JPH081616U - 電動機の空冷装置 - Google Patents

電動機の空冷装置

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JPH081616U
JPH081616U JP005500U JP550096U JPH081616U JP H081616 U JPH081616 U JP H081616U JP 005500 U JP005500 U JP 005500U JP 550096 U JP550096 U JP 550096U JP H081616 U JPH081616 U JP H081616U
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rotor
cooling
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美行 林
一久 沼居
正巳 君島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力軸を介してロータを効率良く冷却するこ
とのできる電動機の空冷装置を提供する。 【解決手段】 ロータ10は中空の出力軸12に固定さ
れる。出力軸12は、その反負荷側端部12aのみにて
開口し、かつ少なくとも負荷側端部12bに面したロー
タ10の端面の近傍まで、内部で軸方向へ延びる空洞部
13を備える。空洞部13には、空洞部13の内径より
も小さな外径を有した中空管26が、空洞部13の略全
長に亙って収容され、空洞部13の壁面との間に隙間を
介して保持される。中空管26は、少なくともその先端
近傍に、中空管26の内部と空洞部13とを連通すべく
貫通形成された吹出し孔28を備える。さらに中空管2
6は、その基端側で出力軸12の反負荷側端部12aか
ら電動機外部に延長されて、冷却用の加圧気体供給源に
接続される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は電動機の空冷装置に関し、特に、ロータを取付けた中空の出力軸と、 出力軸の内部に冷却気体を貫流させる冷却気体供給手段とを具備して、主として ロータを効率良く冷却する空冷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、工作機械において主軸の高速化、高出力化が進んでおり、これに伴いス ピンドルモータのステータ及びロータの発熱量も増加してきている。これに対し 、モータの冷却は一般に、ステータの外周を冷却液流路を有したジャケットで覆 う方式により行っているが、この方式ではロータはほとんど冷却され得ない。
【0003】 そこでロータの表面に空気を吹き付けてロータを直接に冷却する方式が採用さ れつつある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、ロータに直接、冷却用空気を吹き付ける方式では、その冷却効 果は低速回転時においてしか期待できない。回転中のロータの外周面上には、ロ ータと共に回転する空気の薄い層が形成されており、高速回転中は外部から吹き 付けられた空気が遮断され、冷却が充分に行われ得ないからである。
【0005】 したがって本考案の目的は、ロータを効率良く冷却することのできる電動機の 空冷装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案は、ロータを取付けた中空の出力軸と、出 力軸の内部に冷却気体を貫流させる冷却気体供給手段とを具備した電動機の空冷 装置において、出力軸の内部には、出力軸の反負荷側端部のみにて開口し、かつ 少なくとも出力軸の負荷側端部に面したロータの端面の近傍まで軸方向へ延びる 空洞部が設けられ、冷却気体供給手段は、出力軸の空洞部の内径よりも小さな外 径を有して空洞部の略全長に亙り空洞部に収容される中空管を具備し、中空管が 、少なくともその先端近傍に中空管の内部と空洞部とを連通する貫通孔を備える とともに、その基端で出力軸の反負荷側端部から電動機外部に延長されて冷却用 の加圧気体供給源に接続され、以て出力軸内に、中空管を通って空洞部に放出さ れ、空洞部の略全長に亙って流れた後に反負荷側端部から排出される冷却気体の 流路が形成されることを特徴とする電動機の空冷装置を提供する。
【0007】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を添付図面に示す実施形態に基づいて更に詳細に説明する。図1 に示す実施形態は、例として誘導電動機に適用された空冷装置に関するものであ る。この電動機では、ロータ10はスリーブ24を介して中空の出力軸12に固 定される。出力軸12は、ハウジング16の前部材及び後部材により軸受14を 介して回転可能に軸承される。ハウジング16を構成する中央ハウジング18の 内周には、ステータ20が取り付けられる。中央ハウジング18は冷却ジャケッ トの構造を有し、内部に冷却液流路19が設けられている。従ってステータ20 に生じる熱は、冷却液流路19を流動する冷却液により吸収され、それによりス テータ20が冷却される。
【0008】 誘導電動機の出力を高くすると、ロータ10に生じる誘導電流に起因して、ロ ータ10の発熱が増加する。この熱は出力軸12に伝導し、軸受14に焼付きを 生じさせると共に、温度上昇のため出力にも限界を生ずる危惧がある。そこで、 出力軸12の内部の空洞部13に冷却気体を貫流させ、出力軸12を介してロー タ10を冷却する空冷装置が採用される。
【0009】 図示実施形態では、空洞部13は、出力軸12の反負荷側端部12aのみにて 開口し、かつ少なくとも出力軸12の負荷側端部12bに面したロータ10の端 面の近傍まで、出力軸12内で軸方向へ延びる。空洞部13には、冷却気体供給 手段として、空洞部13の内径よりも小さな外径を有した中空管26が、空洞部 13の略全長に亙って収容され、空洞部13の壁面との間に隙間を介して保持さ れる。中空管26は、少なくともその先端近傍に、中空管26の内部と空洞部1 3とを連通すべく貫通形成された吹出し孔28を備える(図1には複数の吹出し 孔28が明示される)。さらに中空管26は、その基端側で出力軸12の反負荷 側端部12aから電動機外部に延長されて、冷却用の加圧気体供給源(図示せず )に接続される。
