JP2817954B2 - セラミックス微粉末の製造方法 - Google Patents

セラミックス微粉末の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 「利用分野」 本発明は、ファインセラミックスに有用なセラミック
ス微粉末の製造方法に関する。
「従来技術及びその問題点」 各種の生体材料、光学材料、電子材料、構造材料など
に使用されるファインセラミックスにおいては、強度、
密度、さらに、各種の機能を向上させるため、高純度化
とともに微粉化が求められている。
セラミックス粉末を製造するには、従来、乾式及び湿
式合成法が知られている。湿式法でリン酸カルシウム系
化合物を製造するには、カルシウム化合物とリン酸化合
物とを水中で反応させる方法が一般的に採用されてい
る。この湿式法で得られるスラリーから濾過、遠心分離
などによってセラミックス原料としての粉体、特に微粉
体を得る場合には、乾燥工程の他にボールミル、ジェッ
トミルなどを用いる粉砕工程が必要である。しかし、そ
の際、装置の摩耗による不純物の混入もあり、また、仮
焼を必要とする場合もある。スラリーを噴霧乾燥するこ
とによって粉末化する場合には、せいぜい粒径5μm程
度の粒子にしか微粉化できない。乾式成形を行う場合に
は、噴霧乾燥により得られる凝集粒子で充分な強度を有
するセラミックス成形体が得られるが、湿式成形を行う
場合には、さらに微細な粒子を用いないと、強度が不充
分となる。さらに、凍結乾燥法を用いる場合には、微粉
末は得られるものの、仮焼工程を同時に行うことはでき
ない。また、凍結乾燥には、高価な装置を使用しなけれ
ばならず、安価に製造できないという問題点がある。
「発明の目的」 本発明は、湿式合成法で得られるスラリーから湿式成
形に好適な極めて微細なセラミックス化合物粒子から成
る粉末を安価に製造でき、仮焼あるいは焼成工程を同時
に行いうるセラミックス微粉末の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
「発明の構成」 本発明のセラミックス微粉末の製造方法は、セラミッ
クス化合物の合成スラリー又はゾルをゲル化剤の添加に
よりゲル化し、得られらたゲル塊を熱処理して水分及び
ゲル化剤を除去することを特徴とする。
本発明において、セラミックス化合物としては、リン
酸カルシウム系化合物、チタニア、マグネシア、アルミ
ナ及びジルコニアが挙げられる。これらの化合物を、そ
れぞれ湿式合成法により得られるスラリー又はゾルとし
て本発明の方法に用いる。
ゲル化剤としては、寒天、ペクチン、カラギーナン、
アルギン酸ナトリウム、ジェランガムなどを使用するこ
とができる。ゲル化剤は、スラリー中にセラミックス化
合物が均一に分散されている状態を保持できればよく、
最終的には、熱分解により除去されるものであるから必
要最小限の量で使用するのが好ましい。
次に、本発明をリン酸カルシウム系化合物の製造方法
に関して説明する。
リン酸カルシウム系化合物としては、ハイドロキシア
パタイト等のアパタイト、リン酸三カルシウムなどが挙
げられる。これらのリン酸カルシウム系化合物は、湿式
合成法では下記のようにして製造される。まず、ハイド
ロキシアパタイトは、Ca/Pの原子比が1.67となるように
リン酸と水酸化カルシウムを水中で反応させることによ
って得られる。また、リン酸三カルシウムは、Ca/Pの原
子比が1.50となるようにリン酸と水酸化カルシウムを反
応させることによって得られ、焼成温度によりα−リン
酸三カルシウムあるいはβ−リン酸三カルシウムが得ら
れる。
本発明の方法においては、上記のような湿式合成工程
で得られるリン酸カルシウム系化合物のスラリーをゲル
化剤の添加によりゲル化させる。
このように、湿式法で製造されたリン酸カルシウム系
化合物をそのままゲルとするので、生成した化合物粒子
の間にゲルが介在する状態となり、この状態で乾燥及び
仮焼が行われ、さらに焼成工程を続けることもできる。
このように、ゲル中に分散させて熱処理することにより
化合物粒子の凝集はゲルの消失した後にしか起こらない
ので、極めて微細な粒子が得られることとなる。さら
に、粒子が極めて微細なため、焼成を比較的低い温度で
行うことが可能となり、焼成による粒子成長も著しく少
なくなり、極めて微細なリン酸カルシウム系セラミック
ス粉末を得ることができる。
他方、ジルコニアの湿式合成法としては、ジルコニウ
ム塩水溶液をアルカリ性にして水酸化ジルコニウムある
いはジルコニア水和物を生成させ、これを加熱して水分
を除去する方法やアルコキシドの加水分解により生成し
たジルコニアゾルを熱分解する方法などがある。
また、チタニア、マグネシア及びアルミナの湿式合成
は、ジルコニアと同様にして行われる。
