JPH0670196U - El発光体 - Google Patents

El発光体

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JPH0670196U
JPH0670196U JP1706393U JP1706393U JPH0670196U JP H0670196 U JPH0670196 U JP H0670196U JP 1706393 U JP1706393 U JP 1706393U JP 1706393 U JP1706393 U JP 1706393U JP H0670196 U JPH0670196 U JP H0670196U
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light
phosphor powder
electrode layer
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一弘 関根
弘和 葛下
俊之 馬場
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水分遮蔽被覆を施した蛍光体粉末をバインダ
樹脂中に分散含有する発光層と絶縁層を有して高防湿性
の封止基材で被覆されていないタイプのEL発光体にお
ける吸湿による電気特性の低下を防止して発光の安定
性、発光寿命ないし輝度の維持性に優れるEL発光体を
得ること。 【構成】 透明電極層(3)と背面電極層(6)の間
に、水分遮蔽被覆を施した蛍光体粉末をシアノエチル系
樹脂中に分散含有する発光層(4)と、フッ素系樹脂を
用いた絶縁層(5)を有するものを必要に応じ低防湿性
の封止フィルム(1)で被覆してなるEL発光体。 【効果】 封止基材を省略したり、接着密封処理が容易
な低防湿性の封止フィルムを用いて被覆処理でき、打ち
抜き加工時の層間剥離や暗斑点のある発光を防止できて
歩留や輝度に優れ、電気抵抗値等の電気特性の安定性に
優れると共に量産が容易なEL発光体が得られる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、発光の安定性、発光寿命ないし輝度の維持性に優れるEL発光体に 関する。
【0002】
【従来及び先行の技術】
従来、水分遮蔽被覆を施した蛍光体粉末が知られていた。本考案者らが属する グループは、かかる蛍光体粉末を用いてそれをバインダ樹脂中に分散含有する発 光層と絶縁層を透明電極層と背面電極層の間に配置するタイプのEL発光体とし た場合に、密封用の封止基材を省略できたり、その基材にポリエステルフィルム 等の低防湿性のものを用いうることを見出した。
【0003】 すなわちそれまでは、水分遮蔽被覆を施していない蛍光体粉末を用いていたた め、蛍光体の水分劣化による発光力の喪失や輝度低下、ひいてはEL発光体の発 光寿命の短命化を防止する必要があり、密封用の封止基材に高度の防湿性を示す ポリクロロトリフルオロエチレンの如きフッ素樹脂系のフィルムやガラス基材な どを用いる必要があった。しかし、かかるフィルムはその接着処理が困難で、防 湿効果の点よりは高度の密着処理が要求されることからEL発光体の量産が困難 な問題点を有していた。またガラス基材では量産性に乏しい上に厚くなり、割れ やすいなどの問題点があった。
【0004】 従って、封止基材の省略化やポリエステルフィルム等の低防湿性のものの使用 でかかる問題点を克服することができる。しかしながら、前記先行のEL発光体 において、すなわち水分遮蔽被覆を施した蛍光体粉末をバインダ樹脂中に分散含 有する発光層と絶縁層を透明電極層と背面電極層の間に有して高防湿性の封止基 材で被覆されていないタイプのEL発光体において、吸湿により電気特性が低下 して不安定な発光となる問題点、特に絶縁層の吸湿で電気抵抗値が低下し発光が 不安定化する問題点のあることが判明した。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
