JPH0816137B2 - 不飽和共重合体樹脂複合体 - Google Patents

不飽和共重合体樹脂複合体

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JPH0816137B2
JPH0816137B2 JP61274339A JP27433986A JPH0816137B2 JP H0816137 B2 JPH0816137 B2 JP H0816137B2 JP 61274339 A JP61274339 A JP 61274339A JP 27433986 A JP27433986 A JP 27433986A JP H0816137 B2 JPH0816137 B2 JP H0816137B2
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unsaturated copolymer
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志朗 後藤
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F255/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of hydrocarbons as defined in group C08F10/00

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は複合化された不飽和共重合体樹脂に関する。
更に詳しくは、特定のα−オレフインと特定の鎖状非共
役ジエンから成る不飽和共重合体樹脂をラジカル重合可
能な単量体と共にラジカルグラフト条件に付して成る不
飽和共重合体樹脂複合体に関する。
本発明に用いる不飽和共重合体樹脂は、鎖状非共役ジ
エンに由来する不飽和基を側鎖に有しており、架橋、塗
装等が可能であるが、機械的性質、熱的性質、有機溶媒
への溶解度、異種樹脂との相溶性等に於ては本質的にポ
リオレフインのそれらと殆んど同じであり、該不飽和共
重合体樹脂の高度利用という観点からある種の改質が望
まれている。
目的 かかる状況から、本発明は不飽和共重合体樹脂の有す
る機械的性質および熱的性質を大幅に損うことなく、し
かも有機溶媒への溶解度及び異種樹脂との相溶性ないし
は分散性が著るしく改善され、高度な利用が可能な不飽
和共重合体樹脂複合体を提供することを目的とする。
先行技術 不飽和共重合体樹脂:本発明に用いる不飽和共重合体
樹脂は公知であり、炭素数2〜12のα−オレフインと鎖
状非共役ジエンとをいわゆるチ−グラー・ナツタ触媒を
用いて共重合して製造することができる。
例えば、特開昭55−165907、同56−30413、同56−304
14、同56−36508、同56−55409、同59−155416、各号公
報明細書に記載されている。これらの不飽和共重合体樹
脂は架橋性、塗装性、接着性等において、従来のいわゆ
るポリオレフイン系樹脂に較べて著るしく改良されては
いるが、機械的性質、熱的性質、有機溶媒への溶解度、
異種高分子との相溶性ないし分散性等の点では本質的に
従来のポリオレフイン系樹脂と変るところがなかつた。
ラジカルグラフト重合:本発明の複合不飽和共重合体
樹脂を製造する方法としてのラジカルグラフト重合の手
法も公知である。例えば、高分子と単量体の共存下、γ
−線、電子線等の放射線を照射する方法、高分子に放射
線を照射したのち、単量体を共存させる方法、溶液状
態、溶融状態、あるいは分散状態で高分子と単量体を共
存させ、有機もしくは無機過酸化物あるいはレドツクス
系等のラジカル重合触媒によつてグラフト重合する方法
等がある。
ポリオレフイン系樹脂へのグラフト重合の例として
は、例えば、ポリプロピレン粒子存在下に単量体を水性
分散懸濁系でグラフト重合する方法(特公昭49−2346、
特開昭52−32990各号公報等)がある。この方法に於て
は、ポリプロピレンの性質がかなり改質されてはいるも
のの、原料高分子として通常のポリプロピレンを使用す
るために、特に有機溶媒への溶解度は満足なものではな
かつた(比較例1参照)。
不飽和ゴム(例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポ
リイソプレン、ポリクロロプレン、EPDM等)への単量体
のグラフト重合物も公知であり、接着剤、プライマー、
耐衝撃性樹脂(例えば、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹
脂等)等として広く実用に供されている。これらのグラ
フト重合物は、有機溶媒への溶解度は満足な領域にある
ものの、原料高分子としてゴムを用いる結果、高い弾性
率のグラフト重合物を得るためには、ゴムの使用量に大
きな制限があつた。
本発明に使用する不飽和共重合体樹脂へのグラフト反
応の例としては、本願出願人による特開昭57−98508号
公報がある。この公報によれば、不飽和共重合体樹脂の
接着性が著るしく向上する。しかしながら、用いる単量
体が不飽和有機酸またはその誘導体に限定され、しか
も、単量体の使用量は不飽和共重合体樹脂100重量部に
対して50重量部未満に限定されている。その結果、スチ
レン系樹脂、ポリフエニレンエーテル系樹脂との接着な
いしはブレンド等においては優れた効果を期待できない
し、単量体の使用量に制限があるところから有機溶媒へ
の溶解度や異種高分子との相溶性ないし分散性も満足な
ものではなかつた。
不飽和共重合体樹脂の有するポリオレフイン系樹脂特
有の優れた機械的及び熱的性質を大きく損なうことな
く、有機溶媒への溶解度、異種高分子との相溶性ないし
分散性を著るしく向上させ、もつて高度な利用を計ると
いう観点からは、従来技術は必ずしも工業的に完成され
