JP2592412B2 - パチンコ機の機構板 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はパチンコ機の機構板に
関し、特に遊技盤の裏面に設けられる機構板の改良に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】周知のようにパチンコ機の遊技盤には、
該遊技盤に対して回動自在に機構板が配置される。そし
て、機構板には、その前面側に遊技盤の遊技領域を覆う
入賞球集合空間凹部が形成されているとともにその後面
側に賞品玉の排出に必要な各種の賞品玉排出関連機構が
形成されている。

【０００３】しかして、機構板の入賞球集合空間凹部
は、従来、遊技盤の裏面のほぼ全面にわたってパチンコ
玉の直径よりやや大きい一定の奥行巾をもって形成され
ていた。ところが、最近では遊技内容の多様化に伴い、
入賞装置が電動化、大型化、複雑化するとともに、短時
間に多量の入賞球が発生して、入賞球集合空間凹部の底
辺を形成する集合樋上にほぼ一列状に重合して貯留さ
れ、その貯留された入賞球が賞品玉の排出動作の終了に
応じて徐々に処理されるものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、近年のパチ
ンコ機では、入賞球の処理時間に対して入賞球の単位時
間当りの発生個数が極めて多いため、集合樋上に貯留さ
れる入賞球数が一時的に多くなり、最悪の場合、遊技盤
の最下方に配置される入賞口や入賞球装置に入賞球が入
賞し得ない事態も発生することが考えられる。本発明
は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とす
るところは、多量の入賞球を貯留することができると共
に貯留された入賞球が玉詰まり現象を生ずることなくス
ムーズに流下処理されることが可能なパチンコ機の機構
板を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明に係るパチンコ機の機構板は、その前
面側に前記遊技盤の遊技領域を覆う入賞球集合空間凹部
が形成されるとともに、その後面側に賞品玉排出関連機
構が形成され、前記入賞球集合空間凹部は、その下方に
おいて入賞球を一箇所に集合させる集合樋近傍の奥行巾
をパチンコ玉の直径よりもやや大きく形成する一方、前
記集合樋上方の奥行巾を前記下方の奥行巾より大きく
し、その奥行巾の異なる相互の凹部をパチンコ玉の直径
よりも小さい縦巾の傾斜面にて連結したこと、を特徴と
するものである。

【０００６】

【作用】この発明は、入賞球が集められる集合樋近傍の
機構板の奥行巾がパチンコ玉の直径よりやや大きく形成
してあるので入賞球が一列に順序よく整列し、入賞球に
よる賞品玉排出をスムーズに行うことができる。また、
パチンコ玉の直径よりも小さい縦巾の傾斜面を介して、
集合樋近傍の狭い奥行巾と集合樋上方の広い奥行巾とが
連結されているので、寸法の異なる奥行巾が極めて短い
傾斜面で連結されることとなり、寸法の異なる奥行巾を
長い傾斜面で連結する場合に比較して入賞球を貯溜し得
る空間の占有容積を増大することができるため、一度に
多量の入賞球が発生した場合でも入賞球を十分貯溜する
ことができ、且つ多量の入賞球の重合具合を前記傾斜面
によって分散することができるため、入賞球が玉詰りす
ることなくスムーズに入賞球処理器に送り出すことがで
きる。

【０００７】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図１は、パチンコ機に機構板を取り付けた状態
を示す背面斜視図である。図において、パチンコ機１の
前面枠２の裏面には、取付基枠３を介して遊技盤４が取
り付けられ、該遊技盤４の一側上下部に回転支持具５
ａ，５ｂにて機構板２０が回転自在に取り付けられてい
る。

【０００８】前記前面枠２の図示左側裏面には、ガラス
扉枠（図示しない）を前面枠２から開閉施錠し、且つ前
面枠２を外枠（図示しない）から開閉施錠する施錠装置
６が固定され、また、下方裏面には、パチンコ玉を遊技
盤４上に弾発発射する電動式の発射装置７及び上皿（図
示しない）から下皿（図示しない）へ賞品玉を誘導する
誘導樋８がそれぞれ設けられている。