従って本考案は、前記の水分遮蔽被覆を施した蛍光体粉末をバインダ樹脂中に 分散含有する発光層と絶縁層を有して高防湿性の封止基材で被覆されていないタ イプのEL発光体における吸湿による電気特性の低下問題の克服を目的とし、ひ いては発光の安定性、発光寿命ないし輝度の維持性に優れるEL発光体を得るこ とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、透明電極層と背面電極層の間に、水分遮蔽被覆を施した蛍光体粉末 をシアノエチル系樹脂中に分散含有する発光層と、フッ素系樹脂を用いた絶縁層 を有することを特徴とするEL発光体を提供するものである。
【0007】
【作用】
水分遮蔽被覆を施した蛍光体粉末を用いることで、蛍光体の水分劣化防止のた めの封止基材による被覆処理を省略したり、被覆処理する場合でも接着密封処理 が容易で量産性に優れる低防湿性の封止フィルムを用いることができて高度の防 湿性を示す封止基材を用いる必要を回避できると共に、発光層のバインダ樹脂に 高防湿性のフッ素系樹脂を用いる必要も回避できてシアノエチル系樹脂を用いる ことができる。
【0008】 また前記のシアノエチル系樹脂を用いることで、高誘電率に基づく輝度の向上 、透明電極層との良好な密着力に基づく打ち抜き加工時の層間剥離の防止、高濃 度のバインダ樹脂溶液の調製が可能で厚膜を形成できることに基づく発光層表面 の凹凸化の防止(低濃度のバインダ樹脂溶液では蛍光体粉末がバインダ層より突 出して発光層表面が凹凸化し暗斑点の形成など発光状態が悪くなる)など、フッ 素系樹脂を用いた場合に生じる難点を克服することができる。
【0009】 一方、絶縁層を防湿性に優れるフッ素系樹脂を用いて形成することにより、吸 湿を抑制でき絶縁層の電気抵抗値を安定に維持して吸湿による電気特性の低下を 防止することができる。前記の結果、発光の安定性、発光寿命ないし輝度の維持 性に優れるEL発光体を得ることができる。
【0010】
【実施例】
本考案のEL発光体を図1に例示した。1が封止フィルム層、3が透明電極層 、4が発光層、5が絶縁層、6が背面電極層である。なお、2は集電帯を介し透 明電極層に設けたリード電極、7は背面電極層に設けたリード電極、31は透明 電極層に付設した集電帯である。
【0011】 透明電極層の形成は、例えばインジウムや錫の酸化物の如き透明導電性付与剤 をフィルム上に蒸着等してなる透明導電フィルムを用いる方法、透明導電性付与 剤をバインダに添加してなる透明導電塗料等を塗布する方法などにより行うこと ができる。透明導電塗料等の塗布は例えば、スクリーン印刷法、流延法、ドクタ ーブレード法、ロールコーティング法などの適宜な方法で行ってよい。
【0012】 透明電極層に対しては必要に応じて集電帯が設けられる。集電帯は、ターミナ ル方式のリード電極を介して透明電極層に印加する電圧の偏りを抑制して発光層 を明暗のムラなく発光させるためのものである。集電帯の形成には、カーボンペ ーストや銀ペースト、金属箔等の適宜な導電性材料を用いうる。前記のペースト は、例えば導電性粉末を樹脂等に混合分散させてペーストとする方式などにより 調製することができる。集電帯は透明電極層の一部に帯状に設ける方式が通例で ある。
【0013】 水分遮蔽被覆を施した蛍光体粉末を分散含有する発光層の形成は例えば、かか る蛍光体粉末をバインダ樹脂に添加して塗布する方法などにより行うことができ る。その場合、本考案においてはバインダ樹脂として、例えばシアノエチルセル ロース、シアノエチルサッカロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリ ビニルアルコールなどのシアノエチル系樹脂が用いられる。
【0014】 蛍光体粉末としては例えば、硫化亜鉛又は硫化カドミウム亜鉛を銅、マンガン 、アルミニウム、銀、塩素、ホウ素などで活性化したものや、希土類賦活酸化イ ットリウム等の酸化物が一般に用いられる。蛍光体粉末の平均粒径は、1μm以 上、就中5〜50μmが好ましい。また、発光層における蛍光体粉末の体積占有 率は30〜80%が一般的である。
