JPH0816163B2 - セルロース系微粉粒体及び成形品及び塗料 - Google Patents
セルロース系微粉粒体及び成形品及び塗料Info
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- JPH0816163B2 JPH0816163B2 JP4166451A JP16645192A JPH0816163B2 JP H0816163 B2 JPH0816163 B2 JP H0816163B2 JP 4166451 A JP4166451 A JP 4166451A JP 16645192 A JP16645192 A JP 16645192A JP H0816163 B2 JPH0816163 B2 JP H0816163B2
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Description
製品に用いられる木質様の樹脂成形物や、樹脂製品の表
面を木質様の表面特性にする塗料の原料として好適なセ
ルロース系微粉粒体及びこのセルロース系微粉粒体を用
いた成形品及び塗料に係わり、特に防腐、防黴等の抗菌
機能を有するセルロース系微粉粒体及び成形品及び塗料
に関するものである。
る表面特性に近い表面特性を付与し、各種の家具あるい
は日用品の表面を天然の木質様にする試みがなされてき
ている。
製品を得るには、合成樹脂成形物の成形に際し、所要量
の木粉と所望する色調に対応した顔料を形成樹脂素材に
添加して目的とする天然木材に近い感触の樹脂成形物を
得ていた。また、樹脂成形物に 所要量の木粉と所望す
る色調に対応した顔料と展色剤とが混合された塗料を塗
布することにより、樹脂成形品の表面を天然の木質様の
ものとすることが行なわれていた。
は、木粉を含有することになるので、一般の木材ほどで
はないが、湿度の高い場所などで用いられた場合に、樹
脂成形物もしくは塗料中の木粉が腐食菌により腐食させ
られる可能性がある。また、前記樹脂成形物及び塗料
は、これら樹脂成形物及び塗料中の木粉により、一般の
合成樹脂よりも保湿性が高く、その表面に黴が発生しや
すくなる可能性がある。そこで、前記樹脂成形物は、そ
の使用場所等によって、防腐防黴処理が施される必要が
あった。
ように最初から形状を有する部材の防腐防黴処理は、防
腐剤、防黴剤等の薬剤を部材の中に浸透させる必要があ
り、加圧した状態で浸透させたり、長時間浸漬したり、
表面に何度も薬剤を塗布したりする必要があった。そこ
で、上記従来のような樹脂成形物では、樹脂成形物を成
形する前の段階、すなわち、木粉を製造した段階で、前
記薬剤を木粉に担持することが考えられる。
て得られる木粉は、乾式粉砕機によって得られたもので
も湿式粉砕機によって得られたものでも粉砕効率が悪
く、長時間粉砕処理しても粉砕粉中に粒径の大きい木粉
が多量に残る不都合を有していた。また、この木粉は粒
形状をなさず、その多くが繊維状となっており、短径側
で計測した粒径が数ミクロンであっても長径側が繊毛状
に長い状態となる。
防腐剤、防黴剤を噴霧することにより、木粉に防腐剤、
防黴剤を担持しようとした場合には、攪拌により木粉相
互が絡みあって凝集状態を作りだすことが多く、この凝
集した木粉の内部には、噴霧された防腐剤、防黴剤が入
り込みにくいという問題があった。そして、このような
木粉を樹脂材料に混ぜて樹脂成形物を成形しても、防腐
剤、防黴剤が木粉に均一に担持されていないので、腐食
菌により腐食させられる可能性がある。
することにより、凝集した木粉の内部に防腐剤、防黴剤
を浸透させた場合には、凝集した木粉内部の隙間に多量
の防腐防黴剤を保持することになり、木粉を樹脂材料に
混合して成形する際に、攪拌時に凝集してしまった木粉
と、凝集した木粉内部の液状の防腐防黴剤やかたまりに