【０００９】前記遊技盤４のほぼ中央には、入賞装置の
一部を構成する大型の入賞関連部品９が取り付けられ、
該入賞関連部品９の周囲をカバー状の内パック板１０が
取り囲むように配置される。内パック板１０は、図５に
示すように遊技盤４に穿設された複数の入賞孔１１ａ，
１１ｂ及び１２ａ〜１２ｄを覆うように設けられるとと
もに各入賞孔１１ａ，１１ｂ，１２ａ〜１２ｄに入賞し
たパチンコ玉ＳＰを誘導する複数の誘導径路１３ａ〜１
３ｄが形成され、該誘導径路１３ａ〜１３ｄの出口部分
には、入賞球を検出する入賞球検出器１４ａ〜１４ｃが
固定されている。また、内パック板１０には、入賞装置
との関連で設けられるソレノイド１５や入賞があったこ
とを表示する表示ランプ１６ａ，１６ｂも固定されてい
る。そして、これら電気によって作動される部品には、
電気コード１７が配線されている。なお、内パック板１
０の奥行巾は、パチンコ玉の直径よりやや大きめに設計
されている。

【００１０】前記機構板２０は、その前面側に前記遊技
盤４の遊技領域を覆うように入賞球集合空間凹部２１が
形成されている。この入賞球集合空間凹部２１のほぼ中
央に前記内パック板１０に対応する方形状の孔２２が穿
設され、該孔２２から前記大型の入賞関連部品９が機構
板２０より後方へ突出するようになっている。また、入
賞球集合空間凹部２１は、その下方において入賞球を一
箇所に集合させる集合樋２３近傍の奥行巾ｌ（図３参
照）をパチンコ玉の直径よりもやや大きく形成する一
方、該集合樋２３上方の空間凹部の奥行巾Ｌを前記奥行
巾ｌよりも相対的に大きく形成してあり、且つ奥行巾の
異なる相互の凹部をパチンコ玉の直径より小さい縦巾Ｈ
１の傾斜面２４にて連結した構造となっている。なお、
上記相対的に大きな奥行巾Ｌは、好ましくはパチンコ玉
の直径の２倍よりやや小に選ばれるとよい。また入賞球
集合空間凹部２１内の前記集合樋２３に対向する位置で
あって、前記傾斜面２４下端に沿って振動樋２５が固定
され、集合樋２３との間で入賞球を入賞球処理器２６
（図６参照）へ誘入する誘入通路を形成し、且つ該通路
の入口部分での入賞球の玉詰りを防止する機能を果すも
のである。

【００１１】前記集合樋２３の下方には、アウト玉通路
２７及び入賞球通路２９が形成され、アウト玉通路２７
の途中には、アウト玉を検出し、あるいは計数するアウ
ト玉検出器２８が介挿され、入賞球通路２９内には、後
述する賞品玉排出関連機構を作動せしめる揺動杆３０
（図６参照）が挿入されている。

【００１２】一方、前記機構板２０の後面側には、図６
に示されるように賞品玉排出関連機構を構成する賞品玉
を貯溜する賞品玉タンク３１、該賞品玉タンク３１から
賞品玉を導く賞品玉樋３２、該賞品玉樋３２に連接して
所定数の賞品玉を排出せしめるように制御する賞品玉ケ
ース３３、該賞品玉ケース３３から排出された賞品玉を
パチンコ機前面に設けられる図示しない賞品玉上皿及び
下皿に導く賞品玉排出通路３４等が配設されている。な
お、賞品玉排出通路３４の上部には、賞品玉ケース３３
から排出された賞品玉を受けて賞品玉の排出のタイミン
グを調節する揺動レバー３５が設けられている。