【0015】 本考案において用いられる蛍光体粉末41は水分遮蔽被覆を施したものである が、その例を図2に示した。42が蛍光体粉末41を被覆する水分遮蔽層である 。水分遮蔽被覆は、蛍光体粉末の水分劣化防止による長寿命化を目的に施される ものであるが、バインダ樹脂中への分散性が向上する利点なども発生する。
【0016】 水分遮蔽層の形成材としては、水分が透過しにくい、例えばプラスチックやセ ラミックの如き非晶質体などの適宜な透光性のものを用いてよい。水分遮蔽層の 厚さは適宜に決定してよいが、一般には20μm以下、就中10nm〜10μm程度 である。
【0017】 前記した水分遮蔽層用のプラスチックの具体例としては、ポリパラキシリレン 、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリプロピレン 、高密度ポリエチレン、四フッ化エチレン・六フッ化エチレン共重合体、フッ化 エチレン・プロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、エチレン・テト ラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ないしその共 重合体などがあげられる。放射線硬化型シリコーン樹脂などの硬化型樹脂なども あげられる。
【0018】 また水分遮蔽層用のセラミックとしては、例えばSiO2、誘電率を高めたTi O2−SiO2、ZrO2−SiO2の如きガラス系化合物や、アルミナ、酸化チタン 、五酸化タンタル、窒化珪素の如き透光性の無機物質などがあげられる。
【0019】 水分遮蔽層の形成は例えば、浸漬法やスプレー法等の適宜な方式でプラスチッ クの有機溶媒溶液を蛍光体粉末に塗布して乾燥する方法、Si、Ti、Al、Ta、 Zr等の必要成分を含有する有機化合物溶液を浸漬法やスプレー法等の適宜な方 式で蛍光体粉末に付与して低温焼成するゾル・ゲル法、Si、Ti、Al、Ta、Z r等の必要成分を含有するトリメチルアルミの如き有機化合物や水素化物、ハロ ゲン化物などの蒸気を加熱下の蛍光体粉末に付与して熱分解させる熱CVD法( 特開平4−264190号公報)、層形成成分をターゲットとして蒸着処理する スパッタリング法、LPD(液相析出)法、プラズマCVD法などの適宜な方法 で行うことができる。
【0020】 前記のLPD法による例えばSiO2層の形成は、シリカを飽和させたケイフッ 化水素酸の水溶液にホウ酸水溶液などからなる開始剤を添加して蛍光体粉末を浸 漬し、室温等で蛍光体粉末上にSiO2層を析出成長させる方法などにより行うこ とができる。LPD法によるSiO2層は緻密で、防湿性や耐候性等の耐久性に優 れている。
【0021】 前記のSiO2層からなる水分遮蔽層においては、蛍光染料を固定化することも できる。蛍光染料を固定化したSiO2層の形成は例えば、前記したLPD法にお いて、シリカを飽和させたケイフッ化水素酸の水溶液に蛍光染料を添加すること により行うことができる。
【0022】 蛍光染料を固定化したSiO2層を水分遮蔽層とする蛍光体粉末は、それを用い て蛍光染料の種類により同じ構成の発光層に基づく光を多種類に変化させること ができる。また蛍光染料の均一分散性に優れて、品質の安定性や均一発光性、輝 度や寿命に優れるEL発光体を得ることができる。なお前記の蛍光染料としては 、例えばローダミン6G、オーラミン、ロケットレッドなどの目的とする発光色 に変化せしめうるものが用いられる。
【0023】 一方、プラズマCVD法による水分遮蔽層の形成は、原料ガスと反応ガスを用 いて少なくともその一方をプラズマ化して蛍光体粉末上に原料ガスの分解反応物 からなるコーティング膜を生成させることにより行うことができる。プラズマC VD法は、水分遮蔽層の形成効率に優れる利点を有している。
【0024】 コーティング膜を形成するための原料、反応ガスとしては、プラズマCVD方 式によるガス状態の原料及び反応ガスの一方又は双方のプラズマ化を介して原料 ガスの分解反応物を形成できる適宜な形態のものを用いうる。原料は、固体、液 体、気体のいずれの形態でも用いうる。なお固体、液体からなる原料の場合、加 熱処理や減圧処理等の適宜な方式でガス化して原料ガスを形成してよい。