なった防腐剤、防黴剤とによって、成形された樹脂が不
均一な組成となって強度などの面で問題を生じる可能性
がある。
を木粉に担持しようとした場合にも、防腐剤、防黴剤と
木粉とを攪拌混合した際に、木粉が凝集することにより
防腐剤、防黴剤が均一に分散されないので、上述の液状
の防腐剤、防黴剤の場合と同様の不都合を生じる可能性
がある。
であり、その目的としては、木粉に容易に防腐剤、防黴
剤を均一に担持することができ、均一な防腐、防黴等の
抗菌機能を有するセルロース系微粉粒体及び成形品及び
塗料を提供することである。
粉粒体は、木材、バカス、稲藁等の植物細胞体の粗粉砕
物が磨砕処理により粒形状にされ、かつ、この粒形状を
なす磨砕処理植物細胞体の表面に防腐、防黴等の抗菌機
能を有する薬剤が担持されてなることを前記課題の解決
手段とした。
系微粉粒体が樹脂に混合され、該混合物が押出もしくは
射出成形により成形されてなることを前記課題の解決手
段とした。また、本発明の塗料は、前記セルロース系微
粉粒体が展色剤に混合されてなることを前記課題の解決
手段とした。
粉粒体によれば、植物細胞体の粗粉物が磨砕処理される
ことにより、従来の木材を直接微粉状に粉砕したものが
繊維状であるのと異なり、その表面に繊毛が少なく独立
した粒形状となるため、従来の木粉のように攪拌しても
凝集する可能性が極めて少ない。従って、液状もしくは
粉状もしくは粒状の防腐剤、防黴剤と容易かつ均一に混
ざり合い、これにより防腐剤、防黴剤を容易に担持し得
るものとなる。
ルロース系微粉粒体自身が、粒状かつ表面に繊毛が少な
い形状なので分散混合しやすい性質を有すると共に、上
述のように防腐剤、防黴剤を均一に担持したセルロース
系微粉粒体を樹脂に混合して成形したものであるので、
樹脂中においても防腐剤、防黴剤が均一に混合され、腐
食や黴の発生が防止され、かつ、成形された樹脂の組成
が均一なものとなる。また、請求項3記載の塗料によれ
ば、上述の成形品と同様に、塗料中においても防腐剤、
防黴剤が均一に混合され、腐食や黴の発生を防止するこ
とができると共に、塗布された塗料の組成が均一なもの
となる。
求項1記載のセルロース系微粉粒体は、木材の粗粉砕
物、バカスの粗粉砕物、稲藁の粗粉砕物等の各種植物細
胞体の原料材粗粉砕物を磨砕処理することによって得ら
れたものである。そして、本実施例においては、木材の
粗粉砕物を磨砕処理したものを用いた。
を機械的な衝撃破砕により粉砕する。そして、150メ
ッシュ、好ましくは120メッシュよりも細かい粒径の
粗粉砕物とする。ここで機械的な粉砕には、例えばイン
ペラーミル(IMP−250;株式会社セイシン企業
製)が好適に使用される。なお、木材以外のバカス、稲
藁等の各種植物細胞体も同様にして粗粉砕物を得ること
ができる。
理としては、例えば図1に示すボールミルによって行う
のが好ましい。このボールミルは、大気解放型のミル本
体1の周壁に冷却ジャケット2を設けたもので、供給パ
イプ8から冷却ジャケット2内に冷却水を供給し、排水
パイプ9から排出することで冷却水を循環させ、これに
よってミル本体1内の温度を予め設定した温度、例えば
80℃以下となるようにするものである。
配設されており、このモータ5の底部にはミル本体1内
のボール3を攪拌するロータ4が配設されている。ロー
タ4は、モータ5の駆動によって回転し、ボール3と被
磨砕処理物とを攪拌することにより、これらを機械的に
接触させるものである。また、ミル本体1の錐形下部に
はバルブ6で開閉される取出し口7が設けられており、
磨砕処理後の被磨砕処理物を排出できるようになってい
る。
るボール3は、外径3mm〜5mmのセラミックスボール、
特にジルコニア系やアルミナ系のセラミックスボールを
用いるのが好ましく、ステンレス、スチール等の金属製
のボールの使用は避けるのが好ましい。なぜなら、ステ
