層を形成した後、この反射絶縁層上にアルミニウム
を真空蒸着して背面電極とすることにより、有機分散型
EL素子を作製する。
【0024】次に、この有機分散型EL素子を100V
−500Hzの正弦波で、輝度計と電力計を用い、初期
の輝度(Cd/m2)と発光効率(Cd/W)を測定する。さら
に、有機分散型EL素子を防湿パッケージレスのむきだ
しの状態で40℃/90%RHの高湿度下にて、75V
−500Hzの正弦波で200時間連続点灯した後の輝
度および発光効率を初期の場合と同一条件にて測定する
ことにより、有機分散型EL素子の劣化状態を調べる。
結果を表4,5に併記する。なお、発光層に用いたバイ
ンダー樹脂は前記反射絶縁層のものと同意義であり、そ
して蛍光体粉は米国シルバニア社製の「タイプ#50」
(硫化亜鉛)および溶剤はバインダー樹脂AおよびBの場
合がエチルセロソルブアセテート、バインダー樹脂Cの
場合がジメチルホルムアミド、すなわち、実施例19〜
23と比較例10,11,13がエチルセロソルブアセテ
ートで、実施例24と比較例12がジメチルホルムアミ
ドを用いた。
【0025】
【表4】
【表5】
【0026】上記表4,5の結果から、実施例1〜4,
6,7の反射絶縁層用組成物(捕捉剤群や疎水性シラン化
合物群の添加)を使用した有機分散型EL素子は、かか
る添加成分を含まない比較例1,2,5,7の反射絶縁層
用組成物を使用した場合と比べて、高湿度下での連続点
灯後の輝度、発光効率において優れていることが認めら
れる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機分散型エレクトロルミネッセンス素
    子に用いる、高誘電性バインダー樹脂に無機質高誘電材
    料粉としてチタン酸バリウム粉を配合して成る反射絶縁
    層用組成物において、上記チタン酸バリウム粉に含まれ
    る不純物イオンの捕捉剤並びに式: 【化1】 (式中、R1は炭素数6以上の疎水性炭化水素基;R2は炭
    素数1〜4の炭化水素基またはビニル基;R3はメチル
    基、エチル基またはイソプロペニル基;mは1〜3および
    nは0〜2で、1≦m+n≦3である)で示される疎水性炭
    化水素基含有アルコキシシラン化合物および該アルコキ
    シシラン化合物のアルキル、アルケニルもしくはフェニ
    ルのエステルまたはエーテル化物からなる群から選ばれ
    る少なくとも1種を添加したことを特徴とする反射絶縁
    層用組成物。
  2. 【請求項2】 不純物イオンの捕捉剤単独使用の場合の
    添加量が、チタン酸バリウム粉100重量部に対して
    0.1〜10重量部である請求項1に記載の反射絶縁層
    用組成物。
  3. 【請求項3】 疎水性炭化水素基含有アルコキシシラン
    化合物および該アルコキシシラン化合物のエステルまた
    はエーテル化物から選ばれる少なくとも1種単独使用の
    場合の添加量が、チタン酸バリウム粉100重量部に対
    して0.001〜5重量部である請求項1に記載の反射
    絶縁層用組成物。
  4. 【請求項4】 不純物イオンの捕捉剤と、疎水性炭化水
    素基含有アルコキシシラン化合物および該アルコキシシ
    ラン化合物のエステルまたはエーテル化物から選ばれる
    少なくとも1種とを併用して添加した請求項1に記載の
    反射絶縁層用組成物。
  5. 【請求項5】 不純物イオンの捕捉剤が、元素周期律表
    IV族A,B、V族A,B、VI族A、VII族Aおよび
    VIII族の金属から選ばれる少なくとも1種を構成元
    素とし、かつ水酸基を有する無機イオン交換体から選ば
    れる少なくとも1種である請求項1、2または4に記載
    の反射絶縁層用組成物。
  6. 【請求項6】 背面電極、反射絶縁層、発光層および透
    明電極の順でこれらを積層したことから成る有機分散型
    エレクトロルミネッセンス素子において、反射絶縁層に
    請求項1に記載の反射絶縁層用組成物を用いたことを特
    徴とする有機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
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