【0025】 原料等の一般的な形態としては、例えばSi等のコーティング膜形成成分の水 素化物、ハロゲン化物、アセチルアセトネート化物、アルコキシド化物、アルキ ル化物などがあげられる。また反応ガスとしては、酸素ガス、窒素ガス、水蒸気 、アンモニアガスなどのコーティング膜形成成分、ないしかかる成分の含有物が 用いられる。
【0026】 本考案において用いる蛍光体粉末は、水分遮蔽層に加えて1層又は2層以上の 他のコーティング膜で被覆されていてもよい。また水分遮蔽層ないし他のコーテ ィング膜は、2種以上の化合物が混合してなる複合層や傾斜機能層などとして形 成することもできる。
【0027】 ちなみに図3に例示の如く高誘電体層43と水分遮蔽層42を含むコーティン グ膜構造は、低電圧で高電界を形成できて蛍光体を高輝度に発光させることがで き、かつ蛍光体の発光特性を低下させることなく耐水性を付与できて外部より水 分の侵入があってもそれに耐えて発光特性が低下しにくい蛍光体粉末とすること ができる。なお水分遮蔽層を含む2層以上のコーティング膜を設ける場合、水分 遮蔽層は外側に設けることが長寿命化等の点より有利である。
【0028】 前記の高誘電体からなるコーティング層は輝度の向上を目的として設けられる ものでその形成材としては、例えばTa25、TiO2、BaTiO3、PbTiO3、 PZT(PbZrO3とPbTiO3の固溶体)、PLZT(PZTのLa添加物)、 SrTiO3などの高誘電率の金属酸化物系化合物などからなる適宜な透光性のも のを用いてよい。
【0029】 高誘電体からなるコーティング層の形成は例えば、金属ないし金属酸化物のア ルコラート溶液の如き有機化合物溶液を浸漬法やスプレー法等の適宜な方式で蛍 光体粉末に付与して低温焼成するゾル・ゲル法や、層形成成分をターゲットとし て蒸着処理するスパッタリング法、熱CVD法、プラズマCVD法などにより行 うことができる。形成する高誘電体層の厚さは適宜に決定してよいが、一般には 10μm以下、就中10nm〜1μm程度である。
【0030】 本考案において絶縁層は、フッ素系樹脂を用いて形成される。絶縁層の形成は 例えばフッ素系樹脂を塗布する方法や、フッ素系樹脂フィルムをラミネートする 方法などの適宜な方法で行うことができる。絶縁層は、発光層と透明電極層又は /及び背面電極層との間に設けることができる。
【0031】 前記のフッ素系樹脂としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフル オロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘ キサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン系共重合体などが好ましく 用いられる。
【0032】 前記のフッ化ビニリデン系共重合体におけるフッ化ビニリデンとの共重合体成 分としては、例えばテトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロト リフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどの1種又は2種以上が用い られる。
【0033】 なお絶縁層には、例えばチタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコニウ ム、酸化チタン、硫化亜鉛、炭化ケイ素の如き高誘電率微粒子を含有させること もできる。高誘電率微粒子の添加は、発光層の輝度の向上に有効である。
【0034】 背面電極層は例えば、導電性塗料を塗布する方法や、アルミニウム箔などの適 宜な金属箔を用いる方法などにより形成することができる。
【0035】 本考案においてEL発光体の外側を包囲する封止フィルム層は、水分遮蔽被覆 を施した蛍光体粉末を用いることより水分遮蔽の目的で用いる必要はなく従って 省略することもできるし、内部保護の目的で設けることもでき、その場合には低 防湿性のフィルムを用いて形成することができる。封止フィルム層の厚さは適宜 に決定してよいが、EL発光体の薄型化の点よりは10〜500μmが適当であ る。
