JP4288838B2 - 高速回転電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速回転電機に係わり、特に冷却媒体による撹拌流から固定子巻線を保護するように構成した回転電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車関連製品の開発、試験に使用される回転電機(ダイナモメータ)は、エンジンと同等の低慣性、高速、大トルクのものが要求されている。この要求を満たすために、回転子の径を極力小さくした設計としているために巻線の発熱密度が大きくなっている。このため、冷却水または冷却油によって冷却する構造が採られている。その際、回転電機の回転子および固定子が冷却液中に浸した状態で運転すると、回転子の回転で発生する撹拌流によって固定子巻線の絶縁が破壊し、かつ、巻線自身に破損が生ずる場合がある。したがって、冷却構造を採る場合には固定子巻線を保護する必要がある。
【0003】
図4は、冷却構造を採用した従来の回転電機を示したもので、固定子1と回転子2との間にキャン4を配設して固定子と回転子の部屋を分離し、回転子冷却用の液体が固定子側に入らないように構成したものである。
また、図5は固定子巻線部3を斜線で示すように樹脂5でモールドし、このモールドによって撹拌流が直接、固定子巻線に影響を与えないように構成したものである。
なお、図4,図5において、冷却液は、他えば回転子と固定子間に流路が形成され、その一方側より注入され回転子の熱を吸収しながら回転電機の外部に放出するように構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図4で示したものは、固定子巻線3はキャン4によって撹拌流による影響を受けることがないため、固定子巻線3の絶縁等の破壊は生じないが、固定子巻線3の冷却は空気冷却となるために液体と比較して効率が悪く、かつ、液体が固定部側に入らないようにするための構造が複雑なものとなっている。
【0005】
また、図5で示す固定子巻線3をモールドする方式では、固定子巻線3が樹脂5によってモールドされることによって、巻線3自体には直接冷却液が触れないので直冷方式に比較して冷却効率が悪く、かつ、撹拌流が直接巻線のモールド部分に当たることにより、その部分の寿命が短くなり、この現象は回転電機が高速になればなるほど顕著になる。また、モールドされた固定子巻線3が、常時液中に晒されることにより、巻線の絶縁寿命が大幅に低下する問題を有している。
【0006】
本発明が目的とするところは、回転子の回転によって生ずる撹拌流から固定子巻線を保護すると共に、効率よく冷却するようにしたこの種回転電機を提供することにある。
【0007】
本発明は、軸受に支承された回転子と、この回転子と対向した位置に配設された固定子をフレームとブラケット内に収納し、固定子と回転子間にキャンを配設して外部から供給される冷却液の撹拌流が固定子巻線に直接あたらないよう構成された回転電機において、
前記キャンは、非磁性体の絶縁物より構成されてその内径と前記固定子の鉄心内径とが略同一として複数の送液口を設ける共に、前記固定子の軸方向の略中心位置に流路の形成された中間静圧軸受を設け、この中間静圧軸受との対向した位置の回転子軸に静圧軸受ジャーナルを配設し、前記フレームに穿設した給液口、及び中間静圧軸受の流路を介して供給された冷却液が、前記キャンの送液口から前記固定子巻線側に送出するよう構成したことを特徴としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を示す回転電機の断面図で、この回転電機は三相誘導電動機よりなる。10は固定子で、フレーム13に固着された固定子鉄心11のスロットに固定子巻線12が嵌挿されている。20は回転子で、回転軸21に固定された鉄心23には回転子バーが貫通され、その両端をエンドリングにて短絡してかご形の回転子が構成されている。回転子20は、その直結側及び反直結側において、それぞれ静圧軸受6,7によって軸支されている。静圧軸受6,7はブラケット8,9に固定されるが、このブラケット8,9には、それぞれ給液口81,91が設けられ、かつ、各給液口と連通した流路(図示省略)が外周面側から回転軸21にまで達するようにブラケットおよび静圧軸受を貫通して設けられている。更に、このブラケット8,9には必要に応じて軸方向に貫通孔(ここではブラケット9側にのみ貫通孔92を設けた)が設けられる。
【0011】
なお、回転子の軸方向の中間部には、回転子を回転自在に支持するための軸受が設けられて、回転子の曲げ剛性を高め、回転子のクリチカル,すなわち、危険速度を上げ、回転子をより細長くすることによって更なる低慣性化を実現している。
図2は、図1A部の拡大図を示したもので、22は回転軸21に固定された静圧軸受ジャーナルで、この静圧軸受ジャーナル22は、回転子鉄心23と同芯,同径に形成され、鉄心23と同様に穴が穿設されて回転子バー24が貫通される。14は中間静圧軸受で、固定子鉄心11の軸方向の中間位置に配設され、交番磁界中に配設されることからその材質は銅合金やテフロン等の非磁性体よりなって静圧軸受ジャーナル22を回動自在に支承する。中間静圧軸受14は、固定子鉄心11と同様にスロットが設けられて固定子巻線12が嵌合されている。更に、この中間静圧軸受14には、径方向に貫通した流路15が穿設され、フレーム13に設けられ給液口16と連通して回転子に冷却液を供給するよう構成されている。
