JPH0816006B2 - 歯科材料用α−リン酸三カルシウム粉末の製造法 - Google Patents

歯科材料用α−リン酸三カルシウム粉末の製造法

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JPH0816006B2
JPH0816006B2 JP61115698A JP11569886A JPH0816006B2 JP H0816006 B2 JPH0816006 B2 JP H0816006B2 JP 61115698 A JP61115698 A JP 61115698A JP 11569886 A JP11569886 A JP 11569886A JP H0816006 B2 JPH0816006 B2 JP H0816006B2
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雄司 古田
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嘉孝 木村
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、歯科セメント、根管充填材料等の歯科材料
として好適な、充填嵩密度が高く、破砕抗力の大きい硬
化体をつくることができる。歯科材料用α−リン酸三カ
ルシウム粉末の製造法に関する。
〔従来の技術〕
従来、歯科において用いられるセメント用フィラーと
しては、酸化亜鉛や酸化けい素が使用されているが、こ
れらは、生体親和性のないことが欠点となっている。そ
のため、最近人骨の組成に近く、生体親和性の高い、α
−リン酸三カルシウム(以下α−TCPという)やアパタ
イトが注目されている。
従来、α−TCPの製法には、湿式法と固相反応による
固相法がある。
湿式法は、H3PO4およびCa(OH)等を原料とする方
法である。また固相反応によるα−TCP粉末の合成法で
は、炭酸カルシウム粉末と第二リン酸カルシウム粉末、
或いは炭酸カルシウム粉末とピロリン酸カルシウム粉末
を、粉末のままの状態で反応させてα−TCPを合成し、
これを解砕する方法が行なわれている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、前者は、濾過、洗浄等、工程が長くなるばか
りでなく、製品の物性が劣る。また後者の従来の固相法
でつくられたα−TCP粉末は粒子が大きくならず、一次
粒子としては最大粒子径が、せいぜい8μmで、大部分
は4μm以下である。しかも、大部分は、これら粒子の
2次凝集粒、或いはサンゴ状の粒で、充填嵩密度は1.1
以下である。その結果、例えばアクリル酸85wt%、イタ
コン酸15wt%の共重合体の40〜60wt%の水溶液である混
練用液と混練して硬化させた硬化体の破砕抗力は、600K
g/cm2以下、歯科用セメント等のフィラーとしては不適
当であった。
本発明者等は、α−TCP粉末をフィラーとした歯科用
セメント等の破砕抗力を高めるべく鋭意研究した結果、
α−TCP粉末の粒子の形状、粒度分布、充填嵩密度が歯
科用セメント等の破砕抗力を左右することを知見した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたもので、
フィラーとして用いた場合、充分な破砕抗力を有する歯
科用セメント、根管充填材等の歯科材料が得られるα−
TCP粉末の製造法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記の目的を達成するためになされたもの
で、その要旨は、炭酸カルシウム粉末と第二リン酸カル
シウム粉末を1:2のモル比に均一に混合した粉末、或い
は炭酸カルシウム粉末とピロリン酸カルシウム粉末を1:
1のモル比に均一混合した粉末を0.1t/cm2以上の圧力で
成形し、これを1200℃以上の温度で反応させた後、これ
を粉砕、分級して2〜32μmの粒径の粉末を70wt%以上
含む粉末とする歯科材料用α−リン酸三カルシウム粉末
の製造法にある。
〔発明の具体的構成および作用〕
以下本発明を詳しく説明する。
本発明において、α−TCP〔Ca3(PO4〕の合成原
料として用いられる炭酸カルシウム(CaCO3)、第二リ
ン酸カルシウム(CaHPO4またはCaHPO4・2H2O)、ピロリ
ン酸カルシウム(Ca2P2O7)粉末の粒度は、厳密な制限
はないが、粗粒では固体間の反応が遅いので、通常、平
均粒径が5μm以下の粉末が用いられる。また、原料
は、CaCO3とCaHPO4・2H2Oの場合はモル比1:2、CaCO3とC
a2P2O7の場合は、1:1に混合される。
また、成形圧力は0.1t/cm2以上、特に1〜2t/cm2が好
ましい。成形圧力が0.1t/cm2未満では、所望の粒度分布
のものが得にくい。この場合、0.1t/cm2をやや下まわる
加圧を行なっても、焼成温度を高くして例えば1400℃以
上の温度で焼成すると、所望の粒径、粒度分布のものは
得られるが、加熱温度が高くて経済的に不利となる。ま
た、成形圧力が2t/cm2を越えても、破砕抗力の向上はな
く、経済的でない。上記加圧成形は、ラバープレス、ブ
リケッティグマシン、金型プレス、等種々なプレス装置
が使用出来る。
上記加圧成形した成形体を焼成する温度は、1200℃以
上であることが必要である。温度が1200℃未満では、反
応が充分に進まず、結晶相、物性が劣る。1200℃〜融点
(1670℃)の間の温度であれば、特に制限ないが不必要
に高いことは、経済的損失が大きい。上記焼成は、電気
炉で行い、雰囲気は、通常の大気雰囲気、好ましくは乾
燥空気中で行なわれ、焼成時間は、温度が1200℃を越え