【0036】 封止フィルム層の形成には適宜な低防湿性のプラスチックからなるフィルムを 用いてよい。好ましくは、接着処理が容易で高度の密着処理を簡便に効率よく行 いうるものである。また衝撃で破損しにくいものも好ましい。一般に用いられる 封止フィルムは、ポリエステルフィルムや、ポリエチレン、ポリプロピレンの如 きポリオレフィンからなるフィルムである。また上記の水分遮蔽層の形成材とし て例示したプラスチックからなる接着処理の容易なフィルムなども用いうる。
【0037】 本考案のEL発光体においては、図1に例示の如く水分遮蔽被覆を施した蛍光 体粉末をシアノエチル系樹脂中に分散含有する発光層4と、フッ素系樹脂を用い た絶縁層5を透明電極層3と背面電極層6の間に配置し、外側を必要に応じて低 防湿性の封止フィルム1で被覆するほかは従来に準じることができる。
【0038】 従って発光層、絶縁層、透明電極層、背面電極層、封止フィルム層、リード電 極の形成手段については任意である。また必要に応じて、例えば捕水層や集電帯 などを適宜な手段で付設することもできる。発光層や絶縁層などを塗布方法で形 成する場合、その塗布液の調製には例えば酢酸セロソルブ、ジメチルホルムアミ ド、メチルエチルケトンの如き適宜な有機溶媒を用いてよい。
【0039】 なお透明電極層や背面電極層を塗布方法で形成する場合、そのバインダとして は発光層や絶縁層を形成するためのシアノエチル系樹脂やフッ素系樹脂のほか、 例えばテトラエトキシシランの如き有機金属化合物をゾル・ゲル法で処理して得 られる高分子量ゾル(特開平2−33888号公報)なども用いうる。
【0040】 前記の捕水層は、発光層への水分の侵入を防止する目的で設けられるもので、 封止フィルム層の内側に設ける方式が一般的である。捕水層の形成には、水に不 溶であるが、水分を吸収捕獲して膨潤する性質を示す吸水性プラスチックが好ま しく用いられる。就中、水分の吸収能が自重の5倍以上、特に10倍以上のもの が好ましい。
【0041】 吸水性プラスチックの例としては、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基、 第四級アンモニウム塩、アミノ基、イミノ基、ピリジウム基の如きイオン化性基 、ないしその塩及び/又はヒドロキシル基、エーテル基、鎖状ないし環状のアミ ド基、ニトリル基の如きノニオン性親水性基等を有する天然、ないし合成の親水 性で水不溶性のポリマなどがあげられる。
【0042】 吸水性プラスチックの具体例としては、ポリアクリルアミド、ポリアクリルア ミドとポリオレフィンとのブレンドポリマー、アクリル酸ないしその塩とジビニ ルベンゼンとの共重合体、アクリロニトリルと塩化ビニルとエチレン系単量体と の共重合体のアルカリ加水分解物、アクリロニトリルと塩化ビニリデンとエチレ ン系単量体との共重合体のアルカリ加水分解物、アクリルアミド系共重合体のホ ルムアルデヒド架橋体などがあげられる。
【0043】 また、ポリアクリル酸とポリビニルアルコールとの酸縮合物、ポリビニルアル コールのエピクロルヒドリン架橋体、アクリロニトリル系重合体をアルカリで加 水分解した重合体のホルムアルデヒド架橋体、ポリビニルアルコールのリン酸縮 合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとエチレングリコールジメタクリレ ートとの共重合体、2−メチル−5−ビニルピリジンとN,N’−メチレンビス アクリルアミドとの共重合体などもあげられる。
【0044】 さらにN,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレートとN,N’−メチレン ビスアクリルアミドとの共重合体、N−ビニル−2−ピロリドンとエチレングリ コールジメタクリレートとの共重合体、ポリオキシエチレンの放射線照射による 架橋体、澱粉の酸性下加熱縮合物、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の ケン化物、ビニルエステルとエステル系不飽和カルボン酸、ないしその誘導体と の共重合体の乾燥体、イソブチレン−マレイン酸共重合体などもあげられる。