【0012】
以上のように構成された回転電機において本発明は、固定子巻線12と回転子10との間にキャン30を配置し、各一端はそれぞれブラケット8,9に固着したものである。キャン30は、固定子鉄心11から軸方向に突出した部分の固定子巻線12に、回転子の回転に伴う撹拌流が直接当らないよう設けられるために、その軸方向の長さは、各ブラケット8,9の内壁から固定子鉄心11までの長さ程度とされ、かつその径は、固定子鉄心11の内径とキャン30の内径とが略同一となるように形成される。また、このキャン30は、材質を非磁性体及び絶縁体よりなって、磁束漏れによる回転電機性能の低下を防止し、その一部には、図3で示すように送液口31が設けられる。送液口31は、同図(a)で示すように切欠状としてもよく、(b)図で示すように丸孔または矩形状に形成してもよい。
【0013】
次にその動作を説明する。
冷却液は、その効率をあげるために純水や絶縁油等の絶縁性の高い液体を使用することにより、直接巻線に触れても問題のないものが使用される。その液体(潤滑油)は、図示省略したポンプから矢印で示すように給液口16,81および91から回転電機内に供給される。給液口81より供給された潤滑油は、静圧軸受6と静圧軸受ジャーナルとの間かなクリアランス部を周方向に旋回しながら軸方向外側のブラケット室に至り、この室を経て排出口より外部に排出される。
給液口91より供給された潤滑油は、反直結側の静圧軸受7と静圧軸受ジャーナルとの間の僅かなクリアランス部を周方向に旋回しながら軸方向外部に至り、貫通孔92を通してキャン30と固定子に囲まれた部屋に入る。
【0014】
一方、給液口16より供給された冷却液は、矢印のように流路15,固定子10と回転子20との間隙を左右の軸方向に進み固定子鉄心の端部に至る。その端部には、固定子鉄心11の内径と略同一の内径を有するキャン30が配設されていることにより、間隙を流れた冷却液はキャン30の内部に導入される。キャン30の内部は、回転子が回転することに伴う撹拌流が生じており、この撹拌流によって冷却液は送液口31から送出される。このとき、キャン30に形成された送液口31は、送出される冷却液が固定子巻線12に直接吹き付けない位置に予め形成されていることにより、固定子巻線12は撹拌流による影響を受けず、しかも撹拌流の速度を利用して積極的に冷却される。固定子巻線を冷却した冷却液は、フレーム13の内周部と固定子鉄心11の外周部との間に設けられた戻り流路を経て軸中心部に循環し、排出口17より回転電機の外部に排出される。
【0015】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、固定子巻線と回転子との間に送液口を有するキャンを配置し、回転子により生ずる撹拌流が直接に固定子巻線にあたらないよう構成したものであるから、固定子巻線の寿命を大幅に延ばすことができると共に、巻線に直接熱交換効率の高い冷却液を流すことが可能となるものである。また、キャンの内径を固定子鉄心と略同径とすることにより、撹拌流による損失を小さくすることが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す構成図。
【図2】本発明における図1のA部拡大図。
【図3】本発明に使用されるキャンの構成図で、(a)は送液口が切欠状の場合、(b)は送液口が矩形または丸孔状の場合。
【図4】従来の回転電機を示す一部縦断正面図。
【図5】従来の他の回転電機を示す一部縦断正面図。
【符号の説明】
10…固定子
11…固定子鉄心
12…固定子巻線
13…フレーム
14…中間静圧軸受
15…流路
20…回転子
21…回転軸
22…静圧軸受ジャーナル
23…回転子鉄心
30…キャン
31…送液口
6,7…静圧軸受
8,9…ブラケット
16,81,91…給液口
Claims (1)
- 軸受に支承された回転子と、この回転子と対向した位置に配設された固定子をフレームとブラケット内に収納し、固定子と回転子間にキャンを配設して外部から供給される冷却液の撹拌流が固定子巻線に直接あたらないよう構成された回転電機において、
前記キャンは、非磁性体の絶縁物より構成されてその内径と前記固定子の鉄心内径とが略同一として複数の送液口を設ける共に、前記固定子の軸方向の略中心位置に流路の形成された中間静圧軸受を設け、この中間静圧軸受との対向した位置の回転子軸に静圧軸受ジャーナルを配設し、前記フレームに穿設した給液口、及び中間静圧軸受の流路を介して供給された冷却液が、前記キャンの送液口から前記固定子巻線側に送出するよう構成したことを特徴とする高速回転電機。
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JP2000269738A JP4288838B2 (ja) | 2000-09-06 | 2000-09-06 | 高速回転電機 |
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