ているとは言い難い。
発明の概要 要旨 本発明者らは、ポリオレフイン系樹脂の有する優れた
機械的および熱的性質を大きく損うことなく、有機溶媒
への溶解度、異種高分子との相溶性ないし分散性等が著
るしく改善された樹脂につき鋭意検討の結果、本発明に
到達した。
すなわち、本発明は下記不飽和共重合体樹脂100重量
部をラジカル重合可能な単量体5重量部を越え300重量
部以下(但し、単量体が不飽和カルボン酸またはその誘
導体のみから成るときは、該単量体は50重量部を越え30
0重量部以下)と共にラジカルグラフト重合条件に付し
該不飽和共重合体樹脂に該単量体をグラフト重合させた
ものであること、を特徴とする不飽和共重合体樹脂複合
体を供給しようとするものである。
不飽和共重合体樹脂:炭素数2〜12のα−オレフイン
の少くとも一種と、式(I)で表わされる鎖状非共役ジ
エンの少くとも一種とから成る共重合体であつて、鎖状
非共役ジエン含両が0.05〜50モル%で、かつJIS−K−7
203による弾性率が500〜80,000kg/cm2である不飽和共重
合体樹脂。
効果 本発明では原料高分子として前記不飽和共重合体樹脂
を使用するために、ラジカル重合可能な多種の単量体
を、広い範囲の量にわたつて使用できる。その結果、不
飽和共重合体樹脂の有するポリオレフイン系樹脂特有の
機械的、熱的性質が大きく損われることなく、しかも有
機溶媒への溶解度、異種高分子との相溶性ないし分散性
が著るしく高い従来に無い樹脂を供給することができ
る。
したがつて、本発明の複合不飽和共重合体樹脂は、そ
れ自身を各種成形体として使用できることは勿論、ポリ
オレフイン系樹脂と異種高分子との溶融接着剤、ポリオ
レフイン系樹脂と異種高分子とのブレンド助剤、有機溶
媒に溶解したプライマーなどとして優れた性能を発揮す
ることができる。
また、本発明の不飽和共重合体樹脂複合体は、その分
子構造中に側鎖炭素−炭素不飽和結合を有しているの
で、さらに各種の改質、例えば、架橋、種々の基や化合
物を付加すること等も容易であるため、種々の機能性樹
脂としての用途も期待できる。
本発明で特筆すべきは、本来、ラジカル発生源によつ
て多量のゲル(沸とうキシレン不溶部)が生成する不飽
和共重合体樹脂ではあるが、ラジカル重合可能な単量体
の共存下ではゲル生成量が著るしく少い例が多いこと、
並びに、例え多量のゲル(30%以上)が生成しても、ブ
ラベンダープラストグラフ等で素練りすることによつて
成形可能なゲル量に低下することである。これらの事実
はまさに思いがけない発見と言わねばならない。
発明の具体的説明 不飽和共重合体樹脂 本発明で使用する不飽和共重合体樹脂は、炭素数2〜
12のα−オレフインと式(I)で表わされる鎖状非共役
ジエンとの共重合体であつて、鎖状非共役ジエン含量が
0.05〜50モル%で、かつJIS−K−7203による弾性率が5
00〜80, 000kg/cm2である。
不飽和共重合体樹脂の構成成分の一つである上記α−
オレフインの例としては、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、1−ヘキサン、3−メチル−1−ブテン、3−
メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,
3−ジメチル−1−ブテン、4,4−ジメチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキ
セン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、5−メチル−1
−ヘキセン、アリルシクロペンタン、アリルシクロヘキ
サン、アリルベンゼン、3−シクロヘキシル−1−ブテ
ン、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロヘキサン、2
−ビニルビシクロ〔2,21〕−ヘプタンなどを挙げること
ができる。これらのうち好ましい例としては、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、ヘキセン、3−メチル−
1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、などを挙げ
ることができ、特にエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、および4−メチル−1−
ペンテンが好ましい。これらのα−オレフインは一種で
もよく、また、不飽和共重合体樹脂が前記弾性率の範囲
内である限り二種以上用いてもさしつかえない。特にα
−オレフインが1−ヘキセンのときは、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−
メチル−1−ブンテのうち少くとも一種との併用が好ま
しい。二種以上のα−オレフインを用いる場合は該α−
オレフインが不飽和共重合体樹脂中にランダムに分布し
ていてもよく、あるいはブロツク的に分布していてもよ
い。
前記式(I)で表わされる鎖状非共役ジエンは、好ま
しくは、nが1〜3で、R1、R2およびR3が水素原子また
は炭素数1〜4のアルキル基であつて、R1、R2およびR3
の全てが水素原子でないものである。更に、特に好まし
くは、nが1で、R1が炭素数1〜3のアルキル基、R2
よびR3が水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であ
つて、R2およびR3が同時に水素原子でないものである。
これらの具体例としては、例えば2−メチル−1,4−
ペンタジエン、4−メチリデン−1−ヘキセン、1,4−
ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−