ンレス、スチール製等の金属製のボールでは、木粉等の
粉砕セルロース系粉がボールの表面に結着し、あるいは
金属製ボール相互の接触に伴う発熱によって粉砕粉に変
質をもたらすおそれがあるからである。
あっても大気解放タイプであっても良いが、密閉タイプ
を採用した場合にはミル内に窒素ガス等の不活性ガスを
充填して用いるのが好ましい。
の表面温度が90℃〜120℃の範囲となるようにし、
ミル本体1の室内温度が80℃を超えないようにして前
記の原料材粉砕物の粉砕・磨砕処理と乾燥処理とを行
う。ここで、使用ボール3の温度制御については、ミル
本体1の容量と、このミル本体1内に投入されるボール
3の量と、ボール3の材質、寸法ならびに投入粉砕物の
投入温度、量、含有水分量とに基づき、攪拌速度ならび
にミル本体1の周面に設けた冷却ジャケット2による冷
却量等を調整することによって行う。
よっても異なるものの、例えば木材粉の場合には100
℃〜120℃の範囲にするのが、粉砕および磨砕の効率
の点から好ましい。ただし、粉砕・磨砕に長時間を要す
る場合には暴爆の防止の点から90℃〜100℃である
ことが望ましい。また、粉砕・磨砕において暴爆を生ず
る危険のある場合には、ミル本体1内の酸素濃度を15
%以内とするのが好ましく、その場合には例えばボール
ミル内に連続して窒素ガスを供給するといった方法を採
用してもよい。
理によれば、ボール3の回転に伴って生ずる摩擦熱によ
りミル本体1の内部温度が上昇し、一方冷却ジャケット
2に循環される冷却水よってミル本体1内の温度および
ボール3の表面温度が前記した範囲に調節されることに
より、原料材粉砕物が粉砕されると同時に強い加熱条件
下におかれて乾燥せしめられ、これによって粒径が所望
する範囲、例えば100μm以下に揃えられ、しかも含
有水分が2.0重量%以下に調整されるのである。
された原料材粉砕物にボール3が接触することにより、
該ボール3に接触した原料粉砕物はその表面が破断状態
で磨砕され、これによってその破断、磨砕が効率良くな
される。
に接触した際、機械的に圧潰されかつ磨耗されて粉砕・
磨砕され、これと同時に加熱・乾燥されることから、含
有水分が効率良く取り除かれるのである。また、ボール
3から離脱した際急速に冷却されることから、加熱−冷
却の繰返しを受けることによって原料材粉砕物中の繊維
が膨縮作用を受けるとともに、急速に乾燥され、これに
よって繊維の先端部がボール3によって効率良く磨砕さ
れ、結果として周面に繊毛の少ない、独立した粒形状を
なす磨砕処理セルロース系微粉粒が得られるのである。
ス系微粉粒を分級し、所望する範囲の粒径(例えば1〜
10μm、10〜20μm、20〜50μm、50〜1
00μm)に揃え、以下に記載する防腐剤、防黴剤の担
持により本発明のセルロース系微粉粒とする。
の無機系のものが使用可能である。また、一般に有機系
の防腐剤及び防黴剤は、熱により分解もしくは揮発して
しまうので、セルロース系微粉粒体を樹脂に混ぜて押出
し成形するような高温の作業工程を有するものに用いる
ことが困難であるが、押出し成形等の際の200°C以
上の温度に耐えるものであれば、有機系の防腐剤及び防
黴剤を用いてもよい。
料に用いる場合には、特に、高温の作業工程を必要とし
ないので、公知の有機系の防腐防黴剤を用いることがで
きる。また、防腐剤、防黴剤を前記セルロース系微粉粒
に担持させる方法として、例えば前記セルロース系微粉
粒を攪拌すると共に、水溶性の無機系防腐防黴剤の溶解
液を噴霧することにより、セルロース系微粉粒の表面へ
の付着及び内部への浸透を行なう。
による磨砕処理の際に、ボールミル内に防腐剤、防黴剤
の溶液を噴霧することによりセルロース系微粉粒体に担
持させる。この場合には、磨砕処理中の熱により、防腐
剤、防黴剤の溶解液を蒸発させることができ、防腐剤、
防黴剤を噴霧した後の乾燥作業を行なわなくてすむ。ま