【0045】 捕水層の形成方法としては例えば、吸水性プラスチック溶液を塗布する方法や 、吸水性プラスチックからなるフィルムをラミネートする方法などがあげられる 。捕水層の厚さは20〜300μmが一般的であるが、これに限定されない。
【0046】 実施例1 厚さ70μmのポリエステルフィルムの片面にITOを蒸着してなる透明導電 膜(300Ω/□)の上に、カーボン含有の樹脂ペーストをスクリーン印刷方式 で部分的に塗布して幅2mmの集電帯を形成後、その上にリード電極を付設し、つ いで蛍光体粉末を分散含有するシアノエチルセルロースの酢酸セロソルブ溶液を 塗布して厚さ約50μmの発光層を形成した。
【0047】 前記で用いた蛍光体粉末は、Cuで活性化した平均粒径20μmのZnSの外周 に、Si(OC254と酸素ガスのプラズマ化物を反応させるプラズマCVD法 で、厚さ0.2μmのSiO2層からなる被覆膜を設けたものである。
【0048】 他方、厚さ約100μmのAl箔からなる背面電極層にリード電極を付設し、そ れを前記で形成した発光層の上に、チタン酸バリウム含有のフッ化ビリニデン系 共重合体の酢酸セロソルブ溶液からなる厚さ約30μmの絶縁層(接着層を兼ね る)を介して接着し、その接合体の上下に厚さ100μmのポリエステルフィル ムを配置し、リード電極を突出させた状態で配置フィルムの周縁を接着して密封 構造としEL発光体を得た。
【0049】 比較例1 発光層のバインダ樹脂としてフッ化ビニリデン系共重合体を用いたほかは実施 例1に準じてEL発光体を得た。
【0050】 比較例2 絶縁層のバインダ樹脂としてシアノエチルセルロースを用いたほかは実施例1 に準じてEL発光体を得た。
【0051】 評価試験 実施例1、比較例1,2で得たEL発光体に100V、400Hzで加電して初 期の輝度を測定すると共に、EL発光体を40℃、90%RHの雰囲気下におい て前記の条件で100時間連続加電した後の輝度を測定し、初期の輝度を100 %とした場合の輝度残率を調べた。
【0052】 前記の結果を下表に示した。
【0053】 なお発光層のバインダ樹脂としてフッ化ビニリデン系共重合体を用いた比較例 1のEL発光体の場合には、透明電極層に発光層を設けた基板より所定のEL発 光体サイズに打ち抜き加工する際に透明電極層と発光層との層間剥離が多発し歩 留は約70%であった。また実施例1に準じた高濃度のフッ化ビニリデン系共重 合体溶液を調製できず溶解可能な最高濃度の溶液を調製して用いたが、形成され た発光層の表面は蛍光体粉末がバインダ層より突出して凹凸化しており、そのた め暗斑点のある発光状態を示した。しかし実施例1のEL発光体の場合には、前 記のような問題は生じず、打ち抜き加工の歩留も100%であったし、発光状態 も明暗のムラがないものであった。
【0054】
【考案の効果】
本考案によれば、封止基材を省略したり、接着密封処理が容易な低防湿性の封 止フィルムを用いて被覆処理できる。また、打ち抜き加工時の層間剥離や暗斑点 のある発光を防止できて歩留や輝度に優れ、電気抵抗値等の電気特性の安定性に 優れると共に量産が容易で発光の安定性、発光寿命ないし輝度の維持性に優れる EL発光体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の断面図。
【図2】蛍光体粉末を例示した拡大断面図。
【図3】他の蛍光体粉末を例示した拡大断面図。
【符号の説明】
1:封止フィルム層 3:透明電極層 4:発光層 41:蛍光体粉末 42:水分遮蔽層 43:高誘電体層 5:絶縁層 6:背面電極層

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極層と背面電極層の間に、水分遮
    蔽被覆を施した蛍光体粉末をシアノエチル系樹脂中に分
    散含有する発光層と、フッ素系樹脂を用いた絶縁層を有
    することを特徴とするEL発光体。
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