メチル−1,4−ヘキサジエン、1,4−ヘプタジエン、4−
エチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘ
キサジエン、4−メチル−1,4−ヘプタジエン、4−エ
チル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジ
エン、5−メチル−1,4−オクタジエンなどの鎖状1,4−
ジエン類;1,5のヘプタジエン、1,5−オクタジエン、5
−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプ
タジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエンなどの鎖状
1,5−ジエン類;1,6−オクタジエン、6−メチル−1,6−
オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、2−
メチル−1,6−ヘプタジエンなどの鎖状1,6−ジエン類な
どが好適である。
これらの例の中でも特に好ましい例は4−メチル−1,
4−ヘキサジエンまたは5−メチル−1,4−ヘキサジエン
である。
これらの非共役ジエンは単独でもまた二種以上併用し
てもよく、後者の好適な例としては4−メチル−1,4−
ヘキサジエンと5−メチル−1,4−ヘキサジエンの併用
(重量比95:5〜5:95)を挙げることができる。
これらの鎖状非共役ジエンは、不飽和共重合体樹脂中
にランダムに分布していてもよく、あるいはブロツク的
に分布していてもよい。
不飽和共重合体樹脂中の鎖状非共役ジエンの好ましい
含量は0.1〜30モル%、特に好ましくは0.5〜15モル%で
ある。0.05モル%未満では、不飽和共重合体樹脂中の不
飽和基含量が少いために、グラフト効率を上げるのが難
かしく、複合不飽和共重合体樹脂の有機溶媒への溶解
度、異種高分子との相溶性ないし分散性の改良効果等を
発揮し難いという欠点がある。一方、50モル%超過で
は、不飽和共重合体樹脂の製造に際し、共重合速度が遅
く、スラリー重合の場合は溶媒可溶性の副生ポリマーが
多くなり、重合系の粘度が高くなつて生産性が悪いとと
もに、生成不飽和共重合体にベタつきが生じたり、樹脂
状を保たなかつたりするなどの欠点がある。
不飽和共重合体樹脂は、JIS−K−7203に準拠する弾
性率が、500〜80,000kg/cm2、好ましくは1,000〜50,000
kg/cm2、特に好ましくは2,000〜30,000kg/cm2の樹脂状
のものである。
また、不飽和共重合体樹脂の分子量は、上述の樹脂状
を保つ限り特に制限はないが、例えば、α−オレフイン
が主としてプロピレンから成る場合、JIS−K−6758に
準拠して測定したメルトフローレート(MFR)が通常0.0
01〜500g/10分、好ましくは0.01〜200g/10分、特に好ま
しくは0.05〜100g/10分に相当する分子量である。
不飽和共重合体樹脂の分子構造的見地からの好ましい
型を例示すると次の通りである。
(1)一種または二種以上のα−オレフインと一種また
は二種以上の鎖状非共役ジエンとのランダム共重合体。
(2)一種または二種以上のα−オレフイン重合ブロツ
クと、一種または二種以上のα−オレフインと一種また
は二種以上の鎖状非共役ジエンとのランダム共重合ブロ
ツクとからなるブロツク共重合体(α−オレフイン重合
ブロツクのα−オレフインの種類と量比は、ランダム共
重合ブロツクのα−オレフインのそれらと同じであつて
も異なつていてもよい)。
(3)一種または二種以上のα−オレフインと一種また
は二種以上の鎖状非共役ジエンとのランダム共重合ブロ
ツク(ブロツクa)と、α−オレフインと鎖状非共役ジ
エンとのランダム共重合ブロツク(ブロツクb)であつ
て、このブロツクbに含まれるα−オレフインの種類、
数、および量比、また鎖状非共役ヴエンの種類、数、お
よび量比のうち、少くとも一つがブロツクaと異なるブ
ロツクとからなるブロツク共重合体。こゝで、「ブロツ
ク共重合体」とは次のような共重合体を意味する。例え
ば、「モノマーAの単独重合ブロツクおよびモノマーA
とモノマーBとのランダム共重合ブロツクとからなるブ
ロツク共重合体」とは、モノマーAの単独重合ブロツク
とモノマーAとモノマーBとのランダム共重合ブロツク
とが化学的に結合して のような形になつているものが全組成を構成しているも
のの他に、このようなモノマーAの単独重合ブロツク
と、モノマーAとモノマーBとのランダム共重合ブロツ
クとが化学結合している共重合体を含み、かつ、モノマ
ーAの単独重合体やモノマーAとモノマーBとのランダ
ム共重合体等も混合物として含んだものをも意味する。
同様に、「重合ブロツクaと、重合ブロツクbとから
なるブロツク共重合体」とは、重合ブロツクaと重合ブ
ロツクbとが化学的に結合しているものが全組成を構成
しているものの他に、重合ブロツクaと重合ブロツクb
とが化学的に結合した共重合体を含み、かつ、重合ブロ
ツクaのみからなる重合体や重合ブロツクbのみからな
る重合体等も混合物として含んだものをも意味し、チー
グラー・ナツタ触媒を用いて合成された、いわゆる「ブ
ロツク共重合体」と同じ意味である。
これらの不飽和共重合体樹脂の具体的な好ましい例と
しては、プロピレンと4−メチル−1,4−ヘキサジエン
とのランダム共重合体;プロピレンと5−メチル−1,4
−ヘキサジエンとのランダム共重合体;プロピレンと4
−メチル−1,4−ヘキサジエンおよび5−メチル−1,4−
ヘキサジエンとのランダム共重合体;プロピレンとエチ
レンと4−メチル−1,4−ヘキサジエンおよび5−メチ
ル−1,4−ヘキサジエンとのランダム共重合体;プロピ
レンの単独重合ブロツクおよびプロピレンと4−メチル
−1,4−ヘキサジエンならびに5−メチル−1,4−ヘキサ
