JPH08161620A - 自動販売機用金庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 投入された硬貨を当てて飛ばし、金庫の底面
にまんべんなく溜めるようにするために、金庫の側壁に
設ける硬貨蹴飛ばし用の当たり片を従来の固定子式のも
のから可動式のものと改良して、硬貨回収時に硬貨が引
っかかっらないようにして、効率的に硬貨回収作業が行
える自動販売機用の金庫を提供することを目的とする。 【構成】 自動販売機の扉２の裏面にコインメカニズム
１３から落下してくる硬貨４を受入れ収納する横長の金
庫１を取外し可能に設け、この金庫４の一側壁１７に、
硬貨蹴飛ば用の当たり片１５Ａを枢着し、金庫装着時に
この当たり片１５Ａは硬貨４を飛ばすように斜め下方に
突出し、硬貨回収時の金庫１の逆さ時には落下回収され
る硬貨４の邪魔部材とならないように金庫１の開口部１
６に向かって傾動するように取り付けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、投入硬貨を受入れ収納
し、硬貨回収時に取り外される自動販売機用の金庫に関
する。

【０００２】

【従来の技術】自動販売機には投入硬貨受入れ用の金庫
が着装されるが、近年自動販売機は設置スペースの制約
等で薄型化傾向にあり、そのため金庫を取り付ける扉も
薄型化が進み、コインメカニズムのレイアウト、および
金庫スペースの自由度が減ってきた。一方収益率を上げ
るため、どの種の硬貨も受入れ、且つ多量の釣銭をスト
ックできるという硬貨の大収量化のために、金庫の数お
よびその容量が増加しつつある。

【０００３】従って、金庫は硬貨種の別なく全ての硬貨
を一緒に入れるように、横長で広い底面積をもつ、図８
に示すような金庫１が扉２の裏の下方部に配設され、上
方のコインメカニズム１３からの硬貨を、金庫１の上方
の開口部１６（図９参照）の片側から受け入れるような
構造のものが一般的に採用されている。ここで、金庫１
は硬貨回収時に取外しできるように、例えば支持レール
にスライド自在に嵌める等の手段で、着脱自在に支持壁
３に取り付けると共に、硬貨４の受入れ口５を支持壁３
に形成する構造としている。なお、同図において、６は
商品サンプル７を支持して前記扉２に開閉自在に設けた
サンプル展示板、８は商品収納庫９をドアラッチ１０で
開閉自在とする商品収納庫扉、そして、１１は前記商品
収納庫９内に設けた複数の商品収納コラムに対応して形
成した商品搬出口であり、１２は商品取出口を示す。

【０００４】さて、図９および図１０に示すようにコイ
ンメカニズム１３を通過して正貨と選別された硬貨４が
金庫１に入る時、硬貨４は金庫１の広い底面に満遍なく
広がって溜るように、金庫１の内部には、硬貨蹴飛ばし
用の当たり片１５を硬貨受入れ口５の下方位置に設けて
いた。またそのような当たり片を有する金庫は、実開昭
６３−１５５５８３号公報にも示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な構造の金庫１の場合、売上げ金集金のため金庫１を取
外して硬貨４を回収する時、大体の硬貨４は、逆さにさ
れ下を向いた金庫１の開口部１６から放出されるが、時
に数枚の硬貨４が図１１に示すように、硬貨蹴飛ばし用
の当たり片１５に引っかかったりすることがあり、その
ためその硬貨４を摘み出す等しなければならず、硬貨４
の回収が面倒となり、能率的でないという問題があっ
た。

【０００６】本発明は、上述の点に鑑みて成されたもの
で、硬貨蹴飛ばしようの当たり片を従来の固定子式のも
のから可動式のものと改良して、硬貨回収時に硬貨が引
っかかっらないようにすることを可能とし、効率的に硬
貨回収作業が行える自動販売機用の金庫を提供すること
を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、自動販売機の
扉の裏面に取外し可能に装着され、上方に配されたコイ
ンメカニズムから落下してくる硬貨を上方の開口部から
受入れ収納するようになっている金庫を備えた自動販売
機において、前記金庫の側壁に、金庫装着時に金庫底部
へ向い斜め下方に突出した状態で保持されると共に、硬
貨回収時の金庫の逆さ時には金庫の開口部に向かって傾
動するように装着されている硬貨蹴飛ばし用の当たり片
を備えることを特徴とする自動販売機用金庫である。

【０００８】

【作用】コインメカニズムから落下する硬貨は、金庫の
片側に反転自在に取り付けられ通常下向きに突出してい
る当たり片に当たり、跳んで金庫内にまんべんなく広ま
って溜まる。硬貨回収のため金庫を取り外して、逆さま
にすると、当たり片は硬貨の落下する方向へ逃げるよう
に回動し、硬貨とは引っかかっらないような状態にな
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づき説明
する。

【００１０】上方が開口された横長の金庫１の短手方向
の一側壁１７に、矩形状をした一対の取付孔１８、１８
を形成する。そして、前記取付孔１８、１８に挿通可能
な二股辺１９、１９が一端に形成され、且つ該二股辺１
９、１９の先端に直角に折曲して設けた係止部２０、２
０を有する硬貨蹴飛ばし用の当たり片１５Ａを用意す
る。

【００１１】前記当たり片１５Ａは金庫１の前記側壁１
７の内面に装着されるが、その装着の仕方は、前記取付
孔１８、１８に、金庫１の内側から前記当たり片１５Ａ
の係止部２０、２０を先に通すようにして差し込んで、
二股辺１９、１９を挿通させて金庫１の外側へ抜け出さ
せる。この後、抜け出た二股辺１９、１９に抜止め板２
１をネジ２２によって橋絡するように取り付ける。この
ように取り付けることで、当たり片１５Ａは取付部であ
る取付孔１８、１８を支点として、シーソー運動ををす
るように金庫１の側壁１７に揺動自在に装着される。

