JPH0940407A - リン酸四カルシウムの製造方法 - Google Patents
リン酸四カルシウムの製造方法Info
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Abstract
シウムを製造する為の方法を提供する。 【解決手段】 CaHPO4 ・2H2 O粉末とCaCO
3 微粒子粉末を、モル比で1:1となる様に混合して水
懸濁状態とし、これを70℃を超える温度で加温・保持
して反応させた後、反応生成物を焼成する。
Description
材、歯科用セメント材等の素材として有用なリン酸四カ
ルシウムを製造する為の方法に関し、殊に高純度なリン
酸四カルシウムを比較的簡単な工程によって製造する為
の方法に関するものである。
2 O、以下「TTCP」と略記することがある]は、人
間の骨や歯の主要構成物質であるヒドロキシアパタイト
[Ca 10(PO4 )6 (OH2 )2 、以下「HAP」と
略記することがある]の前駆体というべき物質であり、
生体内に埋入された場合に生体との親和性が良く、また
それ単独または他のリン酸化カルシウム化合物との組み
合わせによって、水和反応で容易に硬化して安定なアパ
タイトになるという特性を有する物質である。TTCP
はこうした特性を利用して、骨補填材、骨結合材、歯科
用セメント等の素材として用いられている。
PO4 ・2H2 OやCaHPO4 とCaCO3 を原料と
して用い、これを2段階以上の焼成工程を含んで行なう
のが一般的であるが(例えば、特開平6−329405
号)、こうした方法では反応工程が複雑になるという欠
点がある。
ば特開平1−96006号、同3−183605号およ
び同3−193615号等には、ボールミルや湿式粉砕
工程等のメカノケミカル的に作用させる工程を含むこと
によって、焼成工程を簡略化(1段階の焼成工程)した
方法が提案されている。
カル的に作用させる工程を含んでいるので、その為の装
置が必要になるばかりか、外部からの汚染物質が混入し
易いという欠点がある。またこうした方法では、未反応
物質や副生成物が発生し易いという傾向があり、高純度
のTTCPが得られないという問題がある。こうしたこ
とから、より高純度のTTCPを製造する為には、依然
として2段階以上の焼成工程を含んで製造されることに
なる(例えば、特開平6−329405号)。
の下になされたものであって、その目的は、比較的簡単
な工程で、高純度のリン酸四カルシウムを製造する為の
方法を提供することにある。
発明とは、CaHPO4 ・2H2 O粉末とCaCO3微
粒子粉末を、モル比で1:1の割合で混合して水懸濁状
態とし、これを70℃を超える温度で加温・保持して反
応させた後、反応生成物を焼成する点に要旨を有するリ
ン酸四カルシウムの製造方法である。また本発明で用い
るCaCO3 微粒子粉末は、その平均粒径が5μm以下
であることが好ましい。
るべく様々な角度から検討した。その結果、CaHPO
4・2H2 O粉末と、CaCO3 微粒子粉末を所定量の割
合に混合して水に懸濁させて水懸濁液とし、この水懸濁
液を所定の温度に保持して反応させた後、焼成する様に
してやれば、上記目的が見事に達成されることを見出
し、本発明を完成した。即ち、本発明では、CaHPO
4 ・2H2 O粉末と、CaCO3微粒子粉末を、湿式反
応によって予めある程度の反応を進行させた後、焼成す
れば、2段階の焼成工程を実施せずとも、高純度のTT
CPが得られることを見いだしたのである。
を原料の一つとして用いる必要があるが、これは後述す
る反応条件、即ち70℃を超える温度で無水化するとき
に反応活性が高まり、アパタイトが生成すると同時に過
剰のCaCO3 と反応して結晶性の低いCaCO3 を生
成する。そして、こうした反応を予め進行させることに
よってその後1段階の焼成によって希望するTTCPが
得られるのである。こうした観点からして、無水物であ
るCaHPO4 粉末は本発明の原料として使用できな
い。即ち、CaHPO4 粉末は、反応活性が低いので、
この様な粉末を原料として用いて本発明で規定する条件
で反応させてても反応が進まず、本発明の目的が達成さ
れない。
CO3 は、できるだけ微粒子のものを用いる必要があ
る。これはCaCO3 の粒子が大きいと、本発明で規定
する反応条件(70℃を超える温度)において反応が進
まず、生成物中に未反応のCaCO3 粉末が残留する。
こうした観点からして、CaCO3 の平均粒径は、5μ
