JPH04289691A - Ｅｌ発光体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ゾル・ゲル法で形成し
た発光層の発光色を制御した、発光の均一性に優れるＥ
Ｌ発光体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、蛍光体を分散含有する発光層の片
側に透明電極層を有し、他方の側に背面電極層を有する
と共に、その発光層がゾル・ゲル法で形成されてなるＥ
Ｌ発光体が知られていた（特開平２−３３８８８号公報
）。

【０００３】しかしながら、ゾル・ゲル法による発光層
の形成時における加熱処理で有機物からなる蛍光顔料が
熱分解する問題があるため、発光層に蛍光顔料を添加す
ることができず、発光色を白色等に変化させることがで
きない問題点があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゾル・ゲル
法で発光層を形成したＥＬ発光体において、その発光色
を変化させることを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、ゾル・ゲル法
で形成した、蛍光体を分散含有する発光層の片側に透明
電極層を有し、他方の側に背面電極層を有すると共に、
前記の透明電極層の外側に、蛍光染料を固定化したＳｉ
Ｏ２層を有することを特徴とするＥＬ発光体を提供する
ものである。

【０００６】

【作用】透明電極層の外側に、蛍光染料を固定化したＳ
ｉＯ２層を設けることにより、発光色を変化させること
ができる。またかかる方式とすることにより、蛍光染料
を均一な分散状態に含有させることができると共に、緻
密なＳｉＯ２層を形成でき、防湿性や耐候性等の耐久性
に優れるものとすることができる。

【０００７】また、種々の蛍光染料を固定化できて、同
じ構成の発光層に基づく光を多種類に変化させることが
できる。

【０００８】

【実施例】本発明のＥＬ発光体を図１に例示した。３が
蛍光染料を固定化したＳｉＯ２層、４が透明電極層、５
が発光層、７が背面電極層である。なお、１は防湿層、
２は捕水層、６は絶縁層である。

【０００９】蛍光染料を固定化したＳｉＯ２層の形成は
、ＬＰＤ（液相析出）法により行うことができる。すな
わち例えば、シリカを飽和させたケイフッ化水素酸の水
溶液に蛍光染料を添加し、これにホウ酸水溶液などから
なる開始剤を添加して基板を浸漬し、室温等で基板上に
蛍光染料を含むＳｉＯ２層を析出成長させる方法などに
より行うことができる。

【００１０】前記において、基板として例えば透明導電
フィルムの如きＥＬ発光体を構成する部材、ないし部品
を用いることにより、当該ＳｉＯ２層を導入するための
、フィルムなどからなる別個の基板の付加を回避するこ
とができ、ＥＬ発光体の薄型化に有利である。

【００１１】ＳｉＯ２層の厚さは適宜に決定してよいが
、一般には１００μｍ以下、就中５〜６０μｍとされる
。蛍光染料としては、例えばローダミン６Ｇ、オーラミ
ン、ロケットレッドなどの、目的とする発光色に変化せ
しめうるものが用いられる。蛍光染料を固定化したＳｉ
Ｏ２層は、透明電極層の外側に設けられるが、透明電極
層の直上にある必要はない。

【００１２】透明電極層の形成は、例えばインジウムな
いし錫の酸化物の如き透明導電性付与剤を、発光層の上
に蒸着法等で設ける方法や、フィルム上に蒸着等してな
る透明導電フィルムを用いる方法、透明導電性付与剤を
樹脂バインダに添加してなる透明導電塗料等を塗布する
方法などにより行うことができる。

【００１３】透明導電塗料等の塗布は例えば、スクリー
ン印刷法、流延法、ドクターブレード法、ロールコーテ
ィング法などの適宜な方法で行ってよい。

【００１４】透明導電塗料等における樹脂バインダとし
ては、例えばシアノエチルセルロース、シアノエチルサ
ッカロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリ
ビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共
重合体、フッ化ビニリデン系共重合体などが好ましく用
いられる。

【００１５】前記のフッ化ビニリデン系共重合体におけ
るフッ化ビニリデンとの共重合体成分としては、テトラ
フルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどの１
種又は２種以上が用いられる。塗布液の調製には、酢酸
セロソルブ、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケト
ンの如き適宜な有機溶媒を用いてよい。