ジエンとのランダム共重合体ブロツクとからなるブロツ
ク共重合体;プロピレンの単独重合ブロツクおよびエチ
レンと4−メチル−1,4−ヘキサジエンならびに5−メ
チル−1,4−ヘキサジエンとのランダム共重合体ブロツ
クとからなるブロツク共重合体;エチレンの単独重合ブ
ロツクおよびプロピレンと4−メチル−1,4−ヘキサジ
エンならびに5−メチル−1,4−ヘキサジエンとのラン
ダム共重合ブロツクとからなるブロツク共重合体;プロ
ピレンとエチレンとのランダム共重合ブロツクおよびプ
ロピレンとエチレンと4−メチル−1,4−ヘキサジエン
ならびに5−メチル−1,4−ヘキサジエンとのランダム
共重合ブロツクとからなるブロツク共重合体;エチレン
と4−メチル−1,4−ヘキサジエンならびに5−メチル
−1,4−ヘキサジエンとのランダム共重合ブロツクおよ
びプロピレンと4−メチル−1,4−ヘキサジエンならび
に5−メチル−1,4−ヘキサジエンとのランダム共重合
ブロツクとからなるブロツク共重合体;プロピレンと4
−メチル−1,4−ヘキサジエンならびに5−メチル−1,4
−ヘキサジエンとのランダム共重合ブロツクおよびプロ
ピレンとエチレンと4−メチル−1,4−ヘキサジエンな
らびに5−メチル−1,4−ヘキサジエンとのランダム共
重合ブロツクとからなるブロツク共重合体;プロピレン
と4−メチル−1,4−ヘキサジエンならびに5−メチル
−1,4−ヘキサジエンとのランダム共重合ブロツク、プ
ロピレンとエチレンと4−メチル−1,4−ヘキサジエン
ならびに5−メチル−1,4−ヘキサジエンとのランダム
共重合ブロツク、およびエチレンと4−メチル−1,4−
ヘキサジエンならびに5−メチル−1,4−ヘキサジエン
とのランダム共重合ブロツクとからなるブロツク共重合
体;エチレンと4−メチル−1,4−ヘキサジエンならび
に5−メチル−1,4−ヘキサジエンとのランダム共重合
ブロツクおよびプロピレンとエチレンと4−メチル−1,
4−ヘキサジエンならびに5−メチル−1,4−ヘキサジエ
ンとのランダム共重合ブロツクとからなるブロツク共重
合体;エチレンと1,4−ヘキサジエンとのランダム共重
合体;エチレンと4−メチル−1,4−ヘキサジエンとの
ランダム共重合体;エチレンと5−メチル−1,4−ヘキ
サジエンとのランダム共重合体;エチレンと4−メチル
−1,4−ヘキサジエンおよび5−メチル−1,4−ヘキサジ
エンとのランダム共重合体;エチレンとプロピレンなら
びに4−メチル−1,4−ヘキサジエンおよび5−メチル
−1,4−ヘキサジエンとのランダム共重合体;エチレン
とブテンならびに4−メチル−1,4−ヘキサジエンおよ
び5−メチル−1,4−ヘキサジエンとのランダム共重合
体;エチレンと1−ヘキセンならびに4−メチル−1,4
−ヘキサジエンおよび5−メチル−1,4−ヘキサジエン
とのランダム共重合体;エチレンと4−メチル−1−ペ
ンテンならびに4−メチル−1,4−ヘキサジエンおよび
5−メチル−1,4−ヘキサジエンとのランダム共重合
体;エチレンの単独重合ブロツクと、エチレンと1,4−
ヘキサジエンとのランダム共重合ブロツクとからなるブ
ロツク共重合体;エチレンの単独重合ブロツクと、エチ
レンと4−メチル−1,4−ヘキサジエンおよび5−メチ
ル−1,4−ヘキサジエンとのランダム共重合ブロツクと
からなるブロツク共重合体;1−ブテンと4−メチル−1,
4−ヘキサジエンおよび5−メチル−1,4−ヘキサジエン
とのランダム共重合体;3−メチル−1−ブテンと4−メ
チル−1,4−ヘキサジエンおよび5−メチル−1,4−ヘキ
サジエンとのランダム共重合体;4−メチル−1−ペンテ
ンと4−メチル−1,4−ヘキサジエンおよび5−メチル
−1,4−ヘキサジエンとのランダム共重合体等を挙げる
ことができる。これらのうち特に好ましい例としては、
α−オレフインの入手と共重合体の製造の容易さ等の観
点から、プロピレンと4−メチル−1,4−ヘキサジエン
および5−メチル−1,4−ヘキサジエンとのランダム共
重合体;プロピレンの単独重合ブロツクと、エチレンと
4−メチル−1,4−ヘキサジエンおよび5−メチル−1,4
−ヘキサジエンとのランダム共重合ブロツクとからなる
ブロツク共重合体;エチレンと4−メチル−1,4−ヘキ
サジエンおよび5−メチル−1,4−ヘキサジエンとのラ
ンダム共重合体;プロピレン、エチレン、4−エチル−
1,4−ヘキサジエンおよび5−メチル−1,4−ヘキサジエ
ンからなるランダム共重合体;エチレンと4−メチル−
1,4−ヘキサジエンおよび5−メチル−1,4−ヘキサジエ
ンとのランダム共重合体ブロツクと、プロピレンと4−
メチル−1,4−ヘキサジエンおよび5−メチル−1,4−ヘ
キサジエンとのランダム共重合体ブロツクとからなるブ
ロツク共重合体等を挙げることができる。
ラジカル重合可能な単量体 不飽和共重合体樹脂にグラフト重合すべき単量体はラ
ジカル機構で単独重合もしくは共重合し得る化合物であ
る(以下単量体と略記)。
これ等の単量体としては、ビニルモノマー、ビニリデ
ンモノマー、α,β不飽和カルボン酸及びその誘導体が
ある。
具体的には、例えば、スチレン、核置換スチレンたと
えばメチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレ
ン、イソプロピルスチレン、クロルスチレン、クロルメ
チルスチレン、α−置換スチレンたとえばα−メチルス
チレン、α−エチルスチレン等のスチレン系単量体;塩
化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデ
ン等のハロゲン化ビニルないしハロゲン化ビニリデン;
アクリロニトリル;メタクリロニトリル;酢酸ビニル;
ビニルナフタレン;ビニルカルバゾール;ビニルピリジ
ン;ビニルピロリドン;メチルビニルケトン;アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン
酸、シトラコン酸、ハイミツク酸、クロトン酸、これら
のエステル(アルコール成分の炭素数1〜10程度)、無
水物、金属塩、アミド、イミド等の不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体等を挙げることができる。これらのうち
スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、アルコール成分が炭素数1〜8
のアルキル基であるアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸あるいはフマール酸エステル、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、アルキル(炭素数1
〜8)・グリシジルマレエート、アルキル(炭素数1〜
8)・グリシジルフマレート、無水マレイン酸等が好ん
で用いられる。
これらの単量体は単独または二種以上併用して使用さ
れる。不飽和カルボン酸またはその誘導体は他の単量体
と併用されることが多い。
単量体の使用量は、不飽和共重合体樹脂100部(重量
部。以下同様)に対して、5重量部を越え300重量部以
下(但し、単量体が不飽和カルボン酸またはその誘導体
のみからなるときは50重量部を越え300重量部以下)、
好ましくは50〜200部、特に好ましくは55〜150部であ
る。単量体が5部以下では本発明による改良効果が殆ん
ど無く、また、300部超過では不飽和共重合体樹脂の機
械的性質が発揮され難い。
不飽和共重合体樹脂複合体の製造 本発明の不飽和共重合体樹脂複合体は、不飽和共重合
体樹脂を単量体と共に従来公知のラジカルグラフト重合
条件に付して製造する。例えば、不飽和共重合体樹脂と
単量体の共存下、γ−線、電子線等の放射線を照射する
方法、不飽和共重合体樹脂に放射線を照射したのち単量
体を共存させる方法、溶液状態、溶融状態あるいは分散
状態で不飽和共重合体樹脂と単量体を共存させ、有機も
しくは無機過酸化物あるいはレドツクス系等のラジカル
重合触媒によつてグラフト重合する方法等いずれも本発
明に採用することができる。これらの方法のうち、不飽
和共重合体樹脂粒子存在下に単量体を水性分散懸濁系で
該樹脂に含浸させ、ラジカル重合触媒を用いてグラフト
重合する方法が特に好ましく、以下この方法についてさ
らに詳しく述べる。
不飽和共重合体樹脂粒子の大きさは特に制限はなく該
樹脂合成工程で製出する粉末状でもよく、該粉末を押出
機等でペレツト状に形成されていてもよい。ペレツト状
の場合、単量体の含浸を容易にするためには平均粒径が
1〜5mm程度であるのが好ましい。粉末状の場合、平均
粒径が小さ過ぎると(例えば0.05mm以下)、複合不飽和
共重合体樹脂製造時に融着ないしは凝集することがある
が、水との量比、攪拌速度、懸濁剤の種類・量などの選
定により融着ないし凝集を防止することができる。
ラジカル重合触媒は、油溶性で、半減期が10時間とな
る分解温度(10時間半減期温度)が40〜150℃の範囲で
あるのが好ましく、特に50〜130℃のものが好ましい。
ラジカル重合触媒の具体例として、イソブチリルパーオ
キシド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシ
ジカーボネート、クミルバーオキシネオヘキサノエー
ト、ジ(メトキシイメプロピル)パーオキシジカーボネ
ート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネ
ート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブ
チルパーオキシネオヘキサノエート、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキシド、t−ヘキシルパーオキシピバレ
ート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリ
メチルヘキサノイルパーオキシド、オクタノイルパーオ
キシド、クミルパーオキシオクトエート、アセチルパー
オキシド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノ
エート)、m−トルオイルパーオキシド、ベンゾイルパ
ーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t
−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ
3,5,5−トリメチルヘキサノエート、シクロヘキサノン
パーオキシド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,
2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジパーオキシ
イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキシド、ジ
クミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、
ジ−t−ブチルパーオキシド、p−メンタンヒドロパー
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−
ブチルヒドロパーオキシドなどを挙げることができる。
これらの例の中で好ましい例としてクミルパーオキシネ
オヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエ
ート、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、2,4