m以下の微粒子であることが好ましい。
CaCO3 粉末は、水懸濁状態とされるが、このときの
両粉末の混合比率は後述する反応式(1)から明らかな
様に、モル比で1:1の割合とする必要がある。
説明する。まず水懸濁状態で加温・保持するときの温度
は、70℃を超える温度とする必要がある。この温度が
70℃以下では、CaHPO4 ・2H2 O粉末固有の板
状の結晶形態が保たれ、その後行われる1段階の焼成工
程だけでは、TTCP、アパタイトおよびCaOの混合
物となるだけであり、希望する高純度のTTCPが得ら
れない。
に限定されるものではないが、耐圧構造を有しない一般
的な開放反応缶を利用できるという観点からして、10
0℃以下であることが好ましい。また加温・保持時間に
ついても、特に限定されるものではないが、上記の条件
下では4〜6時間程度で反応がほぼ終了する。
料粉末の単なる混合工程ではなく、前述の如く反応を焼
成前に予めある程度進行させる為のものであって、焼成
前にこうした工程を行なうことによって、1段階の焼成
によって希望する高純度のTTCPが製造できるのであ
る。
は、濾別された後乾燥され、更に焼成されるのである
が、このときの焼成条件は常法に従って行なえば良く、
例えば焼成温度は1300〜1500℃程度である。本
発明の全反応工程は、下記反応式(1)に示す通りであ
る。 2CaHPO4 ・2H2 O+2CaCO3 →Ca4 (PO4 )2 O+4H2 O+2CO2 ↑…(1)
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
000gを入れ、デジタルミキサーで撹拌しつつ、Ca
HPO4 ・2H2 O粉末(太平化学産業株式会社製)3
44gと、平均粒径:4μmのCaCO3 粉末(カルシ
ード株式会社製、超高純度品)200gを加えて水懸濁
状態とした後、加温して液温を90℃に保ち、撹拌下に
5時間反応させた。ヌッチェで反応沈殿物を濾別した
後、150℃で3時間乾燥し、反応生成物(中間生成
物)を358g得た。この中間生成物を、1450℃で
5時間焼成して焼成物とした。
000gを入れ、デジタルミキサーで撹拌しつつ、Ca
HPO4 ・2H2 O粉末(太平化学産業株式会社製)2
75gと、平均粒径:4μmのCaCO3 粉末(カルシ
ード株式会社製、超高純度品)160gを加えて水懸濁
状態とした後、加温して液温を80℃に保ち、撹拌下に
5時間反応させた。ヌッチェで反応沈殿物を濾別した
後、150℃で3時間乾燥し、中間生成物を290g得
た。この中間生成物を、1350℃で8時間焼成して焼
成物とした。
000gを入れ、デジタルミキサーで撹拌しつつ、Ca
HPO4 ・2H2 O粉末(太平化学産業株式会社製)3
44gと、平均粒径:8μmのCaCO3 粉末(和光純
薬工業株式会社製、試薬特級粉砕品)200gを加えて
水懸濁状態とした後、加温して液温を95℃に保ち、撹
拌下に5時間反応させた。ヌッチェで反応沈殿物を濾別
した後、150℃で3時間乾燥し、中間生成物を356
g得た。この中間生成物を、1450℃で5時間焼成し
て焼成物とした。
000gを入れ、デジタルミキサーで撹拌しつつ、Ca
HPO4 ・2H2 O粉末(太平化学産業株式会社製)3
44gと、平均粒径:14μmのCaCO3 粉末(和光
純薬工業株式会社製、試薬特級)200gを加えて水懸
濁状態とした後、加温して液温を95℃に保ち、撹拌下
に5時間反応させた。ヌッチェで反応沈殿物を濾別した
後、150℃で3時間乾燥し、中間生成物を359g得
た。この中間生成物を、1450℃で5時間焼成して焼
成物とした。
CaCO3 粉末を水懸濁状態とした後、加温して液温を
55℃に保ち、撹拌下に10時間反応させた。ヌッチェ
で反応沈殿物を濾別した後、150℃で3時間乾燥し、
中間生成物を355g得た。この中間生成物を、145
0℃で5時間焼成して焼成物とした。
られた中間生成物および焼成物について、X線回折装置
(商品名「RAD−1A」、理学電機株式会社製)を用
いて同定すると共に、HAP(2θ=25.9°)とT
TCP(2θ=29.7°)のX線回折強度比[IHAP
/(IHAP +ITTCP)]からTTCPの純度を測定し
た。
1に示す。尚表1において、「am−HAP」は低結晶
性ヒドロキシアパタイト、「am−CaCO3 」は低結
晶性炭酸カルシウムを、夫々示している。また中間生成
物のX線回折結果を図1に、焼成物のX線回折結果を図