【００１３】上記実施例に係る機構板２０は、以上説明
した構造を有するものであるから、遊技盤４に取り付け
られた内パック板１０の奥行巾と機構板２０の入賞球集
合空間凹部２１との間に適度の間隔が形成されるため、
図４（Ａ）に示すように従来の電気用コード１７を機構
板２０の孔２２を通して外部に出すことができにくいと
いう欠点を解消して、内パック板１０から配線される電
気コード１７を図４（Ｂ）に示すように機構板２０に穿
設した孔２２から外部に導き出すことがきわめて容易に
行え、しかも集合樋２３近傍の機構板２０の奥行巾ｌ
は、図３に示すようにパチンコ玉の直径よりやや大きく
形成してあるので入賞球が一列に順序よく整列して入賞
球処理器２６に送られ入賞球による賞品玉排出をスムー
ズに行うことができる。また、パチンコ玉の直径よりも
小さい縦巾Ｈ１の傾斜面２４を介して、集合樋近傍の狭
い奥行巾ｌと集合樋上方の広い奥行巾Ｌとが連結されて
いるので、寸法の異なる奥行巾ｌ，Ｌが極めて短い傾斜
面２４で連結されることとなり、寸法の異なる奥行巾を
長い傾斜面で連結する場合に比較して入賞球を貯溜し得
る空間の占有容積を増大することができるため、一度に
多量の入賞球が発生した場合でも入賞球を十分貯溜する
ことができ、且つ多量の入賞球の重合具合を前記傾斜面
２４によって分散することができるため、入賞球が玉詰
りすることなくスムーズに入賞球処理器２６に送り出さ
れる。

【００１４】

【発明の効果】この発明は、上記の説明からも明らかな
通り、入賞球が集められる集合樋近傍の機構板の奥行巾
がパチンコ玉の直径よりやや大きく形成してあるので入
賞球が一列に順序よく整列し、入賞球による賞品玉排出
をスムーズに行うことができる。また、パチンコ玉の直
径よりも小さい縦巾の傾斜面を介して、集合樋近傍の狭
い奥行巾と集合樋上方の広い奥行巾とが連結されている
ので、寸法の異なる奥行巾が極めて短い傾斜面で連結さ
れることとなり、寸法の異なる奥行巾を長い傾斜面で連
結する場合に比較して入賞球を貯溜し得る空間の占有容
積を増大することができるため、一度に多量の入賞球が
発生した場合でも入賞球を十分貯溜することができ、且
つ多量の入賞球の重合具合を前記傾斜面によって分散す
ることができるため、入賞球が玉詰りすることなくスム
ーズに入賞球処理器に送り出すことができる。もちろ
ん、入賞装置に電気的部品が存しないために内パック板
から電気コードが配線されないパチンコ機に対してもこ
の発明に係る機構板は、そのまま応用できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る機構板を取り付けたパチンコ機の
背面斜視図である。

【図２機構板の前面側を示す斜視図である。【図３】集
合樋部分の縦断面図である。

【図４】（Ａ）は、従来の内パック板と機構板との関係
を示す横断面図であり、（Ｂ）は、実施例に係る内パッ
ク板と機構板との関係を示す横断面図である。

【図５】内パック板の構造を示す背面図である。

【図６】パチンコ機の背面図である。

【符号の説明】

１ パチンコ機 ４ 遊技盤 ２０ 機構板 ２１ 入賞球集合空間凹部 ２３ 集合樋 ２４ 傾斜面

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遊技盤の裏面に配置される機構板であっ
   て、 前記機構板は、その前面側に前記遊技盤の遊技領域を覆
   う入賞球集合空間凹部が形成されるとともに、その後面
   側に賞品玉排出関連機構が形成され、 前記入賞球集合空間凹部は、その下方において入賞球を
   一箇所に集合させる集合樋近傍の奥行巾をパチンコ玉の
   直径よりもやや大きく形成する一方、前記集合樋上方の
   奥行巾を前記下方の奥行巾より大きくし、その奥行巾の
   異なる相互の凹部をパチンコ玉の直径よりも小さい縦巾
   の傾斜面にて連結したことを特徴とするパチンコ機の機
   構板。