た、粉状もしくは粒状の防腐剤及び防黴剤を、ボールミ
ルにより磨砕処理の際に添加して、セルロース系微粉粒
体周面に防腐材、防黴剤を担持させるようにしてもよ
い。
体を周知の攪拌機により攪拌した状態で、液状もしくは
粉状もしくは粒状の防腐剤、防黴剤を、前記攪拌機中に
噴霧もしくは添加するようにしてもよい。
ス系微粉粒体は、木材の粗粉砕物がボールミルにより磨
砕されることによって繊維状でなく独立した粒形状に形
成される。そして、セルロース系微粉粒体が上記形状を
有するので、攪拌しても凝集する可能性が極めて少な
く、従ってこのセルロース系微粉粒体をボールミルもし
くはその他の攪拌機で攪拌した状態で、防腐剤、防黴剤
を添加することにより、セルロース系微粉粒体に均一に
防腐剤、防黴剤を担持することができる。以上のことか
ら、このセルロース系微粉粒体を骨材等の原料として用
いた製品には、均一な防腐、防黴機能を付加することが
できる。
は、その形成樹脂素材として塩化ビニル樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、AB
S樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリウレタン樹脂等が
用いられる。そして、この形成素材樹脂に前述の防腐
剤、防黴剤を担持させたセルロース系微粉粒体が配合さ
れ、さらに必要に応じ公知の添加材が配合され混合され
た後、該混合物が押出成形もしくは射出成形によって所
望する形状に成形されることにより、本発明の成形品が
得られるのである。
る回り縁や幅木や、家具等の各種化粧板、さらには車両
の内装部材形状などに用いることができる。ここで、成
形品に対するセルロース系微粉粒の配合量は、樹脂の用
途や得られる製品の用途によっても異なるものの、例え
ば塩化ビニル樹脂により住宅の回り縁や幅木を作製する
場合、樹脂100重量部に対しセルロース系微粉粒が2
0〜50重量部程度配合される。
は、セルロース系微粉粒が粒状で表面に繊毛がほとんど
無い粒形状であることから、セルロース系微粉粒を樹脂
に混合する際に、セルロース系微粉粒が凝集することが
ほとんどなく、従って樹脂中にセルロース系微粉粒体が
均一に混合された状態となる。また、上述のように、セ
ルロース系微粉粒体には均一に防腐剤及び防黴剤が担持
されているので、樹脂全体に防腐剤、防黴剤が均一に配
合されることになる。従って、樹脂全体が均一に防腐、
防黴機能を有し、一部のセルロース系微粉粒体が腐食し
たり、成形品の表面の一部に黴が繁殖するようなことが
ない。
り、強度等の面で品質を向上することができる。
について説明する。この塗料は、前記磨砕処理により粒
形状にされ、かつ防腐、防黴等の抗菌機能を有する薬剤
が担持されてなるセルロース系微粉粒体を含有してなる
ものであり、塗料の樹脂成分に前記微粉粒を配合し、必
要に応じて公知の添加剤を混合し、さらに適宜な溶剤に
溶解してなるものである。ここで、セルロース系微粉粒
体は前述した磨砕方法によって得られたものであるが、
その粒径としては、塗料に配合されることからより小径
のものが好ましく、具体的には1〜15μmの範囲のも
のが好ましい。
は、展色剤に用いられるものはほぼ使用可能であるが、
なかでもウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、
ポリエステル樹脂等が好適に用いられる。また、塗料を
水溶性のものとするために粘着剤を用いてもよい。さら
に、展色剤を構成する顔料としては、例えば木質様の材
を作製する場合、木質感を出すため酸化鉄等の茶色系の
無機顔料が用いられる。
ス系微粉粒が磨砕処理され繊維状でなく独立した粒形状
になっているため、従来の木粉のごとく繊維状であるこ
とから繊維部分が絡み合って団子状、綿状になってしま