−ジクロロベンゾイルパーオキシド、t−ヘキシルパー
オキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、オクタ
ノイルパーオキシド、アセチルパーオキシド、t−ブチ
ルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、ベンゾイ
ルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレー
ト、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノ
エート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジパー
オキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などを挙げることがで
き、特に好ましい例としてt−ブチルパーピバレート、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、オクタ
ノイルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ベンゾイ
ルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメ
チルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾ
イルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセ
テート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−
ブチルジパーオキシイソフタレートなどを挙げることが
できる。これらのラジカル重合触媒は一種でもよく、二
種以上併用することもできる。
ラジカル重合触媒の添加方法は、単量体に溶解して使
用するのが好ましいが、単量体を不飽和共重合体樹脂に
含浸させたのち、有機溶媒等に溶解して一度に、あるい
は、複数回にわたつて添加してもよい。
ラジカル重合触媒の使用量は通常、単量体100部に対
して0.01〜10部、好ましくは0.1〜1部である。0.01部
未満では単量体の重合が完結しない場合があり、10部以
上では不飽和共重合体樹脂の架橋反応が著るしくなつた
り、反応が激し過ぎて反応温度の制御が、困難になつた
り、未反応のラジカル重合触媒が残存して、生成複合共
重合体樹脂の成形加工時に悪影響が出るなどのため好ま
しくない。
単量体の重合部の分子量調節が必要なときは、ラジカ
ル重合で通常行われる分子量調節方法を用いることがで
きる。例えば、重合温度、ラジカル重合触媒の添加量、
単量体の使用量、メルカプタン類、2,4−ジフエニル−
4−メチル−1−ペンテン等の分子量調節剤の添加等に
よつて目的を達成することができる。
この方法に用いる水性分散懸濁液は、系内に不飽和共
重合体樹脂粒子が存在する点を除けば、単量体の水性懸
濁重合を実施する場合の水性懸濁液と本質的には変らな
い。すなわち、不飽和共重合体樹脂粒子と、好ましくは
ラジカル重合触媒を予め溶存させた単量体とを、水性懸
濁重合に使用され得る懸濁剤、たとえば、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等
の水溶性重合体や、リン酸カルシウム、酸化マグネシウ
ム等の難溶性無機物質等の存在下に水性媒体中に攪拌分
散させる。水性媒体とは、水単独の他に、水と各種水溶
性物質との混合液あるいは水と界面活性剤との混合液で
あつてもよい。
水性懸濁液中の不飽和共重合体樹脂及び単量体の含量
は、系の攪拌が容易に行われて反応熱除去、融着の防止
等がなされる限り任意であるが、一般に、水100部に対
して不飽和共重合体樹脂および単量体の合計が5〜100
部、好ましくは10〜80部である。この方法によつて複合
不飽和共重合体樹脂を製造するにはこの水性懸濁液を、
使用ラジカル重合触媒が分解して、単量体の重合が実質
的には起らない条件下に加熱して、まず単量体およびラ
ジカル重合触媒を不飽和共重合体樹脂粒子中に含浸させ
るのが好ましい。含浸は、単量体の80%以上、好ましく
は90%以上が不飽和共重合体樹脂粒子に含浸もしくは付
着するまで水性媒体を攪拌もしくは静置して行うのが好
ましい。含浸または付着しない単量体が20%を超過して
存在すると、次工程のグラフト重合工程で単量体単独の
重合体粒子が生成したり、不飽和共重合体樹脂中の単量
体の分散が不均一になつたりして、目的とする複合不飽
和共重合体樹脂の特徴が充分発揮されないことがある。
単量体の含浸温度および含浸時間は、上述の合目的的
な条件であればよく、例えば、ラジカル重合触媒の10時
間半減期温度より3〜50℃、好ましくは5〜30℃程度低
い温度で、10分〜12時間、好ましくは30分〜10時間程度
行う。
なお、含浸ないし付着していない単量体の量は例えば
次のような方法によつて知ることができる。すなわち、
水性懸濁液の任意量をサンプリングし、これを例えば30
0メツシユ程度の金網を用いて手早く濾過して不飽和共
重合体樹脂粒子と液相に分散している単量体の量を測定
し、この値と不飽和共重合体樹脂及び単量体の仕込量と
から、含浸ないし付着していない単量体の割合を算出す
る。
含浸工程のあと、グラフト重合工程に入る。この工程
では、前述の含浸操作後の水性懸濁液を好ましくは攪拌
下に、加熱操作に付すことによつて、ラジカル重合触媒
の充分な分解と、単量体の重合を行う。単量体の重合体
への転化率(重合率)は、水性懸濁液もしくは生成複合
不飽和共重合体樹脂粒子から未反応単量体の回収もしく
は除去を容易にする観点から、通常50%以上、好ましく
は75%以上、特に好ましくは90%以上となるような条件