【００１６】透明電極層に対しては必要に応じ、銀粉や
カーボン等の導電性粉末を含有する樹脂ペースト等の塗
布層からなる集電帯が設けられる。集電帯は、ターミナ
ル方式のリード電極を介して透明電極層に印加する電圧
の偏りを抑制するためのものである。集電帯は、透明電
極層の一部に帯状に設ける方式が通例である。

【００１７】蛍光体を分散含有する発光層は、ゾル・ゲ
ル法で形成される。その例としては、テトラエトキシシ
ランの如き金属アルコキシド等の有機金属化合物をエタ
ノールやイソプロパノール等に溶解させ、その溶液に酢
酸水溶液等の触媒を添加し、必要に応じ加熱して加水分
解反応や重縮合反応等により高分子量化ゾルを生成させ
る。

【００１８】次に、前記の高分子量化ゾルにおけるアル
コール等の溶媒を炭酸プロピレン等に置換してゾル・ゲ
ル反応を停止させた後、その高分子量化ゾルをバインダ
ーとしてそれに蛍光体を添加し、その分散液を透明電極
層や背面電極層等に塗布して、加熱処理する方法などが
あげられる。

【００１９】前記において、蛍光体としては適宜なもの
を用いてよい。一般には例えば、硫化亜鉛又は硫化カド
ミウム亜鉛を銅、マンガン、アルミニウム、銀、塩素、
ホウ素などで活性化したものや、希土類賦活酸化イット
リウム等の酸化物が用いられる。蛍光体の平均粒径は、
１０μｍ以上、就中１５〜４０μｍが適当である。また
、発光層における蛍光体の体積占有率は３０〜８０％が
一般的である。

【００２０】背面電極層は例えば、導電性塗料を塗布す
る方法や、アルミニウム箔などの適宜な金属箔を用いる
方法などにより形成することができる。

【００２１】防湿層は、ＥＬ発光体の外側を包囲して水
分の侵入を防止するためのものである。本発明では、発
光層がゾル・ゲル法で形成されて耐水性に優れ、かつ蛍
光染料を固定化したＳｉＯ２層が遮水性に優れることに
基づいて、防湿層は必要に応じて設けられる。防湿層の
厚さは適宜に決定してよいが、ＥＬ発光体の薄型化の点
よりは５０〜５００μｍが適当である。防湿層の形成に
は適宜なプラスチックフィルムを用いてよい。好ましく
は、吸水率や透湿度の小さいプラスチックフィルムが用
いられる。

【００２２】好ましく用いうるプラスチックフィルムの
例としては、ポリクロロトリフルオロエチレン、ないし
その共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化
ビニリデン共重合体、延伸ポリプロピレン、高密度ポリ
エチレン、四フッ化エチレン・六フッ化エチレン共重合
体、フッ化エチレン・プロピレン共重合体、ポリエチレ
ンテレフタレート、エチレン・テトラフルオロエチレン
共重合体などからなるフィルムがあげられる。

【００２３】捕水層は、発光層への水分の侵入を防止す
るためのものであるが、防湿層の場合と同様、必要に応
じて設けられる。捕水層は、防湿層の内側に設ける方式
が一般的である。

【００２４】捕水層の形成には、水に不溶であるが、水
分を吸収捕獲して膨潤する性質を示す吸水性プラスチッ
クが好ましく用いられる。就中、水分の吸収能が自重の
５倍以上、特に１０倍以上のものが好ましい。

【００２５】吸水性プラスチックの例としては、カルボ
キシル基、スルホン基、リン酸基、第四級アンモニウム
塩、アミノ基、イミノ基、ピリジウム基の如きイオン化
性基、ないしその塩及び／又はヒドロキシル基、エーテ
ル基、鎖状ないし環状のアミド基、ニトリル基の如きノ
ニオン性親水性基等を有する天然、ないし合成の親水性
で水不溶性のポリマなどがあげられる。

【００２６】吸水性プラスチックの具体例としては、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリルアミドとポリオレフィ
ンとのブレンドポリマー、アクリル酸ないしその塩とジ
ビニルベンゼンとの共重合体、アクリロニトリルと塩化
ビニルとエチレン系単量体との共重合体のアルカリ加水
分解物、アクリロニトリルと塩化ビニリデンとエチレン
系単量体との共重合体のアルカリ加水分解物などがあげ
られる。