うことがなく、したがって塗料中にて凝集せず均一に分
散するものとなる。また、前記セルロース系微粉粒体に
は、均一に防腐剤、防黴剤が担持されているので、防腐
剤、防黴剤が塗料中に均一に分散することになり、セル
ロース系微粉粒体自体の腐食が防止されると共に、この
塗料を塗布した面に黴が繁殖するのが防止される。
とにより、前記成形品の表面を木質様の色彩にする際に
は、前処理として以下に述べる処理を前記成形品に施
す。まず、前記成形品の被塗装面を、ブラシやバフロー
ルにより研磨処理し、被塗装面を粗面にするとともに、
一部の表面樹脂を除去する。すると、このような研磨処
理により成形品は、成形時に生じた不要の凹凸が平滑化
されるとともに、細い掻傷を多数形成する。
主目的であるが、特に先端が不揃いのブラシを用いれ
ば、表面の荒らし方に強弱を生じ、後述する塗料塗布に
よる着色にて色ムラ等を出すことができ、これによって
木質感を一層高めることができ、さらには塗料の浸透を
よくすることができる。
工による加飾処理を行う。このエンボス加工は、ポンチ
とダイスとの間に樹脂成形物を入れて木目様の凹凸模様
を形成したり、エンボスロール間で樹脂成形物を転圧せ
しめて連続的に木目様の凹凸模様を形成する方法であ
る。
剤、防黴剤が担持され無機顔料を担持したセルロース系
微粉粒体を展色剤に配合してなる前記塗料を塗布し、木
目模様を明瞭にした後、不織布等を巻き付けたロールに
よって塗装面の余剰塗料を拭き取る。ここで塗料の塗布
については、スプレーガンによる吹き付け法や各種の流
動浸漬法など従来公知の塗布法が採用可能である。さら
に、塗装面に公知のトップコート処理を行う。また、成
形品が板材の場合には、必要に応じ所要の寸法に切断す
る。
は、セルロース系微粉粒を骨材として配合したことか
ら、手触り感が柔らかくしかもセルロース微粉粒自体に
吸湿性があることなどにより十分な木質感が得られる。
また、分散性のよい磨砕処理セルロース系微粉粒を配合
したので、各種の色調を付与する顔料の塗料中での分散
性もよくなり、よって得られた塗装面は不自然な色ムラ
がなく、エンボス加工等による自然な色調の変化のみを
有するものとなる。
配合したので、従来のシリカ等による艶消し表面と異な
り、白濁減少を生ずることなく、塗料中の使用顔料固有
の色調を有し、かつ艶消し状の着色表面が得られる。す
なわち、このような良好な艶消し面が得られるのは、基
材表面の塗膜中にセルロース系微粉粒が均一に配置さ
れ、塗膜形成後、塗膜表層においてセルロース系微粉粒
は縮まないもののその間の樹脂分が僅かに縮むため、表
面に極微小の凹凸が生じ、これにより深度反射が抑さえ
られて全艶消しがなされるからである。
より細かい粗粉砕物とする。そして、この粗粉砕物を前
記ボールミル法によって、磨砕処理する。この際に、無
機系防腐剤、防黴剤をボールミル内に添加して、木粉に
担持する。そして、前記磨砕処理により得られた粒径が
30μm〜100μm、平均粒径が50μmの木粉を用
意した。
黴剤担持)を塩化ビニル樹脂100重量部に対し30重
量部配合し、さらに添加剤として公知の材料を適宜量配
合して混合し、得られた混合粉末を用いて押出成形し、
幅60mm、厚さ7mm、長さ10mの板材を得た。得
られた板材を目視で観察しさらに手触り感を調べたとこ
ろ、表面が柔らかくベトつきがないことが確認された。
向の側端面にバフロールで研磨処理を施し、処理面を粗
面にした。次に、研磨処理した面にさらにポンチとダイ
スとによるエンボス加工を施し、木目様の凹凸模様を形
成した。
径が1μm〜15μmの木粉微粉粒に上述のように防腐
剤、防黴剤を担持してなる木粉微粉粒を用意し、これを
ウレタン樹脂(固形分)100重量部に対して400重
量部配合する。また、茶色顔料として酸化鉄を配合し、
さらに添加剤を配合し、これらを溶剤に投入して攪拌混
合し、塗料を作製した。