本発明の方法によりジルコニア、チタニア、マグネシ
アあるいはアルミナなどの酸化物系セラミックスを製造
するには、上記のような湿式合成法で得られた水酸化物
(あるいは酸化物の水和物)のスラリーあるいはゾルを
ゲル化剤でゲル化し、これを熱処理すればよい。この場
合に、熱処理は使用したゲル化剤を分解除去するととも
に水分を除去して上記のような酸化物の微粉末が得られ
る温度で行う。熱処理の雰囲気は、大気中、不活性ガス
中、減圧下のいずれでもよい。この熱処理工程に続いて
焼成工程を行うこともできる。
本発明の方法によれば5μm以下、通常、0.1〜0.5μ
mの粒径範囲のセラミックス微粉末が得られるので、湿
式成形によって強度及び密度の向上した成形体を製造す
ることができる。
なお、本発明で得られる微粒子は、不定形のため、そ
のままでは乾式成形に適していないが、任意の造粒方法
によって顆粒状とすることにより、噴霧乾燥で得られた
粒子のように乾式成形にも適したものとすることができ
る。
「発明の実施例」 次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 公知の湿式法により水酸化カルシウムとリン酸とを水
中で反応させ、ハイドロキシアパタイトの2%スラリー
を得た。次に、ジェランガム(Kelco Division of Merc
k & Co.製、商品名ケルコゲル)8gを水200gに加えた
後、電子レンジで加熱し、溶解させた。そして、予め加
熱したスラリー300gとジェランガム溶液を混合し、撹拌
し、水浴中で冷却し、ゲルを得た。このゲルを500℃で
熱処理したところ、粒径0.2〜1μmのハイドロキシア
パタイト微粉末が得られた。
実施例2 ジルコニウムブトキシド(日本曹達(株)製、商品名
TBZR)1gを硝酸カルシウム0.01gを溶解した水100mlに加
えたところ、白濁し、スラリーが生成した。次に、カラ
ギーナン(Mero Rousselot Satia製、商品名サティアゲ
ルNP5B)8gを水200gに加えた後、電子レンジで加熱し、
溶解させた。そして、予め加熱したスラリー100mlとカ
ラギーナン溶液を混合、撹拌し、水浴中で冷却し、ゲル
を得た。このゲルを500℃で熱処理して粒径約2μmの
微粉末が得られた。
実施例3 チタニウムブトキシド(日本曹達(株)製、商品名B
−1)1gを水100mlに加えたところ白濁し、スラリーが
生成した。次に、ジェランガム(Kelco Division of Me
rck & Co.製、商品名ケルコゲル)8gを水200gに加えた
後、電子レンジで加熱し、溶解させた。そして、予め加
熱したスラリー100mlとジェランガム溶液を混合し、撹
拌し、水浴中で冷却し、ゲルを得た。このゲルを500℃
で熱処理したところ、粒径約2μmの微粉末が得られ
た。
「発明の効果」 本発明によれば、極めて簡単な操作で安価にセラミッ
クス微粉末を製造することができる。本発明によれば、
湿式法で製造された化合物のスラリー又はゾルをそのま
まゲルとするので、生成した化合物粒子の間にゲルが介
在する状態となり、この状態で乾燥及び仮焼が行われ、
さらに焼成工程を続けることもできる。このように、ゲ
ル中に分散させて熱処理することにより化合物粒子の凝
集はゲルの消失した後にしか起こらないので、極めて微
細な粒子が得られることとなる。さらに、粒子が極めて
微細なため、焼成を比較的低い温度で行うことが可能と
なり、焼成による粒子成長も著しく少なくなり、極めて
微細なセラミックス粉末を得ることができる。
したがって、本発明方法によれば、ファインセラミッ
クスに有用なセラミックス微粉末が得られ、この微粉末
を湿式成形によって成形するか又は造粒後、乾式成形す
ることによって強度及び密度の高い製品を製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/00 - 35/22 C04B 35/622 - 35/636

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン酸カルシウム系化合物、チタニア、マ
    グネシア、アルミナあるいはジルコニアの合成スラリー
    又はゾルをゲル化剤の添加によりゲル化し、得られたゲ
    ル塊を熱処理して水分及びゲル化剤を除去することを特
    徴とするセラミックス微粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】ゲル化剤が寒天、ペクチン、カラギーナ
    ン、アルギン酸ナトリウム、ジュランガムなどから成る
    群から選択されるものである請求項1記載のセラミック
    ス微粉末の製造方法。
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