【００２７】さらに、アクリルアミド系共重合体のホル
ムアルデヒド架橋体、ポリアクリル酸とポリビニルアル
コールとの酸縮合物、ポリビニルアルコールのエピクロ
ルヒドリン架橋体、アクリロニトリル系重合体をアルカ
リで加水分解した重合体のホルムアルデヒド架橋体、ポ
リビニルアルコールのリン酸縮合体、２−ヒドロキシエ
チルメタクリレートとエチレングリコールジメタクリレ
ートとの共重合体などもあげられる。

【００２８】またさらに、２−メチル−５−ビニルピリ
ジンとＮ，Ｎ’−メチレンビスアクリルアミドとの共重
合体、Ｎ，Ｎ’−ジメチルアミノエチルメタクリレート
とＮ，Ｎ’−メチレンビスアクリルアミドとの共重合体
、Ｎ−ビニル−２−ピロリドンとエチレングリコールジ
メタクリレートとの共重合体、ポリオキシエチレンの放
射線照射による架橋体、でん粉の酸性下加熱縮合物、で
ん粉−アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、
ビニルエステルとエステル系不飽和カルボン酸、ないし
その誘導体との共重合体の乾燥体、イソブチレン−マレ
イン酸共重合体などもあげられる。

【００２９】捕水層の形成は、吸水性プラスチック溶液
を塗布する方法や、吸水性プラスチックからなるフィル
ムをラミネートする方法などがあげられる。捕水層の厚
さは２０〜３００μｍが一般的であるが、これに限定さ
れない。

【００３０】必要に応じて設けられる絶縁層は、絶縁性
樹脂の塗布方法や、絶縁フィルムのラミネート法などに
より形成することができる。絶縁層には、発光層と同様
に、例えばチタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジ
ルコニウム、酸化チタン、硫化亜鉛、炭化ケイ素の如き
高誘電率微粒子を配合してもよい。

【００３１】なお本発明においては、ゾル・ゲル法で形
成した発光層による発光色を変化させるべく、蛍光染料
を固定化したＳｉＯ２層を透明導電層の外側に設ける点
を除き、例えば防湿層、捕水層、透明電極層、背面電極
層、集電帯、絶縁層、リード電極などの形成手段につい
ては任意であり、従来に準じることができる。

【００３２】ちなみに、厚さ２０μｍのアルミニウム箔
からなる背面電極層の上に、リード電極の付設下、チタ
ン酸バリウム含有のフッ化ビリニデン系共重合体の酢酸
セロソルブ溶液を塗布して厚さ約１５μｍの絶縁層を形
成した後、その上にゾル・ゲル法で、銅とアルミニウム
で活性化した硫化亜鉛からなる蛍光体を分散含有する厚
さ約５０μｍの発光層を形成した。

【００３３】次に、前記の発光層の上にＩＴＯからなる
厚さ約５μｍの透明電極層をスパッタリング法で形成し
た後、その上に銀粉含有の樹脂ペーストを部分塗布して
幅２ｍｍの集電帯を形成し、リード電極を設けると共に
、ＬＰＤ法でローダミン６Ｇを固定化した厚さ１０μｍ
のＳｉＯ２層を形成して、ＥＬ発光体を得た。

【００３４】前記において、ＳｉＯ２層を設けない場合
の発光色は青緑色であったが、ＳｉＯ２層の付設により
白色光に変化させることができた。また、その発光色の
変化において輝度の実質的な低下は認められず、発光の
均一性にも優れていた。

【００３５】

【発明の効果】本発明のＥＬ発光体は、蛍光染料を固定
化したＳｉＯ２層を介在させたので、ゾル・ゲル法で形
成した発光層の発光色を変化させることができる。かつ
、種々の蛍光染料の使用が可能であり、同じ構成の発光
層に基づいて多種類の発光を得ることができ、白色光も
得ることができる。また発光の均一性、輝度、耐候性等
の寿命に優れており、ＳｉＯ２層が遮水性に優れること
より耐水性にも優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の断面図である。

【符号の説明】

１：防湿層 ２：捕水層 ３：ＳｉＯ２層 ４：透明電極層 ５：発光層 ６：絶縁層 ７：背面電極層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ゾル・ゲル法で形成した、蛍光体を分
   散含有する発光層の片側に透明電極層を有し、他方の側
   に背面電極層を有すると共に、前記の透明電極層の外側
   に、蛍光染料を固定化したＳｉＯ２層を有することを特
   徴とするＥＬ発光体。