2に、夫々示す。
規定する要件を満足する実施例1〜3のものは、高純度
のTTCPが得られていることが分かる。
物質や副生成物を含まず、高純度のリン酸四カルシウム
を製造することができた。また本発明方法によれば、ボ
ールミル等のメカニケミカル作用を有する工程を含まな
いので、比較的簡単な製造工程によってそれが実現でき
ると共に、外部からの汚染物質の混入という不都合を基
本的に招くこともなく、工業的な大量生産も可能であ
る。
れた中間成物におけるX線回折結果を示すチャートであ
る。
れた焼成物におけるX線回折結果を示すチャートであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 CaHPO4 ・2H2 O粉末とCaCO
3 微粒子粉末を、モル比で1:1の割合なる様に混合し
て水懸濁状態とし、これを70℃を超える温度で加温・
保持して反応させた後、反応生成物を焼成することを特
徴とするリン酸四カルシウムの製造方法。 - 【請求項2】 CaCO3 微粒子粉末の平均粒径が5μ
m以下である請求項1に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19221095A JP3668530B2 (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | リン酸四カルシウムの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19221095A JP3668530B2 (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | リン酸四カルシウムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0940407A true JPH0940407A (ja) | 1997-02-10 |
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Family
ID=16287503
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19221095A Expired - Fee Related JP3668530B2 (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | リン酸四カルシウムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3668530B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007254472A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Heraeus Kulzer Gmbh | 生物活性作用を有するヒドロキシアパタイト形成歯科材料 |
CN102167299A (zh) * | 2011-01-24 | 2011-08-31 | 南京工业大学 | 一种用于骨水泥生物材料的磷酸四钙的制备方法 |
JP6318282B1 (ja) * | 2017-01-26 | 2018-04-25 | 潤泰精密材料股▲分▼有限公司 | リン酸四カルシウムを調製する方法 |
CN112479173A (zh) * | 2020-12-02 | 2021-03-12 | 中山职业技术学院 | 一种3d打印用高孔隙连通性磷酸四钙纳米粉体及其制备方法 |
CN112607719A (zh) * | 2020-12-02 | 2021-04-06 | 中山职业技术学院 | 一种3d打印用高力学性能磷酸四钙纳米粉体及其制备方法 |
-
1995
- 1995-07-27 JP JP19221095A patent/JP3668530B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
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CN112607719B (zh) * | 2020-12-02 | 2022-04-15 | 中山职业技术学院 | 一种3d打印用高力学性能磷酸四钙纳米粉体及其制备方法 |
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