を選定するのが普通である。すなわち、ラジカル重合触
媒の10時間半減期温度をT10℃、重合温度をT℃とすれ
ば、Tは通常T10−3<T≦T10+80程度、好ましくはT
10≦T≦T10+70程度の範囲であり、不飽和共重合体樹
脂の分解、架橋等の変質あるいは生成複合不飽和共重合
体樹脂粒子の凝集ないし融着等の防止の観点からは、T
は150℃以下が好ましく、特に140℃以下が好ましい。重
合時間は前記重合率になるような時間であればよく、通
常30分〜50時間、好ましくは1〜24時間程度である。重
合は、一定の温度で一段で行つてもよく、異なる温度で
多段段にわたつて行つてもよい。反応生成物は冷却をし
てあるいはせずして濾過し、必要に応じて水、鉱酸水、
アルカリ水等で洗浄後、乾燥してそれぞれの用途に供さ
れる。
不飽和共重合体樹脂複合体 以上述べた方法によつて製造された不飽和共重合体樹
脂複合体は、不飽和共重合体樹脂に単量体がグラフトし
た重合体の他に、不飽和共重合体樹脂および単量体のみ
からなる重合体で構成された複合体であると推定され
る。
後述の実施例で具体的に示す通り、有機溶媒への溶解
度が不飽和共重合体樹脂に較べて著るしく向上している
ことから、未反応の不飽和共重合体樹脂の含量は相当低
いものと推定される。
また、この不飽和共重合体樹脂複合体中の単量体重合
部(グラフト部および単独重合部)の分散径は0.1〜1
μ程度と極めて微細である。
このような不飽和共重合体樹脂複合体の溶解性と単量
体重合部の分散は、単純ブレンドや不飽和共重合体樹脂
の代りに他のポリオレフイン系樹脂を使用することによ
つては達成され得ない。
不飽和共重合体樹脂複合体の利用 本発明による不飽和共重合体樹脂複合体は、用いる単
量体の種類・量によつて、不飽和共重合体樹脂の性質、
例えば、有機溶媒への溶解度、成形性、耐衝撃強度、弾
性率、引張強度、伸び、表面光沢、化学的反応性、電気
的性質、異種重合体との相溶性ないし分散性等を多様に
改質できる。
したがつて、不飽和共重合体樹脂複合体自身を成形加
工して使用することができることは勿論、溶媒に溶解し
たプライマー、異種重合体とのブレンド物、二種以上の
重合体のブレンド助剤、各種接着剤塗料のビヒクル等と
して使用することができる。
実施例 実施例1 内容量1.3lのオートクレーブ内に純水520g、懸濁剤と
してリン酸三カルシウム15.6g、および懸濁助剤として
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの1%水溶液1.56g
を加え、これに、プロピレン、エチレンおよびメチルヘ
キサジエン(4−メチル−1,4−ヘキサジエンと5−メ
チル−1,4−ヘキサジエンとの混合物)とからなる下記
不飽和共重合体樹脂パウダー(樹脂1)100gを加えて攪
拌して懸濁させた。
不飽和共重合体樹脂パウダー(樹脂1): 4−メチル−1,4−ヘキサジエン含量*1 0.6モル% 5−メチル−1,4−ヘキサジエン含量*1 1.4モル% エチレン含量*2 2.9重量% *1 NMRによる測定値 *2 IRによる測定値 パウダー平均粒径 0.5mm 曲げ弾性率(JIS−K−7203) 5,300kg/cm2 メルトフローレート(JIS−K−6758) 1.6g/10分 この懸濁液に、ラジカル重合触媒としてt−ブチルパ
ーオキシベンゾエート0.3gをスチレン100gに溶かした溶
液を加えて攪拌下にオートクレーブ内の温度を90℃に昇
温し、該温度で3時間保持して、ラジカル重合触媒を含
むスチレンを不飽和共重合体樹脂パウダー中に含浸させ
た。
次に、オートクレーブ内の温度を105℃に昇温し、該
温度で2時間保持して重合を行い、さらに125℃に昇温
し、該温度で5時間保持して重合を完結させた。
室温に冷却後、内容物を取り出し、水層のpHが2.5倍
になるまで稀硫酸を加え、充分攪拌したのち、生成した
不飽和共重合体樹脂複合体パウダーを濾別、水洗後、1m
mHgの減圧下70℃で5時間乾燥した。収量は198gであつ
た。
この不飽和共重合体樹脂複合体1gを、ソツクスレー抽
出器を用いて200mlの沸とうキシレンで7時間抽出し
た。抽出液を室温のアセトン500mlに攪拌下にゆつくり
注いだのち、室温にて5時間保持した。析出した部分を
濾別し、1mmHgの減圧下、70℃で5時間乾燥し、キシレ
ン/アセトン不溶部の重量を測定した。一方、濾液はロ
ーターリーエバポレーターにより濃縮・乾固させ、さら
に1mmHgの減圧下、70℃で5時間乾燥して、キシレン/
アセトン可溶部の重量を測定した。結果を表1に示す。
尚、この不飽和共重合体樹脂複合体をプレスシートに
成形し、断面を電子顕微鏡で観察したところ、スチレン
重合部は樹脂1中に粒径0.1〜0.5μの極めて微細な粒子
となつて分散していた。
実施例2 樹脂1の代りに、樹脂1を押出機により粒径2〜3mm
のペレツトに成形したもの(樹脂2)を用い、単量体と
してのスチレンをメタクリル酸メチル100gに代えて実施
例1を繰り返した。結果を表1に示す。
実施例3 メタクリル酸メチル100gを、スチレン50gおよびフマ
ール酸ジエチル50gからなる混合単量体に代えて実施例
2を繰り返した。結果を表1に示す。
実施例4 メタクリル酸メチル100gを、スチレン50gおよびアク
リル酸メチル50gからなる混合単量体に代えて実施例2
を繰り返した。結果を表1に示す。
なお、この実施例で得られた複合不飽和共重合体樹脂
のキシレン抽出残は表1に示す通り77%と多量である
が、ブラベンダープラストグフを用いて230℃で10分間
素練りすると、キシレン抽出残は9%にまで減少し、成
形可能な領域になつた。また、キシレン/アセトン不溶
部およびキシレン/アセトン可溶部も表1( )内に示
したように変化した。
実施例5 メタクリル酸メチル100gを、スチレン99g、グリシジ