てから、1〜6時間程度である。
焼成され、反応生成したα−TCP成形体は、粗解砕
後、ボールミル、等によって粉砕し、これを風力分級機
で分級し、2〜32μmの範囲の粒子が70wt%以上含まれ
た粉体とする。この場合、2〜32μmの範囲の粒子が70
wt%未満では、歯科用セメントのフィラーとして充分な
破砕抗力が得られない。また、充填嵩密度は、1.2以
上、特に1.3以上が好ましい。充填嵩密度が1.2未満で
は、充分な破砕抗力が得られない。
上記方法によってつくられたα−TCP粉末をSEM観察し
たところ、いずれもブロッキーな一次粒子で、2次凝集
粒、或いはサンゴ状の粒子は全く認められず、その充填
嵩密度は、1.3を越えるものであった。
このα−TCP粉末を歯科治療に用いるには、通常、上
記アクリル酸、イタコン酸共重合体の50wt%程度の水溶
液を混練用液として混練して用いられるがα−TCP粉末
/混練用液の重量混合比は1.0〜2.0が好ましい。重量混
合比が1.0未満では硬化体の破砕抗力が低くなり、2.0を
越えると、粉末が多すぎて充分の混練ができない。混練
用液としては上記共重合体の他、乳酸ポリマーとグリコ
ール酸の水溶液(例えば乳酸ポリマー23wt%、グリコー
ル酸6wt%)が用いられる。
このように、本発明の方法によってつくられたα−TC
P粉末をアクリル酸、イタコン酸共重合体の水溶液と混
練した硬化体は、いずれも、700Kg/cm2以上の破砕抗力
を有している。
また、上記方法における原料粉末混合物を1200℃以上
に加熱し、予じめα−TCPを生成させこれを0.1t/cm2
上の圧で加圧成形して、この成形物を再度1200℃以上で
焼成し、粉砕,分級した2〜32μmの範囲の粒子を70wt
%以上含むα−TCP粉末は、いずれもブロッキーな一次
粒子で、2次凝集粒、或いはサンゴ状の粒子はなく、そ
の充填嵩密度は1.3を越え、また、前記水溶液と混練し
た硬化体の破砕抗力は、700Kg/cm2以上となる。このよ
うに物性のよいものが得られるものの、工程が増加し
て、製法としては不利となる。
しかし、これは、所定のモル比に均一混合した原料粉
末を処理するに際し、少なくとも0.1t/cm2以上の圧力で
成形した上でこれを1200℃以上に加熱する工程を採用す
れば、歯科用セメント等のフィラーとして優れた、ブロ
ッキーな一次粒子のα−TCP粉末が得られることを示し
ている。
〔実施例〕 次に実施例、比較例を示して本発明を説明する。
実施例1. CaCO3とCa2P2O7をモル比1:1の割合でボールミルに入
れ、2時間粉砕混合し、これをラバープレスを用いて、
1t/cm2で加圧成形した。この成形体を1250℃で3時間、
大気雰囲気で反応焼結させ、粗解砕した後、ボールミル
粉砕した。これを分級して3〜16μmの粒子が90wt%の
α−TCP粉末を得た。この粉末をSEMで観察したところ凝
集粒はなく、すべてブロッキーな一次粒子であり、その
充填嵩密度は1.4であった。このα−TCP粉末を、アクリ
ル酸85wt%とイタコン酸15wt%共重合体の50wt%水溶液
と、粉体重量/液重量=1.5の割合で混練し、硬化体を
得た。この硬化体の破砕抗力は、950Kg/cm2であった。
比較例1 CaCO3とCa2P2O7をモル比1:1の割合でボールミルに入
れ、2時間粉砕混合した。この粉末を1250℃で焼成し、
α−TCPとし、次いでボールミルで2時間解砕した。こ
の解砕したα−TCP粉末の充填嵩密度は1.1であった。こ
の粉末をSEM観察したところ、一次粒子径は最大8μm
で、多くのサンゴ状の一次粒子、および2次凝集粒子が
認められた。このα−TCP粉末を用い、実施例1と同じ
にして硬体をつくったところ、その破砕抗力は455Kg/cm
2であった。
実施例2. 比較例1で得たα−*TCP粉末を実施例1と同じ条
件、操作で成形、反応焼成、粉砕分級し、この粉末の充
填嵩密度を測定し、また、実施例1と同様にして硬化体
をつくり破砕抗力を測定した。その結果、いずれも、実
施例1とほぼ同様な結果が得られた。
〔効果〕
以上述べたように、本発明の製造法により得られるα
−TCP粉末は充填嵩密度が大きく、これを混練用液と混
練した硬化体は、破壊抗力が大きく、優れた物性を有す
る。また本発明の製造法は上記物性のα−TCP粉末を効
率よくつくることが出来るので、歯科治療に寄与するこ
とが極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平岩 正 長野県塩尻市大字宗賀1 昭和電工株式会 社塩尻研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−71060(JP,A) 特開 昭61−83107(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸カルシウム粉末と第二リン酸カルシウ
    ム粉末を1:2のモル比に均一に混合した粉末、或いは炭
    酸カルシウム粉末とピロリン酸カルシウム粉末を1:1の
    モル比に均一に混合した粉末を0.1t/cm2以上の圧力で成
    形し、これを1200℃以上の温度で反応させた後、これを
    粉砕、分級して2〜32μmの粒径の粉末を70wt%以上含
    む粉末とすることを特徴とする歯科材料用α−リン酸三
    カルシウム粉末の製造法。
JP61115698A 1986-05-20 1986-05-20 歯科材料用α−リン酸三カルシウム粉末の製造法 Expired - Lifetime JPH0816006B2 (ja)

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