【００１２】この結果、金庫１を自動販売機の扉２の裏
面に取り付けた時には、当たり片１５Ａは自重で下が
り、係止部２０、２０の先端が図２に示すように金庫１
の側壁１７に当たったところで止まり、当たり片１５Ａ
は金庫１の内側に下向きに傾斜して突出した状態で保持
される。ここで、係止部２０、２０の長さを変えること
で当たり片１５Ａの突出角度を変更でき、この当たり片
１５Ａに当たり飛ぶ硬貨４の距離を調整できるので、金
庫１の長さに応じて係止部２０、２０の適当な長さの当
たり片１５Ａを使用して、所望の傾斜角度に設定して装
着すれば良い。

【００１３】こうして、金庫１を装着した自動販売機に
おいて、硬貨４が投入されるとコインメカニズム１３で
選別されて、真正の硬貨４がコインメカニズム１３を通
り抜け、硬貨受入れ孔５から金庫１内へと入る。この時
硬貨４は当たり片１５Ａに当たって、金庫１の広い底面
に満遍なく散らばるようして跳んで溜る。

【００１４】こうして投入硬貨４が所定量溜った金庫１
は、集金時に開かれる扉２より取り外される。そして、
取り外された金庫１は、図４に示すように逆さまにされ
て、中の硬貨４が集金箱等に回収される。この金庫１が
逆さまとなる時、当たり片１５Ａは図３および図５に示
すように、金庫装着時と反対方向へ回動し、抜止め板２
１が取付孔１８、１８に当たるところ迄自重で滑り落ち
る。

【００１５】この結果、当たり片１５Ａは金庫１の開口
部１６の方向へ斜め下向きに延出し、金庫１から落下す
る硬貨４が当たってもそれを滑り落すような状態となる
ので、従来の固定していた当たり片１５の場合に起きて
いた硬貨４が当たり片１５に引っかかって硬貨回収が手
間取るというような不具合が無くなる。

【００１６】そして、硬貨回収後、金庫１を扉２の裏に
装着すれば、当たり片１５Ａはまた逆に回動し、硬貨４
を飛ばす元の状態に再び戻る。

【００１７】図６及び図７は他の実施例に係るもので、
この実施例では当たり片１５Ｂを、ヒンジ２３で回動自
在に支持して金庫１の側壁１７内面に上下反転可能とな
るように取り付けている。そして、開口部１６を上とし
た金庫１の扉２への装着時には、前記当たり片１５Ｂを
金庫１の内方へ所定傾斜角度で下向きに突出した状態に
保持するためのストッパ部材２４を、金庫１の側壁１７
の内面に設けている。

【００１８】従って、金庫１の装着時には、当たり片１
５Ｂは前記ストッパ部材２４に当たって図６の状態にあ
って、投入硬貨４を蹴跳ばし金庫１内に溜める働きを
し、そして、硬貨回収時の金庫１の逆さま時には、図７
に示すように反転して、開口部１６から落下して回収さ
れる硬貨４の邪魔にならないような状態となる。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、投入され
た硬貨を収納する金庫において、金庫の広い底面に硬貨
が満遍なく広がるように、金庫の一側壁に設ける硬貨蹴
飛ばし用の当たり片を反転回動できる可動式としたの
で、硬貨回収時の金庫逆さま時には金庫の開口部の方へ
傾動して、回収落下する硬貨が引っかかっらないように
できる。よって、自動販売機の薄型化で、硬貨収納量を
増やした大なる金庫の使用となっても、硬貨回収が捗
り、使い勝手性の良い自動販売機用金庫を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る金庫に装着される反転自在な硬貨
蹴飛ばし用の当たり片の組立て分解斜視図。

【図２】硬貨蹴飛ばしの状態にある当たり片の様子を示
す側面図。

【図３】金庫を逆さまにするに伴い、当たり片が傾動す
る様子を示している側面図。

【図４】硬貨回収のため逆さまとされた金庫の様相を示
す外観斜視図。

【図５】図４における当たり片の作動状態を示す拡大斜
視図。

【図６】他の実施例における当たり片の硬貨蹴飛ばしの
状態の様相を示す側面図。

【図７】同当たり片の金庫逆さま操作に伴って傾動する
様子を示す側面図。

【図８】金庫を備える扉開放時の自動販売機の斜視図。

【図９】従来の固定式の当たり片を有する金庫に硬貨が
入る様相を示す説明図。

【図１０】図９における上面図。

【図１１】従来の金庫で硬貨回収時に当たり片に硬貨が
引っかかっる不具合を説明する説明図。

【符号の説明】

１ 金庫 ２ 扉 ４ 硬貨 １３ コインメカニズム １５Ａ、１５Ｂ 当たり片 １７ 側壁 １８、１８ 取付孔 ２０、２０ 係止部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動販売機の扉の裏面に取外し可能に装
   着され、上方に配されたコインメカニズムから落下して
   くる硬貨を上方の開口部から受入れ収納するようになっ
   ている金庫を備えた自動販売機において、 前記金庫の側壁に、金庫装着時に金庫底部へ向い斜め下
   方に突出した状態で保持されると共に、硬貨回収時の金
   庫の逆さ時には金庫の開口部に向かって傾動するように
   装着されている硬貨蹴飛ばし用の当たり片を備えること
   を特徴とする自動販売機用金庫。