工を施した面にスプレーガンで塗布し、木目模様を明瞭
にした後、不織布等を巻き付けたロールによって塗装面
の余剰塗料を拭き取った。さらに、塗装面にスプレーガ
ン、フローコーター等によってウレタン樹脂系、アクリ
ル樹脂系塗料によってトップコート処理を行い、5mの
長さに切断して幅木を得た。
適度にあり、しかも艶消しされているため天然の木材に
極めて近い表層を有していた。また、手触りも塗装面が
柔らかくまたベトつきがないため、十分な木質感を有し
たものとなった。
求項1記載のセルロース系微粉粒体は、木材の粗粉砕物
がボールミルにより磨砕されることによって繊維状でな
く表面に繊毛がほとんどない独立した粒形状に形成され
たものであるから、従来の木粉のように攪拌しても凝集
する可能性が極めて少なく、従って液状もしくは粉状も
しくは粒状の防腐剤、防黴剤と容易かつ均一に混ざり合
い、これにより防腐剤、防黴剤を容易に担持して防腐、
防黴機能を有するものとなり、さらにはセルロース系微
粉粒体自身の腐食も防止されたものとなる。また、この
セルロース系微粉粒体にあっては、各種製品に含有され
ることにより、該セルロース系微粉粒体自身が従来の木
粉に比べ樹脂等と混合しやすいため、前記製品中に均一
に分散するするものとなり、よって製品表面の全面に渡
って均一に防黴機能を付加することができる。従って、
このセルロース系微粉粒体を骨材等の原料として用いれ
ば、このセルロース系微粉粒体を含有する製品に、植物
細胞体自身が持つ柔らかな感触や吸湿性といった木質様
の性質と共に、防腐防黴機能を付加することができる。
樹脂からなる成形品に木質様の性質が付加されると共
に、成形品内に含有されたセルロース系微粉粒体自身に
防腐剤、防黴剤が均一に担持されたものであるから、一
部のセルロース系微粉粒体が腐食したり、成形品の表面
の一部に黴が繁殖したりすることが防止される。また、
セルロース系微粉粒体が従来の木粉に比較して極めて分
散性がよく、しかも、セルロース系微粉粒体に均一に防
腐剤、防黴剤が担持されていることにより、成形品の組
成が均一なものとなり、防腐剤、防黴剤を添加すること
による強度の劣化等の問題が生じることが防止される。
様に、塗布面に木質様の性質を付加できると共に、塗料
中のセルロース系微粉粒体自身が腐食することがなく、
また、塗布面に黴が繁殖することがないので、バス、ト
イレ、洗面所等に配置される家具や住宅の部材用塗料と
して用いれば、これらに木質様の装飾を施すことができ
ると共に、塗料中のセルロース系樹脂の腐食を防止し、
さらに塗装面の全面において黴が繁殖することを防止す
ることができる。
無機顔料を担持した状態を示す断面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 木材、バカス、稲藁等の植物細胞体の粗
粉砕物が磨砕処理により粒形状にされ、かつ、この粒形
状をなす磨砕処理植物細胞体の表面に防腐、防黴等の抗
菌機能を有する薬剤が担持されてなることを特徴とする
セルロース系微粉粒体。 - 【請求項2】 前記請求項1記載のセルロース系微粉粒
体が樹脂に混合され、該混合物が押出もしくは射出成形
により成形されてなることを特徴とする成形品。 - 【請求項3】 前記請求項1記載のセルロース系微粉粒
体が展色剤に混合されてなることを特徴とする塗料。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP4166451A Expired - Fee Related JPH0816163B2 (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | セルロース系微粉粒体及び成形品及び塗料 |
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