ルメタクリレート1gとからなる混合単量体に代えて実施
例2を繰り返した。結果を表1に示す。
実施例6 樹脂1を、プロピレンとメチル−1,4−ヘキサジエン
とからなる下記不飽和共重合体樹脂ペレツト(樹脂3)
に代えて実施例1を繰り返した。結果を表1に示す。
不飽和共重合体樹脂ペレツト(樹脂3): 4−メチル−1,4−ヘキサジエン含量 0.9モル% 5−メチル−1,4−ヘキサジエン含量 2.1モル% 曲げ弾性率(JIS−K−7203) 6,500kg/cm2 メルトフローレート(JIS−K−6758) 1.7g/10分 ペレツト粒径 2〜3mm 実施例7 ラジカル重合触媒としてのt−ブチルパーオキシベンゾ
エート0.3gをベンゾイルパーオキシド0.3gおよびt−ブ
チルパーオキシベンゾエート0.1gとからなる混合触媒に
代え、単量体をスチレン50gと2−エチルヘキシルメタ
クリレート50gからなる混合単量体に代え、含浸温度及
び含浸時間を65℃および5時間に代え、重合時間及び重
合時間を90℃及び3時間、次いで125℃及び4時間の二
段に代えて実施例2を繰り返した。結果を表1に示す。
比較例1 樹脂1を、下記プロピレン/エチレン共重合体樹脂パ
ウダー100gに代えて実施例1を繰り返した。結果を表1
に示す。
プロピレン/エチレン共重合体樹脂: エチレン含量 4.5% 曲げ弾性率(JIS−K−7203) 6,000kg/cm2 メルトフローレート(JIS−K−6758) 6.0g/10分 パウダー平均粒径 0.5mm 比較例2 樹脂1をラジカルグラフト重合せずに、実施例1に記
載の方法によりキシレン抽出残およびキシレン/アセト
ン混合溶媒への溶解性を測定した。結果を表1に示す 実施例8 樹脂2を、エチレンとメチル−1,4−ヘキサジエンと
からなる下記不飽和共重合体樹脂ペレツト(樹脂4)に
代え、メタクリル酸メチル100gをスチレン50gとメタク
リル酸メチル50gからなる混合単量体に代え、ラジカル
重合触媒としてのt−ブチル−パーオキシベンゾエート
0.3gを、t−ブチルパーオキシピバレート0.3gおよびベ
ンゾイルパーオキシド0.1gからなる混合触媒に代え、含
浸温度及び時間を50℃及び4時間に代え、重合温度及び
時間を75℃及び5時間、次いで90℃及び3時間の二段に
代えて実施例2を繰り返した。結果を表1に示す。
不飽和共重合体樹脂ペレツト(樹脂4): 4−メチル−1,4−ヘキサジエン含量 1.2モル% 5−メチル−1,4−ヘキサジエン含量 0.8モル% 曲げ弾性率(JIS−K−7203) 6,800kg/cm2 メルトフローレート(JIS−K−6750) 1.3g/10分 ペレツト粒径 2〜3mm 応用例1(プライマーとしての応用例) 実施例8で得た不飽和共重合体樹脂複合体10部を50℃
のトルエン100部に溶解し、微量の不溶部を濾過によつ
て除き無色透明の溶液を調製した。
この溶液(プライマー溶液)を、市販の低密度ポリエ
チレン製ブロービンに液膜の厚さが10μになるように塗
布したのち、60℃の温風で乾燥した。次いで、関西ペイ
ント社製の塗料(商品名:アクリツクオートホワイト)
を50μの厚さに塗布し、60℃の熱風で5時間乾燥・硬化
させた。
この塗装されたブロービンに、カミソリで一辺の長さ
が1mmのゴバン状の切れ目を100ケ入れ、その上からセロ
テープを貼りつけて一気にひきはがしたところ、塗膜は
全く剥離しなかつた。
プライマー溶液を用いなければ、上述のテストによつ
て塗膜は全て剥離した。
応用例2(異種重合体のブレンド助剤としての応用例) ポリ−2,6−ジメチル−1,4−フエニレンエーテル(三
菱油化社製)37.5部、ポリプロピレン(三菱油化社製;M
A−6)37.5部、実施例5で得た不飽和共重合体樹脂複
合体25部、安定剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフエノール0.2部およびイルガノツクス1010(商品
名;チバガイギー社製)0.1部を混合し、ブラベンダー
プラストグラフを用いて280℃で5分間溶融混練したの
ち、厚さ2mmのプレスシートに成形した。
このプレスシートの断面を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、ポリ−2,6−ジメチル−1,4−フエニレンエーテルは
大部分が0.2〜1μの微細な分散をしていた。複合不飽
和共重合体樹脂を配合しない場合、この分散は1.5〜10
μの極めて大きい分散であつた。
又、このプレスシートの衝撃強度をデインスタツト衝
撃試験法(BS1330−1946)によつて測定したところ、5.
4kg・cm/cm2であつた。尚、不飽和共重合体樹脂複合体
を配合しない場合の衝撃強度はわずか1.8kg・cm/cm2
あつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記不飽和共重合体樹脂100重量部をラジ
    カル重合可能な単量体5重量部を越え300重量部以下
    (但し、単量体が不飽和カルボン酸またはその誘導体の
    みから成るときは、該単量体は50重量部を越え300重量
    部以下)と共にラジカルグラフト重合条件に付し該不飽
    和共重合体樹脂に該単量体をグラフト重合させたもので
    あること、を特徴とする不飽和共重合体樹脂複合体。 不飽和共重合体樹脂:炭素数2〜12のα−オレフィンの
    少くとも一種と、式(I)で表わされる鎖状非共役ジエ
    ンの少くとも一種とから成る共重合体であって、鎖状非
    共役ジエン含量が0.05〜50モル%で、かつJIS−K−720
    3による弾性率が500〜80,000kg/cm2である不飽和共重合
    体樹脂。
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