【0010】 電動機外部の加圧気体供給源から中空管26に導入された冷却用の加圧気体は 、出力軸12との間に隙間を介して配置される中空管26内で、ロータ10及び 出力軸12と熱交換を行うことなく空洞部13の内側に導入され、吹出し孔28 を介して空洞部13に放出される。空洞部13に放出された冷却気体は、出力軸 12と中空管26との間に画成される空間を通って空洞部13の略全長に亙って 流れ、ロータ10及び出力軸12を冷却する。このとき、後方の軸受14も冷却 される。このようにして熱交換を行った冷却気体は、出力軸12の反負荷側端部 12aに戻り、反負荷側端部12aから電動機外部に排出される。
【0011】 なお、この実施形態でも、空洞部13を貫流する冷却気体が出力軸12の内周 面から熱伝達により吸熱するに際し、出力軸12の内周面には出力軸12の回転 に伴って回転する空気の薄い層が形成される。この空気層のため吸熱作用は幾分 低下するが、ロータ10に直接冷却気体を吹き付ける場合と比較すると、出力軸 12の空洞部13の径寸法はロータ10の外径寸法よりも相当に小さいのでその 周方向速度が小さく、従って吸熱作用に対する抵抗は相当に小さく、充分な冷却 が可能である。
【0012】 中空の出力軸の内部に冷却気体を貫流させ、出力軸を介してロータを冷却する 空冷装置としては、本考案の他に、以下の形式のものが考えられる。 図2に示す空冷装置は、出力軸30を軸方向へ貫通する空洞部32を備え、空 洞部32に冷却気体を貫流させるべく、出力軸30の反負荷側端部に、他の電動 機(図示せず)によって駆動されるファン装置34が取り付けられる。これによ り、出力軸30を介してロータ36を冷却すると共に、前後の軸受38をも冷却 することができる。
【0013】 図3に示す空冷装置は、図2に示すファン装置34の代わりに、出力軸30の 反負荷側端部に一体形成されたファン40を備える。このような構成によれば、 出力軸30の回転と共にファン40が回転するので、電動機作動時の回転数が高 くなる程、空洞部32に多くの冷却空気が流れる。したがってこの空冷装置は、 高速回転時に発熱量の大きい構造の電動機に、特に効果的に適用される。
【0014】 図4に示す空冷装置は、出力軸42の反負荷側端部で開口し、かつ少なくとも 出力軸42の負荷側端部に面したロータ44の端面44aの近傍まで出力軸42 内で軸方向へ延びる空洞部46を備える。空洞部46は、ロータ44の端面44 aの近傍で出力軸42に略径方向へ穿設された貫通孔48を介して、電動機の内 部空間に連通される。出力軸42の反負荷側端部には、空洞部46に冷却気体を 給送するファン装置50が設置される。空洞部46に給送された冷却気体は、出 力軸42、後部軸受52及びロータ44を冷却した後、貫通孔48を介して電動 機の内部に流入し、さらにステータ54の巻線56をも冷却した後に、中央ハウ ジング58に設けた径方向貫通孔60を通って電動機外部へ排出される。中央ハ ウジング58の貫通孔60の外側には、追加のファン装置62を設置することも できる。
【0015】 本考案に係る空冷装置は、これらの技術とは異なり、電動機の設置構造等に基 づく制約により出力軸の負荷側端部に空洞部を開口させることができず、しかも 電動機の内部空間に冷却空気を導入しない条件のもとで、出力軸の反負荷側端部 のみから冷却気体の供給及び排出を行うことができるので、特に有利に使用され るものである。
【0016】
【考案の効果】 以上の説明から明らかな様に本考案によれば、中空出力軸の空洞部に供給され た冷却気体により出力軸を冷却する構成としたので、出力軸の膨張、収縮が低減 され、さらに出力軸を介してロータ及び軸受が効果的に冷却される。その結果、 ロータの温度上昇が低く抑えられ、ロータのインピーダンスの上昇が低減されて 出力トルクの低下が防止される。また、軸受の内外輪の温度差の上昇を低減でき 、焼き付きが防止される。さらに、冷却気体の冷却能力を損なうことなく、電動 機の反負荷側だけで、出力軸内への冷却気体の導入及び出力軸内からの冷却気体 の排出を行なうことができるので、出力軸の負荷側に冷却気体導入又は排出用の 開口を設けられない場合にも、ロータ及び出力軸を効果的に冷却することが可能 となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る電動機の空冷装置の実施形態を示
す断面図である。
【図2】電動機の空冷装置の一例を示す断面図である。
【図3】電動機の空冷装置の他の例を示す断面図であ
る。
【図4】電動機の空冷装置のさらに他の例を示す断面図
である。
【符号の説明】
10…ロータ 12…出力軸 13…空洞部 14…軸受 26…中空管 28…吹出し孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 沼居 一久 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社商品開発研究所内 (72)考案者 君島 正巳 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社商品開発研究所内 (72)考案者 岡 秀樹 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社商品開発研究所内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータを取付けた中空の出力軸と、該出
    力軸の内部に冷却気体を貫流させる冷却気体供給手段と
    を具備した電動機の空冷装置において、 前記出力軸の内部には、該出力軸の反負荷側端部のみに
    て開口し、かつ少なくとも該出力軸の負荷側端部に面し
    た前記ロータの端面の近傍まで軸方向へ延びる空洞部が
    設けられ、 前記冷却気体供給手段は、前記出力軸の前記空洞部の内
    径よりも小さな外径を有して該空洞部の略全長に亙り該
    空洞部に収容される中空管を具備し、該中空管が、少な
    くともその先端近傍に該中空管の内部と前記空洞部とを
    連通する貫通孔を備えるとともに、その基端で前記出力
    軸の前記反負荷側端部から電動機外部に延長されて冷却
    用の加圧気体供給源に接続され、 以て前記出力軸内に、前記中空管を通って前記空洞部に
    放出され、該空洞部の略全長に亙って流れた後に前記反
    負荷側端部から排出される冷却気体の流路が形成される
    こと、を特徴とする電動機の空冷装置。
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